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AD/HD児を巡る特別支援教育コーディネーターの役割に関する研究 : 学級担任と保護者の連携において

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(1)AD/HD児を巡る特別支援教育コーディネータ-の役割に関する研究 一学級担任と保護者の連携において木村. Role -. 光男*1・芳川. 玲子*2. Coordinators Educational of AD/HD of Special Support Teachers Connectwith children: add Parents -To. Mitsuo. Kimura. and. Reiko. Yoshikawa. 1.はじめに 注意欠陥/多動性障害(以下、. : Attention-De丘cit/=yperactivity. AD/=D. DSM-Ⅳ. 一衝動性を基本とする行動障害であるo. (American. Psychiatric. Disorder)は不注意/多動性 Association、. 1994)では、. その障害のタイプとして、混合型、不注意優勢型、多動性一衝動性優勢型に分類しているo AD/=D児の集団-の適応の難しさと周囲からの障害の裡. AD/HD児に関わる保護者と学級担任は、. 解が正しく及ばないことで、精神的に苦しみ、困りと傷つき感を経験していることが多い〔) 2003年3月の「今後の特別支授教 文部科学省は、このような保護者と学級担任を援助するために、 育の在り方について(最終報告)」の中で、教育的支援を行い、諸専門機関を連絡調整するキーパー 2004年1月に公表した ソンとして、特別支援教育コーディネーターの養成を提言しているoさらに、 『′J、中学校におけるL. D、. AD/HD、-高機能自閉症の児童生徒-の教育支援体制の整備のためのガイ. ドライン(試案)』 (以下「ガイドライン」という)の・中で、特別支援教育コーディネーターの具体 的な役割として、保護者に村する相談窓口(保護者への信頼関係づくり、支援体制づくり、),担任へ の支援、校内での連絡調整をあげている。 現在、特別支援教育コーディネーターを2007年度までに全国のすべての小中学校で指名すること を文部科学省は目指しており、各都道府県の教育委員会や関連機関もコーディネーターの養成に全 力を注いでいるが、指導法やコンサルテーションに関するノウハウがまだ十分に蓄積なされていな い今では、実践主導により進められているのが現状であり、コーディネーターとしての具体的な役 割も校内で果たす機能も明確にされていないo. 2.研究目的 以上のことをふまえて、本研究は、. AD/=D児を巡り,小学校学級担任が困難になる要因と背景及. び苦しみや傷つきの実臥AD/=D児を持つ保護者の子育ての難しさとその過程で生じる苦しみや傷 っきの実態等を明らかにした上で,双方の視点の違いと連携する際の問題点を検証するoそして、. *. *. 1. 横須賀市立望洋小学校 2横浜国立大学大学院教育学研究科学校教育臨床専攻.

(2) 276. 木村. 光男・芳川. 玲子. 有効な連携を構築する為に、特別支援教育コーディネーターの役割とはいかにあるべきかを考察す ること′を目的としたo. 3.研究方法 本研究の調査対象は、. ADiHD児の学級担任(以下「学級担任」という)とAD/HD鬼を持つ保護者. (以下「保護者」という)である。学級担任ほ、医師にAD/HD児と診断された児童を担任する(し. た)神奈川県内公立小学校に在勤の教師であるoなお、卒研究におけるAD/HD児とは、原則として 医師によりAD/HDと確定診断された場合に限ったが、学級担任にインタビュ-した中で、医師の確. 定診断がなされていない事例が3ケースほどあった。この3事例に関しては、筆者妄含めた複数の教 師及びスクールカウンセラーが,. 6ケ月以上継続観察した結果,. DSM-ⅣのAD/HDの診断基準と符. 合し,しかも関わったすべての教師とスタ--]レカウンセラーがAD/HDであると矧哲したため、診断 のあったものと同等に凍ったo保護者ほ,医師にAD/HD児と診断された子どもを持つ、神奈川県及 び東京都在住の保護者を対象に実施した。本面接で対象としたADiHD児は、全員医師による確定診 断があった事例であった。調査対象者の内訳は表1の通りである。 表1調査対象者 男性. AD/HD児を学級担任した(する)教師 AD/HD児を持つ保護者 計. 10. 女性. 計. 8. 17. ー4. 15. 22. 32. (注 Ål)/HI)兜を持つ保護者のうち、 1ケースほ両親同席で調査). 調査期間は平成16年5月から11月までの7ケ月間で、調査方法は、調査対象の教師及び保護者に対 して半構造化面接を実施した。なお、面接はあらかじめ設定した質問項目に加えて、それぞれのエ ビソ--ドを引き出すように工夫をして進めたoそして、そのエピソード場面で湧き起こった感情や 率直な気持ちをできるだけ詳しく聞き取ったo面接はそれぞれに許可を得てICレコーダーに録音し、 逐語録およびエピソードカードに記述した。. 4.結果 半構造化面接を通して収集■したデータ-は、 KJ法を用いて分類(以下分類という)し、最終的に、 学級担任と保護者の状況をそれぞれ6つの観点から結果をまとめた。 4-l学級担任の状況 (1)学級担任が因っていること 学級担任が感じるAD/HD児の指導上の困難さは、暴力,暴言、飽き易く椅子に座っていられない、 持ち物の管理ができない等AD/HDの三つの主症状(攻撃・衝動、多動、不注意)によるものとコミュ ニケーションの問題がばとんどであったo. 学級経営をする上で学級担任が困ったことの回答内容を見ると,濁轡からの要因と学級担任自身 が感じる寮淘とに分けることができた。まず、禰固からの要因には、. 『クラスメートからの不満の対. 応』 『保護者から寄せられる苦情の対応』 『指導力を管理職から指摘される』である。次に、学級担.

(3) AD/HD児を巡る特別支援教育コーディネーターの役割に関する研究. 277. 『突発的な事故と行事計画の立てづらさ』 『授業が予定通り進められな. 任自身が感じる要因には,. い』 『他児が必要としている時に対応ができない』であるo学級経営をする上で学級担任のストレツ サーは,周囲からの不満や苦情の対応と、周囲のマイナス評価、見通しの立てづらさであるo. (2)担当児童が因っていること 『学習がつまらない』との指摘が. 学級担任から見たAD/HD児が学校生括の中で因っているのは、. 『思うようにできない、感情をコントロールできない』というAD/HDの主症. 一番多かった。次は、 状(攻撃・衝動的な要因)に関連することであったo他には、. 『周囲から誤解を生じてしまう、孤独、. 自分を理解してもらえない』等、主症状に伴って出た結果に因っている事と答えているo主症状そ のものと主症状から出た結果として起きる環象を同席に答えているところにAD/HD児に村する理 解の難しさがある。. 因っている事に対する対応では、学習上の問題や集団生活での配慮に対して、学級担任は積極的 に対応することが見られる。その反面、衝動・攻撃的な行動に関しては、具体的な対応が無い状況で 「どうしようも 『視野に入れておく』とわずかに回答があるだけだったo 17人中7人は「特に無い」 ない」と答えている。その中で「どうしようもない」と感じているのは、多動性と攻撃・衝動性の 症状を有する混合型児を担当する学級担任であったoここから考えられるのは,多動性と攻撃・衝 動性の症状を有する混合型の児童に対する学級担任の理解と対応はことのほか難しく、具体的な対 応ができず悩んでいる教師が多いということである。また、不注意型の児童に関しては、因ってい るという指摘は非常に少なかったのが特徴であるo恐らく不注意型の児童に対しては、問題や困っ ている状況を気づかれないままであるか見過ごされやすいからであろう。. (3)保護者との協力援助関係 学級担任と保護者の協力援助関係を形成する上で重要なことは、学校からの情報伝達の方法で. ぁる。情報伝達について、. 『上手く行っている場合』と『上手く行ってない場合』とを比較をす. ると、問題場面のエビソ∵ドを保護者に伝える際、エピソードに至る前の状況,要因と背景、プ 「こういうことがあって、暴力を振るったら ロセスをすべて伝える場合は上手くいっているが、 ooさんがけがをしました。」という事実のみを連絡している場合は上手くいっていないことが ゎかった。次に、学級担任がエピソードを伝える際,なるべく肯定的に話をするか、否定的に話 すかによっても結果が分かれることも明らかとなったo当然のことながら、保護者には肯定的に 伝えることの方が友好的な関係を築きやすい。 ・以上のことから、保護者との協力援助関係を形成するには,保護者から見て,学級担任は我が 子を心配して連絡してくれているという文脈を伝えることが前提に無くてはならないoそれを決 定するのは、学級担任のAD/=D児に対する捉え方が大きな要因になるo. (4)学級担任のニーズ 学級担任のニーズは、効果的な指導方法とコンサルテーションおよび相談支援に関する内容が多. い。特に、混合型児童を担任する学級担任においてこの傾向は顕著であったo・また、チーズはサポ ート体制・共通理解の埠況が学校全体に及んでいる場合は少なく、逆にサポート体制・共通理解の状 況が全く無いか学級担任の指導力が問題になっている場合では、多い結果となったo 1.

(4) 本村. 27と与. 光男・芳川. 玲子. さらに、学級担任q)ニ-ズは,不注意型の場合は混合型に比べて少ない結果となったoこれは、 不注意塑のAD!H_D児は学級担任にとって強烈で緊急性のあるエピソードが少ないため、本人や家族 は問題や困難性を感じていても、学級担任がそれに気がつかず見逃されやすお、ことが原料であると 思われるo. ∈5ラ特男u支援教育への転換 今回の調査では、. 「特別支援教育について知っていますか」という質問に対して、特別支援教育に. 関する筆者の用意した寧答汀場」に左諒じた教育から、ト人-ト-人のニーズ」に応じた教育-の転軌 及び個別支援教育計画を基にした支援を実施する教育への転換)のどちらか・一つに該当した学級担 任は17人中4人に留まったoスタ-卜したばかりとはいえ特別支援教育-の認識はあまりにも低く、 現場の学級担任に墨ま特別支援教育の理念がほとんど浸透していないことずわかった。. (6)学級担任のエピソード ADiHD児を教育するにあたり、学級担任はどのような弼軽や苦しみを味わうのかo学級担任のエ ピソ-ドから、. AD/HD児を担当する学級担任が傷つく要因と背景について考察を行ったo削は、. 発生したエピソードから湧き出た感情の数である。全体を見渡しての傾向は、混合型に比べて不注 意型の学級担任からのエビソ-ドの発生がかないことである。混合型のAD/HD児に比べて不注意塑 のAD/HD児は、学級担任にとって、強烈で鮮烈なエピソードの発生が少ないということであろうo. 国1エビソ-ドから湧・き出た感情の数.

(5) ADパ1D児を巡る特別支援教育コーディネーターの役割に関する研究. 図2. 学級担任に湧き起こった感情数の通年と4、. 5、. 279. 6月の比較. 次に、学級担任のエピソードが発生する時期についてであるが、学級担任のエピソードの発生は4、 5、. 6月に全体の約半分と極めて多かった○図1のエピソードを通して湧き起こった感情が、不安、. 焦り、怒り、無力感,濁責感が多かったことから考えても、新年度体制の中でAD/HD児への対応や 学級経営の課題で混乱している学級担任の状況が推察できる。学級担任にエピソードを通して湧き 起こった感情(不安、焦り、怒り、無力感、罪責感のみ)を、通年と4、 2である。.どの感情も通年と4、5、. り』の感情が、通年に比べて4、. 5,. 6月を村比したものが図. 6月とではほぼ同じ割合であるが、この中で『不安』の感情と『焦 5、 6月の方が高い割合であるo 『不安』と『焦り』についてのエピ. ソード発生状況は原因に多くの共通性があったoそこで、この二つのカテゴリーで湧き起こった感 情を分類した上で、要因を分析したところ、学級担任の『不安』と『焦り』の感情はAD/=D児に向. けられているものと学級担任本人に向けられているもの、さらに廟固からの理解に向けられている ものに分けることができた。AD/=D児に向けられるものとして、. 『怪我をさせてしまうoわがままo. 言う事を聞い七くれないoあばれる.授業妨割であるo学級担任本人に向けられているもの比 『行動をコントロールできないo異常性を感じても何もできない』である。さらに、周囲からの理 解に向けられているものは、. 『同僚や管理職に理解してもらえないoクラスメートとその保護者から. の苦情』であった。以上のことから、. AD/=D児に対する学級担任の理解と対応は、具体的な相応が. できない上に同園に理解してもらえないことで悩んでいる姿が推察できる。. 4-2. 保護者の状況. (1)我が子の困難点 保護者が感じるAD/HD児の困難さは,学級担任と同様にAD/=Dの三つの主症状(不注意、多動、 『学級担任が感じ 攻撃・衝動)によるものとコミュニケーションの問題がほとんどであったoしかし、 たAD/HD児の困難さ』と比べて具体的な問題点が多岐に広がる結果が出た。これは、これまでに学 級担任ヤクラスメートの保護者から、多様な指摘や評価を受けてきた事や、保護者が同年齢の子と 我が子を比較して感じた問題点が数多く含まれていると考えられるo次に、障害のタイプで見ると、 不注意型の保護者が混合型の保護者と同様に困難点を数多く指摘している点で、学級担任と保護者 の視点の違いが示された結果となった。.

(6) 2削■). 木村. 蒐男・芳川. 玲子. (2)一哉が子が学校で困ってい,るこ1t・ 保護者からの指填では、. 『教師に叱られる。教師のマイナス評価』やL番多く約半数の8名であっ. たo次は、 『理解してもらえない、誤解される』という周囲の理解と評価に関するもの5名であったo さらに、. 『いじめ、仲間はずれ等主症状が出た結果として因っている』が3名であった。. ここでは保護者と学級担任との『困っゝていること』-の見方を比較検討するoまず、琴護者だけ が指摘している内容は,. 『先生に怒られる』『いじめられる』であるo保護者は、学級担任の叱責や. 厳しい指導を適切な指導とは捉えていないと解釈す息ことが.できようoいじめに関しては、保護者 や子どもの傾からすると深刻な事象で奉るoいじめに関しての内容を読み取ると、ルールが理解で きないことや学級担任のマイナス評価などが原因と保護者は考えている。. 次に、保護者と学級担任が共通し七いる内容は、『周囲に誤解される』『自分を理解してもらえな い』 『ル-ルを理解出来ない』という事であった。ここでは、どのような行動や発言から、革解を招. き、周囲の理解に至らないかを具体的なエピソード等を通して分析することによって、適切な対応 が肖られると予想されるoつまり,子どもの掬っていることを、学級担任と保護者の共通項として 検討することによって、問題と対応との共通理解を相互に確認することが可能となり、双方の連携 を模索する手がかりになる可能性が大いにあると思われるo 15. .「我が子が因っていることへの学校の対応をどう思いますか」という質問への回答を見ると、 A中9入が対応は取られていないと指摘しているoこれを見ると保護者ほ我が子の小学校生活での問. 題点や耗が子が因っている凍寒を認識しながら、直接関与する事ができずに手をこまねいている状 就にあるといえようo. ∈3)保護者の気づき 保護者のAI)!HDへの気づき年令と診断年令は次の通りであった。まず混合型の場合は、気づき年 令3.3歳、診断年令7A鹿であるo次に不注意型の場合は、窺づき年令7.4儀、診断率令9,2歳であるo 全体では、気づき年令4.8歳、診断年令8歳であったo上林(2003)の調査によれば、. AD/HD児の初. 診年令の平均ほ9歳。保護者の開蔑の気づきの平均率令は蓬.4才であると述べているが、今桓‡の表音象 児はその数値にほぼ近い。この数値を見てまず言えることは,. AD(HI)の主症状にはっきり気づくの. は意外に遅い£,劫堆韓にÅった後ということば、複数の同年齢の子どもと比較して我が子の逼ら、を 認識することが予想される。. ・次に、保護者の閑題の気づき、診断は共に、混合型に対し不注意型は. 遅な-こと であるo緊急の対応を慈要とする混合塑妄二比べて、緊急の頼応をあま<吟必要としない不注 意型の児童は見過ごされやすいようであるo. (43 学校に求める連絡・情報. AD/HD党を持つ保護者の学校に求める連絡・情報伝達の業態妄こついては、事実書状髭・梯子を求 めている保護者が多かったo事実.・状況・様子とは、学校での出来事の結果だけではなく、プロセ スを知りたいということであろうo<このことは、4-1,(3ラ保護者とのコミュニケ-ション・精薄伝 達を裏付ける結果となったo次に、不信感を形成七てしまう学校からの情報についてであるが、 定的な連絡は相譲意欲をなくしてしまう」 もLgj答できない」という意見があった■。. 「否. 「学校の細来車を保護者に朝野Lて敦_しいt_求められて.

(7) 281. ADAID児を巡る特別支援教育コーディネーターの役割に関する研究. (5)周囲からの理解 保護者はカミングアウトについて、何時どんな状況で実行すべきか、またその後はどうなるのか と悩んでいるケースが多かった。実施前の状況には,クラスメートの不満に説明ができなくなり、 学級担任がカミングアウトを保護者に要求したケースや周囲に追い詰められて本人が判断して実行 したケースがあったが、多くの場合は周囲からのマイナス評価や問題が生じた際に、保護者が判断 ∫. して実行している。実施後の様子であるが、多くの場合は、保護者に対する苦情や攻めはなくなっ ているが何も変わらなかったと答えているケースもあった。 (6)保護者のエピソード AD/HD児を育てるにあたり、保護者が味わう苦しみや困難、また,苦しみや困難を通してAD/HD 児を持つ保護者が傷つく要因と背景に迫るために、ここでは保護者が語ったエピソードに焦点を絞 って考察を行う。. ′Jヽ学高学年. 国0-2才・国3力、ら5才 団小学イ氏学年■ つn. ●萎豪語 15. 1 ..≡.悲. :ミ.. :.:.:i.:.:.. L;.;.:≦ ・:.>: :≦::: :I:'>L.'. :::::L:I...I. .....L:.,.:...,.,リ:.:.. ---.----.----十 〉【【. :..i:.;:.....:I:.>:.■.I. .整塁審諾. i.:.:.:. ---.-i. ::::::辛:::: ・:.,..㌔,.',I. 図3. 発達階層別エピソード発生件数. 図3は保護者の語ったエピソードの発生件数を発達階層別に表したものである。 これを見ると0-. 2才の発生件数が低く、小学校低学年の発生が際立って多い。では、何故小学校. 低学年にエピソードが際立って多いのかというと、エピソードの内容を読むと,入学当時の保護者 が我が子の様子や学校での状況から受けたショックや、学級担任の対応や評価に対する混乱した感 情が強烈で、エピソードを鮮明、鮮烈に記憶として覚えていると考えることができるo. 図4. 保護者に湧き起こった感情の発達階層別推移(%).

(8) 本章す 光男・芳川. 282. 玲子. 『保護者に輝き起こった感情の発達階層別推移』である。この図を見ると、. 図4は、. 0-2才では、. 徽臥不敵r去私心の賓拾が高いが、それ以降ではすべて-怒り∴不安、無力感の割合が高いoエ ビソ-ドの内容から堆察すると、. 0-2才鬼では、我が子の行動と健児の行動の遠いや、周囲の入に. 謝ることが多く、_蓋恥♭を抱いているoまた、そのような行動をする我が子のことを誰にも話せな シテ、理解してもらえない等の理由によって、保護者のÅ開閉係が狭められて、鯛かちの鼠立感や 級数さを実感しているo 小学校で発生したエピソードの中で、怒り、不安、無力感のエピソード内容を読むとこわずかに いじめた友達に家困が向けられているものの、その他は原田のすべてが学級担任の対応に榔ナられ 1年生の発生が他学年に比べて多かったo ていた。これらのエビソ-ドが発生する時期としては、 5.考. 察. (.1)AD/HD児を巡る学級担任 学級担任が感じたÅDiHD兇の困難さとほ、. ADiHDの三つの主症状挿注意、多動性、攻撃・衝動. 性)とコミュニケ-ションであるが、その中で、不注意望めÅDiHD児は、学級担任にとって強烈で 鮮烈なエビソ-ドの発生が少ないため,本人は問題を抱えているにもかかわらず見過ごされやすい(, その反対に、多動性と攻撃・衝動性の症状を有する混合型の児童に対する理解と対応はことのほか. 難しく、間琴解決に糾ナて具体的な縛導を窯施している学級担任は少ないoそして、具体的な対1,m旨. ができず悩んでいる学級担煙が多いのが状況であるo 学級担任は、学習乱心理・情緒軌友人関係において、専門的な}ウハウを持?てADiHD兜へ 対応をしているoその反乱■AD/HD児に効果的に対応する知識と今後への見通しがないために苦戦 している。このように学級担任は、日々不安な状況で指導を展開してもーるo学級担任が安心するの は、. AD/HD兇への指導を巡る職員集団の共通理解とADiHDの知識理解を持って方針や戦略を授供し. てもらうことであった。. しかし、残念なことに硯場の学級担任には、その助けになるはずの特別支授教育の理念がほとん ど浸達していないようであるo学級担任ほ、. ADl'HD児が起こす問題に翻弄され、解決の糸L3が見つ. けられないまま、クラスメ-トの保護者から学級経営や指導方法をめぐって抗議を受けたり、管理. 勢や同僚に「指導や緋古方法が甘い」 「指導力に欠をナる」とマイナスの辞儀を受をナたりしているoさ らに、クラスメートの不満を感じながら、追い詰められていた状態でAD/=D児に対して、厳しい指 導を寒行Lたり、皆の前で叱ったり謝ることを要求したり、カミングアウトを保護者に求めたりす ることがある。その結果、. AD/HD児の問題行動をいっそう強め,. イクルに罷らせ,自尊毛、を低下きせてしまうことにな吟、. AD如D兇の問題行動を悪循環のサ. ADlj甲児を持つ保護者から不宕感を持た. れてLまう。. 学級担任から深護者に話をする際にほ、学級経営で因っていることと、学校生活を通して兜童自. 身が因っていることを整理し、伝え息べき問題の焦点を、児童の『因っているこ、と』に絞ることが 太切であるo保護者との関係をうまく作り上をデられなかったケ-一女は、子供の国選や失敗の結果の. みを活していた場合が多かったo問題について、盈か非かを決め付けた上で漬すのではなく,状況 から結果に至る事案のプロセスを常襲老に丁寧に伝えることが大切である。そうすることで、教師 と保護者の閑にポジティブな信頼関係が作り上げられ、友好的に連携することができるであろうo.

(9) 283. AD/Ⅷ)児を巡る特別支援教育コーディネーターの役割に関する研究. (2) AD/HD児を巡る保護者. 保護者が日常生活の中で因っていることを見ると,我が子のAD/=Dの症状そのものを問題点とし て挙げている。また、保護者の問題の気づき,診断は共に,混合型に対し不注意型は遅いo 『孤 o-2才でのエピソード発生件数は低く、保護者に湧き起こった感情の発達階層別推移では, 『怒り』、『不安』、『無力感』 独』、 『不安』、『蓋恥心』の割合が高いoしかし、それ以降ではすべて、 の割合が高い。中でも小学校入学時の発生が他学年に比べて多かったoそれは、入学当時の保護者 が、我が子の様子や学校での状況から受けたショックや、学級担任の対応や評価に対して混乱した 感情が強烈で、エピソードを鮮明、鮮烈に記憶として覚えているからと考えることができる。 小学校の生活を通して、我が子の自尊感情の低下を心配している保護者が多いc,子供が学校生晴 の中で因っていることで、教師が気付かずに保護者のみが気付いていることに、いじめられること と、先生にしかられることがあるo保護者に湧き起こっ七『不安』と『焦り』の感情は、戎が子に 『怒り』、 『不安』、 向けられているものと学級担任に向けられているものに分けることができたo 『無力感』のエピソード内容は、わずかにいじめた友達に原因が向けられているものの、その他は 学級担任の対応に向けられていたo保護者は、学校という場に於いて、我が子を守りきれないもど かしさや、あきらめの感情を抱いているのであろう。 保護者が担任教師に話してほしいことは、我が子が関連して生じた問題の,事実・状況・様子に っいてである。事実・状況・様子とは、学校での出来事の結果だけではなくプロセスを知りたいと いうことであった。保護者は、周囲から抗議を受けたり、周囲の不満を感じたり、謝ったりして、 かなり追い詰められていた状態でカミングアウトを決断している。 保護者は、. AD/HDの知識と理解を有する人から、見通しを持った視点で4aぎらってもらうと・隠 『不安』を増長させてしまう。 心』し、気休めのねぎらいは、 (3)特別支援教育コ--デイネ一夕-の役割. 保護者は、学級担任の我が子への対応を巡り『不安』を抱いているo. AD/HD. --一一方、学級担任は、. 児に対する適切な対応方法がわからず『不安』を抱いて過ごしているoこの不安は、予想できない 行動や行為により先が見通せない・W不安』、暴れることを通してクラス内に被害者と加害者の関係が 発生し、築いてきた和が崩壊する『不安』、. AD/=D児の保護者や学級担任が周囲にどう評価される. かという『不安』などがあることが本研究エピソードから読み取れた。 そして、これらの『不安』をそのままに放置しておくと、保護者と学級担任の双方に、 が芽生え、問題や課題を互いのせいにして,両者の関係が崩れやすいoこのように、. 『無力感』 AD/HP児を巡. る学級担任と保護者は、難しい状況の中で向き合っている。 この両者の『不安』を解消するものは、、 AD/=Dの特性を理解し具体的な対応策を示せる第三者の 介入であろう。特別支授教育コーディネーターが,人と人との接点に介入し調整する役割だとする と、. AD/HD児を巡る学級担任と保護者の関係が簡単に離れないようにするために、以下のような配. 慮と働きが必要である。 その一つ目は、. AD/HD児の保護者は障害の気づきが遅くなりがちだということからもわかるよう. に,、戸惑いや子育ての難しさがあるものの、もしかしたらという思いから抜け出られないでいる場. 合が多い。例え確定診断を受けているからといって,すべての保護者が障害を受容していると考え るのは無謀である。そこで、特別支援教育コーディネーターは,保護者の我が子への障害を受容し.

(10) 本村. 28-・l. 寛男・芳川. 玲子. ていく過程を見極め1この保護者に何ができるかを考えることであるoそして、学級担任に保護考 への村転の仕方をアドバイスするo 二つ目は、特別支援教育コ-デイネ-夕-は、学級担任の困当惑を理解した上で、. AD/HI)児自身. をわがままや身勝手な存在として閑農を解決するのではなく、彼らが学校生活で傷つき-因っている ことに気づかせるように話し合い, AD/HD児への学級担任の問題認識を変える必要があるoそして、. 学凄担任から見た児童の『因っていること』と保護者から見た学校で『困っていること』を出し合 わせ、日頃の行動観察をペースに、両者の共通している内容や事柄について具体的な卿各を立てて いくことであるoこの時、特別支援教育コ-デイネ-タ-は、保護者と学級担任に声掛けをvして話 し合いの場を設け、. AD/HD妃の AD/HD児の特性に合った具体的な援助指導方法をアドバイスする'o. 場合、学校生演の上で急な問題が生じることも予想できるがi予想範顔内の問題に対しては、対応 の方針を一緒に考えておくことが必要であるo大切なことほ、それぞれの役瀦を決めた後、く実行す る過程での学級担任と保護者との情報交菰である。精薄は、野こうだった』という結果だけのもので なく、. 『こうやろうとしてここまでやれた』というポジティプな評価を入れたものにしたいo. また、カミングアウトや、薬物治療などAD!HD児尚有の開法で一時保護者が苦しむ状況があるが、 そのような時は、状態が悪く追い込まれている時なので、答えを急がず、不安な気持ちをじっくり 受け止めて相応したいo '以上のことから、.. AD/HD児をめぐる学級担任と保護者の連携に於ける準鰍支援教育コ-デイネ-. タ-は、子どもの特性を理解L、学級担任と保護者の困′り感を理解し、. AD/HDの知識を持ち,学校. という観轟を熟知したÅでなくてほならない。環状の小学校を考えると、現段階では教義のゃから、 適切なÅが学級担任から外れた状態で担うことが望ましいと考える。 次に、特別支授教育コーディネーターに求められる資質と能力を支援対象者ごとに以下にまとめ. たoまず、学級担任の支援者としての投書郎ま、日常的な行動観察、学級担任の困り感の理解者、学 級学年経営へのコンサルテ-ション、カウンセラー、学校観織-クラスの状況や児童の状拭をわか りやすく伝える、 AD/HDの特性理解と知識を持って子どもの傷つきと困り感を啓発する等である(, 次に、・保護者の支援者としての役割は,日常的に子どもの声を聴く、保護者と定期的に面接・肯定 的な励まし、社会資源と学校をつなぐソーシャルワ-ク、保護者のこ←ズや不安や心配への理解等 であるoさらに、学校巌鏡の支援者としての享受熟ま、学校コンサ]Vテ-ション、組織的な援助支援 体制作り、地域支援チ-ム-の連絡要義、医療相談機関との連携協力の窓口、ケ-スQ)記録を管理 する等である。 6.ぁわりに 本稿で述べた特別支援教育コ-デイネ⊥夕-の役割について、現在のところ試行錯誤の中で多く 「学校生活で の問題が提起されているo ADiHⅠ)兇を遜る時男弓支積数育コ-デイネ∨一夕-の投書f]ほ、 傷つき因っている子どものプ馴こ大人は何ができるか」という視点を貫き通しながら、一人∴人に敏. も適切な教育を保障する目的を遂行するため妄こ、保護者と学級担任を協力的なパ-トナ-の開孫に 導くことが塵要である。そのためには、双方に肯定的な声掛けをして励ま■しながら、■子ども、学級 担軌保護者が日々の生活を『不安』から軒家心』. -変えらYLJるような具体的な対応を検討したいo. そして、状拭によってほ、学校内外に働きかけて支援チ…ムを作成し、具体的な対応を尊卑るキパ--ソンとして韓能を発揮する-ことが望ましいo.

(11) AD/11D児を巡る特別支援教育コーディネーターの役割に関する研究. 学級担任と保護者の連携によって、保護者は-. 285. 『安心』して学級担任に我が子を任せ、学級担任は. 『安心』して指導を展開する状割こ発展するoそのことで、安心を基にした『相互信頼』ノが形成さ れ、. AD/=D児を巡って『相互信頼』の. AD/HD児ヤクラスメートの健全な成長を助けることになる。. 鮮を形成するキーパ-)ンとして特別支援教育コーディネーターヘの期待と役割は大きい。. 7.引用文献 ・石隈利紀(1999)学校心理学. 誠信書房. ・井上とも子(1999)注意欠陥・多動性障害-の教育的アプローチー情緒障害通級指導教室での指 導を中心に一発達障害研究第21 (3) 192-201 ・上林靖子・斉藤万比古・北道子(2003)注意欠陥/多動性障害の診断・治療ガイドラインじほう ・鈴木庸裕(2004)これからの特別支援教育コーディネーターのあり方を考える-トロント市教育 委員会の学校ソーシャルワーカー事例からの示唆より-福島大学教育実践研究紀要第46号 ・高橋三郎・大野. 裕・染谷俊幸(1994). DSM-Ⅳ-TR. 精神疾患の診断・統計マニュアル. 医学書. 院. ・田中康夫(2004). AD/HDの明日に向かって増補版. 星和書店. ・前川あさ美(2004)傷つき-の心理的授助一学校にできること. ほんの森出版. ・文部科学省(2003)今後の特別支援教育の在り方について(最終報告) AD=D (学習障害) (注意欠陥/多動性障害) ・文部科学省(2004)小中学校におけるIJD 能自閉症の児童生徒-の教育支援体制の整備のためのガイドライン(試案) 、. ・大河原美以(2004)怒りをコントロールできない子の理解と援助. 教師と親のかかわり. 、高機 金子書房.

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参照

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