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【教授就任講演】頭頸部癌と免疫アレルギー疾患の治療と研究の展開 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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v 第 191 回山梨大学医学会例会 日時:令和元年 12 月 18 日(水)午後 4 時∼ 5 時 会場:基礎研究棟 6 階大会議室

教授就任講演

頭頸部癌と免疫アレルギー疾患の治療と研究の展開

櫻井 大樹

山梨大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科

司会 中尾 篤人教授

【要旨】  アレルギー性鼻炎は近年急速に増加し,特にスギ花粉症の発症者の増加は著しい。スギ花粉症は 発症の低年齢化が進んでいる一方で自然寛解は期待しにくい。アレルギー性鼻炎の治療として,抗 原の除去と回避,薬物治療,手術療法,アレルゲン免疫療法がある。一般の薬物治療は長期使用に よっても寛解は期待できないが,アレルゲン免疫療法は,根本的な効果が期待できる現在唯一の治 療法である。近年,舌下免疫療法が開発され,副作用の軽減,通院頻度の少なさから普及が進んで いる。一般的にアレルギー性鼻炎の治療にはプラセボ効果が高く,効果判定が難しいことが多い。 特に舌下免疫療法は治療期間も長いが無効例もあり,治療効果を予測できるマーカーの確立が課題 である。アレルギー性鼻炎を引き起こす花粉飛散と症状発現について,花粉飛散室を用いた研究か ら日中の長時間の花粉曝露によりアレルギー性鼻炎の症状は夜まで遷延し,さらに繰り返す花粉曝 露により症状は増悪することが示されている。  頭頸部癌は初診時に進行期であることが多い。進行癌に対し放射線治療・化学療法・手術による 併用治療が行われるが,治療による発声・嚥下障害・審美的障害・QOL 低下が大きな問題である。 進行癌・再発癌に対しては,根治を目指すとともに機能回復を考慮する必要がある。手術は重要な 位置づけにあり,さらに放射線治療,内視鏡治療の発達により,侵襲や機能障害の軽減が進んでい る。体には発生したがん細胞を排除する免疫機能があり,がん免疫療法は免疫の力を利用してがん を治療する方法である。一方で,頭頸部癌において骨髄性抑制細胞や制御性T 細胞など免疫機能 を抑制し予後を悪化させる要因が明らかとなり,これらの制御は新たな治療戦略となる可能性があ る。新たな免疫治療として頭頸部癌に対しNKT 細胞を利用した癌免疫治療の開発を進めてきたが, 一定の効果が認められており実用化へ今後の進展が期待される。

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