体育雑誌の内容分析による学校体育の内容としてのダンスの問題点 その2-2
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(2) . 北海道教育大学紀要 (第2部C) 第3 6巻 第2号. 昭和61年3月 M 1 86 ar ch ,i9. lo fHokka i i i do Un i Se i l t jou t t IC )Vo rna r ve s on( c onl yofEduca .36 .2 ,No. 体育雑誌の内容分析による学校体育の内容としての ダン ス の 問 題 点. 新開谷. 央*・ 川. 股. 香. そ の 2 - 2.. 織**・ 新 開 谷. 春. 子***. * 北海道教育大学函館分校保健体育教室 ** 拓殖大学附属第一高等学校 * **函館大谷女子短期大学幼児教育教室. The Problemsof Dance as an ltem of Phys i caI Education Curriculum in Schools, ion M[agazines Part l based on an Analys i is of Data in Phys l-2 caI Educat . i SINKAIYA* Kaor iKAWAMATA** Haruko SINKAIYA*** Hi sas *. ion i ido Un i Phys IEducat l l ty ofEducat i ion Laboratory e040 ver s ca e Co ege ,Hakodat , Hokka ,Hakodat. l i i i i i lat tachedto Takushoku Un ty * * Da <yo Koda ra187 chiHi ver s ghSchoo ,To i l l i iWr or Co ege e040 * * *lnfantEducat on Laborato omedsjun 1 γ,Hakodate ohtan ,Hakodat. Abstract. i l The purpose ofthi tudyi emsofdance as aniteln inthe phys cal stoindi catethe prob ss iculum i education curr nschool s ,. i Thi tudyconsistsoftwo parts;part l and partl l-2 werepubl shedinprecedingi ssues ss , ions based on the las i l i Thi l t four working th the resul ts and the r imp cat s paper dea s wi hypotheses , lows: Theresul i l ts are summa r zed asfo i d Accord ing tothe curriculum revlslon ofcourses ofs tudyin l978 n ,the ance as an telm i. l i the phys shad to be creative dance, caleducation curriculum inschoo l ikeofdanc ing Thi s stype ofdance,however,poses many problems,such as a di ,immoral i i iour dur ingthe creative dance lessons,the d f f i behav ty of es tabl ng meth ‐ ng a teachi cul shi odology and a lack of dance knowl ege and experience among teachers. Consequently,the dancelesson e ial lythe creative danceleason, hastendedto benegl ected . , spec. The ma jor improvements recommended by many articles are the proper selection of i ionofasoundteaching methodandapropertrainingsystem i teachi zat ng mater al s ar ,thepopul t t tThefunct lofcreative dance” andt i forteachers, Thelearning mode onalcharacteristics of dance as play” have been shown to o f fer a subs ialimprovement and have been a central tant. l ing wi tendencyi i ththe dance since l978 esdeal nart c . ( 3 1 ).
(3) . 新開谷 央・川股 香織・新開谷春子. 68. は じめ に. この研究は第一部, 第二部に分けて報告されている. 第一部 (目的・方法・資料) と第二部のそ ) 6 }で発表してある この小論は第二 ’ の一 (作業課題1から 4 までの分析と考察) はす でに本学紀要5 , 部のその二であり, 作業課題の5から 8 までの分析・考察がおもな内容 である.. 7. 指導内容としてのダンスの類型とそのダンスの選択理由 雑誌記事にみられる指導内容としての ダン スは創作 ダンス (学習指導要領の内容である模倣・表 現運動・ ダンスを含む) とフォ ーク ダンスと民俗 (族) 舞踊 (日本の郷土舞踊を含む) に大きく 分 けられる.あつかわれた各ダンスの数は表1 0に示して ある.1978年を前後とした数的変化は記事数 の変化と対応している. 学習指導要領の改訂にともなう変化が模倣・ 表現運動・ ダンスの数にもみ られる. 従来から, フォ ーク ダンスは主教材 の性格と創作ダンスの手段ないし補助的教材という二 面 性 を も っ て い た. 1978 年 の 改 訂 に よ っ て, フ ォ ー ク ダ ン ス の あ つ か い が 変 わ っ た こ と に よ り,. フォ ーク ダンスについての記事のうち3編が, フォ ークダンスを創作ダンスと対応させる形で否定 的にとらえている. 内容的には形の できているものを学習 内容とすることと舞踊を創 っ てゆく 学習との間に教育的 価値基準や認識に相違がみられる. 両者はそれぞれの立場をとり, 相互批判的関係にあると判断で ) こ の 両 者 の ち が いの-側 面 と し 19 き る 記 事 も 多 い. ( , 102 , 109 , 62 , 88 , 89 , 93 , 95 , 100 , 20. 、子ども達は単調な動きの 繰り返しにすくあき欲求がみ たされない( 62 )″とu創作の授業で子ども て\ 102 )″ というより現 たちが生き生きと自己を表現しているという場面に出会うことは滅多にない ( 象的な場面認識のなかに両者の相違がみられる, これらの背景については, 6ダンス教育のあり方 を参考にしていただきたい. また, 創作ダンスもフォ ークダンスも指導内容とすべき であると明記 ) もある. 1 47 978年以降, 舞 しているが, 重点は創 作ダンスにあるという記事 ( , 75 , 77 , 79 , 92 踊文化全般を見直し, 指導内容を検討する作業がおこなわれ, これらの プロセスで, 両者の立場を 43 04 08 ) 止場する形で, あらたな指導内容としての ダンスの選択基準やその理由 ( , 49 , 103 ,1 ,1 が示さ れている. 雑誌記事にみられる ダンスの定義, 分類そして学校体育における ダンスの定義については第二部 〉に示してある 体育における指導内容としての ダン スの類型の質的内容の傾向はこれら のそのー6 . 定義ないしあり方の内容とほぼ同一傾向にある. 表10 指導 内容と して のダンス様式 ごとの記事数 1973~1977 創. 作. ダ. ン. ス. 模倣・表職運動・ダンス フ ォ ー ク ダ ン ス. 民 族 (俗) 舞 踊 その他(ジャ ズダンス等). 1978~1982. 2]3 琶1. 1 ]6 雲 量. 2 ]9 皇 室. 呈. 琶. =. I. 2. 3. 41. 79. 120. ) ( 32.
(4) . 学校体育の内容としての ダンスの問題点. 69. 8. ダ ン ス の 指 導 方 法 に つ い て. 指導内容として選択さ れた ダンスはおもに創作ダンス, フォ ークダンス・民俗 (族) 舞踊という ことに なる. この章の 課題はこれらの ダンスがどのような方法で指導されているか ということにあ る. 以下, 指導のプロセスと構造, 指導上の留意点を中心に記事の傾向をみてゆくことにする. 8-1. 指導過 程とそ の構造 につ いて. 指導上のプロセスが示されていた記事は, 指導要領改訂以前が15編, 改訂後が25縞と なってい る, 執筆者の傾向として, 改訂後, 松本千代栄7編, 水谷・松本富子・村田が各3編を執筆してい る.. 43 ) 改訂前後をあわせた記事は40編である.これらのうち,フォ ークダンスに関するもの が1編( , 特 表現等 ダンス 模倣 ほかは創作 1 1 8 ) であり 8 8 9 6 6 7 民舞のそれに関するものが4編( , , , , , , , に創作 ダンスの指導過程について書かれている. 8-1- 1. フ ォ ーク ダ ン ス につ い て. ) であり, かつ他のダンスの 様式と 4 3 フォ ーク ダンスの指導 (学習) 過程を示した記事は1編 ( \ 、 の関連のなか で取りあつかわれている. フォ ークダンスの指導 (学習) 過程は 踊り方を理解する 43 )〃 というもの である. 6, ダンス教育のあり方 で示し - 踊り方を覚えて踊る - 踊って楽しむ ( たようにこの 学習過程 (道筋) は創作型中心ダンス 内容の見直し論の なかのひとつ である. 民俗 (族) 舞踊について 民舞の指導は い既成作品 (踊り) の指導 - これを基礎にそれを再編成し - 新しい作品 (創作舞 78 )″ という過程で示されている, 民舞の指導・学習過程においても, 新しい 踊) へと発展 ( , 118 作品への発展ないしは創作舞踊への模索という最終段階が示されている,発達段階ごとにみると M・ 8-1-2. 学校では踊るよろこびを体感させ表現力を高め, 舞踊体験を十分蓄積させることは創 造を生み出す という意味でも大切, 中学校・高校 では教材や作品を模倣することだけでなく, 基礎学習の発展と 89 )″ と して い る. して再構成の学習を位置づけ, 舞踊表現をより高めることをねらいとしたい ( 8-1-3. 創 作 ダ ンスにつ いて. 創作ダンスの指導・学習過程についての記事傾向は大きく 4つの パターンイ, 舞踊的身体づくり を指導過程の出発点とする パター ン, ロ. 松本を中心とする日本女子体育 連盟が提案した創作学習 \楽しい体育″の内容と して位置づけられた パターン そしてニ モデルを根幹とした パターン, ハ.\ , . 上記三つの パターンに該当しない パターン - がみられる, 以下,上記のイロハのパターンについて 分析したい. イ. 身体 づく り を基 礎 と す る パ タ ー ン に つ い て. この パターンの特徴は 指導過程の基礎・出発点として, 舞踊的身体づくりを重視しているとこ ろ にある. 具体的には からだつくり 一 動きつくり ‐ 作品つくり 一 発表・鑑覚 - 指導法 (8)″ と いう段階的系統的な指導プロセスである, この プロセスは日本女子体育連盟の大学部会の調 査結果 ( ) 33.
(5) . 70. 香織・ 開谷 子 新開谷 央・川股 香織・新開谷春子. 976年以前の大学・短期大学においては, この プロ に示されたもの である. つまり, 少なくとも, 1 セスをもっ て, ダン スの指導者が養成さ れていたことになる. また, 中学生を対象とした指導にお いて1編 ‐動ける身体 (1年) ÷題材を与え作品 (2年) ÷題材自由, 統一をもっ た作品 (3年) 78年以降, からだつくりを指導の出発点とする指導・学習過 (1)″ という プロセスがみられた. 19 979年には, このよう なプロセ スに対 し学習意欲を換起するという 程を示 した記事は ない. また1 90 )″ という意見が出されている. 点から, 基礎練習・身体育成等の練習の廃止 ( )″ を 根 幹 と す る パ タ ー ン に つ い て ロ. ぃ創 作 学 習 モ デ ル (105. 3年の学習指導要領改訂を前後して,松本千代栄を中心とした日本女子体育 この パターンは昭和5 1 05 )″ を根幹としたものである. 創作学習モデル (. 連盟が提案した ダンスの指導・学習 プロセス. この パターンに属する記事数は 多く, 指導上の留意点に関する記述も含めると23編と なる. うち8 05 編( 25 ) は松本千代栄が執筆している. ,1 , 29 , 30 , 36 , 47 , 56 , 86 一 この指導法は 従来の立ち上りの遅い創作学習の欠点を除去する ( 2 5 )″ 創作ダンスの指導法が 複雑化してきているが, 単純化の方法はないか (6)″ という創作ダンス指導法の一般化への 必要性 から問題が提起されている, そして,一あらゆる 運動の基盤となる運動を他の運動種目との違いを明 らかにしながら表現的世界へ導く (5)″ という目的があっ たと思わららる. 松本らは舞踊を 「運動」「表現」「作品」 というレベ ルでとらえ, それぞれの作品のレベ ルにおい )と考え このイ て, イ メー ジと運動の相互作用による統一が舞踊の構造・機能上必要と している3 , 3 ) メージと運動の相互作用の関係から三つの学習側面 が提起されている. それが, 運動の探求(運動 からイメージへ) , 作品の探求 (運動とイメージから構造化へ) , 表現の探求 (イメージから運動) そして, 鑑賞の探求 である. これらの要素を全体的統一という視点から考察し 主題の要素から鑑 賞の要素″ を連続する, つまり, 運動のイメージ化, イメージの運動化を具体的なものにする要素 ) ここで構 造化された要素 - 主題の要素 身体の要素 運動の要素 変化の要素 が示されている1 , , , , . 群化の要素, 連続の要素, 構成の要素, 作品の要素, 鑑賞の要素 一 は学習指導上, 一教師にとっ て 25 )″ として位置づけ は学習内容選択の柱, 児童・生徒にとっ ては創作学習の中で形成的評価の柱 ( ) この実 られている. これらの舞踊の構造・機能にもとづいた理論の実証が授業の場でおこなわれ4 , 証をふまえ, さらに, 創作学習モデルにむけて一般化の作業がおこなわれている. 以上の舞踊表現の要素と構造から具体的な学習内容を設定する手順・ 学習方法として n舞踊課題 ″ (25 , 29 , 30 , 31 , 37 , 56 , 69 , 105) が設定されている. その 「舞踊課題」 を学習内容として学. 習を進めるとき, n学習は (1) ほぐし, (2) 「舞踊課題」 をもった舞踊運動の探求と感受, (3) 探求し獲得した舞踊運動からイ メー ジをもつ表現への新しい探求, (4)相互のみせあいと感受のよ. うに進められ, 運動の探求からイメージへ, イメージから運動の探求へと相互に連合し探索されつ 25 )″ つ, 舞踊の表現性に接近しかっ舞踊運動に習熟する学習の展開となる ( , 以上が松本を中心とした日本女子体育連盟の提案した創作モデルの概 要である.これにもとづく, 51 )″ 指導・学習 プロセスは ”-回の学習のなかに踊り=創り=観る活動を含めた学習 ( , 54 , 55 , 56 2 05 ) 等を考慮し, レベ ルの違いがあるにせ 58 というように1時間のなか で発達差 ( ,8 , 84 ,1 , 69 よ, ひとつの舞踊の系統性が完結されるという特徴をも っている. ハ. ・楽 し い 体 育″ と し て 位 置 づ け た ダ ン ス. 三つめの パターンは. 楽しい体育″ のひとつとして位置づけられた ダン スの学習・指導過程であ. ). こ の う ち 学 習 の 構 造 な い る(16 , 103 , 116 , 65 , 67 , 68 , 80 , 90 , 19 , 23 , 49 , 53 , 61 , 63 , 64 4 ) ( 3.
(6) . 学校体育の内容としての ダンスの問題点. 71. し 道 筋 が示 さ れ て い る も の は, 16 , 90 で あ る. , 61 , 63 , 68 , 49 , 19. \動く楽しみを知る ( n子どもの欲求をとり入れる (2)″\ 22 )″ 等がダンス指導上の基本であり, 指導上の出発点とする考え方は1 977年以前にもみられた. しかし, 創作ダンスは話し合いが多く運 動量が少ないという,いはば体育の指導内容としては 欠点と も思われる指導上のポイントがあっ た. 38 )″ 子ど この点についても1977年 以前, 特に小学校の指導 では 踊り込みをじっくりおこなう ( ″ 9 ) ことによ っ て子どもの踊りたいという欲求や運動量に 3 もの小作品をいっ しょ にくり返し踊る( 対する欲求を満足させよう という指導方法は存在していた. このように, 子どもの欲求傾向とダン スの機能的特性のあらい 直しから出発した指導過程が, 上述した日本女子体育連盟提案の創作学習 978年以降の記事傾 向のひとつの流れともなっている. モデルとともに, 1 43 9 まず, この創作型ダンス ( ) の基本的考え方は 一子どもの欲求からみた運動特性と学 , 68 ,4 51 習指導 ( )″ に代表さ れ, 一今もっ ている力で表現して楽しむ 一 工夫を加えて踊って楽しむ 一 工 61 )″ という一般的学習の道筋にもとづいて いる. 学習の道筋 夫の効果をみせ合って楽しむ ( , 103 1:今もっ (過程) を少しくわしくみると ねらい1:夢中に なっ てみんなで楽しく踊る - ねらい1 ている力を最大限に使っ て, いろいろな感じの動きや表し方を気軽に楽しむ (広げる学習) - ねら 1:自分たちの主張や感情が貫かれるように表し方を工夫してまとまりのある表現を楽しむ (深 1 い1 60 1 )″ と な っ て い る. める学習) ( ,6 , 90 これらの学習過程は ダンスの技術や表現の系統性よりも, 児童・ 生徒の心理的側面と ダン スの機 、動きつくり - 作品つくり - 能的特性に重点がおかれている. しかし, 従来からの方法としてある\ ″ ″ n 105 ) 等の系統性を否定したものではない. つ 発表・鑑賞 (8) 松本らによる 創作学習モデル ( まり, 子どもの欲求, 楽しみ方のステッ プという点から, これら技術や表現の系統性をもつ ダンス 68 ) 学習過程といえる. この再検討の過程では, ダンスの運動特性による分 の授業を再検討した ( \ \ 主的・自発的に工夫してゆくという一般的学習の道筋 踊る楽しさを失わず自 類が再考され, この ″ ( 61 ) という考え方は創作型の ダンスだけ ではなく4-6で示したリ ズム型の ダンス学習に も示さ ). れ て い る (43 , 49 , 68. 以上, ダンス学習の指導過程を各ダンスごとにみてきた. 記事の多くは創作ダンスにあっ た. そ の創作ダンスの指導過程も記事傾向からみると,この10年間に身体づくりか ら入る指導法がほとん どみられなくなり, 少なくとも動きづくりから入る指導法が残っていることになる. 動きつくりは 作品の一部ないし, 基本という部分としての考え方から, 初歩的動きにもそのレベ ル (発達差, 経 験差など) において完結性があり, かつ, それが次のレベ ルに発展するという 二面性をも つものと して位置づけられている. したがって, ひとつの特徴として, 1時間の授業で 踊り 一 つく り ‐ み る″ という学習が成立していることをあ げることができる. また, 従来, 作品をつくることが優先 していた指導から創ることと踊ることをそれぞれ重視 し,特に踊り込むという プロセスが導 入され, 重 視 して い る 記 事 (13 , 43 , 61 , 68 , 110) が 目 立 つ. そ して, 作 品 に い た る ま で の プ , 18 , 38 , 39. ロセスを子どもの欲求・ ダンスの機能的特性という点から再検討した学習過程と舞踊の表現・ 技術 の系統性 を指導法に展開した過程が二つの大きな記事傾向となっている. 8-2. 指 導上 の 留 意 点につ いて. 指導上の留意点については次の点から分析した. 小学校, 中学校における指導上の留意点につい ては単元の流れ - 単元の導入期, 展開期, 発表・鑑賞期 - そして評価と単元全般について分析し ( ) 35.
(7) . 72. 新開谷. 央・川股. 香織・新開谷春子. た. つ ぎに ダンス全般にわたる指導上の留意点も こついては, 児童・生徒の心理的側面, 指導方法, 環境について分析した. 8 - 2 -1. 小学校における指導上の留意点. 〈単元の導入期〉 63 ) 単元に入る前に, 実態調査をし (2) , 子どもの実態を知る ( . それによ って, 子どもの欲求 ) としている. にそっ ためあてが立てられ, 単元計画を立案することが重要 (63 単元の導入期の指導上の留意点についての記事の特徴は以下の 点にある. 技能を磨くことをあせらず, 子どもの欲求をとり入れる (2)″ と なるべく自然に楽しく遊ん )″ ことから出発している. 前者と後者のち でいるうちに表現の学習に入りこめるように進める(51 がいは指導要領改訂前後ということと技能の位置づけに代表される, つまり, 後者は前者の子ども の欲求をより重視し, 従来, 児童にとって取り組みにくい教材に対する工夫がみられる. したがっ て, 後者ではこの期における雰囲気づくりを重視し, また, は じめから創作グループを能力班とか 生活班に分けずに 誰れでも感じ合っ て動けるように, グループを固定せず, 個人でもグルー プで も自由に行なわせる方がよい( 51 )″ としている. さらに, 学習目標の提示も導入期の最後にするの も 良 い と し て い る.. 〈単元の展開期〉 この期についての記事の内容 で最も目立っ たことは, 題材に関する留意点が多いことである. そ )″ W題材を選ぶ際, 動きの の内容は次の例に代表される. ”学年にふさわしい題材を与える( 84 , 85 イメージの浮びやすいもの, 特徴のあるものの選び方の助言が大切 (65 )″ 、子どもに一番ぴっ つ ぎに, 子どもの欲求そして欲求充足と結びついた自信に関する記述がある \ たりくる題材をどういうふうに掘り起こさせて取り上げさせるかが大切,楽しむことが第一 ですが, 自信を持たせることが非常に大事 ( )″ 題材との関係以外では小 作品 でも ひとつひとつ完成の喜 63 びを味わわせながらできる自信をもたせる ( 4 1 )″ という記述に代表される. そのほか, 導入期の注意点として グルーピングと雰囲気づくりがあげられていたが, これは展開 期においても重要な指導上の留意点となっ ている. グルーピン グの点では2つの立場がある。 ひと つは 一生活グルー プの活用 (2)″ であり, もうひとつは 一同 じイメージや類似のイメージの人達に よる グルー プ構成 ( 51 )″ である. 前者は 、鴇・の結びつき, チームワークを大切にする (2)″ と い う グループ活動を基盤としている. これに対し, 後者はイメージをみつける学習のなかで, 経験が 進むにつれて, 自分 で自由にイメージを捉えることが望 ましい( 51 )という立場にあり, 異質 グルー プ (生活班的グループ) よりも学習がスムー ズ ( ) におこなわれるとしている. したがっ て, グ 51 ルー プ ごとの目標達成についても, 後者の指導においては どの グループも一定のレベ ルまで進めら れるとは限らず, その能力にふさわしい学習が展開できればよい ( 51 ) としている. グループダイ ナミクス活用の点では 許しあう, 気安い雰囲気 ( 41 )″ ”グループと個のフィ ー ドバッ クのプロセ \一人一人の アイ ディ アが生きる場面をつく って 創造 38 )″、 スで確実に個を育て責任をもたせる ( , 性が発揮できるようにする ( )″ 等に代表される. グルー プダイナミク スの活用はおもに指導要領 41 改訂前の記事にみられた. 〈発表・鑑賞期〉 発表は 多くの場合, 単元のまとめとして作品ないしそれに近いものを対象としておこなわれてい ( ) 36.
(8) . 点 学校体育の内容としての ダンスの問題… 、. 73. 、 、 る. しかし, まとめとしての発表ではなく, 展開期においても 精いっ ぱい表現することができ, ″ 4 1 ) としての小 発表会の活用 もみられた。 この点につい 友や先生の共感を得たと認められる機会( 、 ″ 、 )″ 同じ動作を長 38 仕上げ, じっくり踊り込む ( 8 短い作品を早く 3) て は 作品の長さは短く ( 53 )″ 等の記述と関連している. 時間練習させ ない ( まとめとしての発表・鑑賞と しては u観点を決める″ という前提的留意点がみられる. 鑑賞の形 51 ) 式としては観点にもとづいて, 競争の場として児童が採点するケース(2)と採点しないケース( 〃 ( 5 1 ) という例が たかが大切 できてい とがみられる. 観点の具体例として 本当にそれらしく変身 改訂後の代表例 である, )に関する )よりも指導 上の資料・教師の反省としての評価8 評価との関連 でいえば, 管理上の評価8 記述が多い, 後者二つの評価については u悪い表現よりはよい表現を見分けてやり, 学習意欲を高 53 )″ 1 )″ 『肖極的な活動 で終わる場合, それは意欲をそ ぐ指導をしている ( 5 めることが大切 ( . そ 、創作過程での生徒のゆきづまりは指導者にとっ て責任があり, 謙虚に反省し, ただち してこれは \ )″ という記述に集 84 に次の解 決策を考え, 指導の手をさしのべ, よりよい方 向へ導くべき である( 約される. 以上, 小学校における指導上の留意点についての 記述傾向である, まとめると次のようになる. ダンス観, ダンスにおける教育 観のちがいによる指導方法上の留意 点がみられる. これらはおもに, 導入期における グルー プのあつかい, 展開期における グルーピン グの基準ないしグルー プダイナミ クスの活用にみられ, 指導要領改訂にとも なう教育内容の変化とみることができる, 8 -2 -2. 中学校における指導上の留意点について. 〈単元の導入期〉 小学校における単元の導入期と同様に, ダンスに対する抵抗感を取り除き, スムー ズに単 元内容 ) 9 に入れるための 記述がみられる(4, 33 ,4 , 52 . しかし, その内容となると指導要領改訂を前後 に変化がみられる. 改訂前の留意 点と しては 一他を意識 しない でう ち込める姿を作り 出 してゆく 、興味をもたせる ための指導 - 最初の 題材でみんなが必ず動けるよう にさせる( )″といっ 33 (4)″\ \実態を ″ 49 ) \ た記述がある. 改訂後では 身についている身のこなし方でリ ズムにのって楽しむ ( 5 2 )〃 という記述がみ よく把握し, 生徒の認知内容を細かく捉えて生徒の欲求に 沿っ た授業の展開( られた. 導入期のこの違いは展開期 ではさらにことなっ た特徴となる. これはおもに指導過程の ち が い (8 - 1) に も と づ い て い る,. く単元の展開期〉 )で述べた内容を具体的にした記述が展開期における指導上の留 6 ダンス教育のあり方につ いて6 \相手と一緒に表現する楽 、運動における表現の価値を体験してもらう(5)″\ 意点としてみられる, \ 1 )″ 等の記述がこれにあたる, また, これらは8- 1で示した創作 ダンス 6 しさを体験させる指導 ( の 4 つ の バ タ ー ン と も 対 応 し て い る.. ダンス教育のあり方, 目標以外の留 意点についてみると次のようになる. し題 材 テー マ に つ い て の 記 事 は 6 例 (14 , 87) で あ る. は じめ か ら テ ー マ な い , 72 , 42 , 49 , 33. ) がみられる. 両者の 14 9 33 ) と踊るなかでテーマを見い出してゆく方法 ( を与える指導 ( ,4 , 87 方法における指導上の留意点の大きな違いは少ない. しかし, 創作ダンスの指導上の大きな問題点 \ \ のひとつ である 話し合いの時間 (テーマ設定期や動きを出し合う 時期) については 話し合いに か ) ( 3 7.
(9) . 谷 子 ・1 香織・新開谷春 新開谷 央・川股. 74. )〃 等にみられる話 14 )″ -話し合いの仕方について理解させる ( 33 ける時間は多いが大切にしたい ( し合い重視 の傾向と -踊 る な か で イ メ ー ジ・テ ー マ を み つ け て ゆ く (49)″ 等の踊り重視の方向とが みられた. したがっ て, 指導上の留意点として, 話し合いを重視するか どうかは指導法の問題と ダ ンス教育観の問題となっ ている. 00 )で 3 つぎに, グループないしその編成に関する留意点を述べた記事は(5, 3 , 72 ,1 , 49 , 52 72 ) 5人から6人 (5) 6人から8人 ( ) となっ 33 ある. グルー プないし班の人数は2人から4人 ( グループ内の人間関係を大切に 33 ) ていた. 留意点として, 話し合いの仕方について理解させる( , する ( 72 ) などグループづくりないしグルー プ活動に重点をおき, そしてその中で個人の能力や欲 52 00 ) ことが求められている. 求が充足される ( ,1 ) 即興ないし小作品についての留意点もみられた (5, 4, 78 , そして, 小作品をつくることは, 49 ) 少なくとも1時間にひとつまとめ (5) , 常に踊る会を設ける ( , お互いに見せあう機会 (5) 4 9 ) という留意点に発展している. ことによっ て踊りを楽しむ ( 〈発表・鑑賞期〉 展開期の 延長上にありまとめとしての発表会に関する留意点は少なく,=優劣を競う場でなく, み 49 )″ の1例だけ である. んなでダンスを楽しむ会 ( 23 ) さいごに, 評価に関する留意点として, 形成評価の重視, マナーを技能に含めて指導する ( と い っ た 記 述 が あ っ た. 8 - 2 -3. ダンス指導全般にわたる指導上の留意点. く児童・ 生徒の心理的側面についての留 意点〉 単元の導入にあたって児童・生 徒の心理的負担ないし抵抗感をとり除く必要をといた留意点 - 踊 ) りに対して抵抗をもたないためにも ( 4 ) ためらわずに自然にひきこん でいく, 気軽に動ける ( 67 7 11 1 6 116 ) と未経験 ( ) などがある. こ 等 - が多い. これら留意点の背景には, 恥ずか しさ ( , 11 れらのように, 児童・生徒の心理的状況ないし欲求を重視した記述が多いのも ダンスの特徴といえ る. また, 導入期におけるこれらの配慮は単元全体にわたってみられた. これらについては指導方 法, 集団的側面のなかでそのつどとりあつかうことにした. 〈指導方法上の留意点〉 指導方法は指導内容によ ってことなる. 指導内容とその構造については8-1で述べてある. し たがって指導方法上の留意点についても指導内容によ ってことなっ ており, 指導要領改訂にともな う変化がみられる. これらの点については8-1と内容が重複するの で省略したい.ここ では児童・ 生徒の心理的側面に関す る内容について分析したい. 111 16 まず教師の児童・生徒に対する態度として, 児童・生徒の存在と性格 ( ) ダンスに対す ,1 u 基本とな 90 116 1 2 4 学習意欲を換起し( 単元の流れからいうと )等の認知が ている る価値観( っ , , , . ″ 意欲 し 1 輝く 117 ) 動きに自信をつけさせ ( 9 9 0 ( 1 1 7 ) さらに意欲の強化 ( 1 7 ) 57 7 ) を維持 , , , 67 ) という プロセスをとる記事が 可能性 ( 11 ) 楽しみあう活動 ( ) 自発的に ダンスに志向する ( 6 90 多い. これらが基盤となっ て, さま ざまな留意点が述べられている. u良い刺激を与えたら, 踊りに 4 7 )″ という大きな視点から 子どもの見つけた素朴な動きにはす 対して抵抗をもたず大きくなる ( く 認めてやり, 安 心感を持たせ自信をもっ て大きく踊らせることが大切 (57)″ といった具体的留意 点まで広がっ ている. したがって, 指導方法上の留意点としては 児童・生徒の心理的側面に関する ( 38 ).
(10) . の問題点 学校体育の内容としてのダンスの問題 ,…. 75. ものとそこにいたる指導技術に関するものがある, 具体的にみると, 放任と教えすぎの弊害からみ ) 小学校 90 103 ) 学習意欲を換起するための身体育成の廃止 ( た自主性と指導性の バランスの問題 ( 124 ) 中学生には心の問 中学年ぐらいからは技術的な方向がともなわないと恥ずかしくて踊れない( 124 ) 等が内容と なっている. 題を先行させずに技術的なものを先に教える ( 、 また形成的評価に関する留 意点として,\うまくするにはよいところを具体的にほめることが大切 1 03 )″ 等という内容に )″ -承認の欲求の充足 ( 72 5 ( 7F n良い悪いという評価的考 え方をしない ( みられるように, 児童・ 生徒の学習態度ないしプロセスに対する承認に関する記述も多い. <学習環境に関する留意点> 20 指導上の留意点として学習環境に関する内容が最も多く記 述されていた ( , 67 , 70 , , 47 , 57 上げた記事である 境づくりの留意点を重点的にとり ち7 1 1 0 17 ) 03 73 . , 7は環 ,1 ,1 ,79 . これらのう 三浦( 11 )は意欲を強化するための環境についてふれ, 環境を人的環境と物理的環境とに分け次 7 のように説明 している. 人的環境は子どもの創造への努力に対して適切に 反応するダイナミ ッ クな 場として存在しなければならない″ として教師の 役割と学習集団について言及している. 物理的環 境の内容としては い踊りたい気特になれる場所″ といっ た心理的側面と テーマに応じた環 境″ い ろいろな音をつくれる環境″ 教育機器の活用″ をあげている. ″ いずれの記事からも児童・生徒の心理的状態を考慮し一虚構の世界に入りやすい雰囲 気 (6) u良 ″ 4 7 ) 等の意味を読みとることができ い環境とよい刺激を与えたら踊りに抵抗をもたず大きく なる( る.. )を引用 した記事が2編 ( 9 ) また, 松本千代栄 20 以上あげた留意点のほかに, 高田の4原則7 , 11 3 } 110 ) あっ た. のダンス学習理論 の学習のために考 慮すべき諸条件を引用した記事が1例 ( ダンスの指導法についての 記事傾向をまとめると次のようになる, 創作ダンスの指導方法についての記事が多く, その学習・指導過程や構造は4つの パター ンに分 けられる. 1 9 78年の指導要領改訂後, 身体づくりを出発とした プロセスが少なくなり, 創作学習モ デルと楽しい体育の 内容としての ダンスの2つの パターンが記事の主流となっている, 指導上の留 意点の記事傾向は児童・生徒の心理的抵抗を取り除くための留意点と指導方法上の困難さに集中し, これらは学習 内容選択についての疑問へと連続し, また同時に, 指導方法の一般化を問題としてい る. 9, 指導全般にわたる問題 点について 指導全般にわたる問題 点については, 教育としての ダン ス, 指導内容としての ダンス, 指導方法, 教員養成及び教師, 研究という6点から分析した. 〈教育 と して の ダン ス の 問 題 点〉. 記事傾向として指導 要領改訂を前後して変化がみられる. 改訂前は体育としての ダンス, 芸術と 0 しての ダン スが教育目的との関連のなか で, 問題点として論じられているケー ス が目立つ(9, 1 , \ \ )″ ずにいる( 3 7 どこへも発展でき 連のなか でも芸術でもなく ダンスは体育 で 37 4 9 ) これらの関 , , . 、芸術の域までも っていけるだけの基本が学校のなかにあるか ( 4 0 )″ といっ た問題 点がみら そして \ ( ) 39.
(11) . 76. 新開谷 ・川股 香織・新開谷春子 香織・ 開谷春子 升谷 央・川股. れる, 改訂後の記事は新指導要領における ダン スについての論評がおも である ( 24 ) , 92 , 95 , . 24 92は松本千代栄, 95は及川の執筆によ る. 両者とも新指導要領の特徴 である生涯教育・生涯 ダンス の課題についてふれている. 松本は社会におけ る舞踊状況と学校における舞踊をどうかか わらせる か, そして, 創作 ダンスをどう位置づけるかと いった問題を提起し, 及川はこの生涯 ダン スの課題 を達成するには現行の方法を根本か ら改革することが必要としている. 以上の記事傾向から判 断すると, ダンスは体育か芸術かといっ た本質的問題の検討結果が実践に おいて十分 な根拠として機能していないところへ, あらたに生涯教育としての ダンスの位置づけが 1978年以降加 わっ たことになる. 〈〈指導内容としての ダンスの問題点〉 7でみたように, 学校 で取りあつかう ダンス内容に ついては学習指導要領の影響力は大きい 指 . 導 要 領 を め ぐ る 問 題 点 に 関 す る 記 事 も 多い (37 , 55 , 67 , 68 , 78 , 80 , 83 , 87 , 89 , 92 , 98 , 99 ,. 104 09 ) 78年以降の記事である. ,1 . 37 , 80 , 83を除いて19 指導内容の選択に関しては松本千代栄( 92 ) 安藤 ( 99 ) 佐伯 ( 104 )の問題提起がある. 松本は- 般的な問題点と して問題点をあげて いるが, 三者とも多様な舞踊 文化のなかから創作ダンスを中心 とした様式だけが選択さ れていることについて問題があるとしている この原因は1 978年の指導要 . 領改訂によっ て創作 ダンスが教材の中心になっ たことに起 因 している 理念と学習 内容と現実 の . ギャッ プを 示した記事もある. 池田 ( ) は レコー ド会社の振りつけた踊りを女教師が講習会 で 98 ならい, それを学校行事で消化し, 親がかわいい子どもの 姿に目を細めて見つめる″ という図式を 示し, 実践段階 での理念との落差を提起している. また, 児童にとっての ダンス教材の感 じ方 ( 3 7 ) さらに作品創作を中心とした創作 , 80 , 83 , 87 ダンスの弊害を問題点としてあげた記事 ( 55 ) が多い, 教材の好き・嫌 , 67 , 68 , 78 , 83 , 89 , 99 いは指導上大きな問題 である, 4人の著者が最もきらわれている教材や嫌われる率の高い教材はダ ン ス で あ る と い い, そ の 原 因 は 女子用の内容選択の間違いと指導に問題がある ( 83 )″ -リ ズミカ ルな動きの軽視, 構成の重視に問題があり ( 80 )″ としている, これら児童・生徒の ダンス嫌いは創 作 ダ ン ス の 弊 害 に よ っ て, さ ら に 説 明 さ れ て い る .. \つくる過程とつ ダンス, 特に創作 ダンスの弊害はダンス嫌いという形で顕在化し, その原因は \ ″ 、 ) に求められる 代表的例は次の2つである \一生懸命に創作した く っ た も の と の ギ ャ ッ プ (78 . . わりに仲間か ら酷評され, 絶望感だけが残る ( )″ nテーマの堀り下げで感動しても, それを動き 55 として表現すること がむづかしく, 子どもはつくる苦しみを味わうだけ ( 89 )″ . この問題は一般的 、挑戦レベ ルが高いため教師にと て高い指導力と感情が必要 ( ″ に\ 67 ) というように指導法上の問 っ 題と関係 している. 教師のレベルと児童のレベ ルの差が大きいほ ど - この差は教師の要求レベ ル , 、困難を 教師の発想, 教師の指導能力の程度によ る - 子どもは 長い忍耐と努力 が要求され ( 67 )″\ ・不明な点が多すぎ困惑し( 68 まねき ( )″\ 67 )″ という状況におちいる. 一般に, 創作 ダンスの時間 では, 苦労, 苦痛, 困難, 困惑といっ た心理状態にある時間 が長いということになる. 加えて, n話 し合いが多く授業の中 で消化しきれない ( 55 )″ -運動欲求が充 足されない ( 55 )″ n毎時間の授業で ″ 存分に踊る楽しさをもつことが極めて少ない ( 67 ) という状況は 最下層の活動欲求すら満たさ れ \-部の生徒と教師の自己 83 ないことがある( )″ ということになる. これらの弊害は創作 ダンスが\ 満足に終わっ ている, 学習 での舞踊体験 が現実の生活と結びつかない( 78 )″ という問題提起の一因 と な っ て い る.. 指導内容としての ダンスの問題点に関す る記事傾向の多くは 一きらい″ と n弊害″ に代表されて ( ) 40.
(12) . の 谷 の ンス 学校体育の内容としてのダンスの問題点 子 叉 ー. 77. いる, このほか, 女子教材としての位置づけに関する問題提起 ( 8 0 ) がみられた. , 89 〈指導方法の問題点〉 、きらい″ u弊害″という二語に代表されている 上述のように, 体育教材としての ダン スの問題は\ . これらの原因として ダンス内容の選択と指導法があげられ, 指導法 では 一むずかしさ″ が示摘され て い る.. 指導方法上の問題点を提起した記事は多く( 34 7 2 , 46 , 61 , 65 , 80 , 89 ,9 , 83 ,8 , 99 , 103 , 104 , 指導内容に関する記述と重 6 ) 1 07 複しているもの ( 80 1 0 3 1 4 1 0 9 ) 0 も , 109 , 11 , 87 , 89 , 92 , , , 多く, これらは学校におけるダンスの問題点の重要な要素 となっ ている . 指導方法上の一般的問題点として u学校ダンスの理念が間違っているというより指導法に問題が ある( 80 )″ 指導要領の目標の″ 楽しさ に創作 ダンスはどう寄与 できるか ( 92 )″ そして この学 ″ 習をどう指導し, どう評価するのか ( 89 ) といっ た提起がある. 具体的問題点に入ると, きらいの理由があげられる. その理由の代表的なものとして いひとりで 即興表現をやらされる, ひとりでつくらされる, 指導者 が嫌い( 87 )″ がある. ひとり で表現させら れることは心理的には恥ずかしいことであり, これは小学校では中学年・高学年になるに したがっ て増長してゆく. この中学年・高学年期の指導方法に ついての示摘がある ( 34 ) , 80 . 中学年に つい てはその導入に問題がある ( 80 ) としており, 高学年では担任がベテラン教師 (旧教育をうけ ダン 34 ) をあげている. また音楽は好き でも学校音楽は嫌い ス経験や知識のない男性教員) である点 ( \ダンスに抵抗はなくなっ たが ダンス授業というと面白くない正体不明のイメー ジが を例にとり 、 , 116 )″ という示摘もみられる, 正体不明( ある ( 1 16 )″ と関連して 一創作ダンス敬遠の理由として 何を表現したいのかという 「問題意識」 の欠如 ( 1 07 )″ があげられている. u ″ つ ぎは む ず か し い という示摘 ( 89 04 ) がみられる, その理由として nテーマを表現 , 103 ,1 n ″ することがむずかしい ( 8 9 ) 精神の集中と膜想, 肉体の動きのみに依存す ることは変身の方法と \積みかさねがない ( しては難かしすぎる ( 103 104 )″ と な っ て い る. こ れ ら の 外, 評価しにく )″、 ″ - ″ 34 ) 放任, 話し合いで技の高まりがない ( い( 61 ) 等の示摘がある. 34 これらの問題の提示にとどまらず解決の方向を示した記述も多い ( 03 ) , 46 , 65 , 80 ,1 , 104 . 以上まとめると,子どもにとって創作ダンスは具体的イメー ジのわかない正体不明の教材であり , かつ教師も同じ状況にある場合が多く, また, 指導方法もむずかしく一般化していないため, おも しろくない, はずかしい, むずかしい側面が出現しやすく, 楽しみやおもしろさにいたらない場合 が 多い と い う こ と に な る.. 創作ダンス以外の問題点についての記述はない. 〈教員養成および教師に関する問題点〉 教師に関する問題点として, 教師の ダンスに 対する意欲の欠如 ( 73 ) むずかしいという思い込み ( 65 ) 指導経験の欠如 ( 34 ) 等の示摘があり, 日本に舞踊教師はいない ( 7 8 ) という記述もあっ た. これらの問題の解決方法として教員養成のあり方が問題とさ れている ( 1 , 34 , 9 , 10 , 24 , , 8 1 05 ) しかしその内容も大学のカリキ ラムにおける ダンス時間の不足( 4 1 0 2 4 3 ) ダンス経験 ュ , , , , がなくとも資格を得ることが できる (9, 1 05 ) 等の問題が示摘されている. く研究上の問題点〉 研究上の問題点を示摘した記事は 9 , 16 , 20 , 24 , 105 , 122 であ る. こ の う ち 理 論 的 研 究・実 証 ( ) 41.
(13) . ・ 春子 .一 新開谷 央・ =股 香織・新開谷. 78. ) がみられた. これらを含 34 20 ) 不調和 ( 16 ) そして具体的指導方法の提示要求 ( 的研究の不足 ( 必要 (10 ) 等具体的に示した 記 1 05 ) の示 摘があり, 教育科学的研究の め体育科教育学研究の遅れ ( 事もある. 以上, 記事傾向をまとめる と次のようになる. 978年 ダンスは体育領域か芸術かといった本質的検討 結果が現実に具体化されない状況に加え,1 た. こ 座が必要とな ダンスという新しい視 っ 生涯教育としての 以降, 学習指導要領の改訂により, の教育目的に もとづいて選択された内容は創作 ダンスである. しかし, 指導内容の側面からする と この創作 ダンスは nダン ス 嫌 い″ ぃ創作の幣害″に代表される現象を内包している. これらの 原因は 指導すべき内容選択とその指導方法に求め られている. ここにおいても, 教師にとって ダンスの指 導は む ず か し い″, 子 ども に と っ て は 正体不明の教材″ という側面 が浮き出てきている. その結 果として, ダンス軽視の傾 向が改善されずに ある. 教員の質については教員養成制 度にその解決を 求められている が, 大学におけるカリキュラム 上の改革も進行していない. また研究面では理論と 具体的指導法の相互作用 が求められて いる. 指導方法上の問題点が創作ダンスに集中しているのも ひとつの特徴である.. 10 . 総. 括. }にもとづいて雑誌記事の 内容をまとめると次の ようになる, 具体的な作業上の分析点5 1) 雑誌記事の執筆 者のほとんどが女性であり, 松本千代栄・川口・三浦が主導的な役割を果た している. 理論的記事では大 学・短期大学に 所属している研究者によるものが多い. 2) 雑誌記事においては ダンスに関する用語は多様 であり, 学習指導要領用語以外の用語の統一 的使用はみられない. ダンスの定義についても, 根本的・本質 的内容, ダンスの目的・効果や分類 の基準によ ってこと なることが多い. 本質的内容では1977年以降に定義上, プレイ論にもとづいた 定義が多くみられるという特徴があっ た. 学校体育の 内容として, ダンスでは舞踊による教育と舞 踊への教育という 二側面がダンスを定義するうえでの大き なポイントとなっ ている. 3), 4) 学校体育の 内容としての ダンスの目的・目標は ダンスの定義同様, 舞踊による教育と 舞踊への教育の 二側面によ ってこと なっている, 舞踊による教育の場合, 体育の目標との関連 で体 力づくりや 運動量がダンスの目的の 一部となる可能性もあっ たが, この 点については, 美的創造性 7 7年 以降, 創作ダンス中心傾向に対する見 や運動欲求の充 足という 点以外では否定的であった. 19 直し論が出され, 発達発育の対象者, 文化の被伝達者, 文化の創 造者としての児童・ 生徒の位置づ けから, ダンスの特性 (目的・目標を含め た特性) が検討されている. しかし, 全般的問題 点とし て指摘されている が, 生涯教育, 生涯体育という教育目標 を実現するためには, 学校体育としての ダンスの内容を再検討する必要があるという 意見もあり, 実践が教育目的に 機能していないと判断 できる記事もみられた. (族) 舞踊がとりあげら 5) , 6) 指導内容としての ダンスは創作 ダンス・フォ ークダンス・民俗 978年以降, 学習指導要領の改訂により, 創作ダンスを中心とする内容に なっ た. しか れていた. 1 し, 学習指導要領の 目的と創作 ダンスの内容との矛盾 ないし多様な舞踊様 式の中から創作 ダンスだ けが学習内容として選択されたことの是 非の問題が示摘され, 学習内容論の見直しが提 起された. これらはお もに指導方法の一般化そして児童の活動欲 求と運動特性から把握されている. ) ( 42.
(14) . 、 学校体育の内容としてのダ の ンスの ンスの問題点 子 谷 。 …. 79. 7) これらの学習内容 見直し論のなか では女子体育連盟の創作学習モデルと楽しい体育の位置づ けによるダンスが指導内容ないしそれへの学習・指導方法という点か ら理論的・実践的に提起され ている, また, これらは1 978年以降の雑誌記事の中心的傾 向となっ ており, これらは児童・生徒の 心理的抵抗感への配慮や指導方法の困難を解 決することを指向している . 8) 指導全般にわたる問題点は創作ダンスの nき ら い″ 弊害″ に記事が集中している これらを . 解決する方向と して指導方法の一般化 (具体的提示) 教員 の質の向上・教員養成レベ ルでの指導力 , の向上が草ほ れているが, 後者については一定レベ ルの効果はみられない また 研究面では理論 , . と実践のフィ ー ドバッ ク的効果が必要とされ, かつ問題ともなっ ている 学校におけ る ダンスは創 , 作ダンスが中心 であり, 同時に最も指導内容や方法上の問題を内包したダンスもまた創 作 ダンス で あるといえる. 以上, 作業上の分 析点のまとめ である. これらの結果か ら作業の基本となった課題に若干ふれて み た い,. ダンスの広義の目的については以上の分析から結論をみい出すことは できないが 学校における , ダンスの目的がダンスに よる教育と ダンスへの教育という二つがあり 近年は後者に重点 が置かれ , る傾向にあると思わ れる. 学習指導要領の目的とダンスの目的の整合性については生涯教育という柱と創作ダンスの内容的 性格という点において整合性が強い とは判断できず,逆に内容的に諸々の問題点があると思われる . 体育の目的達成のためにダンスは機能しているかという点については ダンスを体育の領域に包摂す る限り, 再度, 体育 の目的をその領域(外延) との関係のなか で再検討する必要があると思われる . これは著者の私見であるが, 舞台芸術が学校教育のなか で教科として位置づけられていないという 事実と舞台芸術としての側面をもちつつ運動文化として体育という教科に位置づけられた ダンスの 存在, 特に創作ダンスとの関係もこれから検討さ れる必要があると考えられる , 指導方法については各ダンスの目的・特性の検討とともに一般化への模索が進められていると思 われる, 最後に, 学習指導要領改訂にともなう記事傾向に大きな変化があり 同要領の影響力 の大きさと , ともに, 商業雑誌が同要領 の解説の機能をもち, 内容の普及に一定の影響力をもっていると思われ る.. 引用文献 1) 松本千代栄 「舞踊表現の構造と要素化」 女子体育, 2 1一4:pp 9 .2-6, 197 . 2) 松本千代栄 「舞踊表現の構造と鑑賞」 女子体育, 22-2:pp 0 8 0 ,2-1 , 19 . 3) 松本千代栄,「ダンスの学習理論」松本千代栄(網) 9 80 3 , ダンス表現学習指導全書, 大修館書店,1 .3-10 ,pp , 4) 松本千代栄.中間千恵子・荒川サツエ 「指導法研究」 女子体育, 2 1-1 1:pp 9 79 .34一3 , 19 . 5) 中俣香織・新開谷春子・新開谷央 「体育雑誌の内容分析による学校体育の内容としてのダンスの問題点」 北海 道教育大学紀要第二部C, 35一2:pp 85 .33-43 , 19 . 6) 新開谷央.新開谷春子・中俣香織 「体育雑誌の内容分析による学校体育の内容としてのダンスの問題点 その 2の1」 北海道教育大学紀要第二部C, 36-1:1 9 85 . 7) 高田典衛, 体育授業の方法, 杏林書院, 197 5 .4-7, , pp 8) 続有恒, 「教育評価」 教育学叢書, 第2 1巻, 第一法規, 19 74 9 ,6 . pp ,. ( 4 ) 3.
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