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特集 診療科紹介 新生児科(ザ ジャーナルVoll.11 No.3より抜粋)

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T H E JO U R N A L !!

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2016.12 Vol.11 N o.3

新生児科

新生児科の入院診療は、新生児期(日齢28未満)の赤 ちゃんを対象としていますが、ほとんどが出生直後から数日 以内の新生児です。新生児科は小児科のサブスペシャリ ティーであり、一般小児科の研修を終えた小児科医が小児 科後期レジデントとともに、新生児期に発症する特異的な疾 患や周産期の問題点などの解決にあたっています。胎児 から新生児への環境の変化に対応できない場合、先天的 な異常のために出生後の呼吸、循環、哺乳、排尿、排便な どに問題を生じる場合など、新生児科は新生児の総合内科 として関連各部門(小児外科、脳神経外科、小児循環器、 心臓血管外科、形成外科、口腔外科、皮膚科、整形外科、 眼科、耳鼻咽喉科)と連携して診療にあたっています。

当院の新生児医療

日本で赤ちゃんの医療がはじまったのは1940年代後半 であり、当時は未熟児と呼ばれた出生体重の小さな赤ちゃ んの死亡率が 非 常 に 高く、 名古屋市立大 学、大阪市立 大学、賛育会 病院などととも に、国立岡山 病院(故山内 逸郎小児科医 長)もその先頭 に立って未熟 児医療を開始 しました。1963年には未熟児センターを開設し、1974年に 新生児集中治療室(NICU)を設置しました。積極的に母乳 育児を推進し1991年には先進国で初めて、「赤ちゃんにや さしい病院」(BabyFriendlyHospital)に認定されました。 2004年からは産科とともに岡山県の総合周産期母子医療 センターに認定されています。つまり50年以上にわたって 日本の新生児医療の最前線に立ち続けています。

業務内容

現在の新生児科の仕事は、NICUだけが診療の場では なくなっているため多岐にわたり、その仕事量は膨大です。 中核をなすNICU(5B病棟)は、関係各科との連携のもと 新生児のすべての疾患を扱う病棟であり、出生後の蘇生・ 集中治療から慢性疾患管理を行います。その主要疾患の 1つが、早産・低出生体重児になります。とくに在胎28週未 満の超早産児、出生体重1000g未満の超低出生体重児で は出生後の合併症も多く、入院期間は3か月以上にも及び ますが、当院では過去10年以上生存率90%以上を誇って います。正期産児の出生時仮死、呼吸障害、低血糖、黄 疸、先天性心疾患などの入院も多数ありますが、これらは 出生後に異常に気づかれることが多いため、100-120/年 の新生児をドクターカーで搬送します。 また近年、比重が高くなってきているのは出生前診断症 例の診療で す。胎児エ コーで 異常 が認められ、 精査(羊水 染色体検査 や胎児MRI など)により 出生前診断 がつく症例が増加しています。予後不良な疾患も少なくなく、 出生後短い命をいかに大切に家族とともに過ごすかなど看 取り・緩和医療になる場合もあります。また、胎児治療、出 生直後からの集中治療・外科治療などを産科や小児外科 などとともに綿密に計画し、家族にプレネイタルビジットでの Informedconsentを実践しています。 異常分娩(帝王切開は異常分娩です)で出生する赤ちゃ んの出生に立ち会ったり、産褥病棟(6A)の赤ちゃん(いわ ゆる正常新生児や在胎35~36週のLatepreterm児)の退 院までの管理を行い、産褥婦への薬剤投与についての相 談にのるのも我々の仕事です。両親学級での育児指導、 母乳育児推進なども行っています。母乳育児は産科病棟 ■新生児科医長 影山 操

特集

診療科等紹介

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2016.12 Vol.11 N o.3 の赤ちゃんのみならず、NICU入院中の赤ちゃんについて も積極的に支援を行っており、出生体重1000g未満の超低 出生体重児の退院時の母乳育児率は7割を超えており、世 界でも例をみないほど高率です。 そして、NICUを退院された赤ちゃんの発育・発達フォ ローは、患者様のためにも、そして予後調査のためにも大き な仕事になりますが、莫大な労力を必要とします。出生体 重1500g未満の極低出生体重児では、脳性まひ、慢性肺 疾患、視力障害、低身長などの身体的問題や、ASD(自閉 スペクトラム障害)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、学習 障害などの発達異常を続発することも多く、小学校3年生ご ろまでフォローを継続するのが一般的です。 教育・啓蒙にも熱心に取り組んでいます。日本周産期・新 生児医学会が主導する、新生児蘇生法普及事業(NCPR) の一翼も担っています。当院のスキルアップラボにおいて、 年に2回、院外・院内を問わず周産期医療従事者を対象に 分娩に立ち会うすべての人が適切な新生児蘇生を行うこと ができるように新生児蘇生講習会を開催しています。また 岡山大学医学部保健学科の「妊娠中からの母子支援」即戦 力育成プログラムにおいて、助産師免許や看護師免許を 取得しながら結婚、妊娠、子育てのため家庭に入った女性 などの復職支援にも協力しています。

新生児医療・周産期医療における

ファミリーセンタード・ケア(FCC)

近年、周産期医療の世界ではFCCの重要性が注目され ています。 当院のNICUでは赤ちゃんの両親は365日24時間いつ でも面会が可能で、赤ちゃんのおじいちゃん・おばあちゃん の面会はもちろんのこと、全国的にはまだ実践施設が少な いきょうだい面会も実践し、入院期間が長くなっても、家庭 で生活できなくても、家族みんなで過ごす時間を大切にし てきました。近年になり、家族が医療ケアの提供者となるこ とで早産児の長期予後が改善するといった報告もみられる ようになり、赤ちゃんの予後を最優先すべき医師としても、 家族を中心に、看護師、臨床心理士など他職種と協働して FCCを積極的に取り入れるべき時代になっています。

スタッフ

スタッフ医7名(1名は産前産後休業)、レジデント2名(1 名は育児休業)、小児科後期レジデント1-2名の計8-9名で 診療にあたっています。 【医 長】 影山 操(平成6年卒)、中村 信(平成5年卒) 【常勤医】 中村和恵(平成5年卒)、竹内章人(平成15年卒) 湯本悠子(平成16年卒 産休)、森 茂弘(平成17年卒) 玉井 圭(平成18年卒) 【レジデント】 福嶋ゆう(平成21年卒 育休)、森本大作(平成22年卒)

参照

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