放射能汚染魚に關する研究
著者
斉藤 要, 鮫島 宗雄
雑誌名
鹿児島大学水産学部紀要=Memoirs of Faculty of
Fisheries Kagoshima University
巻
4
ページ
124-142
別言語のタイトル
Studies on the Radiologically Contaminated
Fishes Caught at Kagoshima Sea Region
124
第1報放射能汚染魚に開する研究*
斉 藤 要 ・ 鮫 島 宗 雄(鹿児島大学水産学部放射能研究委員会)
1.StudiesontheRadiologicallyContaminatedFishesCaughtat KagoshimaSeaRegion KanameSAITOoMuneoSAMESHIMA 緒 言 米国が1954年の3月から5月にかけて,マーシヤル近海で行った数回に亘る水爆実験 の結果が我が国の漁業に与えた被害は極めて大きく,単なる経済的な問題としては片付け られないほど重大なものである. 放射能と魚の問題が大きく注目されたのは3月15日(3月1日被爆)に起った第五福竜 丸事件以来のことで,当時水産庁はマーシヤル近海に危険区域を設け,その附近で操業ま たは航行した漁船を指定五港(塩釜,三崎,東京,清水,焼津)に入港させて,厚生省の放 射能検査を受けさせることにした.当初(3月中旬より4月上旬)水揚げされた放射能汚 染魚は体の内部より表面に強く放射能が検出されたが,その後体表よりも内臓に強くあら われ始めた.更に5月になってからはマグロ類の近海漁業が始まりビキニよりかなりの距 離にある台湾の東方海上や小笠原近海で強い汚染魚が漁獲されるに至り,しかも廃棄率は 依然として減少の傾向が認められず,遂には前述の指定五港以外に鹿児島,串木野,高知, 大阪等でも市又は県の保健所が水揚魚に対し厳重なる放射能検査を行うようになった.こ の頃より本学部でも放射能対策研究会を設け汚染魚に関する調査研究を始めたのである.I鹿児島市中央魚市場における放射能汚染魚の検査実績
主として鹿児島市保健所の資料に基き汚染廃棄魚の種類及び数を月別に調査した結果を 示すとTablelの如くである. 廃棄魚の種類はバシヨウカジキ,シイラ,カマスサワラ,キハダに限定されている.時 季的にふると5,6月頃にシイラが多く廃棄されたが,その後バシヨウカジキの廃棄が多 くなり,8月以降は殆んどバシヨウカジキのみと云う結果になっている.尚9月以降に廃 棄されたキハダは前述の近海漁業によるものではなく,フイリツピン,マーシヤル近海で 漁獲された遠洋物である.次に廃棄率を月別に比較すると5月が著しく多い結果となって いるが7月19日に厚生省の廃棄基準が後述の如く緩和されたため,それ以後の廃棄率に は自然減少の他に人為的条件による減少及び魚種による漁期漁場の相違による増減も考慮 しなければならない何れにせよTablelの結果によると10,11月の廃棄率は6,7, 8月に比べ多いのである.尚シイラは漁場と漁期により強弱はあるが放射能を有する群と 全然有しない群が殆んど区別される.しかしバシヨウカジキ,サワラの場合は同一漁場で *本報告は昭和29年9月本学部放射能対策研究会速報,10月日本水産学会食品分科会(於清水〕, 11月日本水産学会九州支部大会(於富岡)で発表した結果も収録した.梓つい﹃ 125 ﹄四の 印印の 四四 つ●画① 同時に獲れたものでも 放射能を強く有する魚 と全然有してない魚と が 混 在 し て い る . こ れ は回溝の群泳性,或は 単泳'性と関係のある現 象かもしれない.尚廃 棄魚は比較的表層魚に 多い傾向が認められ, またこの調査では貧食 な鮫類並に他のカジキ 類に汚染魚が検出され ないのは興味深いこと である.何れにせよ魚 類の生理生態と放射能 による汚染の有無との 関係は一考を要する問 題と思う. 司 己 Z g g o< 勘 。 。 ー の①己庁 ︾︻麹] ごく勢い芹の ︵ま︶ ○具 シ屋、 ]巨一︺ ]ロロの Species Waste(%) 樫●いい つ 。 0 つ ‐ ‐ ● ● ● ●●● く ぬ 岸 & 〈 J 1 鱈 C ム コ 樟 。 . つ 0 , 。 。 Q 2 。 . 一心︼①惇︵惇停四︶ 器器器 ︼]心印︵①⑳︶ 得画﹄︼ Cor”"αe"α ルノ”〃γ〃s ジ イ ラ 吟④吟︵吟つ︶ 心画四 四﹃つ︵四︶ 四﹃、︵⑳︶ 得心吟 画●﹃画 つ●画@ つ●浮吟 、③四四︵﹃⑳︶ 畔@mい、︵、、︶ ﹄①の画①︵画吟︶ の印画、︵]岸︶ ﹃つい函︵いい︶ ﹄惇吟の画︵吟④︶ 、①いい︵心、︶ ]、つべ③︵停切︶ @画の@m︵いつ四︶ 1sがop加γ〃s o〃g〃オα〃s バ シ ョ ウ カ ジ キ い、つ︵画四︶ ①α四︵心印︶ ]①印画︵心の︶ 吟つ吟の︵①︶ トヨ岸、︵骨、の︶ 四季心︵④︶ 画つつ︵の︶ ﹄①、︵得つ︶ @m︵⑳︶ 四●四m 弓麺堅の﹄.詞のの昌一の○局旨の己。丘opop詳面の。。p︽劃目言い︽①Q画の宮ず望吋鋤○ざ画。津ぐ芹望四詳 宍四m。の三日四℃の民①。言吊.︵器函冒呂①具の○津の画・器器唖雪四鼻①画呂︶ 樫画四m 淳心、﹄画 ﹄“吟②四 ①、四m 四m﹃@ の﹄切っ 心①いぺ 拝﹄画いい ①得①司吟 吟、① ACα〃肋ocy6血沈 soノ”αノ'』 弐四m 停切四﹃︵吟︶ 得いつ①.︵、︶ 心令拝︵四︶ ﹃画令 ぺぺの 吟①﹄ 画@ m﹃つつ︵﹄⑳︶ 斉藤要,鮫島宗雄一放射能汚染魚に関する研究
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一一一 へ 北 赤 道 海 流 と共にフィリ ッ ピ ン 沖 に 達 し , こ の 附 近 から北上し黒 潮と共に台湾 琉球列島を経 て鹿児島近海 に移動したの で は な い か と 云う可能‘性が 考えられる. しかし汚染さ れた魚類が斯 様な大回溝を な す か 否 か は 不明であり, 又ビキニ近海 で汚染されな くても途中で 汚染された海 A2① 713◎咳
水或は餌料を摂取する ことにより魚が汚染さ れることも当然考えら れるのである。 次に鹿児島を根拠地 とする漁船が汚染魚を 漁獲した地点と期日を 示すとFig.1の如く で,操業区域は殆んど 台湾と鹿児島県の南端 を結ぶ海面である.鹿 児島で汚染魚の問題が 起きたのは5月中旬た またま台湾東方海上で 獲れたシイラに放射能 が検出されてからであ る.その後6月上旬に 至 る ま で 主 と し て こ の 4あ 亀,3 哩昌 泌 一}
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おけるバシヨウカジキの回溝に対する経験的見解より考えて,鹿児島県本土に達した群の
一部は対島暖流の流れに沿い九州の西海岸を北上し済州島附近に達しこの附近で水温低下 等のため再び南下した可能性もある.事実9月中旬以降に済州島附近で汚染されたバシヨ ウカジキが漁獲されている. 勿論以上の結果より汚染魚の回瀧経路を明らかにすることには幾多の問題がある.即ち 漁獲した魚の汚染された時季,場所,及び始めの放射能密度が不明であり,又漁船も漁期 により操業海域を異にするため標識放流の如く一様に論ずることは出来ないが大凡の経路は推察し得ると思う.この問題に関する統計的な考察は後報2)に記してある.
前述の如く12月に入ってもビキニより遠く離れた鹿児島沿岸で400∼500Countの汚 染魚が水揚げされることは.その体内に物理的半減期及び生物学的半減期の長い放射性元 素の存在することを意味し,水爆実験の水産生物に与えた大きな影響には驚くの象である. Ⅲ 魚 体 放 射 能 検 査 基 準 に 関 す る 二 , 三 の 吟 味 放射能による魚の汚染問題は我国では全く新い、体験で福竜丸事件当初は厚生省として も検査の基準を決めるべき科学的根拠は殆んど無かったらしく,その基準や行政措置にも 一 貫 性 を 欠 く 傾 向 が あ っ た . 3 月 1 8 日 に 厚 生 省 は 「 魚 の 放 射 能 が ガ イ ガ ー カ ウ ン タ ー を魚体より10cm離して100Count以上ある場合にはその魚を廃棄処分にする」ことに した.この100Countの判定基準は天然の放射能より2∼3倍以上のCountがあればそ の魚に人工放射能があると云ふ根拠によって定められ,又測定距離の10cmも実際の検 査技術の難易や能率の点より決定したと聞いている.その後7月19日の指示で内臓,鯛等 を除去し充分水洗して100Count以上ある魚は廃棄することになった.この検査基準に ついて若干の検討を加えた結果について述べる. 使用したGM計器は科研製Model32,窓の直径30mm,マイカの厚さ2.9mg/bm2で Countは総てnetcountで表わした. A測定箇所:前述の検査基準で汚染されたサワラ,バシヨウカジキ及びキハダの体表 の各部分即ち鯛蓋部,胸鰭の基部,体幹中央部並に尾柄部について放射能を測定した結果 を示すとTable2の如くである. 即ち同一魚体でも測定個所によってCountに少なからぬ差が認められる.この差は,水 揚後の取扱方にもよるが主として測定個所の幾何学的条件(例えば凹凸,面積等)による ものと考え次に二,三の吟味を試みた.鹿児島大学水産学部紀要第4巻 B 測 定 距 離 : 測 定 筒 T a b l e 2 所を体幹中央部と限定し た場合測定距離による汚 Species 染バシヨウカジキ及びサ ワラの体表Countの変Acz"伽cy6伽〃soノα"〃j 化を検討した例はFig.2 〔July24)*
の如くである.即ちこのⅣ‘・伽""s
程度のCountの汚染魚"αcγOが‘'"s 〔Au9.18)* では距離が10cm±2cm Table2Changeincountswiththedifference ofinspectionpartofsamefish. 128s
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counting **Centralpartoffishtrunk *Dateof G − M 管 の 窓 を 魚 体 に 接 謂 触させて測定すると約2 倍の値を示す結果となっているが 何れの試料でも距離によるCount の増減がこの関係になるとは限ら ない様である. C 測 定 面 積 : 次 に 測 定 距 離 を 10cmとし魚体を切断して厚さを 略左一定とした汚染バシヨウカジ キの皮付切身を用い,表面積によ る体表Countの変化を各/々魚体 の右側と左側について測定した結 果を示すとFig.3の如くである. 即ち試料がある表面積以下の場 合にはその面積の減少と共に次第 にCountが少くなり,或る限度 に達すると更らに急激に減少する 傾向があることが明らかである. D測定試料の厚さ:次に汚染 バ シ ヨ ウ カ ジ キ 及 び キ ハ ダ を 用 い 表面積を略友一定としそれに続 く肉層の厚さによるCountの変 化を丸物と切身と体の左右両側 に つ い て 測 定 し た 結 果 を 示 す と Table3の如くである.即ち同一 魚体の試料でも厚さによりCount の増減することは明らかである.(附近では計測される1s"助〃o'灘s
o〃g"オα〃s countに大差はなく,又 (Sept、1)*56
十一十一1470
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586±6 R、 539±61238±3 、 576±51264±3 712±6124±2 129 L、 176±2 測定用に作られたもTable3.Changeincountsofsurfacepartwith theshiftofthicknessofsamples・ のである. 232士3
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Au質.23 ると仮に魚体の単位 ハigOオ〃“〃〃s 量中に同一放射能を〃αcroがe'灘s有する場合でも測定〔30×25cm)
Au9.14 Skin −− C/10こ、 脅藤要,鮫島宗雄一放射能汚染魚に関する研究 十一十一 配0122
97
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170±3 Left − Right 6.5 14 Net 177±3 5.5 152±3 副 〃 ) く感ずることより,これは水爆実験 の結果,空中に散布された灰を直接 魚体に受けたための汚染であると考 えられていたようである.その後4 月中旬より獲れ始めた魚では体表よ り も 内 臓 等 に 強 い 放 射 能 が 検 出 さ れた.次に鹿児島に水揚げされた汚 染魚の魚体各組織における放射能分 布について検討した結果を述べる. 測定条件:各組織を新鮮物,乾物 及び灰化物(灰化温度400∼600。) の状態にし,各灸を試料皿(内径25 mm〆深さ6mm)に入れてCount を測定したが,この場合も勿論前述 の如く測定距離及び試料の測定量に よりCountは異る.此等の関係を サワラの腎臓及び腸の灰化物を試料 として検討した結果がFig.4及び 5である.即ち灰化物の場合も距離恥惚‘I鰯,縦'卿.。
Ⅳ 魚 体 の 各 組 織 に お け る 放 射 能 分 布 3月から4月上旬にとれた汚染魚は体の内部よりも表面に放射能を強M9f>9#ウ
8.5 18 面積及び厚さ即ち魚 体の大きさによって見掛上のCountが著しく増減することは明らかである.換言すれ ばイワシ,サバの如き小型魚では大型魚と単位量当り同程度汚染されていても個体とし て測定する時は計測値が著くし小さくなる可能性がある.かかる見地より10cmで100 Countの基準には検討すべき問題が多く,特に魚体内に存在する放射性元素の種類並びに 各々の人体に対する有害度を考慮した検査基準が望まい、. R、 212±418.0 119±2、
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鹿 児 島 大 学 水 産 学 部 紀 要 第 4 巻 130 Liver* *:AshedtissueofAcα"オルocy6如沈soノα”γj **:WassufferedfromfissionproduCtsonboardofthe5thFukuryu‐Maru. 次に問題となるのは試料の量によるCountの変化,即ち放射能の自己吸収の現象であ る.測定距離1cmの結果では灰分量が約50mg以下の場合は量とCountとの間には 略を直線的な関係があって自己吸収は殆んどない様であるが100mgでは幾分認められ る.しかし筋肉の如く一般に放射能の弱い試料では或る量以上でないと検出に困難を感ず ることがあるので各組織共灰分量は一応100mgで測定することにした.同様に新鮮物 は19,乾物は0.59を試料皿に採り1cmの距離で測定した.尚新鮮物の場合に,例 えば骨と腎臓と胃内容物とでは表面の幾何学的条件は勿論水分含量も著しく異る故自己吸 収の大小により見掛上のCountに大きな差があるものと考えられ,又灰化物のCount は灰化操作により昇華性の放射性元素が存在する場合には揮散損失することもあり得る. 次に7月に獲れたサワラの二例及び8月と9月に獲れたバシヨウカジキの三例について 測定した結果はTable5に示す如くである. 即ちこの時季に獲れた汚染魚では肝臓,腎臓,牌臓に放射能が強く検出され,特に9 月以降に獲れたバシヨウカジキでは後述の如く腎臓に多く放射能が蓄積された傾向があった.俊鶴丸の調査報告')によると胃腸の内容物,幽門垂,肝臓の汚染が最も著しい傾向に
ある.故に体内に於て放射性物質が時日の経過に伴1,、特定の組織に転移する可能性が考え られるがこの点については後に考察する.汚染魚の胃の内容物にも放射能が認められるこ とより餌料による汚染経路が当然あると思う.次に汚染サワラ及びバシヨウカジキの皮層の各部分即ち粘質物,鱗,表皮,真皮につい
て放射能を測定した結果はTable6の如くである.即ち鱗が最も強く又体表粘質物にも
放射能が認められる.この部分の放射性物質は回瀞中に汚染海水より直接吸着したものか
或は体内に一度摂収されたものが転移したものであるかは興味深い問題である.Table7
は脊椎骨各部の放射能を測定した結果であるが頭部に近い骨が尾部のものよりCountが高い傾向が認められる.この事実も或は骨に於ける物質代謝と何等かの関係を示すものか
も知れない.次に一番問題である筋肉の放射能は他の組織に比べて弱1,,が血合肉は常に普
100.0 52.2 23.8 12.3 6.4 が遠くなるとCountは減少するが以下の各実験では試料台の最上段即ち1cmの距離で 測定することにした.試料台の各段(距離)によるCountの変化並に段係数を算出した 結果はTable4の如くである.即ち各試料共に段係数は略/§r一定であることより,各段 で測定したCountは段係数により特定の段の測定値に換算出来ることになる. Table4.Changeincountsbydistancefrommicato sampleandtransformingfactorofcountingstep.皿別記印加
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121211213
4土1 24±3 18±2 サワラの胃,腸, 精巣及び肝臓には 比較的減衰し易し、 物質が含まれてい た.即ちFig.7 には腎臓の例を示 し て あ る . こ れ と 同一試料の10月か らの減衰状態は図 の如く各器官共に 略友同様のゆるや かな減衰状態とな っ て い る . ただし精巣及び 牌臓は比較的急に却却劃
6M型 32 Aug. Table7.Distributionofradioactivityinvertebm 〔C/9.Freshmatter) Sept. 16±1113±1 I ’ Ⅱ ’ Ⅲ ’ Ⅳ ’ V Original S3mple Abdominn1vert. Ca極dal vertebra Speciesに
≦
罰
12 十一十一 00 1 13 +一十一 10 2 132 +一十一十一 026 4 ACα〃オノbocy6血加 soノα"〃j 〔Au9.23) 122 十一一︲一十一 163 12 十一十一 08 Nov. Table9.Separationofradioelementscontainedinvarioustissues.(C/10mgofashedtissue) *Ashedtissues 9±1 鹿 児 島 大 学 水 産 学 部 紀 要 第 4 巻 IstjO'"oノ'"s ”""オα〃s (Au質.26)133 減少する傾向が認められ,前述のβ線吸収曲線の傾向と関係のあることが准察される.
%“”釦初釦知初
ノ ア α e に と M ノ L 〃 O O f 7 a d " I ワ 且ミ雪這=雪雲室
斉藤要,鮫島宗雄一放射能汚染魚に関する研究Ⅵ体内にあける放射性物質の転移と生物学的減衰に関する考察
魚の放射能による汚染経路については一般に次の如く考えられる.即ち魚が水爆の爆発
と同時に出来た強い放射能を帯びた灰を直接受けて汚染される場合がある.前述の第五福 竜丸の鮫鰭はこの例である.一方この灰が海に落ちたり或は珊瑚礁の上に散布された灰が 雨等で海に運び出されたりすると,当然この附近の海水自体が放射能で汚染されることに なる.かような海水を魚が鯛より体内に取り入れたり或は体の表面に放射性物質を吸着す るために汚染する経路も考えられる.更に常識的な経路は魚が汚染された餌を摂収するこ とによる汚染である.これは汚染魚の放射能が前述の如く胃の内容物とか消化吸収器官に 比較的多く検出される事実よりしても妥当な考え方と思う.次に二度摂収された放射性物 質が体内で如何なる転移をなすかと云う研究試料に漁獲された汚染魚を用いることには多 くの問題がある.例えば水爆実験が3月1日より数回に亘って行はれてをり,漁獲された 魚の汚染の時季,場所或は当初の汚染度,体内に存在する放射性元素の種類や量等も不明 である故正確な結果を求めることは勿論不可能であるが大凡の傾向は知り得ると思い汚染 バシヨウカジキを試料として考察を試ふた.ここにバシヨウカジキを取り上げたのは前述 の如く鹿児島ではこれが最も廃棄率が高く,検査期間の5月より12月にかけて一様に漁獲 されていることと漁獲地点が台湾と鹿児島を結ぶ海面に限定され,5,6月に台湾東方海 上に現われた群が次第に北上し時季により,この海面内の異なった地点で漁獲されたもの と考えられるからである.一方この海面で採集した海水やプランクトンには殆んど放射能が検出されなかったことより2),この汚染バシヨウカジキは主としてこの海面以外の地点
で汚染されたものと思われるからである. 次に試料の体内における放射能分布の時季的変化を体表Countと放射能の特に強い器 官について示すとFig.8の如くである. 「おかとofだ。f〃ガアj【”E︲1l︲11 134 ︲I
黒線は検査基準に…
より10cmの距離で“・
測定した体表Countである.他の器官は伽・
何れも灰化物100mg当りのCountで斜線…
は腎臓をあらわす. O バ シ ヨ ウ カ ジ キ は 多く漁獲後直ちに内臓が除去されるが,細
腎臓は脊椎骨に沿うて腹腔の奥に存在す抑
る故通常は除去され0
ないで市場に水揚げ伽
されることが多い.従て体表Countと卿
腎臓Countは多く,の試料で測定するこ。
とが出来た. 図において6月の結果は俊鴎丸の調査叩“
報告によるものでこ れはバシヨウカジキ で は な く ク ロ カ ワ カ 幽胴ⅡⅡⅡⅡⅢⅡⅢⅢⅡⅢⅡⅡⅢⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡIL’
│’
ⅢⅢⅢⅢⅢ川ⅢⅢⅡⅡⅡⅡⅡ川ⅡⅢⅢⅡⅢllllllllご曲!
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ルヤ必 シダノ‘ 〃 狸 /2 JUneノ2 ′23 、 / '23’
ⅢⅢⅡⅢⅢ1Ⅱ1111凸毎 鹿児島大学水産部学紀要第4巻 ●●●●●●●●●●●● BGP,分﹄︽u、︶K 刀。cW Bue 73I甥&q L4yE7‘ 砂Iee〃 雄。ン剛 B K B jbPオ』 〃 ノ 6 〃 だ E K Ocf9 ノ2I
ジキとキハダの放射能分布である.即ちその結果によると,幽門垂,胆汁,肝臓及び腎臓のCountが他の器官に比ぺ著しく
多くなっている.7月以降は全部バシヨウカジキであるが7∼8月では肝臓,腎臓及び牌
臓の放射能が強く一般的に幽門垂及び胆汁の放射能は前者よりも弱くなっている.8月の
末より9,10月に漁獲されたものでは他の器官に比べ腎臓の放射能が何れも最高を示す傾
向となり,更に10月以降には腎臓Countに減少の傾向があるが他の器官よりも依然と
して高し、結果となっている.次に体表Countとの関係をみると6月頃には腎臓Count
は約2∼3倍,7月頃には3∼5倍,9月頃には8∼10倍で最高の倍率を示し,11,12月
には減少し2∼3倍となっている.即ちその倍率は6月頃より次第に大きくなり9月頃に
最大となり以後再び減少する傾向が認められるのである.以上の結果から体内に摂収された放射性物質が時季的に消化器官より肝臓,牌臓更に腎
臓へと移行した可能性も考えられるのである.元来これ等の器官は高等動物では上皮細胞
が発達しており体内に入った異物の蓄積機能のあることが知られているが魚類にも同様の
機能があることも考えられる.又一方これ等は魚類の造血器官でもある5)ことは体内にお
ける放射能の転移上から注目すべきことであらう.更に腎臓は高等動物に比べ一般に発達
E K B K 五 K /V6“8 お K 万 K JbF”〃‘ B K B K AんlA8〃8 B K B K B K B K 〃3り′'”刀e心。・8〃8 〃ノ8〃ノ8 ’ B K E K 万 K B K ''8′'ざ”〃’'〃斉藤要,鮫島宗雄一放射能汚染魚に関する研究 135 は幼稚であるが排池器官であることより体内に入った放射’性物質移行の最終的器官の一つ となり,次の段階として放射性物質のあるものは腎臓より体外に排池される可能性も充分 考えられる. 即ち9月から12月に獲れたバシヨウカジキは前述の如く同一群のものと考えられるの であるが,此の時季において腎臓のCountは他の器管より多く,そのCountは9月頃 に最高値に達し11,12月には例外なく減少している.この一因として腎臓に多く蓄積され た放射性物質が逆に,他の器官に移行するため減少すると云うこともあり得るが腎臓の一般 的機能より考えてその可能性は少いと思う. 次に腎臓中の放射性物質の物理的な減衰による減少も当然考えられるがこの点について 検討を加えたのがFig.9である. 即ち9,10, 11月に獲れた汚 染バシヨウカジ キの灰化物の減 衰曲線を破線で 表わした.尚11 月の試料(C)は Countが他に比 べ少ない故計・測 値を10倍した値 で示した.9月 の試料(A)の 減衰傾向は(B), (C)に比べ当初 は幾分急である が30日でCount は約10%,60日 で約20%,90
:
、
,
'
1
1
、
、 6 凸 Da亡eOfCOUvZじし〃9 K D q C リーノ泡〃ajE c:〃oM7 日では約25%減少した.又(A),(B)と(C)についてβ線の吸収を測定した結果を 実線で表わしたが,その結果によるよると両者の傾向に若干の相違が認められる.このこ とより考え物理的減衰と同時に腎臓よりの放射性物質の転移にも或は撰択性があるのかも 知れないが,11,12月における腎臓の生物学的減衰に比べその期間における物理的減衰が 著しく小さいことは確かである. Ⅷ 汚 染 魚 肉 の 放 射 能 の 除 去 に つ い て 魚体表面を充分に洗准すれば体表の粘出物,鱗等が除去せられるため,体表のCountが 減少することは確かであるが,食用とする魚肉より放射能を除去することは実際問題とし て極めて重要である.次に魚肉加工の工程中における放射能の消長をしらべるため冷凍,−−1−−− 鹿 児 島 大 学 水 産 学 部 紀 要 第 4 巻 Dripfrom meat
煮熟,水晒し処理による放射能の移動について検討した.
A冷凍処理:汚染バシヨウカジキの切身及び挽肉を-15。∼-20.Cで空気凍結し,2
日後に28。Cで解凍し軽く圧を加えて流出するドリツプを採集した.凍結前及び解凍後の
肉面のCountとドリツプ灰化物の収量及び100mg当りのCountを示すとTablelOの
如くである。対照肉に比べ凍結処理後の肉の放射能の弱くなっていることは確かで,ドリ
TahlelO、Changeincountsatthethawingoffrozen muscle.(1s〃幼〃”"s州g"オα〃s) 36±2 1.03kg 〔10×10cm) 1.79kg 〔20×15cm)w伽。‘…。|鵜
(Dimensions) 0.50kg 0.50kg (D副rkmuscle) 29±323
十一十一8316
After thnwing C/10cm Drip〔Ash〕 己の○口︾︼言 Yield(%)|C/100mg 30±4ツプ灰化物には明らかにCountが認められ,しかも100mg当りの値は肉灰化物或は煮
熟液灰化物よりも幾分高い傾向が認められた.即ち汚染魚肉は凍結解凍処理により肉中の
放射能を或る程度(本実験では5∼7%)除去することが可能であるが,一方ドリツプに
よる冷蔵庫の汚染も考えられる.B煮熱処理:汚染魚の切身及び挽肉を其の重量の4倍量の水で20分間煮沸し,煮熟
肉及び煮汁のCountを測定した結果はTablellの如くである.即ち新鮮肉に比べて煮
熟肉は乾物19当りのCountにはあまり差はないが灰分収量には差がある.其の差が煮
汁に移行しこれに放射能が明らかに見出される.又切身より挽肉の煮汁中の灰分量が多
い.即ち煮熱処理により肉中の放射能を或る程度(切身の場合は10∼15%,挽肉では20∼
25%)除去することが出来る. 0 . 0 3 1 1 3 ± 2 0.011124±2 Yield(%)|C/100mg Yield(%)|C/100mg lkgoffrozen 2.25kg (20×20cm〕 3.55 〔20×30cm) 64±5 57±3 、函・戸︷。届 0.069 23±2 77±3 60±胃4 0.05 26±2 ↑山一君隆 38±4 Filtrate(Ash) C/9 5±2 つめ。﹄o声 0.50kg 0.0832
十一十一0814
謁酌。記 0.07 36±3 48±4 43±2 0.05 0.08 0.07 ﹄両①[員 13636
十一十一6823
(Drymatter) Coaguratedpart byhe9ting(Ash) c/g l6±2500 500 137 28.0 Tablell・Changeincountsofmeatbyhoiling(1s〃助"o'"soγ""オα〃s)● 3.5 4.0 July23 Fillet 218±8 232 十一十一十一 138221 8±3 22.1
│
W
e
i
g
h
t
Ⅷ水溶I性蛋白質の熱凝固に伴う放射性物質の吸着現象に就いて
前述の如くドリツプ並に筋肉浸漬液を加熱した場合に熱凝固蛋白質区分に放射能が極め て強く認められる.この現象は元来該当区分に体内に摂収された放射性物質が生理的に集 ここで面白い現象は浸積液中の放射性物質が熱凝固蛋白質区分に非常に強く認められるこ とである.又解凍魚肉のドリツプについても加熱処理を行い,熱凝固区分と濃液とに分け た場合も放射能は前者に多く検出されることはTablelOの如くである. 次に挽肉を流水(約10。)中で24時間水晒しした場合は肉中の放射能の65∼75%が 除去される結果が得られ,各処理中最も効果的であった. Frac、I:Coagulatedproteinwhichseparatedfromextractbyheating Frac.Ⅱ:FiltrateofFrac.I。 *:Ashedtissues **:24hrs・elapsedinstreamataboutlOoC. Boiledmeat Extmct Rawmeat 100** 500** of sample (9) Date 26±3|
…
-
Ⅲ
"
│
剛
割
c
伽
0.04 0.06 0.06Y
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│
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1
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§
Tablel2,Changeincountsofmincedmeatbywaterextraction. (1s伽'〃or"s”伽オα〃s) 0水浸積処理挽肉に2倍量の水(水温約10.)を加え24時間放置後濃過し,更に演 液を加熱して水溶性の熱凝固蛋白質を凝固させ,これをFrac・Iとして膳別した.演液 をFrac.Iとし各Frac・の収量及び灰化物100mg当りのCountを示すとTablel2の 如くである.即ち水浸積操作により肉中の放射能を35∼40%除き得ることは明かである.二
:
蒜
蓋
│
=
荒
海
0.32 0.40 12 十一十一 0222 0.54 0.26 30 +一十一 12 1 71 +一十一 妃兜 1 0.75 0.92 0.79 100 200 5002222
+一十一十一十一十一十一3913
212r産22
2322
十一十一十一十一56981111
53361111
+一十一十一十一2222
18±20000
●●●●91361211
100 200 400 600、
緒
鶏
裁
j
i
美
元
孟
1.64 1.49 1.18 1.31 18.4 19.1 21.2 22.6 25.1 26.621
十一十一8012
0.34 **gAshedtissue 斉藤要,鮫島宗雄一放射能汚染魚に関する研究 Dec、15 Minced meat 0.31 0.3023
十一十一5711
17±2 1.39 *:DrymatterCoagulatedpart 鹿 児 島 大 学 水 産 学 部 紀 要 第 4 巻 Filtrate 138 積されているとし、うより,本質的には存在する放射‘性物質が蛋白質に物理的に吸着され易 いためであると考えられる。これを確認するため放射能汚染水を用い次の実験を行った. 汚染水の調整:第5福 竜丸甲板上で原子灰を受 Table13.Changeincountsoffiltrateby filtrationofcontaminatedsolution けた鮫鰭(乾物19当り
区分の乾物100mg当りのCountは添加量が小さくなる程多く,又その灰化物全量の
Countは添加量が大なる程多くなる傾向がある.次に穂液灰化物の100mg当りのCountは添加量が大なる程少くなる.以上の結果より水溶性蛋白質の熱凝固による汚染水からの
放射能の吸着率を算出した.この場合の吸着率は正確に算出することは困難であるから灰化物の収量,Count並びに自己吸収等を考慮した概数で表すとその値は約85∼95%であ
って,しかも添加量0.1%以上では吸着率には大差のない結果となっている.次に以上の実験結果に興味を感じ,卵白及びアルギン酸ソーダの凝固反応に伴う吸着現
象について検討した.即ち汚染水(26±4Count/cc)に卵白とアルギン酸ソーダを各/々
Soluhleprotein added(%) 司上q﹀毎J戸○ ︵ろnUくりQ︾ 1屯上1︽ 1850±10Count)を20∼ No.offilterpaper (Toyo〕 50倍量の0.1N−HClで Filtrate2222
+一十一十一十一訂肥超7
Drymatter(C/2cc)|Ash(C/2cc〕 314 468 836 1063 熱抽出した液を中和し次 Originnlsolution に 遠 心 分 離 操 作 を 行 っ て , 0 , 沈 澱 を 除 き 鯵 質 状 態 の 液 2 5A を分離した.この液うを更3332
十一十一十一十一2009
9976
00609977
十一十一十一十一3323
4332
十一十一十一十一64984521
1 97 463 974 1345 に 濃 過 し た が , こ の 場 合 、使用する濃紙の種類による濃液Countの変化を検討した結果はTablel3の如くである. 即ち使用する濃紙の種類により液の透明度は勿論Countも異ることは明らかであるが以 下の各実験では東洋濃紙No.2で濃過した汚染水を使用した. 斯様にして調製した汚染水10cc(26±4C/cc)に全く放射能の認められないカツオ及び キハダの筋肉より調整した濃度既知の水溶性蛋白質溶液の一定量を加え,総液量を100cc とし沸騰後3∼5分間加熱した後これを濃過し凝固区分と演液とに分け前者は充分水洗し 各交の乾物及び灰化物についてCountを測定した. キハダ筋肉の水溶‘性蛋白質を添加した場合の結果はTablel4の如くである.即ち凝固 Table14.Radioactivityadsorptionincontaminatedwaterbyhe河t coagulationofwatersolubleprotien(Yellowfintuna) Drymatter Yield*C/100mg 69︲95 2581505
●●●●0011
*mg, **Totalcounts3221
十一十一十一十一 52.5311 Ash Yield* C**4334
十一十一十一十一53178011
1222
Drymatter Yield*C/100mg Ash Yield* C**51407906
114323
十一十一十一十一51822085
2211
1392123
十一十一十一一’一69434560
1 ほゾー定条件で添加し卵白の場合は加熱凝固,アルギン酸ソーダの場合は塩酸にて凝固 (pH2∼3)させたものを前同様に処理してCountを測定した結果はTablel5の如くである. Table15.Radioactivityadsorptionbyheatcoagulationofeggwhite andacidcoagulationofNa−alginateincontaminatedwater.1585
●●●●0001
5740
248 Eggwhite 〔Heating)S
a
m
p
l
e
l
A
d
d
糊
l
呼
*mg, **Totalcounts Na−AIginate (PH2∼3) Coagulatedpart Filtrate84803573
2224
幼劃劫劃
02586774
1 g m O皿〃〃〃
ノー3221
十一十一十一十一72504322
21509653
十一十一十一十一3222
11105007357
十一十一十一十一2332
瞳
'
2
0
8
6
1671
3
5
7
1
,
認
即ち卵白添加量1.5%の場合の凝固区分灰化物のCountは他の場合に比べ多く,又 演液灰化物のCountは少くなっているが,0.1,0.5,0.8%の添加量では大差がない 結果となっている.アルギン酸ソーダでは添加量の増加により凝固区分灰化物のCount は多くなり一方漁液灰化物のCountは少くなっている. 添加量0.1%の場合の吸着率は卵白では約25%,アルギン酸ソーダでは約20%前後 で,魚の水溶性蛋白質の約85%に比べて弱くいづれも穂液に多く放射能が認められる. 次に汚染水(11±2Count/cc)に活性炭(和光製1級)及びアルミナ(和光製クロマトグ ラフ用200mesh)の各/々一定量を加えた場合の放射能の吸着,並びに海水の放射能を測 定する場合に使用する無機沈澱試薬(鉄明蕊,塩化バリウム混液)による吸着について検 討した.即ち汚染水に両塩類の混合物(Fe:Ba=1:1)の一定量を加え,加温した後 アンモニヤでフェノールフタレンを指示薬とし液が桃色となる程度のアルカリ性とし赤褐 色の沈澱を充分析出せしめた後減過して沈澱と滴液に分けた.尚海水の放射能を測定する 場合には,海水1L当りFe及びBaは各之10mg含まれる様に加えるがこれを混合塩 類の添加量に換算すると約0.01%である.以上の各吸着剤は無機物である故,沈澱,漁液 共に灰化せずに乾物としてCountを測定した結果はTablel6の如くである.即ち活性 炭,アルミナ共に吸着能は認められ,前者が後者よりも強く,添加量0.1%の場合の吸着 率はアルミナの約10%に対し約20%でいづれも穂液の乾物に放射能が強く認められる. これに対し鉄明馨沈澱試薬を使用した結果では,濃液よりも沈澱物に放射能が強く認め られる.沈澱乾物の単位量当りのCountは試薬の添加量が小さくなる程多く,又0.5% 以上の添加では吸着率には大差のない結果となっている.添加量0.1%の場合の吸着率 は約50%で魚肉の熱凝固蛋白質の吸着能より劣る事は明らかである.次に0.01%の添加量では沈澱物よりも漁液の乾物に放射能が強く認められる.三宅氏6)
によると汚染海水の場合はこの添加量で沈澱物に70∼80%の放射能が吸着されるとのこ錨
M
謙
m
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l
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議
A
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8
*
*
Drymatter Yield*C A s h Yield*C**1500
●●●●0012
141 140 164 1794133
237 g m師〃〃〃
jJ2111
十一十一十一十一0432
1 82 160 365 6873233
十一十一十一十一82772084
2211
斉藤要,鮫島宗雄一放射能汚染魚に関する研究1505
●●●●0011
140 87 451 898 1366 109 121 143 157 とであるが,本実Tablel6.] 験の結果では25∼ 30%位しか吸着さ れていない勿論Absorbent 海 水 と 調 製 し た 汚染水とでは成分組Activとlted
Charcoal 成も異る故同一に論
ず
る
こ
と
は
出
来
〔
I
s
t
c
l
a
Wako)s
s
,
ないにしても,混Activated 合塩類の添加量にAlumina は充分検討を加え(200mesh, Wako) る 必 要 が あ る も の と考えられる.Fe(SO4)2〔NH4)元来この沈澱法呈鯛忠。
Iま汚染水より放射性物質を分離する(Fe:Ba=1:1)*
方法としては操作*Fed0m賃〕+ Table16.Radioactivityadsorptionfromcontaminated waterbyvnriousabsorbents. 115050
●●●●●00110
9651835662
十一十一十一十一十一22332
53328
72489
却却却却劫
要 約 1)鹿児島に於ける廃棄魚の種類はバシヨウカジキ,シイラ,カマスサワラ,キハダで 5,6月頃にはシイラが多く廃棄ざれ8月以降は殆んどバシヨウカジキが廃棄されている.2)廃棄魚の漁獲された地点を時季的に考えると,5月に台湾東方海上に現れたものが
次第に北上し8,9月には鹿児島県本土に達し,更に9月から11月まで依然として沿岸
定置網で漁獲されている.この間において10,11月に大島の西方海上に4∼5ケ月の間を おいて再び汚染魚が多く漁獲されたが,この群には鹿児島から対島暖流に沿って北上し済 州島附近で逆に南下した群を含むものと考えた.、 3)100Count,10cmの検査基準に対し魚体の幾何学的条件即ち測定面積,魚体の厚 さ及び測定距離により見掛け上のCountに著しい差のあることを明かにした. 4)魚体各組織の放射能分布は一般に肝臓,腎臓,牌臓に特に強く,肉部は血合肉が普 通肉より強く又皮膚では表皮,脊椎骨では頭部に近い部分に強い傾向が認められた. 5)各組織に含まれる放射性元素は第Ⅲ属が最も強く又放射能の減衰状態及びβ線吸収 刀法とし し(rま操1''三*Fe〔10mg)+Ba(10mg)inlLiter.**m9,***Tot念lcounts が 幾 分 繁 雑 で あ り,しかも無機物を添加する故灰化物収量が多くなり従って自己吸収も大きく,又単位量 当り強1,、Countの灰化物を得ることが固難である.更にこの方法は汚染飲料水の放射能 除去には衛生上不適当と思う.これに対し溶液中の放射1性物質が水溶性蛋白質の熱凝固反 応によってそれに非常によく吸着分離されることは汚染水の浄化或は溶液中の無機成分よ り放射性元素を撰択吸収させて高Countの灰化物を分離する目的にも利用し得る可能性 があり興味深し、現象である.4393681156
24672
Filtrate Ppt.2322
十一十一十一十一80249643
鹿 児 島 大 学 水 産 学 部 紀 要 第 4 巻 Addedvolume (%) Yield**CDrymatter Drvm窃tterら Yield**C*** 93 476 912 13888112337092
1343332
+一十一十一十一0181
0866
14685
8880
1 g mw″″〃
,ノ2221
十一十一十一十一2086
211505
●●●●0011
19865
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m g斉藤要,鮫島宗雄一放射能汚染魚に関する研究 141 曲線より考えて,魚はFissionproductより放射性元素を撰択吸収するらしく又臓器に より存在する放射性元素の種類が異る傾向も推察された. 6)魚体内に吸収された放射性物質は時日の経過と共に特定の臓器,特に腎臓に多く転 移蓄積され,それが叉次第に排池される傾向について考察した. 7)魚肉中の放射能は,冷凍,煮熟,水晒し処理により或程度除去することが出来,特 に流水中で水晒しした場合は50%以上が流出する. 8)汚染水中の放射能は魚肉の水溶性蛋白質を加えて加熱した場合,その熱凝固物に非 常によく吸着(80%以上)される事実を認めた.この吸着分離能は卵白及アルギン酸ソ ーダの場合よりも強力である.更に鉄明蕊試薬の放射能吸着能はアルミナ,活性炭のそれ より強いが,上記の魚肉水溶性蛋白質の場合に比べると弱い. 終りに御援助御指導を賜った本学部長山本清内教授,高田幸二教授,金森政治教授,文 理学部鎌田政明助教授,鹿児島市保健所山本利夫氏並に実験に協力された桜井真澄氏に厚 く御礼申し上げる. R6sumも l)AtthefishmarketinKagoshima,thespeciesof〃thewastefish〃一the fishwhichwasenforcedtocastawaサonaccountofitsbeingcontaminated byradioactivity-wasIs〃叩加γ"soγje"オα〃s,COγ”hae"αル幼少”"s, ACα脈〃Ocjノ6伽〃SOJα"αγj,andNeoメ〃""s畑αcγ0〃”"s・Duringthetermfrom MaytoJunemostofthewastefishwasconsistedofCOKyl伽g"α〃勉加γ"s,and sinceAugustwasallmostofIs〃”肋γ"soγje郷α〃sthatwascastawayaswaste fish、 2)Seasonalvariationofthefishinggroundinwhichthewastefishwas caughtwasasfollow:− AfteremergingfromtheeasternseafrontofFormasainMayitshifted graduallytothenorth;inAugustandSeptemberitreachedthesoutherncoast ofKagoshimaPrefectureandduringthetermfromSeptembertoNovemberit wasalmostconfinedwithinthisdistrict、 Ontheotherhand,atthewesternregionofOshima,theseeminglapseinto disappearanceofthecontaminatedfishduringthethreemonthsofJulyto SeptemberwasrevivedinOctoberandNovember・ Butitwassupposedthatamongthesegroupstherewerethosewhich reverselyrandownfromtheneighbourhoodoftheSaishulslandafter migratingfromKagoshimatonorthalongtheTsushimaCurrent、 3)Astothecredibilityoftheinspectionstandardof〃100countbylOcm distance〃itwasconfirmedthattheseemingcountvaluewascomperatively
■ 142 鹿 児 島 大 学 水 産 学 部 紀 要 第 4 巻 unstableandnotslightlyinfluencedbythegeometricalconditionsofthebody, namely:一thedimensions,thicknessofthesampleandtheestimationdistance (thedistancebetweenthesampleandmica). 4)Astodistributionofradioactivityoneachtissueofthewastefish, generally,itwasconcentratedtoliver,kidneyandspleen・Astothemuscle,it wasstrongeratthedarkmusclethanattheordinaryone,andinthecaseof theskintissueitwasconcentratedtotheepidermis,andinvertebra,it becomestrongerastheestimatingpartapproachedtotheheadpart、 5)Itwasascertainedthattheradioelementsabsorbedeachtissuewasmost strongatIIIgroup,andthat,consideringfromthestateofdecayingandthe absorptioncurveofβ‐ray,thespecifickindsoftheradioelementswastobe absorbedbythefishfromthefissionproduct,andthatthekindoftheabsorb‐ edradioelementsvariedwiththediffernceoftheeachorgan、 6)Radioelementsabsorbedinthefishbodyhadthepropensitytoberemoved, withthelapseoftime,tothespecialorgan,especiallytothekidney,andafter beingaccumulatedthere,tobegraduallyexcretedoutofthebody、 7)Itwasascertainedthatitwasnotimpossibletoremovetheradioactivityof thefishmusclebytreatingitthroughtheprocessoffreezing,boiling,and waterextraction,andthatthemostpartofradioactivity,whenitwasboiled inthewatersolubleproteinsolutionofthefishmeat,wastoberemovedto q theheatcoaguratedpartofthat,anditsadsorptioncapacitywasgreaterthan thatoftheeggwhite,Na-alginate,activatedcharcoal,alumina,andcomplex saltofferrousammoniumsulphate. 文 献 1 ) 水 産 庁 : ビ キ ニ 海 域 調 査 , 未 発 表 2)黒木敏郎,田ノ上豊隆:本誌,本号,141 3)V、1.KNoBF:Sオ城gso'γαα伽c伽灼耽f紬ノノ'”W賊goαルLα鳥gα"αオルe C伽C〃R””,ORⅣL-1031,July9(1951)