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社会変容と電子化講義の試み: 沖縄地域学リポジトリ

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(1)

Title

社会変容と電子化講義の試み

Author(s)

宮城, 昌保

Citation

沖縄大学マルチメディア教育研究センター紀要 = The

Bulletin of Multimedia Education and Research Center,

University of Okinawa(3): 53-61

Issue Date

2003-03-31

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/6372

(2)

社会 変容 と電子化講義 の試 み

宮城 昌保

沖縄大学マルチメディア教育研究センター 研究員

社会 は大 き く変容 している。 しか し、学校 は進行 中の社会変容の中で適応 しているであろうか。 この レポー ト は、変化す る社 会の適応へ の ヒン トを掴 むため、学校現場での電子化講義導入 を試 みた事例である。 社会の変容 の大 きな問題は人口変動 であ り、出生率の低下 による若年層 の減少である。若年層の減少 は社会構 造の根幹 に変化 を及ぼす。 これ まで若年層 を中心 に意図 された教育は変化 しなければならない し、中高年層 の学 生が増 える事 も予想 される。学校 に頻繁 に適 えない学生 の為の クラスの在 り方 も問われるようになるであろ う。 その解決の ヒン トとして、情報技術 の クラス活用 を試みた。 この レポー トはその報告 である

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(3)

-1変容

1.1社会変容 講義を進めていく上で、社会がどのように変化し、変容する社会への望ましい適応を考え、教員としての指針 を作る事は、必然である。なぜなら、教員は、受講生が社会で役立つ人材になるための情報を与える義務を負う からである。現在の社会の変化において最も大きな問題は、人口変動であろう。人口問題は、日本の社会を根幹 から変える程の影響を及ぼすと思われる。日本では、出生率が1.31人に下がっている。ドイツも同様であると いう。現在の人口を維持をする為には、出生率は2.1人若しくは2.2人必要である。大きな変化が進行中である。 高齢人口の急増に加え、若年人口の激減という、社会構造の大きな変化が進行中である。若年人口の激減は、ま

だ、人類が経験した事の無い「人口革命」であると経済学者PRドラッカーは述ぺている。(1)社会が維持さ

れる為には、不足する部分は補わなければならない。若年人口の激減による社会構成員の補充は、2通りしかな い。前者は、日本人によるものである。増加する高齢人口の社会参加であり、女`性のさらなる社会参加である。 後者は、外国人によるものである。労働力確保のための外国人招致や移民の受け入れである。 若年人口の激減は、社会の根幹に変化を及ぼすであろう。家族の構成や地域の絆も変わるであろう。市場経済 の点から述べれば、若者をマーケットとしたビジネスがこれまでのようには立ち行かなくなる事を意味する。ま た、社会制度を例にとれば、出生率2.1人を前提で作られた医療制度を含め、社会制度は現状維持が不可能にな る事を意味し、社会制度は根底から変わる事になる。一例として年金制度を考えて見る。年金制度の給付金を受 け取る高齢層が増え、その支払いを支える若年層が激減すれば、需要と供給のバランスが著しく崩れ、現状維持 できる訳がない事は自明の理である。医療制度等も同様であろう。

1.2教育機関の変容

若年人口の激減は、大学等の高等教育においては次の事を示唆する。まず、若年受講生の数が減る事。これに より、高校卒業生等10代や20代主流の受講生を前提とした現在のシステム改変の必要性が浮上する。若年人 口の激減に加えて、高齢人口の増加は、高齢人口のマーケットが拡大する事をも意味する。大学では、存続の為 に、高齢者の受講を積極的に促す必要が出てくる。それにより、受講生の半数以上が社会人や高齢者になるケー スも出てくるであろう。加えて、外国人受講生の増加が考えられる。生涯教育、専門教育、これに国際化した教 育が必要になると思われる。生涯教育、専門教育、国際教育に対応する教育組織となるかは、高等教育機関にお いても組織体生存の要件になると予想される。 高等教育機関における受講生が、若者と高齢者の割合が同等になり、さらに外国人学生が多数受講するような ケースでは、どのような講義が望ましいのであろうか。この変化を視野に入れた講義を構築する必要があるので はないだろうか。講義も若年層、高齢層、外国人とクラス分けをすればよいというものではなくなるであろう。 一つのクラスに、若者と高齢者、外国人の方々が混在すると仮定しよう。異なった背景や価値観を持つ受講生が いる場合、受講生に画一的講義手法が通用するとは思えない。効果的な講義の運営方法の一つは、受講生の要望 を聞きながら講義を構築していくやり方ではないだうか。これまで、一人一人の受講生の意見を聞いていく方法 は、かなりの労力と経費が必要であり、事実上不可能であった。私の場合、週1回の大人数クラスなどでは、年 に-回しか出さない年賀状を受講生全員に送ることすら、考えた事は無かった。(担当する学生数が年間700人 を超える事もある。)しかし、年賀状を送る事も、いまは可能である。それは、電子メールのおかげである。学 生が気軽に要望を教員に出し、一人一人の意見を聞く事が可能になった。私の場合は、電子メール(e-mail)を 講義に積極的に活用し、学生との交信を試みた。そこで、以下、インターネット上の閲覧ソフトを利用したメー ルサービスの活用法を例示し、探って見た。 -54-

(4)

2講義におけるインターネットの活用

2.1クラスでのメール活用 2.1.1ブラウザー(インターネット閲覧ソフト)を利用したメールサービス 大学では、学生は大学発行のメールアドレスを持つ事ができる。沖縄大学の学生はs99…@okinawaPUac、jp等 のアドレスである。しかし、私の担当するクラスでは、大学発行のメールアドレスではなく、できるだけウェブ ベースでのメールサービスを利用する様、受講生には、指示をしている。その理由は、インターネットにつながっ ている環境であれば、どこからでもアクセスできるからである。仮に出張で日本全国どこにいってもその先々か ら受講生もクラスで何がテーマになっているか、検索をし、ある程度の課題をした上で、クラスのメールアドレ スに送信する事ができる。教員も同様に、受講生への返事を出張先からでも送信することができる。 このウェブベースのメールサービス活用の利点には、受講生が大学を離れた後も、相互に連絡を取り合う事が できる。友人としての長期関係維持もできるようになる。私にメールをくれるかつて受講生だった方には、卒業 生もいれば中退者もいる。結婚式の招待から同窓会の誘いにいたるまで、様々な連絡が来る。大学発行のメール アドレスは、学籍を失うと失効するが、ブラウザー利用のメールアドレスは、その企業のサービスがある限り、 存続する。ブラウザー利用のメールを一例でも使用できるようになれば、他企業運営の多くのメールサービスも 利用可能になる利点がある。大体の無料メールサービスは似ているからである。 2.1.2ホットメール クラスで主に利用しているのは、マイクロソフト社のホットメールである。ホットメールはインド人技術者サ ビール・バテイア氏が開発した誰でも無料で使える電子メールである。バテイア氏が20代の若さでマイクロソフ ト社にこのシステムを売却し、500億円の資産を得た事は、知的労働の価値の高さを示す例として有名である。 ホットメールは、世界最大のウェブベースの無料メールサービスである。但し、2年前まではホットメールは 全て無料であったが、現在は、2mbから10mbへと記憶容量を増やし、有効期限の心配をしない年間2,400円払 う、有料サービスもあるので、講義で使用する際には、完全に無料メールサービスを利用していくのか留意しな ければならない。以前は、無料で使用できる記憶容量は5mbであったが、現在は2mbである。送信済みメール も30日経つと、削除される。こういったサービス制限は、ホットメールのユーザーの増加によるものであろう。 こういった制限は無い方が良いに決まっている。しかし、物は考えようでもある。30日に一度、メールを開か なければ、メールアドレスが消えてしまう事は、受講生に頻繁なるメールチェックの必要性を教えてくれる。送 信済みのメール制限もバックアップを取る必要を教えてくれる。受講生は、メールアドレスを有効にする為に、 手間をかける事の大切ざを学ぶ機会にもなる。メールアドレスが無効になれば、その無効なアドレスへの送信は できない。教員にとっては、受講生に送信できなくなる事で、受講生がメールサービスを積極的に利用している かも知る事ができる。 ホットメールの無料サービスの場合は、送受信は添付ファイルを含め1mb、全体の記憶容量は2mbである。 この事は、受講生よりも、教員の方が気をつけねばならない。つまり、たくさんの学生から、大量の記憶容量の メールを受信した場合、一定期間で容量を簡単に越えるおそれがある。容量をオーバーしそうになると、管理者 から警告が来る。それでも使い続ければ、古いメールから削除きれてしまう。容量内で使い続ける方法が必要に なる。自分のフロッピー、或いはCD(CDR、CDRW)やハードディスクにデータを保存して置かねばならな い。ハードディスクへの保存はお勧めしない。ウイルス被害があった場合、データが消えるおそれがあるからで あり、データ保存が大量になり、パソコンの記憶容量が少なくなると、パソコンのパフォーマンスが下がるから である。以前は、フロッピーを使っていたが、現在はCDRWである。値段が格段に安くなり、保存する記憶容量 がフロッピーに比べて大容量である。現在、普及している3.5インチフロッピーは、少々乱雑に扱っても大丈夫 な点が有用であるが、CDRWの場合、700mbの容量があり、3.5インチフロッピーのl4mbに比べて、五百倍 の記憶容量がある。価格差はほとんど無い。680mb仕様のフロッピーは価格が高すぎて、選択できない。CDR ではなく、CDRWを使うのは、何度も書き足せるからである。 -55-

(5)

2.1.3ウエブベースでのメールサービス利用の落とし穴

ブラウザーを利用したメールサービスを活用する際には、覚'悟しておかなければならない事がある。それは、

他人に情報を読まれるかも知れないという点である。つまり、どんな場合でも、秘密厳守事項は書けないという

ことである。この事は、受講生にも徹底させる必要がある。受講生のプライバシーを守る為にもウェブベースで

のメールサービスを利用する際、最も気をつけねばならない事である。

一度メールアドレスを作成すると、どこからともなく勧誘、商品紹介、果てはシステムを害する悪意のメール

まで届くようになる。こういったジヤンクメール(屑メール)を開かない様に、受講生には注意を喚起する必要

がある。ざもなくぱウイルス被害は予想もつかなくなる。知らない者からのメールは、開かない事がセキュリティ

(安全)を維持する最低手段である。特に、添付ファイルは気をつけねばならない。私の場合は、受講生からも

添付ファイルでの提出は認めていない。過去に何度か、受講生からの添付ファイルでウイルスに感染した経緯が

あるからである。

ホットメールの場合は、ジヤンクメールは2度と受信しない様に、受信拒否を行った方が良い。受信トレイの

画面上で「差出人」横マスの中をクリックし、「差出人」の上の「受信拒否」のボタンを押すだけで済む。時と

して、受講生より私からのメールが配信されない旨の苦情が寄せられる事もある。ほとんどの場合は、受講生自

身が私からのメールを受信拒否していたケースである。対応策は、受講生の受信拒否リストから、私のメールア

ドレスを外すだけで解決する。

秘密厳守事項は書けない、ジャンクメールは沢山来るといったデメリットがあるにも関わらず、ブラウザー利

用のメールサービスを利用するメリットは、便利だからである。自前のパソコンを携帯せずともネット環境があ

れば、どこでもアクセスできるメリットは大きい。とりわけ、メール初心者の大多数の受講生にとっては、便利

さを実感する事ができるはずである。

時には、マイクロソフト社のサーバーが原因で、ある受講生のメールだけがアクセスできなくなる場合も発生

する。こういった事態を防ぐ為にメールアドレスは、ヤフーなどでも作っておき、一人で複数のメールアドレス

を持つ方が望ましい。多くのプロバイダーがウェブベースでのメールサービスを行っている。外国でもメールを

使いたいのであれば、日本語のメールアドレスだけではなく、英語サイトでもメールアドレスを作っておくべき

である。そうすれば、どこの国でも、日本語ソフトの心配をせずに、インターネット環境さえあれば、ローマ字

か英語でメールが使える。

パソコンを使用するに当たり、受講生には、必ず「電磁波」のサイトを検索し、政府機関の説明と、民間の団

体の説明を比較して読んでもらっている。自分の体を守るのは、自分である。仮に虫歯にかかったとしよう。虫

歯は、気の持ち方を変えたり、知らないからといって、直るものではない。電磁波も同様であろう。予防が大切

である。 2.2クラスでのネット利用 2.2.1テキストのネットショッピング

新学期最初の講義は、もっぱらビデオを見てもらう。パソコンやIT機器を使いこなす必要,性について説明す

る為である。まだ、多くの学生がパソコンでメールもしなければ、ネットショッピング(買い物)もした事がな

い。シンガポール、韓国、中国、マレーシア、インドなどのネット事情の紹介をすると、受講生たちのほとんど

が一応にショックを受けるようである。

「日本の経済大国でとても進んでいる国だと思っていましたが、フィンランドが、こんなにも、Ⅱ革命に力を入れていると

は、考えてもいませんでした。現金の要らない自動販売機、レストランのメニューなどすごいです。役所へ行かずに用事が

済ませられて、便利でうらやましいです。印象に残ったのは、在宅執務を大臣自らが、行っている点です。どんなに忙しくて

も、家族と過ごせるし、家族も、本人も、'忙しく働くのが、ストレスにならないと思います。小さい子も、コンピューターに

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(6)

弱い年代の人も、今からの日本も、どんどんITに取り組んでいかないとダメです。 沖縄も、フインランドのように、地理的、資源的に乏しいので、一人一人の向上と、ITに頑張って速急に取り組む必要が あると考えます。 P.S私ももっと頑張らないと世の中においていかれると思いました。」(2)

担当する「人類文化の比較」の受講者は、1クラス約120名、ネットショッピングの経験者は1割以下、パソ

コンでのメールサービス利用者は2割以下であった。沖縄国際大学や沖縄大学でも受講生の事情は変わらない。

沖縄大学の英語のクラスでは、テキストは受講生に選んでもらっている。ネットで英語の本の紹介を読んだ後、

受講生が一人ずつ2冊候補を選ぶ、その中から1番多い票数を獲得したテキストを採用する。テキストか決まる

と、ネットで各自が注文する。早ければ3日で、遅くとも10日以内には、全員テキストを持参するようになる。

あるクラスは、映画のシナリオを選んだし、別のクラスでは、英会話でよく使われる表現集を選んだ。もし、テ

キストが学校側より指定されているのであれば、サブテキストを選んでは、如何であろうか。

テキストを選べるクラスでは、テキストを使用するかどうかも受講生と話し合っている。教員の方針と希望を

伝え、その上で受講生の意見を聞けば、クラス運営上、受講生、教員の双方が学び合えるように思えるからであ

る。テキストも1ページから始めるのではなく、学生と話し合いながら、章ごとに分け、順番を決めて進めてい

る。沖縄大学2部の2校時の講義は、テキストは最後の章から使い始めている。2部の1校時のクラスでは、順

番が色々である。以下は、受講生の感想である。 「初めて英語の教科書を使って勉強しました。難しかったが、頑張らればと思いました。みんなで、教科書の順番を決めた ので、気持ちよかったです。」(3) 人類学のクラスでは、学生の要望により、テキストは使用していない。多人数のクラスでは、パソコン室に入

りきれないので、2回に分けクラスの半分はビデオを見、残り半分をホットメールを作成してもらう。

「やっとのことでメールアドレスを取得できましたので早速送信しました。メールを送るのは初めてですが、案外簡単に出 来るものだと実感しました。これからの1年間よろしくおねがいします。」(4) 講義も学生の要望を入れながら、その日準備した3から5つのテーマの中から選んでもらい、講義をしている。

勿論、テーマの決定は、多数決で決めるとは限らない。以下はその方針を説明した時の受講生の感想である.

「以前に-度だけ講義を受けさせて頂いて(確か、生物兵器についてのビデオを見たと思う)興味が湧き、今年受講しよう と決めたのだが、開口-番「その時その時で決めるから」とは、ぶったまげた(いい意味で)。生徒の意見も聞いて講義を進 めていくらしいので、どんどん言っていきたいと思う。」(5) 2.2.2外国語クラス

沖縄大学で担当している、週2回の英語のクラスの場合、週1回はパソコンを利用し、残りの1回は視聴覚室

を利用し、テキストを使いながら講義をしている。週1回だけの外国語クラスの場合は、気をつける必要がある

と思われる。どのようにネット講義を活用するかは、よく学生と話し合うべきである。隔週毎が良いのか、月に

1回話しを中心にした講義が良いのか、週1回という講義は少ないので、ネットに徹底的に慣れてもらうために、 毎時間ネットを利用した方が良いのかである。

「IT自体に魅力があり、ITを使う事がとにかく重要である。急いで受講生にITに慣れてもらう事が大切だ。

IT自体にもそれなりの価値があるからだ。」と錯覚を起こしていた事がある。愚かな話である。2年前に、週1 回の英語クラスの昼間部と夜間部の2クラスで講義を行った。昼間のクラスは、翻訳ソフトの使い方を教え、毎 時間ネットを利用した。評判は、最悪であった。翌年、その講義は消えた。夜のクラスも同様にしたが、評判は

まずまずであった。違いは1点だけである。夜間の講義では、常に学生一人一人に声をかけ、互いによく笑った。

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(7)

この経験から、明確に学んだ事がある。それは、IT自体には、価値が無いという事、ITを利用する者が価値を 作り出していかなければならない事。ITを利用した講義では、受講生への気配りがより重要である事だ。講義で は、受講生が何がしかの絆を教員との間に感じられるならば、その講義は、受講生にとって、有益に成り易いと いう事である。「絆」は教育の根幹なのではないだろうか。現代風に言えば、デジタルな手法はアナログによっ て支えられるという事であろうか。ネット利用の講義での教え方を模索しておられる方がおられれば、是非学生

からの意見をこまめに聞いてみては如何であろうか。私の愚かな失敗をされない様願う。そして、受講生からの

疑問へ、返答をする事を忘れない事が肝要ではなかろうか。 以下は、ビデオを見せ、説明をし、ネットで実際に検索してもらった学生の意見である。どんなに力を入れて 説明しても、学生が実際に体験せねば、理解してもらえない事が推察される。 「世界は急速に動いている。先生のこの言葉に私は、実感性があまりというか全然ありませんでした。ビデオを見ても、私 には遠い世界のように思えて、興味も無いと言っていいぐらいでした。でも、ネットで検索してみると、インドでのコール センターの有り様は当たり前の時代で、日本は様々な観点からその流れに遅れているというのが定説ではありませんか。と ても驚いたというより、なんか自分だけ取り残されたようで恥ずかしい気持ちになってしました。 今回、たぶんビデオを見ただけであったら、そうか世界はこうなんだ。という意味の無い納得で終わっていたと思います。たぶ ん自己満という枠柄で。でも、もっと現在の世界を現実を知らなければとかいうより、知りたい、と感じました。これから、本屋に でも行き、サラリーマンサバイバルシリーズを買って読んでみます。ちょっとまだインターネットで本を買う自信はつきません から…。ホントに今日は、IT革命の事といい、また英語の事といいく-百mフ福F5-7EZ-観愚ラ示霊75〒き~7[7E-I~百二言~[~7E:~毒 は、失礼いたします。」(6)

この受講生の返事の下線部を読んで、1週間後に、彼女のクラスではインターネットでテキストを買った。説

明をし、やり方の模範を示し、当人にさせて見る、その後褒める、という事が教育では大切だと言われる通りで ある。 2.2.3出題例と検索サイト 課題の例は以下である。英語4クラスへの課題送信内容である。 「今日の課題は2種です。第一、ESLCENTERのサイトを開き、クイズを3題します。 (http://wwwPacificnet、net/sperling/quiz/) geographyquizl,2及びgrammarquiz-countableanduncountable lの3問のクイズを始めてください。 第二、以下の2つの物語を簡潔に3行以内でそれぞれ訳をまとめて、送信してください。 宮城 1,TheShepherd,sBoyandtheWOlf ASHEPHERD-BOY,whowatchedaHockofsheepnearaVillage,broughtoutthevillagersthreeorfOurtimesby cryingout,,,WOlf1WOlf1,,andwhenhisneighborscametohelphim,laughedatthemfbrtheirpains・TheWOlf, however,didtrulycomeatlast、 TheShepherd-bOy,nowreallyalarmed,shoutedinanagonyofterror:,,Pray,docomeandhelpme;theWOlfiskilling thesheep,';butnoonepaidanyheedtohiscries,norrenderedanyassistanceTheWOlf,havingnocauseoffear1at hisleisurelaceratedordestroyedthewholeHock Thereisnobelievingaliar,evenwhenhespeaksthetruth 2,TheSerpentandtheFile(本文割愛)」(7)

講義の形式は、ネットを利用してもらいながら、教室のスクリーンに映し出して説明をする。説明内容は、前

回読んでもらった物語や、講義の前半で受講生が読んだ記事や物語の翻訳例であったり、文法や検索すべきサイ トの内容説明等である。

受講生に、読んでもらうサイトは、外国語クラスの場合、日本昔話の英文サイト、ワード2006の単語テスト

サイト、博物館などの解説、日本や世界の新聞記事、2パラグラフの英文記事、ホワイトハウスのスピーチ等で

ある。特に、アンデルセンやイソップ物語や民話等の短いストーリーがお勧めである。受講生からの返信を、短

く3行以内にまとめてもらうようにしているのは、メモリーの容量が前述のように、2mbだからである。

2.2.4翻訳ソフト

受講生達は、メールを受け取ると、英文をドラッグし、コピーし、ワードを立ち上げ、ワードの新規作成の画

面上に貼り付ける。ワードの画面上で、英文に修正を加える。簡単な修正である。ピリオド(.)の箇所で文を改

行しておく。こうするだけで、翻訳の精度が上がる。さらに、ネットスケープのブラウザーを立ち上げ、検索エ

ンジンを使って、翻訳ソフトのサイトを開く。ホットメールはインターネット・エクスプローラーのブラウザー

を使っているので、別のブラウザーを使うのである。同じブラウザーを利用して、3つもサイトを利用すると、

プリーズ(画面が硬直)しやすいので、プリーズの発生確立を減らす為に別のブラウザーを使用するのである。

-58-

(8)

翻訳の為に、よく使用しているサイトはエキサイト翻訳のテキスト翻訳と辞書であるOテキスト翻訳の画面上 の翻訳画面にワードで修正した文章を、貼り付ける。(コピーしたい文章は、ドラッグしてCtrl+C、貼り付け たい文章は、Ctrl+Vである。)貼り付けられた英文を画面上の翻訳ボタンを押すだけで、瞬時にある程度の翻 訳をしてくれる。あくまでも、ある程度である。この翻訳された翻訳文をワードの英文の下に、貼り付ける。そ して、和文の修正を行うのである。ワードを利用するのは、ブラウザー利用では、予期せぬトラブルが起こるか らである。プリーズしたり、不具合が起きて、翻訳文が消えたりするのを防ぐ為である。それに文字が小さいと、 目が疲れやすくなる。さらに、電磁波を避ける意味もある。文字が小きいと、受講生は、顔を画面に近づける者

が多くなる。目や脳に電磁波が与える影響は計り知れない。ワードの画面では、文字サイズが自在であり、受講

生は、常に文字を拡大して、文章修正等をするようお願いしている。 受講生からの返信例は、以下である。 「1.オオカミと羊飼いの少年。少年は、オオカミが来たと嘘をつき、隣人がオオカミから少年を助けるために来たとき、そ れを潮笑いました。しかし、ついに本当にオオカミがやって来たのです。羊飼いの少年は、助けを求めました。しかし、嘘 つきの少年の言うことなど誰も信じませんでした。オオカミは楽々と、すべての羊を襲いました。‘たとえ真実を述べても、 嘘つきは誰も信じない,」(8) 上記は課題(7)の1の翻訳例である。翻訳(8)を送信してくれた受講生は中年の方である。パソコンそのもの が初めてであった。現在は、翻訳ソフトを使用して、翻訳がそれなりに出来るようになっている。沖縄国際大学 でも、沖縄大学でも中年の方々が受講されておられる。皆さん、始めは緊張されるが、意外にできるもんだと喜 ばれる。息子や娘と同年齢の受講生に一年後には、教えておられる姿には頭が下がる。 2.2.5ネットでの出欠の確認と評価 講義をするにあたり、気になる事の一つは毎回の出欠の確認と、受講生をどう評価するかではないだろうか。 出欠は、大人数のクラスでは、もっぱら感想或いは要約を講義日毎にメールしてもらっている。講義日毎のメー ルチェックにより、出欠の確認ができる。以下は文化人類学の受講生の感想である。この日の講義は「差別」実 例として、「黒人差別」と「韓国の女性の米国白人との結婚」事例のビデオを見て、解説を行った。 12月13日(金)「差別」 本日のビデオは「差別」に関するビデオの視聴であった。人とというものは自らの基準と違うものを拒否反応する。講義 終了後先生が「わたしは絶対に差別などしていない。などと、馬鹿なことは言わないでください。差別をしていることが分 からないことが一番こわいです。」とコメントをした。 確かにそうである。自分は今までに差別を数多くしてきたと思うと腹が立ってきた。そして、小学校一年生の時の担任がテ ストの点数が悪い生徒に対して「おまえ、特殊学級へ行くか。」と言ったことを思い出した。今考えてみるとその先生は相 当酷いことをいっていたのである。今後、差別を絶対にしないと思うかもしれないが、差別とわからずに差別をするかも知 れない、あるいはしているのだということを自覚せねばならないと思う。(9) 少人数のクラスでは、メール送信をしてもらう事だけではなく、声に出して受講生の名前を呼んで、出欠の確 認をした方が良い。声に出して、受講生の名前を呼ぶ事で、名前を覚えられるし、メールとの相乗効果で、受講 生のイメージが掴みやすくなる。 受講生の評価は、教員ならば最も気を使うのではないだろうか。少しでも時間と労力を軽減する方法はあるの だろうか。メールを使って見て、その便利さに感心したのは、まさに評価の為のデータが簡単に揃う事であった。 ホットメールの場合、受信トレイの「日付」の項目を押すと、メールは古い順に並べ替えられる。再度「日付」 を押すと、メールが新着順に並ぶ。「件名」を押すと、同じタイトルの件名は一固まりとなる。「差出人」を押す

と、同一人が送信してくれたメールが全て表示されるのである。(1o)

-59-

(9)

;繊蕊鱸鱸轤i鱗i轤灘

;f蕊辮鱸辮i;繊鱸i1i鱸鍵iiiliii鍵iiiii鍵iiii轤鱗

この機能を使うようになって、評'価を効率的にできるようになった。評価の時間が短くなった訳ではない。む しろ評価の為の時間を効率的に使えるようになった。やはり、評価に際しては、悩んでいる。それでも、評価を ある程度、数字で表せることができるようになり、受講生にこちらの想いを伝えられるようになった事がありが たい。また、テストを2段階に分け、受講生に再試(追試ではない)を受ける様、指名する事もできるようになっ た。受講生には、初回のテストで単位が取れた者には、おめでとうのメールを送れるし、再試を受ける必要があ る者には、その旨伝える事もできる。勿論、受講生からの評価への疑問にも直接答える事もできる。メールを使 うようになって、受講生との双方向のやりとりが可能になった事が、評価に際し、役に立っている。

3ネット社会への参加を目指して

ワープロから始まり、講義にパソコンを利用して10年以上になる。しかし、本格的に高速通信が利用できる ようになり、ホームページ等のサイト検索し、講義中に利用できるようになったのは、ここ3年である。それ以 前は、検索スピードが遅く待ち時間が長すぎて、利用が困難であった。35人の受講生一人一人に簡単な返事を 送るためだけに費やした時間が2時間を越えることもあった。ここ数年のネット環境の整備は驚異的である。し かし、ITというだけで、反発したり、出来ないと思う受講生も少なくない。「出席はメールで行います。」と言 うと、「ええっ-1」と声も上がる。教室に戻ってこない者も、途中で抜ける者もいる。ネット講義をするように なったが、まだその成果に確信は持てない。それでも、習うより慣れるで、失敗を重ねながら、見えたこともあ る。それは、教育組織や形態がどのように変化しても、受講生との双方向のやり取りから教育は始まるのではな いかという確信である。 わが国で本格的な高速通信の普及がここ3年以内の変化である事は、中年以上の我々には福音でもある。現在 はまだ高速通信社会移行への過度期という事だ。これからでも十分間に合うし、高速通信を利用する事により、 あらゆる面で社会に役立てる可能性がある。社会が求めているのは、技術論だけではなくむしろ社会でどのよう な役立つ情報を発信してくれるかである。経験による情報は社会の大きな財産となるであろう。教育現場でもIT を活用して、より自由に学ぶ環境が整えられるのではないだろうか。学校でも、時間や場所の制限を受けないカ リキュラム編成ができるようになるのではないだろうか。換言すれば、個人は学ぶ場所を自由に選び、情報端末 を利用して、好きな時に学ぶようになるのではないだろうか。 技術の進歩は驚異的である。双方向テレビの登場は、選挙も近いうちに、テレビで投票ができるようになりう る事を予感させる。携帯型双方向テレビでの学習や研究の普及も、時間の問題ではないだろうか。個人の感情と -60-

(10)

は関係なく、社会は変わりつつある。変わる社会に有用な人材となる為の情報を提供できるようあり続けたいと 思う。また、このレポートが読まれた方の参考になるのか心もとないが、私の失敗例など踏まえて、ネット利用 の講義のヒントなりとも掴んでいただけるのであれば、望外の幸せである。 【注】 (1)PeterFDrucker,ManaginginTheNextSocietylYumanTElleyBooks,pp,ix

(2)沖縄大学、昼間部、文化人類学、受講生、2002年5月受信例

(3)同大学、夜間部、英語l、受講生、2002年5月受信例

(4)同大学、昼間部、文化人類学、受講生、2002年4月受信例

(5)同大学、同部、文化人類学、受講生、2002年4月受信例

(6)沖縄国際大学、昼間部、外国書物購読、受講生、2002年4月受信例

(7)沖縄大学、夜間部、英語4、クラス課題、2002年12月送信例

(8)同クラス、受講生、同月、受信例

(9)同大学、夜間部、文化人類学、受講生、2002年、12月受信例

(10)同大学、夜間部、英語A、受講生、2002年、ホツトメール受信トレイ画面

-xiii,2002 -61-

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