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学力向上に向けた校内研修の充実に関する一考察 : A小学校における校内研修の実態把握と工夫改善に向けた具体的方策

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Academic year: 2021

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(1)Title. 学力向上に向けた校内研修の充実に関する一考察 : A小学校における校 内研修の実態把握と工夫改善に向けた具体的方策. Author(s). 因, 雅仁; 藤川, 聡; 水上, 丈実. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 65(1): 425-435. Issue Date. 2014-08. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/7538. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第 6 5巻 第 1号 J o u r n a lo fHokkaidoU n i v e r s i t yo fE d u c a t i o n( E d u c a t i o n ) Vo . l6 5,No. l. 平成 2 6年 8 月. Augus . t2014. 学力向上に向けた校内研修の充実に関する一考察 A小学校における校内研修の実態把握と工夫改善に向けた具体的方策. 因. 雅仁・藤川. 聡・水上丈実. 北海道教育大学大学院教育学研究科高度教職実践(教職大学院). StudyonImprovemento fS c h o o lT r a i n i n gAimeda tImproving AcademicAchievementS p e c i f i cMeasures Aimeda tD e v i s i n gandImprovingA c t u a lS i t u a t i o no fS c h o o lT r a i n i n gi n“A"Elementa r y S c h o o l. INM a s a h i t o ,FU ] IKAWAS a t o s h iandMIZUKAMITakemi Departmento fAdvancedTeacherP r o f e s s i o n a lDevelopmentProgram,G r a d u a t eS c h o o lo fE d u c a t i o n, HokkaidoU n i v e r s i t yo fE d u c a t i o n. 要旨 本研究の目的は,北海道 A小学校における教職員の校内研修に対する意識調査や研修活動の 観察を通して,校内研修の実態や運営上の課題を把握し,全教職員の協働体制のもと,教職員 一人一人が主体的に取り組むことができる研修活動の在り方について明らかにすることであ. 5名を対象とした校内研修に対する意識調査や公開研究会等の事後研 る 。 A小学校に勤務する 1 究会の観察から,協働意識をもち,学校課題の解決に向けて主体的に研修活動に取り組む教職 員の割合が多いことが明らかとなった。反面,研修活動に取り組む時間の確保や活発な意見交 流を支える研修形態等の基盤作りが主体的な研修活動には必要であることが示唆された。. キーワード:校内研修,協働体制,学校課題の解決,主体的. 1.はじめに. である。教職員一人一人が校内研修に積極的に取 り組むことで,日々の授業改善が図られ,児童生. 教職員にとって教育局や教育研究所主催の教職. 徒の学力向上の礎となる。これまでの調査から校. 員研修に参加する機会は用意されているが,身近. 内研修が効果的に推進されている学校,たとえば. で日常的に取り組むことができる研修は校内研修. 新潟県新潟市立浜浦小学校 ( 2 0 1 0 )1)などでは,. 425.

(3) 因. 雅仁・藤川. 聡・水上丈実. 協働体制の下,全教職員が主体的な態度で研修活. 県彦根市立稲枝中学校において,学校研究への全. 動に取り組んでいること,さらに教職員の主体性. 員参加を促す研究組織の工夫,拡大研究部会なる. を引き出す上で学校独自の取組を進めていること. 組織を考案し,校内研究への全員参加を実現して. 兵浦小学校では,優れた授業 が明らかとなった。 i. いる。教科部会を 3つに分け,全職員がいずれか. 者を校内の研修会に招鴨し,学校として目標とす. の部会に所属し,自らの専門教科の研究を行うこ. る授業を公開してもらい,全員で参観する取組や. とで,教師の研究に対する主体性を引き出してい. 外部指導者を招聴し全ての学級担任の授業技量. る 。. を診断してもらう取組を行っている 2)。同小学校. このように教職員の主体性を引き出し,学校独. 1年間に 1人 1回. 自の取組を通して校内研修の活性化が図られてい. 1回目と 3回目の外部指導者から授. る事例は数多く確認できる。そしてこれらの学校. 業力診断を受ける取組を行っている。また,木原. においては,各学力調査の結果や授業研究の分析. ( 2 0 0 6 )3)は様々な学校における校内研修の実態. 結果から児童生徒の学力向上が図られており,そ. を調査し,実践成功例を以下のように報告してい. の結果からも児童生徒の学力向上において,校内. る。東京都練馬区立八坂中学校では,研究テーマ. 研修が果たす役割は大きいと言えるだろう。. では,授業力向上研修と題し, の公開授業,. の決定に際し,今日性を盛り込むことを意識する. しかし,教職員が校内研修に取り組んだとして. とともに,生徒,保護者,地域関係者(学校評議. も,管理職や研修部主導の「やらされている研修」. 員,近隣小学校長, PTA会長等),教職員にアン. では,教職員一人一人の主体的な態度を引き出す. ケート調査を実施し,生徒の特徴(よさ,伸ばし. ことはできず,効果的な研修活動にはなり得ない。. たいところ)などを研究テーマに加味している。. 全ての教職員が研修に対して意欲をもつことがで. また,同報告によると,教科を 1つに絞らず,各. きる環境整備や体制作り,運営方法の工夫等が効. 教科に共通する研究の柱を設定し,「課題設定→. 果的な校内研修には必要不可欠である。. 課題追究→表現・発信」を基本とする学習過程の. 本研究では,自らの勤務校における校内研修の. 構想,さらに生徒自身の情報活用,同時に表現力. 実態を調査して成果と課題を捉えるとともに,教. の育成を目指して取組を進めている。また,同報. 職員の年齢や教職経験年数,専門教科等に縛られ. 告において広島県竹原市立忠海中学校では小学校. ることなく,全教職員の協働体制の下,児童生徒. と共同で研究し,小学校の元担任が中 1の授業に. の学力向上という目標に向かつて教職員一人一人. 入り, TT指導を行っている。小学校教諭のきめ. が主体的に取り組むことができる校内研修の在り. 細かさ,丁寧さによって中学校の学習にスムーズ. 方について明らかにすることを目的とする。. に移行させる取組や反対に小学校の授業に中学校 の教諭が入り,スピードやスタイルに慣れさせる 取組を行うことで小中連携を図り,指導方法の工. 2 . 研究の概要. 夫・改善や教師の指導力向上の取組を進めてい. A小学校における校内研修を調査・分析し,研. る。また,同報告では大阪府豊能郡豊能町立東と. 修活動の実態把握及び効果的な研修活動構築の足. きわ台小学校においてフロンテイアティーチャー. がかりを探ろうと試みた。具体的には,教職員に. (ミドルリーダー)が中心となって研究実践の活. 対する校内研修に関わる質問調査の実施,指導案. 性化を図っており,他校の研究会,研修セミナー. 検討会及び事後研究会の観察等を行うこととした。. への参加数も多く,教職員の研修に対する意欲の. ( 1 ) 教職員へのアンケー卜調査. 高さがうかがえる。さらに学校の取組を保護者へ. A小学校の教職員に対して校内研修における有. 発信したり,授業参観日では保護者による授業評. 用感や必要感,日々の授業と研修内容との結びつ. 価を実施したりしている。さらに同報告では滋賀. き等,校内研修に対する意識を調査した。具体的. 426.

(4) 学力向上に向けた校内研修の充実に関する一考察 には自作の質問調査紙を用いて,教職員が抱えて. お,回答の不備等の欠損値のあるデータは無く,. いる校内研修に対する意見や要望,課題や悩み等. 有効回答は 15名(有効回答率 100%) であった。. についての実態把握を行うこととした。. ( 2 ) 事後研究会及び指導案検討会の観察. 4 . 結果と考察. 指導案検討会や模擬授業の事後研究会の進め方. ( 1 ) 質問項目から見る教職員の校内研修に対する. について調査,分析を行った。研修活動の様子を 記録し,成果と課題を洗い出すことで研修活動の. 意識. 実態を把握するとともに,協働体制の構築を進め. ここでは本校教職員の校内研修に対する意識を. るための取組を模索することとした。. 分析するために,質問項目①から⑨の結果に着目 することとした。各質問項目及び集計結果を表 1 に示す。質問項目①「学校課題解決に向けて効果. 3 .検証方法. 的に推進されているん質問項目②「分野や内容. A 小学校に勤務する教職員 15名を対象に,「校. 等は全職員の総意で決定されている J,質問⑤「必. 3または 4 ( 以. 内研修に関わる質問調査」を用いて意識調査を実. 要性を感じている」においては,. 施した。質問調査の項目については,教育調査研. 下,肯定的回答)のみの回答となった。 1ないし. 究 所 (2010)4),長崎県教育センター (2012)5),. 2 (以下,否定的回答)が無いことからも,本校. 川村(19 9 8 )6)等 の 先 行 研 究 を 参 考 に し て 作 成 し. 教職員において校内研修は学校課題を解決する上. た。また,昨年度, A小学校の研究部より提案し. で効果的であると感じており,研修の必要性を実. た「校内研修に対する共通理解 3項目 J (以下,. f X : 内 石 i J f l f 多の五者 感していることカ tわかった。また, ;. 共通理解 3項目)の意識調査を行うため,共通理. 決定事項は,全教職員の総意によって決定されて. 解 3項目と質問調査項目の関連付けを図った。な. いるという意識が高く,各々の意見が研修内容に. 表 1 各質問項目及び集計結果 あなたは所属校の校内研修(研究)に関して,どのように考えておられますか。 4. とても当てはまる. 3. やや当てはまる. 1.全然当てはまらない. 2. あまり当てはまらない. 共通理解 3項 目との関連. 質問;項目. 4. 3. ~. ①校内研修(研究)は,学校課題解決に向けて効果的に推進され ている。 ②校内研修(研究)の分野や内容等は全職員の総意で決定されて いる。. 2 13% 7 47% 1 7% 4 27%. 1 3 86% 8 53% 5 33%. B. ~ ~. ③校内研修(研究)を実施する時間は,充分に確保されている。 ④校内研修(研究)の成果は,学校の児童生徒に還元されている。. C. ⑤校内研修(研究)に,必要性を感じている。. A. ⑥公開授業等の成果や課題は,授業改善に生かされている。. A B. C. ⑦公開授業は特別ではなく,日々の授業でも同じことを志識し実 践している。 ⑧指導案検討や公開授業後の事後研究会では活発な意見交流がな されている。 ⑨貴校の職員は,校内研修(研究)に主体的に取り組んでいる。. 9. 60% 5 33% 3 20% 2 13% 2 13%. 9. 60% 6 40% 9. 60% 7 47% 9. 60% 1 1. 74%. 2. 1. 。 。 % 。。 。 。 % 0% 8 1 53% 7% 。 2 。 % 13% 。 。 。 % 0% 。 1 。 % 7% 。 5 。 % 33% 3 1 20% 7% 。 2 。 % 13% 0%. N =1 5, . r 段:回答数下段:割合. 4 2 7.

(5) 因. 雅仁・藤川. 聡・水上丈実. 反映されていると考えている教職員が多いことが. 方に個人差が存在することがわかる。自らの役割. わかった。これらの肯定的結果は,研究内容を提. (研究部,授業者,司会者等)や教職経験年数,. 案する際,学校課題解決に向けた取組であること. これまで体験してきた研究会の雰囲気等によって. を周知している点や,研究部から提案をした後に. 個人の受け取り方の違いが生まれると推測する. 他の教職員から質問や要望を募り,内容の修正や. が,質問紙調査のみでは活発な意見交流がなされ. 改善に反映させている点が有効に作用していると. ているのかどうかについては把握できないため記. 推測する。. 述の分析も併せて実施することとした。その結果. 質問項目③「時間は充分に確保されている」に. 2 )にて記載する。 については次項(. おいては,否定的回答をした教職員が 60%を占め,. 質問項目⑨「主体的に取り組んでいる」におい. 研修時間の不十分さが指摘された。これまでも公. ては,肯定的回答をした教職員は 87%であったが,. 開授業に向けた指導案検討や模擬授業等が勤務時. 否定的回答をした 2名はいずれも教職経験 4年日. 間外まで延びたり,日常授業の教材研究の時間が. であり A小学校では若手の域に入る教職員である. 充分にとれなかったりといった問題点が度々指摘. ことに着目した。経験豊富な教諭の研修に取り組. されており,改善策が必要である。. む姿を見て主体的ではないと考えている可能性も. 質問項目④「成果は児童生徒に還元されている」. ある。しかし,学校全体としての取組に物足りな. において,肯定的回答をした教職員は 87%,質問. さを感じつつ,自らの指導力向上を目指し,活発. 項目⑥「公開授業等の成果や課題は,授業改善に. な意見交流を行ったり,普段の授業から相互の授. 生かされている」においては 93%と,非常に高い. 業を交流したりすること等を望んでいると推測する。. 割合を示している。学校課題解決に向けた取り組. さらに,各質問項目において,直接確率計算を. みや公開授業における成果は,児童に還元されて. 行い,教職員の校内研修に対する肯定的回答と否. いると考えており,研修の有用性を実感している. 定的回答をした数の偏りに有意差があるかどうか. 教職員が多いことがわかった。. を検証した。その検証結果を表 2に示す。. 質問項目⑦「公開授業は特別ではなく,日々の. ここでは,「 3または 4J と回答した数を肯定. 授業でも同じことを意識し実践している」におい. J と回答した数を否定的 的回答群,「 1または 2. ては,否定的回答をした教職員が 33%であった。. 回答群とした。質問項目③,⑦,⑧では,肯定的. 公開授業の成果は認めつつも,研修内容と普段の. 回答と否定的回答をした人数の偏りに有意差は見. 授業との整合性が図られず,イベント的に公開授. られなかった。他項目では肯定的回答をした人数. 業が行われていることもあると考えているのでは. が有意に多いという結果が見られたことを考える. ないかと推測する。「研究のための研究」で、はなく,. と,上記 3項目は本校の校内研修の改善を図る上. 日々の授業で実践することが目的であるという点. で,重要な改善ポイントであると考える。. を再度周知する必要があるが,同時に研修内容が. ( 2 ) 質問項目⑩,⑩における自由記述の結果と分析. 日々の授業で実践できる内容であるのかについ. ここまではアンケートの集計結果をもとに分析. て,再度検討していかなければならないことが明. してきた。さらに質問⑩「校内研修(研究)につ. らかとなった。. いて困っていることがあれば記入してください J,. 質問項目⑧「指導案検討会や公開授業等の事後. 質問⑪「校内研修(研究)に今後期待することや. 研究会では活発な意見交流がなされている」にお. 求めていることがあれば記入してください」とい. いては,否定的回答をした教職員が27%であった。. う自由記述式の回答から,教職員の校内研修に対. .全然当てはまらない」 肯定的回答が多い反面,「 1. する率直な意見や考えをより詳しく調査すること. と回答した教職員もおり,活発な話し合いである. とした。ここでは,質問⑩(表 3)及び質問⑪(表. かどうかについては判定の尺度はなく,受け取り. 4)において記述された回答内容を以下に示す。. 4 2 8.

(6) 学力向上に向けた校内研修の充実に関する一考察. 表 2 各質問項目における白定的意識. ①. 校課題解決への効果的な推進. 1 5. 。. ②. 全職員の総意による決定. 1 5. 0. ③. 十分な時間の確保. 6. 9. ll.S.. ④. 成果の児童生徒への還元. 1 3. 2. ⑤. 校内研修の必要性. 1 5. 0. ⑥. 成果と課題を授業改善に生かす. 1 4. 1. * * * * 牢*. ⑦. 日常授業との関連. 1 0. 5. ll.S.. ⑧. 事後研究会等での活発な意見交流. 1 1. 4. ⑨. 主体的な取り組み. 1 3. 2. 質問項目(省略表記). 宵定群. 否定群. 申牢. * *. I. 、 I ψ命. s*. N =15,直接確率検定(両側), **p<.01 *p<. 0 5. 検定. l l . S .有志差なし. 質問項目⑩の回答で最も多かったのは,研修の. は,普段の授業に生きる研修を目指していること. 時間についての意見であった。質問項目③「時間. からも普段の授業作りの時間を十分に確保するた. は充分に確保されている」において肯定的回答の. めに,管理職等と考えていかなければならない。. 割合が少なかったことに関連するが,勤務時間内. 時間の確保に次いで、多かったのは,一体感の無さ. での研修の充実や他業務との兼ね合い等も含め,. や意思疎通の不十分さについての意見である。自. 限られた時間の中で研修の時間を確保し,充実す. らも指導案検討の日程調整や時間の周知において. る必要があることが指摘されている。また,「学. 連絡調整がうまくいかなかったことや,研究会議. 校全体で取り組むべきことが多すぎて, どこから. を行っても他の会議と重なっていたため,参加者. 子を付ければよいのか」や「求めることが多すぎ. が少なかったこと等を日にしており,研究部と他. て日々の授業に生かせないのは問題である」とい. の教職員との意思疎通について再度見直す必要が. う意見もあり, 限られた時間の中で校内研修を充. ある。 これまでも行ってきた研究通信等の発行や. 実させるためには,内容を今一度精選する必要が. 各分掌掲示板等の有効活用はもちろんだが,教職. あると考える。また,普段の授業づくりに充てる. 員聞の会話を大切にしていくことも解決案の 1つ. 時間の確保についても意見がある。本校において. であると考える。. 表 3 質問項目⑩における回答内容 質問⑩ 「校内研修(研究)について困っていることがあれば記入してください」 [研究部以外の回答] -時間の確保 ・勤務時間内に模擬授業やより多くの授業作りに充てる時間を作れるように業務のスリム化をする必要がある 0 .限られた時間でどう充実させるか。 ・一体感がない ・日程調整があわない。 -求めることが多すぎて,日々の授業に生かせないのは問題である。焦点化した研究,日々の実践に使える研究 ・指導案検討の時聞を知らされていないで,急、に行われることもある。最低でもその日の朝までには周知してほ しい ・白分が普段取り組んでいないことでも質疑応答に参加しなければならず,何を話したらよいか悩んでしまう。 [研究部の回答] -発言する人が限られている。 -日々の授業に生かせる内容に取り組んでいるがみなさん実践しているのか 0 .算数科指導の専門的な部分が弱いところ。 -勤務時間内での実施が難しい。 -学校全体で取り組むべきことが多すぎて, どこから子を付ければよいのか…。 0. 0. 0. 429.

(7) 因. 雅仁・藤川. さらに事後研究会における発言について注目し. 聡・水上丈実. 校内研修をリードするのは研究部であるが,. た。筆者は前項で分析した量的検証においては,. 日々実践するのは全教職員である。研究部と研究. 「活発な意見交流」の受け取り方に個人差が生じ. 部以外の聞に意識のズレが生じないようにするこ. ていることを指摘した。そこで記述式の回答をも. とも考慮しなければならない。. とに分析することとした。研究部は「発言する人. 質問項目⑪では,今後の校内研修に対して期待. が限られている」と回答しているのに対し,研究. することや求めることについて,様々な意見が記. 部以外の参加者は「普段取り組んでいないことで. 述された。日々の取組の重要性や成果を児童へ還. も質疑応答に参加しなければならず何を話したら. 元すること等,. よいか悩んでしまう」と回答している。ここに研. ついて触れている記述があった。この記述からも. 究部と研究部以外の意識のズレが見られる。つま. わかる通り,日々の授業に生きる研修活動を目指. り受け取り方の個人差が垣間見える。研究部は活. すという研究部の意図が他の教職員に充分伝わっ. 発な意昆交流を期待し,全職員の発言を想定して. ていると考えることができる。前述した共通理解. いるが,参加者の中には何を話したらよいかと悩. 3項目にも関連するが,日々の授業と校内研修の. んでいる実態が浮き彫りになった。検討内容が難. 整合性については今後も常に意識し,原点に立ち. しかったり,自分の専門外や取り組んでいない内. 帰りながら取り組んでいく必要がある。その他の. 容であったりすると容易に発言できないことを考. 研究部以外の記述では,通常学級と特別支援学級. 慮し,全員発言を基本ルールとしながらも柔軟に. の研修内容の違いや年齢・経験を問わない研修の. 対応できる検討システムを作ることが必要であ. 在り方についての意見,日常的な授業交流の必要. る 。 A小学校では全体一斉検討が多く,発言する. 性等,今後の校内研修に対する期待は非常に大き. ことに抵抗感をもっ教諭も少なくないことを考え. いことがわかる。限られた時間の中で取り組むが. ると,グループ討議やワークショップ型討議を取. 故に研修内容の精選を考えなければならないが,. り入れることで、発言への抵抗感を低くするととも. 同時に教職員にとって必要感のある研修を提案し. に,グループ内の会話を通して自分が取り組んで. ていくことも求められている。学校課題や児童の. いない内容についても理解を深める場とすること. 実態に即した研修内容を吟味し,計画する力も研. が必要である。. 究部には必要である。. A小学校の校内研修が目指す姿に. 表 4 質問項目⑪における回答内容 質問⑩校内研修(研究)に今後期待することや求めていることが、あれば記入してください [研究部以外の回答] -還流報告や実技研修の時聞が足りない 「授業スタイルをまず決めて実践,次のその授業スタイルに合うように教材教具を考案する」みたいなはっき りとわかりやすい研究が行われると,年齢,経験問わず取り組みやすいかな。 -研究の成果を日常的な児童の活動に反映させていくことができるようにしていくことが大切だと思っています。 ・日常的な授業交流,指導方法などについてのアドバイス ・公開授業(研究大会で)をするとか,研究発表(提言)をするとか,ある程度目標をもった中で,研究推進を する方が効果的。 -今年度も授業改善を行い,児童に還元できる研究になるように期待しています。 -学校は,通常学級だけではなく,特別支援学級もあるので,通常学級,特別支援学級と分けるのではなく,全 員が取り組める研修にしてほしい。 -公開授業だけではなく,日々の取り組みが大切だと思います。 [研究部の回答] -何のために研究をするのかを,どんな人にもわかりやすく伝えられる方法が知りたい。若い人たちに理解して もらい,研究の重要性をわかってほしい。 -十分な研修時聞がほしい。 -基本的なことを学校の教職員でもっと共有していかないと!. 430.

(8) 学力向上に向けた校内研修の充実に関する一考察. 研究部の記述には,研究内容をわかりやすく伝. ( 3 ) 校内研修に対する共通理解 3項目の意識. える方法についての記述がある。研究部の意図を. A小学校では,昨年度に校内研修の推進内容を. 全教職員に適切に伝え,共通理解を図ることが校. 提案する際,以下の 3項目(表 5)について全員. 内研修の第一歩であるが,その難しさを実感して. で共通理解を図り,協働的な研修体制のもと,取. いると推測する。特に経験年数の若い教員が校内. り組んで、いくことを確認している。調査年度 (2011. 研修の重要性を理解し,日々の授業実践に生かし. 年度)において,上記内容について全員で、共通理. ていくことは指導力や授業力の向上において必要. 解を図ったかどうかは不明で,現在どの程度教職. 不可欠である。主に研究部が中心となって若手の. 員に浸透しているかはわからない。そこで質問紙. 教員を指導していくことも校内研修の重要な役目. 調査項目と共通理解 3項目を表 6のように関連付. であることを考えると,内容をわかりやすく適切. けて分析することとした。各項目の関連付けは,. に説明する方法を工夫していかなければならない。. 各項目の内容や概念を考慮し,筆者らにより行っ. さらに研究部から,「基本的なことを学校の全. たものである。. 職員でもっと共有していかないと!J という記述. ' A . 日常の授業で生きる研修」については質. があった。全教職員に共有化を図るのが研究部の. 問項目⑥及び⑦,「 B. 共有される研修」につい. 役目であり,そのために様々な手立てを考え,工. ては質問項目②及び⑧,「 C . 主体的な研修」に. 夫をしながら取り組んで、きているはずで、あるが,. ついては質問項目⑤及び⑨の回答数を合算して,. 記述者は現時点で共有化が図られていないと考. 直接確率計算を行った。その結果を表 7に示す。. え,その不十分さを指摘しているのではないかと. ここでも 13または 4J と回答した数を肯定的回. 推測する。. 答群,「 1または 2 J と回答した数を否定的回答 群とした。 表 5 A小学校における共通理解 3項目. A. 本校の研修内容は,日常の授業で実践できる研修(研究)内容であること B. 本校の研修内容は,誰にでもできる研修(研究)内容であること C. 本校の研修推進に際し,教職員全員で学んで、いこうとする意識をもって取り組むこと. 表 6 共通理解 3項目と質問調査項目の関連 A. 本校の研修内容は,日常の授業で実践できる研修内容であること(以下,日常の授業で生きる研修) →質問項目⑥公開授業等の成果や課題は,授業改善に生かされている。 質問項目⑦公開授業は特別ではなく,日々の授業でも│司じことを意識し実践している。 B. 本校の研修内容は,誰にでもできる研修内容であること(以下,共有される研修) →質問項目②校内研修(研究)の分野や内容等は全職員の総意で決定されている。 質問項目⑧指導案検討や公開授業後の事後研究会では活発な意見交流がなされている。 C. 本校の研修推進に際し,教職員全員で学んでいこうとする意識をもって取り組むこと(以下,主体的な研修) →質問項目⑤校内研修(研究)に,必要性を感じている。 質問項目⑨職員は,校内研修(研究)に主体的に取り組んでいる。 表 7 校内研修に対する意識調査結果 肯定的回答群. 否定的回答群. A. 日常の授業でいきる研修. 24. 6. B. 共有される研修 C. 主体的な研修. 2 6. 4. 28. 2. N =30,直接確率検定(J山j 側 ) ,. * * p <.01 * p <.05. 検定. * * * * * * ll.S. 有意差なし. 4 3 1.

(9) 因. 雅仁・藤川. 聡・水上丈実. 3項目全てにおいて,肯定的な回答をした人数. 言者が限られている」との記述通りであると言え. が有意に多いという結果が昆られた。上記の結果. る。筆者らにとっては A小学校において初めて参. から今年度の校内研修の推進に際し,教職員が共. 加した事後研究会であり,普段の様子がわからな. 通理解 3項目を意識しながら研修に取り組んで、い. いため,事後研究会後に数名の教員に聞き取り調. ると推測する。. 査を行った。その結果,普段の事後研究会はもち ろん,指導案検討等の研究会議の様子も同様であ. 5 . 事後研究会等の観察 自主公開研究会に向けた模擬授業を実施した 後,事後研究会を行った。模擬授業へは授業者や. り,発言者は固定されているとのことであった。 また,普段から管理職や教務主任等,グループ 2 に属する教員が,最初に発言することが多いとの ことであった。. 5名が参加,事後研究会には 1 4名 管理職を含めた 1. 発言回数の偏りが明らかになったことを受け,. が参加して,公開授業の改善に向けた意見交流が. さらに発言の内容についての検証を試みた。上記. なされた。事後研究会の実際の様子を表 8に示す。. の発言回数にてグループ 2に属する管理職等の発. 5年生の担任(教職経験 4年目). 言回数が多いことは明らかとなったが,発言の内. によって行われた。今回の模擬授業は自主公開研. 容が事後研究会の進行にどのような影響を与えて. 究会に向けた算数科の授業であり,全員で授業の. いるのかについて考察することとした。. 模擬授業は,. 在り方について検討し,最終的な指導案の作成に. 事後研究会の検討内容の中心は,本時の目標,. つなげることが目的であった。模擬授業以前に指. 活動内容に関わる内容であった。授業者は本時の. 導案検討は 2度(ブロック検討会,全体検討会各. 中で台形の面積を求める方法をたくさん引き出. 1回)行われており,おおまかな授業のねらいや. し,最終的には面積を求め方の公式化を図ること. 流れは共有化された後の授業であった。. を目標としていた。しかし模擬授業を行った結. 検討の主な内容は自力解決後,児童の考えをい. 果,児童によって様々な面積の求め方が考え出さ. くつ取り上げて,公式化を図るべきかであり, 30. れることが想定され,全ての求め方を取り上げる. 分程度の事後研究会であった。教職員一人一人の. ことができず,公式化を図るための十分な時間を. 主体的な研修活動を目指す上で,まず筆者が注目. 確保するのが難しいということが明らかとなっ. したのは発言者及び発言回数である。主な発言者. た。その状況を受け,事後研究会の冒頭にて,教. 及び発言回数を表 9に示す。. 頭が「授業の流れはどうだ、ったか。公式は後ほど. 表 9から事後研究会の中で,発言者及び発言回. とし,たくさんの考えを出すことがよい」という. 数に偏りがあるのがわかる。前節の質問調査結果. 発言をしている。続いて教務主任の B教諭は「児. においても,一部の教職員からは活発な意見交流. 童の考えを抽出し,公式化に必要な考え方のみを. がなされていないとの指摘があったが,その指摘. 導き出す方がよい。」と発言し,さらに校長が「い. 通りの状況である。特にグループ 2に属する校長. ろいろと考えを出させる。公式は次の時間でよい. や教頭等の管理職や教務主任等,学校運営の中心. のではないか。」と発言している。授業者としては,. となっている立場からの発言ばかりであり,研究. 発言④にもあるように,「目標の中に公式を導き. 会の前半はほぼ授業者との対話になっている。会. 出すという文言を入れたい」という明確な意図を. の後半になると徐々にグループ 3に属する一般教. もっているにもかかわらず,管理職等の発言に. T. T として本授業に関. よって,「本時はとにかくたくさんの考えを出さ. わる教員からの発言が多く,他の教員からの発言. せて,公式化は次時」という大まかな学習展開へ. はほとんどないまま終了となった。会に参加しな. の変更を余儀なくされている。その後,授業者は. がらも全く発言をしない教員もおり,研究部の「発. 「目標は?公式を考えよう?台形の面積の求め方. 諭が発言していたが,. 432.

(10) 学力向上に向けた校内研修の充実に関する一考察. 表 8 模擬授業後の事後研究会の様子 「事後研究会の実際」. J教 諭 研 究 部. 司会. ①教頭「授業の流れはどうだったか。公式は後ほどとし,たくさんの考えを出すことがよい。」. ② B教諭(教務主任) i児童の考えを抽出し,公式化に必要な考え方のみを導き向す方がよいので、は。」 ③校長「いろいろと考えを出させる。公式は次の時間でよいのではないか。」 ④授業者「目標の中に公式を導き出すという文言を入れたい」. ⑤ B教諭「考えをたくさん出させ,次時で公式化を図る」 ⑥授業者「今 Hは児童の考えをさばききれなかった」 ⑦教頭「説明することで自分の考えを確かなものにする。説明する活動は研究との関わりで入れるか入れないか。 交流を中心とするならば説明は入れなくてもよいのでは。式だけでもよいのでは。発表だけにして,公式化を 図る必要はない。」. ⑧ B教諭「式に言葉を付け加えて説明する。式の意味を説明する。」 ⑨教頭「式を書いた子はわかっているはず。説明もできる。」 ⑩司会者「課題の立て方,まとめが書きづらい。」 ⑪授業者「全体指導案検討会では台形の面積の求めかたを考えようだ、った」 ⑫ 1年生 D教諭「教科書は上底と下底という言葉を使っている。それらの言葉を使った方がよい。」 ⑬授業者「習った言葉を使って公式を考えてごらんと問いかけた方がよいだろうか。」 ⑪ B教諭「にえきらない子をすくうためには,本時で扱わない考えは次回扱う」 ⑮授業者「自力解決の最初に見通しをもたせるために公式を入れたほうがよいと思う。」. J ⑬校長「台形の面積?変形した形から公式化を目指すのか ? ⑫授業者「変形にこだわらないようにしようと思っている」 ⑩ B教諭「変形した図形から公式化を児童はすぐできるのではないか」 ⑬授業者「目標は?公式を考えよう?台形の面積の求め方を考えよう?J ⑩ 4年生 E教諭 i (つぶやき ) J ⑪教頭「次の時間はひし形の面積だよね?J ⑫授業者「公式でー哀したり,. ・・・」. ⑮ B教諭「次の時間の 1 0分くらいで,今回扱わなかった違う児童の考えを,' Hす」 ⑪校長「本時の中で公式まで出すのであれば,他の考え方は次の時間の最初で確認すればよい。」 ⑮教頭「今まで習ったことを使えば三角形を 2つにするでもいいのか。うまく説明できないけれど」 ⑮授業者「三角形,平行四辺形の面積を求めるときには. 3つの考え方が向ている。本時の考えにも表れている。. ノートに倍積変形が残ればいい。違う考えは後ほど。内容が多すぎる。」 ⑮司会者「着地点がみえてきたが・・・,大体,検討はいいかな?J ⑮授業者「内容は見えてきました。言葉遣いは本番では違いますので…。」 ⑩校長「最終的に黒板に残すのはどの考え方?J ⑩授業者「とョっちがいいですか?J ⑪司会者「ここにあるのは全て残していい」. ⑧ TTの C教諭. i5年生の様子もわからないし今はどの考え方がでるのかはわからない。. 1, Z時間目に三角. 形や四角形の学習で、求め方がわかるはずだから。授業を通して子供たちのなかでもステップアップするはずだ から。」 ⑮ F教諭「内容が変わるけど最初示した同形の中でも,上底と下底の長さを確認したほうがよい。」 ⑩司会者「最後にノートのことだけど,切り貼りするためにはノートは見やすかった。」. 4 3 3.

(11) 因. 雅仁・藤川. 聡・水上丈実. 表 9 模擬授業の事後研究会の発言者及び発言回数. グループ 1 (研究主体側) グループ 2 (管理運営側). グループ 3 (一般参加側). 司会者(男性,研究部長) ② 授業者(男性,教職経験年数 4年日) ③ 教頭 ④校長 ⑤ B教諭(男性,教務主任,地域連携指巡回導教員) ⑥ C教諭(男性, T ・T,教職経験年数 1 6年) ⑦ D教諭(女性,教職経験年数3 0年以上) ⑧ E教諭(女性,教職経験年数 4年目) ⑨ F教諭(男性, T. T,教職経験年数3 0年以上) 1年) ⑩ G教諭(男性,教職経験年数 1 ⑪ H教諭(女性,教職経験年数 1 1年) 0年以上) ⑫ I教諭(男性,教職経験年数2 ⑬ J教諭(女性,教職経験年数 1年) ⑭ K教諭(女性,養護教諭) ①. ※1 0/10. 4回. 1 2回. 1 6回. 5回 4回. 1 5回. 6回 1回 1回 1回 1回 0回. 4回. 0回 0回 0回 0回. 5年生算数模擬授業「三角形と同角形の両積」の事後研究会より. を考えよう?J と発言しており,自分が意図した. して次年度以降の研修活動に取り入れていく必要. 授業の展開とは異なることに対して戸惑いを見せ. がある。. ていた。さらに B教諭は「次の時間の 10分くらい で,今回扱わなかった違う児童の考えを出す」と 発言し,校長は「本時の中で公式まで出さなけれ. 6 . 本研究の成果と課題,改善策. ばならないのであれば,他の考え方は次の時間の. 本研究では,教職員に対する質問紙調査及び研. 最初で確認すればよい」と発言をし,授業の大筋. 修活動の観察を行った。 以下に,本研究の成果と. が決定されることとなった。模擬授業の様子から. 課題を述べる。. 授業改善を図ることは重要な目的であり,授業に. 1) A小学校の校内研修は,学校課題解決に向け. 対する感想、や改善に関する意見を発する必要があ. て効果的であり,必要感をもって主体的に取り. る。その際,校内研究の内容を基盤とし,授業者. 組んでいたり,主題や内容は全教職員の総意に. の意図,教職員の総意によって検討を進めるべき. よって決定されていたりすると考える教職員の. である。しかし,今回の事後検討会においては,. 割合が多い。しかし,もっと学びたい,指導を. 管理職等の一部の意見によって授業改善が図られ. 受けたいと考えている若手もおり,全教職員が. ていた。授業者の意図する授業計画からは大きく. 研修内容に満足している訳ではない。それらを. 変更され,教職員の総意で授業改善が図られたと. 改善するためには,教職員が求める研修の内容. は言い難い。問題点として,管理職等が率先して. を調査し,ニーズにあった研修内容を提案,実. 発言する状況や他の教諭が発言しようとしない雰. 施することが必要である。また,日常的な授業. 囲気が蔓延していることだと考える。. 交流を行ったり,お互いの授業について気軽に. このような状況を改善するためには,事後研究. 語ることができる環境作りを進めたりすること. 会や指導案検討会の運営方法を工夫する必要があ. で,教職員の研修に対する満足感を生み,より. ' 1 舌発な意見交流」においても触れた. 主体的な研修活動につなげることができると考. る。前節の. が,本校では全体一斉検討がほとんどで,グルー. える。. プ討議やワークショップ型研修は取り入れていな. 2) A小学校の研究部が提案している「共通理解. い。それが原因で活発な意見交流が成されていな. 3項目」を意識しながら,研修活動に取り組む. いと考えるのは早計ではあるが,改善策の 1っと. 教職員の割合が多い。今後も研究部が中心と. 4 3 4.

(12) 学力向上に向けた校内研修の充実に関する一考察. なって,研修活動における共通理解を図り,全. 引用文献. 教職員の協働体制を確立することで,本校の研 究・研修をより深めることができると考える。. 3) A小学校の校内研修の成果は児童に還元され たり,授業改善に生かされたりするなど,研修 活動に対して有用感を感じている教職員の割合 が多い。しかし,公開授業と日々の授業の整合 性については改善の余地がある。研修の重点項 目や内容が多いことも指摘されているので,日 常の授業で実践できる研修内容を設定するこ と,さらにあれもこれも実践内容を提案するの. 1)新潟市立浜浦小学校, 2 0 1 0,算数研究で授業が学校 が変わる, 2 6 3 8,東洋館出版社. 2)前掲 1 , ) 26-38 0 0 6,教師が磨き合う「学校耐究 J,201-208, 3)木原俊行, 2 2 3 9 2 5 1,2 5 2 2 7 6,ぎょうせい 4)教育調査研究所, 2 0 1 0,耐究紀要 9 0号,校内研究の 2 2 5,教育調査研究所 実態と充実のための方策, 1 5)長崎県教育センター, 2 0 1 2,校内研修(研究)に関 する質問調査紙. 6)川村茂雄, 1 9 9 8,校内研究の分析,岩手大学教育学 部研究年報,第 5 8巻第 1号 , 7 1 8 0. ではなく,ポイントを絞って実践研究を進めて いくことで,日常の授業実践に生かすことがで. 参考文献. き,より身近な研修活動になり得ると考える 0. 4) A小学校の事後研究会等での活発な意見交流 については,教職員による感じ方の違いが明ら かとなった。経験年数や立場,役割等の違いを. 広島大学付属束雲小学校, 2 0 1 2,小学校教育に求められ る基礎・基本を問う,東洋館出版社 福岡県教育研究所連県, 1 9 8 0,校内研究のすすめ,第一 法規出版. 考慮しつつ,各検討会の運営方法を工夫・改善 する必要がある。グループ討議やワークショッ. ( 因. プ型研修の導入によって全員が発言しやすい検 討の場を設定することで,活発な意見交流が行 われ,研修内容をより深めることができると考. 雅仁旭川校院生 苫前町立苫前小学校). (藤川. 聡旭川校准教授). (水上丈実旭川校教授). える。. 5) A小学校においては研修の時間を充分に確保 できていない。上記にてポイントを絞って実践 研究を進めることについて触れたが,日々の授 業作りのために充分な時間を確保することも必 要である。そのために管理職等との協議を行い 日課表の改善を図ること,授業研究の際に作成 する学習指導案の簡略化を図ること,研修に関 わる日程や期日等の連絡調整を綿密に図ること が必要である。限られた時間の中で取り組む研 修活動だが,管理職や研究部が中心となって, 少しでも研修の時間を確保することが,教職員 の主体的な研修活動を支える基盤になると考え る 。. 435.

(13)

表 9 模擬授業の事後研究会の発言者及び発言回数 グループ 1 ①  司会者(男性,研究部長) 4 回 (研究主体側) ②  授業者(男性,教職経験年数 4 年日) 1 2 回 1 6 回 グループ 2 ③  教頭 5 回 ④ 校 長 4 回 1 5 回 (管理運営側) ⑤  B 教諭(男性,教務主任,地域連携指巡回導教員) 6 回 ⑥  C 教諭(男性, T ・ T ,教職経験年数 1 6 年) 1 回 ⑦  D 教諭(女性,教職経験年数 3 0 年以上) 1 回 ⑧  E 教諭(女性,教職経験年数 4

参照

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(注)

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