ピリジン、2−メチル−5−エチルピリジン、3−ピコリ
ンの定量法および2−メチル−5−ビニルピリジン、2−
メチル−5−エチルピリジンの補償定量法
古沢源久
武内次夫
山田桂子
Ultraviolet Spectrophotometric Determination of
2-Methyl-5-vinylpyridine, 2-Methyl-5-ethylpyridine and 3-Picoline, and
Compensative Determination of 2-Methyl-5-vinylpyridine and
2-Methyl-5-ethylpyridine
MotohisaFURUSAWA TsugioTAKEUCHI KeikoYAMADA
Synopsis
We studied the ultraviolet spectrophotometric method for the determination of 2−methyl−5−vinylpyri− dine,2−methyl−5−ethylpyridine and 3−picoline, and for the compensative methods with an object of the estimation of a large amount of 2−methyl−5−vinylpyridine「and a small amount of 2−methyl−5− ethylpyridine with good precision. 0.05M sulfuric acid solution is used as the solvent, and the absorbancies are measured at 263 mμ for 3−picoline, 270 mμ for 2−methyl−5−ethylpyridine and 300 mμ for 2−methyl−5−vinylpyridine respectively.2−methyl−5−vinylpyridine,2−methyl−5−ethylpyridine and 3−picoline can be determined by the ordinary simultaneous method with the use of three absorbancies. Al〕sorbancies of the solution containing 2−methyl−5−vinylpyridine or 2−methyl−5−ethylpyridine in various concentration of 2−methyl− 5−vinylpyridine were measured, and precisions were compared in the case of the simultaneous de− termination by the ordinary compensative method. The result indicated that the concentration of 2− methyl−5−vinylpyridine at 25∼30γper ml was the highest・2−methyl−5−ethylpyridine in 2−methyl− 5−▽inylpyridine also can be determined more precisely by a compensative method of constant ratio dilution of the sample and the compensative solution. 2一メチ,’レー5一ビニノレピリジン(以下MVPと略記す る)は工業的には2一メチノレー5一エチルピリジン(以下 MEPと略記する)の脱水素により合成され、精製工 程を経て製造されている。このようにして..[業的に製造ざれたMVP中には少量のMEPが含まれている。
市販MVP中のMEPの定量法としとしては高山1)が
ガスクPtマトグラフイー法、紫外線吸収を利用する方 法について報告している。この紫外線吸収を利用する 定量法は溶媒としてリン酸水溶液を使用して二成分と して通常法によりMVP、 MEPを定量する方法であ 2」 る。 著者等はMVP合成原液および製品の分析に応用す る事を目的として紫外線吸収を利用するMVP、 MEP 3一ピコリン混合物の各成分の分別定量法およびMVP、MEPの補償定量法を検討した。溶媒は0.05M硫
酸水溶液を使用するのがよく、MVP、 MEP、3一ピ コリンは三成分としての通常法により定量し得た。 MVPを補償溶液として使用して定量する際の補償溶 液の最適濃度を決定して二成分としての通常法を確立 した。又補償浴液の濃度を変えて吸光度を測定する方昭和35年12月
山梨大学工学部研究報告
第11号
法を行い、史に精度よくMVP中のMEPを定量し得
たのでこれらの結果を報告する。1装置および試薬
装置は鳥津光電分光光度計QB−50型、光電子逓倍 管は1p28、キュベットは10mmの厚さのものを使用 した。 本実験に使用した主な試薬は次のとおりである。MVP、 MEP;市販試薬を蒸留により精製して使
用した。 i 硫酸,市販1級品を使用した。2 MVP、 MEP、3一ピコリン
混合物の定量法
2.1MVP、 MEP、3一ピコリンの
吸収スペクトル MVP、 MEP、3一ピコリンの混合物を紫外線吸収 を利用して定環するのに好都合な溶媒を選定する為に 0.05M硫酸水溶液、0.05M水酸化ナトリウ.z・水溶液 およびメチルァルコールを溶媒として吸収スペクトノレ を測定した。この結果MVP、 MEP、3一ピコリンの 混合物を三成分として定量する溶媒としては0.05M硫 酸水溶液が最も良く、その吸収スペクトルはFig 1に 示すようであつた。 IooQ
o
8 自50 主 § 自 Ei 20q. 250 300 Wave length(mμ) Fig.1 Ultraviolet absorption spectra of 2−methyl−5−vinylpyridine,2−methyレ 5−ethylpyridine and 3−picoline in O.05M sulfuric acid solution. (1) 2−methyL5−vinylpyridine 6.64γ/ml (2) 2−methyl−5−ethylpyridine 6.40γ/ml (3) 3−picoline 19.6γ/ml 定量に使用する特性波長としては3一ピコリン、 MEPは夫々吸収の極大を示す263mμ、270mμ、 MVP は吸収の極大より若干長波長側で吸光係数があまり低 350 くならない300mμを使用する事にした。 2.2MVP、 MEP、3一ピコリンの 量と吸光度との関係 MVP、 MEP、3一ピコリンが0.05 M硫酸水溶液1 ml中に0∼20γ含まれている溶液を各種調製し、 263 mμ、270mμおよび300mμにおける各溶液の吸光度を 測定して、MVP、 MEP、3一ピコリンの量と吸光度 との関係を求めた。 この結果はFig 2(263 mμ)、 Fig 3(270mμ)、 Fig 4(300mμ)に示すようであつ た。何れもBeerの法則によくしたがつている。 Fig 2、3、4に示す各波長におけるMVP、 MEP、 3一ピコリンの量と吸光度との関係が硫酸濃度により変 化するかどうか硫酸の濃度を0.02∼0.08Mまで変えて 実験を行つたが影響は認められなかつた。 oO.6 88
11α4 司 o.2 Fig.2 O,8 o.6 8 目 日 8 0.4 ρ < 02 午 t2 t6 Concentration (γ/ml) 3・ピコリγ 仰Mep
Calibration curve of MEP, MVP and 3−picoline at 263m/z 0 Fig.3 /Mep 4 8 12 16 Concentration (γ/ml) 20 Calibration curve of MEP, MVP and 3−picoline at 270mμ22
Table 1. Determination of MVP, MEP, and 3−Picoline in mixed sample. Kn・wn c・ncentrati・n(γ/ml)
MVP
5.48 3.19 3.42 2.28 4.56 3.19 MEP I 3−Pi・・li・・ 5・・3堰E・46
8.06 0.23 7.83 ‘ 0.23 8・89 1 0.236・68「 0・23
7.83 1 0.46 Found (γ/ml) Difference(γ/ml)MVP
MEP
5.49 15.52 「 3.15 . 8.13 3.46 7.892.3,18.99
4.59 6.80 3.18 ! 7.893−Picoline l MVP MEP
0.4510.01
0.20 1 −0.040.21 10.04
L O.22 0.040.20」0.03
0.44「_0.01 一〇.01 0.07 0.06 0.10 0.12 0.06 3−Picoline 一〇.01 −0.03 −0.02 −−O.01 −0.03 −0.02臼
80.6 9 ・i2 o ぷo.4 < 0.2 0 Concentration of MVP(γ/ml) Fig.4Calibration curve of MVP at 300mμ 2.3 定量操作法 試料を一定量秤取して0.05M硫酸水溶液に溶解し、 これを稀釈して溶媒1ml中に試料が約15γ含まれる ように試料溶液を調製する。この溶液の263mμ、270 mμ、300mμにおける吸光度を測定し、三成分として 通常法により定量する。300mμにおいてはMEP、3−一 ピコリンの吸収がないので、試料の濃度を濃くして定 量すれば更に精度よく定量し得る。 本実験に使用した方程式はMVP、 MEP、3一ピコ リンの濃度をCx、 Cy、 Czmg/ml,波長263mμ、270 mμ・300 mμにおける吸光度の測定値をD263、 D270、 D300として示すと次のようであつた。 D263=23・OCx十42・9Cy十50.OCz…………(1) D270=19.7Cx十52.6Cy十34.2Cz…………(2) D300 == 33 . OCx …………(3) 2.4調合試料についての測定 MVP、 MEP、3一ピコリンを混合して調合試料を つくり、定量操作法にしたがつて測定した結果は Table 1に示すようであつた。この結果よりMVP、 MEP、3一ピコリン混合物中の各成分を定量し得る事 が判明した。3 補償法によるMVP,MEPの定量法
MVP, MEPを精度よく定量する為に補償法を倹討 した。 3.1 最適補償溶液の濃度 MVPを補償溶液として使用した場合、 MEPが、どの 程度まで定量が可能であるか検討する為に次のように して実験を行つた。溶媒は0.05M硫酸水溶液を使用 し、補償溶液のMVPの濃度を0∼73γノmlまで変え、試料溶液に含まれていると同量のMVPと『更にMVP
又はMEPが一一一定量(MVPは12.2γ/ml、 MEPは8.9 γ/ml)含まれている溶液を使用して、270mμ、300miL における吸光度を測定した。この結果はFig 5に示す ようであつた。Fig 5の結果よりみると300mμにおけるMVPの吸光度は補償溶液のMVPの濃度の増加と
共に著しく減少する。したがつてこ成分として通常法 0.S o,4 ぎO.3 自 £ 』ρ2 < 0」 !(!EP270 Mvp 270弊 Mvp 300ザ 12 24・ 36 ∠ト9 61 73 Concentration of MVP in compensative solution (り!/ml) Figu 5 Absorbancy of the solution containing]N・{V・ P or MEP in various concentration of MVP昭和35年12月
山梨大学工学部研究報告
第11号
Table 2. Determination of MVP and MEP in mixed sample. Known concentrationMVP
(γ/mの (γ/ml)MEP
26、8 29.3 29.8 27.3 31.7 3.55 0.フ1 1.78 3.91 1.07MEP
(%) 11.7 2.4 5.6 12.5 3.3Found
MVP
(γ/ml) 26.9 29.4 29.9 27.4 31.7(MEP
チ/ml)1⑫
3.58 0.71 1.8s 3.92 1.14 11.7 2.4 5.8 12.5 3.5灘)1
Difference 0.1 0.1 0.1 0.1 0.0MEP
(γ/ml) 0.03 0.Oo O.07 0.Ol O.07MEP
(%) 0.0 0.0 0.2 0.0 0.2 により定量する場合には、補償溶液のMVPの濃度は 25∼30γ/mlまでで、それ以上濃くしてもMEPの少 量を定量する分析精度向上の効果は期待する事が出来 ない。270mμにおけるMEP、 MVPの吸光度は補償 溶液のMVPの濃度が増加してもあまり減少しないの で補償溶液の濃度を変えて吸光度を測定する方法2)を 行えば更に少量のMEPを精度よく定量し得ると思わ れる。 ’ 0.S o.4 8 §O・3 モ 』o.2 < o.t MEP (2ηo呼) Mvp (300 )ly,) Mvp (270呼)024681012
Concentration of MVP or MEP (γ/ml) Fig.6Calibration curve of MEP and MVP at 270mμand 300mμ (compensative solution MVP 24.4γ/ml) 3.2 二成分としての通常法による定量法 3.2.1MVP、 MEPの量と吸光度との関係 補償溶液としてMVP24.4γ/mZを含む溶液を使用し て270mμ、300mμにおけるMVP、 MEPの量と吸光 度との関係を求めた。この結果はFig 6に示すようで あつた。Beerの法則にしたがつているので二成分と して通常法により定量が可能であると思われる。3.2.2定量操作法
試料が0.05M硫酸水溶液1m1中に30∼35γ含まれ るように試料溶液を調製する。補償溶液には約25γ/mlの濃度既知のMVP溶液を使用して、この試料溶
液の270 mPt、300 mtiにおける吸光度を測定し、二成 分として通常法によりMVP、 MEPを定量する。 3.2・3 調合試料についての測定 MVP、 MEPの溶液を混合して調合試料を作り、補 償溶液にはMVP 24.4γ/mlを含む溶液を使用して、 さきに述べた定日操作法にしたがつて測定した結果 はTable 2のようであつた。 Table 2の結果より調合値 と実測値はこの定呈法の誤差範囲内で…致しており、 この定量法によりMVP、 MEPを精度よく定量し得 る・事が判明した。 3.3補償溶液の濃度を変える定量法 3.3.1MVP、 MEPの量と吸光度との関係 補償溶液としてMVP 61.1γ/II】Zを含む溶液を使用 して270mμにおけるMVP、 MEPの量と吸光度との 関係を求めた。この結果はFig 7に示すようであつ た。Beerの法則によくしたがつている。3.3.2定量操作法
試料が0.05M硫酸水溶液lml中に65∼70γ含まれ るように試料溶液を調製する。補償溶液には約60γ/mlの濃度既知のMVP溶液を使用して、270mμにお
ける吸光度を測定する。次にこの試料溶液および補償 溶液を同じ倍率で2∼3借に正確に稀釈して300mμに おける吸光度を測定し、次の式よりMEPの含有量を 求める。c・…Pl:±ず:旦E⊇
Cy;MEPの含有量(mg/ml)
D’27e, D’300;270mμ,300mμにおける吸光度測定値 d ;300mμの吸光度測定の際の稀釈倍率 fx, fy;270nμにおけるMVP, MEPのグラム吸収率 F ;POOmμにおけるMVPのグラム吸収率の逆数8 k 日 9 迫 く O.5