Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
No.27:当科における上顎正中過剰埋伏歯の臨床統計
Author(s)
重野, 健一郎; 岡本, 江理奈; 髙田, 満; 長谷川, 大悟;
林, 宰央; 大金, 覚; 恩田, 健志; 藥師寺, 孝; 野村,
武史; 須賀, 賢一郎; 大畠, 仁; 髙木, 多加志; 髙野,
伸夫; 柴原, 孝彦
Journal
歯科学報, 113(2): 210-210
URL
http://hdl.handle.net/10130/3058
Right
目的:過剰歯は日常の臨床においてしばしば遭遇す る歯数異常疾患であり,そのなかでも上顎前歯部は 好発部位である。上顎正中過剰埋伏歯はその埋伏状 態によって歯列・咬合不正,正中離開,永久歯萌出 遅延など種々の障害を引き起こすことがある。年齢 や歯齢によって治療方針に苦慮することも多く,抜 歯時期や抜歯方法については統一された見解はいま だみられない。そこで上顎正中過剰埋伏歯に対する 適切な処置方法の決定に役立てることを目的に,平 成22年4月1日から平成23年3月31日までの1年間 に東京歯科大学千葉病院口腔外科において全身麻酔 下での抜歯に至った小児患者の上顎正中過剰埋伏歯 の症例について臨床統計的検討を行ったので報告す る。 方法:対象は,平成22年4月1日から平成23年3月 31日の1年間に,東京歯科大学口腔外科において全 身麻酔下に正中過剰埋伏歯に対し抜歯術を施行した 小児患者42例である。調査方法は,診療録および各 種画像検査を資料とした。調査項目は,初診時及び 抜歯時年齢,性別,基礎疾患,埋伏状態(部位,埋 伏歯萌出方向,本数,歯冠形体,過剰歯歯根形体), 発見及び来院経緯,画像検査の種類,手術時間につ いて調査した。 成績および考察:性差は男児34人,女児8人であっ た。初診時の平均年齢は8.02歳で,最年少は2歳, 最年長は12歳であった。処置時の平均年齢は8.8歳 で,最年少は5歳,最年長は12歳であった。埋伏歯 萌出方向は逆性が多くみられた。発見及び来院経緯 は他院からの紹介が多く,他歯治療目的に画像撮影 した際に偶然発見される症例が多かった。画像検査 は CBCT とパノラマの併用によるものが多くみら れた。手術時間は最短8分,最長107分,平均69.2 分であった。上顎正中過剰埋伏歯は位置によりアプ ローチが異なるため,術前の臨床所見及び画像所見 による診断が重要である。今後も,上顎正中過剰埋 伏歯の症例に対し適切な診断のもと適切な治療に努 めていきたい。 目的:口腔癌では腫瘍の進展に伴い頸部リンパ節転 移をきたすことから,その制御が患者の予後に大き く影響すると言われている。そのためには正確な画 像診断が必要であることは疑う余地が無い。そこで 当科で頸部郭清術を行った口腔癌 患 者 を 対 象 に CT,US,FDG-PET の画像評価と頸部郭清したリ ンパ節の病理結果と比較検討した。 方法:2009年1月から2012年12月に当科で頸部郭清 術を行った口腔癌患者のうち,術前に CT,US,FDG -PET を撮影した13症例を対象にした。当科の判定 基準に基づき CT,US,FDG-PET でリンパ節転移 を疑うリンパ節を描出同定し,口腔癌取り扱い規約 に準じ,手術により摘出されたリンパ節の部位を特 定し,ついで,これらのリンパ節について画像所見 の感度・特異度を算出した。さらに,転移リンパ節 と非転移リンパ節の CT 値と FDG-PET の SUV を 測定した。 結果:CT の感度は25%で特異度は84%,US の感 度は45%で特異度91%,FDG-PET の感度は33%で 特異度は91%であり,感度・特異度ともに US が最 も優れていた。つぎに,CT 値では,転移リンパ節 は非転移リンパ節と比較して有意に低値を示した が,FDG-PET の SUV 比較では,両群間で差を認 めなかった。 考 察:CT は,rim enhancement を 表 す こ と か ら CT 値が低下した転移リンパ節の描出に優れてお り,原発巣やリンパ節の状態を把握する上で有用で ある。しかし,感度が低いため US を追加する必要 があると思われた。US は,感度・特異度ともに最 も優れており,非侵襲的な検査であることから,術 後の頸部リンパ節転移の早期判定には極めて有益で あると考えられた。FDG-PET の SUV を比較する と,転移リンパ節でやや高値を示すものの判定が困 難であった。その原因は非転移リンパ節に炎症性リ ンパ節が含まれていたためと考えられる。従って FDG-PET は原発巣や遠隔転移を把握するためには 有用であるが,頸部リンパ節転移への評価としては やや劣ると思われた。 会員外共同研究者:鬼谷 薫(都立大塚病院)