- 特別支援教育 1 - さつき学級(知的障害特別支援学級)自立活動学習指導案 場 所 さつき学級B 組教室 指導者 菅原 昭子(T1) 鈴木 玲子(T2) 赤瀬 幸子(S) 1 単元名 コミュニケーション名人をめざそう 2 単元について (1) 生徒の実態 本校は,知的障害特別支援学級が2学級(さつき学級 A 組⦅男子4名,女子2名⦆・さつき学級 B 組⦅男子3名・女子2名⦆),自閉症・情緒障害特別支援学級1学級(さくら学級⦅男子3名・女子 1名⦆)の合計3学級(15名)で構成されている。 4月から3学級ではあるが,生活の場を一つにし,朝の会や給食,清掃,係活動などを協力して実施 してきた。教科学習の時には,教科によって教室を分けたり,いくつかのグループに分かれたりして 行ってきた。3年生や2年生が活動の方法ややり方などを新1年生に丁寧に教える場面も多く見ら れた。また休み時間には学年関係なくお互いに声をかけあって遊ぶ姿も見られている。人数が多い ことで,いろいろな人と関わり合うことができた。しかし,残念ながら友達との関わりの中で「相手 が傷つく言葉を言ってしまう。」「言葉で表現できないので,教室から出てしまったり,無視したりす るなどの行動をとってしまう。」「人と関わりたいが,その表現方法がわからずにマイナスの行動をと ってしまう。」などの行動が見られている。 個別に発達段階が違うため,トラブルが起きてはしまうが,友達の良いところを見本として自分の 行動を振り返ることができる生徒もいる。相手との適切なコミュニケーションの取り方について, ソーシャルスキルトレーニングを行いながら,身につけられるようにしていきたい。 (2) 単元観 特別支援学校学習指導要領「自立活動」の内容には「3 人間関係の形成」の中で「(1)他者 とのかかわりの基礎に関すること」「(3)自己の理解と行動の調整に関すること」が掲げられてい る。また「6 コミュニケーション」の中で「(1)コミュニケーションの基礎的能力に関するこ と」「(2)言語受容と表出に関すること」「(5)状況に応じたコミュニケーションに関すること」 が掲げられている。 今回の授業では,いろいろな気持ちをどのような言葉で表すのかを知り,言葉と表情を結びつける ことができることを目標とする。 (3) 指導観(指導の工夫) 友達や,教師との関わりの中で,何も言わずに行動をしてしまうのではなく,きちんと自分の気 持ちを言葉にして表すことができるようにしていきたい。最初に気持ちを表す言葉として知っ ているものを挙げ,その言葉を表す顔の表情はどれかを考えさせていきたい。その上で顔の表情 から,どのようなことが起こったのかを考えさせていきたい。
- 特別支援教育 2 - 3 単元の目標 ○相手とのコミュニケーションの取り方について,適切な方法を知る。 ○いろいろな気持ちを表す言葉を知り,表現することができる。 ○人によって,同じ事が起こってもいろいろな気持ちになることを知る。 4 指導計画 時配 主な活動内容 備考 1時間 (5月) ○自分のことを振り返り,友達のことを知ろう。 ・自分のことについて,発表する。 ・友達の好きなことや苦手なことを知る。 ・話を聞くときの態度を知る。 ・すごろくシート ・さいころ 1時間 ( 6 月 ) (本時) ○いろいろな気持ちを表す言葉を知って,顔の表情と言葉を結 びつけよう。 ・いろいろな気持ちを表す言葉を知る。 ・言葉と表情を結びつけることができる。 ・気持ちを表すカード ・表情シート ・ワークシート 1時間 (9月) ○友達はどんな気持ちだったのかをあてよう。 ・自分の気持ちを,言葉にして表現する。 ・友達の気持ちを考える。 ・仲間に自分の気持ちをわかってもらえる経験をする。 ・気持ちを表すカード ・ワークシート 1時間 (10 月) ○負けてしまった時には,どう考えればいいだろう。 ・勝つことも負けることもあることを見通すことができる。 ・負けた時の気持ちを選ぶことができる。 ・気持ちを表すカード ・椅子 ・タンバリン ・BGM 1時間 (11 月) ○話しかけるときはどうすればいいだろう。 ・話しかけるときに相手に近づき,きちんと相手を見る。 ・相手の状況を見て,タイミングを考える。 ・きっかけ言葉を上手に使う。 ・挨拶のポイント,声の 大きさ(掲示物) ・ワークシート ・名刺交換用の名刺 1時間 (12 月) ○仲間に入れて欲しいときは,どうしたらよいのだろう。 ・適切な声の大きさで「入れて」と言える。 ・「いいよ」と言われてから仲間に入る。 ・断られたときに,対応できる。 ・スタンプラリーシー ト ・ジェンガなどのゲー ム ・スタンプ 1時間 (1月) ○どこまで近づいていいのだろう。 ・先生たちの話している様子を見て,感じたことを発表する。 ・いろいろな人を例に,相手との心地よい距離感を考える。 ・一人ひとり,気持ちの良い距離感が違うことを知る。 ・距離感を示すもの ・人物カード ・実際の距離を示した もの 1時間 (2月) ○困った時は,助けを求めよう。 ・友達に助けを求める。 ・友達を助ける経験をする。 ・天使と悪魔を表すたすき ・助けを求める言葉カード ・声の大きさカード
- 特別支援教育 3 - 5 本時の指導 (1) 本時の目標 ・進んで授業に参加することができる。 ・いろいろな気持ちを表す言葉を知る。 ・言葉と表情を結びつけることができる。 (2) 本時に関わる生徒の実態と個別の目標 生徒名 実態 目標 教師の支援 評価 A (3年) (男子) ・学力は高く,言葉を たくさん知ってい る。 ・気持ちを実際に表 す時には語彙が少 ない。 ・一斉の指示をされ た時にすぐに課題 に取り組める。 ・気持ちを表す言葉 が発表できる。 ・やり方を理解でき ているか確認をす る。 ・言葉のイメージを しやすいようにヒ ントを出す。 ・すぐに課題に取り 組むことができた か。 ・気持ちを表す言葉 が発表できたか。 B (2年) (男子) ・苦手な相手がいる と活動への参加が 難しい。 ・人の気持ちを理解 できるが、語彙が 少なく表現力に乏 しい。 ・授業に参加できる。 ・気持ちを表す言葉 を発表することが できる。 ・プリントを確認し, 書けていたら,誉 め自信をつける。 ・授業に参加できた か。 ・気持ちを表す言葉 を発表することが できたか。 C (2年) (女子) ・気持ちにムラがあ る。 ・自分から話すこと はできるが,質問 されると難しい。 ・最後まで集中して 取り組める。 ・言葉と表情を結び つけることができ る。 ・課題が理解できて いるかを確認す る。 ・表情の中から選べ るようにヒントを 出す。 ・集中して課題に取 り組めたか。 ・表情から言葉を選 ぶことができた か。 D (2年) (女子) ・はじめてのことは 慣れるのに時間が かかり取り組めな い。 ・気持ちを表現する 言葉は知っている が,日常生活に結 びついていない。 ・固まらずに授業に 参加できる。 ・気持ちを表す言葉 を発表することが できる。 ・不安を少なくする ために説明を個別 に丁寧に行う。 ・プリントを確認し, 書けていたら,誉 め自信をつける。 ・固まらずに授業に 参加できたか。 ・気持ちを表す言葉 を発表することが できたか。 E (1年) (女子) ・語彙が乏しい。 ・気持ちを伝えずに, 固まったり,教室 から出てしまった りする。 ・最後まで座って授 業に参加ができ る。 ・言葉と表情を結び つけることができ る。 ・集中力が切れそう な時には,声をか ける。 ・課題のやり方を説 明し,一緒に行う。 ・最後まで座って授 業に参加できた か。 ・表情から言葉を選 ぶことができた か。
- 特別支援教育 4 - F (1年) (男子) ・語彙が乏しい。 ・困ったときや難し いときは声をかけ ると伝えられる。 ・最後まで集中して 取り組める。 ・言葉と表情を結び つけることができ る。 ・時間が気になると きは残り時間を伝 える。 ・表情の中から選べ るようにヒントを 出す。 ・集中して課題に取 り組めたか。 ・表情から言葉を選 ぶことができた か。 G (1年) (男子) ・落ち着きがないの で,人の話を聞い ていないことがあ る。 ・乱暴な言動がある が注意を受けると 素直に聞くことが できる。 ・集中して話を聞く ことができる。 ・気持ちを表す言葉 を発表することが できる。 ・聞かなければなら ない時は,注目す るように名前を呼 ぶ。 ・プリントを確認し, 書けていたら,誉 め自信をつける。 ・集中して話を聞く ことができたか。 ・気持ちを表す言葉 を発表することが できたか。 H (1年) (男子) ・学力は高い。 ・言葉は理解してい ても,ふざけてし まうことがある。 ・指示された課題に きちんと取り組め る。 ・表情の違いに気づ き,言葉から選ぶ ことができる。 ・課題が理解できて いるかを確認す る。 ・表情の中から選べ るようにヒントを 出す。 ・ふざけないで取り 組むことができた か。 ・表情の違いを理解 し,選ぶことがで きたか。 (3) 本時の展開 時配 学習活動 指導の手立てと支援内容(○), 評価(◎) 教材・ 教具 5 ○始めの号令 ○今日の目標を知る。 ・本時の学習の流れを確認する。 *S は F を中心に支援する。 ○全員が注目するまで待つ。(T1) ○準備が遅れている生徒への声かけ。 (T2) ○正しい姿勢であいさつができている 生徒を誉める。(T1T2) ◎正しい姿勢であいさつができたか。 ○本時の学習の目標と活動内容を知り, 見通しを持てるようにする。(T1) 掲示物 20 ○いろいろな気持ちを表す言葉を知る。 ・知っている言葉を発表する。 ○気持ちを書いたカードを生徒の発表 とともに,黒板に貼っていく。(T1) ○言葉があまり出てこない場合は,場面 カード 気持ちを表す言葉をたくさん知る。
- 特別支援教育 5 - うれしい,楽しい,気持ちいい,悲しい, 怖い,おこる,くやしい,おもしろい, はずかしい,つまらない等 ○発表された言葉の表情を実際にやっ てみる。 ・うれしい ・びっくりする等 を設定し考えさせる。(T2) ◎気持ちを表す言葉を発表できたか。 ○カードの形を4種類に分け,仲間わけ がしやすいように工夫する。 ○言葉と気持ちがつながるように経験 したことを思い出せるように説明を する。(T1) ○やり方がわからない生徒に声をかけ る。(T2) ◎指定された表情ができたか。 掲示物 20 ○顔の表情からどのような気持ちなの かを考える。 ・プリントを見て言葉から表情選んで○ をつける。 ○答え合わせを行う。 ○記入の仕方を説明する。(T1) ○やり方がわからない生徒に声をかけ る。(T2) ◎記入の仕方を理解し,表情の違いを確 認し選ぶことができたか。 ○全員が発表できるように指名する。 (T1) ○発表の時に困っている生徒に声をか ける。(T2) ◎どのような気持ちなのかを発表する ことができたか。 プリント 5 ○本時のまとめ ・授業を振り返り,感想や分かったこと を発表する。 ○次回の予告 ○終わりの号令 ○個々の実態に合わせた方法で,振り返 り頑張りをほめることで,自己肯定感 を高められるようにする。 ○次回の予告(T1) ○正しい姿勢でしっかりと終わりのあ いさつをするように声をかける。 (T1.T2) ◎正しい姿勢であいさつができたか。