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IRUCAA@TDC : 歯の微量金属濃度に関する衛生学的研究 : 特に第三大臼歯の琺瑯質,象牙質における微量金属濃度を中心として

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Academic year: 2021

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(1)Title Author(s) Journal URL. 歯の微量金属濃度に関する衛生学的研究 : 特に第三大臼 歯の琺瑯質,象牙質における微量金属濃度を中心として 市田, 一弘 歯科学報, 92(1): 183-206 http://hdl.handle.net/10130/2053. Right. Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/.

(2) 183. 盾    著歯の微量金属濃度に関する衛生学的研究* 特に第三大臼歯の東郷賛,象牙質における 教室金属濃度を中心として 市 田 一 弘 東京歯科大学大学院歯学研究科 衛生学講座 (主任:高江洲義矩教授) (指導:西村正雄名誉教授). (1991年10月1日受理). studies on Levels of Trace Metals in Human Teeth -Relations to the contents of trace metals in enamel and dentin of third molars Kazuhiro ICHIDA Department of Hygiene and Community Dentistry, Tokyo Dental College (Chief : Prof.Yoshinori Takaesu) (Director : Professor Emeritus Masao Nishimura). i. m. れてきた3)4)5)。一方,必蛮金属についても,不足量,無. t. わが国は, 1950年代より技術革新に伴う工業化Egとし て発展する一方で,環境汚染の発生が地域的に広がって. 影響皇,適当室,過剰室がEE体の恒常性維持の観点から 検討されている4)5)。. いった1)2)3)4)。その後,公害対策として行政の面からそ. このように汚染金属および必豪金属を含めて,その環. の改善が進められて今日に至っている。最近では,環境. 境基準値の設定がなされているが,その基準値の設定は. 汚染に対して,局地的規模から地球的塊模での対策が重. 生体の恒常性維持の範囲で決められている。さらに産業. 要視されるようになった。特に工業活動に関連して発生. 環境における許容濃度は,生体の無影響量に対する安全. する金属による環境汚染1)2)4)には,生体に有害な影響を. 係数と作業環境濃度を勘案して決定されているが,最近. 及ぼす金属として,カドミウム,鑑 水銀などがよく知. では,産業環境における環境汚染防止の基準値によって. られている。これらの汚染金属については,生体に対し. 決定されるo従って,一般環境における環境基準値なら. て無影響室,影響茎,中毒量,致死量がほぼ明らかにさ. びに産業環境における許容濃度決定には,その地域住民 および作業者の有害物寛に対する暴露指標としての,坐. *本論文の要旨は,第38回日本口腔衛生学会総会(平成 元年10月22冒,千葉),第239回東京歯科大学学会総会(辛 成2年3月10冒,千葉),第60匡伯本衛生学会総会(平成 2年4月2日,福岡),第241回東京歯科大学学会総会(辛 成2年10月17日,千葉),第39回口腔衛生学会総会(平成 2年11月11日,徳島),第61回日本衛生学会総会(平成3 年4月3 a,京都),第40回日本口腔衛生学会総会(平成 3年9月23日,東貢)において発表した。. 体試料を用いた生物学的モニタリング6)が重要であり, 従来より血液7),尿8),唾液7)8)9)などが用いられてき m 近年,歯を生物学的モニタリング試料として地域環境 との関連で検討3)10)が行われているが,唾液や血液など に比べ,歯は繭出後の代謝が緩慢で,微量金属の生体-. -183-.

(3) 184. 市田:歯の教室金属濃度に蘭する衛4学的研究. の曝露試料として注目されている。しかし歯は,他の産. は,クロム(以下Cr),ニッケル(以下Ni),コバルト. 休試料に比べると,正常人における金属含有濃度の報吾. (以下Co),鋼(以下Cu),マンガン(以下Mn),鉛(以. 例が比較的少なく,従来の報吾では各金属の歯質におけ. 下Pb),カドミウム(以下Cd),亜鎗(以下Zn)であ. る含有量10)ll)や商触12)13)14)との関連性についての研究が. る。その中でもPb, Cdは,特に近年著しい工業化に. 主であり,外部環境からの暴露と生体内における代謝磯. よる環境汚染に関連し着目されてきた金属2)3)4)である。. 序との関連については不明な点が多いo. 一方,必蛮金属3)4)として, Cu, Mn, ZnとCr, Coを. これまでの先人達が報吾した歯の数量金属濃度に関す. 測定し,さらに,歯科用金属として使用されているNi についても併せて測定した。. る研究では,地域環境および生活環境における金属と歯. 以上の分析方法を用い,第三大臼歯の試料について,. の金属濃度との関係について種々試みられた10)15)16)17)。 当教室では,金子13)が地域環境および生活環境の違う四. 歯の萌出状態と厘伏歯における襖量金属濃度および全被. 地域から待た抜去歯車の鉛,鍋,カドミウム,亜鎗濃度. 験歯より検出された微量金属間の相関の有意性を検定. を制定し,鉛濃度は東京で,鍋,カドミウム,亜鉛濃度. し,それらの知見を生物学的モニタリングの観点から考. については八丈島に高かったことを報害している。また. 察した内容について報吾する。. 霧口19)は,圏内13地域の歯賛中マンガン,カドミウム濃. II 研究材料および方法. 度について地域環境による差を示した。さらに橋本ら20) は,大気中鉛と乳歯の鉛濃度との関連性について明確に. 本研究における試料歯の採取は第三大臼歯を中心と. した。その他,鎗濃度に関する報曹10)ll)21)や,カドミウ. し.比較検討のためにその他の歯種も含めた。さらに,. ム汚染地区での歯のカドミウム濃度に関する研究15)16). それぞれの試料歯について克球宴と象牙寛に分割し,そ. 17)などがこれまでに報害されてきた。そこで著者は,. の教室金属濃度を,特に多元素同時測定原子吸光法によ. 歯に含まれる微量金属を多元素同時測定によって,永久. り検討した。. 歯の微室金属濃度の衛生学的意義を明らかにし,外部環. 211 試料歯について. 境および口腔内環境と歯の微室金属濃度の関連性を追及. 2-1-1試料歯の採取. した。特に本研究では,第三大臼歯を被験試料とするこ. 本研究における試料歯の採取は,東京近郊の歯科医院. とに着目し,その所出状態(埋伏状態)と放量金属との関. において抜歯された永久歯213歯の中から,商蝕や歯科. 連を追及した。すなわち,生体硬組織の中で歯は,抜去. 治廃をされてない永久歯を試料とした。特に中心となる. 歯が分析試料として有用であり,その中でも第三大臼歯. 第三大臼歯は,被験者61人(男性32人,女性29人)より66. は生物学的モニタリングのための試料としてきわめて重. 歯,それ以外の歯種を被験者23人(男性15人,女性8人). 要である。その理由として第三大臼歯は,口腔内に萌出. より34歯を試料歯とした。各歯科医院において抜歯され. することなく埋伏歯でとどまることもあるO従って,放. た試料歯は,直ちに流水下で付着した血液,軟組織等を. 室金属の口腔環境から歯寛への直接的な沈着した濃度と. 除去し,所定のカードに患者の情報を記入後,水分を除. 生体に摂取されたのち血行を通して歯寛へ影響した濃度. 去しチャック付きポリ袋に入れ郵送してもらった後,さ. の両面を検討するには,最適の試料であると考えた。 一方,従来から歯の微量金属濃度に関する研究では,. らに研究室で十分清掃し,室恩にて乾燥状態で保存し m. 高濃度で存在するカルシウム(以下Ca)等の影響や,教. 2-1-2 試料歯の分戴. 室金属濃度の検出限界などのため微量定量法に歎点があ. 採取した試料歯は,性別,年麻別に分章し,その結果. り,試料として歯を克郵質,象牙薯などに分割せず, 1. をTable lに示した。また,前述した理由から本研究. 本を分析試料とするか,あるいは数歯をまとめて測定す る方法が行われていた10)15)17)22)本研究では,歯の数量. Table 1 Distribution of age in teeth samples. 金属濃度測定において高感度で精度の高い測定法とし A ge. て,共存物質による干渉を捕正し,多元素同時測定できる. Se x. 偏光ゼ-マン・フレームレス原子吸光分光光度計を使用 したoまた,被験歯を珪郵寛と象牙質に分割して,それ ぞれの金属濃度を制定し,各金属の相関関係についても. M a le. 12. F em a le. 29. 10. 41. 17. T o tals. 明らかにした。なお,本実験で測定した歯質中の金属 184. 4 9 20- 29 30-. 12. 40- 49 50- 59 T ota l 12. 12. 48 52. 12. 18. 100.

(4) 185. 歯科学報 VoL I, No. 1 (1992) では,第三大臼歯と,第三大臼歯以外の歯の2グループ. 内面の一層を削除し,解剖学的歯褒線で歯根を切除. に分楽し,検討したoそれら総数66歯の第三大臼歯は,. した.その後試料歯は,寓球宴と象牙覚を完全に分離し やすくするため, 110-Cで3時間加熱した。この加熱 により,琉球薯が象牙質の境から分離しやすくなって,. 従来から一般に使用されている分枝法23)24)を参考とし, 本研究では所出状態と教室金属の歯薯への分布状態を明. 象牙要が茶色がかり琉球寛と識別が容易になった0 2-3 試料の前処理方法 3 1前処理新主. らかにする目的で以下のとおり分類した。すなわち,歯 冠が部分的に口腔内に霧出している歯(以下,不完全埋 伏歯とした)SO箇,また,全く口腔内へは歯冠が露出し. 前記測定試料は,各々耐熱試験官に取り,精製水(超 純水製造装置Mill - Q③ reagent water system日本ミ リポア・リミテッド製による精製水,以下,精製水とす. ていない歯(以下,埋伏歯とした)は13歯であったo さら に,前記以外の歯冠最大皇隆部を越え荊出している歯を 薪出歯とし(以T,正常薪出歯とした),その総数は23歯. る)中にて超音波洗浄し,さらに精製水で3回洗浄して 分割の際の切削粉塵を除去したoその後,試料を乾熱乾. であった。 ffi榔質と象牙質の分割方法. 燥器中において,徐々に濫度を上昇させた後, 120-C 5 時間乾燥した。乾燥試料は共栓をして,室内で放冷後, それぞれの乾燥重量を測定した。さらに,試料歯の湿性. 採取した永久歯は,珪郵賛および歯冠部象牙覚の微室 金属濃度を測定するため,歯科用エンジンにて分割し た.従来,歯薯の分離にはManly and Hodgeのプロ. 灰化には,当教室の橋本ら20)や, Lockeretz らの実施 した方法に基づき,硝酸0. 9ml,過塩素酸0. 1mlを試料 に加え,後述のと-テイングブロック上で加熱し灰化し た。灰化試料には,硝酸0.5mlを加え,全室を20mlに. ムホルム法25)ェァ-タービンやダイアモンドバーを用 いて分離する方法20)26)歯を乾燥し,機械的に粉砕した 後,ダイアモンドバーで分離する方法13)16)などがある。 そこで著者は,試料歯をダイアモンドディスクにて矢状. 定容し,試料溶夜とした(以T,溶夜とするXFig. 1)。 2 - 3-2.前処理に使用した試薬および精製水. 断後,歯髄を除去し,ダイアモンドポイントにて髄腔壁 Tooth. a)硝酸(HNO3)   有害金属浪瞳用(和光純薬 工業株式会社製). O. b)過塩素酸(HC104) 有害金属測定用(和光純薬 工業株式会社製) C)精製水    :起純水製造装置MiU- Q⑪ reagent water system (日本ミリポア・リミテッ ド製) 2-3-3.前処理に使用した器具および装置 a)チャック付きポリ袋:ユニパック③(株式会社生産 日本社製) b)歯科用エンジン :サーク③(株式会社モリタ 製) C)ダイヤモンドディスク:形態番号61TD(株式会社 松風製) d)ダイヤモンドポイント:形態番号42Bおよび4b (株式会社松風製) e)小型超音波洗浄機 : BRANSONIC⑧12(帝人商 事株式会社製) f)大型超音波洗浄機 : N S超音波洗浄機(株式会 社日本精機製作所製). Sample solution. g)乾熱乾燥器. Fig. 1 Preparation of sample solution for determination. : DX58型(ヤマト科学株式 会社製). 185-.

(5) 186             市田:歯の微量金属濃度に関する衛生学的研究 h)共栓付耐熱試験官  PYREX① (岩城硝子株式 会社). あったことから,歯の微量金属測定のためにCaの影響 を検討した.まず,各元素同時分析の際の,希釈液にお. i)超分解能分析用電子天秤: METTLER ㊨ AE IOO型. けるCaの影響をみるため,キュベット内に標準夜を,. (日本シイベルへグナー. Cr, Mn, Pb20ppb, Ni, Co40ppb, Cu, Cd, Zn. 株式会社製). は各々200ppb, lOppb, 4OOppbに調整して庄人後, Ca. j)ヒーティングブロック:HF-61型(ヤマト科学株. 標準液IOOOppmも注入し共存させ,その回収率を検討. 式会社製) 214 微量金属の測定方法 2-4-1標準液および試薬. Table 2 RecoverytestforCr, Ni, Co, Cu, Mn, Pb, Cd, Zn (Ca solution added). 微室金属標準液:原子吸光分析用(標準液の種嚢; Cr, Ni, Co, Cu, Mn, Pb, Cd, Zn, Ca標準液, 和光純薬工業株式会社製). Cr ad d ed (p p b ). なお,測定に使用した各種呆臭楽は,微室金属測定の ため,すべて超音波洗浄し,ダイアモンドディスク,ダ イアモンドポイント以外の器具については, 19%硝酸液. 20. Ni Co. Cu M n Pb Cd. 40. 200. 20. 20. Zn. 10 400. F ou n d (p p b ) 19.8 39.6 33.6 212 27.2 12.4 12.8 360 R eco ver y. 106 136. 62 128. に一晩浸漬し十分に水洗後,すべての器異に前述の精製 水を通した後使用した。. Table 3 RecoverytestforCr, Ni, Co, Cu, Mn, Pb, Cd, Zn (Sample solution added). 2 - 4 - 2 多元素同時測定原子吸光分光光度計につい て. Cr. 1)本刺定装置について. a d d ed (pp b ). 本研究では,多元素同時測定可能な原子吸光光度計 (多元素同時測定原子吸光分光光度計 日立Z -9000形) を使用した。本装置の特徴は, 1回の測定で4元素同時 測定できる点であるo当教室で以前使用していた従来型 (偏光ゼーマン原子吸光分光光度計 日立180-βO形)で は, 10に1元素のみの測定で,複数の元素濃度測定で はその数だけ操作を繰り返す必要があった。本装置の場 合は Hollow Cathode Lampを灰化温度の高い方よ り8本まで装壊でき,灰化鑑度の高い4元素(Cr, m, Co, Cu)をグループ1,濫度の低い4元素(Mn, Pb, Cd, Zn)をグループ2とした。すなわち1回の測定で 4元素同時に測定し,続いて残りの4元素を測定して, 8元素まで自動測定することができた。また,本測定装 置はHollow Cathode Lampの光軸調整,光量バラン ス調整および測定試料濃度算出を自動的に行い,作業能 率と,測定に費やす労力の省力化が大幅に向上した.特 に歯のように試料の容量が限られている場合,多種類の 金属濃度を従来型で測定するには,長時間を要し困柴で あった。今回著者は,この原子吸光装置を用いて,比較 的容易に歯賛中微量金属濃度を測定することができた0 2)削定方法の検討 測定の際は,前述の溶液を精製水にて希釈し,測定用 の試料希釈液(以下希釈液とする)として,多元素同時 測定した。なお,従来は尿,血液についての分析が主で ∼186. 20. N i Co 40. Cu M n Pb Cd. 40 200. F ou n d (p p b ) 19.. 20. 20. Zn. 10. 196 21.0 19.4 9.8. R eco very. 97. 98 105. 97. Table4 -(a) Recovery test for Cr, Ni, Co, Cu, Mn, Pb, Cd,Zn E n a m el. a d d ed (p p b ). Cr. N i. 1. 1. Co 0.5. Cu. M n. Pb. 5. 2. 5. Cd 0.1. Zn 100. >-i h m ean 99.4 99.5 100.6 98.4 100.0 98.8 98.0 100.5 Q> (% ) > ○ U Qj SD 2.6 2.5 4.7 2.1 3.3 3.8 4.2 4 ' Dj Table4 - b D en tm Cr a d d ed (p p b ) >、 ち m ean C) (% ) > ○ ⊂ 〉 こ J SD Pj. 1. Ni 1. Co. Cu. 0.5. 2. 3.9 100.0 97.0 98.4 3.8. 3.7. 2.5. M n. 2.6. 99.0 3.2. Pb 5. Cd. Zn. 0.1. 100. 99.8 98.0. 98.6. 2.9. 4.2. 2.1. (n-10).

(6) 187. 歯科学報 Vol. 92, No. 1 (1992) Table 5 Temperature program of analysis. G roup 2 (M n ,P b,C d ,Zn). G roup l (C r,N i,Co ,Cu) N 0.. 1 2 3 4. Stage. Tem Start perat  ̄ ure 霊. D ry D ry D ry. 50 90 110. A sh. Stage. Ti (sec) m e. 90 110 120 600. 20. D ry. 15. D ry. 10. D ry. 30. TSt emart p erat  ̄ ure E (ー C nま. 90. 20. 110. 15. 110. 120. 10. A sh. 400. 400. 30. 2800. 2800. 3000. 3000. 5. A tom. 2950. 2950. A tom. 6. C lean. 3000. 3000. C lean. 50. T (sec) im e. し, Table2に示したo その成績では, Caにより. を行い,その成績を本文中に記載した。さらに,各標本. Mn, Cdに回収率の増加を認め, Co, Pbについては. 集団における相関係数を,試料中のそれぞれの金属濃度 問において検討し示した。. 回収率の低下を認めた。そこで今回の歯の微量金属測定 には, Caと共に共存元素の影響も考えられることか ら,試料溶夜に輝準溶液を添加して吸光度を測定し, E] 的元素濃度を求める標準添加法28)29)を採用し,再び回収. III 成    績. 次に,砿郵賛および象牙質の試料測定時の微量金属濃. 本研究は,永久歯竜郷賛および象牙寛の放室金属濃度 を検討するため,前述の方法で歯薯を分離した試料歯に っいて, 8微量金属濃度(Cr, Ni, Co, Cu, Mn, pb, Cd, Zn)を測定し,各試料歯の乾燥重室1 g当た. 度を考え,蒐髄質,象牙賛灰化試料溶液それぞれに8元. りの含有室として算出した。その成績では,まず全試料. 素を,歯に含有される濃度に近い室を添加した。すなわ. 歯について,克郵賛,象牙質の微量金属濃度を示し,そ の結果から試料中金属薦度間の相関関係を検討した。ま た,いずれの金属濃度も対数正塊様分布を示しているの で,以下統計処理において対数値で比較したoなお,棉. 率を求めたところ, Table 3に示したように良好な成 績を待た。. ち,被験試料には10歯を用い, Cr, Niについては1 ppb, Co, Cu, Mn, Pb, Cd,Znについては各々0.5 ppb, 5ppb, 2ppb, 5ppb, 0.lppb, lOOppbの各濃度. が待られた。従って,本測定には,Caによる影響を補正. 関関係については,その相関の有意性が0. 1%危険率の ものを*心に論じた。次に第三大臼歯における微量金属 濃度について,前述の萌出状態による3グループに分致. する酎勺から,すべての試料測定に標準添加法を用いた。. し,各々の克郵覚と象牙質の8放室金属濃度の相違を追. になるよう調整し,共存させ標準添加法を用いて回収率 を求めたところ, Table 4に示したように良好な結果. また,本研究で用いた原子吸光光度計の歯嚢中微量金 属濃度測定における検出限界を求めたところ30)各金属. Table 6 Levels of trace metals in teeth. の検出限界はCr 0.lppb, Ni 0.lppb, Co 0.2ppb, D en tin. E n a m el (Vg /g ). Cu 0.5ppb, Mn 0.5ppb, Pb 0.2ppb, Cd 0.06ppb,. M ea n. Zn 0.4ppbであった。 なお,測定の際の最適条件は本装置における,乾燥,. Or. 1.9. 灰化および原子化時の濫度と時間を各種検討した結果,. N i. Table 5に示した測定条件で,最大ピークが得られた. C0. ため,この条件を採用した。 2-5 統計解析について. SD. G M. G SD. M e an. SD. (u g /g ) G M. G SD. 1.4. 1. 5. 2.0. 1.8. 1.5. 1.3. 2.. 工. 3.8. 0.7. 2. 3. 工4. 1.2. 1.0. 2.3. 0.9. 0.9. 0.7. 2. 1. 1.0. 0. 8. 0.8. 2.2. Cu. 6.2. 4.0. 4.8. 2.2. 4.5. 3.4. 3.3. 2.5. M n. 3.3. 1.3. 3.l. l.5. 2.8. 1.3. 2. 5. 工6. 本研究で得られたデータを統計処理するため,各集団. Pb. 2. 5. 2.5. 1.. 3.4. 3.7. 3.0. 3.. の mean, standard deviation (SD), geometric. Cd. 0.3. 0. 1. 0.2. 1.6. 0.1. 0.1. 3. 2. 56.7 114.9. 1.5. mean(GM), geometric standard deviation (GSD) を各Tableに示した。また,有意性の検討ではt検定 -187. Zn. 230.7 120. 8 213.4. 0.2. 1.4 125.8. (n-100).

(7) 188. 市田:歯の微室金属濃度に関する衛生学的研究. -1  0.2 1 -1 -0.15 0.7 -1 -0.2  0.8 -0.097 0.623 1.343 (〃g/g). Fig. 2 Histogram of trace metals levels in enamel of teeth (n-100). -0.05 0.71 -1   0.54 1.42 (〟 g/g). GM 0.1 GSD 3.2. 0.38 1.3 -2 -1.1 0.1 1.6192.039 2.599 (〟 g/g). Fig. 3 Histogram of trace metals levels in dentin of teeth (n-100). -188.

(8) 歯科学報 Vol. 92, No. 1 (1992). 189. Table 7 Correlation coefficients in trace metals levels in teeth D en tin Cr Cr. Il all Il ) 己 Cd 己 【 i]. Ni. 0.321***. Co. Cu. M n. 0.131. 0.079. 0.171. - 0.137. 0. 019. C0. 0.087. 0.036. 0.006. 0. 142. 3.226 '. 0. 198*. 0.083. Cu. 0.418'. ー0.108. 0.222'. 0.443****. 0.2 75*. 0.253*. 0.343****. M n. 0.378****. - 0.176. 0.214*. 0.359**<. 0. 393****. 0.3 17** *. 0.486****. Pb. 0.399* ***. - 0.073. 0.166. 0.360***. 0. 364". 0.348*. 0.419***. - 0.096. 0.343* ***. 0.091. 0.048. 0.250*. 0.327*. 0.374****. - 0.190. - 0.072. 0.021. - 0. 026. 0.235* - 0.082. 0. 12 8. 0.230* - 0.0 12. 0.360****. Zn. ー0.092. Zn. 0. 422 *i. Cd. N i. Cd. 0. 319***. Pb. - 0.022. - 0.009. - 0.182 0.101 0.082 - 0.178 0.011. 0.167. p<0.05, **: p<0.01,  p<0.005, ****: p<0.001 (n=100) Table 8 Correlation coefficients m trace metals levels in teeth E n a m el r. D e n tm r. C r - N i. 0.206*. 0.006. C r - C o. 0.416*. 0 . 5 0 4 =-. C r - Cu. 0.309*. 0.613". C r - M n. 0.207*. 0.494*". C r - Pb. 0.315**. 0.381****. Cr - C d. 0.415****. C r ー Zn. 0.185. N i - C o. - O.. 0.451**** - 0.103 0.076. N i - C u. 0.004. 0.032. N i - M n. 0.074. 0.213*. N i - P b. - 0.035. 0.035. N i - C d. 0.097. ー0 . 0 3 4. N i - Zn. 0 . 10 9. -0 . 0 3 5. Co - C u. 0. 0 0 3. Co - M n. 】0 . 0 0 3. 0.231*. Co - P b. 0. 0 0 9. 0.207*. Co - C d. 1. 0 0 1. 0.237*. C o - Zn. 0. 1 5 1. 0.07 1. C u - M n. 0. 5 3 1 * * * *. 0.436****. C u - Pb. 0. 4 8 6 * * * *. 0.446****. C u - C d. 0.533*. C u - Zn. - 0. 0 3 5. 室金属濃度と,男女間の有意差について検討し,年麻群 による東郷覚,象牙薯の8微量金属濃度の違いについて も述べたoなお,上下顎に分けた成績について,それぞ れ8微室金属濃度の有意差を検討したが,特にその差を 認めなかったので,測定成績を示すにとどめた。. 0. 4 4 9 *. 0.486****. 0. 5 3 3 *. M n - C d. 0 . 4 1、3 * * * *. 0. 5 9 0 * * '. M n - Zn. 0.188. 0. 06 3. ). 5 7 1 * * * *. 金属濃度の成績を示し,その違いを比較した。次に,寡 三大臼歯とそれ以外の歯について,両者の違いを明らか にし,さらに男女間の性差による琉球薯,象牙寛の8微. - 0.040. M n - P b. P b - C d. 及した。さらに第三大臼歯以外の歯種34歯について微量. 0.457****. 3 - 1全試料における寓球宴と象牙寛の微量金属濃度 について 本研究で測定した全試料の成績を, Table 6に示し. 0. 4 9 0 * * * *. P b - Zn. - 0.007. - 0. 0 08. た。その中で璃郵質は, Cr1.9, Nil.0, Coo.9, Cu. C d - Zn. 0.111. 0. 0 2 0. 6.2, Mn3.3, Pb2.5, Cd0.3, Zn230.7,象牙宴で は Cr1.8, Nil.4, Col.0, Cu4.5, Mn2.8, Pb. ・: p<0.05, **: P<0.01, : P<0.005,. t.6, Cd 0.2, Zn 125.8の各Ii-glgであった.また,. ・*** : p <0.001        (n-100) 189.

(9) 市田:歯の微室金属濃度に関する衛生学的研究. loo. Fig. 2, 3には琉球賛,象牙寛における8微量金属濃 度の対数ヒストグラムを示した。この中で各金属とも対. Table 10-(a) Levels of trace metals in third molars. 数正塊様分布が見られたため,統計処理については,対. n o rm ally eru p ted th ird m o lars. 数値で行った。さらにFig. 4には,前述の成績と有意 差を示し,その成績からCu, Mn, Znは,寓瑚質で有. E n a m el Cugv g ) M ean. 意に高く,特にCu, Znは, 0.1%危険率で有意な差が 見られたo また, Pbは象牙質に高く 11%危険率で 有意差を認めた。なお,嶺郵寛と象牙質問での,同一金 属問における相関関係は, Table7で示したように Cu, Mn, Pb, Cdにおいていずれも0.1%の危険率で. SD. G SI 〕M ea n. SD. G M. G SD. Cr. 1.5. 1.0. 1.2. 2.0. 1.9. 上6. 1.4. 2.3. N i. 0.7. 0.5. 0.5. 2.5. 1.1. 0. 7. 0.9. 2. 1. C0. 0.8. 0.9. 0.6. 2.3. 1.2. 0. 6. 1.0. 1.. 3.4. 4.4. 2.0. t.0. 2. 6. 3.0. 2.3. Cu. 正の相関を示した。また,璃球宴Cr-象牙寛Mn・ Cd,竜郷質Cu-象牙質Cr・Cd,克郵賛Mn-象牙賛 Cr・Cu・Cd,琉球薯Pb-象牙質Cr・Cu.Mn Cd,雇球宴Cd-象牙質Cr詛Mn問においても0. 1%危. G M. D en tin G"gV g ). M n. 3.2. 1.1. 3.0. 1.4. 2.7. 1. 7. 2.3. 1.. Pb. 2.0. 1.8. 1.2. 3.1. 1.0. 2. 7. 2.8. 2.9. Cd. 0.2. 1 1. 0.2. 1.5. 0. 2. 0. 1. 0.1. 3.3. 67. 1 119.9. 1.6. Z n 252.4 136.5 223.4. 1.6 133. 6. (n-23). 険率で正の相関を認めた。さらに, Table 8には克鄭 薯と象牙宴それぞれの中での,異種金属問の相関係数を 表し, Cr-Co, Cr-Cd, Cu-Mn, Cu-Pb, Cu. Table10- b. Cd, Mn-Pb, Mn-Cd, Pb-Cd問では,砿郷質, 象牙薯ともに0. 1%危険率で正の相関が見られた0 3 - 2 第三大臼歯における教室金属濃度の差について 本研究では特に,第三大臼歯を中心に採取したが,第. p artly eru p ted th ird m ola rs E n a m el (〃gゾg ) M ea n. 三大臼歯は他の歯に比べ萌出時期が遅く,上健によれ ば,およそ19-22歳としている24)また,一部の第三大 臼歯は全く繭出しないこともあり,第三大臼歯の数量金 属濃度は,環境からの金属暴露に対して,他の歯種とは. SD. 成績を示し,それらを3グループに分けた各々の成績を TablelOに示すo また Table ll-16には,各グルー プにおける金属問の相関関係を表した。さらに3-2-. D entm. G SD. M ean. SD. (〃g /g ) G M. G SD. Cr. 2.l. l. 7. 1.6. 2. 1. 工5. 1.6. 1.0. 2.5. N i. L O. O.8. 0. 7. 2.2. 工5. 1.l. l.1. 2.4. C0. 工0. 上0. 0.8. 2. 1. 0.9. 0.9. 0.7. 2`3. Cu. 5. 9. 3. 7. 4.7. 2. 1. 4.6. 4.0. 3.0. 2. 9. 1.2. 2.7. 1.5. 2.2. 0.7. 2.l. l.. M n. 異なった特徴を有していると考えられる。そこで, Table 9には,第三大臼歯66本の微室金属濃度の測定. GM. Pb. 2. 5. 2.4. 1.3. 3.6. 3.6. 3.1. 2.0. 3.. Cd. 0.3. 0. 1. 0.2. 1.6. 0.1. 0.1. 0.1. 3. 6. 57.6 109.2. 1. 6. Zn. 2 43.5 174.9 2 16.8. 1.5 12工2. (n-30). Table10- c) Table 9 Levels of trace metals in third molars E n a m el (p g /g ) M ea n. SD. GM. D en tm. G S I〕M ean. SD. u n eru pted th ird m o lr s E n am el O g /g ). (fig /g ) G M. M e an. G SD. SD. G M. D en tin. G SD. M ean. SD. (p s /g ) G M. G SD. Cr. 1.8. 1.4. 1.. 1.8. 工. 1.2. 2.5. Cr. 工7. 1.0. 1.5. 1.. 2.2. 1.8. 1.5. 2.7. Ni. 0.9. 0.7. 0. 6. 2.3. 工3. 1.0. 1.0. 2.2. Ni. 0.9. 0.6. 0.7. 2.2. 1.2. 0.8. 0.9. 2.2. C0. 0.9. 0.9. 0. 7. 2. 1. 1.0. 0.7. 0.8. 2.1. C0. ).9. 0.6. 0.7. 工8. 1 5. 0.7. 2.1. Cu. 5.6. 3.6. 4. 3. 2.2. 1.2. 3.2. 3.1. 2.4. Cu. 5.0. 4.1. 3. 5. 2.6. 6.9. 4.5. 5.7. 1.9. M n. 3.0. 工1. 2.8. 1.5. 2.5. 1.3. 2.3. 上6. M Il. 2.9. 1.2. 2. 6. 1.6. 2.9. 1.2. 2.6. 1.6. Pb. 2.4. 2. 3. 1.4. 3.4. 4.1. 3.5. 2.5. 3.3. Pb. 2.9. 2. 7. 1.8. 3.2. 5.3. 3.6. 2.. Cd. 0.2. 0. 1. 0.2. 1.5. 0.2. 0.1. 0.1. 3.4. Cd. 0.2. 0. 1. 0.2. 1.7. 0.2. 0.2. 0.1. 2.9. 58.0 107.0. 1.6. Zn. 162.6. 32. 6 159.6. 1.2. 1.6. 14.7. 83.4. 1.2. Zn. 22上9 13 1. 7 203.2. 工5 118.3. (n-13). (n-66). 190.

(10) il妄il. 歯科学報 Vol. 92, No. 1 (1992). Table 12 Correlation coefficients in trace metals levels in partly erupted third molars. Table ll Correlation coefficients in trace metals levels in normally erupted third molars E n am el. D en tm. r Cr - N i Cr - Co C r - Cu Cr- M n C r  ̄Pb e l、. Cd. r. 0.326 0.318 0.780*" 0.351 0.391 0.605***. E n am el. D en tm. r. r. Cr - Ni. 0.260. 0. 149. Cr - Co. 0.556***. 0`560 *. 0. 562 *. Cr. Cu. 0.423*. 0.730 ****. 0. 471*. Cr- M n. 0.386*. 0.625 ****. 0.489*. C r - Pb. 0.460*. 0.471**. 0.414*. Or - Cd. 0.539***. - 0.293 ). 523 **. 0.596 ****. C r - Zn. 0.044. 0.011. C r - Zn. 0.104. - 0.175. N i- Co. - 0.272. ー0.280. Xi - Co. - 0.035. 1.386. N i - Cu. 0.225. - 0.241. N i- Cu. 0.082. 0.065. N i- M n. - 0.123. - 0.328. N i- M n. 0.160. 0.420*. N i- Pb. - 0.220. - 0.404. X i - Pb. 0. 166. 0.157. N i- Cd. 0.007. 【0.419*. N i 】C d. 0. 188. ).173. N i - Zn. - 0.357. - 0.222. K i - Zn. 0.027. 0.182. Co - C u. 0.24 1. 0.378. C 0 】C u. 0`3 12. 0.544*. Co - M n. 0. 129. 0.036. Co -M n. 0. 165. 0.420*. Co - Pb. 0.253. Co - P b. 0.2 71. 0.464**. Co - Cd. 0. 16 7. 0.317. Co ^ Cd. - 0.0 75. 0.215. 0.375. C o - Zn. 0. 175. 0.046. C o - Zn. - o.. - O.. Cu- M n. 0. 501*. 0.318. Cu- M n. 0. 659****. 0.655***'. Cu - Pb. 0. 64 5*'. 0.191. Cu - Pb. 0.516***. 0.560***. Cu - Cd. 0. 618*. ).461*. Cu - Cd. 0.412*. 0. 184. C u 二Z n. - 0.018. 0.446 * - 0.242. C u ーZ n. - 0. 075. M n " Pb. 0.408. 0.6 19 ** *. M n 】P b. 0.463**. M n- Cd. 0.155. 0.63 1***. M n- Cd. 0.510*=-. M n - Zn. 0.231. 0.2 78. M n - Zn. 0.153. Pb - Cd. 0.758****. 0.559 **. P b - Cd. 0.574****. P b - Zn. 0.139. 0. 156. P b - Zn. 0.009. - 0.229. C d - Zn. 0.149. 0. 508. C d - Zn. 0.018. - 0.33 9. ・ : P<0.05,. 0.487 ** 0.694 * 】0.2 13 0.320. ・ :p<0.05,**:P<0.01,***:P<0.005,. : P<0.01,***: P<0.005,. : pく0.001      (n-30). P <0.001       (n-23). 1では第三大臼歯の克瑚賛微室金属濃度について検討. れた。同様に正常新出歯のZn濃度は223.Afig/gで,. し, 3 - 2 - 2では第三大日菌の象牙質金属濃度につい. 埋伏歯との間に1 %危険率で有意な差を認めた。また,. て検討した.また, 3-2-3では寓球宴と象牙質の金. 克郵寛における各金属濃度間の相関関係では,正常所出. 属の相関関係について言及した。. 歯のCr-Cu, Cu-Pb, Pb-Cdそれぞれの金属濃度. 3 - 2 - 1第三大臼歯の寓廊質微量金属濃度について. 問において0. 1%危険率で正の相関を示し(Table ll),. 第三大臼歯を前述のように新出状態によって3グルー. 不完全厘伏歯については, Cu-Mn, Pb-Cd間におい. プに分け,克郵寛の微量金属濃度について各グループを. て, 0. 1%危険率で正の相関が見られた(Table 12)。さ. 比較した。 TablelOで示したようにZn濃度は,対数値. らに埋伏歯は, Co-Zn, Cd-Zn間に5%危険率で負. でみると不完全埋伏歯が216.8〃g/gに対して,埋伏歯. の相関を認め, Cu-Cd, Mn-Pb, Pb-Cd間では5. は159.6fig/gで,両者には5 %危険率の有意差がみら. %危険率で正の相関を示した(Table 13)。 191.

(11) 市田:歯の放量金属濃度に関する衛生学的研究. 192. %危険率の正の相関が待られた。また, Table 12に. Table 13 Correlation coefficients in trace metals levels in unerupted third molars. Cr - N i. E n am el. I〕 en tm. r. r. - 0.4 57 0.432. 0.635". Cv - Cu. 0.382. 0.135. Cr- M n. 0.243. 0.216. Cr - Pb. 0.4 75. 「 0.133. Cr - Cd. 0`4 79. ー0.155. C r - Zn. - 0.344. ー0.286. N i ーC0. - 0. 107. 0.104. Ni- Cu. ー0.405. - 0.204. N i ーM n. - 0.374. 0.354. N i- Pb. - O.in. - o.ooi. N i- Cd. - 0.426. - 0.072. N i - Zn. 0.268. 0.132. Co - C u. - 0.241. 0.172. Co - M n. - 0.045. - 0.051. C o - Pb. 0.209. - 0. 02 3. C o - Cd. 0.017. - 0. 062. C o - Zn. - 0.566=-. ー0. 182. 0.395. C u - Pb. ー0.039. C u - Cd C u ーZ n. 0.639* - 0.394. 正常所出歯では,克球宴Cu-象牙質Cr濃度間にお いて, 0. 1%危険率で正の相関が見られ,璃鄭繋Cr-象 牙薯Cr,琉球賛Mn-象牙質Cd,琉球賛Cd一象牙薯 Crそれぞれの金属濃度間においては0. 5%危険率で正の 相関が待られた(Table 14)c さらに,不完全埋伏歯で は,克郵賛Cr-象牙質Cd,克鄭質Cu-象牙賛Cr, 克郵賛Mn-象牙薯Cd,琉球薯Cd一象牙薯Cdの各金 属濃度間において 11%の危険率で正の相関を示した (Table 15)t また,埋伏歯の成績では,砿瑚薯の金属 と象牙宴の金属間に著明な相関関係を認めなかったO し かし5%の危険率で砿球宴Cr-象牙繋Cu・Pb,斑鄭 賛Co一象牙賛Zn,克球宴Mn-象牙質Cd,克球宴 Pb-象牙質Pb・Cdそれぞれの金属濃度間に,正の相. 0. 714 ***. 関が待られ,東郷質Ni-象牙薯Mn,克鄭賛Mn-象 牙質Ni,克球宴Pb-象牙薯Ni,竜郷賛Cd一象牙質 Coの間では負の相関を認めた(Table 16)。 3 I 3 第三大臼歯以外の歯種における数量金属漉度に ついて. 0.4 97 0. 011. 0.543*. 0`450. M n- Cd. 0.478. 0.43 1. M n - Zn. - 0.075. ー0. 170. 0.552 *. 3 - 2 -3 第三大臼歯の砿鄭宴と象牙聾における金属 濃度問の相関関係について. 0.2 96. M n- Pb. P b ーC d. 伏歯における相関性を検討した成績であるが, Pb-Cd 間は0. 1%危険率, Cu-Pb問では0. 5%危険率で各々正 の相関を示した。. 〕0.177. C r - Co. C u ーM n. は,不完全厘伏歯の成績を示し, Cr-Cu, Cr-Mn, Cr-Cd, Cu-Mn, Mn-Cd各々の金属間で, 0.1% 危険率で正の相関が見られた。一方, Table 13は,哩. 本研究では,第三大臼歯の数量金属濃度を中心に測定 した。従って,それらの特徴を明確にするには,対象と なる第三大臼歯以外の歯についても検討が必要である。. 0.84 1****. P b - Zn. - 0.045. 】0.080. C d - Zn. - 0. 53 7". - 0.517. これまでの先人達の多くの研究報吾は,主に乳歯,前 歯,小臼歯,第一・第二大臼歯が用いられてきた10)18)19)。 しかしながら,これらの歯種は,まれに厘伏状態で経過 することもあるが,成人に達する以前に繭出し,唆合を 営む。そのため,これらの歯種と第三大臼歯とではそれ. * :P<0.05,**:p<0.01,***:Pく0.005, ・***: P<0.001        (n-13). 3 - 2 - 2 第三大臼歯の象牙賛教室金属濃度について 象牙賛においても, TablelOで示したようにZn濃度. ぞれ違った特徴を有していると思われ,対象として第三 大臼歯以外の歯34歯についても測定し,その成績を Table 17に示した.なお, Table 18, 19には,第三大. が対数値で不完全埋伏歯109.2ng/gに対し,埋伏歯 3. A/ig/gの成績が待られ,両者の間では5 %危険率で 有意な差を示した。また,正常所出歯でもZn濃度が. 臼歯以外の歯種における各金属濃度の相関関係を示した が, Table18では,琉球質Pb-象牙質Crにおいて0.5 %危険率で正の相関が見られ, Table 19では,克球宴 のNi-Zn, Cu-Pb, Mn-Pb問,および象牙寛の Cr-Cu, Cu-Cdの各金属濃度問に0. 1%危険率で正 の相関を認めた。. 119.9fig/gで,埋伏歯との問に5 %危険率で有意差が 見られた。 次に,各金属濃度間の相関関係について検討を行った ところ,正常所出歯では, Tablellに示したように, Cr-Cu, Mn-Pb, Mn-Cdの各金属濃度間で, 0.5 192.

(12) 歯科学報 Vol. 92, No. 1 (1992). 193. Table 14 Correlation coefficients in trace metals levels in normally erupted third molars D en tm C r C r. Tll.lQ j 己 Cd 己 Ei]. 0.589***. N i. C o. Cu. M n. P b. - 0.179. 0. 060. 0.353. 0.306. 1 394. - 0. 115. 3.308. 3. 158. 0.0 72. - 0.047. - 0.257. - 0.014. - 0. 016. 】0. 02 0. 0.065. 0.333. 0.285. 0.187. 0.459*. 3.456*. 0.542**. C d. Zn. N i. - 0.009. C 0. 0.138. C u. 0.704****. - 0.. 1 2 54. 1 495 *. 0.367. M n. 0.311. 】0.450. 1 23 7. 1 34 7. 0.373. 0.621***. 1 186. Pb. 0.553**. - 0.401. 1 34 0. 1 149. 0.411. 0.426*. 1 479'. 0. 091. Cd. 0.581***. 】0.012. 1 163. 3. 143. 0.394. 0.320. 0.253. - 0.22 7. Zn. 0.164. - 0.308. 1 12 9. 3.264. 3.299. 0.014. 0.148. 3. 122. ・: p<0.05, **: p<0.01,. 0. 084 - 0. 128. : p<0.005, : p<、).001 (n=23). Table 15 Correlation coefficients in trace metals levels in partly erupted third molars D en tm Cr Cr. rll lll 1 こ J s Cd 己 【 司. ).459*. Ni. Co. Cu. M n. ].452 *. 505 *. Pb 105. Cd. Zn. 0.050. 1 059. N i. 0.007. - 0.052. - 0. 150. 1 042. 0.281. - 0.069. 0.651**** " 0.385* 0.121. 0. 078. C0. 0.288. 】0.002. 0. 147. 1 3 56. 0.218. 3.240. 0.248. - 0. 056. Cu. 0.613*. 0.015. 0. 396*. 0. 556***. 0.474". 0.416*. 0.563*. M n. 0.537*. 0.013. 0. 339. 0.368 *. 0. 500 ***. 0.222. 0.572*. - 0. 218. Pb. 0.521*=". 0.077. 0. 291. 0.3 67. 0.473*". 0.216. 0.560*. - 0. 187 、. Cd. 0.383*. 0.159. 0. 181. 1 196. 1 441*. 0.053. 一0.262. - 0. 036. - 0. 005. Zn. - 0.138. - 0.090. - 0.031. -0.521*. ⊥ 659**** " 0.383* 0.141. 0. 056. *:p<0.05, **: p<0.01, ***:P<0.005, ****:p<0.001 (n=30). Table 16 Correlation coefficients in trace metals levels in unerupted third molars D en tm. rlづ CD ∈ Cd G =己. Cr. Ni. Co. Cu. Or. - 0.179. 一0.233. - 0.314. N i. - 0.356. 0.040. 】0.249. 一).32 4. Pb. Cd 0.391. 0.189. - 0.368. - 0.293. C0. 】0.375. 0.022. 】0.091. 0.152. 0.347. 3. 124. 3.284. 】0.032. Cu. - 0.070. - 0.027. - 0.156. 0.346. 0.282. 0.308. 0.469. - 0.358. 0. 624 '. M n 0.264 0.56 1*. 0.591*. M n. 171. 1 611*. 0.064. 0.500. 0.223. I 593*. - 0.519. Pb. - 0.323. - 0.552*. - 0.422. 0.356. 0.086. 0.598*. 0.595*. 一0.134. Cd. - 0.308. - 0.443. - 0.537*. 0.147. 0.175. 3.296. 1 481. - 0.333. Zn. 0.293. 0.074. - 0.167. - 0.136. - 0. 141. - 0.117. - 0.181. 0.185. 440. Zn. *:p<0.05, **:p<0.01, :p<0.005, ****: p<0.001 (n=13). 3-4 第三大白歯(66歯)と,その他の歯種における微  ついて有意差が見られ, Znは0.1%危険率, Cuは0.5 妄金属濃度の差について               %危険率, Mnでは1 %危険率で各々有意差を認めた。 第三大臼歯とその他の歯種における,微室金属濃度に  また,象牙質ではPb, Znにおいて有意な差がみら っいて有意差を検討したところ,東郷質・象牙質共に第  れ,特にZnは0.1%危険率, Pbは0.5%危険率の有意 三大臼歯で低値を示し,竜郷賞では, Cu, Mn, Znに  差を示した(Table9, 17) 193.

(13) 市田:歯の微量金属濃度に関する衛庄学的研究. 194. Cd,克郵賛Cu-象牙寛Cu・Cd,克郵質Mn-象牙賛 Cd,克髄質Pb-象牙質Cdの各金属濃度問において. Table17 Levels of trace metals in teeth except third molars E n a m el (〃 g /g ) M ean. SD. G M. D en tm. G S D M ea n. 0. 1%危険率で正の相関を認めた(Table 21)。さらに, Table 23には克郵質と象牙薯各々の,異種金属問の相 関係数を示した。特にこの中の, Cr-Co, Mn-Pb問. (〃g /g ). S I〕 G M. G SD. Cr. 1.9. 工5. 1.5. 2.1. 1. 9. 上. 1. 5. 2. 1. N i. 1.2. 1.0. 0.9. 2.. 1. 5. 上6. 1. 0. 2.4. C0. 0.9. 0.8. 0.7. 2.1. L O. O.9. 0.8. 2.2. Cu. 7.3. 4.4. 5.8. 2. 1. 5. 0. 3.6. 3.6. 2.. M n. 3.9. 1.4. 3.6. 1.4. 3.2. 1.. 9i,d L 0. L 6. Pb. 2.8. 3.0. 1.5. 3.4. 5.4. 4.1. 2.2. Cd. 0.3. 0.2. 0. 3. 1.. 0.2. 0.1. 3.. 95.8 234. 6. 1.. 14 0.4. 52.1 132.l. l.. Zn. 247.7. 0.1. において克鄭賛,象牙質ともに0. 1%危険率で正の相関 を示したo また,竜郷賛Cr-Cd,象牙賛Cr-Cu, Cr -Mn, Co-Cu, Cu-Mn, Cu-Pb, Cu-Cd, Mn -Cd,の各金属濃度間においても, 0. 1%危険率で正の 相関を認めた。 女性52歯について同じ検討を行った結果,電球薯Cu -象牙質Cr,克鄭賛Mn-象牙質Mn・Cd,竜郷質 Pb一象牙賛Cr,癌鄭質Cd一象牙寛Mnにおいて0.1 %危険率で正の相関が待られた(Table 22)。また, Table23ではCu-Cd, Mn-Pb, Mn-Cd, Pb-Cd. (n-34). 3 I 5 男性と女性における歯の教室金属濃度の差につ いて. の各金属問で,克球宴,象牙質ともに0. 1%危険率の正 の相関を認めた。同じく,珪瑚薯のCu-Mn, CuPb,象牙質におけるCr-Cu, Cr-Mn, Cr-Cdでも. 今回の研究に用いた全試料のうち,男性は48歯で女性. ). 1%危険率で正の相関を示した。 3 - 6 年麻と歯の微量金属濃度との関係について 今回測定した試料歯は,第三大臼歯を主に収集したた. は52歯であった。 Table 20には,男女の微量金属濃度 を示し,その成績から,雇球宴,象牙質における男女間 の有意差を検定したところ,特にZn濃度は,竜郷質, 象牙薯ともに, 0.1%危険率で有意な差を示し,対数値. め, Table lで示したように抜去の適応となった年齢 は20代が中心で,各年齢別に細分すると20代以外の年齢 群では例数が少なくなるo このため,加齢による微量金. でみると克鄭薯では男198.7mg/g,女227.9fig/g,象 牙質は男111. 9vg/g,女m.8fig/gで女性に高い値を 示した.また, Cu濃度は琉球質において0.1%危険率. 属濃度への影響を検討するにあたり,全体を10代, 20代 の低年麻群53歯と30代, 40代, 50代の高年麻群47歯の2 グループに大別し,検討を加えた。 Table 24には,低 年歯群と高年麻群の微量金属濃度の成績を示した。ま. で男性に高く,対数値で男5.9/zg/g,女4.00g/gで あった。さらにPb濃度は象牙質において0.5%危険率 で男性に高く,男1.Ofig/g,女2.3ug/gの結果を待 た。. た,同一金属濃度で2グループ間の有意差検定を行った ところ,克廊薯では特に有意な差は見られなかったが, 象牙質では, Mn, Pb, Znで有意差を認めた。その中. 次に,男性48歯の克知嚢と象牙薯間での金属濃度の相 関関係を検討したところ,ま法鄭質Cr一象牙質Cu・. Table 18 Correlation coefficients in trace metals levels in teeth except third molars D entm C r. Illll l Qj Ej Cd 亡 i3. N i. C o. Cu. M n. P b. C d. Zn. C r. 0.257. 0.2 75. 178. 1 324. 0.073. -0.071. N i. 「 ).241. 1 315. - 0. 179. - 0.051. 0.132. 0.033. - 0.294. 0. 150. C 0. - 0.090. 3. 138. - 0.003. 0.001. 0.236. 3.125. ー0.126. 0.2 75. 0.057. - 0. 122. 1 314. - 0. 126. 3. 440'. - 0. 112. 0. 463**. C u. 0.3 57*. - 0. 124. 0.2 18. 0.366*. 0.062. M n. 0.2 79. 】0.0 17. 1 118. 0.393ォ. 3.308. P b. 0.5 03 ***. 0. 114. 120. 0.464**. C d. 0.4 15 *. 0.236. 3.045. Zn. 【 - 0.272. 0.447*. - 0.061. ].370* - 0.194. 367*. 】. 3.386*. 1 173. ).336. 0.245. 0.008. - 0.295 - 0.202. 0.058. p<0.05, **: p<0.01, ***: p<0.005, ****: p<0.001 (n-34) S%劉-.

(14) 歯科学報 Vol. 92, No. 1 (1992) Table 19 Correlation coefficients in trace metals levels in teeth except third molars E n a′ m e1. 0.148. 0.191. C r - C o. 0.327. 0.397*. C r - Cu. ∼ ).057. 0.691'. 】0.017. M ea n. Ni C0. 1.0. Cu. 7.2. - 0.207. 0.240. 0.009. Pb. 0.075. Cd. N i- M n. 0.170. 0.488**1. Z n 205.6. N i - Pb. - 0.131. 1.289. N i - C d. 0.049. 0.007. N i - Zn. 0.550****. 3.1. - 0.330. 0.507*. Co - M n. - 0.198. 0.370*. Co - P b. - 0.244. 0.139. Co - C d. ∼ ).033. 0.302. G SD. 2. 1. 1.9. 1.5. 1.4. 2.2. 0.6. 2. 1. 1.2. 0.9. 0.9. 2.2. 0.9. 0.8. 2.2. 1.0. 0.7. 0.8. 2.1. 2. 1. 4.8. 3.4. 3.5. 2.7. 1.. 2.7. 1.4. 2.4. 1.6. 3. 7. 5.4. 4.1. 4.0. 2.5. 1. 5. 0.2. 0.2. 0.1. 3.2. 52. 1 111.9. 1.5. 3.1. 5.9 3.2 工7 0.3. 1. 3 122. 1. 54.2 198`7. (n-<. Table 20fe m a le D e n tin. E n a m e l Q ig / g ). Co - Zn. 0.509'. C u - M n. 0.437*. 0.438*. Cu - P b. 0.647*i. 0.469*. C u 】C d. 0.489***. 0.552****. C r. 1.9. 1.6. 0.166. 0.030. N i. 1.1. 上0. Zn. G M. 】0.185. Co - C u. C u. SD. 工5. 2.. 0`. G S D M ean. 0.6. 1.2. - 0.227. GM. D en tin (〃r/g ). 工2. 3.9. M n. C u. N i. SD. 1.8. Cr. 0.507*'. 0.490***. N i - C o. E n a m el (ug /g ). 0.290. 0.211. C r ー Zn. m a le. 0`512***. 0.114. C r - C d. female human teeth. r. C r - N i. C r ー Pb. Table20 -(a) Levels of trace metals in male and. D en tm. V. C r ーM n. 195. 】0.150. M e an. SD. G SD. M ea n. 1.5. 2.. 1. 8. 工5. 1. 2. 2.5. 0.8. 2.. 1. 6. 上. 1. 2. 2.3. G M. SD. (〃g ゾg ) G M. G SD. M n - Pb. ).627 *. 0.473***. C 0. 0.8. 0.. 2.0. 上0. 0′. 1 O J. 0. 0.L L 0. M n - C d. 1.266. 0.477***. O u. 5.2. 3.. 2.2. 4. 2. 3.3. 3. 1. 2.4. M n - Zn. 0.086. 0.013. M n. 3.2. 1.4. 2.9. 上5. 2. 8. 上3. 2.5. 1.. P b - C d. 0.534 **. 0.487***. P b. 2.0. 2.0. 1.2. 3.0. 3.7. 3.2. 2.3. 3.2. 0.090. C d. 0.3. 1 1. 0.2. 1.. 0. 1. 0. 1. 3.4. 6 1. 0 1 1 7. 8. 1. 5. P b. - Z. - O.. C d - Zn. 0. 116. 0.178. Zn. 253.8 156.5 227.9. ). 1. 1.5 129.3. 塞 :pく0.05,**: P<0.01,***: P<0.005,. (n-52). ****: pく).oOl       (n=34). Table 21 Correlation coefficients in trace metals levels in male human teeth D entin C r C r. rlllll Qj ∈ Cd E= Fi]. 0.419*. N i 0.060. C o 0.309*. C u 0.498****. M n 0.4 64*豪. Pb 0.283*. 0.498*. - 0.131. - 0.015. 0.108. - 0.007. C 0. 0.、169. - 0.139. 0.179. 0.328*. 1 333 *. 3.234. 0.169. C u. 0.284'. 0.008. 0.254. 0.530'. 0.282 *. 0.257. 0.450'. M n. 0.274*. 0.371'. 0.449'. 0. 333*. 0.255. 0.469*. P b. 0.282*. - 0.059. 0.238. 0.454*. 0. 384*. 0.327 *. 0.530**. - 0.001. 1 138. 0.084. 0.331*. 0. 164. 1 116. 1 313*. 】0.168. 0. 147. " 0.304*. 0.104. 0.193. 0.2 24. 0.253. 0.128. C d Zn. - 0.153. Zn. N i. 蝣 0.321'. 0. 103. Cd. 0.074 0.039 - 0.034 0.042. 0.125. *: p<0.05, **: p<0.01,  p<0.005,   p<0.001 (n=. 9」差-.

(15) 市田:歯の放室金属濃度に関する衛生学的研究. 196. Table22 Correlation coefficients in trace metals levels in female human teeth D en tm C r. I< Qj Ej Cd 己 【 i]. N i. C u. M n. - 0.151. 0.123. 0.377*. - 0.212. - 0.031. 1 187. 0. 129. 】0.159. - 0.078. 0.133. 3. 133. - 0.049. - 0. 124. 3.187. 0.324'. 1 310*. 3. 162. 0.3 13 *. 】0.282*. Cr. 1.2 42. j.246. N i. - 0. 122. 0. 174. C 0. 0. 095. C u. ). 501サ. Co. P b. C d. Zn. 0. 223. 0.2 14. - 0.238. ー0. 016. 0.0 72. 0.107 1 139. M n. 0.4 39". 】0.032. 3.094. 0.234". 1 458". I 32 6*. 0.45 7****. - 0.013. P b. 0. 504 *. - 0.043. 0.093. 0.235. 0.364 ". 0.344 ". 0.397 ". - 0.181. C d. 0.443 ***. 0.090. 1 018. 1 170. 1 473 ****. 0.2 94 *. 1 423 ***. ー ).199. 0.119. ニ 015. - 0.149. Zn. ー0. 146. 0. 066. ー0.056. - 0.046. 1 185. : p<0.05, **:p<0.01, ***:p<0.005, ****: p<0.001 (n-52) Table 23 Correlation coefficients in trace metals levels in male and female human teeth m a le (n = z. Cr. 二 N i. Cr. fem a le (n = 52). E n a m el. D entm. E n am el. ]〕en tm. r. r. r. r. 0.062. 0.087. 。. 0.510*. 0.675****. 0.3 18 '. 0.341*. ).611****. 0.3 08 *. Cr. -. Cu. Cr. -. M n. Cr. ー Pb. Cr. -. Cr. ー Zn. N i. -. N i. -. ). 335*. ー0.024 ).377** ).619****. 0.146. 0.498*. 0.2 72 *. 0.506*. 0.383'. 0.294'. 0.252. 0.419*'. ).450'. 0.338*. 0.349 *. 0.174. 0. 080. ).207. Co. - 0.035. 0. 173. 0.049. 0.004. Cu. 0.159. ). 124. - 0.044. - 0.104. N i  ̄ M n. - 0. 065. - 0.0 16. 0.199. N i. -. - O. ooi. 0‥ 0 17. ∼ ).024. 0.138. Ni. 【 Cd. 0. 052. - o. n o. 0.156. 0.136. Zn. - 0. 092. 0.150. ).163. 0.043. Cu. 0. 090. 0.572****. - 0.137. 0. 350 *. M n. 0. 13 7. 0.343*. - 0.152. ). 138. N C。. -. Co. Cd. Pb. 0.519**** ー0.239. ).409***. Co. -. Pb. 0. 164. 1.258. - 0.034. ). 176. C0. 】 Cd. 0.247. 0.403*. - 0. 238. 0. 104. 0. 228. 0.039. C0. ー Zn. Cu. -. M n. Cu. -. Pb. 0.385*. C ti -. Cd. 0.405*. Cu. Zn. 0.061. Pb. 0.468****. ). 112 0.408***. ).206 0.559****. ). 607**. 0.3 18*. ).626*. ). 570****. 0.315*. ).469****. ). 62 1****. 】0.035. - 0.0 10. 0.473' - 0.038. M n. -. 0.559*. 0.504 =-. 0.578*. M n. ー Cd. ).119. 0.535 ****. 0.6 11****. 0.661****. M n. -. Zn. 1.232. 0.084. 0.2 12. 0.039. Pb. -. Cd. 0.420*. 0. 403 ***. 0.7 18***'. p ) Cd. -. ).556*. Zn. - 0.028. 0. 036. 0.050. ).040. Zn. 0.049. ). 095. 0.178. 1 006. P<0.05, **: P<0.01, ***: p<0.005, : P<0.001 196-----.

(16) 歯科学報 Vol. 92, No. 1 (1992). 197. Table24 -(a) Levels of trace metals in low and   で, Mnは0.5%危険率, Pb, Znでは0.1%危険率で有. 意な差が示され,いずれも高年齢群で高かった。. high age groups. 次にTable 25には,低年齢群, Table 26には高年麻. lo w a g e g ro u p (10 ̄20y ears old ). 群の歯掌中放室金属濃度の相関を示し, Table 27には, E n am el (〃 g /g ) M e an Ir. 1.7. N i C0. SD. G M. D en tm. G S D M ean. (〃 g 'g ). SD. G M. 低年麻群,高年薗群の克鄭繋,象牙質における微量金属. G S I〕. 濃度の相関関係を示したo この中で低年麻群はTable 25に示したように,東郷賛Cu・Mn・Pb一象牙薯Cd. 1.. 1. 3. 1. 9. 1.7. 工. 1.3. 2.3. ).8. 0.5. 0. 6. 2.2. 1.2. 0.9. 0.9. 2.2. 間で, 0.1%危険率の正の相関を認め,東郷質Mn-象. 0.8. 0.9. 0. 6. 2.2. 1.0. 0.8. 0.8. 2. 1. 牙質Cr・Mnの問でも0. 1%危険率で正の相関が見られ. Cu. ).1. 1 1. 4. 7. 2. 1. L2. 3.3. 3.0. 2.5. た。また, Table 27に示した低年m群での相関関係は,. M n. 3.3. 1.5. 3.. 1. 5. 2.4. 上1. 2.2. 工6. Cu-Mn, Cu-Pb, Cu-Cd, Mn-Pb間で,克郷. Pb. 2.3. 2.5. 1. 2. 3. 6. 3. 1. 2.5. 2.0. 3.3. Cd. 0.3. 0.2. 0.2. 1. 7. 0. 1. 0.1. 0.1. 3.6. 109.6. 56.6. 99.3. 1.5. Z n 235.9 141.2 216.l. l.. 質,象牙質ともに0.1%危険率で正の相関を示し,さら に,東郷薯ではPb-Cd間,象牙費では, Cr-Cu, Cr -Mn,Cr-Pb, Cr-Cd, Co-Cu, Mn-Cd間でも. (n-53). 0. 1%危険率の正相関を得た。 一方,高年麻群は, Table26で示したように,克鄭. Table 24-. 繋Cr-象牙質Cu・Mnで0.1%危険率の正の相関を認 h ig h a g e g ro u p (30 ̄ 50y ea rs o ld ) D en tm. E n a m el (V-g /g ) M ean. SD. G M. G S D M ea n. めた。また, Table 27においては, Cr-Co, Cu-. (, 〃 g /g ). SD. G M. pb, Cu-Cd, Pb-Cd間で,竜郷薯,象牙質とも0.1 %危険率で正の相関が見られ,王達鄭質では, Cr-Cd,. G SD. Cr. 2. l. l.5. 1.6. 2.1. 1. 9. 1.6. 1.4. 2.4. Cu-Mn, Mn-Cd間,象牙賞ではCr-Cu, Cr-Mn. N i. 工2. 1.1. 0.8. 2.. 1. 6. 1.4. 1. 1. 2.4. 問においても, 0.1%危険率で正の相関を示した。なお. 0.8. 2.. 工. 0.8. 0.8. 2.3. 上下顎に分けた成績をTable 28に示した。これらの成. Cu. 6.3. 3.8. 4.9. 2.2. 4.9. 3.4. 3. 5. 2.6. 績については特に有意な差は認められなかったため,刺. M n. 3.3. 1.1. 3.l. l.4. 3.2. 1.4. 2. 9. 1.5. 定成績を示すにとどめた。. Pb. 2. 8. 2.. 工7. 3.1. 6.1. 4.3. 4. 9. 2. 1. 0.1. 0.2. 1.5. 0.2. 0.1. 0. 1. 2.. C0. Cd. ). 3. Zn. 224. 8. 93.9 2 10.3. 1.4 144.1. 51.6 135. 6. iv m. 1.4. 木研究では,歯の数量金属濃度を一般生活環境におけ る通常の取り込みに加え,環境汚染金属からの生体負荷. (n-47). Table 25 Correlation coefficients in trace metals levels in low age group (10-20years old). Cr. Ni. 0.303*   -0.. Co. 060   一).. Cu. 178   0.. 133. Mn. Pb. Cd. Zn -0.323*. 0. 255    0. 137. -0. 007     0. 015. -0. 128    3. 055. 0. 106   -0. 148. ). 178    -0. 054. -0. 044    -0. 183. -0. 100    3. 042. 0. 019    0. 138. 0. 036    1 055. T8UI13U国. 0. 312*   0. 436*. 1. 399***  3. 386***. 0. 473*    0. 286*. 0. 107   0. 410***. ). 482****  0. 369**. 0. 438*   -0. 245. 0. 202   0. 269. 0. 353*   0. 325*. -0. 035   0. 148. 0. 311*   1299*. 0.. 438*   一0.. 088. ). 330ォ. ー0. 090    -0. 180. 0. 067   0. 087. 0. 045    0. 003. 0.499**** -0.228 ).632**** -0.007 0.557**** -0.113 0.. 436**=一  一0.. 221. 0. 102    0. 214. p<0.05, **: p<0.01,  p<0.005,  p<0.001 (n=53) 197.

(17) 市田:歯の微室金属濃度に関する衛生学的研究. 198. Table 26 Correlation coefficients in trace metals levels in high age group (30-50years old) D en tm. cv. .l・. Qj ∈ Cd 己 【 司. C r. N i. 0.333 *. 0.30 1*. N i. - 0.20 1. C 0. 0. 118. 0.271. C o 1 291*. C u 0.483*. M n. P b. 0.569'. 1 313*. - 0.142. 一 ).044. - 0.. 3.121. 1 230. 1 453***. C d. Zn. 3.27 1. - 0. 180. 0. 123. 0.066. - 0.054. - 0.243. 0.153. C u. 0.396 **. - 0. 133. 1 126. 3.412*. 0. 147. 0. 093. 0. 155. - 0.168. M n. 0.256. - 0.065. 1 349*. 3.297*. 3. 278. 0.258. 0.251. - 0.018. P b. ).347 *. 0.129. 1 456***. 0.311". ).308 *. 0.386 **. - 0.247. C d. ).375 = >. 0.110. 0.161. 0.403**. 0. 419***. 0.2 17. 1 290*. - 0.158. Zn. 0.031. 0.203. - 0.027. 0. 285. 3.009. - 0.145. - 0.171. 0.170. ・:p<0.05, **:p<0.01, ***:p<0.005, ****:p<0.001 (n-47). Table 27 Correlation coefficients in trace metals in low and high age groups 10 ̄ 20y ea rs old E n a m el r Cr. -. Cr. N i 。. Cr. -. Cu. Cr. ". M n. Cr. ー Pb. Cr. -. Cr. Cd. 0. 192 ).3 16*. (n = 53) D en tm r 】0.217 ).435***. 30 ̄ 50y ea rs o ld E n a m el r 0.18 1 ).494 ****. (n = 47) D en tm r 0.203 1.573****. 0.382**. 0.594*. 0. 243. 0.165. 0.491'. ). 256. 0.525*. ).322". 0.483****. 0.293 *. 0.283. ).383*. 1.558****. ). 490 *. Zn. 0.030. ∼ ). 203. ).360 *. ).630****. 0.342* - 0.038. N i. -. Co. - 0.126. - 0. 025. 0. 050. N i. -. Cu. 0.055. - 0. 166. - 0.068. ).125. N i -. Aln. 0.215. 0. 117. - 0. 112. 0.260. N i. -. Pb. 0.030 '. - 0. 114. - 0.170. 0.123. N i. -. Cd. ).224. 】0.055. - 0.060. 】0.065. Zn. 】0.050. 0.0 19. N i Co. -. Cu. - 0.093. ).459**^. Co. -. M n. - 0. 13 1. Co. -. Pb. Co. -. Co. -. Cu. 】 M n. Cu. -. Cu. ).297*. 0.158. - 0.222. 1.105. 0.4 56*. ). 134. 0.171. 0.362 '. 0.05 1. ). 134. 0.065. Cd. - 0. 102. 0.207. 0.177. 0.283. Zn. 0. 120. 0.089. 0.217. 0.05 1. 0.509 *** ". 0.462****. 0. 568****. ).49 1*. 0.453***=". ). 490****. Pb Cd. Cu. -. Zn. M n. 【 Pb. M n. -. Cd. 0.485' ー0.061 0.512**** ).339*. 0.478*** ー ).038 0.488**** 1.755****. ). 618**** 0. 004 0.4 52 *** 0.55 1****. ).39 1**. 0.404 ** 0.505 * 0.472* - 0.126 .437*** 0.294*. M n. 【 Zn. 0.130. 0.018. ).2 78. Pb. -. Cd. 0.543**. 0.442***. ).648 *'. An. 0.001. 0. 234. 】0.006. - 0.112. Zn. 0.062. - 0. 008. 0.189. - O.n o. Pb Cd. -. 】0.184 0.566****. P<0.05, **: P<0.01, ***= p<0.005,   p<0.001 198.

(18) 歯科学報 Vol. 92, No. 1 (1992). 201. Cd, Zn同時摂取時において増加する55)。また,歯でも. が歯に最も高濃度に存在し,ラットにMnを濃度別に. 相関性は報吾されている18)41)が,本研究では一部の標本. 3か月摂取させた結果から,歯のMn量と摂取室が強. 集団を除いて有意な相関は待られず,歯に対しては. く相関することを示している62)。ヒトの歯では霧口19). Cd, Znが類似性を示さなかった17)。. が, 7.  と報吾し,男女差を認めず, 50歳以下と. 412 歯の竜郷質と象牙質におけるZn, Mn, Cu遺. 50歳以上では後者に高かったとしている。著者の研究で. 度について. は有意な性差は認めなかったが,高年薗群の象牙質で高 く, 0.5%危険率で有意差を認めた。また,各標本集団. 永久歯のZn, Mn, Cu濃度に関する報吾は,本邦で はつ, Zn濃度について金子18)久保51)三島ら56)の研. とも象牙薯に比べ琉球寛に高い傾向がみられた。一方. 究があり, Mn濃度では露口  Cu濃度では金子18)の. Loseeら58)は珪郵質で3. 6fig/gと,著者の成績に近似. 幸R吾がある。 Zn濃度について金子18)は209fig/g,久保. した値であったが, Lakomaaら63)は寓球宴1. 42ppm,. 51)は171.96〃g/gと報害した。一方,海外の報吾では. 象牙葉上Ilppmで低い値を報吾しているo. Retiefら57)が克鄭質で263. 42ppm, Loseeら58)は寓髄. Mnの代謝について小川60)は, 54Mnをラットに注入. 質で241.4fig/1の値を示しており,いずれも著者の値. した研究から, Mnの歯質への移行を明らかにし,特に. とほぼ同じ成績であった。また, Brudevoldら11)はハ. 石灰化の旺盛な歯膝末席部および幼若鳥郵薯への沈着を. イドロオキシアパタイトのCaとZnが置換して取り込. 示した。さらに,歯髄側からのMnの沈着は,血液・. まれる可能性を示唆し,竜郷賛表層は下層より濃度が高. 組織液を介し,象牙質内-のMnの沈着は一部歯髄を. く,象牙質は歯髄に近い層に高いと報吾している。金子. 通じ象牙質壁から象牙細管を経て,象牙賛内に侵入する. 18)はそれと関連してZn濃度がCu, Cd濃度と共に八丈. ことを報害している。また,珪郵繋表層-の沈着は,顎. 島において他の地域より高値を示したことから常食され. 下腺に54Mnが著明に沈着したことから,唾液中に排浬. る金品 とりわけZn, Cu, Cd含有量の多い魚介楽と. されたMnによることを示している。 小川60)の研究では, 54Mnを背部皮下に注入している. の関係を示した。 さらに, Brudevoldら10)は埋伏歯と萌出歯の比較か. が,ヒトの場合, Mnの摂取は主に金品からであること. ら萌出前にZnが沈着し,荊出後の沈着は不塊則である. を考え合わせると,著者の研究による第三大臼歯の測定. と報吾しているが,木研究の琉球質Zn濃度が,不完全. 成績が説明できるのではないか。つまり,第三大臼歯各. 埋伏歯との間に5%の危険率で有意差を認め,さらに正. グループにおける試料提供者の平均年師ま,埋伏歯37. 2. 常前出歯と埋伏歯との間では0. 1%危険率で有意差が示. 歳>正常前出歯31. 4歳>不完全埋伏歯27. 7歳の順であ. され,いずれも埋伏歯に低く克鄭賛表面からのZn取り. り,象牙薯へのMn沈着が血行・組織液を介して行わ. 込みが推測された。これは,三島ら56)の便宜抜去歯にお. れ,しかも蓄積傾向にあることは,象牙嚢中Mn濃度. ける成績が,克郵賛・象牙質にあまり差を認めないのは. において平均年麻が鼻も高い埋伏歯が2. Qfig/g,次に. 歯冠の完成から,あるいは繭出からの期間が短く, Zn. 正常前出歯2.7fig/g,禾完全埋伏歯2.2fig/gの順で. 取り込みの影響が少なかった為と思われ,著者の第三大. あったことから伺える。また,象牙質の増甚酎こよるMn. 臼歯における成績からも,萌出後の経年的な口腔内曝露. 蓄積傾向は,前述した年麻群による差,すなわち高年麻. の影響が大きいと推察できる。. 群の象牙薯で高値を示したことからもわかる。また,先. また,男女差について久保51)はZn濃度が女性に高い. 知薯Mn濃度では,正常荊出歯>不完全埋伏歯>埋伏. ことを示しているが,今回の成績でも寓知嚢,象牙薯共. 歯の服で高く,口腔内に露出している碇髄質表層への Mn沈着傾向を示すものである。これは,東郷薯におけ. にその傾向がみられた0年麻による影響では,克瑚質で 有意な差はなかったが,象牙薯で高年M群に有意に高. る第三大臼歯と,その他の歯種(すべて正常繭出)では者. く,増齢によるZnの増加傾向が認められた。. 意に後者で高値を示したことからも推察できた。. 次に必兼金属として知られるMnは,ヒトや動物の. Mnと各金属との関係は, Cr, Cu, Pb, Cdとの問. 臆器中に含有され,特にとトの血液,臆器中に含まれる. で比較的高い正の相関が待られた。中でも, MnとCu. Mnは,主に食物中より摂取される59)。吸収されたMn. の正の相関はこれまでにも報害されており,歯嚢中への. の代謝は比較的早く,排酒は迅速に行われ60)また,硬. 叡り込みにおいて,同じような動向を示すものとして注. 組織Ca, Pの代謝に密接に関係し, Mnの欠乏は骨の. 目される。. 正常な発育を示さない61)。市岡はラットの研究で, Mn -201. 次に, Mnと同じく必蛮金属として知られるCuは,.

(19) 202. 市田:歯の教室金属濃度に関する衛生学的研究. 一方で恒常性維持の範園を逸脱すれば有害性を現すO通. の間に有意差は認めなかったが,砿鄭質で3金属ともに. 常,金品から摂取された鋼室は一日の必要量を越えるも. 不完全埋伏歯で高く注目される。また,第三大臼歯とそ. ので,ヒトの鋼欠乏症はおきにくいとされている4〉。ヒ. の他の歯種とではCr, Niに差異がみられ,いずれも怪. トの歯掌中Cu濃度に関する報吾では金子18)が,食品. かであるが後者で高かった。さらに,年齢による有意差. (魚介戴)との関連を示し. 2.02fig/gと記載している。. は認めなかったが,高年齢薪で3金属が高い傾向が示さ. Loseeら37)58)は竜郷賛中で1.2fig/gおよび10. 9//g/g. れたo これらのことから, Cr, Ni, Coも歯の表面から. で,本研究結果はその中間の値を示した。一方,象牙質. の吸着あるいは,加齢こよる蓄積傾向を示したものと考. ではLakomaaら63)が1. 03//g/g, Lappalainenら3g)が. えられた。各金属の相関では, CrがCu, Mn, Pb,. 3.0〃g/g.著者の全試料の成績は4.5〃g/gであった。. Cdと有意な正の相関を示したことが淫目され, 4i体内. また,克瑚質と象牙質の比較では,先人の報吾41)63)と同 じく璃髄質で高い結果を待た。. の動向および歯質の代謝に関連することが示唆された。 以上のように,同一試料から多元素を測定することに. ところで, Brudevoldら64)は克鄭質におけるCu濃. より,これまで不明な点の多かった歯質の敏室金属にお. 度の分析から, Cuは歯の石灰化期に沈着し,所出後に. ける代謝および相互関係を明確にできる機会が待られ. 外部環境などの影響を受けないことを示しているが,本. たoまた,第三大臼歯を中心に研究し,外郭環境と歯賛. 研究第三大臼歯のCu濃度測定成績では、克鄭賛におい. 中教室金属の密接な関係が示されたことから,歯の微量. て埋伏歯より不完全埋伏歯・正常繭出歯に高く外部から. 金属濃度は,生体負荷の指標として価値のあるものであ. の曝露の影響を明確に示している。. り,生物学的モニタリングとしての可能性を追及できた と考える。. さらに他の金属との相関性では, Table 8に示した Cu-Mn, Cu-Pb, Cu-Cd, Mn-Cd, Pb-Cd 各々の金属間で克鄭賛,象牙質ともに勘、相関を示し,. Ⅴ 結     論 ヒトの歯質中数量金属濃度に関して,永久歯を克鄭空 と象牙寛に分離し,それぞれについて8種の金属濃度を. また他の標本集団においても比較的相関性は高く,これ ら3金属に密接な関係が存在することを示唆している。 413 歯の竜郷寛と象牙質におけるCr, Ni, Co濃度 について. 多元素同時測定した。本研究では東京近郊の歯科医院に て抜歯された永久歯の中から,商蝕や歯科治廃されてな い歯について検討を行い,特に第三大臼歯を抜歯時の状. Crは糖,脂質の代謝に不可欠59)であるが,一方では Cr工業従事者にヒフ,鼻粘膜の漬症,鼻中核の炎症,. 態から3グループに分けると共に,男女差や年麻差を検 討して各金属の相関関係を追及し,次のような結論を待 m. 呼吸器の腫症が認められている0 3価クロムは体内残留 性が高いとされ,生体内に取り込まれたCrは,管, 牌,峯丸に多く蓄積する65)。さらにNiは酵素の活性化 や安定化,細胞膜, DNA, RNA,その他多くのタン. 1 )本研究で用いた原子吸光光度計は,多元素同時測 定でき,測定法に標準添加法を用いた添加回収試験の結 果は良好であったoまた,検出限界も歯質中教室金属を 測定するには十分であり,試料室が限られる歯の微量金 属測定には適した装置であった。. パク薯の代謝に重要な役割を果たし54',また,ニッケル・ カドミウム電池の製造など広く工業活動にも利用され 4),環境汚染の面からも注冒される。 Niの吸収経絡に は経口,経気遣,経皮吸収があり,経皮吸収は数量であ るが,近年ヒフ障害が問題となっているo さらに, Co. 2)第三大臼歯(n-66)について不完全厘伏歯(n30)と埋伏歯(n-13),正常所出歯(n-23)に分け検討 したところ玉髄窯でZn濃度が不完全埋伏歯と埋伏歯間 において, 5%の危険率で有意差がみられ,正常所出歯 と埋伏歯との間でも0. 1%危険率で有意な差を認め,痩. はビタミンB12の構成成分として造血作用に深く関係し ている54)59)。 これら3金属の歯質中濃度に関しての報吾は特に少な く,これまでの知見では, Curzonら50'の克球宴Cr濃. 伏歯で有意に低濃度であった。また,象牙質では不完全 厘伏歯と埋伏歯との問でMn濃度が5 %危険率で埋伏. 皮).45//gvg,克珠賛Ni濃度0.9//g ̄/g-, I掴腐Co濃 度0-27vg/gの報吾や, Retifら57)の残鄭質Cr 1.02. 歯に高く,逆にZn濃度では0.5%危険率で不完全埋伏 歯に高かった。さらに, Zn濃度で正常所出歯と,埋伏 歯間において0. 1%の危険率で有意差を認め,前者に高. ppm,克鄭賛CoO.13ppm,象牙質Cr l.990g/g,象 牙質Co l. ll/*g/gの研究がある0本研究の第三大臼歯 における比較では,所出状態により分壊した3グループ. 昼!EF」鑑. 202.

(20) 歯科学報 Vol. 92, No. 1 (1992). 31)尿8),唾液7)8)などが用いられている.当教室では西. Table28 -(a) Levels of trace metals in maxillary and mandibular. I. M ean SD 1.7. Cr. 村ら3'の考えに基づき唾液試料について橋本7)8)の研究, 抜去菌を分析試料とした金子18)橋本ら20)の研究があ る。それらは,産業や交通の発達,都市化などの,環境. m axillary En am el (〃 g /g). Ni. GM. D entm (〃 g/g). G SD M ean SD. 1.0. 1.5. 1.. 16. 0.7. 2.2. C0. 工. GM. 汚染によるPb取り込みとしての生体試料中Pb濃度に 庄冒したものである。橋本7)は混合唾液中Pb濃度の地. G SD. 1.4. 1.3. 2.2. 1.3. 1.0. 2.3. 0.6. 2.1. L O. O.8. 0.8. 2.2. Cu. 5.3. 3.9. 5.. 2.1. L5. 3.9. 3.1. 2.5. M n. 3.2. 1.1. 3.l. l.4. 3.0. 1.5. 2.7. 1.6. Pb. 2.2. 2.2. 1.2. 3`4. 4.5. 3.3. 3.1. 2.. C d.. ) .3. 0.1. 0.2. 2.0. 0.1. 0.1. 0.1. 3.2. 1. 116.9 55.0 106.5. 1.5. Zn 217.4 89.7 204.2. (n-44). Table 28-(b). M ea n. SD. G M. D e n tm. G SD. M ean. SD. (〃g / g ) G M. G SD. C r. 2.0. 工7. 1.5. 2.2. 1. 9. 工5. 1.3. 2.5. N i. 1. l. l.. i O J. o. o.6 L o. 1. 4. 1. 2. 1.. 2.3. C 0. 1. l. l.0. 0.8. 2.1. 0.7. 2.2. C u. 6.6. 4.2. 5.1. 2.2. 5. 3. 3. 6. 3.8. 2.7. M n. 3.3. 1.4. 3`1. 1.5. 2.5. 1 .2. 2.3. 1.. P b. 2.8. 2.7. 1.6. 3.3. 4.0. 2. 9. 3.2. C d. 0. 3. ). 1. 0.2. 工6. 0.2. 0. 1. 3.5. 5 7 . 6 12 2 . 0. 1. 5. Zn. 2 4 1. 1 14 0 . 5 2 2 0 . 9. ). 2. 1.5 132.9. 域差について,大気中Pb濃度との関連性を報吾し,大 気中Pbが経気道的に体内に倭人した場合の吸収率を40 ・50%と報菖し,消化審からの吸収率について堀口32)は 5-10%としている。また,正常人の体内総Pb量の90 %以上は骨格中に存在し33',単位重量当たりのPb蓄積 は歯に最も多く34)硬組織中Pb蓄積室の経年的な増加 が報吾されている33)34)堀口35)は, Pbの放射性同位元 素であるRaDを用いたモルモットの実験で,投与され たPbが速やかに骨・歯に吸収され, Pbが蓄積傾向に あることを示した。 これまでに歯のPb濃度については種々の報吾がある が,最近ではBlanusaら36)が, m精錬所から150m180m離れた地区住民の乳歯には, Pbが34.Q/ig/g含. m a n d ib u la r E n a m e l (jJg / g ). 199. (n-56). の指標としてとらえ,克鄭嚢,象牙嚢中の8種の微量金 属濃度について検討した。歯は繭出前と繭出後では,竜 郷賛,象牙質,白亜質における歯質または組成に差異が みられる10)12)その背景としては,歯の形成から前出に 至る経年的な変化において,血液および体液からの物質 の乗り込みと沈着がみられ,さらに所出によって口腔内 に曝露してからは外部環境と口腔内環境からの直接的な 取り込みならびに沈着がみられる16)18)19)22)そこで環境 汚染の生物学的モニタリングによる指標として,歯の有 用性が考えられるが,その基礎的研究として検討を行った。 411歯の克鄭質と象牙質におけるPb, Cd濃度に ついて 環境汚染がとトへどのような影響を及ぼすかを,生体 試料を用いて検討した報吾は, Pbで比較的多く,血液. まれ 7kmの地点では7.Afig/gであり,環境中Pb の坐体-の影響を報害した。一方永久歯東郷質では Loseeら37)が3.6ng/g, Curzonら38)は5.5ppmの値 を示し,本研究成績と近似していた。永久歯象牙質では Lappalainenら39)が13. Tfigigと報吾したが,著者の 成績よりかなり高い値であった。本研究の全試料歯中 pb濃度は,象牙寛に高く,克球宴と比べ0.1%危険率 で有意な差を認めた。この傾向は,他の研究にも見受け られ, Curzonら40)や,永島41)は象牙翼に高いことを報 害しているo しかし, Malikら21)小川29)はPb濃度が 癌知覚に高かったと報吾しているが,吸収されたPbが 速やかに骨・歯に移行,蓄積する35)とともに, Pbが他 の金属と比べコラーゲン繊維に高い親和性を示すこと42) から,コラーゲン織椎が多い象牙質で高濃度を示したも のと推察する。 男女別Pb濃度の本研究成績では,特に象牙賛におい て男性で有意に高く,斎藤43)も男性に高い傾向を明らか にしたOまた,低年齢群と高年轟群のPb濃度を比較し た著者の成績では高年薗群に高く,特に象牙賛において 0.1%危険率で有意差を示したことから,加齢による pb蓄積量の増加 特に象牙質での増加を裏付けてい る。このような傾向は,克球宴Pb濃度でBrudevold ら44)が,またDeriseら14)は克髄質,象牙質ともに増加 傾向を報吾している。 次に第三大臼歯と,その他の歯種とのPb濃度を比較. -199-.

(21) 200. 市田:歯の放室金属濃度に関する衛生学的研究. した成績から,象牙質において0.5%の危険率で有意差. ら,象牙薯の方が蓄積の度合いが高いことを報害してい. を認め,克球宴で有意な差はなかったが,いずれもその. るo さらに,象牙質の-イドロオキシアパタイトは電球. 他の歯種で高かった。これは,試料歯提供者の平均年麻. 寛のそれと比べ,結BB粒子が小さく結晶表面積が広いた. が前者30. 8歳,後者35.8歳と後者が高く,加齢との関係. め, Cdの吸着を容易にし,結BHB間隙が狭くないため. が推測され,第三大臼歯では埋伏歯に高い傾向を認め. Cdイオンが入りやすいことを論じており,象牙質細管. た。平均年麻も埋伏歯が最も高く,加齢こよる蓄積量へ. の存在により体液と接触しやすく,克郵賛より象牙質に. の影響が考えられる。. 多いコラーゲン繊維がCdイオンと親和性があることを. さらに,本研究では,測定金属相互の相関を検討し. 象牙質のCd取り込み理由としてあげている。また久保. た。この中で, Pb濃度と高い正の相関性を示した金属 はCr, Cu, Mn, Cdで,特にCu, Mn, Cdは各標本. 51)は"完全埋伏薗'のCd濃度0.36fig/gを"健全歯" と比較し,薪出前に大部分取り込まれたものであるとし. 集団においても有意であったo Crは,克鄭質Pb濃度. ている。しかし,稲森ら52)は,マモセットの長期経口投. と象牙薯Cr濃度間で比較的高い相関を認め, Cuでは. 与実験で,歯のCdは飲料水からの吸着に由来すること. 正常萌出歯と厘伏歯以外の集団において,竜郷質Pb-. を示唆しており,これは本研究の埋伏歯における克郵質. Cu間および,象牙寛Pb-Cu間で有意な相関を示し,. Cd濃度と象牙賛Cd濃度に差が無いことや,不完全厘. 埋伏歯では象牙質Pb-Cu間にのみ認められた.これ. 伏歯の竜郷賛Cd濃度が象牙賛Cd濃度より高かったこ. は,口腔を通じた近接的な歯表面への金属の取り込みが. とを裏付けている.さらに,不完全埋伏歯の竜郷質Cd. 無い埋伏菌においてPb, Cuが血液・組織液を介して. 濃度が,第三大臼歯3グループの中で最も高値であった. 歯に分布したものと考えられる。またPbとCuの相関. ことは,他の第三大臼歯と比べ,歯の清掃が困兼であ. 性については,小川29)が永久歯,永島41)は乳歯について. り,金漆が停滞しやすい口腔内環境であることと関連が 推測される。. 竜郷質Cu-Pb,象牙賛Cu-Pb問の正の相関を報吾し ている。次に, PbとCdの相関については,血液で小. また,性差では男性で克郵質0. 21fig/g,象牙質0. 18. 出31)が有意な正の相関を報吾し,本研究ではすべての標 本集団の克鄭賛Pb一象牙質Cu間および,不完全埋伏. vg/g> 女性で砿郵賛0.2Q/2g/g,象牙質O. U8iLtg/gと 僅かに男性に高く,栗山17)も歯覚は分離していないが,. 歯以外の集団における克知覚Pb-Cd,象牙質Pb-Cd. Cd汚染地区,対称地区ともに男性に高かったとしてい. 問で有意な正の相関を認めたことから, PbとCu, Pb. る。年萎縮こよる影響では明らかな差を認めなかったが,. とCdに関連性があると考える。. 象牙薯において高年麻群に高い傾向を示した。さらに,. Cdは,カドミウム汚染によるイタイイタイ病2)45)と. 第三大臼歯では,平均年&蝣mの最も低い不完全埋伏歯の象. して,広く知られた金属で,かつて産業衛生の面から環. 牙質で, 3グループ中最も低かったo このような加麻と. 境汚染と同時に,その毒性の強さから肺への影響が強く. ともにCd濃度の増加を報害した研究には,歯では久保. 庄冒されていた金属であり3)4), pbと同様生体試料とし. 51)が,尿においては小林49)肝で小林53)の報吾があり,. て,唾液46),血液31)47)48)尿47〉49〉が用いられた。また当. 血活でも示されている54)。外部からの恵接的な影響を受. 教室では須山46)が唾夜中Cd濃度と尿,血液,作業環境. けやすい克鄭質と違って,象牙薯は年麻による蓄積傾向. 中Cd濃度との関係を明らかにしている。. を明確に示している。. 一方,歯嚢中Cd濃度については種々の報吾がみられ. Cdと他の金属との相関は,各標本集団においてCu,. 15)16)19)北村15'の克郵賛0. 54fig/g,象牙賛0. 36/ug/g. Mn, Pbに有意な正の相関を認め, Crでも一部で有意. の報吾や,岩倉16)の東京における竜郷質0. 135ppm,象 牙質). 099ppmの値は,本成績とほぼ同程度であった。. な正の相関がみられた。その中でCdとCuの相関は, 金子18)永島41)中林ら47)も報吾し,生体におけるCd. しかし,霧口19'は歯薯を分離しない成績であるが1.22. は科学的挙動に関連性があり47)歯質の代謝においても. 1ig/g, Curzonら38)50)は竜郷質1. 87fig/g, 3. 3/zg/g. その動向に関連性が示された。また, Mnでは女性にお. と報吾しているが,著者の成績と比較してかなり高い成 績であった。. いて,高い正の相関が認められ, Pbとの関係では前述. ところで, Cdの歯への取り込みについて岩倉16)は,. したようにその蓄積性と関連してCdと関係が深いこと を示唆している。. イタイイタイ病発生地区のCd濃度が対照地域と比べ開 きが大きく,特に象牙質でその差が大きくなることか. 3)54)55)肝・腎では, Cd蓄積量がCd単独摂取時より. CdとZnが密接に関係していることは種々報吾され5 HIKE.

Table 5 Temperature program of analysis

参照

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