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中・長期循環から見た2017年以降の景気動向

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(1)

中・長期循環から見た2017年以降の景気動向

著者

村田 治

雑誌名

経済学論究

70

4

ページ

1-23

発行年

2017-03-20

URL

http://hdl.handle.net/10236/00025826

(2)

中・長期循環から見た

2017

年以降の景気動向

The economic trends from 2017 onwards

in terms of Juglar and Kuznets cycle

村 田   治  

The purpose of this paper is to forecast economic trends from 2017

onwards. In order to accomplish this, first, we verify the economic

movement in 16th business cycle and extract a distinctive feature of the economic movement in terms of Indexes of Business Conditions especially the Composite Index.

Secondary, we examine how the Juglar cycles change by means of Diffusion Index, Business Sentiment Diffusion Index OECD Business Indicator and so on. We also observe how the Kuznets cycles behave by the use of the same data of business indexes.

Lastly, we forecast the future business trend up to 2019 by the use of the Juglar cycles and the Kuznets cycles. As a result, we find out that the business trend will tend to increase from 2017 to 2019.

Osamu Murata

  JEL:E22, E32

キーワード:景気予測、日本経済、複合循環論、ジュグラーサイクル、クズネッツサイクル Keywords:The business forecast, The economy of Japan, The compound

theory of business cycle, Juglar cycle, Kuznets cycle

はじめに

日本経済は、2016年12月末時点において、2012年11月以降の第16循環 の景気拡張期にあると見なされているが、2014年1月以来、足踏み状態が続 いているとの認識もある。本稿では、この点を確認するとともに、景気の拡張 期におけるこのような足踏み状態の原因を探る。さらに、2017年∼2019年に — 1 —

(3)

かけての日本経済の景気の先行きを予測する。 景気予測を行う場合、様々な手法が存在する。例えば、計量経済学的手法に よる予測、段階的接近法を用いた予測、あるいは先行指標を活用した予測など、 様々な予測方法が用いられてきた。計量モデルによる予測は、内閣府経済社会 総合研究所や多くのシンクタンクで行われているもので、100本程度の連立方 程式からGDP等の経済変数の動きを予測するものである。段階的接近法によ る予測は、OECDや日本経済研究センターなどで行われており、最終需要、生 産、労働、物価などブロックごとに経済変数の推定を行い、推定値がブロック 間で一致するように調整する方法である。また、先行指標による予測は、内閣 府の景気動向指数や三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所など のシンクタンクが作成する先行指標に基づいて景気予測を行う方法である。 さらに、景気循環論を用いて予測する方法がある。本稿では、この景気循環 論を利用して2017年以降の景気の予測を行いたい。ここで採用する景気循環 論はいわゆる複合循環論であり、景気の動きは短期循環(キチンサイクル)、中 期循環(ジュグラーサイクル)、長期循環(クズネッツサイクル)の合成として 構成されると考える。さらに、短期循環の長さや振幅は、中期循環や長期循環 の位相に影響を受けると考えられ、長期循環や中期循環の上昇局面には短期循 環の拡張期(後退期)は長く(短く)、振幅も大きく(小さく)なり、逆に、長 期循環や中期循環の下降局面には短期循環の拡張期(後退期)は短く(長く)、 振幅も小さく(大きく)なると考えられている1)。本稿において、われわれが 予測する2017年以降の景気動向は短期循環の動きであるので、複合循環論の 考えに従い、長期循環と中期循環の動向から予測しよう。 本稿の構成は以下の通りである。まず、第1節では、2012年11月以降第 16循環に入ってからの景気動向を確認する。第2節では、様々な指標を用い て中期循環の動きを検討し、続く第3節では、いくつかの指標から長期循環の 動きに焦点を合わせて考察する。最後の第4節では、複合循環論の立場から中 期循環と長期循環の指標を用いて2017年∼2019年の景気の動きを予測する。 1) Schumpeter(1939、邦訳 p.247)を参照されたい。

(4)

第 1 節 近年の景気動向

本節では、2012年11月以降の第16循環の景気の動きについて概観し、そ の後、これまでの景気循環との比較を行う。 (1) 第16循環における景気動向 まず、2012年11月以来の景気の動向について見ていこう。図1には景気 動向指数CI一致指数の直近10年間の動きが示されている2)。図 1からわか るように、2014年4月以降、CI一致指数の値は110∼114の間を推移してお り、日本経済は一進一退の足踏み状態にあると判断される。 図 1   CI 一致指数の推移 130 140 80 90 100 110 120 130 60 70 ᬒẼᚋ㏥ᮇ CI୍⮴ᣦᩘ このことを別の指標で見てみよう。図2は、2009年以降の業況判断DI(大 企業/製造業)とOECD景気指数の動きを描いたものである3)。この図から も、2014年第Ⅱ四半期以降、業況判断DI、OECD景気指数ともに足踏み状 態であることがわかる。 さらに、この点を出荷・在庫バランスで確認したのが図3である4)。図 3か ら、出荷・在庫バランスが、2014年第Ⅱ四半期以降0%の近傍を千鳥足状態で 推移していることがわかる。 2) 内閣府の景気統計データより作成。以下、同様。 3) 日本銀行時系列統計データ、および OECD Outlook より作成。以下、同様。 4) 経済産業省鉱工業指数データより作成。 — 3 —

(5)

図 2  業況判断 DI(大企業/製造業)と OECD 景気指数 101 102 103 10 20 30 96 97 98 99 100 -40 -30 -20 -10 0 20092010201120122013201420152016ᖺ 93 94 95 -70 -60 -50 ᬒẼᚋ㏥ᮇ ᴗἣุ᩿DI୍⮴ᣦᩘ 䠄ᕥ┠┒䠅 OECDᬒẼᣦᩘ 䠄ྑ┠┒䠅 図 3  出荷・在庫バランスの動き 100 40 40 50 60 70 80 90 -10 0 10 20 30 20092010201120122013201420152016ᖺ 0 10 20 30 -40 -30 -20 ᬒẼᚋ㏥ᮇ ฟⲴ䞉ᅾᗜ䝞䝷䞁䝇 次に、景気動向指数とは異なった指標で2012年以降の日本経済の状況を見た のが図4である。図4には、2006年以降のGDPギャップが描かれている5) 図からわかるように、日銀推計のGDPギャップにおいても2015年第Ⅱ四半 期以降マイナスが続いており、供給過剰となっている。このことからも、ここ 数年は景気が拡大しているとは言い難く足踏み状態と判断することができる。 5) 日本銀行分析データ「需給ギャップと潜在成長率」より作成。

(6)

図 4   GDP ギャップの推移 12 4 4 6 8 10 -4 -2 0 2 20062007200820092010201120122013201420152016ᖺ 0 2 -8 -6 ᬒẼᚋ㏥ᮇ ᪥㖟᥎ィGDP䜼䝱䝑䝥 (2) 過去の景気循環との比較 これまで、いくつかの指標でここ5∼10年くらいの景気の動きを見てきた が、いずれの指標からも2014年第Ⅱ四半期以降において景気は足踏み状態に あると判断できる。実は、このような景気の足踏み状態は過去においてもいく つか観察されている。このことを確かめるために、長期データによって過去の 景気循環を概観してみよう。 まず、1970年以降のCI一致指数の動きを図示したのが図5である。この 図からわかるように、第8循環の拡張期、第9循環の後退期、第12循環の拡 張期前半、第14循環の拡張期前半において、第16循環と同様の足踏み状態 の様子が読み取れる6) 同様の傾向は、図6の業況判断DIとOECD景気指数からも見て取れる。 図6からもわかるように、業況判断DI(大企業/製造業)とOECD景気指数 はほとんど同じ動きをしており、CI一致指数と同じように第16循環の拡張期 においては足踏み状態を示している。同様の傾向は、第12循環と第14循環 の拡張期においても観察される。 6) ここでは事実を指摘するだけにとどめる。この原因については、第 4 節第 5 項で詳しく考察す る。 — 5 —

(7)

図 5   CI 一致指数 120 140 40 60 80 100 120 0 20 1970 1971 1972 1973 1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 ᬒẼᚋ㏥ᮇ 䠟䠥୍⮴ᣦᩘ 図 6  業況判断 DI と OECD 景気指数 104 60 97 98 99 100 101 102 103 -20 0 20 40 1 9 8 3 ᖺ 1 9 8 3 ᖺ 1 9 8 4 ᖺ 1 9 8 5 ᖺ 1 9 8 6 ᖺ 1 9 8 6 ᖺ 1 9 8 7 ᖺ 1 9 8 8 ᖺ 1 9 8 9 ᖺ 1 9 8 9 ᖺ 1 9 9 0 ᖺ 1 9 9 1 ᖺ 1 9 9 2 ᖺ 1 9 9 2 ᖺ 1 9 9 3 ᖺ 1 9 9 4 ᖺ 1 9 9 5 ᖺ 1 9 9 5 ᖺ 1 9 9 6 ᖺ 1 9 9 7 ᖺ 1 9 9 8 ᖺ 1 9 9 8 ᖺ 1 9 9 9 ᖺ 2 0 0 0 ᖺ 2 0 0 1 ᖺ 2 0 0 1 ᖺ 2 0 0 2 ᖺ 2 0 0 3 ᖺ 2 0 0 4 ᖺ 2 0 0 4 ᖺ 2 0 0 5 ᖺ 2 0 0 6 ᖺ 2 0 0 7 ᖺ 2 0 0 7 ᖺ 2 0 0 8 ᖺ 2 0 0 9 ᖺ 2 0 1 0 ᖺ 2 0 1 0 ᖺ 2 0 1 1 ᖺ 2 0 1 2 ᖺ 2 0 1 3 ᖺ 2 0 1 3 ᖺ 2 0 1 4 ᖺ 2 0 1 5 ᖺ 2 0 1 6 ᖺ 94 95 96 97 -80 -60 -40 ᬒẼᚋ㏥ᮇ ᴗἣุ᩿䠠䠥(኱௻ᴗ/〇㐀ᴗ)(ᕥ┠┒) 䠫䠡䠟䠠ᬒẼᣦᩘ(ྑ┠┒) 次に、GDP成長率とOECD景気指数の長期的な推移について見たのが図 7である7)。図7GDP成長率についても、2014年第Ⅱ四半期以降足踏み状 態が観察され、同様の傾向は、第9循環の景気後退期、第12循と第14循環 の景気拡張期にも見られる。 さらに、2014年第Ⅱ四半期以降のGDP成長率の寄与度について見てみよ う。これを図示したのが図8である。図8からわかるように、2014年第Ⅱ四 半期以降、内需の寄与度がマイナス、あるいはプラスであっても小さくなって 7) GDP 成長率等のデータは内閣府の国民経済計算(GDP 統計)の数値からトレンドを除去して 求めている。以下のデータも同様である。

(8)

図 7   GDP 成長率と OECD 景気指数 103 104 6 8 98 99 100 101 102 103 -4 -2 0 2 4 6 ᬒẼᚋ㏥ᮇ 䠣䠠䠬ᡂ㛗⋡ 䠫䠡䠟䠠ᬒẼᣦᩘ 95 96 97 -10 -8 -6 いることがわかる。これに対して、第12循環∼第15循環については、景気 拡張期において内需の寄与度が大きくプラスとなっており、第16循環の2014 年第Ⅱ四半期以降とは大きく異なっている。このことからも、2014年第Ⅱ四 半期以降景気が足踏み状態であり、かつ、その原因が内需の弱さにあると理解 できる。 図 8   GDP 成長率寄与度グラフ 10 12 6 8 4 6 8 -6 -4 -2 0 2 4 1995ᖺ1996ᖺ1997ᖺ1998ᖺ1999ᖺ2000ᖺ2001ᖺ2002ᖺ2003ᖺ2004ᖺ2005ᖺ2006ᖺ2007ᖺ2008ᖺ2009ᖺ2010ᖺ2011ᖺ2012ᖺ2013ᖺ2014ᖺ2015ᖺ2016ᖺ 0 2 -12 -10 -8 እ㟂 እ㟂 ෆ㟂 ᬒẼᚋ㏥ᮇ GDPᡂ㛗⋡ さらに、内需の構成要素の中でどの要因が景気の足を引っ張っているのか見 るために、内需の寄与度分解をいたのが図9である。 — 7 —

(9)

図 9  内需寄与度 12 6 8 4 6 8 10 -6 -4 -2 0 2 4 1995ᖺ 1996ᖺ 1997ᖺ 1998ᖺ 1999ᖺ 2000ᖺ 2001ᖺ 2002ᖺ 2003ᖺ 2004ᖺ 2005ᖺ 2006ᖺ 2007ᖺ 2008ᖺ 2009ᖺ 2010ᖺ 2011ᖺ 2012ᖺ 2013ᖺ 2014ᖺ 2015ᖺ 2016ᖺ 0 2 -12 -10 -8 Ẹ㛫ఫᏯᢞ㈨ Ẹ㛫タഛᢞ㈨ Ẹ㛫タഛᢞ㈨ Ẹ㛫᭱⤊ᾘ㈝ ᬒẼᚋ㏥ᮇ GDPᡂ㛗⋡ この図から、2014年第Ⅱ四半期以降、消費の伸び率がマイナス、あるいは プラスでも小さくなっていることが景気の足踏み状態をもたらしていると判断 できる。実際、第12循環から第15循環の景気拡張期においては、消費の伸 び率はプラスとなっている。2014年第Ⅱ四半期以降の消費の伸び悩みは言う までもなく、消費税率の5%から8%への引き上げが原因と考えられる。同様 のことは、1997年4月1日の消費税の3%から5%への引き上げの際にも生じ ている8)。図 9からもわかるように、1997年4月の消費税増税の後、景気は 急速に冷え込み、第12循環は1997年5月を境に景気後退期に突入したので ある。しかしながら、第12循環においては、第16循環のように景気の足踏 み状態は生じておらず、2014年第Ⅱ四半期以降の足踏み状態が消費税の増税 のみに起因するとは考えられない。そこで消費税以外の原因を探るために、短 期の景気動向に影響を与える中・長期循環の動きを見ていくことにしよう。

第 2 節 中期循環(ジュグラーサイクル)の動き

本節では、複合循環論の立場から中期循環の動きを考察し、ジュグラーサイ クルの山と谷のクロノロジーを見ていく。 8) 1997 年第 1 四半期の消費寄与度と設備投資寄与度の急伸は、2014 年第 1 四半期同様に消費 税増税を睨んだ駆け込み需要によるものである。

(10)

(1) 設備投資比率と資本ストック成長率 まず、中期循環(ジュグラーサイクル)の循環メカニズムを反映している 設備投資比率の動きから見ていく9)。図 10には、設備投資比率とそのジュグ ラーサイクルの動きが描かれている10) 図 10  設備投資比率 150 200 25 % -200 -150 -100 -50 0 50 100 5 10 15 20 -300 -250 200 0 5 1 9 5 5 ᖺ 1 9 5 6 ᖺ 1 9 5 7 ᖺ 1 9 5 8 ᖺ 1 9 5 9 ᖺ 1 9 6 0 ᖺ 1 9 6 1 ᖺ 1 9 6 2 ᖺ 1 9 6 3 ᖺ 1 9 6 4 ᖺ 1 9 6 5 ᖺ 1 9 6 6 ᖺ 1 9 6 7 ᖺ 1 9 6 8 ᖺ 1 9 6 9 ᖺ 1 9 7 0 ᖺ 1 9 7 1 ᖺ 1 9 7 2 ᖺ 1 9 7 3 ᖺ 1 9 7 4 ᖺ 1 9 7 5 ᖺ 1 9 7 6 ᖺ 1 9 7 7 ᖺ 1 9 7 8 ᖺ 1 9 7 9 ᖺ 1 9 8 0 ᖺ 1 9 8 1 ᖺ 1 9 8 2 ᖺ 1 9 8 3 ᖺ 1 9 8 4 ᖺ 1 9 8 5 ᖺ 1 9 8 6 ᖺ 1 9 8 7 ᖺ 1 9 8 8 ᖺ 1 9 8 9 ᖺ 1 9 9 0 ᖺ 1 9 9 1 ᖺ 1 9 9 2 ᖺ 1 9 9 3 ᖺ 1 9 9 4 ᖺ 1 9 9 5 ᖺ 1 9 9 6 ᖺ 1 9 9 7 ᖺ 1 9 9 8 ᖺ 1 9 9 9 ᖺ 2 0 0 0 ᖺ 2 0 0 1 ᖺ 2 0 0 2 ᖺ 2 0 0 3 ᖺ 2 0 0 4 ᖺ 2 0 0 5 ᖺ 2 0 0 6 ᖺ 2 0 0 7 ᖺ 2 0 0 8 ᖺ 2 0 0 9 ᖺ 2 0 1 0 ᖺ 2 0 1 1 ᖺ 2 0 1 2 ᖺ 2 0 1 3 ᖺ 2 0 1 4 ᖺ 2 0 1 5 ᖺ 2 0 1 6 ᖺ ᬒẼᚋ㏥ᮇ タഛᢞ㈨ẚ⋡ タഛᢞ㈨ẚ⋡䝆䝳䜾䝷䞊 この図から、設備投資比率ジュグラーサイクルの山と谷のクロノロジーを表 にすると表1のようになる。 次に、トレンド除去後の資本ストック成長率とそのジュグラーサイクルを描 いたのが図11である11)。また、資本ストック成長率のジュグラーサイクルか 9) ジュグラーサイクルのメカニズムと設備投資比率の関係については、村田(2012、第 6 章、第 7 章)を参照されたい。また、GDP に対する設備投資の比率である設備投資比率をジュグラー サイクルに関係づけたのは篠原(1961b)である。 10) 図 10 は、2016 年 12 月の設備投資に関する GDP 統計の改定を反映した内閣府の国民経済計 算(GDP 統計)の名目値のデータを用いていて作成。また、ジュグラーサイクルは、設備投 資・GDP 比率の 15 期中心移動平均から 27 期中心移動平均を差し引いて求めている。 11) 資本ストック成長率のデータは国民経済計算(GDP 統計)から作成し、5 次多項式を適用して トレンドを除去している。トレンド除去後のデータの 15 期中心移動平均値から 27 期中心移動 平均値を引いてジュグラーサイクルを抽出している。ジュグラーサイクルの抽出については、村 田(2012、第 1 章)を参照されたい。また、多項式トレンドの推計結果は以下のとおりである。 ただし、括弧内の値は t 値である。   資本ストック成長率 = (4.88)   2.59 + (15.6)   0.684t (−13.6)− 0.0151t2 + (11.4)   0.000132t3        (−9.9)(5.2E-07)t4 + (8.9)   (7.65E-10)t5 — 9 —

(11)

ら山と谷のクロノロジーを表にしたのが表2である。 表 1  設備投資比率ジュグラーサイクルのクロノロジー  ㇂ ᒣ ㇂ ㇂࡜㇂ࡢᮇ㛫 ᒣ࡜ᒣࡢᮇ㛫 1962ᖺϩ 1967ᖺϨ  7.25 ᖺ 1967ᖺϨ 1969ᖺϪ 1977ᖺϨ 10.0ᖺ 11.25ᖺ 1977ᖺϨ 1980ᖺϫ 1987ᖺϫ 10.75ᖺ 10.25ᖺ 1987ᖺϫ 1991ᖺϨ 1994ᖺϪ  6.75 ᖺ   6.0ᖺ 1994ᖺϪ 1997ᖺϨ 2003ᖺϩ   8.75 ᖺ   10.0ᖺ 2003ᖺϩ 2007ᖺϨ 2011ᖺϨ   7.0 ᖺ      ᖹ ᆒ ᮇ 㛫 8.65ᖺ 8.95ᖺ 図 11  資本ストック成長率 2 7 0 0.5 1 1.5 -1 1 3 5 19 5 6 ᖺ 19 5 7 ᖺ 19 5 8 ᖺ 19 5 9 ᖺ 19 6 0 ᖺ 19 6 1 ᖺ 19 6 2 ᖺ 19 6 3 ᖺ 19 6 4 ᖺ 19 6 5 ᖺ 19 6 6 ᖺ 19 6 7 ᖺ 19 6 8 ᖺ 19 6 9 ᖺ 19 7 0 ᖺ 19 7 1 ᖺ 19 7 2 ᖺ 19 7 3 ᖺ 19 7 4 ᖺ 19 7 5 ᖺ 19 7 6 ᖺ 19 7 7 ᖺ 19 7 8 ᖺ 19 7 9 ᖺ 19 8 0 ᖺ 19 8 1 ᖺ 19 8 2 ᖺ 19 8 3 ᖺ 19 8 4 ᖺ 19 8 5 ᖺ 19 8 6 ᖺ 19 8 7 ᖺ 19 8 8 ᖺ 19 8 9 ᖺ 19 9 0 ᖺ 19 9 1 ᖺ 19 9 2 ᖺ 19 9 3 ᖺ 19 9 4 ᖺ 19 9 5 ᖺ 19 9 6 ᖺ 19 9 7 ᖺ 19 9 8 ᖺ 19 9 9 ᖺ 20 0 0 ᖺ 20 0 1 ᖺ 20 0 2 ᖺ 20 0 3 ᖺ 20 0 4 ᖺ 20 0 5 ᖺ 20 0 6 ᖺ 20 0 7 ᖺ 20 0 8 ᖺ 20 0 9 ᖺ 20 1 0 ᖺ 20 1 1 ᖺ 20 1 2 ᖺ 20 1 3 ᖺ 20 1 4 ᖺ 20 1 5 ᖺ 20 1 6 ᖺ -1.5 -1 -0.5 -5 -3 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 䝖䝺䞁䝗㝖ཤ㈨ᮏ䝇䝖䝑䜽ᡂ㛗⋡ ㈨ᮏ䝇䝖䝑䜽ᡂ㛗⋡䝆䝳䜾䝷䞊 表 2  資本ストック成長率ジュグラーサイクルのクロノロジー  ㇂ ᒣ ㇂ ㇂࡜㇂ࡢᮇ㛫 ᒣ࡜ᒣࡢᮇ㛫 1962ᖺϪ 1967ᖺϩ   7.5ᖺ 1967ᖺϩ 1970ᖺϨ 1977ᖺϫ   10.5 ᖺ 11.0ᖺ 1977ᖺϫ 1981ᖺϨ 1984ᖺϩ   6.5 ᖺ 9.75ᖺ 1984ᖺϩ 1990ᖺϫ 1994ᖺϫ  10.5 ᖺ 6.25ᖺ 1994ᖺϫ 1997ᖺϨ 2004ᖺϪ   9.75 ᖺ 9.75ᖺ 2004ᖺϪ 2006ᖺϫ 2010ᖺϪ   6.0 ᖺ      ᖹ ᆒ ᮇ 㛫 8.65 ᖺ 8.85 ᖺ

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(2) 生産・営業用設備判断DIと業況判断DI さらに、資本設備の需給を反映していると考えられる生産・営業用設備判断 DIについて見ていこう。図12には、製造業の大企業と中小企業の生産・営業 用設備判断DIが描かれている12) 図 12  生産・営業用設備判断 DI(製造業) 12 -20 4 6 8 10 -10 0 10 20 30 1 9 7 4 ᖺ 1 9 7 5 ᖺ 1 9 7 6 ᖺ 1 9 7 7 ᖺ 1 9 7 8 ᖺ 1 9 7 9 ᖺ 1 9 8 0 ᖺ 1 9 8 1 ᖺ 1 9 8 2 ᖺ 1 9 8 3 ᖺ 1 9 8 4 ᖺ 1 9 8 5 ᖺ 1 9 8 6 ᖺ 1 9 8 7 ᖺ 1 9 8 8 ᖺ 1 9 8 9 ᖺ 1 9 9 0 ᖺ 1 9 9 1 ᖺ 1 9 9 2 ᖺ 1 9 9 3 ᖺ 1 9 9 4 ᖺ 1 9 9 5 ᖺ 1 9 9 6 ᖺ 1 9 9 7 ᖺ 1 9 9 8 ᖺ 1 9 9 9 ᖺ 2 0 0 0 ᖺ 2 0 0 1 ᖺ 2 0 0 2 ᖺ 2 0 0 3 ᖺ 2 0 0 4 ᖺ 2 0 0 5 ᖺ 2 0 0 6 ᖺ 2 0 0 7 ᖺ 2 0 0 8 ᖺ 2 0 0 9 ᖺ 2 0 1 0 ᖺ 2 0 1 1 ᖺ 2 0 1 2 ᖺ 2 0 1 3 ᖺ 2 0 1 4 ᖺ 2 0 1 5 ᖺ 2 0 1 6 ᖺ 0 2 40 50 60 ᬒẼᚋ㏥ᮇ ⏕⏘・営業用設備判断 ・営業用設備判断 DI䠄኱௻ᴗ/〇㐀ᴗ䠅 䠅 ⏕⏘ DI䠄୰ᑠ௻ᴗ/〇㐀ᴗ 大企業、中小企業ともに約7年∼10年のサイクルが観察できるが、この点 をより明確にするために、大企業の生産・営業用設備判断DIのジュグラーサ イクルを描き、山と谷のクロノロジーを示したのが図13と表3である。 図 13  生産・営業用設備判断 DI ジュグラーサイクル 12 -15 4 6 8 10 -10 -5 0 1 9 7 7 ᖺ 1 9 7 8 ᖺ 1 9 7 9 ᖺ 1 9 8 0 ᖺ 1 9 8 1 ᖺ 1 9 8 2 ᖺ 1 9 8 3 ᖺ 1 9 8 4 ᖺ 1 9 8 5 ᖺ 1 9 8 6 ᖺ 1 9 8 7 ᖺ 1 9 8 8 ᖺ 1 9 8 9 ᖺ 1 9 9 0 ᖺ 1 9 9 1 ᖺ 1 9 9 2 ᖺ 1 9 9 3 ᖺ 1 9 9 4 ᖺ 1 9 9 5 ᖺ 1 9 9 6 ᖺ 1 9 9 7 ᖺ 1 9 9 8 ᖺ 1 9 9 9 ᖺ 2 0 0 0 ᖺ 2 0 0 1 ᖺ 2 0 0 2 ᖺ 2 0 0 3 ᖺ 2 0 0 4 ᖺ 2 0 0 5 ᖺ 2 0 0 6 ᖺ 2 0 0 7 ᖺ 2 0 0 8 ᖺ 2 0 0 9 ᖺ 2 0 1 0 ᖺ 2 0 1 1 ᖺ 2 0 1 2 ᖺ 0 2 5 10 12) 生産・営業用設備判断 DI の値は日銀短観データから作成し、逆サイクルで描かれている。 — 11 —

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表 3  生産設備業況判断 DI(大企業・製造業)  ㇂ ᒣ ㇂ ㇂࡜㇂ࡢᮇ㛫 ᒣ࡜ᒣࡢᮇ㛫 1980ᖺϩ 1987ᖺϩ   10.0 ᖺ 1987ᖺϩ 1990ᖺϩ 1994ᖺϨ  6.75 ᖺ   6.25 ᖺ 1994ᖺϨ 1996ᖺϪ 2000ᖺϪ   6.5 ᖺ   10.25 ᖺ 2000ᖺϪ 2006ᖺϫ 2010ᖺϪ   10.0 ᖺ 5.5ᖺ 2010ᖺϪ 2012ᖺϩ      ᖹ ᆒ ᮇ 㛫 7.75ᖺ 8.0ᖺ さらに、業況判断DIのジュグラーサイクルを描き、山と谷のクロノロジー をまとめたのが図14と表4である。 図 14  業況判断 DI ジュグラーサイクル 12 30 4 6 8 10 -10 0 10 20 1 9 6 9 ᖺ 1 9 7 0 ᖺ 1 9 7 1 ᖺ 1 9 7 2 ᖺ 1 9 7 3 ᖺ 1 9 7 4 ᖺ 1 9 7 5 ᖺ 1 9 7 6 ᖺ 1 9 7 7 ᖺ 1 9 7 8 ᖺ 1 9 7 9 ᖺ 1 9 8 0 ᖺ 1 9 8 1 ᖺ 1 9 8 2 ᖺ 1 9 8 3 ᖺ 1 9 8 4 ᖺ 1 9 8 5 ᖺ 1 9 8 6 ᖺ 1 9 8 7 ᖺ 1 9 8 8 ᖺ 1 9 8 9 ᖺ 1 9 9 0 ᖺ 1 9 9 1 ᖺ 1 9 9 2 ᖺ 1 9 9 3 ᖺ 1 9 9 4 ᖺ 1 9 9 5 ᖺ 1 9 9 6 ᖺ 1 9 9 7 ᖺ 1 9 9 8 ᖺ 1 9 9 9 ᖺ 2 0 0 0 ᖺ 2 0 0 1 ᖺ 2 0 0 2 ᖺ 2 0 0 3 ᖺ 2 0 0 4 ᖺ 2 0 0 5 ᖺ 2 0 0 6 ᖺ 2 0 0 7 ᖺ 2 0 0 8 ᖺ 2 0 0 9 ᖺ 2 0 1 0 ᖺ 2 0 1 1 ᖺ 2 0 1 2 ᖺ 2 0 1 3 ᖺ 2 0 1 4 ᖺ 0 2 -30 -20 ᬒẼᚋ㏥ᮇ ᴗἣุ᩿䠠䠥䝆䝳䜾䝷䞊䝃䜲䜽䝹 表 4  業況判断 DI ジュグラーサイクルのクロノロジー  ㇂ ᒣ ㇂ ㇂࡜㇂ࡢᮇ㛫 ᒣ࡜ᒣࡢᮇ㛫 1972ᖺϪ 1976ᖺϩ   7.75ᖺ 1976ᖺϩ 1980ᖺϩ 1986ᖺϪ  10.25 ᖺ 9.5ᖺ 1986ᖺϪ 1989ᖺϫ 1994ᖺϨ  7.5 ᖺ 6.25ᖺ 1994ᖺϨ 1996ᖺϨ 2002ᖺϫ  8.75 ᖺ 10.0ᖺ 2002ᖺϫ 2006ᖺϨ 2009ᖺϫ   7.0 ᖺ 2009ᖺϫ 2012ᖺϩ 6.25ᖺ      ᖹ ᆒ ᮇ 㛫 7.95ᖺ 8.375ᖺ

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(3) 累積DIとOECD景気指数のジュグラーサイクル  最後に、景気の動向を端的に示す累積DIとOECD景気指数のジュグラー サイクルについて見ておこう。図15は、累積DIとOECD景気指数のジュグ ラーサイクルを描いたものであり、表5と表6にはそれぞれの山と谷のクロ ノロジーをまとめられている13) 図 15  累積 DI と OECD 景気指数のジュグラーサイクル 120 300 80 90 100 110 -100 0 100 200 1 9 6 3 1 9 6 4 1 9 6 5 1 9 6 6 1 9 6 7 1 9 6 8 1 9 6 9 1 9 7 0 1 9 7 1 1 9 7 2 1 9 7 3 1 9 7 4 1 9 7 5 1 9 7 6 1 9 7 7 1 9 7 8 1 9 7 9 1 9 8 0 1 9 8 1 1 9 8 2 1 9 8 3 1 9 8 4 1 9 8 5 1 9 8 6 1 9 8 7 1 9 8 8 1 9 8 9 1 9 9 0 1 9 9 1 1 9 9 2 1 9 9 3 1 9 9 4 1 9 9 5 1 9 9 6 1 9 9 7 1 9 9 8 1 9 9 9 2 0 0 0 2 0 0 1 2 0 0 2 2 0 0 3 2 0 0 4 2 0 0 5 2 0 0 6 2 0 0 7 2 0 0 8 2 0 0 9 2 0 1 0 2 0 1 1 2 0 1 2 2 0 1 3 2 0 1 4 2 0 1 5 60 70 -300 -200 ᬒẼᚋ㏥ᮇ ⣼✚䠠䠥 䠫䠡䠟䠠ᬒẼᣦᩘ 表 5  累積 DI ジュグラーサイクルのクロノロジー  ㇂ ᒣ ㇂ ㇂࡜㇂ࡢᮇ㛫 ᒣ࡜ᒣࡢᮇ㛫 1964ᖺϫ 1969ᖺϨ 1976ᖺϫ  12.0 ᖺ  11.25 ᖺ 1976ᖺϫ 1980ᖺϩ 1987ᖺϪ  10.75 ᖺ 10.0ᖺ 1987ᖺϪ 1990ᖺϩ 1994ᖺ㸯  6.5 ᖺ 6.0ᖺ 1994ᖺϨ 1996ᖺϩ 2003ᖺϩ   9.25 ᖺ 10.0ᖺ 2003ᖺϩ 2006ᖺϩ 2010ᖺϨ   6.75 ᖺ 6.0ᖺ 2010ᖺϨ 2012ᖺϩ      ᖹ ᆒ ᮇ 㛫 9.05ᖺ 8.65ᖺ 13) 内閣府の景気統計の累積 DI 月次データに 5 次多項式を適用してトレンドを除去した。さらに、 トレンドを除去したデータの 49 期中心移動平均から 85 期中心移動平均を差し引いてジュグ ラーサイクルを抽出している。トレンドの推計結果は以下のとおりである。ただし、括弧内の値 は t 値である。  累積 DI = (−70.5)−4322 + (12.9)   23.3t + (0.136)   0.00223 t2 (−2.86)−0.00017t3 (3.39)   + (3.34E-7)t4 (−3.14)−(1.8E-10)t5 — 13 —

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表 6   OECD 景気指数ジュグラーサイクルのクロノロジー  ㇂ ᒣ ㇂ ㇂࡜㇂ࡢᮇ㛫 ᒣ࡜ᒣࡢᮇ㛫 1978ᖺϫ 1982ᖺϪ   11.25 ᖺ 1982ᖺϪ 1990ᖺϨ 1994ᖺϨ  11.5 ᖺ   6.25ᖺ 1994ᖺϨ 1996ᖺϩ 2000ᖺϩ   6.25 ᖺ   10.0ᖺ 2000ᖺϩ 2006ᖺϩ 2010ᖺϪ  10.25 ᖺ 6.0ᖺ 2010ᖺϪ 2012ᖺϩ      ᖹ ᆒ ᮇ 㛫 9.33ᖺ 8.375ᖺ

第 3 節 長期循環(クズネッツサイクル)の動き

本節では、長期循環の動きについて見ていき、クズネッツサイクルの山と谷 のクロノロジーについて検討する。 (1) 建設投資比率と住宅投資 まず、クズネッツサイクルを示していると言われている建設投資比率につい て見ていこう。図16には、建設投資比率とそのクズネッツサイクルが描かれ ている14)。さらに、建設投資比率クズネッツサイクルの山と谷のクロノロジー を表にしたのが表7である。 図 16  建設投資比率クズネッツサイクル 3 -1 0 1 2 1 9 6 3 ᖺ 1 9 6 4 ᖺ 1 9 6 5 ᖺ 1 9 6 6 ᖺ 1 9 6 7 ᖺ 1 9 6 8 ᖺ 1 9 6 9 ᖺ 1 9 7 0 ᖺ 1 9 7 1 ᖺ 1 9 7 2 ᖺ 1 9 7 3 ᖺ 1 9 7 4 ᖺ 1 9 7 5 ᖺ 1 9 7 6 ᖺ 1 9 7 7 ᖺ 1 9 7 8 ᖺ 1 9 7 9 ᖺ 1 9 8 0 ᖺ 1 9 8 1 ᖺ 1 9 8 2 ᖺ 1 9 8 3 ᖺ 1 9 8 4 ᖺ 1 9 8 5 ᖺ 1 9 8 6 ᖺ 1 9 8 7 ᖺ 1 9 8 8 ᖺ 1 9 8 9 ᖺ 1 9 9 0 ᖺ 1 9 9 1 ᖺ 1 9 9 2 ᖺ 1 9 9 3 ᖺ 1 9 9 4 ᖺ 1 9 9 5 ᖺ 1 9 9 6 ᖺ 1 9 9 7 ᖺ 1 9 9 8 ᖺ 1 9 9 9 ᖺ 2 0 0 0 ᖺ 2 0 0 1 ᖺ 2 0 0 2 ᖺ 2 0 0 3 ᖺ 2 0 0 4 ᖺ 2 0 0 5 ᖺ 2 0 0 6 ᖺ 2 0 0 7 ᖺ 2 0 0 8 ᖺ 2 0 0 9 ᖺ 2 0 1 0 ᖺ 2 0 1 1 ᖺ 2 0 1 2 ᖺ 2 0 1 3 ᖺ 2 0 1 4 ᖺ 2 0 1 5 ᖺ -3 -2 ᘓタᢞ㈨ẚ⋡䜽䝈䝛䝑䝒 ᘓタᢞ㈨ẚ⋡ 14) 図 16 は、国土交通省ホームページの「建設投資見通し」と内閣府の国民経済計算(GDP 統計) データから作成されており、実質建設投資額を実質 GDP で割った実質ベースでの値が描かれ ている。また、建設投資比率のトレンドは 5 次多項式を採用し、推計結果は以下の通りである。  建設投資比率 = (7.98)   7.52 + (5.32)   1.72t (−3.98)− 0.137t2 + (3.16)   0.00489t3 (−2.83)(8.3E-5)t4 + (2.71)   (5.52E-7)t5

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表 7  建設投資比率クズネッツサイクルのクロノロジー  ㇂ ᒣ ㇂ ㇂࡜㇂ࡢᮇ㛫 ᒣ࡜ᒣࡢᮇ㛫  1965 ᖺ 1974ᖺ 1983ᖺ 18ᖺ 16 1983ᖺ 1990ᖺ 2000ᖺ  17 ᖺ 17ᖺ 2000ᖺ 2007ᖺ      ᖹ ᆒ ᮇ 㛫 17.5ᖺ 16.5ᖺ 次に、住宅投資の動きを見るために、GDPベースの住宅投資のクズネッツ サイクルを図示したのが図17である15)。さらに、この図からクズネッツサイ クルの山と谷のクロノロジーをまとめたのが表8である。 図 17  住宅投資クズネッツサイクル 4000 -1000 0 1000 2000 3000 1958 ᖺ 1959 ᖺ 1960 ᖺ 1961 ᖺ 1962 ᖺ 1963 ᖺ 1964 ᖺ 1965 ᖺ 1966 ᖺ 1967 ᖺ 1968 ᖺ 1969 ᖺ 1970 ᖺ 1971 ᖺ 1972 ᖺ 1973 ᖺ 1974 ᖺ 1975 ᖺ 1976 ᖺ 1977 ᖺ 1978 ᖺ 1979 ᖺ 1980 ᖺ 1981 ᖺ 1982 ᖺ 1983 ᖺ 1984 ᖺ 1985 ᖺ 1986 ᖺ 1987 ᖺ 1988 ᖺ 1989 ᖺ 1990 ᖺ 1991 ᖺ 1992 ᖺ 1993 ᖺ 1994 ᖺ 1995 ᖺ 1996 ᖺ 1997 ᖺ 1998 ᖺ 1999 ᖺ 2000 ᖺ 2001 ᖺ 2002 ᖺ 2003 ᖺ 2004 ᖺ 2005 ᖺ 2006 ᖺ 2007 ᖺ 2008 ᖺ 2009 ᖺ 2010 ᖺ 2011 ᖺ 2012 ᖺ 2013 ᖺ -4000 -3000 -2000 表 8  住宅投資クズネッツサイクルのクロノロジー  ㇂ ᒣ ㇂ ㇂࡜㇂ࡢᮇ㛫 ᒣ࡜ᒣࡢᮇ㛫  1964 ᖺ 1975ᖺ 1983ᖺ 19ᖺ 16ᖺ 1983ᖺ 1991ᖺ 2009ᖺ  26 ᖺ      ᖹ ᆒ ᮇ 㛫 22.5ᖺ 16ᖺ 15) 図 17 は内閣府の国民経済計算(GDP 統計)の実質値データから作成されている。トレンドは 2 次多項式を採用し、推計結果は以下の通りである。  住宅投資 = (−3.98)−3390 + (20.8)   1513t (−17.99)− 20.46t2 — 15 —

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(2) 業況判断DI、累積DI、およびOECD景気指数 さらに、業況判断DIクズネッツサイクル動きを見てみよう。これを図示し、 山と谷のクロノロジーを表にしたのが図18と表9である。 図 18  業況判断 DI クズネッツサイクル 12 30 4 6 8 10 -10 0 10 20 30 1 9 6 9 ᖺ 1 9 7 0 ᖺ 1 9 7 1 ᖺ 1 9 7 2 ᖺ 1 9 7 3 ᖺ 1 9 7 4 ᖺ 1 9 7 5 ᖺ 1 9 7 6 ᖺ 1 9 7 7 ᖺ 1 9 7 8 ᖺ 1 9 7 9 ᖺ 1 9 8 0 ᖺ 1 9 8 1 ᖺ 1 9 8 2 ᖺ 1 9 8 3 ᖺ 1 9 8 4 ᖺ 1 9 8 5 ᖺ 1 9 8 6 ᖺ 1 9 8 7 ᖺ 1 9 8 8 ᖺ 1 9 8 9 ᖺ 1 9 9 0 ᖺ 1 9 9 1 ᖺ 1 9 9 2 ᖺ 1 9 9 3 ᖺ 1 9 9 4 ᖺ 1 9 9 5 ᖺ 1 9 9 6 ᖺ 1 9 9 7 ᖺ 1 9 9 8 ᖺ 1 9 9 9 ᖺ 2 0 0 0 ᖺ 2 0 0 1 ᖺ 2 0 0 2 ᖺ 2 0 0 3 ᖺ 2 0 0 4 ᖺ 2 0 0 5 ᖺ 2 0 0 6 ᖺ 2 0 0 7 ᖺ 2 0 0 8 ᖺ 2 0 0 9 ᖺ 2 0 1 0 ᖺ 2 0 1 1 ᖺ 2 0 1 2 ᖺ 2 0 1 3 ᖺ 2 0 1 4 ᖺ 0 2 -40 -30 -20 ᬒẼᚋ㏥ᮇ ᴗἣุ᩿䠠䠥䜽䝈䝛䝑䝒 表 9  業況判断 DI クズネッツサイクルのクロノロジー  ㇂ ᒣ ㇂ ㇂࡜㇂ࡢᮇ㛫 ᒣ࡜ᒣࡢᮇ㛫 1984ᖺϨ 1988ᖺϩ 2000ᖺϨ 16.0 ᖺ 17.0ᖺ 2000ᖺϨ 2005ᖺϩ 2011ᖺϩ  11.25 ᖺ      ᖹ ᆒ ᮇ 㛫 13.625ᖺ 17.0ᖺ 最後に、累積DIとOECD景気指数のクズネッツサイクルを描いたのが図 19である。さらに、それぞれのサイクルの山と谷のクロノロジーを示したの 図 19  累積 DI と OECD 景気指数のクズネッツサイクル 120 400 80 90 100 110 0 100 200 300 1 9 6 3 1 9 6 4 1 9 6 5 1 9 6 6 1 9 6 7 1 9 6 8 1 9 6 9 1 9 7 0 1 9 7 1 1 9 7 2 1 9 7 3 1 9 7 4 1 9 7 5 1 9 7 6 1 9 7 7 1 9 7 8 1 9 7 9 1 9 8 0 1 9 8 1 1 9 8 2 1 9 8 3 1 9 8 4 1 9 8 5 1 9 8 6 1 9 8 7 1 9 8 8 1 9 8 9 1 9 9 0 1 9 9 1 1 9 9 2 1 9 9 3 1 9 9 4 1 9 9 5 1 9 9 6 1 9 9 7 1 9 9 8 1 9 9 9 2 0 0 0 2 0 0 1 2 0 0 2 2 0 0 3 2 0 0 4 2 0 0 5 2 0 0 6 2 0 0 7 2 0 0 8 2 0 0 9 2 0 1 0 2 0 1 1 2 0 1 2 2 0 1 3 2 0 1 4 2 0 1 5 2 0 1 6 ᬒẼᚋ㏥ᮇ ⣼✚DI䜽䝈䝛䝑䝒 OECDᬒẼᣦᩘ䜽䝈䝛䝑䝒 60 70 -300 -200 -100

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が表10と表11である。 表 10  累積 DI クズネッツサイクルのクロノロジー  ㇂ ᒣ ㇂ ㇂࡜㇂ࡢᮇ㛫 ᒣ࡜ᒣࡢᮇ㛫  1971ᖺϨ 1984ᖺϩ 19.25ᖺ 1984ᖺϩ 1990ᖺϩ 2001ᖺϨ  16.75 ᖺ 17.25ᖺ 2001ᖺϨ 2007ᖺϪ 2012ᖺϨ 12.0 ᖺ      ᖹ ᆒ ᮇ 㛫 14.375ᖺ 18.25ᖺ 表 11   OECD 景気指数クズネッツサイクルのクロノロジー  ㇂ ᒣ ㇂ ㇂࡜㇂ࡢᮇ㛫 ᒣ࡜ᒣࡢᮇ㛫 1984ᖺϩ 1988ᖺϩ 1996ᖺϩ 12.0 ᖺ 17.25ᖺ 1996ᖺϩ 2005ᖺϪ 2011ᖺϪ  15.25 ᖺ      ᖹ ᆒ ᮇ 㛫 13.625ᖺ 17.25ᖺ

第 4 節 中・長期循環から見た景気動向

これまで、第1節で現在の景気の状況を様々な景気指標によって考察し、第 2節では中期循環の動きを、第3節では長期循環の動きを観察した。本節では、 これらの考察を踏まえて、2017年以降の景気動向について考察していきたい。 その際、中期循環の動きであるジュグラーサイクルと長期循環を示しているク ズネッツサイクルの近年の動きを比較していく。 (1) 資本ストック成長率と住宅投資の動き まず、資本ストック成長率のジュグラーサイクルと住宅投資のクズネッツサ イクルを同時に図示したのが図20である。 図20と表2から、資本ストック成長率ジュグラーサイクルは2006年第Ⅳ 四半期が山、2010年第Ⅲ四半期が谷となっている。表2を参考にすると、資本 ストック成長率ジュグラーサイクルは2013年∼15年あたりで山を迎え、2017 年においては下降局面に入っていると考えられる。また、次の谷は2017年第Ⅲ 四半期∼2019年第Ⅲ四半期であると予想される。さらに表8から判断すると、 — 17 —

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図 20  資本ストック成長率と住宅投資 12 3000 4 6 8 10 2000 -1000 0 1000 2000 1 9 5 8 ᖺ 1 9 5 9 ᖺ 1 9 6 0 ᖺ 1 9 6 1 ᖺ 1 9 6 3 ᖺ 1 9 6 4 ᖺ 1 9 6 5 ᖺ 1 9 6 6 ᖺ 1 9 6 8 ᖺ 1 9 6 9 ᖺ 1 9 7 0 ᖺ 1 9 7 1 ᖺ 1 9 7 3 ᖺ 1 9 7 4 ᖺ 1 9 7 5 ᖺ 1 9 7 6 ᖺ 1 9 7 8 ᖺ 1 9 7 9 ᖺ 1 9 8 0 ᖺ 1 9 8 1 ᖺ 1 9 8 3 ᖺ 1 9 8 4 ᖺ 1 9 8 5 ᖺ 1 9 8 6 ᖺ 1 9 8 8 ᖺ 1 9 8 9 ᖺ 1 9 9 0 ᖺ 1 9 9 1 ᖺ 1 9 9 3 ᖺ 1 9 9 4 ᖺ 1 9 9 5 ᖺ 1 9 9 6 ᖺ 1 9 9 8 ᖺ 1 9 9 9 ᖺ 2 0 0 0 ᖺ 2 0 0 1 ᖺ 2 0 0 3 ᖺ 2 0 0 4 ᖺ 2 0 0 5 ᖺ 2 0 0 6 ᖺ 2 0 0 8 ᖺ 2 0 0 9 ᖺ 2 0 1 0 ᖺ 2 0 1 1 ᖺ 2 0 1 3 ᖺ 2 0 1 4 ᖺ 2 0 1 5 ᖺ 2 0 1 6 ᖺ ᚋ㏥ᮇ ᬒẼ ఫᏯᢞ㈨䜽䝈䝛䝑䝒 ㈨ᮏ䝇䝖䝑䜽ᡂ㛗⋡䝆䝳䜾䝷䞊 0 2 -4000 -3000 -2000 住宅投資クズネッツサイクルは2009年に谷をつけており2018年∼20年ぐら いまで上昇局面にあると考えられる。つまり、2017年∼19年にかけてジュグ ラーサイクルは下降局面にありクズネッツサイクルは上昇局面にあると判断さ れる。 (2) 業況判断DIの動き 次に、業況判断DIのジュグラーサイクルとクズネッツサイクルを同時に描 いたのが図21である。 図 21  業況判断 DI のジュグラーとクスネッツ 12 30 4 6 8 10 -10 0 10 20 1 9 6 9 ᖺ 1 9 7 0 ᖺ 1 9 7 1 ᖺ 1 9 7 2 ᖺ 1 9 7 3 ᖺ 1 9 7 4 ᖺ 1 9 7 5 ᖺ 1 9 7 6 ᖺ 1 9 7 7 ᖺ 1 9 7 8 ᖺ 1 9 7 9 ᖺ 1 9 8 0 ᖺ 1 9 8 1 ᖺ 1 9 8 2 ᖺ 1 9 8 3 ᖺ 1 9 8 4 ᖺ 1 9 8 5 ᖺ 1 9 8 6 ᖺ 1 9 8 7 ᖺ 1 9 8 8 ᖺ 1 9 8 9 ᖺ 1 9 9 0 ᖺ 1 9 9 1 ᖺ 1 9 9 2 ᖺ 1 9 9 3 ᖺ 1 9 9 4 ᖺ 1 9 9 5 ᖺ 1 9 9 6 ᖺ 1 9 9 7 ᖺ 1 9 9 8 ᖺ 1 9 9 9 ᖺ 2 0 0 0 ᖺ 2 0 0 1 ᖺ 2 0 0 2 ᖺ 2 0 0 3 ᖺ 2 0 0 4 ᖺ 2 0 0 5 ᖺ 2 0 0 6 ᖺ 2 0 0 7 ᖺ 2 0 0 8 ᖺ 2 0 0 9 ᖺ 2 0 1 0 ᖺ 2 0 1 1 ᖺ 2 0 1 2 ᖺ 2 0 1 3 ᖺ 2 0 1 4 ᖺ 0 2 -40 -30 -20 ᬒẼᚋ㏥ᮇ ᴗἣุ᩿䠠䠥䝆䝳䜾䝷䞊䝃䜲䜽䝹 ᴗἣุ᩿䠠䠥䜽䝈䝛䝑䝒䝃䜲䜽䝹 この図と表4から業況判断DIのジュグラーサイクルは2012年第Ⅱ四半期

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の山を境に下降局面に入っていることがわかる。直近の谷が2009年第Ⅳ四半 期であり、表4から谷と谷との間隔が約8年であることを考慮すると、次の谷 は2017年第Ⅳ四半期∼2018年第Ⅳ四半期頃と予想される。他方、クズネッツ サイクルは2011年第Ⅱ四半期に谷をつけて上昇局面に入っている。表9のク ロノロジーから、クズネッツサイクルの次の山は2018年第Ⅳ四半期∼2020年 第Ⅰ四半期であると予想される。したがって、業況判断DIから見ても、2017 年∼19年にかけては、ジュグラーサイクルは下降局面にありクズネッツサイ クルは上昇局面にあると判断される。 (3) 累積DIの動き 次に、累積DIのジュグラーサイクルとクズネッツサイクルを描いたのが図 22である。 図 22  累積 DI のジュグラーとクズネッツ 120 400 80 90 100 110 0 100 200 300 1963 1964 1965 1966 1967 1968 1969 1970 1971 1972 1973 1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 ᬒẼᚋ㏥ᮇ ⣼✚䠠䠥䝆䝳䜾䝷䞊䝃䜲䜽䝹 ⣼✚䠠䠥䜽䝈䝛䝑䝒䝃䜲䜽䝹 60 70 -300 -200 -100 図22と表5から、累積DIのジュグラーサイクルは直近では2012年第Ⅱ 四半期に山をつけており、2016年12月現在は下降局面にあると考えられる。 表5のクロノロジーから、次の谷は2017年第Ⅳ四半期∼2019年第Ⅰ四半期あ たりと予想できる。一方、クズネッツサイクルは2012年第Ⅰ四半期に谷をつ け現在上昇局面にあると判断される。表10のクロノロジーを考慮すると、ク ズネッツサイクルの次の山は2019年第Ⅰ四半期∼2025年第Ⅳ四半期と考え られる。これらのことを考慮すると、2017年∼19年にかけては、累積DIの — 19 —

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ジュグラーサイクルは下降局面にありクズネッツサイクルは上昇局面にあると 考えられる。 (4) OECD景気指数の動き 最後に、OECD景気指数のジュグラーサイクルとクズネッツサイクルの動 きを見ておこう。これを図示したのが図23である。 図 23   OECD 景気指数のジュグラーとクズネッツ 120 300 80 90 100 110 -100 0 100 200 1977 1978 1979 1980 1980 1981 1982 1983 1983 1984 1985 1986 1986 1987 1988 1989 1989 1990 1991 1992 1992 1993 1994 1995 1995 1996 1997 1998 1998 1999 2000 2001 2001 2002 2003 2004 2004 2005 2006 2007 2007 2008 2009 2010 2010 2011 2012 2013 2013 2014 2015 2016 60 70 -300 -200 ᬒẼᚋ㏥ᮇ OECDᬒẼᣦᩘ䜽䝈䝛䝑䝒 OECDᬒẼᣦᩘ䝆䝳䜾䝷䞊 図23と表6から、OECD景気指数のジュグラーサイクルは、直近では累 積DIと同様に2012年第Ⅱ四半期に山をつけており、2016年12月現在は下 降局面にあると考えられる。表6のクロノロジーから、次の谷は2017年第Ⅱ 四半期∼2019年第Ⅳ四半期あたりと考えられる。一方、クズネッツサイクル は2011年第Ⅲ四半期が谷であり2016年12月現在は上昇局面にあると判断で きる。表11のクロノロジーから、クズネッツサイクルの次の山は2018年第 Ⅲ四半期∼2023年第Ⅳ四半期と予想できる。これらのことから、2017年∼19 年にかけては、OECD景気指数のジュグラーサイクルも下降局面にありクズ ネッツサイクルは上昇局面にあると考えられる。 (5) 今後の景気予測 これまで、ジュグラーサイクルとクズネッツサイクルの関係を資本ストック 成長率と住宅投資、業況判断DI、累積DI、OECD景気指数で見てきた。こ

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れらの分析からは、2016年12月現在、ジュグラーサイクルは下降局面にあり クズネッツサイクルは上昇局面にあることが判明した。これまでの分析から明 らかになったジュグラーサイクルの次の谷とクズネッツサイクルの次の山の予 測を一覧表にしたのが表12である。 表 12  ジュグラーサイクルの谷とクズネッツサイクルの山の予測 ࢪࣗࢢ࣮ࣛࢧ࢖ࢡࣝࡢ㇂ ࢡࢬࢿࢵࢶࢧ࢖ࢡࣝࡢᒣ ㈨ ᮏ ࢫ ࢺ ࢵ ࢡ ᡂ 㛗⋡࡜ఫᏯᢞ㈨ 2017ᖺϪ㹼2019 ᖺϪ 2018ᖺ㹼2020 ᖺ ᴗἣุ᩿ DI 2017ᖺϫ㹼2018 ᖺϫ 2018ᖺϫ㹼2020 ᖺϨ   ⣼✚ DI 2017ᖺϫ㹼2019 ᖺϨ 2019ᖺϨ㹼2025 ᖺϫ OECDᬒẼᣦᩘ 2017ᖺϩ㹼2019 ᖺϫ 2018ᖺϪ㹼2023 ᖺϫ 表12を見ると、ジュグラーサイクルは2016年12月現在、下降局面にあ り2017年第Ⅱ四半期∼2019年第Ⅳ四半期のどこかで谷を迎えると予想され る16)。言い換えると、中期循環であるジュグラーサイクルは早ければ 2017年 第Ⅲ四半期、遅くとも2020年第Ⅰ四半期から上昇局面に入ると考えられる。 他方、クズネッツサイクルは現在上昇局面にあり、2018年第Ⅲ四半期∼2025 年第Ⅳ四半期のいずれかの時点で山を迎えると予想できる17)。これらの予測 から、早ければ2017年第Ⅲ四半期以降にジュグラーサイクルとクズネッツサ イクルがともに上昇局面に入ると予想されるので、2017年後半以降に景気の 上昇が期待できる。 最後に、2014年第Ⅱ四半期から現在にかけての景気の足踏み状態について 考察しておこう。第1節第2項において、このような足踏み状態と類似のCI の動きとして、第8循環拡張期、第9循環の後退期、第12循環の拡張期前半 と第14循環拡張期前半に言及した18) 16) 最も早く谷を迎える予測は OECD 景気指数から 2017 年第Ⅱ四半期となっており、遅い場合 も OECD 景気指数の予想から 2019 年第Ⅳ四半期となっている。 17) OECD 景気指数が最も早く 2018 年第Ⅲ四半期に山を迎えると予測しており、累積 DI での予 測が最も遅く 2025 年第Ⅳ四半期となっている。 18) 図 5∼図 7 を参照されたい。 — 21 —

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図21と図22を見ると、第8循環拡張期においては、ジュグラーサイクルは 下降局面でありクズネッツサイクルは上昇局面となっている。また、第9循環 の後退期においても、図20∼図23のいずれにおいてもジュグラーサイクルは 下降局面、クズネッツサイクルは上昇局面にあり、2014年第Ⅱ四半期以降と 同じ状況にあることがわかる。また、第12循環の拡張期前半においては、図 20∼図23のいずれからもジュグラーサイクルの上昇局面とクズネッツサイク ルの下降局面にあることが読み取れる。さらに、第14循環拡張期の初期にお いても、図20∼図23のいずれにおいても2014年第Ⅱ四半期以降と同様に、 ジュグラーサイクルの下降局面とクズネッツサイクルの上昇局面が重なってい る19)。これらの事実から、中期循環であるジュグラーサイクルと長期循環で あるクズネッツサイクルの動きが逆の場合に、景気の足踏み状態が生じると理 解できる。 複合循環論では、小さな循環は大きな循環の影響を受けると考えられてお り、これを2014年第Ⅱ四半期以降の動きに当てはめるとクズネッツサイクル が上昇局面のためジュグラーサイクルの下降局面への影響は小さくなると考え られるが、消費税増税の影響によってクズネッツサイクル上昇局面にも関わら ず足踏み状態が生じているとも考えられる。

おわりに

本稿では、2012年11月以降第16循環に入ってからの景気の動きを概観し たうえで、CI景気動向指数一致指数、業況判断DI、OECD景気指数、GDP ギャップのいずからも、2014年第Ⅱ四半期以降、景気の足踏み状態が続いて いることを確認した。また、長期の景気動向から、第8循環拡張期、第9循環 の後退期、第12循環の拡張期前半と第14循環拡張期前半においても、2014 年第Ⅱ四半期以降と同様の景気の足踏み状態が観察された。 この原因を探るために、中期循環の動きとして、設備投資比率、資本ストッ ク成長率、生産・営業用設備判断DI、業況判断DI、累積DI、OECD景気指 19) 第 14 循環拡張期の初期というのは、第 14 循環の拡張期始点の 2002 年第Ⅰ四半期から 2003 年第Ⅱ四半期までの期間を指している。

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数のジュグラーサイクルの山と谷のクロノロジーを検討した。さらに、長期循 環の動きとして、建設投資比率、住宅投資、業況判断DI、累積DI、OECD景 気指数のクズネッツサイクルとその山と谷のクロノロジーを観察した。 さらに、業況判断DI、累積DI、OECD景気指数等のジュグラーサイクルと クズネッツサイクルの動きを比べると、第15循環の景気後退期に入った2012 年第Ⅱ四半期以降、ジュグラーサイクルは下降局面にありクズネッツサイクル は上昇局面にあることが判明した。これらの分析から、2014年第Ⅱ四半期以 降においては、ジュグラーサイクルの下降局面とクズネッツサイクルの上昇局 面が重なったことに加え、消費税の3%ポイントの増税によって景気の足踏み 状態が生じていることが明らかとなった。同様に、第8循環拡張期、第9循環 の後退期、第12循環の拡張期前半と第14循環拡張期前半の景気の足踏み状 態もジュグラーサイクルとクズネッツサイクルが逆の位相になったことによっ て生じたことも明らかにされた。さらに、ジュグラーサイクルとクズネッツサ イクルの今後の山と谷の予測から、2017年後半以降において景気の上昇が見 込まれると予測される。 参考文献 鹿野達史(2016)、「鹿野達史の日本経済の視点:企業の期待成長率が再び上昇へ」、 三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所。 篠原三代平(1961a)、『日本経済の成長と循環』、創文社 篠原三代平(1961b)、「早すぎる設備投資の再吟味」、『週刊東洋経済  1961 年 6 月 17 日号』、東洋経済新報社。 嶋中雄二(2013)、『これから日本は 4 つの景気循環がすべて重なる:ゴールデン・ サイクルⅡ』、東洋経済新報社。 嶋中雄二(2016)、「嶋中雄二の月例景気報告:限りなく「後退」に近い足踏みが終 了」、三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所、No.80。 村田 治(2012)、『現代日本の景気循環』、日本評論社。 村田 治(2014)、「複合循環論による景気予測」、『経済学論究』、第 68 巻、第 3 号。

Schumpeter, J.A.(1939), Business Cycles: A Theoretical, Historical, and

Statistical Analysis of the Capitalist Process. Vol.2, London,

McGraw-Hill. (吉田昇三監修、金融経済研究所訳『景気循環論』、第 5 巻、有斐閣、

1958-65 年。)

図 2  業況判断 DI(大企業/製造業)と OECD 景気指数 101102103102030 96979899 100-40-30-20-1002009ᖺ2010ᖺ2011ᖺ2012ᖺ2013ᖺ2014ᖺ2015ᖺ2016ᖺ 939495-70-60-50ᬒẼᚋ㏥ᮇᴗἣุ᩿DI୍⮴ᣦᩘ 䠄ᕥ┠┒䠅OECDᬒẼᣦᩘ 䠄ྑ┠┒䠅 図 3  出荷・在庫バランスの動き 40 100 405060708090 -100 102030 2009 ᖺ 2010 ᖺ 2011 ᖺ 2012 ᖺ 2013 ᖺ 2014
図 4   GDP ギャップの推移 4 12 468 10 -4-202 2006ᖺ 2007ᖺ 2008ᖺ 2009ᖺ 2010ᖺ 2011ᖺ 2012ᖺ 2013ᖺ 2014ᖺ 2015ᖺ 2016ᖺ 02 -8-6 ᬒẼᚋ㏥ᮇ ᪥㖟᥎ィGDP䜼䝱䝑䝥 (2) 過去の景気循環との比較 これまで、いくつかの指標でここ 5 〜 10 年くらいの景気の動きを見てきた が、いずれの指標からも 2014 年第Ⅱ四半期以降において景気は足踏み状態に あると判断できる。実は、このような景気の足踏み状態は過去においても
図 5   CI 一致指数 120140 406080100120 020 1970 1971 1972 1973 1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 201
図 7   GDP 成長率と OECD 景気指数 10310468 9899 100101102103-4-20246ᬒẼᚋ㏥ᮇ䠣䠠䠬ᡂ㛗⋡䠫䠡䠟䠠ᬒẼᣦᩘ 959697-10-8-6 いることがわかる。これに対して、第 12 循環〜第 15 循環については、景気 拡張期において内需の寄与度が大きくプラスとなっており、第 16 循環の 2014 年第Ⅱ四半期以降とは大きく異なっている。このことからも、 2014 年第Ⅱ四 半期以降景気が足踏み状態であり、かつ、その原因が内需の弱さにあると理解 できる。 図
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