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外来通院がん患者の倦怠感とその影響要因

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外来通院がん患者の 怠感とその影響要因

小 暮 麻 弓, 細 川

舞, 高 階 淳 子,

石 田 和 子, 狩 野 太 郎, 神 田 清 子

要 旨 【目 的】 外来通院しているがん患者の 怠感の実態を調査し, 治療方法, 各症状の有無などの影響の 析 を行い, 怠感緩和への援助に役立てることである. 【対象と方法】 A 病院の外来通院がん患者 204名を対

象に Cancer Fatigue Scale(CFS)を 用し質問票調査を実施した.また,先行研究により指摘されている関連

要因 16項目についても併せて調査し, それらと 合的 怠感得点との関係を 析した. 【結 果】 合的 怠感得点は平 値 23.0 (標準偏差 SD : 10.0) 点であった. 怠感得点 19 点以上の 怠感の強い群の頻度は 64.7%であった. 最終的に 20項目の要因を投入し, 強度 怠感の有無に関するロジスティック回帰 析を 行った結果, PS, 孤独感, ホルモン療法, 放射線治療が大きく関連していた. 【結 語】 外来通院患者の 怠 感関連要因をアセスメントし, 孤独感を抱かせない様な支援が重要であることが示唆された.(Kitakamto Med J 2008;58:63∼69) キーワード: 怠感, 怠感尺度, 外来通院, 質問紙調査 は じ め に がんに関連する 怠感は重度で, しかも不快であり休 息によっても取り除くことができずに身体的・心理的・ 社会的・スピリチュアル的な苦痛を呼び起こすトータル ペインであることが知られている. がんのターミナル期 においては全身 怠感の出現頻度は 75∼97%と高頻度 に認められている. 怠感の生じる原因については, 抗 がん剤, 痛みや呼吸困難など身体的要因, 抑うつや不安 などの精神的要因との関連も報告され, 怠感は多く の因子が複雑に絡み合って生じる多次元的な症状である と えられている. 日本におけるがん患者の 怠感に関する研究はいくつ か散見されている. 神里は, 放射線療法中のがん患者の 怠感を調査し, 放射線治療を始めて第 1週目は 怠感 の出現は殆どないが, 第 2週目から第 4週目にかけて 怠感が増強することを明らかにしている. 奥山らは日本 で初めてがん患者の 怠感を評価する尺度・CFS (Can-cer Fatigue Scale)を開発し, その尺度を用いた調査にお いて, 痛みと抑うつが 怠感に有意に関連するというこ とを報告している. また細川らは CFSを 用し入院が ん患者の 怠感の頻度が 60.4%であったと報告してい る. 一方諸外国では 怠感を緩和するための種々の介入研 究が行われ評価の段階に至っている. 現在のところ日本 では 怠感の実態が明らかにされつつあるが外来通院し ているがん患者の 怠感を明らかにしている研究は見当 たらない. がん患者の 怠感と全身状態や治療方法, 疾患部位, 症状, 運動習慣の関連について調べ, 怠感に影響を与 える要因について知り, どのような患者の 怠感が強い のかを 析することで, 看護師の 怠感のアセスメント が容易になり, 怠感を苦痛に感じている患者への援助 に役立てることができる. 本研究の目的は, 外来通院しているがん患者の 怠感 の実態を調査し, 治療方法, 各症状の有無の影響につい て 析を行い 怠感緩和への援助に役立てることであ る. 1 群馬県渋川市金井2854 独立行政法人国立病院機構西群馬病院 2 秋田県秋田市本道1-1-1 秋田大学医学部保 学科 3 群馬県前橋市昭和町3-39-22 群馬大学医学部附属病院 4 群馬県前橋市上沖町323-1 群馬県立県民 康科学大学 5 群馬県 前橋市昭和町3-39-21 群馬大学医学部保 学科 平成19年11月26日 受付 論文別刷請求先 〒377-8511 群馬県渋川市金井2854 独立行政法人国立病院機構西群馬病院看護部 小暮麻弓, 細川 舞

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言葉の操作的定義 怠感とは,「身体的,精神的,認知的にエネルギーが減 少したと感じる主観的な感覚」である. 研 究 方 法 1)対象者 平成 17年 8月 1日∼平成 17年 9 月 15日までの A 病 院放射線科外来, 化学療法センター, 乳腺外来に通院中 のがん患者で, 同意を得られた 204名を対象とした. 2)調査方法と内容 自己記述法による質問票調査を実施した. 質問票は奥 山らの 怠感スケール (Cancer Fatigue Scale: 以下 CFS と略す) のほか, 性別, 年齢, 婚姻状況, 職業の有無, 相談者の有無,がんの部位,Performance States(PS),運動 習慣の有無,発熱,痛み,孤独感,呼吸困難,下痢,不眠,嘔 気・嘔吐, 不穏などの症状の有無により構成した. ⑴ CFS (表 1) CFS は身体的・精神的・認知的 怠感の 3つの下位尺 度から患者の 怠感を評価する. 身体的 怠感 7項目, 精神的 怠感 4項目, 認知的 怠感 4項目からなり全 15 項目である.回答は「いいえ」,「すこし」,「まあまあ」,「か なり」,「とても」の 5段階で評定する.表 1に示した計算 式に基づき計算し, それぞれの得点を算出し, 下位尺度 3 つの得点を足したものが 合的 怠感得点である. 最低 得点は 0点であり最高得点 60点になり, 高得点ほど 怠感が強いことを示す. 奥山らの基準をもとに 合得点 19 点以上を 怠感の強い群とする. ⑵ Performance States (PS) ECOG により開発された全身状態の指標 である. 0 ∼ 4までの 5段階の Gradeで全身状態の他覚的指標と している.PSは 0の身体状態良好群と 1以上の不良群に それぞれ区別して示した. 3)データの 析方法 CFS 得点を集計し, CFS 得点を目的変数とし, 治療方 法, 運動習慣の有無, 各種症状の有無などの影響要因を 説明変数とし, その関連を 析した. 影響要因別 CFS得 点の差の検定には t検定を 用した. CFS得点は, 19 点 以上の 怠感の強い群と 19 点未満の弱い群に けた. 怠感の強弱の関連はカイ 2乗検定を用いた. 最終的に, 各項目が強度 怠感の出現に与える影響について, 絡 因子の調整 (各項目間の相互作用を排除) を行うために, 20項目の影響要因を投入し, 変数増加法ステップワイズ を用いたロジスティック回帰 析を行った. 統計ソフト

は SPSS for Windows Ver 12 Jを用いた. 4)倫理的配慮 本研究では, 対象者に研究の目的と方法, 自由意志に よる参加, 参加中止の自由, 個人情報の保護について口 頭と書面により説明を行い, 同意書への署名により同意 を取得した. 調査用紙への回答は無記名とし, 住所や生 年月日など個人の特定につながる情報は収集しなかっ た. なお, 研究実施にあたり, A 病院の倫理審査委員会に より承認を得た. 結 果 1)対象属性 外来通院中の患者 210名に調査票を配布し, 記入漏れ のない 204名を有効回答とした (有効回答率 97.1%). 対 象者は,年齢 22-90歳,平 57.2(SD12.4)歳であり,男性 が 38名 (18.6%), 女性が 166名 (81.4%) であった. 対象 者のうち化学療法を受けている者が一番多く, 次いでホ ルモン療法, 放射線療法の順であった. 対象者の疾患は, 乳がんが 128名 (62.7%)を占め,乳がん以外のがんが 76 名 (37.3%) となっていた. 症状については,「痛み」と「不眠」が 47名 (23.0%), 「孤独感」26名 (12.7%), 他の症状を感じている者は 10%未満であった. 2)対象属性と 怠感得点との関係 (表 2) 合的 怠感得点は 1点から 56点までで平 値 23.0 (SD10.0) 点であった. 身体的 怠感得点は 0点から 33 点までで平 値 12.0点であり, 精神的 怠感得点は 0点 から 16点までで平 値 7.6点, 認知的 怠感得点は 0点 表 1 CFSの質問項目 項 目 1 疲れやすいですか 2 横になっていたいと感じますか 3 ぐったりと感じますか 4 不注意になったと感じますか 5 活気はありますか 6 身体がだるいと感じますか 7 言い間違えが増えたように感じますか 8 物事に興味をもてますか 9 うんざりと感じますか 10 忘れやすくなったと感じますか 11 物事に集中することは出来ますか 12 おっくうに感じますか 13 える速さは落ちたと感じますか 14 がんばろうと思うことが出来ますか 15 身の置き所のないようなだるさを感じますか ・身体的=(1+2+3+6+9+12+15)−7 ・精神的=20−(5+8+11+14) ・認知的=(4+7+10+13)−4 合得点=各因子の得点を加算

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から 14点までで平 値 3.4点であった. 対象属性と 合 怠感得点との関係で有意差が見られた項目は「性別」, 「PS」と「放射線療法」であった. 性別では, 女性 27.8 (SD10.5) 点, 男性 19.6 (SD6.8) 点と男女で差が見られ (t=3.12, p<0.05), PS では 1以上 27.6 (SD10.2) 点, 0以 下 20.3(SD8.9)と差が見られた (t=5.30,p<0.005).放射 線療法については, 受けていない者 23.7 (SD10.7) 点, 受 けている者は 20.1 (SD8.1) 点と差が見られ (t=2.08,p< 0.05), 放射線治療を受けている者の 怠感得点が低く なっていた. 対象者の症状と 怠感得点との関係では, 痛み (t= 3.338, p<0.005), 不眠 (t=3.832, p<0.001), 孤独感 (t= 3.134,p<0.005),下痢 (t=2.738,p<0.005),呼吸困難 (t= 3.121,p<0.005),不穏 (t=2.048,p<0.05)について,症状 がある者の方が症状がない者より 怠感得点が高くなっ ていた. 表2 各要因と 怠感得点 (n=204) 項 目 内訳 人数 合 怠感得点 平 値 標準偏差 t値 性別 男性 38 19.6 6.8 女性 166 27.8 10.5 3.117 年齢 65歳未満 143 23.7 10.6 65歳以上 61 21.6 8.2 1.523 婚姻状況 未婚 27 25.8 11.9 既婚 177 22.6 9.7 1.534 相談者 あり 185 22.7 9.8 なし 19 26.3 11.7 1.508 職業 あり 86 23.4 10.9 なし 118 22.8 9.3 0.459 PS PS≦ 0 128 20.3 8.9 PS≧ 1 76 27.6 10.2 5.295 運動状況 あり 70 21.4 8.9 なし 134 23.9 10.5 1.673 化学療法 あり 76 22.9 9 なし 128 23.1 10.6 0.162 ホルモン療法 あり 50 25 10.5 なし 154 22.4 9.8 1.609 放射線療法 あり 39 20.1 8.1 なし 165 23.7 10.3 2.083 治療なし なし 38 22.7 10.7 あり 176 23.1 9.9 0.253 疾患 乳がん 128 23.7 10.9 その他 76 21.9 8.3 1.249 痛み あり 47 27.8 11.8 なし 157 21.6 9.6 3.338 不眠 あり 47 28.3 11.3 なし 157 21.4 9 3.832 孤独感 あり 26 28.7 11.1 なし 178 22.2 9.6 3.134 下痢 あり 17 29.3 10.9 なし 187 22.5 9.8 2.738 呼吸困難 あり 11 32 9.8 なし 193 22.5 9.8 3.121 不穏 あり 10 29.3 12.2 なし 194 22.7 9.8 2.048 嘔気嘔吐 あり 13 23 9.9 なし 191 23 10 0.11 発熱 あり 5 26.2 17 なし 199 22.9 9.8 0.716 p<0.05, p<0.005, p<0.001

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3)対象属性と強度 怠感の有無の関係 (表 3) 怠感得点 19 点以上の 怠感の強い群の頻度は 204 名中 132名で 64.7%に及んでいた. 表 3に 怠感と影響 要因との関係を示した. その中で強度 怠感と有意差が 認められた影響要因は,性別・PS・運動習慣・ホルモン療 法・放射線療法・痛み・不眠・孤独感の 8項目であった. 以下にその 8項目について詳細に記述する. 性別では男 性が 50.0%で女性が 68.1% (χ =3.67, p<0.05), PSは PS≦ 0では 53.9%で, PS≧ 1が 82.9%であった (χ = 16.30,p<0.05).また,運動習慣では「あり」が 55.7%,「な し」が 69. 4% (χ =3.20, p<0.05), ホルモン療法は「あ り」が 82.0%,「なし」が 59.1%で有意差があった. そし て, 放射線療法は「あり」が 43.6%で,「なし」が 69.7% (χ =8.31,p<0.05),痛みは「あり」が 78.7%で「なし」 が 60.5% (χ =4.49,p<0.05)であった.また,不眠は「あ り」が 80.9%で「なし」が 59.9% (χ =6.08,p<0.05),孤 表3 対象属性と強度 怠感の有無の関係 (n=204) 項 目 内訳 人数 強度 怠感 あり人 (%) なし人(%) χ 値 性別 男性 38 19 (50.0) 19 (50.0) 3.67 女性 166 113 (68.1) 53 (31.9) 年齢 65歳未満 143 94 (65.7) 49 (34.3) 0.10 65歳以上 61 38 (62.3) 23 (37.7) 婚姻状況 未婚 27 19 (70.4) 8 (29.6) 0.20 既婚 177 113 (63.8) 64 (36.2) 相談者 あり 185 118 (63.8) 67 (36.2) 0.37 なし 19 14 (73.7) 5 (26.3) 職業 あり 86 54 (62.8) 32 (37.2) 0.12 なし 118 78 (66.1) 40 (33.9) PS PS≦0 128 69 (53.9) 59 (46.1) 16.30 PS≧1 76 63 (82.9) 13 (17.1) 運動習慣 あり 70 39 (55.7) 31 (44.3) 3.20 なし 134 93 (69.4) 41 (30.6) 化学療法 あり 76 49 (64.5) 27 (35.5) 0.00 なし 128 83 (64.8) 45 (35.2) ホルモン療法 あり 50 41 (82.0) 9 (18.0) 7.70 なし 154 91 (59.1) 63 (40.9) 放射線療法 あり 39 17 (43.6) 22 (56.4) 8.31 なし 165 115 (69.7) 50 (30.3) 治療なし なし 38 24 (63.2) 14 (36.8) 0.00 あり 176 108 (65.1) 58 (34.9) 疾患 乳がん 128 85 (66.4) 43 (33.6) 0.26 その他 76 47 (61.8) 29 (38.2) 痛み あり 47 37 (78.7) 10 (21.3) 4.49 なし 157 95 (60.5) 62 (39.5) 不眠 あり 47 38 (80.9) 9 (19.1) 6.08 なし 157 94 (59.9) 63 (40.1) 孤独感 あり 26 23 (88.5) 3 (11.5) 6.22 なし 178 109 (61.2) 69 (38.8) 下痢 あり 17 14 (82.4) 3 (17.6) 1.76 なし 187 118 (63.1) 69 (36.9) 呼吸困難 あり 11 10 (90.9) 1 ( 9.1) 2.39 なし 193 122 (63.2) 71 (36.8) 不穏 あり 10 7 (70.0) 3 (30.0) 0.00 なし 194 125 (64.4) 69 (35.6) 嘔気嘔吐 あり 13 8 (61.5) 5 (38.5) 0.00 なし 191 124 (64.9) 67 (35.1) 発熱 あり 5 3 (60.0) 2 (40.0) 0.00 なし 199 129 (64.8) 70 (35.2) p<0.05, p<0.005, p<0.001 奥山らの基準をもとに, 合得点 19 点以上を「強度の 怠感あり」と 類

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独感は「あり」が 88.5%で,「なし」が 61.2% (χ =6.22, p<0.05) で有意差が認められた. 4)対象属性と強度 怠感の有無に関する二項ロジス ティック回帰 析 (表 4) 20項目を投入し, 変数増加法ステップワイズを用いて 析した結果, 表 4のモデルが得られた. このモデル の−2対数尤度は 215.84, このモデルを用いた正答率は 72.1%あった. 絡因子の調整により, 孤独感, ホルモン療法, 放射線 療法,PSが強度 怠感の出現に関連していることが明ら かとなった. 特に, 孤独感とホルモン療法は強度 怠感 の出現リスクをそれぞれ 4倍高めている重要な要因であ ることが明らかになった. 察 怠感スケール CFSを用いたがん患者の 怠感に関 する先行研究には山本らの調査 や細川らの調査 があ る. 入院中のがん患者を対象とした山本らの調査 では, 合的 怠感得点は 21.8(SD12.3)点,身体的 怠感得点 は 8.1 (SD9.1) 点, 精神的 怠感得点は 10.2 (SD3.6) 点, 認知的 怠感得点は 3.4(SD3.7)点と報告されている.同 様に入院中のがん患者を対象とした細川らの調査 では, 合的 怠感得点は 20.3(SD7.5)点であったと報告され ている. 本研究では, 合的 怠感得点は平 23.0 (SD10.0) 点,身体的 怠感得点は 12.0(SD6.6)点,精神的 怠感得 点は 7.6 (SD3.3) 点, 認知的 怠感得点は 3.4 (SD3.0) 点 であり, いずれも両者の研究よりも得点が高かった. さらに, 怠感得点 19 点以上の 怠感の強い群の頻 度は 204名中 132名で 64.7%に及んでいた. 細川の研究 では 怠感の強い群の頻度は 47名中 26名で 60.4%であ る. 本研究の対象者では強度の 怠感が生じている者 が多い. 入院患者よりも外来患者の 怠感が高く, 日常 生活において 怠感を自覚しやすいことが影響している と思われる. しかし, 外来患者と入院患者では疾患や重 症度に違いがあり, 入院・外来の区別による 怠感の程 度を単純に比較できない. また行う治療により入院で行 うか外来で行うかの違いがある. 今回, 先行研究の入院 患者の 怠感よりも本研究の外来通院患者の 怠感が高 かった要因のひとつとして, 入院患者は 怠感を引き起 こす身体症状の緩和をしやすいこと, 身近に医療者がい るという安心感が入院患者の 怠感を軽減させていたの ではないかと える. 外来通院中のがん患者と入院中の がん患者の 怠感の比較についての研究はなく, 今後の 研究が望まれる. 怠感が生じる原因として, 先行研究では, 肝機能障 害, 腎機能障害, 糖尿病, 心不全などの疾患や 血や低栄 養, 脱水, 低酸素血症などの症状に由来するもの, 感染, 褥 , 電解質異常などの合併症, 抗がん剤の副作用や精 神的なものが えられている. 本研究において最終 的に 20項目の要因を投入し, 強度 怠感の有無に関す るロジスティック回帰 析を行った結果, PS,孤独感,ホ ルモン療法, 放射線治療が大きく関連していた. 細川らの研究では PSについて PS0から 3までの 4群 に けて 怠感を比較していたが, 怠感得点に統計学 的有意差は見られていない. しかし, 年齢, 性別, 疾病よ りも PSがより 怠感に影響を与えるという報告があり, 本研究で PSが影響を与えていることはそれを裏付ける 結果となった. PSの高い人は身体状態が悪く痛みや不 眠, 孤独感などの苦痛症状があることが多いこと, 動け ないということから 怠感を らわすことができず, 気 転換も困難であることが影響していると思われる. 不眠はがん患者の 怠感の原因として大きな部 を占 めているという報告があるが, 本研究では 怠感を強 める要因ではなかった. 一方, 孤独感がある群がない群 よりも 怠感が強いことが明らかにされた. 怠感の原 因になりうる精神的要因として, 不安, 恐れ, 抑うつ, ス トレスがある が, 今後は孤独感についても調査してい くことが重要である. 怠感緩和のためには不安感だけ でなく孤独感緩和への援助も重要である. 化学療法・免疫療法・放射線療法は 怠感の影響因子 として知られている. ホルモン療法については 怠感 の影響因子としては知られていないが, 本研究のロジス ティック回帰 析において, ホルモン療法が強度 怠感 の出現リスクを 4倍に高めていた. 今後ホルモン療法患 表4 対象属性と強度 怠感の有無に関する二項ロジスティック回帰 析## 項目 回帰係数 Wald オッズ比 (95%信頼区間) 孤独感 1.54 5.27 4.68 (1.25―17.50) ホルモン療法 1.42 10.96 4.33 (1.82―10.32) 放射線治療 −1.19 8.22 0.31 (0.14―0.69) PS −1.81 21.05 0.16 (0.08―0.35) 定数 −1.67 0.88 0.350 ― p<0.05, p<0.005, p<0.001 ## 表 2に示す 20項目を投入し, 変数増加法ステップワイズを用いて 析

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者の 怠感についての研究が望まれる. 怠感は様々な原因が関連して生じる症状である. 怠感軽減の為には, 従来から関連があると言われている 疼痛, 下痢などの身体的症状や, 不眠や, 抑うつなどに加 えて孤独感などの精神的症状の緩和を行うことが重要で ある. しかし外来通院患者では, それらの症状の把握が 難しく見逃されやすいため, 怠感を強く訴えるがん患 者ではこれら関連要因症状の把握が重要である. 怠感は評価しづらく, また緩和するための効果的な 方法が確立されていないのが現状である. しかし生活上 の優先順位を決め, 無理のない日常生活を送ることや, 安静と活動のバランスをとることなどの指導は有効であ る. そのためには的確に 怠感をアセスメントすること が看護の第一歩であろう. 今 後 の 課 題 今回の研究においては孤独感が 怠感に影響を与える ことが確認された. 怠感の軽減のためには孤独感を感 じさせないような情緒的サポート介入が不可欠である. 外来通院がん患者の 怠感は入院患者よりも高い可能性 が示唆された. 今後はがん患者の 怠感について入院群 と通院群に けての比較やホルモン療法患者の 析を行 う必要がある. 謝 辞 本研究を行うにあたりご回答を頂きました A 病院の 患者様, ご協力頂きました A 病院放射線科外来, 乳腺外 来, 外来化学療法センターの看護師をはじめとする関係 者の皆様に心より感謝申し上げます. 文 献 1. 瀧島美紀.【がん患者の症状マネジメント】全身 怠感.看 護技術 2002: 23(1): 73-77. 2. 奥山 徹.【わかる できる がんの症状マネジメント】 痛み以外の症状の理解とマネジメント 終末期の 怠感 怠感とその評価. ターミナルケア 2001; 11(10月増 刊): 268-272. 3. 櫻井利江.看護における検査値の読みかた 第 14回 だ るい―全身 怠感.Nursing Today 2004; 19(9): 46-48. 4. 神里みどり. 放射線治療中の癌患者の 怠感に関する研 究. 日本がん看護学会誌 1999 ; 13(2): 48-59. 5. 奥山 徹,明智龍男ら.わが国で開発されたがん患者の

怠感アセスメントスケール Cancer Fatigue Scale.エキス パートナース 1999 ; 15(10): 54-56. 6. 奥山 徹,明智龍男ら.終末期がん患者の 怠感に関する 研究. 合病院精神医学 2000; 12(1): 40-50. 7. 細川 舞,大野達也ら.がん患者における 怠感の評価と 影響要因の関係. 群馬保 学紀要 2004; 24: 17-22. 8. 山本美智子,伊藤あいら.消化器系・循環器系内科病棟に おける悪性疾患患者と非悪性疾患患者の 怠感の比較.

Yamanashi Nursing Journal 2004; 3(1).

9. 伊藤由美子.緩和・ターミナルケア看護論.鈴木志津枝,内 布敦子 (編): 怠感を持つターミ ナ ル 患 者 へ の ケ ア. ヌーヴェル廣川 2005: 138-147.

10. 小島操子,佐藤禮子 (監): がん看護コアカリキュラム.医 学書院 2007: 12-15.

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Analysis of a Factor that Influences

Cancer Outpatient Fatigue

Mayumi Kogure,

Mai Hosokawa,

Junko Takagai

Kazuko Ishida,

Taro Kano

and Kiyoko Kanda

1 National Hospital Organization Nishigunma National Hospital 2 Akita University, School of Health Sciences

3 Gunma University Hospital

4 Gunma Prefectural College of Health Sciences

5 Gunma University, School of health Sciences, Graduate School of Medicine

Purpose: The fatigue seen in many cancer cases is considered to be decrease quality of life. We clarified factors related to such fatigue and used out result to relieve fatigue. Subjects and M ethods: We conducted a questionnaire using the Cancer Fatigue Scale (CFS) on 204 cancer outpatients at the A hospital. We studied 16 factors influencing fatigue and analyzed the relationships among these factors and CFS scores. Results: The mean of total fatigue scores was 23.0 points(standard deviation : 10.0). The fatigue is strong by higher than 19 points of the CFS scores. That frequency was 64.7%.The logistic regression analysis was conducted the influence factors of fatigue. Logistic regression analysis was conducted for items showing a significant difference Performance States (PS), loneliness, hormonal therapy, and radiation therapy. Conclusion : To reduce fatigue in outpatient cancer treatment, it was suggested to that importance to assess a related factor of fatigue.(Kitakamto Med J 2008;58:63∼69)

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