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態度の再生に及ぼす影響について

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Academic year: 2021

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(1)Title. 態度の再生に及ぼす影響について. Author(s). 星野, 喜久三. Citation. 北海道學藝大學紀要. 第一部, 5(2): 91-94. Issue Date. 1954-12. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/3550. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 北 海 道 学 塾 大 学 紀 要 (第一部). 第5巻 第2 号. 2月 昭和29年1. 態度の再生に及ぼす影響につ いて 星. 喜. 野. 久. ニ. 北海道学襲大学釧路分校心理学研究室. l i t tude on Recal t of At Kikuzo HosHINO: 0n the E性ec. l . 問. 題. 1 1 ) の研究があげられるo 氏等の研 t等 ( por 態度と再生の機能的関係を明 らかにした研究として、 AI ,2 ,3 究によって、 種々なる欺況において、 態度にもとづく講慮の選択性と歪曲 が明らかにされた。 本研究は材料、 方法に若干の工夫をもちいて、 これらの研究の追試という意図のもとに計画された。 本研究で提出した問題は 再軍備にたいする態度の再生に及ぼす影響についてである。 今日再軍備にたいする態度は情緒性、 動機性を色 濃くもつゆえに、 これと再生との機能的関係は本研究において特徴的にあらわれてくるとおもわれるo 一腰、 次の仮説が立てられる。 再軍備にたい して賛成の態度を示す者は、 女章再生実験において、 その女章 中の再軍備賛成項目を反対項目より多く再生し、 更には此様な項目を強調、 誇張する傾向があるであろ うとい うことであり、 再軍備にたいして反対の態 度を示す者は、 女章再生実験において再軍備反対項目を賛成項目よ り多く、 しかも誇張して再生するであろうということである。 =. 方. 法. 実験材料として、 再軍備にたいして 賛成の文章と反対の 女章 が討論形式でテープコー ダ-に録音 きれた。 内容は次のようなものである。 7 0 3 /不明の者が/ C , /某新聞社 の/調査によると/再軍備に賛成する者 が/全体の17%/反対する者がハ % 材. 料. %であります/ Aー /今日恐ろしい/共産主義国 が/日本へ侵 入 してくる/危険性がありますから/ぜひ/軍備をもたなくて はなりません/ B. /日本はいま軍備をもてば/必ず/戦争に手を出すようになり/そう したら再び広島や/長崎のような悲 惨な目にあいます/ A2 /しかし国内の共産主義者が/いっ暴動を越す かわかりません/軍備をもたなければ/安心しておれない のではないで しょうか/ BQ /軍備のために莫大な/費用をかければ/国民生活は/全く/苦 しくなってしま います/ A3 /歴史上独立国は/皆/軍備をもっていました/日本はいま独立国なのですから/軍備をもつのは/当然で す/ , です/ B ; /憲法では/軍備をもつことを否定 しています/再軍 備は/明らかに/憲法違反 ;. Ad /世の中の大勢が/再軍備の方向へ動いています/こうした現実をはっきり認めなくてはなりません/再. 軍備反対は/塞想論ですね/ 込まれょぅとしています/こ B - /いま日本は MSA 援助を受けて/ァメ リヵの傭兵になり/再び戦争に巻き . れが贋の 現実なのです/ C2 /これで討論をおわりたいとおもいます/どうも有難うございました/ 各女章はステロ 版を探り入れた、 しかも強調化された内容をもっているところに特色があるo A が再軍備に B たい して賛成の文章、 B が反対の文章、 C が中立の文章である。 2人の地元放送局のアナウ ンサーに A, 各 1- -9.

(3) . 星野喜久三 文章を担当していただき、 筆者が司会のかたちでC文章を受持って、 討論形式で以上の内容をテープコド ダーに 鉄害した。 実際の討論にちかい情緒性を人篇的に醸成できたことは、 材料を十分に自己関興(egoinvo l t vemen ) なものとした。 手 練 実験は集団実験のかたちで鴬された。 被験者には記憶実験をやるということを 最初に知らせる。 ‘これはある討論の一部分を録音したものです” と言って先の文章をきか それから、 実験にとりかかる前に、 ‘ せる。 録音再生がおわってから被験者は数字の抹消作業に5分間従事させられ、 それがおわってのち、 テー プ コーダ-の再生内容を全部言葉通りに筆記再生することを命ぜられる。 此様にして被験者の再生は 6 回繰返さ. れ各回の間に5分間の抹消作業が押入される。 抹消作業は復諏の再生へ及ぼす効果を減ずる篤に計画されたも のである。. 被験者. 市内の二つの高等学校の3年生男子から、 質問紙によって、 極端な再軍備賛成群と反対群を選出. した。 人数は両群とも21名である。 川. 結 得点化. 果. 結果を量的に示すに便なるよう、 原文章に得点 づけがおこなわれた。 1文章はlo点とされ、 1女. 章内は更に有意味な最小項目単位に区切られ、 各々得点づけされた。 賛成、 反対、 中立各文章の項目総数は各 々 21 ,20 ,ー0 である。 被験者の再生は全く言葉通りでなくとも、 意味において原文章と異っていない限り正確 に再生されたものとして計算された。 再生女章の取捨選択は4 人の心理学専攻学生の一致にもとづいてなされ. たo. 選択再生 正確に再生された量は Fig.1, Fig.2 に示され ている。 再生量は各項目について、 賛成群、 反対 群とも、 6回の再生を通 じてほぼ一定 している。 はじめの 侭説を検証するために再生量について分散分析を行 って得られた結果が Table で あ る。 Table から次のことがいえる。 再軍 備賛成群の再生量と反対群の再生量 のあいだには差がな い。 また、 再軍備賛成項目と反対項目の何れかが多く再生されたり、 少く再生されたりと いうこともない。 しかし、 態度と項目との影 響の及ぼしあ いをみたとき そこ 、 に顕著な一義的効果を認めることがで きる。 即ち 賛成 群は賛成項目を反対群 、 は反対項目を選択再生するということが確言できる。 これによって 実験仮説 、. は確定的結論を得た。. i F g .2 ′ ′ ′ 中 立 項 目. Fig .1 .. 1副 時 間 間 隔(分) 「一較窟厩 =.”反対好. 時 間 幅 馬(令) 一← 賛成云 ¥ キー→“反対B. -r.・ nr 「r 崎e 一・一賛成群……反撃 J群. Tab l e . 正確に再生された量の変動分析 変 態 . 項. 動. 因. 平 方 和. 自 由 度. 不偏 分散. 度. 609 66 .. 目. 21 11 .. 態 度 × 項 目 誤 差 全 体. 12040 87 .. IXI. 87 12040 .. 85530 10 .. 80. 1069 17 .. 98202 74 .. 83. F. 609 66 . 21 l .i 11 26葵葵 .. 美美 1%以下の危険率で有意 話 中立文章の再生はこの分析 i 「から除タトした。 中立文章の再生量は F g ,2 に 示 さ れ て い る。 一 92 一.

(4) . 態度の再生に及ぼす影響について 6%. 反対群44 0% で両者の差は認められない。 中立文章 こ では、 再生量は賛成群4 4 . . C 再 の の う ち、 とく に、 C 生量は の女章の 2 そ れ の 3 倍 を か ぞ え る。 (CI罵33%, C2= I 11%)。 このことは、 CI が銀書再生の最初の位置にあったことと、 被験者の CI 女章 の 数字にたいする関 心が強かったことに原因しているとおもわれる。. 再生内容の歪曲. 再生内容の歪曲として陽調化やステロ版の探り入がみられる。 まず、 賛成群から歪曲の. 著しいものをあげてみよう。. ’ “国内では共産主義者達が革命を起しつ ありますから嫌々軍備を拡張すべ きです ’ 。 (S5). ”日本には赤い共産国が侵入している 再軍備は絶対必要である ”( S 37 ) 。 。 原女章では可能性を暗示したものが、 この例では実現の状況を示している。 なお、 革命、 ,赤 い共護国、 共産 分子、 国内騒擾等のステロ版の使用 が目立っている。 ”現今の歌勢下において無防備ということはナンセンスである ” (S42 ) 。 ‘ ・再軍備反対の人達 は単なる理想論であって何の根拠もないことを言っているのであります……従って私は再 軍備には賛成です。“(S43 ) ”軍備は必ずもたねばならない しかしこれはあくまでも自衛隊であって軍隊ではないのであります “(S2 1) 。 。 これらの再生文章は原女章にない全く新しい、 強調化された表現で結景命づけられ、 歪曲がはなはだしくな っ て い る。. 次に、 反対群から歪曲された再生女章をひろつてみよう。 ”軍備をもつならば アメリカの徴兵になる そうすると いっ吾々は戦争にやられるかわからない “(S55) 。 。 、 、 ”日本は MSA 援助によって軍隊を出動しなければならないときがやってくるから援助は受けない方 がよい ’ 。’ ) (S12 ” 日本人は平和を愛さねばなりません ” (S40 ) 。 ” 再軍備などをしても し職が起ったら人類は滅亡するであろう 吾々はこの職をなくする篤に全力を注がなく 。 ) てはならない〆 (S18 “今軍隊をもったとしても原爆や水爆の世の中には少数の軍隊では何にもならない ”(S13) 。 MSA 援助問題、 原、 水爆、 戦争と平和等に関する強調化が多くみられる。 はじめの例では、 被験者達の危機 に際しての立場が強調化されており、 次の例では、 援助は受けない方 がよいと断定的に結論づけられている。 残りの3例では、 平和、 人類の滅亡、 原爆や水爆等ステロ版の探り入れによる創作的強調化がみられる。 原女章に含まれている問題 が重要な性質をおびているところから、次のような追加的表現で結んである再生文 章がみられる。 ”これは今後の日本に非常に大きな問題となるでしょう ”(S40 ) 。 “今日本の面している重要な危機にたいして日本は膜重に考えなければならない ”(S3 1 ) 。 ‘もし再軍備すれ ば戦争に笹 き込まれてしまう恐れがある 故に国民は慣重に考えるべきである “ (S46 ‘ ) 。 。 全般的にみて、 ステロ版の採り入れや強調化が僅かであるのは材料自体がすでにステロ版を多く 採り入れた しかも極端に強調化された文章であったため、 これ以 上のステロ版の採り入れや 張調化の余地がなかったため であろう。 V. 結 I. 論. ing 材料が用いられた。 材料は AI i A1per と Kor f t の実験とも ego‐ nvol v r と Korchin chin の実験、 Ta 、 Pe. の実験では、 男女共学を取扱い、 男性と女性の取り柄について述べられている文章であるが、 全体的にみたら f tの実験では、 黒人の野球投手の事柄と ジョー・ 女性の プライ ドを多少傷つけるような色彩をもっており、 Ta l ワ シ ン ト ンの Har em についての考え方をめ ぐって、 黒人に対する人種的差別がほのめかされている文章であ る。. A1pe t の実験における黒人少年群は材料によって e i l - n の実験における女性群、 Taf r と Kor chi ・ nvo go. vement(自己関興) を引超された。 女性群では防禦の一機能として抑圧が働き、 正確な再生量は男性群より少 i i l なかった。 黒人少年群 では直接再生においては v anc e(警戒) が働き白人少年群より再生量の多かったもの g f l t が、 遅延 鱒再生 (直接再生から3日後の再生) では抑圧によって自己に不都合な項目(un avorab ei em) の再生 3- -9.

(5) . 星野喜 久三 量が著しく低下している。 本実験では再軍備賛成群、 反対群とも情緒的関奥の嘱さは同 じであるから両群に、 i i l e と抑圧が働いたとみられる。 このことが両群の再生量の差を引起さなかった原因であ 等しい程度に、 v anc g i r r と Ko n の実験結果においてそのまふ適用されなかった wish- ろう。 なお、 本実験結果については、 A1 ch pe fu161 1ment t heor y (願望達成説) が十分適用される。 即ち、 被験者は自己に好都合な項目を選択再生し、 自己. に不都 合な項目を選択忘却した。 しかし、 この説の批判、 検討には更に諸燦件を噛みあわせた複雑な実験紙況 のもとで研究がなされなければならない。 おわりに、 本実験に直接御協力して下さった被験者の学生諸君、 放送局の河野、 日野両アナウンサー並に継. 始御指導下さった北海道学塾大学奥野明教授に心から感謝致します。. l l t l 1por t tman lor i (: Ho oーけ ofrun . ycho ,1947 , New Yor , AI , G. UV , L. The ps ,and Pos i i l l l l nat ln soc 2 evantl er a a e i mory for soc chin y re .Psychol . .abnor , .j ・1 . ~[ . A1per ,and Kor ,s , T. G・ 7 4 7 2 5~3 1952 . , , i i l l i l l and memory di tor t 3 l l lorm. e mat er al e and unfavorab t on offavorab s vereca ect .J .ab . Taf , R.Se soc ychol . . Ps . ,1954 ,49 ,23~28. - 94 -.

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