第二外国語としての中国語教育のありかた
15
0
0
全文
(2) 語学教育部ジ ャーナ ル. い て 開講 して い る の は 、 ドイ ツ語 と中 国 語 の み で あ る。. 1.2新. 力 リキ ュラ ム にお ける 単 位 数. 外 国語 科 目の 要 卒 単 位(卒 業 の た め に必 要 な単 位 数)は 学 部 に よっ て 異 な るが 、12∼16 単 位 以 上 で あ る 。 そ の う ち8∼12単 お り、残 す4∼6単. 位 は 第 一 外 国語(英 語)か. らの修 得 が 義 務 付 け られ て. 位 は第 一 外 国語 或 い は第 二 外 国語 科 目か ら修 得 で きる 。 よ っ て、 外 国. 語 科 目の要 卒 単位 を英 語 の み で修 得 す る こ と も可 能 で あ り、 第 二 外 国語 は あ くまで 自 由選 択 科 目で あ り、英 語 主 体 の カ リキ ュ ラム で あ る。 しか し、 旧 カ リキ ュ ラム で は、 第 二 外 国 語 科 目か ら修 得 で き る単 位 数 は最 大4単 位 で あ っ たが 、新 カ リ キ ュ ラ ム で は10単 位 に拡 大 され た1)。 こ の こ とに よ り、 第 二 外 国 語 を 選 択 で き る機 会 が 多 く与 え られ た結 果 とな り、 例 え ば 中 国 語 を選 択 した 学 生 は 、1年 次 か ら4年 次 まで 継 続 して 中 国語 が 学 べ る体 制 が 整 った わ け で あ る 。 これ は学 生 の み な らず 、 我 々第 二 外 国語 の教 員 に とっ て も大 変 喜 ば し い 改 革 と言 え る。. 1.3設. 置 科 目 と到 達 目標. 第 二 外 国 語 科 目 は 大 き く 「基 幹 科 目 」 と 「発 展 科 目 」 に 分 か れ て お り、 「基 幹 科 目 」 か ら は4単 1.2.3.4」. 位 、 「発 展 科 目 」 か ら は6単. と 呼 ば れ る 科 目 が 設 置 さ れ て お り 、 「総 合1.2」. し 、 「総 合3.4」 1.2.3.4」. 位 修 得 で き る 。 「基 幹 科 目 」 に は 「中 国 語 総 合 で 中 国語 の基 礎 を修 得. で 応 用 力 を 身 に 付 け る 。 「発 展 科 目 」 に は 「中 国 語 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン. と 「中 国 語 カ ル チ ャ ー セ ミ ナ ーA.B」. と 呼 ば れ る 科 目が 設 置 さ れ て お り、 「コ. ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン」 科 目 で は 「聞 く ・話 す 」 と い う 二 つ の 側 面 に 重 点 が 置 か れ 、 オ ー ラ ル ス ピ ー キ ン グ 能 力 の 向 上 を 目 指 す 。 ま た 「カ ル チ ャ ー セ ミ ナ ー 」 で は 、 中 国 の 現 代 文 化 に 関 す る 多 彩 な 教 材 を 用 い て 、 中 国 に お け る 最 新 情 報 や 知 識 が 吸 収 で き る レ ベ ル を 目標 と す る 。 こ の よ う に 、4年. 間 で 中 国 語 の 基 本 的 な 能 力 が しっか り身 に付 け られ る カ リ キ ュ ラム. とな っ て い る。 ま た こ の 他 、 語 学 セ ン タ ー に お い て も 中 国 語 が 開 講 さ れ て お り、 初 級 か ら 中 級 レベ ル ま で5つ. の 講 座 が 設 置 さ れ て い る(初. 級3講. 座 、 中 級2講. 科 目 と語 学 セ ン タ ー 開 講 の 中 国 語 科 目 を あ わ せ る と 、1年. 座)。 よ っ て 、 学 部 開 講 の 中 国 語 次 で は 週 に 最 大4時. 間 も中 国語. が 勉 強 で き る体 制 にあ る 。 今 の と ころ 残 念 な が らそ れ ほ ど熱 心 な 学 生 は現 れ て い な い が 、 語 学 セ ン タ ー 開講 科 目に単 位 が与 え られ れ ば 、 事 情 は 変 わ って くるか も しれ な い 。. goo.
(3) 講 ク ラ ス数 と履 修 者 数. 現 在 、 中 国 語 科 目 は 本 部6学. 部 と本 部 以 外 の3学. る 。 開 講 科 目 は 「中 国 語 総 合1.2」 合1.2」. は1年. 部 を 併 せ た9学. 「中 国 語 応 用1.2」. 部 に お い て 開 講 して い. 「中 国 語 基 礎1。2」. 次 対 象 の 新 カ リ キ ュ ラ ム 科 目 、 「応 用1.2」. と 「基 礎1.2」. の3つ は2年. で 、 「総. 野麹鋸 麺魏 紀 ・ 毒額. 1.4開. 次以降. 対 象 の 旧 カ リ キ ュ ラ ム 科 目 で あ る 。 各 科 目 の 前 期 に お け る 開 講 ク ラ ス 数 は 、 「総 合1」73、 「応 用1」26、. 「基 礎1」16で. は 、 「総 合1」2864名(医. あ り、 総 数115ク. ラス で あ った 。 また 各 科 目の 履 修 登 録 者 数. 学 部 を 除 く)、 「応 用1」755名. 、 「基 礎1」847名. で あ り、 総 数. 4466名 で あ っ た 。. ].5履. 修率. 今 年5月. に お け る1年. 次 在 籍 者 数 は6476名(医. 1」 を 履 修 登 録 し た 学 生 は2864名 44%、. お よ そ2人. 今 度 は1年 44.9%、. に1人. で あ る 。1年. 学 部 を 除 く)、 そ の う ち 「中 国 語 総 合 次 を対 象 に 中 国語 の 履 修 率 を算 出 す る と約. が 中 国 語 を 履 修 し て い る 状 況 と言 え る 。. 次 を 対 象 に 、 学 部 別 に 中 国 語 の 履 修 率 を 算 出 す る と 、 文 芸29.4%、. 経 済58.8%、. 経 営51.8%、. 理 工37%、. り 、 経 済 学 部 が 最 も高 い(表1)。. 薬 学25.8%、. 農 学38.7%、. 法学. 生 物 理 工50.9%で. こ う し た 履 修 率 の 違 い は 、 学 部 に よ っ て 開uし. あ. ている. 第 二 外 国 語 の 科 目 数 に も 関 係 し て く る が2)、 今 年 度 か ら新 た に 韓 国 語 が 開 講 さ れ た 経 営 学 部 に お い て も 中 国 語 の 履 修 率 が50%を. 超 え て い る と い う こ と は 、 依 然 と して 中 国 語 に 高 い. 関 心 が 寄 せ られ て い るか らだ と見 な せ る。 経 済 学 部 で 中 国 語 に人 気 が あ る の は、 近 年 の 中 国 経 済 の 目覚 し い 発 展 が 背 景 に あ る か ら と 考 え ら れ る 。 表1.中. 国 語 履 修 率(学. 部 別 対 比). ee. /. a. 51,850.9. 60. ρ. IJ+ 一. 2. σ. 50. 37,038.7. 口. 一. 0. 40. 29.4 一. ∠コ. 25.8. 計. 、. 30. 0. 目履修率. 一. 20 丼 一. 10 /縛. 0. 0. 文芸. 墜. 一. 法. f. 「. 0. 経済. 巨. 一. /. 経営. 婁. 一. /. 理工. 8. 0. 3. 薬. 一 農. !. U ε. ア. 生 ・理. 第二外国語 と しての中国語教育の あ りかた. 継箋. 浸認.
(4) 語学教育部ジ ャーナ ル. 7.6ク. ラス サ イ ズ. 「中 国 語 総 合1」. の 履 修 者 数(2864名)を. 開 講 ク ラ ス 数(71)で. 割 る と3)、 ユク ラ ス の 平. 均 人 数 は40.3名 と 算 出 さ れ る が 、 実 際 の と こ ろ 平 均 的 ク ラ ス サ イ ズ は 各 学 部 に よ っ て 様 々 で 、 文 芸33名 、 法 学45名 、 経 済48名 、 経 営28名 、 商 学25名 、 理 工47名 、 薬 学48名 、 農 学49 名 、 生 物 理 工63名 で あ る 。 各 学 部 の 設 置 ク ラ ス 数 は 、 概 ね 前 年 度 の 受 講 者 数 を 参 考 に 決 定 す るの で あ る が 、 今 年 度 理 系 学 部 にお い て ク ラ スが 膨 れ て しま っ た の は 、理 系 学 部 にお け る 中 国 語 履 修 者 数 が 前 年 度 よ り大 幅 に 増 加 し た か ら で あ り、 中 国 語 へ の 人 気 が 高 ま っ た 結 果 と も受 け 取 れ る 。 学 部 間 の ク ラ ス サ イ ズ の 不 均 衡 は 、 出 来 る だ け 解 決 し な け れ ば な ら な い が 、 実 際 の と こ ろ は なか なか うま くは い か な い 。. 2.履. 修者状況. 次 に 中 国 語 を履 修 して い る学 生 た ち は 、 い っ た い ど うい う動 機 や 目的 で 中 国語 を勉 強 し、 授 業 で何 を期 待 して い る の か 。 以 下 ア ンケ ー ト調査 の 結 果 を も とに 、 履 修 者 に 関す る 状 況 を述 べ てみ る。. 2.]中. 国語学習経験の有無. 今 年 度 前 期 「中 国 語 総 合1」 の 受 講 生175名 に 対 して 、4月11日. ∼14日 まで に ア ンケ ー. ト調 査 を行 っ た。 最 初 の 設 問 で 、 中 国 語 を勉 強 した こ とが あ る か ど うか た ず ね た と こ ろ、 あ る と答 え た 受 講 生 はわ ず か4名 で 、171名 の 受 講 生 は全 くの 初 心 者 で あ る こ とが 分 か っ た 。 しか し、 学 習 経 験 の あ る受 講 生 の う ち3名 は独 学 で少 しか じっ た とい う程 度 で あ り、 本 格 的 に学 ん だ こ との あ る受 講 生 は、 わ ず か1名 の み で あ っ た(高 校 で1年 間)。. 2.2履. 修動機. 2つ 目の 設 問 で は、 中 国 語 を履 修 した動 機 を たず ね た が 、 「な ん とな く」 とい う曖 昧 な 動 機 の 回 答 者 が10名 、 残 り165名 は何 らか の 動 機 を書 い て くれ た 。 紙 幅 の 関係 上 、全 員 の 回 答 を紹 介 す る こ と は 出 来 な い が 、履 修 動 機 は大 き く以 下4つ の タ イ プ に ま とめ られ る 。 1つ は 「 将 来 中 国語 が 必 要 だ 」 「英 語 に 次 い で重 要 だ」 「 今 後 使 う機 会 が あ りそ う だ」 「使 用 人 口 が 多 い 」 とい っ た 中 国 語 の 必 要 性 や 需 要 を 感 じた こ とが きっ か け とな っ た と い う タ イ プ 、2つ. 目は 「 他 の 言 語 に比 べ て親 しみ が あ る 」 「面 白 そ う」 「 簡 単 そ う」 「学 ん で み. た い 」 とい っ た 中 国語 へ の 親 近 感 や 興 味 が きっ か け と な っ た とい う タイ プ、3つ. 目は 「こ. れ か らは 中 国 の 時 代 」 「中 国へ 行 き たい 」 「中 国 の 動 向 が 気 に な る」 とい っ た 中 国 自身 へ の. ao.
(5) 関 心 や 興 味 が き っ か け と な っ た と い う タ イ プ 、4つ. 目 は 「兄 弟 、 友 人 、 先 輩 に す す め ら れ. て 」 とい っ た他 人 か らの 推 薦 や 助 言 が き っか け とな っ た とい う タ イ プ で あ る 。 そ れ ぞ れ の 回 答 者 数 は 、1が36名. 、2が56名. 、3が59名. 、4が14名. で あ り、 こ の 結 果 か ら 受 講 生 の 大. 半 が 中 国 語 や 中 国 に 何 らか の 関 心 を 持 っ て 履 修 を 決 意 した と い う こ と が 分 か る 。. 2.3履. 修 目的. 3つ. 目 は 、 「中 国 語 は 将 来 ど う 活 か し た い か 」 と い う設 問 で 中 国 語 の 履 修 目 的 を た ず ね. た と こ ろ 、 最 も 多 か っ た の が 「中 国 に 行 き た い 」 や 「旅 行 す る 」 と い っ た 観 光 や 旅 行 を 目 的 と す る 回 答 で 、60名 か ら寄 せ ら れ た4)。 次 に 多 か っ た の が 「教 養 と し て 」 で あ り(46名)、 そ の 次 は 「仕 事 に 役 立 て た い 」(25名)で (14名)、. 「資 格 を 取 る 」(7名)、. あ っ た 。 そ の 他 の 目的 は 「中 国 人 の 友 達 を 作 る 」. 「留 学 す る 」(1名)で. あ っ た が 、 中 に は 「何 ら か の 形 で. 生 か し た い 」 と い う 具 体 的 な 目的 を 示 さ な い 回 答 や(7名)、. 「未 定 」 と い う 回 答(15名). も あ っ た 。 総 体 的 に 見 る と 、 「旅 行 」 「教 養 」 「友 人 作 り」 を 目 的 と す る 受 講 生 が7割. 近 く. 占 め 、 「仕 事 」 や 「資 格 」 と い っ た 中 国 語 を 将 来 の 業 務 対 象 に し よ う とす る 受 講 生 は 、 全 体 の2割. に も満 た な か っ た 。 こ の 結 果 は 、 中 国 語 が 第 二 外 国 語 で あ る と い う性 質 上 、 止 む. を得 な い と 思 う 。. 24授. 業で期待する こと. 最後 の設 問で は 「 授 業 で 期 待 す る こ とは何 か 」 をた ず ね た が 、 「中 国 語 が 話 せ る よ う に な りた い」 とい った 「オ ー ラ ル ・コ ミュニ ケ ー シ ョン能 力 養 成 」 を期 待 す る回 答 が 最 も多 く、 全 体 の4割 を 占 め た(68名)4)。. 次 に多 か った のが 授 業 そ の ものへ の 期 待 で 「楽 しい 、. わ か りや す い授 業 」(42名)、 そ の 次 は 「中国 語 が 理 解 で き る」 とい っ た 「中 国 語 の 総 合 的 な 能 力 養 成 」 で あ った(29名)。. 中 に は 「中 国 語 が 読 め る程 度 で い い 」 とい っ た 「読 解 力. 養 成 」 の み を期 待 す る 回答 もあ り(17名)、 名)や 無 回 答(6名)も. 3.第. 全 体 の1割. を 占 め た 。 また 「 特 に な し」(13. あ っ た。. 二 外 国 語 と して の 中 国 語 教 育 の あ りか た. 以 上 、本 学 にお け る 中 国語 教 育 の 現 状 と履 修 者 の 状 況 を紹 介 した が 、 実 態 を踏 ま え私 達 は い か に して 受 講 生 の ニ ー ズ に応 えて い くべ きか 、 今 度 は第 二 外 国語 と して の 中 国語 教 育 に関 す る私 見 を述 べ る こ とに す る。. 第二煽. としての橿. 教育の珈. た 臨.
(6) 語学教 育部ジ ャ⋮ナル. 3.1総. 合 的な基礎能力養成. 近 年 は大 学 な どの 教 育 機 関 の み な らず 、 企 業 に お い て も中 国 語 教 育 が盛 ん に な っ て きて お り、 そ の証 拠 に近 年 の 中 国語 検 定試 験 受 験 者 の3分 の1以 上 が サ ラ リー マ ン層 で あ る と 言 う5)。今 年 度 か ら実 施 さ れ る 中 国 語 検 定 試 験 に は 、 「ス コ ア 式 ビ ジ ネ ス 中 国 語 検 定 試 験 」6)と「中 日通 検 」 ビ ジ ネ ス コ ミュニ ケ ー シ ョン試 験7)が あ る が 、 どち ら もそ の 名 の 通 り ビ ジ ネス 中 国語 能 力 を検 定 内 容 とす る もの で あ り、今 や 中 国 語 は ビ ジ ネ ス 中心 にそ の 需 要 が 高 ま って きて い る こ とが 分 か る。 よっ て 、 大 学 に お け る 中 国 語 教 育 も、卒 業 後 社 会 に巣 立 って い く学 生 の 立 場 を考 え た上 で 、学 生 の ニ ーズ の み な らず 、 社 会 の ニ ー ズ に も応 え て い け る よ う な配 慮 が 必 要 で は な いか と考 え る 。 しか し、 本 学 に お け る 中 国 語 教 育 は 、 第 二 外 国 語 科 目 とい う性 質 上 、 到 達 目標 を高 く設 け る こ と はで きな い 。 週1回 の 授 業 を2年 聞 受 講 して、 中級 レベ ル 、 つ ま り中 国 語検 定 試 験3級 程 度 の レベ ル に到 達 で きれ ば理 想 的 で あ ろ う。 また社 会 で は、 ビ ジ ネ ス 中 国 語 の 需 要 が 高 ま って きて い る とは 言 え、 本 学 で ビジ ネ ス 中 国語 を主 体 と した カ リキ ュ ラ ム に切 り 替 え る わ け に は い か な い 。 あ くまで 中 国語 の総 合 的 な基 礎 能 力 を養 成 す る こ とを 第一 の 目 標 と して 、授 業 を進 め て い か ね ば な らな い。 優 れ た 語 学 力 を持 つ 人材 を育 成 す る の は 、外 国 語 教 育 の 目指 す と ころ で あ るが 、 そ の 土 台 とな る の は総 合 的 な基 礎 能 力 で あ る。 つ ま り 「読 む 、 書 く、 話 す 、 聞 く」 の4技 能 に お け る基 礎 を築 くこ とは 、外 国語 を習 得 す る上 で最 も肝 心 な こ とで あ り、 習 得 目的 が 旅 行 で あ れ ビ ジ ネ ス で あ れ 、 決 して疎 か に して は な らな い 。 基礎 力 が な いが ま ま に、 優 れ た語 学 力 は 身 につ か な い 。 第 二 外 国語 教 育 で は、 基 礎 的 な語 学 力 養 成 が 目標 と され るが 、 こ れ は 国 際 社 会 で 活 躍 で きる 人材 を育 成 す る た め の 最 も重 要 な任 務 と も言 え よ う。. 3.2異. 文化理解. 第 二 外 国 語 教 育 は 、 諸 外 国 の 多 様 な言 語 と文 化 を学 び 、 そ れ ぞ れ の 文 化 的伝 統 と特 質 を 理 解 す る こ とを通 して 、 国 際 的 な コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンに対 応 で き る広 い 視 野 と豊 か な 人 間 性 を培 う た め の 基 礎 教 育 の 一 環 と して位 置 づ け られ て い る8)。 よ って 授 業 で は、 中 国語 の ス キ ル ア ッ プ だ け を 目指 す の で は な く、 中 国語 学 習 を通 して 中 国 の 文 化 や 特 質 を も理 解 で きる よ う な指 導 を行 う必 要 もあ る。 特 に近 年 の社 会 的 ニ ー ズが 大 きい 現 代 ア ジ ア に お け る 国際 感覚 の培 養 を ね ら うの も中 国 語 教 育 の大 きな 目的 で あ る。 中 国 の 文 化 や 歴 史 に対 す る 認 識 を深 め る こ とは 、 国際 的 な コ ミュニ ケ ー シ ョン に対 応 で きる幅 広 い視 野 と豊 か な 人 問 性 を培 うた め に も、 全 く欠 か す こ と はで きない 。. 韮04.
(7) n⊃OO① ZO沁. 3.3興. 味 の 喚起 と持 続. 中 国 語 は 、 ほ とん どの 学 生 に と っ て始 め て 学 ぶ 外 国語 で あ る。 よ っ て特 に 入 門 期 にお い て は 、 中 国 語 へ の 興 味 を 喚 起 し、 中 国 語 学 習 意 欲 を 引 き 出 し、 自 主 的 に 学 習 す る 姿 勢 を 身 に つ け る こ と を 念 頭 に 授 業 を 進 め て い か ね ば な ら な い と 考 え る 。 ま た 既 習 者 に 対 して は 、 授 業 を 通 して 中 国 語 へ の 興 味 を よ り一 層 高 め て も ら え る よ う な授 業 展 開 が 必 要 で あ る 。 い ず れ に して も、 授 業 は わ か りや す く 、 て い ね い に 行 う こ と を 心 が け な け れ ば な ら な い 。 そ の た め に は 、 教 師 主 体 の 一 方 的 な授 業 に な らな い よ う、常 に受 講 生 の 理 解 度 や 反 応 を確 か め る こ とが重 要 か と思 わ れ る。. 4.入. 門 期 に お け る指 導 内容. 今 年 度 は 、 上 述 し た コ ン セ プ トで も っ て 授 業 に 臨 み 、 新 た な 取 り組 み を 行 っ て き た が 、 そ の 成 果 は ど う で あ っ た の か 、 今 ま で の 授 業 を振 り返 り 、 そ の 成 果 と 反 省 点 を 述 べ て み た い 。 授 業 は 現 在 、 普 通 教 室 、LL教. 室 、CALLの3タ. イ プ の教 室 で行 って い るが 、教 室 環 境. が 異 な る と 、 授 業 内 容 は 自然 と 違 っ て く る 。 こ こ で は 紙 幅 の 関 係 上 、 普 通 教 室 に お け る1 年 次 を対 象 と した授 業 内 容 の み を報 告 す る。 まず は入 門期 に お け る 指 導 法 を紹 介 す る。. 4.]従. 来 の指導法. 中 国 語 の 最 初 の 授 業 は 発 音 指 導 で あ る 。 中 国 語 の 音 節 に は 母 音 と子 音 と い う 二 つ の 要 素 の ほ か に 、 声 調 と 呼 ば れ る 音 の 高 低 ア ク セ ン トを 表 す 要 素 が 加 わ る 。 音 節 総 数 は400余. り. で 、 ど の 音 節 に も声 調 が 加 わ る 。 中 国 語 の 入 門 期 で は 、 こ う し た 複 雑 な 音 節 の 発 音 指 導 が 中 心 と な る が 、 週1コ. マ と い っ た 限 ら れ た 時 間 内 に お い て 、 す べ て の 音 節 を マ ス タ ー させ. る こ と は 不 可 能 で あ る 。 よ っ て 入 門 期 で は 、 音 節 体 系 の 仕 組 み を 理 解 させ る こ と を 第 一 の 目標 に 、3∼4時. 間 か け て発 音 指 導 を行 っ て い る。. 従 来 の 発 音 指 導 で は 、 発 音 で き な い の は 聞 き取 れ て い な い か ら と い う認 識 の も と 、 多 く 聞 か せ て 、 多 く模 倣 さ せ る と い う指 導 を 行 っ て い た が 、 模 倣 能 力 は 個 人 差 が 大 き く、 長 時 間 練 習 して も あ ま り効 果 が な い と い う状 況 で あ っ た 。 ま た 日 本 人 学 習 者 が 苦 手 と す る 発 音 に 関 して は 、 間 違 え そ う な 音 節 同 士 を 並 べ て 提 示 し、 ど ち ら が 聞 こ え た か 、 聞 き 分 け 練 習 を 多 く取 り入 れ 発 音 の 習 得 を 目指 し て い た が 、 聞 き分 け ら れ る よ う に な っ て も 、 発 音 で き な い と い っ た 状 態 で あ り、 学 習 者 に は 発 音 で き な い ま ま に 入 門 期 を 終 ら せ て い た 。. 第二外国語と しての中国語教育のあ りかた. 葡∈.
(8) 語学教育部ジ ャ;ナル. 4.2新. たな指導法. そ こで 今 年 度 か ら新 た な取 り組 み と して 、 単 語 練 習 を 中 心 と した 発 音 指 導 に切 り替 え た 。 以 前 入 門期 で は、 単 語 練 習 は あ くまで付 属 的 な もの と して 行 っ て い た が 、音 声 の み の 指 導 法 で は効 果 が あ ま り得 ら れ な か っ た とい う反 省 か ら、今 年 は音 声 を文 字 と意 味 の 三 位 一体 で 、 つ ま り1つ の 単 語 と して覚 え させ る とい う指 導 を行 った 。 例 え ば子 音 の と こ ろで は 、 まず 一 通 り説 明 を行 い 、 従 来 型 の指 導 を した あ とで 、学 習 した 子 音 を含 む10個 の 単 語 を取 り上 げ、 そ の単 語 をそ の 授 業 時 聞 内 に覚 えて も ら う。 こ うす る こ とで 、 発 音 で きた か で きて い な い か は 別 と して 、 「言 葉 を覚 えた 」 とい う学 習 者 の 達 成 感 は得 られ る の で 、 中 国語 に対 す る 自信 を持 た せ 、 自主 的 な学 習 意 欲 を引 き出 させ る 意 味 で 効 果 的 で は な い か と 考 え た。. 4.3指. 導法上の特徴. 単 語 練 習 は 、 ま ずCDを. 流 し て 音 声 の み を 聞 か せ る 。 そ の あ と 、PowerPointを. 教 室 の ス ク リ ー ン或 い は テ レ ビ 画 面 に ① 音 声(発 (イ ラ ス ト)の 順 で 視 覚 提 示 し(図1)、. 音 表記. 使 って. 「ピ ン イ ン 」)、 ② 文 字 、 ③ 意 味. 模 倣 練 習 を 繰 り返 す 。 意 味 は 日本 語 提 示 だ け で な. く イ ラ ス ト も添 付 し、 視 覚 的 な 印 象 を 強 くす る こ と で 、 語 彙 習 得 に な ん ら か の 効 果 が 得 ら れ る こ と を 目指 した 。1単. 語 に つ き2枚. ン と 文 字 を 時 間 差 で 提 示 し、 も う1枚 図1.発. の ス ラ イ ドを 用 意 し 、 は じめ の ス ラ イ ド に ピ ン イ. に 意 味 と イ ラ ス ト を提 示 した 。 音 練 習 の視 覚提 示. 00. 単 語 は す べ て テ キ ス トに 載 っ て い る の で 、 視 覚 教 材 を使 う 必 要 も な い が 、 テ キ ス トを 見 な が らの 練 習 で は 、 学 生 は た い て い うつ む い た ま ま の状 態 で 、 顔 を上 げ る こ と は まず な い 。 しか し 、 ス ク リ ー ン や テ レ ビ画 面 に 提 示 さ れ る と 、 顔 を上 げ て 発 音 す る の で 、 学 生 の 口 の 動 きが チ ェ ッ ク で き る 。 ま た テ キ ス ト を 見 な が ら の 練 習 で は 、 ど う し て も学 生 の 個 人 個 人 の 練 習 に な りか ね な い が 、 視 覚 教 材 を使 用 す る こ と で 、 教 員 と 学 生 と の 問 に 一 体 感 が 生 ま れ 、 一 つ の 授 業 に 参 加 して い る と い っ た 感 覚 も 出 て く る 。 こ の 他PowerPointを. 蓬06. 使用.
(9) し た の は 、 次 々 と現 れ る ス ラ イ ド に 学 生 は 興 味 を 奪 わ れ る の で 、1つ. の 単 語 を 繰 り返 し発. 音 し て い て も 苦 に は な ら な い と 考 え た か らで あ る 。 う つ む い て 同 じ単 語 を 繰 りか え し発 音 して い る と 、 ど う し て も 退 屈 に 感 じて し ま う が 、 今 回PowerPointを. 使 ってみて、学生 の. そ う し た 雰 囲 気 は 感 じ ら れ ず 、 む しろ 生 き 生 き と し た 表 情 を 見 る こ とが で き 、 大 変 効 果 的 で あ っ た と言 え る 。. 4.4ピ. ン イ ン か らの 視 覚 提 示. 門 田 修 平 氏(2002)に. よ る と、 人 は あ る言 葉 を見 て そ の意 味 を理 解 す る の に二 重 の ア ク. セ スモ デ ル が あ る とい う9)。一 つ は文字 → 音 声 → 意味 であ り、 も う一 つ は文 字 → 意 味 で あ る。 前 者 は 文 字 を見 た後 、 一 旦 心 の 中 で そ の 文 字 を音 韻 符 号 化(phonologicalcoding)さ. せて. そ の 意 味 を理 解 す る ル ー ト、 後 者 は文 字 を見 て 直接 そ の 意 味 を理 解 す るル ー トで あ る 。 英 語 の場 合 は 、 単 語 レベ ル の 読 み だ けで な く、 文 や 文 章 レベ ル の読 み に お い て も、 心 の 中 で 音 韻 符 号 化 す る ル ー ト、 つ ま り文 字 → 音 声 → 意 味 の ア ク セ ス が採 用 され る と言 う。 しか し、 中 国語 の 場 合 は ど うだ ろ うか 。 中 国 語 は周 知 の ご と く漢 字 を使 用 す る言 語 で あ る。 日 本 人 学 習 者 に と って 、 漢 字 は 中 国語 を理 解 す る の に 非 常 に有 効 な媒 体 と して 、 そ の ま ま情 報 処 理 に生 か せ る場 合 が 多 い。 例 え ば"猫"と. い う中 国 語 を見 て、 お そ ら くほ と ん どの 日. 本 人 学 習 者 は 、 文 字 か らそ の 表 す 意 味 を理 解 す る だ ろ う。 つ ま り"猫"の. 音 声[mao]を. 知 ら な くて もそ の 意 味 が 理 解 で きる の だ 。 もち ろ ん 同 じ漢 字 で も、 日本 語 と中 国 語 とで 表 す 意 味 が 異 な る もの も数 多 くあ る。 しか し、 日本 人学 習 者 は 漢 字 に過 剰 に依 存 して しま う 傾 向 が 強 い た め 、 そ の 結 果 中国 語 は読 め る け ど話 せ な い 、或 い は聞 き取 りが 苦 手 とい った 学 習 者 を生 み 出 して しま う と言 え る。 よっ て 単 語 練 習 で は 、 まず ピ ン イ ンか らの提 示 を行 い 、音 声 か ら意 味 を理 解 す る とい う学 習 姿 勢 を身 につ け させ る こ と を 目指 した。 文 字 に頼 らず 、音 声 で 情 報 を処 理 す る 習慣 が 定 着 す れ ば 、 リス ニ ング能 力 も 自然 と向 上 す る の で は と考 え る。. 4.5成. 果 と反 省 点. 新 た な 発 音 指 導 の成 果 は ど うで あ っ た か 。 「中 国 語 総 合1」 ケ ー ト調 査(資 料1)を. の3ク. ラ ス にお け る ア ン. も とに 、 そ の成 果 と反 省 点 を述 べ てみ る。. ① 発音への理解度 最 初 の 設 問 で 、 中 国 語 の 発 音 の 仕 組 み につ い て 理 解 で きた か ど うか た ず ね た と こ ろ 、 「よ く理 解 で き た」 と答 え た受 講 生 は1人. もお らず 、 「だ い た い 理 解 した 」 が63%、. 第二囑. としての中国講. 「理 解. のありかた 露.
(10) 語学教育部ジ ャ∼ナル. で き て い な い 」 が36%、. 無 回 答1%で. あ った 。. ②語彙習得率 次 に 、 授 業 中 に 練 習 し た 単 語(計30個)に. つ い て どれ だ け覚 え た か た ず ね た とこ ろ 、 完. 壁 に 覚 え た と 答 え た 者 は 一 人 も お ら ず 、 ほ ぼ 完 壁(80%く 80%ほ. ど)が43%、. 半 数 は6割. ほ と ん ど覚 え て い な い(40%以. 以 上 覚 え た が 、 残 りの 半 数 は4割. ら い)が8%、. 下)が49%で. 半 分 以 上(60∼. あ っ た 。 つ ま り、 学 生 の. も覚 え て い な い と い う状 況 で あ っ た 。 発 音 へ. の理 解 度 は まず まず の 結 果 で あ った が 、 語 彙 習 得 率 につ い て は こ ち らの予 想 以 上 に低 か っ た こ と は 、 大 い に 反 省 し な け れ ば な ら な い 。10個 は 数 字 的 に 多 い と は 思 え な い が 、1単. 語. に つ き ピ ン イ ン 、 漢 字 、 意 味 の3項. と. 目 を 覚 え な い と い け な い の で 、 結 局 の と こ ろ 、10個. い え ど も覚 え る こ と は30個 あ っ た わ け で 、 学 生 に と っ て は か な り の 負 担 を 与 え て し ま っ た と考 え られ る。 入 門 期 な の だ か ら、 タ ス ク量 は 十 分 に考 慮 す べ きで あ った と反 省 して い る。 ③ 画 像 を見 なが らの発 音 練 習 へ の評 価 最 後 に 、 画 像 を 見 な が ら の 発 音 練 習 へ の 評 価 を た ず ね た と こ ろ 、 「大 変 効 果 的 で あ る と 思 う 」 が50%、. 「あ る 程 度 効 果 的 だ と思 う 」 が46%、. で あ っ た 。 程 度 に 差 は あ る が 、96%の. 「効 果 的 で あ る と は 思 え な い 」 が4%. 学 生 か ら 「効 果 的 で あ る 」 と の 回 答 が 得 ら れ 、 非 常. に 満 足 し て い る 。 中 に は 「画 像 が あ っ て 面 白 か っ た 」 や 「楽 し く発 音 練 習 が 出 来 た 」 と い っ た 意 見 も寄 せ ら れ 、 視 覚 教 材 を 用 い た 効 果 は 十 分 に 発 揮 さ れ た と 言 え よ う 。 ま た 学 生 の モ テ ィ ベ ー シ ョ ン を 高 め る 上 で も効 果 的 で あ っ た と 言 え る 。. 5、 初 級 段 階 に お け る 指 導 内 容 今 度 は、 初 級 段 階 に お け る指 導 内容 を紹 介 す る。 初 級 段 階 とは 、 入 門 期 を終 え て か ら2 年 次 に移 行 す る ま で の 問 を指 す 。 つ ま り現 在 の1年 次 を対 象 とす る授 業 そ の もの を指 す 。 この授 業 の基 本 的 な流 れ は以 下 の とお りで あ る。 ① 新 出単 語 の 発音 練 習 ② テ キ ス ト会 話 文 の 発音 練 習 、 意 味 把 握 ③ 文 法 解 説 、例 文 読解 ④ プ リ ン ト練 習(置 き換 え練 習 、 聞 き取 り練 習) ⑤ テ キ ス ト練 習 (⑥映画 鑑 賞) 授 業 の進 度 は、 テ キ ス ト1課 を2時 間 で 終 わ らせ る とい う具 合 で あ る 。 よ って 、 ① と②. 108.
(11) 轟DO8. 業 で は 、 必 ず1回 本 、 後 期1本. 5.]新. 目 の 授 業 で 、 ⑤ は2回. 目 の 授 業 で 行 う 。2回. 目の授. Zρ 沁. は 毎 時 間 行 う が 、 ③ と ④ は 各 課 の1回. 目の 授 業 内 容 を 一 通 り復 習 す る 。 ⑥ の 映 画 鑑 賞 は オ プ シ ョ ン で 、 前 期1. 、 計2本. の 中 国 映 画 を鑑 賞 した 。. 出単 語 の 発 音 練 習. 入 門 期 で の 単 語 練 習 と 同 様 、 ま ずCDを. 流 して 音 声 の み を 聞 か せ た あ と 、PowerPoint. を 使 っ て 教 室 の ス ク リ ー ン或 い は テ レ ビ 画 面 に 音 声 → 文 字 → 意 味 の 順 に 視 覚 提 示 す る 。 意 味 は 日本 語 の み で 示 し、1つ. の 単 語 を1枚. に 時 間 差 で 提 示 す る 。 ま た 固 有 名 詞(例 は 異 な る も の(例. え ば 「焼 き芋 」)に. の ス ラ イ ド上 に 、 ピ ン イ ン→ 漢 字 → 日本 語 の 順. え ば 「万 里 の 長 城 」 「故 宮 」)や. 日本 に あ る も の と. つ い て は 、 映 像 を 用 い て 紹 介 し、 異 文 化 理 解 の 一 端. と な る よ う努 め て い る。. 5.2テ. キ ス ト会 話 文 の 発 音 練 習 、 意 味 把 握. まず テ キ ス ト本 文 の 発 音 指 導 を行 っ た あ と、 学 生 に 日本 語 訳 を 口頭 で述 べ させ 、 本 文 の 意 味 を把 握 して も ら う。 本 文 は会 話 形 式 で あ る た め 、 発音 練 習 はペ ア を組 ん で 行 う。 練 習 時 は机 問 巡 視 を行 い 、 出来 る だ け 多 くの学 生 の 発 音 チ ェ ックが で きる よ う心 が け て い る。. 5.3文. 法解 説、例文読解. 以 前 は 、 文 法 解 説 は 板 書 で 行 っ て い た が 、 今 年 度 か ら はPowerPointを. 使 用 し、 構 文 説. 明 は 平 叙 文 → 否 定 文 → 疑 問 文 の 順 に 行 い 、 文 の バ リエ ー シ ョ ン が 体 系 的 に 紹 介 で き る よ う 努 め て い る 。 効 果 と して は 、 板 書 に よ る 時 間 の ロ ス が 削 減 で き 、 授 業 展 開 の ス ピ ー ドア ッ プ が 図 れ た こ とが あ げ ら れ る 。 ま た 各 文 法 ポ イ ン トに 挙 げ ら れ て い る 例 文 に つ い て は 、 学 生 に ま ず 口 頭 で 日 本 語 訳 を 答 え さ せ た あ と 、 そ の 回 答 を 必 ず ス ク リ ー ンや テ レ ビ 画 面 に 提 示 す る こ と に し て い る 。 こ う す る こ と で 、 学 生 が 仮 に 聞 き逃 した と して も 、 視 覚 提 示 さ れ る の で疑 問 は残 ら ない 。 ま た学 生 同士 の私 語 も防 げ る 。. 5.4プ. リ ン ト練 習. プ リ ン トは 、 テ キ ス ト本 文 や ポ イ ン ト例 文 を 用 い て 、 既 習 の 単 語 に 置 き換 え な が ら 、 文 法 ル ー ル が 把 握 で き る よ う 作 成 して い る 。 会 話 形 式 に し て い る の で 、 練 習 の 際 は 必 ず ペ ア を 組 む 。 プ リ ン ト練 習 を 通 し、 語 彙 力 、 文 法 力 、 会 話 力 の 向 上 を 目 指 して い る 。 置 き換 え 練 習 の あ と は 、 ヒ ア リ ン グ 練 習 を 行 い 、 「聞 く ・話 す 」 の2技. 能 に 加 え 「書 く 」 技 能 の 向. 第 二 外 国 語 と して の 中 国 語 教 育 の あ りか た. 達0∈.
(12) 語学教育部ジ ャーナル. 上 も 目指 し て い る 。. 5.5テ. キ ス ト練 習. テ キ ス ト各 課 の 最 後 に付 され た練 習 問 題 は 、 学 生 が 予 習 して くる こ とが 最 善 で あ るが 、 実 質上 そ の よ うな こ と はす べ て の学 生 に 望 め な い た め 、 授 業 で一 斉 に 行 う こ と に して い る。 授 業 時 間 は か な り割 か れ るが 、 授 業 中 に行 う こ とで 、 全 員 の 理 解 度 が チ ェ ッ クで き る。 ま た机 問 巡視 の 際 、 学 生 か らの 質 問 に もす ぐ さ ま対 応 で きる の で 、疑 問 点 もそ の時 点 で解 決 され る こ とが 多 く、結 局 の と ころ授 業 で 一 斉 に行 っ た ほ うが 効 果 的 で あ る と思 う。. 5.6映. 画鑑 賞. 映 画 鑑 賞 は 、 生 の 中国 語 に触 れ る こ との で きる一 番 の 近 道 で あ り、 中 国へ の 理 解 を深 め る意 味 で も大 変効 果 的 で あ る とい う認 識 の も と、今 年 か ら授 業 の 最 後 に 映 画 鑑 賞 の 時 間 を 設 け る こ とに した 。 しか し毎 時 間鑑 賞 で きる ほ どの 時 間 的 余 裕 は な か っ た の で 、 前 後 期 あ わ せ て2本 の映 画 を、 そ れ ぞ れ1回 につ き10∼20分 の 時 間で 、6∼7回. に分 け鑑 賞 した 。. ① 『きれ い なお 母 さん』 前 期 は 『きれ い なお 母 さ ん』 を鑑 賞 した が 、 こ の作 品 は視 聴 覚 障 害 の息 子 と2人 暮 ら し の 母 親 が 、息 子 に普 通 の 小 学 校 へ 入 学 させ よ う と、懸 命 に働 き なが ら言 葉 を教 え育 て て い く姿 を描 い た もの で あ る。 前 期 で この作 品 を取 り上 げ た の は 、 言 葉 を教 え る シ ー ンが 所 々 にあ り、授 業 で 習 った 単 語 が 出 て くる の で 、 中 国 語 の学 習 に役 立 つ と考 え た か らで あ る。 実 際 「習 った 単 語 が 出 て きて よか っ た 」 「知 っ て い る 中 国 語 が 聞 き取 れ た 」 とい っ た 感 想 が 寄 せ られ 、 興 味 深 く生 の 中 国語 に触 れ て も ら えた と思 う。 ② 『 活 き る』 後期 は 『 活 きる』 を鑑 賞 した が 、 こ の作 品 は1940年 代 か ら60年 代 ま で の 中 国 を舞 台 に、 必 死 に 生 き抜 こ う とす る 家 族 の 姿 を描 い た も の で あ る 。 後 期 で この 作 品 を取 り上 げ た の は 、 映 画 を通 して 中 国 の 歴 史 や 文 化 を理 解 して も らい た か っ た とい う のが 最 大 の ね らい で あ る。 映 画 は1940年 代 か らは じま り、50年 代 、60年 代 の3部 構成 に な っ て い る の で 、 国 共 内 戦 、 大 躍 進 、文 化 大 革 命 な ど現 代 中 国 の 歴 史 が 非 常 に よ く分 か る よ うに な っ て い る。 実 際 「中 国 の 歴 史 が よ く分 か っ た 」 「文 化 の 違 い が 理 解 で きた 」 とい っ た感 想 が 多 く寄 せ ら れ 、 異 文 化 理 解 に役 立 っ た と思 う。 ③ 学 生 ア ンケ ー ト 中 国 映 画 を観 て 中 国 語 の勉 強 に役 立 った か ど うか たず ね た とこ ろ 、 「大 変 役 立 っ た 」 が. 110.
(13) 20%(22名)、 あ っ た(回. 「少 し は 役 立 っ た 」 が65%(70名)、 答 者108名)。. 立 っ た 」 が40%(43名)、 (8名)で. あ っ た(回. は 全 体 の85%、. 「全 く役 立 っ て い な い 」 が15%(16名)で. ま た 中 国 の 理 解 に 役 立 っ た か ど う か た ず ね た と こ ろ 、 「大 変 役 「少 し は 役 立 っ た 」 が52%(56名)、. 答 者107名)。. 「全 く役 立 っ て い な い 」 が8%. 程 度 に 差 は あ る が 、 中 国 語 の 勉 強 に な っ た と答 え た 者. 中 国 理 解 に 役 立 っ た と 答 え た 者 は92%で. あ り、 こ の 結 果 か ら 映 画 鑑 賞 を 授. 業 で 取 り入 れ た 効 果 は 十 分 に あ っ た と確 信 で き る 。. 最後 に 以上 、 本 学 に お け る 中 国 語 教 育 の実 態 か ら、 第 二 外 国語 と して の 中 国語 教 育 の あ るべ き 姿 とそ れ に対 す る 自 らの 試 み を述 べ て み た が 、 実 際 は な か な か 自分 の 思 う よ うに は い か な い もの で あ る。 今 年 度 か ら は、 教 室 に あ る 設 備 を フ ル に生 か し、 パ ソ コ ンや ビデ オ とい っ た メ デ ィ ア利 用 の授 業 へ と切 り替 え る試 み を行 った が 、 パ ソ コ ン に は トラ ブ ル が付 き もの で 、パ ソ コ ン を使 わ ず に授 業 を行 っ た こ と も数 回 あ る。 ま たパ ソ コ ン を使 う こ とで 、板 書 を しな くな った 分 、 学 生 が ノー トを取 る 回 数 も減 って しま っ た 。 しか し、 パ ソ コ ン使 用 に よっ て 、授 業 展 開が ス ム ー ズ に行 え る よ うに な り、 様 々 な学 習 メ ニ ュー が 取 り入 れ られ た とい う利 点 はあ る。 また語 学 の授 業 で パ ソ コ ン を使 う とい うだ け で も、 案 外 学 生 の興 味 を 引 い た 。 毎 時 間 パ ソ コ ン を持 ち歩 き、 授 業 開始 よ り早 め に教 室 に行 っ て セ ッテ ィ ング して お か ね ば な ら ない が 、利 用 す る価 値 は十 分 に あ る と思 う。 来 年 度 は 、今 年 度 の 成 果 と反省 を踏 まえ 、 よ りよい授 業 づ く りを 目指 してが ん ば っ て い きた い 。. 第二外国語としての中国講. の珈. た 臨.
(14) 語学教育部ジ ャーナル. 資 料1ア. ンケ ー ト結 果(表 内 の 数字 は 回答 者 数 を示 す) ク ラ ス1. ク ラ ス2 (45名). ク ラ ス3 (46名). 0. 0. 0. 0. だ い た い 理 解 で きた. 34. 30. 22. 86. 理 解 で きて い ない. 12. 15. 23. 50. 1. 0. 0. 1. 0. 0. 0. 0. クラス. 設問1)中. (47名). 計 (138名). 国語の発音の仕組みは. よ く理 解 で きた. 無回答 設 間2)30個. の単 語 につ い て. 完 壁 に覚 え て い る ほ ぼ完 壁 に覚 えて い る(80%程. 度). 4. 4. 3. 11. 半 分 以上 は 覚 えて い る(60%程. 度). 23. 15. 21. 59. ほ と ん ど 覚 え て い な い(40%以. 下). 20. 26. 22. 68. 大 変 効 果 的 だ と思 う. 28. 20. 20. 68. あ る程 度 効 果 的 だ と思 う. 18. 24. 22. 64. 1. 1. 4. 6. 設問3)画. 像を見ながらの発音練習は. 効 果 的 で あ る とは 思 え ない. 注 1)外. 国 語 科 目 に お い て 要 卒 単 位 を 超 え て 修 得 し た 単 位 は 、 他 の 科 目 へ 充 当 す る こ とが で き る (薬 学 部 を 除 く)。. 2)各. 学 部 で 開 講 し て い る 第 二 外 国 語 は 、 以 下 の 通 りで あ る 。 文 芸:中. 国 語 、 ドイ ツ 語 、 フ ラ ン ス 語 、 ス ペ イ ン 語 、 イ タ リ ア 語 、 韓 国 語. 法 学:中. 国 語 、 ドイ ツ 語 、 フ ラ ン ス 語 、 韓 国 語. 経 済:中. 国 語 、 ドイ ツ 語 、 フ ラ ン ス 語. 経 営:中. 国 語 、 ドイ ツ 語 、 フ ラ ン ス 語 、 韓 国 語. 理 工1中. 国 語 、 ドイ ツ 語 、 フ ラ ン ス 語 、 韓 国 語. 薬 学:中. 国 語 、 ドイ ツ 語 、 フ ラ ン ス 語. 農 学:中. 国 語 、 ドイ ツ 語 、 韓 国 語. 生 物 理 工:中 3)医. X12. 国 語 、 ドイ ツ 語. 学 部 開 講 の2ク. ラ ス を 除 く た め71ク ラ ス と な る 。.
(15) 獅DO8. こ こで は複 数 回答 は含 まず 、 第一 回答 の み を挙 げ て 集 計 して い る。. 5). 2005年5月14日. Zρ D⊃. 4). 、 日本 中 国 語 検 定 協 会 主 催 の シ ンポ ジ ウ ム 「学 ん で 活 か す 中 国語 ∼ ビ ジ ネ. ス の現 場 で 」(於:東. 京 千 代 田 区 公 会 堂)の 席 で 挨 拶 され た上 野 恵 司氏 の 言 葉 に よ る。. 6. ス コ ア式 ビ ジ ネ ス 中 国 語 検 定 試 験 は、 日本 中 国語 検 定 協 会 が 主 催 す る もの で 、 対 象 者 は 日 本 人 、採 点 方 式 は ス コ ア方 式(100点. 満 点)で. あ る。. 7. 「中 日通検 」 ビ ジ ネ ス コ ミュ ニ ケ ー シ ョン試 験 は 、 日本 通 訳協 会 が 主 催 す る もの で 、 対 象 者 は 日本 人 と 中国 人 、採 点 方 式 は級 別合 否(1級. 、2級)で. あ る。. 8. 山取 清 『第 二 外 国語 教 育 の現 状 と未 来 』 語 学 教 育 部 ジ ャー ナ ル 創 刊 号pp.77-89、 近 畿 大 学 語 学 教 育 部 発 行 、2005年 を参 照 9. 門 田 修 平 『英 語 の 書 き言 葉 と話 し言 葉 は い か に 関係 して い る か:第 二 言 語 理 解 の認 知 メ カ ニ ズ ム』 くろ しお 出版 、2002年 を参 照. 本 稿 は 、 第3回. 第 二 外 国語 教 育 研 究 会(2005年6月25日. 、 近 畿 大 学 語 学 教 育 部 主 催)で. の口頭. 発 表 に加 筆 修 正 を行 っ た もの で あ る 。 貴 重 な ご意 見 を下 さ った 諸 先 生 方 に、 深 く感 謝 い た しま す。. 第 二 外 国語 と して の 中 国 語 教 育 の あ りlb、 た17L.
(16)
関連したドキュメント
日本語教育に携わる中で、日本語学習者(以下、学習者)から「 A と B
当学科のカリキュラムの特徴について、もう少し確認する。表 1 の科目名における黒い 丸印(●)は、必須科目を示している。
早稲田大学 日本語教 育研究... 早稲田大学
高等教育機関の日本語教育に関しては、まず、その代表となる「ドイツ語圏大学日本語 教育研究会( Japanisch an Hochschulen :以下 JaH ) 」 2 を紹介する。
グローバル化がさらに加速する昨今、英語教育は大きな転換期を迎えています。2020 年度 より、小学校 3
金沢大学における共通中国語 A(1 年次学生を主な対象とする)の授業は 2022 年現在、凡 そ
本学級の児童は,89%の児童が「外国 語活動が好きだ」と回答しており,多く
英語の関学の伝統を継承するのが「子どもと英 語」です。初等教育における英語教育に対応でき