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英語動詞takeに見る多義性の拡張メカニズムと言語教育 --認知言語学的アプローチによるメタ・プロセス理論を通して

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(1)近畿大学英語研究会紀要. 第. 2号 2 0 0 8 年 8月. 英語動詞 t a k eに見る多義性の拡張メカニズムと言語教育 -認知言語学 的アプローチによるメタ・プロセス理論 を通して フに. 本木. 要旨. 智. 山. 浩. 我が国の外国語語葉学習 ( 特に中学校 ・高等学校) において、 日本語訳の機械的な丸暗記に過度に重点. 。 しかしながら、種々の単一語及び連語表現の意味のからくりを概念的見地から が置かれている感は否めな L、 解明 し 、 実際に教壇に立つ者がそれらを背景知識として持つこと は、特に 「 英語表現=日本語訳」式の機械的 な丸暗記が苦手な学習者に対して自身の自然な経験の諸相に則した 「 理解」範時下の語葉学習指導を可能にす 、かと考えられる ( c f .上野 るだけでなく 、英語そのものに対する興味づけをも行え るのではな L. ( 2 0 0 7) )。 そ. a k e 'を取り上げ、 そのプ ロ トタイプ効 こで、本論では 、典型的な多義語の ーっとして扱われることが多い‘ t 果が生じる拡張メカ ニズムを認知言語学的観点 と史的観点とを融合させた 「メタ ・プロセス理論」 の観点から 明らかに す ることが主 たる目的となる 。. a k eの多義性、直示性、意味変化 キーワード:認知言語学、メタ ・プロセス理論、 t. AnE d u c a t i o n a l l y A p p l i e dStudyo ft h eP o l y s e m i cMechanismo fTake - AC o g n i t i v eL i n g u i s t i cApproacht ot h eP r o c e s so ft h eSemanticChange-. TomohiroMoriyama Abs t r a ct Thep u r p o s eo ft hi sp a p e ri st ode alwi t ho n eo ft hep r o t o t y p i c alpol y s e m i cwords‘ t a k e 'from t a k e 's eemst ol ieheavye v e nont h ebrandnewp u b l i c a t i o n s.For ac o g n i t i v ep o i n to fv i e w . Tob es p e c i f i c,‘. ov e n t u r et od e a lw i t ht h eworda sl o g i c a l l yands a t i s f a c t o r il ya sp o s s i b l efrom t h i sr e a s o n,1amgoingt ac o g n i t i v ep o i n to fv i e w . 1p r o p o s et h a tt h e r ec o u l db enoo t h e re f f i c i e n tande f f e c t i v ewaythant omemor i z eE n g l i s he x p r e s s i o n ss y s t e m a t i c a l l yi ntermso ft h ei rimagesandc a t e g o r i e sa c qui r e dands t o r e di n t a k eo v e , ' r ‘ t a k eup¥ ‘ t a k ei n ',ands oon,whoses ehumanbr ai n s .Thes p e c i f i cexamplesd e al tw i t hhe r ea r e‘. manticc h a n g e sc a nb ev i e w e db a s e donDEIXIS.T h i ss howst h a tweh a v et h ec o g n i t i o nbywhichwel ing u i s t i c a l l yo r g a n i z eoure x t e r n a lw o r l dthroughs u c ham e t a p h o r i c a lf i l t e ra sORIENTATIONALMETAPHOR ( cf .G .L a k o f fandM.Johnson( 1 9 8 0,1 9 9 9 ) ) .. Ke ywords:C o g n i t i v eLing ui s t i c s,m e t a p r o c e s st h e o r y,pol ysemyo ft a k e,d e i x i s,semanti cchange. 7 9.

(2) 近畿大学英語研究会紀要. 第. 2号. 1 . はじめに 約三十年前に姿を現した認知言語学 もいまやその隆盛を迎え、 「 認知」 と名の付く出版 物は世に溢れ出した。そして、最近では 「コア・ミーニング ( c o r emeaning) Jと名付け、 語の多義性の説明にあくまでも共時的な見地のみに基つeき、数学で言う「最大公約数」と いう考え方を用いる方法を多数の発表や書き物から見聞きする 。 しかしながら、イメージ・ スキーマの作成等は認知言語活動を具現化する一手法に過ぎないにも拘らず、 「イメージ」 と称して上辺だけの 言語像を追いかけるような風潮には歯止めをかけねばなるまい ( cf . 上野・森山 ( 2 0 0 6 ) )。筆者 は自戒の念を込めて言 っている O メタファーとカテゴリー化の 二つの理論を主幹とする認知言語学の根本は、人間を人間たらしめる経験主義 に根ざした 「大脳活動内における概念メカニズム」の正体をその結果事象である言語表現という側面 から解明する手助けにある O つまり、 言葉 は人間の文化・文明の発展・変化と共に発達し てきたことから、そこに光を当てることは人聞が如何にして外界と関り合ってきたのか、 という思考の進化の過程を明らかにすることに他ならない ( c f .LakoffandJohnson. ( 19 8 0:1 1 7 1 1 8 )) 。換言すれば、思考の進化の過程は、極めて物理的な物体や事象から抽 出されるプリミティブな認識を多様なものに適用してきた人間の脳内活動の歴史でもある 。 したがって、我が国の外国語語葉学習においては日本語訳の機械的な丸暗記に過度に重点 が置かれていることから、種々の単一語及び連語表現の意味のからくりを概念的見地から 解明し、実際に教壇でタクトを揮う者がそれらを背景知識として持つことは 、特に「英語 表現=日本語訳」式の機械的な丸暗記が苦手な学習者に対して自身の自然な経験の諸相に 則した 「 理解」範鴎下の語葉学習指導を可能にするばかりか、英語そのものへの興味づけ をも行い得ると考えられる O 言 語 理 論 の 歴 史 を 振 り 返 る と 、 認 知 言 語 学 だけが語 嚢研究をしたわけではない 。. Je s p e r s e n, Curme, Poutsma, Kruisinga 等 の 伝 統 文 法 ( t r a d i t i o n a l grammar)、. H j e l m s l e vの言理学 ( glossemat i c s )、 Cookの 文 法 素 論 (tagmemics)、ロンドン学派 H a l l i d a yの体系文法 ( s y s t e m i cgrammar)、多くの研究者が長年従事 した構造言語学 ( st r u c t u r a ll i n g u i s t i c s )、 Gruberの語葉研究や Chomskyの統語論中心の変形生成文法 ( t r a n s f o r m a t i o n a lg e n e r a t i v egrammar) 等がその主たるものだが、それらは全て(理 文」を対象とした文法理論の枠組みの中で語の意味 論の精密さの程度の差は別として) I 分析が取り扱われている 。 したがって、それらの研究成果は認知言語学 における 「 概念的 体系」と目的が異なるため、英語学習現場にそのまま導入できるものではなし、。 ただ、 言 理学 ( g l o s s e m a t i c s ) と構造言語学 ( st r u c t u r a ll i n g u i s t i c s ) の改良延長的な文法理論で. 19 6 6 ) の成層文法 ( s t r a t i f i c a t i o n a lgrammar) では、「多義語どうしの関 ある Lamb ( 係」 を図で示す「意味のネット・ワーク」の萌芽が見られ、教育現場から見て興味深い点 がある 。 その一例を簡略化して次の(1)に示す。 8 0.

(3) 英語動詞 t a k eに見る多義性の拡張メカニズムと 言語教育 一認知言語学的アプローチによるメタ・プロセス理論を通して一(森 山) 、 ‘. /ft. 、ノ 1i , 、. BIGl. lmportant 参考例. BIG2. l a r g e. Shei smyb i gs i s t e r .C 姉). OLD. e l d e r. o l d. Hei sab i gmano fourc i t y .C 重要人物). Hishousei sb i g .C 大きな). この意味的ネット・ワークのアイディアは一見優れているようだが、 一単語の多義 性を示すだけでも図が複雑になり、この点で変形生成文法の意味素性 C s e m a n t i c. f e a t u r e ) 表示のような簡潔性がなく、結局は部分的に簡潔であるだけの説明に終っ. f こO 上記で概観した理論の流れの中で、研究者が初めて行き着いた学問が単語どうし の意味の簡潔な関連性の説明力を持つ認知言語学である O しかしながら、語の多義 性を明らかにする上でここで注意すべきことは、「語の意味変化は論理的な連続体 である 」 ということである 。つまり、その連続体を構成する各々の意味は、各々の 意味変化が生じた時代に生きた人々の認識の表れであるから、「史的」は「認知」 に内包される O 以上の理由から、本論では以下の 二点の研究基盤を「メタ・プロセ ス理論」 と総称して論を進める O. C2) C 従来の)認知言語学的観点:. 教育現場に有効と思われる C L a k o f f,Fauconnier等を主とする)認知言語学の諸 原理を導入 ・活用する O 特に、語の意味変化のプロセスが生じる背景にはメタフォ リカルなフィルターを通したトリガー(動機づけ)が存在していると考えられる O. C3)史的観点:. 「 共時」の積み重なりが「通時」であることは 言 を侠たなし 1。本来一つの単語には 一つの. i (派生的意味を生む際に中心的となる)意味」しかなく、それが時の流れ. とともに複数個の意味を生む役を果たしていることは言葉の歴史が証明している 。 しかも、自然の森や山に固まれた昔の人々の生活環境を想像すれば、その中心的な 意味とは、目に見えるような素朴な物理的なものを指し示す意味であって、目で見 ることも手で触ることもできない抽象物を指し示す意味は後々に生まれたと 言える 。. 8 1.

(4) 近畿大学英語研究会紀要. 第 2号. (4)上記 (2)-(3)を融合させたメタ ・プロセス理論に基づく意味変化の捉え方: く 物理的〉. メタファーに代表される 共時的な動機づけ. ※一一+ は 通時的な意味変化のプロセスを示す ※一 一 一 一 一 一 は意味変化を生む動機つ' けを示す. く(原義 Aより)抽象的〉. そこで、本論では、典型的な多義語の一つである t a k eを取り上げ、その拡張メカニズム を上述した 「メタ・プロセス理論」 の観点から明らかにすることが主たる目的となる 。. 2 . 先行研究とその問題点. 2 .1 . 先行研究 I NorvigandL a k o f f( 19 8 7 ) では、 t a k eの多義性における語葉的ネット・ワークの一 端を明らかにするために、次の(1)-(7)の例が挙げられている 。. (1) Johnt o o kt h ebookfromMary. (2) Johnt o o kt h ebookt oMary. (3) Johnt o o kt h ebookt oC h i c a g o . (4) Johnt o o kap uncha tH a r r y . (5) Johnt o o kap unchfromMary. (6) Johnt o o kMaryt ot h et h e a t e r . (7) Johnt o o kaw h i f fo ft h ec o f f e e .. ( 1 ) 中核義が原義と直結する語は多いが、中にはそうでない語も存在する 。 OE期の 「 対 抗」概念を原義とす i t hは ModEでは 「同伴」概念をその中核とする 。「対 抗」概念表示語 a g a i n s tも交えながら、通時的 るw 2 0 0 8:1 2 1 1 31)参照。 な観点から両者が結びつくプロセスについて詳しくは森山 (. 8 2.

(5) 英語動調 t a k eに見る多義性の拡張メカニズムと 言語教育 一認知言語学的アプローチによるメタ ・プロセス理論を通して 一 ( 森山). そして 、 これら七つの例に見られる. (8 ) ITake-lI. t a k eの各意味の関係つ けを以下(8) e. SR ~ Cf孟三D. C ! a k eV. c f 孟ヨD. C ! a k eD. P .. c f 盃 三D [ 注 :SR=意 味役割の相異、 p=プ ロファイル. d亘 三D. による変換、 M=メタファーの適用、 F= フレームの適用]. -N o r v i ga n dL a k o f f( 19 8 7 :2 0 5 )( [ ]内表記筆者) の語嚢的ネット ・ワークに収束させ、各ネット ・ワーク聞の結びつきを果たす 7つの. t a k eの意味的タイプはそれぞれ、次の(1')- (7')のように解釈されている 。 ( 1 ' )T ake-l:I 被動作主を取る J(例: ( 1 )J o h ntookt h eb o o kf r o mM a r y . ). ( 2 ' )Take-2:I 被動作主を受領者に持って行く J ( 例 :( 2) J o h ntookt h eb o o kt o M a r y . ) ( 3 ' )T a k e-3:I 被動作主を目的地に持って行く J(例: ( 3) Jo h ntookt h eb o o kt o C h i c a g o . ) 被動作主に向かつて或る行為を行う J(例: ( 4 )J o h ntookap u n c ha t ( 4 ' )T a k e-4 :I H a r r y. ). ( 5 ' )Take-5: I 動作主からの行為を受け取る J ( 例 (5 )J o h ntookap u n c hf r o m M a r y . ) 例 :( 6) Jo h ntookMaryt ot h e ( 6 ' )Take-6:I(或る公共施設に)連れて行く J(. t h e a t e r . ) ( 7 ' )T a k e-7:I 或る知覚行為を行う J(例: ( 7 )J o h ntookaw h i f fo ft h ec o f f e e . ). 確かに、. [ T a k e-lJとして t a k eのプロトタイプ的意味を設定し、その派生義との各ネッ. ト・ワーク聞の結びつきを観察することは、放射状カテゴリーを形成する語の多義性を解 明する上で非常に有効な試みであるかもしれない。しかしながら、下記(9)に示される通 8 3.

(6) 近畿大学英語研究会紀要. 第 2号. 時的観点に基づくと、その様相は一変する O. C9)t 1OateOE~ ーや 1400 ~ 触れる. 2~ ?a1160 P e t e r b .C h r o n .a n .1135~ C ある行動を)する,行なう . 3~ ?α 1160 P e t e r b .C h r o n .a n .1140~ 捕える. 4~ ?α 1160 P e t e r b .Chron .a n .1140~ C 物を)持って行く, C 人などを)連れて行く .. 5~ ?c1200. Ormulum ~ 取る,っかむ,握る.. -寺津(編) ( 19 9 9 )C s . v .t a k e ). 上記 C9)から 、 1 1 6 0年以前には I Cある行動を)する、行う 、捕える、 (物を)持って行く、 2 )ことが観察される O 他方、 t a k eの (人などを)連れて行く」といった意が発生している (. プロトタイプ的意味である Take -1の由来として考えられる「取る」の意はそれらより も時間的後の約 1 2 0 0年頃に発生していることも確認される O 以上の理由から、上出 C8) に おける [Take-l]の設定は史的背景を考慮したものではなく、以下(10 )という問題が生 じ得る O. ( 10 ) 問題点 l 通時的見地に立脚した意味変化の自然な流れを明らかにするためには、プロトタイ プ的意味である [Take-1J 自体を設定し直さなければならないばかりか、それに 伴い、語葉的ネット・ワークの全体像そのものも根底から変更せざるを得ないので はないか?. また、たとえ共時的見地だけに立脚して t a k eの多義性における語葉的ネット・ワークを. a k eは goの使役形(もしくは他動詞)としての役割を果た 明らかにしようとしても、 t すことを鑑みれば、その論旨に矛盾をきたすと考えられる。下記(11)がその詳細である O. ( 1 1 ) Comeと goは直示動詞 C d e i c t i cv e r b s )、移動動詞 Cmotionv e r b s ) 一一或る物 体がその物理的位置を変えるその過程を示す動詞一 ー として知られてし必 O ……話 し手-聞き手の直示では、 comeの到達点は発話時または基準時 C t h er e f e r e n t. timei nt h eu t t e r a n c e ) における話し手または聞き手の位置となる. O. 一方、 goの. ( 2) Takeの初出期の意味「触れる 」 については、ラテン語 t a n g e r e( =t ot o u c h )と関係するのではないかと する説が有力であるが、依然その詳細は不明である 。以下(1)の寺津 ( 編) ( 1 9 9 9)( s . v .t a k ev . ) の記載参照。 ot o u c hとの関係は多くの学者の支持にもかかわらず依然不詳。 ( 1) ラテン語の t a n g e r et 物を)持って行く、 ( 人を)連れて行く J( c f.寺津 ( 編) ( 19 9 9)( s. v . しかしながら、「触れる →捕える → ( t a k e ) ) と意味変化を起こした背景 には、 b r i n gの対義 を表す語として t a k eが宛がわれたことが大きく関 c f.寺津 ( 編) ( 19 9 9 )( s .v. b r i n g ) ) のではな L、かと考え、論を進める 。 与している (. 8 4.

(7) 英語動調 t ak eに見る多義性 の拡張メカニズ. ムと 言語教育 一認知言語学的ア プローチによるメタ・プロセス理論を通して一 ( 森山 ). 到達点は発話時における話し手のいる所以外の場所となって、話し手の方向ではな い。 F i l l m o r eは、これらを直示的中心. ( d e i c t i cc e n t e r )という概念を用いて取り. 扱っている 。 …… comeは正常状態への移入を 言及するのに使われるので、その他動詞形 b r i n g (学者の中には b r i n gを comeの 「使役動詞. ( c a u s a t i v ev e r b )J 、 「動作主格形 ( a -. g e n t i v ef o r m) J等 々、別の名で呼ぶ人達もいるが、それらはすべて結局は同じも のを指す) にもまた comeと同じことがし、える 。 つまり、 b r i n gも状態変化に言及 することができるということである 。 ……直示動調 他動詞としての役割を果たす。. 一上野. つまり、上記 (11)の直示性を考慮すれば、 して設定された. t a k eは g oの使役形、つまり. ( 1 9 9 5:1 6 4 1 6 7)( 下線・ 一部省略筆者). t a k eの多義性におけるプロトタイプ的意味と. [ T a k e -1 :r 被動作主を取る J J 自体も派生義となってしまう 。 さらには、. [ Take-2:r 被動作主 を受領者に持って行く J Jという派生義の段階になって初めて直示 性 に 触 れ 得 る 記 載 が 現 れ る の も 奇 妙 な 話 で あ る O このような理由から、. N o r v i ga n d. 19 8 7)における t a k eの多義性に対する語嚢的ネット・ワークでは主 として以下 L a k o f f( の問題点も苧んでいるのではなし、かと考えられる 。. )問題点 2: ( 12 プロトタイプ的意味の設定段階から直示性を加味する必要があるのではないか? ( 13 )問題点 3: 上出(1')-(7 ')で確認した ( 7 ')の方向性と. t a k eの 7つの意味のタイプについて、(1'), ( 2 ') ,( 5 ') ,. ( 3 ') ,( 4 ' ), ( 6 ') のそれとは 一見、方向性が異なるように感じられ. るO それらの方向性と. t a k eの直示性との聞には如何なる概念的結びつきが存在し. ているのかを語嚢的ネ ッ ト・ワークの全体像の中で説明する必要があるのではない か? ( 14 )問題点 4: これら. t a k eの 7つの 意味のタイプの範時には属さないと考えられる連語表現 (た. とえば. t a k em e d i c i n e等)の意に至るプロセスが説明されるモデルをプロトタイ. プ的意 味の再設定も交えながら根底から再構築する必要があるのではないか?. 2 . 2 . 先行研究 E 田中 ( 編) ( 19 8 7)では、. t a k eのコア (=共時的観点から見た種々の意味の最大公約数). を以下 (1)と設定し、次の (2)のように述べられている 。. 8 5.

(8) 近畿大学英語研究会紀要. (1)~. 第 2号. コア:iXTAKESYJ において Xが(自分の手の届く範 囲にある) yをなんらかの形で Xの領内に取り入れ る。. (2) TAKEは“ g i v e "および“ h a v e " との関係で分析されるべき動調であろう o TAKE と“ g i v e "を橋渡しするのが“ h a v e "であり、 3つの関係を上の図のようにあらわ すことができる O ここで TAKEの意味の本質は、 iXが Yを Xの領内に取り入れ る」ということであり、具体的な語義はコンテクスト情報によって確率的に決めら. 987:3 2 4 ) (下線筆者〉 - 田中(編) 0. れなければならなし、。. さらに、この 「 具体的な語義はコンテクスト情報によって確率的に決められなければなら なしリという点については、下記(3)として説明されている O. (3)コンテクストと TAKEの意味解釈の関係を見てみよう。例えば、“ J ohnt o o k. somec a n d i e s . "では、 TAKE ( Jo h n .somec a n d i e s ) といった具合に X とYの値 が与えられているが、これだけではコンテクスト情報は不十分である 。 なぜなら、 “ g r a s p "“e a t "“s t e a l "などが、その場合の TAKEの語義解釈として考えられるか らである O ・・・…コンテクスト情報を追加することで、下のように TAKEの解釈は 特定しやすくなる 。. (a) Johnt o o ksomec a n d i e sa n dt h e ng o tas t o m a c h a c h e .→ EAT (b) Johnt o o ksomec a n d i e sandt h e ng o ta r r e s t e d .→ STEAL (c) Johnt o o ksomec a n d i e sandp u tthemont h et a b l e .→ SEIZE もし追加情報として下のように、. (d) Johnt o o ksomec a n d i e st oB i ll . “ t oB i l l "が与えられたらどうであろうか。 [ Johnt o o ksomec a n d i e s J のところま. )-(c ))を行い、 [ t oB i l lJ でにおいて、通常予想される TAKEの解釈(上の (a のところまできてそれを、修正しなければならなし 1。つまり、方向前置詞句の存在 は 、 TAKE解釈において 「移動」概念の導入を余儀なくさせるのである 。 このこ とから、 TAKEの「持ってくる /連れてくる 」 の意味は TAKEの本来の意味とい うより、方向前置詞句と TAKEの相互作用の産物であるといえよう O - 田中(編) 0 987:3 2 4 3 2 5)( 下線・ 一部省略筆者). 4 a c )のような疑問が生じる 。 しかしながら、ここで次の ( (4) a . ' H ebrought/*tooksomec a n d i e st ome/u s/youy e s t e r d a y . 'に示される 8 6.

(9) 英語動調 t a k eに見る多義性の拡張メカニズ、 ムと 言語教育 -認知言語学的アプローチによるメタ ・プロセス理論を通して一(森山). ように、 themeとして捉えられる Yの到達先が「話し手/ 聞き手」の場合、. b r i n gを用いる方が適当である。このことから、 t a k eのコアを単に I IX TAKESYJ において Xが(自分の手の届く範囲にある) Yをなんらかの形 で Xの領内に取り入れる」と設定し、 「方向前置詞句の存在は、 TAKE解釈 において「移動」概念の導入を余儀なくさせる」とするだけでは、 t a k eの多. ringと t a k eの直示 義性のメカニズムは説明され得ないのではないか? B 性の対立はこのコアで如何にして説明され得るのか?. b .I [ Johnt o o ksomec a n d i e s J のところまでにおいて、通常予想される TAKE の解釈(上の (a)-(c )) を行い、 [ t oB i l lJのところまできてそれを、修正 しなければならない」とあるが、その根拠は 一体 何 か ? たとえば、この. t a k eを EATと解釈され得るのは somec a n d i e sの指示物に対する我々の日 常の知識の枠組み(fr ame) によるものではないのか? 事実、‘ Johnt o o k. m e ..のように対格目的語を変更した場合、 [ Johnt o o kmeJ の段階で EATの解釈は通常、移動事象のそれと比べて優先されなし 1。 また、 [ John t o o ksomec a n d i e s Jのt a k eが STEAL と解釈されるためには‘ andt h e n g o ta r r e s t e d ' が後続することが不可欠であるにも拘らず、なぜこの段階で STEALの解釈が移動事象のそれと比べて優先され得るのか? ましてや、 [ Johnt o o ksomec a n d i e s J の段階でこの t a k eが SEIZEと解釈され得るな らば、それは t a k eが goの概念を内包した使役動詞であり、対象物との同. g e n tである Johnの指示物の 伴関係 (WITH) を築くための前段階として a 身体経験上 「 手」を用いることがプロトタイプ的であるからではないのか?. c . 多義構造を持つ語が文脈中如何なる辞書的意味(本論でいう日本語訳)が選 択され得るかについては、他の語との共起関係及びコンテクストが大きく関っ ており、なにも t a k eに限ったことでないのではないか?. また、田中(編) ( 19 8 7 ) では、 t a k e,g e t各々と r e s p o n s i b i l it y,p e r m i s s i o nそれぞれ との共起関係についても以下(5)のように述べられている。. (5) TAKEのコアの 一部として 「 物理的、心理的に自分の手の届く範囲内/守備範囲 内に Yがある 」 を加えておく必要があるかも知れない。 この点につき下の用例を参 照。. (a) t a k er e s p o n s i b i l i t y. (b) ? g e tr e s p o n s i b i l i t y. (c) ? t a k ep e r m i s s i o n. (d) g e tp e r m i s s i o n. 日本語では 「 責任をとる JI 許可をとる」といえるが、英語では 「責任」の場合は 8 7.

(10) 近畿大学英語研究会紀要. 第. 2号. TAKE で、「許可」の場合は“ get" が結びつきやす~ ¥ " 。 それは、責任は「自分の守. 備範囲」内にあるものであり、「許可」は「自分の守備範囲」の外にあるものであ 一田中(編) ( 19 8 7 :3 2 6 ) (下線筆者). る、ということと関連があるだろう。. しかしながら、たとえば、次の(6)に示される ように、. (6) Shet o o kt h ewholer e s p o n s i b i l i t y . く Shet o o kt h ewholer e s p o n s i b i l i t y[ u p o n/ onh e r s e lf ] . 左辺の文が右辺の文における [ upon/onh e r s e l f J の省略形であると考えれば、上出 ( 5 a ) の‘ t a k er e s p o n s i b i l i t y 'のt a k eも、本論 2 .1 .( 12 )で観察した「直示動詞 t a k eは goの 使役形、つまり他動調としての役割を果たす」という概念の範鴎で捉えることが可能とな る。 なぜなら、次の (7)-(8 )に示されるように、英語母語話者(さらには日本語母語話 者)は無意識的意識の中に以下 ( 9 a b )というメタファーを保有しており、. (7) Shehast os h o u l d e r/t a k eont h eb u r d e n .. く 物理的〉. (8) Sheh a st os h o u l d e r/t a k eont h er e s p o n s i b i l i t y . く抽象的〉 (9) a . 責任は重荷である. b. 責任を背負う場所は(双)肩である. このような身体経験の写像 ( mapping) を通して、上出(6)が表す事象は次の(10 )のそ れと意味論的に等価であると考えられるからである。. ) Shet o o kt h ewholer e s p o n s i b i l i t yupon/onh e rs h o u l d e r s . ( 10 つまり、次の(10 ')に示されるように 、. ' ) Thewholer e s p o n s i b i l i t yi sI upon/onh e rs h o u l d e r sInow. ( 10 t h e r e. ( 10 )の抽象的移動事象の完了後の位置を代副詞化すると t h e r eが現れることからも、こ こに t a k eの直示性が確認される。したがって、ここでの t a k eは r t h ewholer e s p o n s i b i l -. i t yの指示物を直示的中心以外の場所に持って行く」という概念で捉えられ、決して前出. (5)のように「物理的、心理的に自分の手の届く範囲内/守備範囲内に Yがある」という a k eに付加させる必要はないのである 。 なお、念押しになるが、 新たな意味をわざわざ t 8 8.

(11) 英語動詞 t a k eに見る多義性の拡張メカニズ‘ ムと言語教育 森山) 一認知言語学的アプロ ーチによるメタ・ プロセス理論を通して一 (. ここでの t a k eが移動動詞の範鴎に収まることは、下記(11)に示されるように、. a k et h er e s p o n s i b i l i t yon[ u p o n,t o Jo n e s e l fその責任をわが身に引き受ける ( 1 1 )t -KDEC ( s . v .r e s p o n s i b i l i t y ) (イタリック筆者). on/uponの代わりに「到達点」概念表示語 t oが用いられ ることからも明らかで、ある. O. それにも拘らず、「物理的、心理的に自分の手の届く範囲内/守備範囲内に Yがある」と いう新たな意味をわざわざ t a k eに付加させてしまう要因は、これまでと同様、 t a k er e -. s p o n s i b i l i t yが「責任をとる」として表された日本語訳に縛られた結末であろう。以上の )のメタ・プロセスとしてまとめておく ことを以下(12. O. ( 1 2 )I 中核概念:themeを非直示的中心へ物理的に移動させる使役概念 │ 意味変化の動機づけ: 責任を背負う場所は(双)肩である」と ①「責任は重荷である JI いう概念メタファー ②「抽象物(ここでは t h ewholer e s p o n s i b i l i t y ) の移動概念は 具象物の移動概念から写像される」という THELOCATIONEVENT STRUCTUREメタファー ( c f .L a k o f fandJohnson ( 19 9 9 :1 7 9 ) ). │ 派生義:(責任を〉とる │. 3 . 直示動詞‘ t a k e 'の使役概念に基づく意味拡張のメカニズム 3 .1 . 直示動詞‘ t a k e 'の中核概念とそのプロトタイプ効果 まず、次の(1a b )に着目する。. (1) a . Taket h i st ot h ebankf o rme,wouldyou?. b .S h a l l1t a k eag i f tt omyh o s tf a m i l y ? -OALD ( s . v.t a k et r a n s.1 ) (イタリック筆者) OALDでは(1)-(2川、ずれの t a k eも ‘t oc a r r yo rmoves t hfromo n ep l a c et oa n o t h e r ' の意を表すと定義されているが、話し手・聞き手と物理的到達先との関係には明確な制限 が設定される O なぜなら、 2 .1 .(11)で詳述したように、 t a k eは「移動の到達点=話し手 /聞き手の非存在場所」という概念を内包した goの他動詞形であるのに対し、同じ移動 8 9.

(12) 近畿大学英語研究会紀要. 第. 2号. 動詞範時内の成員であっても c a r r yや moveはあくまでも非直示動詞として分類され、. come-go,f e t c h,b r i n g t a k eのように 「話し手・聞き手の存在場所」がその物理的到達先 であるか否かは意味論上、問題とされないからである O したがって、対格目的語を有性物. a k eの概念を捉えるには必然的にこの「直 表示名詞に置き換えた下記(2)においても、 t 示性」を考慮することが不可欠となる。. (2) I t 'st o of a rt owalk-l 'It a k eyoubyc a r . -OAL D ( s . v.t a k et r a n s .2 ) (イタリック筆者). その「直示性」を明確にする実例が次の(3)である O. (3) I t 'st o of a rt owalk-1 'lt a k eyout ot h eb u i l d i n g/t h e r e/ ・h e r ebyc a r . つまり、以下 (4)-(5)に示されるように、. (4) Bringandtakec o nt r a s ti nt h esamewaya scomeandgo -AEGU ( s . v .b r i n gandt a k e ). (5)原義は. COME の使役の意味. ( t oc a u s et ocomea l o n gw i t ho n e s e lf)で,. TAKE. の 対 語 寺 津 ( 編 ) ( 19 9 9 )( s. v .b r i n gv . ). t a k eは「移動の到達点=話し手/聞き手の非存在場所」という概念を内包していると見なさ れるのだから、上記(3)が表す事象は下記 ( 3 ' )に示される概念構造で捉えられることになる O. ( 3 ' )I t 'st o of a rt owalk-1 'lMADE[ y o uWENTt ot h eb u i l d i n g/t h e r e/* h e r e ] . したがって、次の(6)が表す事象においても一見、 t hemeの物理的移動の到達点が話し 手の存在場所のように感じられるかもしれないが、それはあくまでも現実世界における結. a k eが表示する直接の命題ではない。 果事象の一つに過ぎず、言語世界において t (6) A:“Takeanyc a r dfromt h i sd e c k . "( 1この l組のトランプからどれでも 1枚選んで J ) B :“ 1 'lt a k et h i so n e . " (1これにしよう J ) なぜなら、上出 ( 3 ' )と同様の考え方を当てはめれば、(6)が表す事象は下記 ( 6 ' )に示され る概念構造で捉えられ、依然として「移動の到達点=話し手/聞き手の非存在場所」とい. 9 0.

(13) 英語動詞 t a k eに見る多義性の拡張メカニズムと 言語教育 一認知言語学的アプローチによるメタ・プロセス理論を通して一(森山). う認識が生きているからである O. ( 6 ' ) A:MAKE[ a n yc a r dGOESfromt h ed e c k ] . B :1 '1MAKE[ t h i so n eGOES]. 事実、 ( 6B)-(6'B)の会話文を各々、次の(7)-(7')のように、 themeの物理的移動の到 達点を 「 話し手/聞き手の非存在場所」と設定してもその整合性が成り立つ。. (7) 1 '1t a k et h i so n efromt h ed e c k/yout oh i m . ( 7 ' )1 '1MAKE[ t h i soneGOESfromt h ed e c k/yout oh i m ] .. つまり、ここではあくまでも「聞き手(もしくは t h ed e c k ) の存在場所からの移動」と いう themeの取り上げ認識が前景化されているだけであって、その移動の到達点が「話 し手/ 聞き手の存在場所」であることが必要十分条件であるわけではない 。 むしろ、. themeの所有者として話し手を前景化させたい場合は、 g e tや r e c eIv eがその姿を現すこ とになる。. (8) 1got[ r e c e i v e d ,Xt o o k ]ap r e s e n tfrommymotherf o rC h r i s t m a s . (クリスマスに母からプレゼントをもらった) -GJED ( s . v . もらう) (イタリック筆者). したがって、下記(9)に示される表現も同様の物理的移動概念で捉えられることは、次の. )の事象が厳密には、以下 ( 1 0 ' )として解釈され、さらにはこの物理的移動事象の完了 ( 10 " )において t h e r eが姿を現すことからも支持される O 後の位置を代名詞化した下記(10 (9) t a k em e d i c i n eI 薬を飲む」. 0 0 0 J( 3 l(イタリック筆者) 一『英熟語ターゲット 1. ( 10 ) 1n e e dt o似た twod o s e so ft h i sm e d i c i n ee v e r yd a y . ( 10 ' ) 1n e e dt ot a k etwod o s e so ft h i sm e d i c i n e[ i n t omys t o m a c h ]e v e r yd a y . (私は毎日 2服ずっこの薬を胃の中に移動させる必要がある) ( 10 " )Twod o s e so ft h i sm e d i c i n ea r e Ii nmystomach 1 now. t h e r e. ( 3) 本論では、学生によく用いられている熟語帳を利用して 当該連語表現 を列挙したが、他の大学受験用熟語. 帳における掲載表現の種類・内容もほぼ同様であった。. 9 1.

(14) 近畿大学英語研究会紀要. 第 2号. つまり、(10 )- ( 10 ' )が表す事象は次の(11)に示される概念構造で捉えられることから、 たとえ上出(9)のように 「 薬を飲む」という和訳しか記載されていなくとも、 t a k eの多 義性は単一 の概念的観点から説明され得るのである O. ( 1 1 ) 1n e e dt oMAKE[ t w od o s e so ft h i sm e d i c i n eGOi n t omystomache v e r yday].. 3 . 2 . 直示動詞‘ t a k e 'と空間方向性表示語との概念的結びつき. 3 .1.で論じた概念的見地に基づけば、以下 (1)に見られる連語表現の概念も明らかになる O (1) t a k eo v e r ① を引き継ぐ. ②. を運んでいくを連れていく. het o o ko v e rt h eb u s i n e s sa f t e rh e rhusbandd i e d . ①S ② Hewask i n denought ot a k eu sovert ot h ei s l a n di nh i sb o a t .. 一 『 英熟語ターゲット 1 0 0 0J(イタリック 筆者). ここでは、 t a k eo v e rに対して同列に複数の日本語訳が列挙されているだけであるが、メ タファ一理論の観点からは物理的移動事象が基盤となって種々の抽象的移動事象が派生し たと考えられる O そして、 o v e rが図地分化による 「円弧」概念表示語である ( c f.森山. ( 2 0 0 8:3 7 7 4 0 3 ) ) ことも鑑みれば、 (1)②の実例が表す事象は、たとえば次の (2)とし て解釈され得る 。. (2)Hewask i n de n o u g ht ot a k eu sov e rt h es e af r o mt h es h o r et ot h ei s l a n di nh i sb o a t . ( 彼は親切にも自分のボートで岸から島まで海を越えて私たちを移動させた). したがって、 (1) ① はこうした物理的移動概念が抽象的事象に転移した実例であり、 (2) と同様の [ 円弧経路 ( OVER)+出発点 ( FROM)+到達点 ( TO) ] の認識が適用された 「 抽象的移動 (= 所有権の移動 ) J の概念で捉えられなければ論理に合わな~ ¥ ' 。. しかしなが. ら、ここで問題となるのが、こうした物理的移動概念が所有権の移動概念に結びつく認識 上の基盤は何か、ということである 。 この問題を解く鍵となる物理的事象を表示する実例 が次の(3)である O. (3)Hetookt h er e i no ft h eh o r s ei n t oh i sh a n d s . ( 彼はその馬の手綱を自身の手中に移動させた (=その馬の手綱を手に取った/握った ) ). (3)では馬の手綱を手中に収める事象が表示されているが、手綱を手に取る目的は偏に、 9 2.

(15) 英語動調 t a k eに見る多義性の拡張メカニズムと 言語教育 森山 ) -認知言語学的アプローチによるメタ ・プロセス理論を通して一 (. 「その馬の動きを支配して コントロールする 」ことに他ならなし 1。 つ ま り 、 下記 (4)で. t a k euP)J 「統率する」事象が表示されるのは、手に取った手綱を「上方に移動させる ( ことによって、移動している馬の歩を止め、その動きを「支配」していることに起因して いる ( 4) 。. (4) Thev i c e p r e s i d e n twasf o r c e dt ot a k eupt h er e i n so fo f f i c e . (副大統領は政権の手綱を引き上げるように(=政権を統率する ように )強し、られた). -OALD( s. v .r e i nn .3 ) (イタリック ・日本語訳筆者) それ故、次の(5)では 、上出 (3)のような物理的事象を根源領域とした概念転移が生じ 、. J 事象が表される一方、馬の動きをコントロー 必然的に抽象的な「手中(にして支配する ) ルする「支配権」の証とも言うべき手綱を他者に譲る事象を表示するのが以下(6)である。. (5) Het o o kt h er e i n so fo f f i c ei n t oh i sh a n d s . (彼は政権の手綱を自身の手中に移動させた(=政権を手中にした/握った)). (6) Het o o kt h er e i no ft h eh o r s eo v e rfromh i shandsi n t oo t h e rh a n d s . (彼はその馬の手綱を自身の手から他者の手(中)に移動させた(=馬の手綱を譲った)). したがって、下記 ( 7 a d )に収束するように、前出(1)① が表す「所有権の移動」に至る概 円弧経 念転移もやはり「馬の手綱の譲渡」事象を根源領域としており、(2)で見られた [. TO)Jの認識が並行していることが観察される 路 (OVER)+出発点 (FROM)+到達点 ( のである O. l M M d M. (7) a . Shet o o kt h er e i n so ft h eb u s i n e s s0ν e rfromh e rh u s b a n d 'shandsi n t oh e r [ 出発点表現と到達点表現の省略]. b . Shet o o kt h er e i n so ft h eb u s i n e s so v e ra f t e rh i shusbandd i e d .. ↓[takeover全体の他動詞化に伴う thereins川. eb u s i r 附の移動]. c . Shet o o ko v e rt h er e i n so ft h eb u s i n e s sa f t e rh i shusbandd i e d .. ↓[thereinsofの省略]. d . Shet o o ko v e rt h eb u s i n e s sa f t e rh i shusbandd i e d .. ( 4 ) i 車を止める /車を脇に寄せて止める 」各々の意に至る p u l lup,p u l loverの意味変化のプロセスも 「 手 2 0 0 8:3 9 5 2)参照。 綱」を用いた同様の通時的観点から捉えられる 。詳しくは森山 (. 9 3.

(16) 近畿大学英語研究会紀要. 第 2号. まさに、ここでの「円弧」概念表示語 o v e rは、以下(8)に見られる「手渡し」概念に並 行し、「馬を自在に操る手綱は支配権の証であって、それを他者の手中に移動させること はその支配権を譲渡することである」と捉えた当時の人々の文化が色濃く刻まれているこ とが見出される 。. (8 )I twast i m et ohandovert h er e i n so fpower (=t og i v ec o n t r o lt os be l s e ). -OALD( s . v.r e i nn .3 ) (イタリック・下線筆者) こうした当時の人々の風習が基になって 「 上(方) (UP) - (馬の)統率」概念、及び 「円弧 (OVER) - (手綱の)移動の経路」概念が生じることになる O なお、前出(2)及 び( 7 a )各々の themeの到達後の位置はいずれも h e r eの概念で捉えられず、依然として. t a k eの直示性が生きている. O. 以上のことを以下(9)-(10 )のメタ・プロセスとしてまと. めておく:. (9 )I t a k eの中核概念:themeを非直示的中心へ物理的に移動させる使役概念 upの中核概念:I 上(方 ) J への物理的移動概念. ①「支配権を握ることは馬の手綱を握ることである」という概念メタファー ②「或る抽象物をコントロールすることは(手に取った)馬の手綱を上 方に移動させてその馬の動きをコントロールすることである」という 概念メタファー ③ THELOCATIONEVENTSTRUCTURE メタファー │ 派生義:統率する │. ( 10 )I t a k eの中核概念:themeを非直示的中心へ物理的に移動させる使役概念. o v e rの中核概念:図地分化に基づく「円弧」概念 ①「支配権を握ることは馬の手綱を握ることである」としヴ概念メタファー ②「所有している統率権を譲渡することは手中の馬の手綱を手渡すこと である」という概念メタファー ( c f .t a k et h er e i n si n t oo n e 'sh a n d s ( 5 ) ) ③ THELOCATIONEVENTSTRUCTURE メタファー │ 派生義:引き継ぐ │. 9 4.

(17) 英語動詞 t a k eに見る多義性の拡張メカニズムと 言語教育 一認知言語学的アプローチによるメタ ・プロセス理論を通して一(森山). したがって、下記 ( 11)に見られるように、. ( 11 )t a k eのさまざまな使い方に共通する本質的な意味(コア)は、 〈何かを自分のと ころに取り込む〉 です。. 一田中 ・佐藤・河原 ( 2 0 0 7 :8 ) (下線筆者). t a k eのコアとして 「何かを自分のところに取り込む」 とするような設定をしてしまうのは、 上出 (3)-(8)で観察した意味変化のプロセス及び (2)で示した直示性を軽視した結果、. (1)に見られるような「ヲ│き継ぐ」という日本語訳を過度に偏重し、通時的な見解が欠如 したことに起因するのではなし 1かと考えられる O 冒頭の「はじめに」 でも述べたように、 単一語であれ連語表現であれ、その多義性のメカニズムを学習者に提示するためにはやは り、語の中核概念に光を当て、各構成語の意味が有機的に結びっく整合性とその背後に 「メタ・プロセス 」 とも 言 うべき人間の認識が潜んでいることを明らかにする必要がある。 このような理由から、本章の最後のトピックとなる下記(12 )①-④の連語表現各々の意 味のからくりを学習者に明示するには、 t a k eのこうした単一概念から種々の派生義が生 じる意味変化のプロセスに、「内部」空間の投射メカニズムを加算し、その背後に潜む人 間の認識に光を当てることが必要である 。. ( 12 )①. を取り入れる. ② を理解する. ③ をだます. ④. を見物する. ① Thea i r c o n d i t i o n e ri s n ' tt a k i n gi ne nougha i r .. ②I tt o o khimal o n gt i m et ot a k ei nwhats h ewass a y i n g . ③S hewast a k e ni nbyh i sg e n t l e m a n l ya p p e a r a n c e . ④ Howa boutt a k i n gi nt h eN i j oC a s t l e ? 一『英熟語タ ーゲット 1 0 0 0J(イタリック筆者). なぜなら、そうすることによって初めて、各構成語の意味が有機的に結合する概念的整合 性が導き出されると考えられるからである o ( 12 )①-④各々の具体的捉え方の 一例として、 16 )を挙げる O いずれの事象も i (直示的中心が存在しなしつ或る空 それぞれ以下(13)-( 間内部へ t hemeを移動させる使役」概念という容器のスキーマで、 捉えられる (6) 。. ( 5 ) 上述したように、ここでの i none' shandsは (たとえ i nmyhandsのような 表現であっても ) h e r eの 概念で捉えられないことから、依然として t a k eの直示性が生 きている 。 ( 6) このような捉え方は必然的に t a k ec a r e( 気 をつける ) の概念にも 当てはまる 。 Takec a r eの概念を明ら かにするためには、以下(1) に示され るような t o不定詞が後続する形に 注目 する必要がある 。 ( 1 ) P l e a s et a k ec a 陀 t oh a v eas a f ep r e g n a n c y . (安全 に妊娠するように 気 をつけて下さ Lウ つまり、 (1)が表す事象 は次の ( 1 ' )のそれと 等価であり、 ( 1 ' )P l e a s et a k ec a r eo fy o u r s e l ft oh a v eas a f ep r e g n a n c y .. 9 5. メ.

(18) 近 畿 大 学 英 語 研 究 会 紀 要 第 2号. ( 13 ) Thea i r c o n d i t i o n e ri s n ' tt a k i n ge nougha i ri n[ i t s e l f ] . ( 14 ) Shewast a k e ni n[ anon-normal/anu n t u r es t a t e ]byh i sg e n t l e m a n l ya p p e a r -. a n c e . ( 15 )I ttookhimalongtimet ot a k ewhats h ewass a y i n gi n[ h i sh e a d ] .(7} ( 16 ) Howaboutt a k i n gt h eN i j oC a s t l ei n[ y o u rs i g h t ] ?. おわりに 本論では、多くの学習者が語葉学習で最も苦しむ要因の一つである「語の多義性」に関 し 、. t a k eを ト ピ ッ ク と し て 、 適 宜 状 況 に 応 じ て 「 理 解 」 概 念 範 時 下 に あ る 語 葉 学 習 指 導. を 行 え る よ う な 多 義 性 の 拡 張 メ カ ニ ズ 、 ム を 明 示 し た 。 詰 ま る と こ ろ 、 下 記 (1)に示される ように、. (1) ……しかし、 認 知 言 語 学 の 影 響 は 非 常 に 価 値 の あ る も の で あ る こ と が 証 明 さ れ る かもしれなし、。 と い う の も 、 認 知 言 語 学 は 、 語 葉 、 文 法 の 両 面 で 多 く の 受 け 容 れ ら れてきた教育方法を理論的に支えるからである。. 19 9 8:3 2 0 ) (下線 ・一 部 省 略 筆 者 ) 一 池上他(訳) (. 系統進化とも言うべき意味変化プロセスの「ミッシング・リンク」を埋めるべく、ここに 認 知 言 語 学 的 観 点 と 通 時 的 観 点 と を 融 合 さ せ た 「 メ タ ・プ ロ セ ス 理 論 」 の 真 価 が 発 揮 さ れ 、 言 語 教 育 へ の メ タ ・プ ロ セ ス 理 論 の 導 入 が 図 ら れ る 有 用 性 の 所 以 の ー っ と し て 、 「 比 喰 の フィルターを通した意味変化のプロセスの解明」のさらなる実現が挙げられることになる。. さらに t o不定調の t oは「到達点」概念表示前置詞 t oと同源である ( c f .上野 ( 1 9 9 5) ) ことも加味すれ ば 、 [ t a k ec a r eo fX t od oJは [ Xが する事象に到達する ように注意を移動させる ]という概念で捉え られ、これまで観察した t a k eの直示性に合致すると見なし得る 。 他方、 t a k eのこうしたプロトタイプ効果は下記 ( 2 )にも当然のことながら生きている・ ( 2 ) I tt a k e s/・ b r i n g sa b o u th a l fanhourt og e tt ot h ea i r p o r t. なぜなら、加算方式の T1旧 18A RIVER メタファーを通した「時の経過」の概念化 ( c f.森山 ( 2 0 0 8:4 4 7 4 8 4 ) ) に基づき, ' t og e tt ot h ea i r p o rt'の指示事象を遂行するには、それが遂行される時点(=未来の 或る時点)に到達させるように‘a b o u th a l fanh o u r 'の経過を 「 発話者の抽象的存在位置 (=発話時点) から離れる形で移動させる ( TAKE) J 必要があるからである 。なお、本論3 . 2. 0 4 ) の t a k eには goの直 示性に基づいた「非正常状態内への移動」概念が反映されている ( c f .森山 ( 2 0 0 8:7 8 0 8 1 2) )。 ( 7 ) ここでは便宜上 「理解」と表記したが、t a k ei nが本当に真の意味での 「 理解」行為そのものを表示し得 るのか疑わし L、 。なぜなら、ここではあくまでも、 ithemeを頭の中に移動させる」事象が示されているだ けであって、通常 「 理解」行為に必要な 〈 視覚モデル)/(把握モデル)/(消化モデル〉のプロセスを通した 概念化が存在していないからである ( 各モデルについて詳しくは森山 ( 2 0 0 8:2 7 22 8 2) 、上野 ・森山 ・福森 ・ 李 ( 2 0 0 6:5 4 2 5 8 3 )参照)。このことは以下(1)の日本語表現に観察される概念とも並行する 。 ( 1 ) 君の話は頭には入ったけれども、正直、その要点は見えてこない/把握できない/消化できな L、 。. 9 6.

(19) 英語動詞 t a k eに見る多義性の拡張メカニズムと 言語教育 -認知言語学的アプローチによるメタ ・プロセス理論を通して一 ( 森山). 参照文献. Chomsky,N .( 1 9 6 5 ) .A s p e c t solTheT h e o r yo l S y n t 似 .S p e c i a lt e c h n i c a lr e p o r t,Massachu,. s e t t sI n s t i t u t eo fT e c h n o l o g y .R e s e a r c hLaboratoryo fE l e c t r o n i c s,N o .1 1 .M.I .T . P r e s s .Cambridge,M a s s a c h u s e t t s . Cook,W.A .( 19 6 9 ) .I n t r o d u c t i o nt oTagmemicA n a l y s i s .( T r a n s s a t l a n t i cs e r i e si nl i n g u i s t i c s )H o l t,R i n e h a r tandW i n s t o n .NewYork. Curme,G .O .( 1 9 6 3 ) .S y n t α x .M aruzen.Tokyo. ,. F a u c o n n i e r,G .( 1 9 8 5 ) .MentalS p a c e s .MITP r e s s .Cambridge. Gruber,J .S .( 1 9 7 6 ) .L e x i c a lS t r u c t u r e si nS y n t 似 andS e m a n t i c s .NorthH o l l a n d .Amsterdam. H a l l i d a y,M.A .K .( 1 9 7 7 ) .TheL i n g u i s t i cS c i e n c e sandLanguageT e a c h i n g . (Longmanl i n g u i s t i cl i b r a r y ) .Longmans.London. H j e l m s l e v,L .( 19 6 9 ) .Prolegomenat oat h e o r yo l l a n g u a g e .U n i v e r s i t yo fW i s c o n s i nP r e s s . Madison. Hornby,A .S .( e d . )( 1 9 9 5 ) .OxlordAdvancedL e a r n e r ' sD i c t i o n a r y(=OALD).O xfordU n i v e r s i t yP r e s s .London. J e s p e r s e n,O .( 1 9 8 4 ) .Anaかt i cS y n t 似 .U n i v e r s i t yo fC h i c a g oP r e s s .C h i c a g o . ,. K r u i s i n g a,E .( 1 9 3 1 ) .AHandbook01Present-DayE n g l i s hVo l .4 .P .NoordhoffG r o n i n g e n . L a k o f f,G .andM.Johnson( 1 9 8 0 ) .MetaphorsWeL i v eB y .U n i v e r s i t yo fC h i c a g oP r e s s . C h i c a g o . Lakof , fG .andM.Johnson( 1 9 9 9 ) .Philosophyi nt h eF l e s h-TheEmbodimentMindandi t s C h a l l e n g et oW e s t e r nT h o u g h t 一 .B a s i cB o o k s .NewYo rk .. Lamb,S .M.( 19 6 6 ) .O u t l i n e0 1S t r a t i f i c a t i o n a lGrammar. GeorgetownU n i v e r s i t yP r e s s . WashingtonD . C . L e e c h,G .N .( e d . )( 1 9 8 9 ) .AnA-Z01E n g l i s hGrammar& Usage .(=AEGU ) .ThomasN elson andS o n s .NewY o r k . Norvig,P .andG .L a k o f f( 1 9 8 7 ) . “T a k i n g :A Studyi nL e x i c a lNetworkT h e o r y . " P r o c e e d i n g s01t h eAnnu α1M e e t i n g01t h eB e r k e l りL i n g u i s t i c sS o c i e t y .1 3 :1 9 5 2 0 6 .. Poutsma,H .( 1 9 1 4 1 9 2 9 ) .A grammar01LateModernE n g l i sh .( 2V o l s . )P . Noordhoff . G r o n i n g e n . 池上嘉彦他(訳) ( 19 9 8 ) ~認知言語学入門』大修館。 市川繁治郎他(編) ( 19 9 5 ) ~新編英和活用大事典 J (=KDEC) 研究社。. 9 7.

(20) 近 畿 大 学 英 語 研 究 会 紀 要 第 2号. 上野義和(19 9 5 ) ~英語の仕組み一意味論的研究 -j 英潮社。 上野義和. ( 2 0 0 7 ) ~英語教育における論理と実践-認知言語学の導入とその有用性 -j. 英. 宝社。 上野義和 ・森山智浩 ・入学直哉 ・李潤玉. ( 2 0 0 2 ) ~認知意味論の諸相一身体性と空間の認. 識 - j 松柏社。. 上野義和 ・森山智浩 ・稲森雅史 ・李潤玉. ( 2 0 0 6 ) ~英語教師のための効果的語葉指導法­. 認知言語学的アプローチ - j 英宝社。 上野義和 ・森山智浩. ( 2 0 0 3 ) ~イメージ&カテゴリーの英単語』ウィン O. 上野義和 ・森山智浩. ( 2 0 0 7 )I イメージとカテゴリーによる語葉指導方法の構造改革(そ. の 6) -中学校 ・高等学校における和訳偏重主義への新提案:多義性のメカニズムと認 知言語学導入の研究意義一 J~研究論叢j LXVIII号. pp.1 2 6 . 京都外国語大学国際言 語平和研究所。 小西友七他(編) ( 2 0 01 ) ~ジーニアス和英辞典 j (=GJED) 大修館。 田中茂範(編) ( 19 8 7 ) ~基本動詞の意味論』三友社。 花本金吾(19 9 7 ) ~英熟語ターゲット 1000j 旺文社。 森山智浩. ( 2 0 0 8 ) ~英語における語葉概念の応用研究-空間関係づけ範囲書に関る単一語. 連語表現を中心に - j 博士論文。京都外国語大学。. 9 8. ・.

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参照

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