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第3章 選択学習,総合的な学習の時間 第1節 選択学習

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第3章 選択学習,総合的な学習の時間

第1節 選択学習

1.はじめに 学習指導要領では,選択履修について,学校や生徒 の実態を考慮し,必修教科や総合的な学習の時間など と関連を図りつつ,授業時数及び内容を適切に定め, 選択教科の指導計画を作成するものとされ,課題学 習・補充的な学習や発展的な学習など,生徒の特性に 応じた多様な学習活動が行えるよう適切に定めること となっている。 本校では,教科間選択学習である「2年選択」を第 2学年において実施している。第3学年では,さらに 発展的な選択履修を目指し,より専門的な内容を学習 する「3年選択(昨年度までの選択 S)」,3年間の 選択学習の集大成とでも言うべき,個別の課題を追究 する「卒業研究」を実施している。 さらに必修教科や総合学習への学習成果の還元を ねらって2年生、3年生ともに「集中選択学習」を実 施している。一日をすべて選択学習に当てることがで きるため,自由度の高い課題設定ができる上に,生徒 にとって集中して取り組むことができる利点が大き い。 2.個の伸長をはかる本校の選択学習の概要 (1)選択学習のねらい ○高まりたい,より深く学びたい意欲を充足でき る課題への取り組み。 ○自分の可能性を発見できる場。さまざまな学習 スタイルとの出会い。 (2)全体像 今年度の選択学習の全体像を表1に示す。 (3)2年選択 ①2年選択の特色 「2年選択」は,各教科に関連した内容をそれぞれの ねらいにそって,発展的に学習を行う教科間選択学習 である。国語・社会・数学・理科・英語,音楽・美術・ 保健体育・技術・家庭の中から,1教科(分野)を自 分の興味・関心にしたがって選択する。それぞれの教 科での選択学習のねらいを大切にするため,共通のワ ークブックは作成せず,それぞれの教科でワークブッ クが準備される。 ②全体指導によるガイダンス 生徒は全体指導ガイダンスにおいて今年度行われ る選択教科の学習内容や学習方法の説明を受け,教科 決定の参考にする。担当の教諭は,1教科(分野)あ たり5分から10分で学習内容や学習方法,その教科 を希望する生徒に対して教諭が期待することなどを話 し,教科の選択を援助する。生徒は「希望調査用紙」 に希望する教科や希望する理由,また学習を深めたい と考えていることを文章化し,自分の研究テーマ・課 題を明確にする。 平成18年度「2年選択」の内容 写真1:2年選択(理科)の様子 ③学習の展開 それぞれの教料では,教料の独自性を生かし,学習 計画や記録,形成的自己評価等を一冊にまとめたワー クブックを作成し,実際の学習活動時に活用させてい る。生徒達は毎時間,このワークブックに従って学習 を進める。また,毎時間,自己評価や学習の進み具合 を記入し提出させ,それに対して教師のコメントで, 次時への準備,計画,変更などがやりとりされる。こ ういった中でワークブックは,生徒と教師との連絡や つながりを密にする役割を果たすことになる。また, 教科ごとに学習成果のまとめとして,学習成果の発表 会や交流会を実施している。 (4)3年選択 ①3年選択の特色 3年選択では,2 年選択と同じく,各教科に関連し た内容をそれぞれのねらいにそって,発展的に学習を 行う教科間選択学習を実施する。しかし,3 年選択は 必修教科で扱えなくなった内容・方法や,より専門的 な内容・方法を扱い,課題解決にこだわりすぎず,教 師の専門性を発揮しながら教科の学習を深めていく学 2年選 択 国語 文章の達人になろう 社会 韓国ガイドブックを作ろう! 数学 課題レポート 理科 テーマ別研究活動 美術 写真表現 体育 長距離走&ソフトテニス 技術 ハードウッド(広葉樹)をいかし た作品をつくろう 家庭 ルームプランを考えよう!

(2)

-93- 習であるという点が2年生とは違う点である。また, より専門的な学習を体験した生徒は,後の卒業研究で もより広がりや深まりのある課題を設定するのではな いかと期待している。ガイダンスから反省までの流れ は2年選択と同様である。昨年度からは,より専門的 な内容を深めるために,後半部分に集中選択と同じよ うに1日(6時間)をすべて活動にあてる日(まとめ どり)を設けている。 平成18年度「3年選択」の内容 (5)卒業研究 ①卒業研究の特色 本校の「選択学習」の頂点に位置付けられるのが「卒 業研究」である。卒業研究では,「2年選択」「3年 選択」「集中選択」とは異なり,教科の内容や教師が 準備した題材にとらわれることなく,広い範囲からの 課題を設定することができる。その反面,自分で課題 を見つけ計画的に粘り強く学習を進める態度が必要と される。 このような特性を生かして,「卒業研究」では先人 のまねではない,独創性に富んだ自分だけの学習(研 究)を実現させることを目標とし,自分の興味・関心 の方向をとらえて学習を積極的に進めようとする意 欲,学習の構想を自らねり上げたりねばり強く学習を 進めたりできる力,学習の過程の成果を客観的にみつ めて次の学習に生かしていける力の伸長をねらいとし ている。 ②卒業研究の計画 卒業研究は 10 教科(国語・社会・数学・理科・英 語・音楽・美術・保健体育・技術分野・家庭分野), 10 名の教員が担当する。これは教科の枠に題材を当て はめるではなく,生徒が取り組む多様な課題に対応で きるように,すべての教科の教諭によって学習を展開 する必要があるためである。各教科の専門性を生かし て助言ができる体制をとった結果である。 生徒は,自己の課題に主に関連する教科の教員を「卒 業研究」の主担当教員とする。また,主となる教科の 次に関連の深い教科の教員を副担当教員とし,主担当 の教員とは違った見地から指導を受けることができ る。また,他の教科の卒業研究教員の指導も受けなが ら課題に取り組むことになる。教師側として生徒の研 究により効果的な支援ができる体制を整えている。 ③「卒業研究」の課題決定 卒業研究の課題決定のために,教師からのガイダン 理科 生命科学にチャレンジ 英語 ハリーポッターの翻訳に挑戦! 音楽 感動再現!The Sound of Music 美術 樹脂工芸 技術 アドバンスドプログラミング ~JAVAスクリプトを使って~ 家庭 木綿で作ろう夏の服 第1期 (4月、5月) 第2期 (6月、7月) 第3期 (8月~10月) 第4期 (11月、12月) 第5期 (1月~3月)

1年

2年

集中Ⅰ 10 ( 社英美音技家) ガイ ダンス 1 事前 2 当日 6 事後 1 2 年選択 40 ( 国社数理英 体美技家) ガイダン ス 1 授業 39

3年

集中Ⅱ 10 ( 国社数理美 体技家) ガイダン ス 1 事前 2 当日 6 事後 1 卒業研究 24 ガイ ダン ス 1 個人面接 2 卒研 18 発表会 2 反省 1 3年選択 56 (エネルギー環境教育、 小論文など・・・) 3 年選択 2 5 ( 理英音美技家) ガイ ダン ス 1 通常授業 17 まと めど り 6 反省 1 表1:今年度の選択学習の全体像

(3)

-94- スを行わず,各自がテーマを決定するためにじっくり 考える時間を設けている。具体的にはガイダンスと面 接までの間に研究テーマを練る時間をとり,10 人の担 当教諭が傍に待機し,常にアドバイスを得られる場面 を設定した。また,ガイダンスから面接までに約2 週 間あけて,授業時間外でも担当教師にアドバイスを受 け,課題を練る時間をとる。 1)卒業研究ガイダンス 本年度の卒業研究ガイダンスは,各教科のテーマ例 の提示をやめ,テーマ決定の方法を指導する。 2)研究テーマの設定 テーマの決定は卒業研究の大きなポイントであると 考え,生徒自身が自分の興味・関心を確かめ,課題を練 りこむ支援をすることを中心に資料を作成している。 3)個人面接 各自のテーマが決定した後,卒業研究担当教師が内 容を吟味しテーマにふさわしい教官を主担当教師とし て割り当てる。個人面接は主担当教師と行い,テーマ の確認や研究計画や方法について時間をとって指導を する。研究計画などが不十分な生徒については,課題 研究の時間が始まってからも再面接を行う。 4)課題研究 課題研究の時間の計画は生徒にゆだね,教師はでき るだけ細やかな支援を行う。生徒にはワークブック「3 年生卒業研究 研究ノート」をもたせ,研究活動の記 録を詳細に残すように指導する。 5)研究成果の発表 卒業研究は生徒個人の研究である。個人の研究成果 を共有するため,全体の発表会を行う。全体発表会の 前に教科ごとの発表会をおこなっている教科もある。 全体の発表会では,全作品を展示し,すべての作品を 見て相互評価する時間を設ける。また,教科分類ごと に5分間程度の発表を行い,研究成果を共有し興味を 広げるようにする。 6)作品・論文の提出 成果の発表方法は,論文形式または作品制作形式と なっている。生徒は論文・作品のいずれかの形式で成 果を提出する。論文形式は,400 字詰め原稿用紙 5~ 10 枚程度に,主に研究過程・研究内容・研究成果を述 べる。作品制作は,「作品」を提出し,「作品紹介」 を添える(A4 版1枚程度)。 7)生徒の自己評価と学習活動の反省 毎時間,ワークブックに「自己評価」をさせ,最後 の授業には,「卒業研究アンケート」を行い,総括的 な反省と自己評価をさせる。 (6)集中選択 ①集中選択の特色 集中選択学習は,1日(6 時間)をすべて活動にあ て,集中して課題を追求できる選択学習である。活動 時間を1日確保することによって,より活発で充実し た実習や普段の授業ではできない学習が展開されるこ とをねらっている。 写真2:集中選択(社会)の様子 ②「集中選択」の計画と学習活動の反省 「集中選択」では,集中選択当日の活動を充実した ものにするため,事前学習の時間や事後学習の時間を 設定している。事前学習は2時間を設け,当日の活動 の準備や予備知識の習得のために活用している。事後 学習は1時間を設け,総括的な反省と自己評価を行う。 「集中選択」では,一日活動できる利点をいかして, 校外での学習を行うことも多いため,生徒の希望を調 整するときに,校外で活動可能な人数に調整すること を前提としている。 平成18年度の「集中選択」の学習内容 2年集 中 社会 安土城考古博物館探訪 英語 滋賀大学教育学部で国際交流会 美術 美術館探訪 音楽 太鼓の達人 技術 コンテナガーデニング 家庭 韓国料理に挑戦! 3年集中 国語 芭蕉の句碑を巡る 社会 裁判所探訪 数学 エッシャー立方体を作ろう 理科 自作プランクトンネットで見る 琵琶湖のプランクトン 美術 アトリエ探訪 体育 肌で琵琶湖を感じよう!ボート体 験教室 技術 コンテナガーデニング 家庭 和菓子作りに挑戦!

参照

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