イギリス・同一価値労働における比較対象者の範囲
20
0
0
全文
(2) 横浜国際経済法学第16巻第3号{2008年3月). 指令1条は「同一労働または同一価値労働帥に対し…性別を理由とするいかな. る差別も存在してはならない」と解釈されるべきであると規定する。EC委員 会はイギリスの同一賃金法が,職務評価制度のない企業の労働者に対して・同 一価値労働同一賃金の法的請求の道を閉ざしていると指摘した。この問題は欧. 州司法裁判所(ECJ)に持ち込まれたo。 ECJは,1982年に,イギリスは当該 指令を履行せず,同国の同一賃金法はEC同一・f・一賃金指令に違反しているとの判. 決を下した。この判決を受け,イギリス政府は,1983年に同一賃金法を改正 した。改正のポイントは,職務評価制度を導入していない企業の労働者に対し ても,同一賃金支給を請求できるよう,労働の類型に「同一価値労働」を新た に加えたこと,それに対する紛争解決のための特有の手続きを設けたことであ る。. 1989年改正イギリス同一賃金法は,英国内の事業場に雇用されている男女 間の賃金,』その他雇用契約上の雇用条件,すなわち時間外労働手当,ボーナス,. 出来高払い賃金,休日及び疾病休暇手当等における異なる取扱いを禁止してい. る。一方,性差別禁止法5)は,同一賃金法の対象とされない事項すなわち契 約に基づかない利益・給付,採用,職業訓練,解雇等雇用に関連する事項につ いての異なる取扱いを禁止している。同一賃金法,性差別禁止法ともに,比較 すべきは男女間の異なる取扱いであり,男性と男性または女性と女性を比較す ることはできない。. 同一賃金請求の申立をするためには.まず女性労働者が従事している仕事が 男性比較対象者と類似労働,同等と評価される労働.同一価値労働であるにも かかわらず,男性比較対象者より不利な賃金を支給されていることを主張しな ければならない。換言すれば,比較することなしに,同一賃金請求の申立はで きないということである。そこで,本稿は,さまざまな同一賃金請求事件判例 を,比較に的を絞って検討したい。.
(3) イギリス・伺一価値労働における比較対象者の範囲. 1.比較に関する同一賃金法上の規定 1−1 労働の類型 1970年同一賃金法(「雇用条件に関して,男女間の差別を排除するための法 律」)によれば,同一賃金の支給が義務づけられる場合は,①男女が同一雇用 において類似の労働(like work)に従事する場合(1条2項(a)),②男女が同 一雇用において同等と評価される労働(work load rated as eqUivalent)に従事す. る場合(1条2項(b))であった。②は使用者が任意に導入している職務評価 制nc 6)の存在を前提とするものであり,職務評価制度のない企業に雇用されて いる女性労働者は,1条2項(b)に基づき,同一賃金を請求することが困難であっ た。. 1983年に,同一賃金法は改正され,男女が同一雇用において①類似労働 (like work)(1条2項(a)).②同等と評価される労働(eqUivalent work)(1条2 項(b)),③同一価値労働(equal value work)7)(1条2項(c))に従事している場合t. 職務評価制度のない企業の労働者にも同一賃金受給権が認められるようになっ た。. 1−2平等条項 同一賃金法1条1項は,「英国内の事業場に雇用される女性の雇用契約条項が 平等条項を含んでいない場合には,同条項を含むものとみなす」と規定してい るS)。この平等条項は,男女に同一の雇用条件を保障する法的根拠である。また,. 同法1条2項(aXi)は,「女性の契約条件が,比較対象者である男性の契約条 件よりも不利であり,又は不利になる場合,女性の契約条件は,不利にならな いように修正されたものとして取扱われなければならない」と規定している。. この平等条項は,たとえば,男性の雇用条件には4週間の休日が与えられて いるのに,女性の雇用条件には休日が与えられていない場合は,女性の雇用条. 件にも4週間の休日が与えられているものとして取扱わなければならない,と 33.
(4) 横浜国際経済法学第16巻第3号(2008年3月). いうことを意味する。たとえば,男女の雇用条件にボーナスの支給を定めてお. り,男性は勤続6カ月後に,女性は勤続2年後に支給するという場合女性へ のボーナスは勤続6カ月後に支給する,と雇用条件は修正されるのである。. このように,女性の雇用条件が男性の雇用条件よりも不利である場合は,不 利でないものに修正されるのであるが,女性の雇用条件に部分的に有利な条件 が存在している場合,契約上の賃金部分に関する不利益は正当化されるのだろ うか。以下で,女性の雇用条件に部分的に有利な条件が存在している事例を検 討する。. 2.比較の方法 女性の雇用条件に部分的に有利な条件が含まれている場合に,比較すべ きは契約条件の一部分なのか,契約条件全体なのかが争われた事例として, Hayward事件9}とJamstall(lhetsombudsma皿en事件1°)があるeこれらの事例は,. 申立人の賃金には一部有利な条件が含まれており,男女の契約条件を個別に比 較すべきか,契約条件全体を一一SUとして比較すべきかが争点となった。. Hayward事件では,同一賃金法1条2項(c)が意味する比較すべき賃金概i 念について,それが契約条件の一部分なのか(本件においては基本給と時間外 手当),契約条件全体なのか(本件では特別疾病手当,有給の食事時間を含む).. が争われた。その点に関して,貴族院(House ef Lord以下HLと略)は,比 較すべき契約条件について,:男女の契約条件は個別に比較されるべきであり, 契約条件を一塊として比較すべきではないことを明確にした。. さらにHLは,傍論部分で1条3項の解釈についてもふれている・すなわち・ 女性の契約条件中に男性のそれより有利な部分があるという理由は・1条3項 の抗弁たりえず,抗弁に成功するためには,不利な賃金格差が部分的に有利な 契約条件によってもたらされているということ.また当該賃金格差が性を理由 とするものでないことを示す必要があるとしたのである。 34.
(5) イギリス・同一価値労働における比較対象者の範囲. Jamstalldhetsombudsmannen事件欧州司法裁判所(European C皿rt of Justice以下ECJと略)判決は,申立人にとっての有利な条件である不都合時 間勤務と労働時間の短縮を賃金比較に際し,考慮することは,正確な比較が困 難であり,透明性確保のためには手当を含めずに基本給を比較すべきであると. した。ECJ判決の意義は,①同一賃金の比較における透明性確保にあたり,具 体的判断を示したこと,②同一賃金原則がカバーできる範囲について具体的判 断基準を示したことであるe. (1)Hayward事件 く事実の概要> Camrnel Laird ShipbUilders Ud.に食堂のコックとして雇用されている女性J.. Haywardは、男性塗装工,断熱材技師,指物師と同一価値労働を行ったにもか. かわらず,賃金は,年額4976ポンドであり,男性比較対象者の基本給と時間 外手当よりも週当たり24.51ポンド低かったと主張し,労働審判所(lndusnial Trib皿al以下rrと略)11)に訴えた。使用者は,女性の契約全体を考慮すれば 食事の特別割引,追加休暇,より条件のよい疾病手当があり,これらを金銭に 換算すると.女性の賃金は男性比較対象者よりも週1127ポンド高くなるため, 男性比較対象者と同じ基本給と時間外手当を支給する必要はないと主張した。. 本件では,比較すべき賃金が契約条件の一部分(基本給と時間外手当)なの か,契約条件全体(特別疾病手当,有給の食事時間を含む)なのかが争われた。. ITは,「同一賃金」とは,「不利益な」賃金に関する条件のみならず,賃金 に閲わる条件「全般」を意味するものであるとして,広い解釈を採用した12}e 雇用上訴審判所(Employment Appeal Tribunal以下EATと略)は. ITの判断 を支持し13),控訴院(Court of Appeal以下CAと略)もまたHaywardの控訴 を棄却した14)。. HLは,「本件の申請人女性は,契約条件全体を考慮したときに男性より有利 に扱われているか否かにかかわらず,不利な契約部分を不利でないものに修正. 35.
(6) 横浜国際経済法学第16巻第3号(2008年3月). する権利がある。契約中に,基本給,ボーナス,疾病手当などの規定がある場 合には,単に契約上,それらが報酬全般であるという理由から,契約条件を1 つのものとして扱うことは許されない」と判示した1帥。. (2)Jamstalldhetsombudsmannen事件 く事実の概要〉. 原訴訟の原告(以下「JamO」とする)は,スウェーデン機会均等オンブズ. マンである。JamOが.原訴訟の被告オレプロ県に雇用されている2名の女性 助産師に代わって,彼女らに支払われた月額基本給が彼女らと同一価値労働を 行っている男性臨床検査技師のそれよりも低額であるのは賃金差別であるとし て,損害賠償を求めて労働裁判所に訴えたのが原訴訟である。オレブロ地域で は.病院で働く助産師の全員が女性であり,臨床検査技師の90%が男性であっ. た。. 2名の女性助産師の月額基本給は,それぞれ17,400Skr,’16,600Skrであり.. 比較対象者の男性臨床検査技師の月額基本給は19,650Skrであった。また,労 働協約で全労働者に,不都合時間(週末,休日勤務,夜間,3交替制)に対す る手当の支給が定められていた。. 助産師らには不都合時間勤務(3交替制・2交替制)があり,日曜・休日勤 務がある場合には38:15時間/週,交替制勤務の場合には34:20時間ノ週と いうように労働時間の短縮があった。したがって,助産師職に対レては不都合 時間勤務手当が支給されたが,不都合時間帯の勤務のない臨床検査技師職には. 手当の支給はなかった。また,助産師は通常3交替制で働くため.労働時間が 短縮されていたが,臨床検査技師は,フルタイム勤務であって労働時間の短縮 はなかった。. 本件では,賃金比較において,不都合時間に対する手当・短縮された労働時 間の価値を考慮すべきか否かが争点となった。. 労働裁判所は,ECJに対して.①不都合時間に対する手当は,回一マ条約 36.
(7) イギリス・同一価値労働における比較対象者の範囲. 119条及びEEC指令75/117の目的に照らし賃金を比較する際,その基礎とし て使用される報酬の計算にあたって考慮されるべきか,②3交替制労働につい ての労働時間が通常昼間労働と比べ短縮されていることや,その短縮された労 働時間の価値がロー一マ条約119条及びEEC指令75/117の目的にかなっている か,について先決判決を求めた。. 〈ECJの判旨〉 ①不都合時間に対する手当は,賃金比較に際し,その基礎として使用される 報酬の計算にあたって考慮されない。月毎に変動する不都合時間に対する手当 を考慮することは,正確な比較が困難であり,透明性を確保するためには手当 を含めずに,助産師と臨床検査技師の月額基本給を比較すべきである。比較さ. れる2つの集団の問で賃金格差が存在する場合,そして利用できる統計上の データが不利益を受けている集団における女性の割合が男性の割合よりも相 当程度高いことを示している場合,条約119条は,使用者に対し,性に基づく いかなる差別にも無関係な客観的要因によって格差が正当化されることを立証 するように要求している。. ②労働時間の短縮も,短縮された労働時間の価値も,ローマ条約119条及び EEC指令75/117の目的に照らし,賃金の比較をする際の基礎として使用され る報酬の計算にあたっては,考慮されない。労働時間の短縮が金銭的意味を持. つというだけでは、EC条約119条が定める同一賃金原則の賃金比較の際に 考慮するには不十分である。しかしながら,そのような労働時間短縮は,賃金 の格差を正当化する,性に無関係な客観的な理由を構成しうるe事案がそれに 該当することを立証するのは使用者である。. 3.比較対象者 3−1 シングル・ソース・テスト 同一賃金法における比較対象者は,同一の使用者,または関係使用者,ある 37.
(8) 横浜国際経済法学第16巻第3号(2008年3月). いは第三者によって当該使用者とともに支配されている他の使用者の下で雇用. されている異性の労働者である。ローマ条約141条(旧119条)が予定する 比較対象者は,同一の事業もしくは事業所で働く労働者,あるいは当該賃金 格差が賃金差別の単一の源(single source)に帰する場合は,同じ立法規定あ. るいは労働協定が適用される被用者を含む者である。ここで,比較対象者の 範囲について,シングル・ソース・テストIG)という新たな統一的概念を設定. したことに意義がある。ただし,賃金差別の単一の源に帰するような事例は めったになく,TUPE(The Transfer ef Undertakings Protection of Employment Regulations 1981)17}を適用する場合がほとんどである。これは,営業譲渡の際に,. 元の雇用条件が譲渡された後も継承されるというものであるが通常は営業譲 渡の前に人員を整理するのが普通であり,TUPEが適用される事案も少ない。. シングル・ソース・テストの適用が問題となった事例としては,Lawrence 事件le)と Allonby事件:9}がある。これらの事例においては,使用者が業務を. 別組織に委託したため,使用者が変わり,同時に賃金等雇用条件につき不利益 を受けることとなった。申立人らは,前使用者に雇用されている者を比較対象. 者として平等処遇を請求したものである。 一・ Lawrence事件ECJ判決の前に, South Aryshire Council v. Morton $件2°}に. おいて,スコットランド民事上級裁判所(Court of Sessien以下CSと略)は画. 期的な判断を下した。判決の中に「シングル・ソース」という文言はないもの の,申立人が雇用されている教育当局とは別の教育当局に雇用されている男性 との比較は,それぞれの当局ごとの境界線を越えてなされることが,理論的で あり,合理的であると判示したのである。. Lawrence事件ECJ判決は,①EC条約141条の文言では,比較対象者の範 囲を雇用主が同じ労働者間に限定していない,②しかしながら.同一ないし同. 一価値労働に従事する労働者間の賃金の差異が「シングル・ソース」に帰す ことができない場合には,その差異に関して責任を負う実体はなく,EC条約 141条(旧119条)の適用はないとした。 38.
(9) イギリス・同一価値労働における比較対象者の範囲. Allonby事件ECJ判決も, Lawrence事件ECJ判決を踏襲し,①申立人が現 使用者から支払われた賃金額が,前使用者から現使用者に支払われる額により. 影響を受けているからといって,前使用者と現使用者が「シングル・ソrス」. であると決定づける十分な根拠とはならない,②現使用者と前使用者は,同. 一賃金法1条6項における関連雇用主にはあたらないと判示した。これらECJ 判決の意義は,EC条約141条を根拠に男女同一賃金を請求する場合,その比 較対象者を「シングル・ソース」に帰することが可能か否かに求めたことである。. (1)South Aryshire Council v. Morton事件. く事実の概要〉. 申立人は,32のスコットランド教育当局の1つであるSouth Aryshire Councilに雇用されている小学校長である。彼女は,小学校の校長の75%は女 性であり,中学校の校長の75%は男性であるが,かかる状況の下で,小学校長 の賃金表が中学校長のそれに比べて低額であることは,同一賃金法に違反する 差別であるとして,訴えを提起した。教員の賃金は,Scottish Joint Negotiadng. Committee(SJNC)の定めるところによるが, SJNCは,1980年教育法に基づ く組織であって,そこで定められた条件は,当局に雇用されているすべての教 員の雇用契約に組み込まれることになっている。. 1999年10月11日,Erは、先例に従えぱ,申立人は,比較対象者と同一の「事 業もしくは事業場」に雇用されている場合に,同L賃金を請求できるのである がこの観点からみて,教育当局は,広い意味で「1つの事業」であると判断した。. 2000年9月21日,EATは,教育当局は,同一賃金法1条6項にいう「共同事 業主」で“?奄ネいが教育全体構造にとって十分な利益共同体であり,その意味. では「1つの事業」とみなされうるとした2% 〈CAの判旨〉 . 男女が同一労働に対して不平等な賃金を受け取っているかどうかを判断する にあたっての比較対象は,申立人自身の職場や申立人が雇用されている事業主 39.
(10) 横浜国際経済法学第16巻第3号(2008年3月). のみに限定されるわけではないe制定法上の根拠の下で運用され,政府の全般. 的統制によっているSJNC合意は,ある種の全国的な集団的合意であると考え られるn}eSJNC合意は男女別のレートを設定しているわけではないが・校長 については差別的効果が生じている。公教育分野における賃金と労働条件を左 右する統一的な制定法体制においては,制定法上の効果が及ぶそれぞれの当局 ごとの境界線を越えて,比較がなされることが理論的であり.合理的である。. (2)Lawrence事件 く事実の概要>. Mr. Lawrence他446人の労働者(そのほとんどは女性)は,当初北ヨーク シャー郡評議会に雇用され.学校および教育施設の給食および清掃の仕事に従 事していた。しかし,その後,同業務の民間委託化に伴い同評議会を解雇され,. 委託先企業に再雇用され、評議会に雇用されていた時よりも低賃金で,上記の 仕事を行うことになロた。本件の本案は,Mr. LawrenceらがEC条約119条(現. 141条)に基づき,再雇用先の企業に対して,元の雇用主である郡評議会に雇 用されている男性庭師・廃物収集者等と同一の賃金を請求した事件である。 M= Lawrenceらが従事する給食・清掃業務は,当初,郡評議会が行っていたが,. 1988年地方自治法により,競争入札が義務づけられた業務である。同評議会 の機関が入札に破れたため,評議会は,以後の入札で価格を下げて契約を得る ために,給食・清掃業務に従事している労働者を一旦解雇し,低賃金で再雇用. した。これに対し.1970年同一賃金法に基づく賃金差別訴訟が提起されたも のである。. 1997年4月16日,ETは,差SIIが成立するためには「差別している者が女 性労働者の賃金および比較対象者の賃金をその統制下に置いていなければな らない」が.本案における事実関係は.これと異なるとして申立を棄却した。. EATも上訴を棄却しn}. CAは, EC条約141条(旧119条)の解釈について 以下の事項をECIに付託した”)。 甜.
(11) イギリス・同一価値労働における比較対象者の範囲. ①EC条約141条を根拠に.民間企業に雇用されている申立人が評議会に雇 用されている比較対象者と比較し,同一・賃金を請求できるか。. ②上訴人は.被上訴人(再雇用先企業)が.比較対象者の賃金につき.比較 対象者の雇用主(評議会)がなぜそのような賃金の支払をしているかを説明で きる場合にのみ,EC条約141条違反を主張できるのか。. 〈ECJの判旨〉 ①EC条約141条1項の文言には,その規定を男性および女性が同一の使用 者のために働いている状況に限定することを示すものは何もない。ECJは,国 内裁判所において同条項によって確立された原則を援用しうること,特に,民 間か公的機関かを問わず,同一の事業場において遂行される労働における事案 のみならず,立法規定,労働協約から直接に生じた差別事案において援用しう ることを判示してきた酎。企業申立人と比較対象者の賃金条件の違いが「シン. グル・ソース」}ご帰することはできないのであるから,EC条約141条に基づ き比較することはできない。. ②しかしながら、同一ないし同一価値労働に従事する労働者間の賃金の差異 が「シングル・ソース」に帰すことができない場合には,その差異に関して責. 任を負う実体はない。そうした状況はEC条約141条1項の対象範囲ではなく, かかる労働者の仕事および賃金は同条項に基づいて比較することはできない。 したがって,本件は、申立人と比較対象者の賃金条件の違いが「シングル・ソー. ス」に帰することができないのであるから,EC条約141条の適用の対象外で ある。付託事項①の回答が以上のとおりであるから,付託事項②については回 答する必要はない。. (3)Allonby事件. く事実の概要〉 申立人MsA皿onbyは,1990年から,Accrington&Rossendale大学(被申立人, 以下「大学」という)で,1年契約のパートタイム講師として勤務していたが,. 41.
(12) 横浜国際経済法学第16巻第3号(2008年3月). 1996年,大学は,経済的負担を軽減するために.講師業務をELS(EdincatienaS Lectu首ng Services)(第2被申立人)に下請けさせることにしたe Ms Allollby. の雇用契約は1996年に期限切れとなり,大学からは、仕事の継続を望むなら ば、ELSに登録し自営業とならなければならないと説明された。その結果,パー. トタイム講師の賃金は減少し,傷病休暇手当やキャリア形成手当等も失われ た。また,TSS(reachers’Superannuation Scherne:教員退職年金制度)への加. 入条件は被用者に限られるため,ELSと契約する講師は加入できなくなった。 1996年に人員削減された時閲給パーFタイム講師341人のうち,231人が女性・ 110人が男性であった。Ms Allonbyは,①大学による解雇は違法な間接性差別 であり,月給制講師に支払われる手当を彼女に対して否定したことは.契約労. 働者であることを理由とした性差別であること,②ELSは大学でのフルタイ ム講師と時間あたり同一の賃金を支払うべきであること(EC条約141条違反),. ③TSS加入等に関する立法を制定した教育雇用省に対し,自営業労働者とい う理由で彼女のTSS加入権を否定したことは違法であると申立てた。. ETは,賃金に関して,大学に雇用されているフルタイム男性講師を比較対 象者にすることはできず,解雇は間接差別に該当するが,正当性があるどして.. 請求を棄却した。2000年5月29日,EATもETの判断を支持し, M s Allo皿by の主張を退けたua)e. 2001年5月23日,CAは,①の主張については再審理を要するとしてETに 差戻し,以下の事項については,E(;Jに付託した孔. ①本件事案はEC条約141条に違反し,男女同一賃金請求の申立が認められる ものといえるか。②Ms Allonbyは, EC条約141条違反を根拠に年金制度への 加入資格の権利を有することを主張できるか。(a)男性比較対象者と自分とを 比較することによって.もしくは,(b)雇用契約により雇用されるという要件 を満たすことのできるのは,年金制度に加入できる男性教員より女性教員の方 が相当少ない割合であることを統計的に証明することによって,また,その要 件が客観的に正当ではないと証明することによって。 42.
(13) イギリス・同一価値労働における比較対象者の範囲. 〈ECJの判旨〉 付託事項①に関して,EC条約141条は,文言上,その規定の適用を,同一 の使用者の下で労務提供する男女に限るものではないが,同一労働もしくは同. 一価値労働に従事する就労者聞で賃金の差異が,「シングル・ソース」に帰す ることができない場合には,その差異に関して責任を負い,また均等待遇を回. 復させる実体はない。したがってEC条約141条1項に基づき,シングル・ソー スに帰することのできない就労者の労働と賃金を規定に基づき比較することは できない2s)。 Ms」AllonbyがELSから受領した賃金額が,大学からELSに支払 われる額によって影響を受けるからといって.大学とELSが「シングル・ソース」. であると決定づける十分な根拠とはならず,また,E】£と大学とは,同一一fi金 法1条6項(c)の意味する関連雇用主(associated employers)には該当しないe. したがって,ある女性の雇用契約が更新されずに,他の使用者を介して同じ職. 務に就労して従前の使用者に使われるものとされた場合,その女性は,従前の 使用者に雇用されている同一労働もしくは同一価値労働に従事する男性の報酬 を比較の基礎として用いて,当該他の使用者(本件ではELS)に対して同一賃. 金原則を主張する権利は有しないものと,EC条約141条1項は解釈されなけ ればならない。ただし,付託事項②については,教員のための年金制度加入の 前提条件として,雇用契約に基づく雇用であることを要するとの制定法上の条 件は,かかる条件を充たすことができる女性が男性よりも明らかに低い割合で あり,かつ,その条件が客観的に正当化されない場合には,その効力を失うe.. 3−2 前任・後任の比較対象者. 同一賃金法の下,比較対象者は現実の労働者でなければならない。一 方,性差別禁止法は現実の労働者ではない仮想的比較対象者(hypotheticaI comparators)も指定できるとしている。こうした別時期に同一ポストについて いた者を比較対象者として,同一賃金を請求できるかが争点となった事例とし. て,当該労働者の前任者を比較対象者としたMacarthys事件叫当該労働者.
(14) 横浜国際経済法学第16巻第3号(2008年3月). の後任者を比較対象者としたDiocese事件3°}がある。. Macarthys事件ECJ判決は,①EC条約141条, EC指令(75/117/EEC)1 条に含まれる同一労働同一賃金原則は,男女が同一使用者に同時に同一労働 に従事している場合に限定されない,②EC条約141条, EC指令(75/117/ EEC)1条に含まれる同一一賃金原則は,現実の比較対象者を要請していない,. ③しかし,2人の被用者間の違いが,性に基づく差別とはまったく関係ない事 情に起因することはあり得ることで,これは事実問題であり,国内裁判所が判 断すべきであるとした。. ECJ判決の意義は. EC条約141条, EC指令(75/117/EEC)に含まれる同 一賃金原則は,比較対象者に.前任者・後任者(別時期に同一ポストについて いた者}を指定することが可能であり.比較対象者と比較して同一賃金請求の 主張に適用されるとし,比較対象者の範囲を広げたことである。. 構一一賃金法では,同時に労働に従事している比較対象者以外は採用して. いない。これについては批判があるが,イギリス政府は仮想的比較対象者 (hypotheticai comparators)を同一賃金に関する事例で採用しないことは, EU 法に反しないとの見解31)を示している。. 仮想的比較対象者の利用の是非については,議論が分かれており,いまだに 論争中である。イギリス政府はそれを採用すべきでないとの説で一貫しており, 機会平等委員会(Equal OpportUnities Cornmission,以下EOCと略)su〕は導入す. ぺきであると強く主張している。. ({)M部a汀hys事件. く事実の概要〉 医薬品の卸業であるMacarthys Ltd.では, Mr. McCUIIollghがWemblyの倉. 庫長として週給60ポンドで雇用されていた。この職は,彼が1975年10月に. 退職した後,4ケ月間は空席だったが.1976年3月1日から9日まで・Mrs・ Smi鋤が週給50ポンドで雇用された。彼女は,前任者を比較対象者に指定し, 軽.
(15) イギリス・同一価値労働における比較対象者の範囲. 同一賃金請求の訴えを提起した。ITは,1977年6月22日,請求を認容する判. 断を下した。1977年12月14日,EATは,前任者との雇用の間隔が短い場合 には,女性被用者が前任者である男性被用者の雇用条件と自らを比較すること. は許されるとして,控訴を棄却した。1978年1月25日,CAは,以下の事項 についてECJに付託したss)。①EC条約119条および1975年EC指令(75/117} 1条の同一労働同一賃金原則は,男女が同時に使用者の下で働いている場合に. 限定されるか。②もし,①の回答がNo.であるならば(a)女性がもし男性 であったならば得られたであろう賃金よりも低賃金であることを立証できる場 合に,同一賃金原則は適用されるか。(b)女性が前任者である男性よりも低賃 金であることを立証できた場合に,同一賃金原則は適用されるか。. 〈ECJの判旨〉 ①については,条約も指令も,男女が同一の使用者の下で同時に雇用されて いる場合に適用を限定されるものではない。②同一賃金原則は,女性が,もし 男性であったならば得られたであろう賃金よりも低賃金であること,あるいは,. 前任者である男性よりも低賃金であることのいずれかを立証すれば適用され. る。しかし,2人の被用者間の違いが性に基づく差別とはまったく関係ない 事情に起因することはあり得る。これは事実問題であり,国内裁判所が判断す べきである。. 3−3 不利益グループの男性による同一賃金申立y) 同一賃金法は男女間で比較をしなければならない。もし,男性Aが低賃金グ. ループCの中でたった1人の男性であり,Aと同一労働に従事しているAよ りも高賃金の労働者グループHが全員男性であった場合,Aはどのように同一 賃金を請求すればよいのだろうか。Aは男性で比較したい労働者も男性である から,Hグループの男性を比較対象者に指定することはできない。そこで,ま. ずCグループの女性がHグループの男性を比較対象者に指定しt同一賃金請 求の訴えを提起する。女性が勝訴し,Hグループの男性と同額の賃金が支払わ 45.
(16) 横浜国際経済法学第16巻第3号{2008年3月). れるようになってから,Aはその女性を比較対象者に指定し,同一賃金請求を、. することができる。同一賃金の請求には,男性は女性より1段階多く手順を踏 む必要がある。Cグループの女性が勝訴しなければ、 Aは低賃金のままである・ 一般的に,男性の賃金が女性の賃金より高額である場合が多いが・だからといっ て.男性の同一賃金請求権の行使を困難にするのは問題であろう。. 4.統一平等法へ向けて イギリス政府は,2007年6月12日から同年9月4日まで,統一平等法制定 se}へ向けて,政府提案をまとめた文書“Discrimination Law Review”(DLRと略). を発行し,広く意見を求めた。. これらの提案は,性差別,障害者差別.、年齢差別.人種差別等差別のあら ゆる分野にわたるものである。. 同一賃金に関する提案の概要は,①統;平等法案に同一賃金条項を入れ,契 約上の賃金と非契約上の賃金に関する現行区分は維持すること,②判例からも たらされ確立した同一賃金法の原則を立法の中に含むこと,③同一賃金法制簡 易化の方法とその実施を容易にする方法の検討,④現行の比較対象者について は,現実の比較対象者要件を維持すること,⑤同一賃金モラトリアムの導入で あるe. ①は,契約上の賃金に閲する訴えは同一賃金法に基づき,非契約上の賃金 すなわち例外的ボーナス,育児手当等に関する訴えは性差別禁止法に基づきな されなければならないという現行区分はそのまま残すべきであるとの提案であ る。②は,法の明確化・簡易化について,比較対象者を誰にすべきか・何が比. 較されるぺきか(すべての雇用契約条項か),何が抗弁となりうるかなど・裁 判所により受け入れられている原則をSingle Equality Actに含めることで・同. 一賃金法と性差別禁止法という2つの異なる法を持つことによる混乱を少なく し,法がどのように解釈されるぺきかを明確にすることができるとし・同“賃 46.
(17) イギリス・同一価値労働における比較対象者の範囲. 金立法に関し判例法をふまえ成文化が望ましい領域はあると考えるか,意見を. 求めている。④は仮想的比較対象者は採用すべきではないとの見解である。仮 想比較対象者は,現実の異なる性の比較対象者を指定できない場合に,trSIJ職. 業分離している職場において,バリアを除去することができる。しかし,使用 者の賃金制度が適法か否かについて過度の不明確性を生じさせることtさらに、 多くの見込みのない申立の可能性と,実際には何の利益も生じさせないという 理由を挙げている。. こうした政府提案に対するEocca)の意見は以下のとおりである。. ①賛成。基本は統合し,同一賃金も他の差別も類似の概念構造にする。②意見 はない。③賃金制度を労使交渉により再構築するための,過渡的仕組みを規定 する。④反対。現実的比較対象者要件による法の射程範囲を限定することにな る。他の国内法およびEU法との齪酷が生じる。⑤同一賃金モラトリアム賛成。 独立専門家(lndePendent Expart)37} Ms Susan Corbyは,⑤保護期間の一時停. 止(モラトリアム)に賛成,④仮想的比較対象者については,現行法上認める のは困難であろうと述べた。. その他労働法専門家,労働組合等からのDLRに対する意見も多く寄せら れていると思われるが,比較対象者の範囲を拡大するのか,現状『を維持するの. か,差別解消のための実効性のある制度をいかに構築していくのか,どのよう な統一平等法になるのか,今後の動向に注目したい。. むすびにかえて 本稿は,イギリスにおける同一賃金請求にかかわる比較対象者の範囲を検討 してきた。職務評価制度の確立したイギリスの法制度を日本にそのまま導犬す ることは難しいと思うが,参考にすべき点,学ぶべき点は多いZZ)。日本の職場. の実情をふまえて,従来の職務区分や肩書き,評価項目に惑わされず,技能 精神的・肉体的負荷.貴任,労働環境などを客観的な指標により,新しく区分 47.
(18) 横浜国際軽済法学第16巻第3号(2008年3月). し直し.価値を点数で評価する試みがペイ・エクイティ研究会により行われた。. これは,商社における職務分析を行ったもので,日本で最初の本格的な同一価 値労働同一賃金原則の実践例である割。現在は,昭和女子大森科研費研究会の 社会政策グループがスーパー,医療閤係労働者についての職務分析と賃金との 関係を調査している。. 日本においては,雇用の多様化という名の下に,フリーター.ニート,パー トタイム労働者,アルバイター一,日々雇用労働者等非典型雇用4°)が増大し,. 賃金格差や処遇格差はなかなか縮小されず,労働環境はよいとはいえない。こ うした労働者の置かれた状況を改善していくためにも諸外国の差別解消への取 組みを研究することは意義のあることであろう。. 1)判例の翻訳・検討は早稲田大学大学院浅倉ゼミ(浅倉むつ子教授,相澤美智子さん,秋本陽 子さん,黒岩容子さん.内藤忍さん,野間敦子さん,宮崎由佳さん,森脇健介さん,山田和 代さん.吉田陽一郎さん,酒井直子さん,知念裕美さん.中川元さん,帆足まゆみ)が行った。. 2)1970年同一賃金法成立から1983年改正に至る経緯については,浅倉むつ子「労働とジェン ダーの法律学j(有斐閤.2000年)210∼216頁参照。Suzanne McMe and Diya Sen Gupta Telley’s Equal Pay Handboek”(Lexis N臼ds 2006)Diya Sen Gupta ’Background to the Equal. Pay加197σ ppl・−7、. 3) 同一価値労働同一賃金原則に間しては.本多淳亮「同一価値労働同一賃金原則について」〔大. 限経済法科大学研究所紀要17号,1993年)5∼23頁,高島道枝「男女の賃金格差と同一価 値労働同一賃金運動」「現代の女性労働と社会政策」(御茶の水書房.1993年)59∼87頁.. 木下武男「労働組合運動と男女差別賃金問題」(賃金と社会保障,1994年6月下旬号)17∼ 23頁,森ます美「コンパラプル・ワー一スとはなにか」{前掲誌・賃金と社会保障)24 一 27頁.. 越堂静子r商社における女性労働の実態と男女賃金差別」(前掲誌・賃金と社会保障〕28∼ 31頁,斎藤秀吉「同一価値労働同一賃金への安易な傾斜は危険だ」(前掲誌・賃金と社会保 障)31 ’v 35頁.モーリィ・グンダーソン(法政大学日本統計研究所訳〕「コンパラプル・ワー. スとジェンダー差別」(産業統計研究社,1995年)25∼54頁.中下裕子「差別賃金とコン パラブル・ワース」社会政策叢書編集委員会編r今日の賃金問題S社会政策叢書第21集(啓 文社,1997年)49∼172頁.竹中恵美子「賃金差別とコンパラブル・ワース」「共生・衡平・. 自律」閥西女の労働問題研究会編{ドメス出版,1998年)43∼74頁,浅倉・前掲注(2)第5. 銘.
(19) イギリス・同一価値労働における比較対象者の範囲 章「イギリスの同一価値労働同一賃金原則」200 一一 270頁.に詳しい。 4)Cemmission v. U.K [1982]IRIR S33. 5)Suzanne McKe a皿d Diya Sen Gupta, supra note 1, pp4・−7.. 6) イギリスの職務評価制度については浅倉・前掲注②230∼247頁t森ま1す美「日本り性 差別賃金」(有斐冊,2006年)192∼199頁,Department of Health,”NHSJob Evalllation Ha皿dboek.,Kay Gilbert、「「he role of job evaluatien i皿determining equal value i皿nibunals Tool, weapon or cloaking device?(Employee Relations v・1, 27 N・.1,2005)参照。. 7) 同一価値の審査手続きについては.浅倉・前注②217^−222頁参照。 8) Sllza皿ne McKe and Diya Sen Gupta, supra note 1; pp 9・・10.. 9) HayWard v, Cammell Laird ShipbUilders Ltd., HL 1988.5、5,119Z811RIR 257. 10)JamstalldhetsombudsmE皿nenΨL Orebro la皿s Landsti皿g[2000]IRIR 421. 11)現在はErnployment Tribunal(雇用審判所)に改組された。 12) 11984】IRLR 463 13) 119861]JllR 287 14) [1987]IRLI∼186. 15)前掲注(9) 16)Industlial Law Journaユ, Vb1.34, No.4, Decernber.2005 Tracing the Single Soilrce:Cheice of ’ Comparators in Equal Pay Claims” pp 338−−344,. 17)Aileen McColgan ”Discrimination Law”(E[art Publishi皿g 2005)pp 437・−438. 18)Lawrence a皿d o也ers v. Regent O伍c已(㎞’Ltd and othErs, EC}2002.9.17,[200211RLR 822,. [2002】ECR 1●7325 19)A皿onby v. Accrington&Rossendale College and others 2004.1. 13.【200411RLR 224. 20) South Aryshire Coundl v」Morton I200211RLR 256. 21) 12001】㎜28 22)De仕e1皿e v. Sabena(No.2)C・43/75[19761 ECR 455, ECj参照0 23) [1999]IRLR 148 24) [200e1】RLR 008. 25)Defre皿ne v. Sabena(No. 2), Case C−43/75【19761 ECR 455(ECJ)Jenkins v. Kngsgate(Clithing. Production)ttd. Case C−96/80[19811 ECR 911 Macarthys v. Smith¢No.2}11980]!CR 672 . (CA)[1981]QBユ80(CA)参照。. 26)2000 WL 362505 ’ 27) 12001]IRI」R 364. 28)前掲注(17}1』wrence事件ECJ判決参照。 29)Macarthys Ud. v. Wendy Smith【1980] lcR 672、 EcJ. 30)Diocese ef Ha皿am T;ustees v, Connaughton.11996】ICR 800, EAT 31)Macarthys v, Smith[1980]ICR 672,(p676). 32)EOCは1975年性差別禁止法(SDA}により創設され,性差別禁止法同一賃金法の実施 を促進し.平等の達成を目的とする。2007年10月に,機会平等委員会.人租平等委員会 49.
(20) 横浜国際経済法学第16巻第3号(2008年3月) {Cornmission‘for Racial Equality).障書者平等委員会(Disability r ight§ CommisSion}はt平. 等人権委員会(Commission for Equakty and Humaii Rights)に統合されたe 33) [1980]ICR 672 34)Glasgow City Council v. Marshal1 120001 ICR 196(HL) $照。. 35)Department fi。r C。㎜uni6͡d麺Governme直幽ndoガDisc輌a6。n』R画ew村 Uune,2007)pp 18,53−59.. 36)前掲注(31}参照。. 37)同一価値労働の審査手続において.第1次審問の使用者による当該賃金格差に確実な実質的 要因(valid material factor)の抗弁が不成功の場合に独立専門家が,申謂対象となった職務に. ついて「同一価値労働」か否かの調査と報告書の提出を委託されるe 38)日本における同一価値労働同一賃金原則推奨論どして↓ま,本多・前掲注(3)15∼17頁,森・ 前掲注(3)24∼27頁,越堂・前掲注{3)28 一一 31 sc,竹中・前掲注(3)59∼74頁.浅倉・前. 掲注{3)200頁,がある。なお,伊田広行「21世紀労働論」(青木書店.1998年)は,特にパー. トタイム労働者の平等取扱いを実現させるためには,同一価値労働同一賃金原則が最も有効 であると論じている。批判論としては,米沢幸悦「女性の差別賀金是正のたたかい」月間労. 働運動(1993年4月号)192∼206頁,斎藤秀吉「職務評価=職務給導入論の害悪」月刊労 働運動(1993年6月号)121 一 132頁,山田郁子「差別賃金是正の闘いと要求原則」労働運. 動(1993年7月号)135∼144頁,木下・前掲注③17∼23頁,下山房雄「女性労働と賃 金体系・価値理論」(賃金と社会保障Ne.1132,ユ994年6月下旬号)U−−27頁,がある。 39)ペイ・エクイティ研究会編『WOMEN AND MEN PAY EQUrlY 一 ma社における職務の分析 とペイ・エクイティ」研究報告as (1997年)参照。. 40)パートタイム労働や派遣労働等非典型労働の問題点については,鹿閣敬「屈用破壊j,(岩波 書店,2006年)に詳しい。.
(21)
関連したドキュメント
なお、政令第121条第1項第3号、同項第6号及び第3項の規定による避難上有効なバルコ ニー等の「避難上有効な」の判断基準は、 「建築物の防火避難規定の解説 2016/
12―1 法第 12 条において準用する定率法第 20 条の 3 及び令第 37 条において 準用する定率法施行令第 61 条の 2 の規定の適用については、定率法基本通達 20 の 3―1、20 の 3―2
3 主務大臣は、第一項に規定する勧告を受けた特定再利用
本案における複数の放送対象地域における放送番組の
同一条件のエコノミークラ ス普通運賃よ り安価である ことを 証明する
( (再輸出貨物の用途外使用等の届出) )の規定による届出又は同令第 38 条( (再輸 出免税貨物の亡失又は滅却の場合の準用規定)
同一条件のエコノミークラ ス普通運賃よ り安価である ことを 証明する
[r]