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教育階層と格差意識・社会活動・社会的ネットワーク : 地域と暮らしについての意識調査データからみる教育による分断をめぐる現状と課題

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Academic year: 2021

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はじめに  今日の「格差社会」論で当初問題とされたの は経済的な格差であった。しかしその後,格差 の存在は日常生活の多くの側面で言及され,現 在では,「健康」,「希望」,「恋愛」,「医療」など 様々な領域で格差が存在していると指摘され る。格差の存在やその程度は,問題となってい る事柄が社会階層間で異なるかどうかを通じて 検討されるが,社会階層を何によって測定する かによってその様相も異なる。社会階層の測定 基準はさまざまであるが,今日の日本社会を 「成熟型学歴社会」(吉川 2006)として格差・ 不平等の根源を大卒と非大卒の学歴境界線に求 める議論は,現在の社会状況を一定程度説明し ており,教育は有効な基準となりうる。そこで 本稿では,教育階層に注目し,調査データから 現代の男女の収入にたいする意識と教育階層は いかなる関連をもつのか,また,教育階層は社 *立命館大学産業社会学部教授 **岐阜大学男女共同参画推進室特任助教 ***立命館大学大学院社会学研究科博士後期 課程 ****立命館大学大学院社会学研究科博士前 期課程

調査報告

教育階層と格差意識・社会活動・社会的ネットワーク

─地域と暮らしについての意識調査データからみる

教育による分断をめぐる現状と課題─

中井 美樹

*   

松井 真一

**  

高倉 弘士

*** 

竹内 麻貴

****  本稿は,教育階層と収入・格差に対する意識はいかなる関連をもつのか,教育階層と社会活動への 参加や社会的ネットワークの保有状況はいかに関連しているのかを明らかにすることを目的としてい る。近畿2府4県に在住する20歳から65歳未満の男女の調査データの分析から,教育階層が高いほど 世帯収入満足度は高く,格差意識は低いことが示された。これは高学歴層ほど高収入であるためであ る。また,高学歴層ほどサークル活動,自己研鑚活動に参加する傾向があり,社会的ネットワークに ついても高学歴層ほど規模が大きい。これらの結果は,現代の日本社会において教育達成は職業的地 位達成の手段にとどまらず,日常生活の多くの領域を分断する側面をもっていることを示唆している。 キーワード:教育階層,収入格差意識,社会活動,社会的ネットワーク

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会活動への参加や社会的ネットワークの保有状 況をいかに規定しているのかを検証し,現代社 会の分断の諸相を明らかにする。 1.調査の概要 1.1 調査設計  本研究は,近畿地方の2府4県(京都府,大 阪府,兵庫県,滋賀県,奈良県,和歌山県)を 調査対象地として,筆者らも参加している「現 代社会における統制と連帯に関する調査研究 会」が実施した「現代社会における地域と暮ら しについての意識調査」調査データをもとに分 析を行っている。  調査は近畿2府4県(京都府,大阪府,兵庫 県,滋賀県,奈良県,和歌山県)に在住する満 20歳から65歳未満の男女を母集団としている。 各自治体の住民基本台帳を標本抽出台帳として 使用し,自治体の人口規模に基づいて層化を行 った層化二段抽出法によって標本を抽出した。 標本は3000人,調査地点数は100地点である。 調査は郵送法により行い,2010年6月に調査票 の配布・回収を行った。調査における回収有効 票数は1073,有効回収率は35.8%であった。 2.調査結果 2.1 回答者の概要  本調査の性別と年齢の構成は表1,表2のと おりである。年齢構成は,20歳代(15.1%)が 他の年齢層よりもやや低いが,比較的全ての年 齢層を網羅している。  学歴構成は,男性の場合,高校(37.8%),大 学(37.2%)の2つのカテゴリーで全体の75% を占める(図1)1)。その他のカテゴリーはそれ ぞれ1割に満たず,男性の学歴構成は,高卒程 度か大卒程度かによって大きく2つに大別され ている。一方で,女性の場合,高校(33.7%) を筆頭に,短大・高専(24.5%),大学(21.0%), 高卒後専門学校(14.0%)と続いており,男性 とは構成が異なることが確認できる。女性は, 高校卒業後の進学率は高いが,進学先は専門学 校や短大が比較的多く,4年生大学卒の割合は 男性よりも低い。  現在の就業については,男性の84%が仕事に 就いている一方で,女性の約3分の1は仕事に 就いていない(図2)。従業上の地位をみると, 男性の場合,6割が正規雇用=常時雇用されて いる一般従業者であるが,非正規雇用(臨時雇 い・パート・アルバイト,派遣社員・契約社 員・嘱託社員)として有期で働く者が15%程存 在する。女性の場合は,非正規雇用者が過半数 を 占 め,常 時 雇 用 さ れ て い る 一 般 従 業 者 は 34.2%である(図3)。職種は,男性に技能・労 務・作業系の職業が多い一方で,女性では販 表1 回答者の性別 % 度数 (46.6) 500 男性 (53.3) 572 女性 (0.1) 1 無回答 (100.0) 1073 合計 表2 回答者の年齢構成 % 度数 (15.1) 162 20歳代 (18.2) 195 30歳代 (22.5) 241 40歳代 (25.9) 278 50歳台 (18.1) 194 60歳代 (0.3) 3 無回答 (100.0) 1073 合計

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図1 回答者の学歴 5.2 6.8 33.7 37.8 24.5 37.2 0.5 14.0 9.0 3.0 21.0 5.0 㪇㩼 㪉㪇㩼 㪋㪇㩼 㪍㪇㩼 㪏㪇㩼 㪈㪇㪇㩼 ᅚᕈ ↵ᕈ ਛቇᩞ 㜞ᩞ 㜞තᓟኾ㐷ቇᩞ ⍴ᄢ࡮㜞ኾ ᄢቇ ᄢቇ㒮 ߘߩઁ ή࿁╵ 図2 回答者の就業状況 65.9 31.8 2.3 84.0 14.0 2.0 㪇㩼 㪉㪇㩼 㪋㪇㩼 㪍㪇㩼 㪏㪇㩼 㪈㪇㪇㩼 ᅚᕈ ↵ᕈ ᦭⡯ ή⡯ ή࿁╵ 図3 回答者の従業上の地位 1.9 7.6 34.2 60.2 41.6 9.3 9.5 6.2 5.3 12.9 5.8 3.3 㪈㪅㪊 0.0 㪇㩼 㪉㪇㩼 㪋㪇㩼 㪍㪇㩼 㪏㪇㩼 㪈㪇㪇㩼 ᅚᕈ ↵ᕈ ⚻༡⠪࡮ᓎຬ Ᏹ㓹৻⥸ᓥᬺ⠪ ⥃ᤨ㓹޿࡮ࡄ࡯࠻࡮ࠕ࡞ࡃࠗ࠻ ᵷ㆜␠ຬ࡮ᄾ⚂␠ຬ࡮བྷ⸤␠ຬ ⥄༡ᬺਥ࡮⥄↱ᬺ⒳ ⥄༡ᬺߩኅᣖᓥᬺ⠪ ౝ⡯ ή࿁╵ 図4 回答者の職種 25.2 1.1 11.9 23.9 13.6 34.2 17.1 8.5 36.9 2.1 16.0 1.1 1.9 4 1.7 1.0 㪇㩼 㪈㪇㩼 㪉㪇㩼 㪊㪇㩼 㪋㪇㩼 㪌㪇㩼 㪍㪇㩼 㪎㪇㩼 㪏㪇㩼 㪐㪇㩼 㪈㪇㪇㩼 ᅚᕈ ↵ᕈ ኾ㐷࡮ᛛⴚ ▤ℂ ੐ോ࡮༡ᬺ ⽼ᄁ࡮ࠨ࡯ࡆࠬ ᛛ⢻࡮ഭോ࡮૞ᬺ ㄘᨋṪᬺ ߘߩઁ ή࿁╵

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売・サービス系の職業(34.2%),専門・技術系 の職業(25.2%),事務・営業系の職業(23.9%) が多い(図4)。 2.2 学歴と収入に関する意識の関係  収入に関する意識は学歴によってどのように 異なるのだろうか。本節では世帯収入への満足 度と収入格差への意識を学歴別に分析し,学歴 と収入に関する意識の関係をさぐる。 2.2.1 データの処理と特性  分析では,世帯収入に関する4段階での満足 度(世帯収入満足度),収入格差に関する4段 階での賛否(収入格差意識)のそれぞれについ て,「本人学歴(学歴)」とのクロス集計をして いく2)。またその後に,「過去一年間の世帯収入 (世帯収入)」を用いた分析も行う。本人学歴は 「中学校・高校」,「各種専門学校・短大・高専 (専門・短大・高専)」,「大学・大学院」の3カ テゴリーに再分類して用いる。これらいずれか の設問に欠損値を含む回答者および学生を除外 した結果,本節での分析対象は1,024人となっ た。 2.2.2 学歴と世帯収入満足度  図5から,世帯収入満足度において「満足し ている」「どちらかというと満足」(これを「満 足派」とする)の合計は46.9%,「不満である」 「どちらかというと不満である」(これを「不満 派」とする)の合計は53.1%となっており,全 体ではやや不満足傾向にある。「満足している」 は9.1% で あ る の に 対 し,「不 満 で あ る」は 19.0%であることから,はっきりと不満を抱い ている人の割合が高い。これを学歴カテゴリ別 に み る と,中 学 校・高 校 で は「満 足 派」が 41.4%,「不満派」が58.7%と,不満傾向が強い。 専 門・短 大・高 専 を み る と,「満 足 派」は 49.4%,「不満派」は50.5%と均衡状態になる。 大学・大学院では「満足派」は52.4%,「不満 派」は47.6%と,満足傾向が強まる。中学校・ 高校卒者に不満傾向が強く,専門・短大・高専 と大学・大学院では満足傾向が強い。また,中 学校・高校卒者は「不満である」とした者の割 合が20.8%と全体でみたときよりもやや高いこ とから,「不満」か「満足」かを分断する境界 は,中学校・高校以下と専門・短大・高専以上 の間にあり,学歴が高いほど現在の世帯収入に は満足しているようだ。ただし「満足派」のう 図5 学歴別の世帯収入満足度 18.9 20.8 31.6 37.9 34.1 38.6 43.6 33.6 37.8 13.8 5.8 7.8 9.1 16.7 19.0 30.9 㪇㩼 㪉㪇㩼 㪋㪇㩼 㪍㪇㩼 㪏㪇㩼 㪈㪇㪇㩼 ᄢቇ䊶ᄢቇ㒮 ኾ㐷䊶⍴ᄢ䊶㜞ኾ ਛቇᩞ䊶㜞ᩞ ో૕ ਇḩ䈪䈅䉎 䈬䈤䉌䈎䈫䈇䈉䈫ਇḩ䈪䈅䉎 䈬䈤䉌䈎䈫䈇䈉䈫ḩ⿷䈚䈩䈇䉎 ḩ⿷䈚䈩䈇䉎 㱃㪉୯䋽㪉㪈㪅㪉㪍䋬⥄↱ᐲ䋽㪍䋬㫇୯䋽㪇㪅㪇㪇㪉

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ち「満足している」への回答に限ると,大学・ 大学院では13.8%と全体での割合(9.1%)より も高い一方で,専門・短大・高専(5.8%)より も中学校・高校(7.8%)の方が高い割合となっ ている。 2.2.3 学歴と収入格差意識  次に収入格差に対する意識は,「いまの日本 では収入の格差が大きすぎる」に対して4件法 によりたずねている。「そう思う」と「ややそ う思う」を合わせた回答は81.3%となり,大多 数の人は日本の収入格差が大きいと感じている (図6)。「そう思わない」と回答したのはわず か2.3%である。この回答が学歴別にどう異な るのかを確認すると,まず,「そう思う」と「や やそう思う」の合計割合は,中学校・高校で 83.8%,専門・短大・高専で85.5%,大学・大 学院で74.0%と,どの学歴においても収入格差 が大きいと感じる人が大半を占めている。全サ ンプルの回答分布と比較すると,中学校・高校 と専門・短大・高専は格差が大きいと感じる傾 向が強く,大学・大学院でその傾向が弱い。 「そう思う」は,中学校・高校(33.0%),専門・ 短大・高専(31.3%),大学・大学院(28.3%) と学歴が高くなるほど減少する一方で,「そう 思わない」の割合は,中学校・高校(1.6%), 専 門・短 大・高 専(1.8%),大 学・大 学 院 (3.9%)と学歴が高くなるほど増加している。 このように日本は収入格差が大きいと誰もが感 じてはいるが,学歴が高いほどその意識は持ち にくいようである。 2.2.4 学歴と世帯収入満足度,収入格差 意識の関連メカニズム  学歴と世帯収入満足度および収入格差意識の 関連はどのように説明できるだろうか。前項ま での分析結果からは,学歴は世帯収入満足度, 収入格差意識の双方と関連がみられた。ここに は収入が媒介変数として働いている可能が考え られる。つまり,学歴が高いと収入も高いた め,世帯収入満足度は高くなり,収入格差意識 は感じにくくなる,ということである。この関 連メカニズムを検証するために,はじめに学歴 と世帯収入階層3)のクロス集計結果を示したの が表3である。表3からは,学歴が上がるほど 上位の世帯年収階層に占める割合も大きくなる ことがわかる。次に,世帯収入満足度と収入格 差意識の選択肢を値が高いほど満足度は高く, 図6 学歴別の収入格差意識 3.9 1.8 1.6 2.3 22.2 12.7 14.7 16.4 45.7 54.2 50.8 50.1 28.3 31.3 31.2 33.0 㪇㩼 㪈㪇㩼 㪉㪇㩼 㪊㪇㩼 㪋㪇㩼 㪌㪇㩼 㪍㪇㩼 㪎㪇㩼 㪏㪇㩼 㪐㪇㩼 㪈㪇㪇㩼 ᄢቇ䊶ᄢቇ㒮 ኾ㐷䊶⍴ᄢ䊶㜞ኾ ਛቇᩞ䊶㜞ᩞ ో૕ 䈠䈉ᕁ䉒䈭䈇 䈅䉁䉍䈠䈉ᕁ䉒䈭䈇 䉇䉇䈠䈉ᕁ䈉 䈠䈉ᕁ䈉 Χ2୯䋽17.40䋬⥄↱ᐲ䋽6䋬p୯䋽0.008䋬Fisher䈱ᱜ⏕⏕₸䋽0.011

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格差意識は強くなる4段階の尺度とみなし,そ れぞれの平均値を,学歴と世帯収入階層別に比 較した(図7,図8)。すると世帯収入階層の 上昇によって,世帯収入満足度は高くなり,収 入格差意識は弱くなっていることが読み取れ る。特に世帯収入満足度において意識の違いが はっきりと現れている。よって学歴と世帯収入 満足度および収入格差意識の関連メカニズムの 検証からは,学歴は,実際の収入を経由し世帯 収入満足度と収入格差意識に影響している,と いえる4)。ただし,専門・短大・高専卒者は必 ずしも収入階層との関連が明瞭ではない。また 学歴と世帯収入満足度の分析で,世帯収入に 「満足している」割合は,専門・短大・高専よ りも中学校・高校の方が高かった点も無視でき ない。これらは,短大卒の多くは女性であるこ 表3 学歴と世帯収入のクロス集計結果 合計 1000万円以上 550-1000万円 350-550万円 350万円未満 438(100.0) 52(11.9) 128(29.2) 110(25.1) 148(33.8) 中学校・高校 275(100.0) 35(12.7) 90(32.7) 71(25.8) 79(28.7) 専門・短大・高専 311(100.0) 78(25.1) 109(35.1) 62(19.9) 62(19.9) 大学・大学院 X2値=39.52,自由度=6,p値=0.000 (注)括弧内はそれぞれの学歴の合計に占める割合 図8 学歴と世帯収入階層別の収入格差意識の平均値 㪊㪌㪇ਁ౞ᧂḩ 㪊㪌㪇㪄㪋㪋 㪐ਁ౞ 㪌㪌㪇㪄㪐㪐 㪐ਁ౞ 㪈㪇㪇㪇 ਁ౞એ਄ ਛቇᩞ䊶㜞ᩞ ኾ㐷䊶⍴ᄢ䊶㜞ኾ ᄢቇ䊶ᄢቇ㒮 3.2 3.2 3.0 2.7 3.1 3.2 3.2 3.1 3.2 3.3 3.1 2.8 㪇 㪈 㪉 㪊 㪋 図7 学歴と世帯収入階層別の世帯収入満足度の平均値 㪊㪌㪇ਁ౞ᧂḩ 㪊㪌㪇㪄㪋㪋 㪐ਁ౞ 㪌㪌㪇㪄㪐㪐 㪐ਁ౞ 㪈㪇㪇㪇 ਁ౞એ਄ ਛቇᩞ䊶㜞ᩞ ኾ㐷䊶⍴ᄢ䊶㜞ኾ ᄢቇ䊶ᄢቇ㒮 2.1 2.1 2.5 3.1 2.0 2.3 2.7 2.6 2.0 2.2 2.5 2.9 㪇 㪈 㪉 㪊 㪋

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と5),日本的雇用慣行のもとでは,学歴以外に 年齢が高いほど賃金も高くなることなどが影響 している可能性が考えられる。よって今後は, 性別や年齢の違いも考慮した分析によって,学 歴と収入に関する意識の直接的な関係を検討す る必要がある。 2.3 社会活動への参加  この節では学歴と社会活動への参加との関連 をさぐる。本節でいう社会活動とは,人々が日 常生活の中でボランタリーに参加する活動や市 民活動などをさす。参加行動の理論によれば, ボランティアへ参加する人は教育年数が長く, また専門職に従事している人ほどボランティア へ 参 加 す る と 説 明 さ れ て き た(Wilson and Musick 1997,Eleanorand Ferris2007)。そこ で本節では,現代日本において教育年数の長さ が実際に社会活動への参加に影響しているの か,教育年数と社会活動への参加において職種 はどのように関連しているのかについて検討す る。 2.3.1 学歴と社会活動  学歴によって社会活動への参加に違いがある かを検討する。調査票では11項目の社会活動に ついて,回答者が過去2,3年のうちに参加し た活動を尋ねている。本節ではそのうち6項目 をとりあげ,1「サークル活動」(スポーツサー クル・文化 /趣味サークルなどのサークル活 動),2「自己研鑚活動」(資格取得の講習会, 英会話教室などの自分の能力を向上させるため の 活 動・職 業 研 修 な ど の 自 己 研 鑽 活 動),3 「ボランティア活動」(環境保護・地域ボランテ ィアなどのボランティア活動),に分類し,そ れぞれの社会活動と学歴との間に関連があるか を検討する。   図9は学歴カテゴリー別にそれぞれの社会活 動への参加を示したものである。サークル活動 は大学・大学院(38.0%)がもっとも参加して お り,そ の 後 に 専 門 学 校・短 大・高 専 (28.3%),中学校・高校(24.3%)と続く。自己 研鑽活動は大学・大学院(30.1%)がもっとも 参 加 し て お り,次 に 専 門 学 校・短 大・高 専 (23.2%)の参加が多く,最後に中学校・高校 (16.7%)となっている。ボランティア活動は 大学・大学院(19.1%)の参加がもっとも多く, つぎに中学校・高校(16.0%),最後に専門学 校・短大・高専(14.1%)である。  この結果より,学歴カテゴリーのなかで,大 学・大学院は,専門学校・短大・高専や中学 図9 学歴別の社会活動参加率 19.1 14.1 30.1 23.2 16.7 28.3 24.3 16.0 38.0 㪇 㪌 㪈㪇 㪈㪌 㪉㪇 㪉㪌 㪊㪇 㪊㪌 㪋㪇 ᄢቇ䊶ᄢቇ㒮 ኾ㐷䊶⍴ᄢ䊶㜞ኾ ਛቇᩞ䊶㜞ᩞ 䉰䊷䉪䊦ᵴേ ⥄Ꮖ⎇㐘ᵴേ 䊗䊤䊮䊁䉞䉝ᵴേ 䉰䊷䉪䊦ᵴേΧ2୯䋽17.13*䋬⥄Ꮖ⎇㐘ᵴേΧ2୯䋽19.26*䋬䊗䊤䊮䊁䉞䉝ᵴേΧ2୯䋽2.88 *: p<0.05 (%)

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校・高校に比べると社会活動への参加率がより 高いことがわかる。また専門学校・短大・高専 も,サークル活動,自己研鑽活動については少 なくない割合の者が参加している。このことか ら教育年数が長いほど社会活動への参加は比較 的多くなる傾向がある,ということがわかる。 しかし,サークル活動と自己研鑽活動について は学歴と参加率の間に統計的有意差が確認でき たが,ボランティア活動に関しては有意差が認 められなかった。したがって,サークル活動と 自己研鑽活動については教育年数が長いほど活 動に参加する傾向があるといえるが,ボランテ ィア活動に関してはその傾向があるとはいえな い。また,ボランティア活動はサークル活動, 自己研鑽活動に比べ参加率が低い。これは,サ ークル活動や自己研鑽活動は自分自身のために 行うという性格をもつ活動であるのに対して, ボランティア活動は他人のために行うという性 格をもつ活動であるために参加率が低くなって いると考えられる。 2.3.2 社会活動への参加過程  次に,学歴と社会活動への参加において職種 がどのように関連しているのかを検討する。職 種は,労務職,サービス職,事務職,専門職の 4つに分類している。 図10 学歴別の職種 㪈㪊㪅㪍 㪈㪌㪅㪉 㪋㪊㪅㪊 㪈㪐㪅㪈 㪉㪎㪅㪐 㪊㪈㪅㪏 㪉㪋㪅㪈 㪉㪇㪅㪏 㪈㪋㪅㪈 㪋㪊㪅㪉 㪊㪍㪅㪇 㪈㪇㪅㪏 㪇㩼 㪉㪇㩼 㪋㪇㩼 㪍㪇㩼 㪏㪇㩼 㪈㪇㪇㩼 ᄢቇ䊶ᄢቇ㒮 ኾ㐷䊶⍴ᄢ䊶㜞ኾ ਛቇᩞ䊶㜞ᩞ ഭോ⡯ 䉰䊷䊎䉴⡯ ੐ോ⡯ ኾ㐷⡯ Χ2୯䋽132.64䋬⥄↱ᐲ䋽6䋬p୯䋽0.000 図11 職種別の社会活動参加率 21.5 15.9 16.1 15.2 30.8 26.9 21.9 20.3 34.6 23.4 31.0 25.0 㪇 㪌 㪈㪇 㪈㪌 㪉㪇 㪉㪌 㪊㪇 㪊㪌 㪋㪇 ኾ㐷⡯ ੐ോ⡯ 䉰䊷䊎䉴⡯ ഭോ⡯ 䉰䊷䉪䊦ᵴേ ⥄Ꮖ⎇㐘ᵴേ 䊗䊤䊮䊁䉞䉝ᵴേ 䉰䊷䉪䊦ᵴേΧ2୯䋽8.06*䋬⥄Ꮖ⎇㐘ᵴേΧ2୯䋽7.48+䋬䊗䊤䊮䊁䉞䉝ᵴേΧ2୯䋽3.59 *: p<0.05 +: p<0.10 (%)

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 学歴と職種の関連を示したのが図10である。 図10か ら は,中 学 校・高 校 卒 者 で は 労 務 職 (43.3%),サ ー ビ ス 職(31.8%),事 務 職 (14.1%),専門職(10.8%)の順で多いことがわ かる。また,専門学校・短大・高専卒者では, 専門職(36.0%),サービス職(27.9%),事務職 (20.8%),労務職(15.2%)となっている。大 学・大学院卒者は,専門職(43.2%),事務職 (24.1%),サ ー ビ ス 職(19.1%),労 務 職 (13.6%)である。  さらに,職種と社会活動の関連を示したのが 図11である。図11よりサークル活動へは専門職 (34.6%)がもっとも参加しており,つぎに事務 職(31.0%),サ ー ビ ス 職(25.0%),労 務 職 (23.4%)となっていることが確認できる。自 己研鑽活動は専門職(30.8%)の参加がもっと も多く,つぎに事務職(26.9%),サービス職 (21.9%),労務職(20.3%)となっている。ボラ ンティア活動は専門職(21.5%)がもっとも参 加しており,つぎにサービス職(16.1%),事務 職(15.9%),労務職(15.2%)である。  これらの結果からは,学歴が高い者は専門性 が高い職種に就いており,また専門性が高い職 種は社会活動への参加率が高いことがわかる。 したがって,前項で明らかになった学歴と社会 活動への参加の関連は,高学歴者が社会活動を 行いやすい専門性の高い職種に就いているため であるといえる。ただし,学歴と社会活動の関 連と同様に,職種別に見た場合にも社会活動へ の参加は,サークル活動と自己研鑽活動につい ては統計的有意差が確認できたが,ボランティ ア活動に関しては有意差が認められなかった。 したがって,サークル活動と自己研鑽活動につ いては職種により参加率が異なるが,ボランテ ィア活動に関してはその傾向があるとはいえな い。 2.4 学歴と社会的ネットワーク  本節では,社会的ネットワークが学歴によっ ていかに異なるかを明らかにしていく。  産業化と都市化の進展による集団・組織内部 での繋がりの衰退は,人間関係を集団内関係と みなし,集団の構造と規範の理解をとおして 人々の行動を理解することを困難にした(森 岡 2004)。森岡によれば,このような事態は人 間関係を集団内関係に限定する従来の研究視覚 と方法に大きな変更を迫り,人々の意識と行動 を明らかにする新たな視覚として,個人を中心 として広がる他者および施設や機関との繋がり をあらわした社会的ネットワークが用いられる ようになった。そして現在では社会的ネットワ ークは,1経済的・情報的な意味での社会的資 源として,2ソーシャル・サポートの実質的な 源泉として,3本人にとっての情緒的な基盤と して,個人に欠くことのできない社会環境を構 成している(菅野 1998)。しかしその社会的な 重要性にも関わらず,社会的ネットワークの保 有状況は,個人が社会階層間のどこに位置する かによって異なる(中尾 2004)。また,「交際 のネットワーク」と「ケアのネットワーク」の 担い手が異なることから理解されるように(大 和 2000),社会的ネットワークは問題状況によ って使い分けられる。近年,社会的に関心が高 い子育てや就労への制度的な支援を提供するた めには,問題状況別に誰がどのようなネットワ ークを用いているのかを明らかにしたうえでそ れを補うような制度作りを進めなければならな い。このことは,a広い(多様な)社会的ネッ トワークを保有するのはどのような人である か,b個別の問題状況において利用されるネッ

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トワークはどのような特徴をもっているのか, を詳細に検討する必要を示している。そこで, 本節では,社会的ネットワークの保有に大きな 影響を与えるとされる社会階層要因のうちで も,とくに学歴の違いに注目して,上記の問題 を検討する。 2.4.1 社会的ネットワークの測定  社会的ネットワークは,以下の6つの異なる 問題状況に限定して,頼りにする人や機関につ いて当てはまるものを選択してもらい測定し た。それぞれの状況と問いは,a「経済的援 助」:急いでお金(30万円程度)を借りなければ ならないとき,b「情緒的援助」:問題を抱えて 落ち込んだり悩んだときに心配事をきいてもら う,c「家事・育児・看護」:家事・育児・介護 などの手助けが必要なとき,d「社交」:知り合 いを増やしたり,遊びや食事を一緒にしてくれ る相手が必要なとき,e「就職」:新しい働き口 を探す必要ができて,その情報が必要なとき, f「保証人」:部屋を借りるとき,不動産の賃貸 契約のとき保証人になってもらう,である。回 答は,「配偶者/自分の親/自分のきょうだい /その他の親族/近所(地域)の人/友人/職 場の同僚や仲間/専門家やサービス機関/誰も いない」のうちから当てはまるものを全て選ん でもらう複数選択式である。 2.4.2 社会的ネットワークの保有状況  それぞれの問題状況について,選択された回 答の平均値を学歴別に見たのが表4である。こ こでは学歴が上昇するのにしたがって,社会的 ネットワークに含まれる人数も増大する傾向が 見られる。分散分析の結果からは,情緒的援 助,家事・育児・介護,保証人においては学歴 間の違いが明確に認められた(p<0.05)。ま た,経済的援助,就職の人数も学歴によって異 なる傾向がある(p<0.10)。一般に,教育機関 への入学は他者との接触機会の増大に伴い友 人・知人の増加をもたらすと同時に,学習によ り施設や組織の利用による問題解決の方法を習 得する。したがって,学歴が上昇することによ って様々な問題状況における社会的ネットワー クが拡大することは経験的にも妥当なものであ ると考えられる。それでは,それぞれの問題状 況において利用可能なネットワークに含まれる 人々は,学歴によって,その人数だけではな く,属性も異なるのだろうか。次項では,問題 状況別に学歴と相談相手の属性を検討すること によって学歴と社会的ネットワークの構成を検 討する。 表4 学歴別社会的ネットワーク保有状況 保証人 就職 社交 家事・育児・介護 情緒的援助 経済的援助 1.11 1.33 1.33 1.36 1.31 1.17 中学校(n=64) 1.45 1.61 1.58 1.59 1.64 1.43 高校(n=375) 1.41 1.79 1.61 1.79 1.90 1.47 専門学校・短大・高専(n=276) 1.50 1.80 1.54 1.73 1.66 1.42 大学・大学院(n=327) 3 3 3 3 3 3 自由度 4.33* 3.77+ 1.31 4.63* 7.18* 2.35+ F値 *:p<0.05 +:p<0.10

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2.4.3 社会的ネットワークの構成  問題状況と学歴別に相談相手の属性を示した のが図12である。はじめに,経済的援助ネット ワークは学歴が高くなるにしたがって親に頼る 人が多い。一方で,きょうだいやその他の親族 は学歴が低い者のほうが援助を頼る傾向にあ る。また,どの学歴においても援助者のほとん どは配偶者,親,きょうだい,その他の親族に よって占められており,経済的援助では多くの 者が親族を頼りにしているといえる。次に情緒 的援助ネットワークでは,学歴が高くなるにし たがい,親,友人,職場の同僚を相談相手とし て上げる割合が高くなる。学歴の上昇と友人, 職場の同僚の増加の関係は,社交ネットワーク を除いて,ほかの問題状況では見出されないも のであり情緒的援助ネットワークに特徴的な関 連としてみることができる。家事・育児・介護 ネットワークは,配偶者を中心にしながらも, 学歴が高くなるにつれて,親に頼る割合が増加 している。また,中学校卒では,その他の親 族,友人に頼る割合が,若干高くなっている6) 社交ネットワークは,学歴が高くなるにしたが い,友人や職場の同僚をあげる者が多くなる。 とくに,大学・大学院卒が職場の同僚をあげる 割合は,中学校卒の約2倍である。また,他の 問題状況と比べて,近所の人をあげる割合が高 いことも特徴的である7)。就職ネットワークで は,中学校卒に比べて,そのほかのカテゴリー 図12 問題状況と学歴別にみた社会的ネットワークの構成 㪈㪌㪅㪌 㪈㪎㪅㪉 㪉㪇㪅㪎 㪈㪈㪅㪊 㪎㪅㪏 㪐㪅㪌 㪎㪅㪊 㪈㪇㪅㪍 㪐㪅㪊 㪐㪅㪌 㪈㪇㪅㪈 㪈㪍㪅㪌 㪉㪐㪅㪊 㪉㪏㪅㪌 㪊㪊㪅㪊 㪊㪎㪅㪐 㪉㪎㪅㪊 㪉㪌㪅㪇 㪊㪇㪅㪈 㪊㪌㪅㪎 㪉㪏㪅㪋 㪊㪇㪅㪌 㪊㪉㪅㪐 㪉㪐㪅㪊 㪋㪈㪅㪍 㪊㪏㪅㪉 㪉㪏㪅㪍 㪈㪐㪅㪎 㪌㪅㪍 㪋㪅㪎 㪊㪅㪈 㪉㪅㪋 㪉㪅㪏 㪉㪅㪎 㪊㪅㪇 㪉㪅㪋 㪉㪍㪅㪐 㪉㪋㪅㪍 㪈㪎㪅㪊 㪈㪈㪅㪌 㪈㪋㪅㪉 㪈㪊㪅㪐 㪈㪇㪅㪍 㪍㪅㪇 㪋㪉㪅㪏 㪊㪏㪅㪋 㪉㪐㪅㪋 㪉㪉㪅㪎 㪉㪋㪅㪈 㪉㪎㪅㪉 㪊㪇㪅㪏 㪊㪌㪅㪉 㪌㪅㪍 㪍㪅㪎 㪎㪅㪈 㪐㪅㪋 㪌㪅㪈 㪏㪅㪊 㪐㪅㪏 㪈㪈㪅㪏 㪈㪍㪅㪍 㪈㪐㪅㪋 㪈㪐㪅㪊 㪈㪎㪅㪉 㪏㪅㪈 㪈㪋㪅㪎 㪈㪋㪅㪇 㪈㪍㪅㪎 㪈㪋㪅㪏 㪈㪌㪅㪌 㪈㪏㪅㪇 㪉㪇㪅㪇 㪈㪈㪅㪋 㪈㪉㪅㪏 㪈㪈㪅㪍 㪈㪌㪅㪌 㪊㪅㪐 㪋㪅㪌 㪋㪅㪈 㪊㪅㪌 㪉㪅㪇 㪉㪅㪐 㪌㪅㪋 㪌㪅㪐 㪏㪅㪎 㪎㪅㪊 㪏㪅㪐 㪈㪇㪅㪊 㪊㪅㪈 㪉㪅㪊 㪋㪅㪐 㪋㪅㪏 㪊㪅㪎 㪋㪅㪐 㪌㪅㪍 㪈㪇㪅㪎 㪇㪅㪇 㪇㪅㪊 㪇㪅㪍 㪇㪅㪇 㪉㪅㪐 㪋㪅㪌 㪋㪅㪌 㪊㪅㪌 㪌㪅㪊 㪍㪅㪊 㪏㪅㪊 㪐㪅㪋 㪉㪅㪊 㪈㪅㪏 㪈㪅㪈 㪇㪅㪐 㪇㪅㪏 㪉㪅㪋 㪇㪅㪇 㪇㪅㪇 㪇㪅㪉 㪈㪅㪊 㪊㪅㪐 㪊㪅㪐 㪊㪅㪐 㪉㪅㪏 㪉㪅㪏 㪉㪅㪏 㪋㪅㪈 㪋㪅㪈 㪋㪅㪈 㪈㪈㪅㪊 㪈㪈㪅㪊 㪈㪈㪅㪊 㪉㪊㪅㪋 㪉㪊㪅㪋 㪉㪊㪅㪋 㪉㪈㪅㪊 㪉㪈㪅㪊 㪉㪈㪅㪊 㪉㪍㪅㪈 㪉㪍㪅㪈 㪉㪍㪅㪈 㪉㪏㪅㪉 㪉㪏㪅㪉 㪉㪏㪅㪉 㪌㪉㪅㪊 㪌㪉㪅㪊 㪌㪉㪅㪊 㪌㪈㪅㪍 㪌㪈㪅㪍 㪌㪈㪅㪍 㪋㪌㪅㪏 㪋㪌㪅㪏 㪋㪌㪅㪏 㪋㪉㪅㪋 㪋㪉㪅㪋 㪋㪉㪅㪋 㪌㪅㪎 㪌㪅㪎 㪌㪅㪎 㪍㪅㪊 㪍㪅㪊 㪍㪅㪊 㪍㪅㪇 㪍㪅㪇 㪍㪅㪇 㪈㪇㪅㪊 㪈㪇㪅㪊 㪈㪇㪅㪊 㪊㪊㪅㪉 㪊㪊㪅㪉 㪊㪊㪅㪉 㪊㪇㪅㪐 㪊㪇㪅㪐 㪊㪇㪅㪐 㪉㪐㪅㪈 㪉㪐㪅㪈 㪉㪐㪅㪈 㪊㪈㪅㪇 㪊㪈㪅㪇 㪊㪈㪅㪇 㪋㪅㪊 㪋㪅㪊 㪋㪅㪊 㪉㪅㪎 㪉㪅㪎 㪉㪅㪎 㪊㪅㪐 㪊㪅㪐 㪊㪅㪐 㪌㪅㪊 㪌㪅㪊 㪌㪅㪊 㪈㪅㪍 㪇㪅㪌 㪈㪅㪏 㪈㪅㪏 㪈㪅㪏 㪌㪅㪍 㪌㪅㪍 㪌㪅㪍 㪈㪌㪅㪊 㪈㪌㪅㪊 㪈㪌㪅㪊 㪈㪈㪅㪎 㪈㪈㪅㪎 㪈㪈㪅㪎 㪈㪉㪅㪉 㪈㪉㪅㪉 㪈㪉㪅㪉 㪈㪌㪅㪊 㪈㪌㪅㪊 㪈㪌㪅㪊 㪉㪈㪅㪏 㪉㪈㪅㪏 㪉㪈㪅㪏 㪈㪏㪅㪇 㪈㪏㪅㪇 㪈㪏㪅㪇 㪈㪍㪅㪐 㪈㪍㪅㪐 㪈㪍㪅㪐 㪈㪈㪅㪏 㪈㪈㪅㪏 㪈㪈㪅㪏 㪈㪅㪉 㪈㪅㪋 㪈㪅㪉 㪉㪅㪊 㪉㪅㪊 㪉㪅㪊 㪈㪇㪅㪌 㪈㪇㪅㪌 㪈㪇㪅㪌 㪈㪇㪅㪈 㪈㪇㪅㪈 㪈㪇㪅㪈 㪏㪅㪈 㪏㪅㪈 㪏㪅㪈 㪉㪅㪋 㪉㪅㪋 㪉㪅㪋 㪇㪅㪐 㪈㪅㪇 㪉㪅㪍 㪉㪅㪍 㪉㪅㪍 㪋㪅㪇 㪋㪅㪇 㪋㪅㪇 㪈㪅㪇 㪇㩼 㪉㪇㩼 㪋㪇㩼 㪍㪇㩼 㪏㪇㩼 㪈㪇㪇㩼 ᄢቇ䊶ᄢቇ㒮㩿㫅㪔㪋㪐㪇㪀 ኾ㐷ቇᩞ䊶⍴ᄢ䊶㜞ኾ㩿㫅㪔㪊㪐㪇㪀 㜞ᩞ㩿㫅㪔㪌㪋㪉㪀 ਛቇᩞ㩿㫅㪔㪎㪈㪀 ᄢቇ䊶ᄢቇ㒮㩿㫅㪔㪌㪏㪐㪀 ኾ㐷ቇᩞ䊶⍴ᄢ䊶㜞ኾ㩿㫅㪔㪋㪐㪋㪀 㜞ᩞ㩿㫅㪔㪍㪇㪌㪀 ਛቇᩞ㩿㫅㪔㪏㪌㪀 ᄢቇ䊶ᄢቇ㒮㩿㫅㪔㪌㪇㪌㪀 ኾ㐷ቇᩞ䊶⍴ᄢ䊶㜞ኾ㩿㫅㪔㪋㪋㪋㪀 㜞ᩞ㩿㫅㪔㪌㪐㪉㪀 ਛቇᩞ㩿㫅㪔㪏㪌㪀 ᄢቇ䊶ᄢቇ㒮㩿㫅㪔㪌㪍㪍㪀 ኾ㐷ቇᩞ䊶⍴ᄢ䊶㜞ኾ㩿㫅㪔㪋㪐㪌㪀 㜞ᩞ㩿㫅㪔㪌㪐㪎㪀 ਛቇᩞ㩿㫅㪔㪏㪎㪀 ᄢቇ䊶ᄢቇ㒮㩿㫅㪔㪌㪋㪉㪀 ኾ㐷ቇᩞ䊶⍴ᄢ䊶㜞ኾ㩿㫅㪔㪌㪉㪌㪀 㜞ᩞ㩿㫅㪔㪍㪈㪌㪀 ਛቇᩞ㩿㫅㪔㪏㪋㪀 ᄢቇ䊶ᄢቇ㒮㩿㫅㪔㪋㪍㪌㪀 ኾ㐷ቇᩞ䊶⍴ᄢ䊶㜞ኾ㩿㫅㪔㪋㪇㪍㪀 㜞ᩞ㩿㫅㪔㪌㪊㪏㪀 ਛቇᩞ㩿㫅㪔㪎㪌㪀 ଻⸽ੱ ዞ⡯ ␠੤ ኅ੐䊶⢒ఽ䊶੺⼔ ᖱ✜⊛េഥ ⚻ᷣ⊛េഥ ㈩஧⠪ ⷫ 䈐䉊䈉䈣䈇 䈠䈱ઁ䈱ⷫᣖ ㄭᚲ䈱ੱ ෹ੱ ⡯႐䈱ห௥ ኾ㐷ኅ䊶 䉰䊷䊎䉴ᯏ㑐 㪇㪅㪇 㪈㪅㪇 㪈㪅㪇 㪈㪅㪇 㪈㪅㪈 㪈㪅㪈 㪈㪅㪈 㪈㪅㪏 㪈㪅㪏 㪈㪅㪏 㪈㪅㪏 㪈㪅㪏 㪈㪅㪏 㪈㪅㪋 㪈㪅㪋 㪈㪅㪋 㪊㪌㪅㪌 㪊㪌㪅㪌 㪊㪌㪅㪌 㪊㪎㪅㪉 㪊㪎㪅㪉 㪊㪎㪅㪉 㪊㪌㪅㪌 㪊㪌㪅㪌 㪊㪌㪅㪌 㪉㪎㪅㪈 㪉㪎㪅㪈 㪉㪎㪅㪈 㪈㪅㪋 㪈㪅㪋 㪈㪅㪋 㪇㪅㪎 㪇㪅㪎 㪇㪅㪎 㪇㪅㪎 㪇㪅㪎 㪇㪅㪎 㪐㪅㪋 㪐㪅㪋 㪐㪅㪋 㪈㪈㪅㪌 㪈㪈㪅㪌 㪈㪈㪅㪌 㪈㪉㪅㪉 㪈㪉㪅㪉 㪈㪉㪅㪉 㪐㪅㪉 㪐㪅㪉 㪐㪅㪉 㪉㪅㪍 㪉㪅㪍 㪉㪅㪍 㪉㪅㪌 㪉㪅㪌 㪉㪅㪌 㪉㪅㪈 㪉㪅㪈 㪉㪅㪈 㪈㪅㪉 㪈㪅㪉 㪈㪅㪉 㪌㪅㪉 㪌㪅㪉 㪌㪅㪉 㪍㪅㪐 㪍㪅㪐 㪍㪅㪐 㪎㪅㪋 㪎㪅㪋 㪎㪅㪋 㪍㪅㪎 㪍㪅㪎 㪍㪅㪎

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で専門家・サービス機関をあげる者の割合が高 い。一方で,中学校卒は配偶者をあげる者の割 合が高い。また,高学歴者よりも低学歴者のほ うが,就職の際に友人を頼る傾向がみられる。 保証人ネットワークは,親の影響が顕著であ る。高学歴になるにしたがい,保証人として親 をあげる者が増加する。一方で,学歴が低いほ ど,きょうだいに頼る人が増加する傾向がみら れる。  以上の分析によって,全般的に,経済的援 助,情緒的援助,家事・育児・介護,保証人に おいては,配偶者,親,きょうだいといった親 族の占める割合が大きいことが確認された。一 方で,社交や就職では,友人や職場の同僚,専 門家・サービス機関の占める割合が大きく,先 の問題状況で利用されるネットワークとは異な るネットワークが活用される傾向がある。また 同時に,学歴による社会的ネットワークの構成 の違いも確認された。これらの一部は,経済的 援助や保証人において高学歴の者のほうが親の 存在をあげていることから,学歴の効果という よりも,親の経済的状況が比較的良い者が長期 間の教育を受けている結果と考えることができ る。しかし,社交ネットワークにおいて学歴の 違いが見られるように,全てを親の経済的状況 に還元することはできない。この点について は,今後,本人の経済階層や婚姻状況を含めた 多変量解析を行うことによって,その詳細を明 らかにする必要がある。 3.結論と考察  本稿では,調査データから,教育階層による 社会の分断はどこにみられるのかについて検討 してきた。その結果,学歴と世帯収入満足度の 関連からは,全体的には不満をもつ者がやや多 いこと,高学歴層ほど満足している者が多いこ とが明らかにされた。とくに不満をもつ者に注 目すると,最終学歴が中学校・高校である者の 不満が高く,世帯収入満足度における分断は中 学校・高校卒者と専門・短大・高専卒の間に存 在しているといえる。そして,高学歴層ほど, 現在の日本の収入格差が大きすぎるとは思わな い傾向がある。このような教育階層と意識の関 連がどのようなメカニズムによって結びついて いるのかを検証したところ,高学歴層は実際に 高収入であることから満足度が高く,格差意識 が小さいことが示された。  また,教育階層は社会活動への参加とも関連 が認められ,大学・大学院卒の者は,サークル 活動,自己研鑚活動,ボランティア活動のいず れにおいても最も高い参加率を示した。そし て,サークル活動と自己研鑚活動については学 歴と参加率の間に統計的有意差が確認されてい る。社会活動への参加では,職種が学歴と社会 活動への参加にどのように関わっているのかに ついても検証され,学歴の高い人は専門性の高 い職種に就くことによって社会活動へ参加しや すい傾向にあることが明らかにされた。職種と 社会活動への参加が関連をもつ理由としては, 専門職は他の職と比べて仕事の裁量が大きいた め,時間的都合をつけやすいことが一因にある と考えられるが詳細な検証は今後の課題であ る。さらに,学歴と社会活動への参加と同様 に,職種別に見た場合にも,サークル活動と自 己研鑚活動においては職種と参加率との間に統 計的有意差が確認された。一方で,ボランティ ア活動への参加については,学歴,職種のどち らとも関連が見出されなかった。この結果は, サークル活動や自己研鑚活動が利己的な活動で

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あるのに対して,ボランティア活動は利他的な 活動であることが関係していると考えられる。 しかし,ウィルソンなど(1997)による研究で は,職業の自律性や複雑性は仕事での難題を解 決する能力の獲得を通して,ボランティア活動 に必要な資源を提供すると指摘されている。こ の指摘を踏まえれば,専門職にある者はボラン ティア活動への参加率が高くなることが予想さ れるが,今回の検証では他の職種との違いは見 出されなかった。今後は,利己的意識/利他的 意識の程度や職業の複雑性を考慮しながらの検 証が必要である。  最後に,教育階層と社会的ネットワークの関 連では,学歴の上昇によって,情緒的援助ネッ トワーク,家事・育児・介護ネットワーク,保 証人ネットワークの規模も大きくなることが示 された。とくに,情緒的援助,家事・育児・介 護,保証人では,ネットワークの規模は学歴に よってはっきりと異なる。また,それぞれの問 題状況別のネットワークの中に含まれる人々も 学歴によって異なっており,情緒的援助や社交 では学歴が高くなるほど友人や職場の同僚とい った親族以外の者が含まれる傾向がある。ただ し,今回の分析では,問題状況別のネットワー クに含まれる人々は記述的にその概要を提示し たのみである。今後は経済的な状況や婚姻状況 などを考慮しながら詳細に検証していく必要が ある。  本稿では,教育階層による社会の分断につい て主に,収入や格差についての意識,社会活動 への参加,社会的ネットワークの保有状況から 検討してきた。これらの検討の結果,教育階層 の違いはそれぞれの側面にはっきりと確認さ れ,今日の日本社会では教育階層の違いが様々 な領域において分断線として機能していること が示された。一般的に,教育階層の指標となる 学歴は一度獲得された後は変化しない一方で, 社会的ネットワークの保有状況にみられるよう に個々人へのサポート資源は学歴の違いにより 偏って存在している。このような状況において は教育階層の違いによって著しく不利益な状況 が生まれないような制度作りが重要となるだろ う。ただし,本稿は教育階層と社会の分断の状 況を調査データから包括的に把握しようとした ものであり,年齢や婚姻状況など他の要因との 関連については検証が尽くされていない。ま た,社会の分断には教育階層のほかにも職業階 層や性別などの要素も関与していると考えられ る。今後は,これらの残された点を分析に取り 込んだうえで,さらなる検証を進める必要があ る。 付記  本稿は,2010年度立命館大学産業社会学会研究助 成「社会階層と社会的連帯─計量分析モデルとその 応用に関する研究─」および平成20~23年度科学研 究費補助金(基盤研究(B)「現代社会における統制 と連帯:階層と対人援助に注目して」研究代表:景 井充)による研究成果の一部である。記して感謝し たい。 1) 本調査では中退・在学中も卒業と同じものと してたずねている。 2) 満足度についての選択肢は,「1:満足して いる」,「2:どちらかというと満足している」, 「3:どちらかというと不満である」,「4:不 満である」の4段階である。格差意識について の選択肢は,「1:そう思う」,「2:ややそう 思う」,「3:あまりそう思わない」,「4:そう 思わない」の4段階である。 3) 世帯収入階層は,幅をもったカテゴリーとし てたずねられた世帯収入の中央値を連続変数と

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みなしたうえで,その四分位範囲から作成し た。 4) 学歴と収入に関する意識の関連メカニズムで は,そもそも学歴によって期待する生活水準が 異なり,その結果,満足度や格差意識も学歴に よって差が生じることも考えられる。しかし, 本調査には期待する生活水準についての設問が 含まれないため,上記の関連メカニズムを検証 することはできない。この点は別稿においてさ らなる検証が必要である。 5) 今回のサンプルで本人学歴が「短大・高専」 である者のうち,男性は9.4%,女性は90.3%で ある。 6) ただし,中学校卒は人数が少ないため,実測 値と比べて,百分率で表すとその値が相対的に 大きくなることに注意しなければならない。 7) 社交ネットワークは,全般的には,友人や職 場の同僚を中心に構成されるものの,高学歴の 者ほど友人や職場の同僚といった第二次集団に 含まれる者が増加する一方で,低学歴の者ほど 配偶者,きょうだい,近所の人といった第一次 集団に含まれる者が増加する傾向がある点も特 徴的である。 文献

Eleanor,B and JamesM.F,2007,“Socialcapital

and philanthropy:An analysisofthe impactof

social capital on individual giving and

volunteering,”Nonprofitand Voluntary Sector Quarterly,36(1):85-99. 吉川徹,2006,『学歴と格差・不平等─成熟する 日本型学歴社会』東京大学出版会. 森岡淸志,2004「社会的ネットワークとパーソナ ル・ネットワークの研究視覚」森岡淸志編『改 訂版 都市社会の人間関係』放送大学教育振興 会,22-34. 中尾啓子,2004,「社会階層とパーソナル・ネット ワーク」森岡淸志編『改訂版 都市社会の人間 関係』放送大学教育振興会,140-149. 菅野剛,1998,「女性と社会的ネットワーク」白倉幸 男編『1995年 SSM 調査シリーズ17 社会階層と ライフスタイル』1995年 SSM 調査研究会,309-322.

Wilson, J and Marc A. M, 1997, “Work and

Volunteering: The Long Arm of the Job,”

SocialForces,76(1):251-272.

大和礼子,2000,「“社会階層と社会的ネットワー ク”再考─〈交際のネットワーク〉と〈ケア のネットワーク〉の比較から」社会学評論51

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Abstract:The purpose ofthispaperisto examine how people’spositionswithin the educational stratification are related to asense ofincome inequality,socialparticipation,and the structure of socialnetworks.We analyze survey dataof1073 men and women aged between 20 and 65 living in the Kinkiregion,collected in 2010.The resultsshow thathighly educated people indicate a higherlevelofincome satisfaction,while indicating lowersense ofincome inequality.Moreover, the highly educated tend to participate in group activitiesand self-improvementactivities.They also have expansive socialnetworks.Ourfindingssuggestthatone’sposition in the educational stratification in Japan decidesnotonly occupationalposition butalso the examplesofdaily lives given above.

Keywords:educationalstratification,sense ofincome inequality,socialparticipation,socialnetwork

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NAKAIMiki*   

MATSUIShinichi**  

TAKAKURA Hiroshi*** 

TAKEUCHIMaki****

* Professor,Faculty ofSocialSciences,Ritsumeikan University

** AssistantProfessor,genderequality promotion office,Gifu University *** Ph.D.Candidate,Graduate SchoolofSociology,Ritsumeikan University

参照

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