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〈研究ノート〉イギリス計算書類の特徴

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〈研究ノート〉

イギリス計算書類の特徴

大 矢 知 浩 司

工 計算書類の体系  すでに述べてきたように,われわれがイギリス企業を理解して体系的に比較・分析しよ うとする場合には,そのデータをイギリス企業の公表する年次事業報告書に求めざるを得 ない。なかでも,年次事業報告書に掲載されている計算書類は,最も重要な情報源の一つ である。イギリス企業の用いている計算書類(アカウンツ)とは,1948年会社法第151条 および第157条,1976年会社法第1条第5項および第8条第1項によれば,つぎの4種類 の書類から構成されている。  1.損益計算書または綜合損益計算書(支配会社の場合)  2.貸借対照表および綜合貸借対照表(麦配会社の場合)  3。会計監査役の報告書  4.取締役の報告書  5.注記.添付明細書または報告書  この体系は,わが国商法第281条にいう「左の書類」 (貸借対照表,損益計算書,営業 報告書,利益金処分案)プラス付属明細書および監査報告書に対応しよう。そこで,これ を広義の計算書類と考えたい。  狭義の計算書類  これに対して,会社法は取締役の報告書および会計監査役の報告書 とは区別した意味にアカウンッを用いている規定が多い。たとえば,1948年会社法第163 条である。このような取締役の報告書および会計監査役の報告書を含まない,会計学にい う財務諸表を意味するアカウンツを狭義の計算書類と考えておきたい。本章で単に計算書 類というとぎは,狭義の計算書類をいうことに留意されたい。  また,いま一つの訳語グループ・アカウンツであるが,これは「企業集団計算書類」 とでも訳すほうがよいとも考えられる。しかしながら,すでに「綜合計算書類」という訳

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 78 語が定着しているので,本章でもそのまま用いることにした。別の章にて明らかにされて いるが,綜合計算書類は連結計算書類とは異なった表示様式,たとえば,従属会社毎の個 BJ計算書類を作成するとか,事業種類別の連結計算書類も認めている。それゆえに,主と して連結財務諸表が考えられるが,それよりも広い概念であるといえよう。  計算書類の構成要素  いまフォーチュソ500社にランクされているイギリス企業86社 のうち40社の1979年度年次事業報告書計算書類の構成要素について調査したところを第1 表に示そう。  〔第1表〕 計算書類の構成要素

計算書類の種類

連結(又は綜合)損益計算書 連結(又は綜合)及び個別貸借対照表 資金計算書 会計方針明細書 計算書類に関する注記 付属明細書=  従属会社/関連会社投資明細書等  有形固定資産明細書  セグメント明細書  その他の明細書 現在原価計算書 付加価値計算書 歴史的財務要約表

障雛会撒監麟象会撒1

12

3 4

567

0005044424

6232779

つ﹂ 

1 

213

00050

444^24

3201300

1      1 (1)損益計算書の名称は,次の通りである。  i 連結損益計算書  ii綜合損益計算書  iii連結損益及び留保利益計算書他

325

9臼− 40コ 口た,前期修正項目等による準備金の変動の表示方法は,次の通りである。 i 損益計算書につづく準備金(変動)計算書にて表示 ii貸借対照表の準備金に関する注記にて表示 iii損益計算書にて表示 (2)連結(又は綜合)及び個別貸借対照表の表示方法は,次の通りである。    それぞれ前年値を示した連結と個別貸借対照表の二本立 27 11 2 40社 20

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      〈研究ノート〉イギリス計算書類の特徴  79  iiそれぞれ前年値を示した連結欄と親会社欄の計4欄からなる貸借対照表   20        40社  また,貸借対照表はすべて報告式であるが,資産項目から記載する会社は23社であり,  他の17社は株式資本金から記載をはじめている。固定性配列法を採用する会社27社,流  動性配列法13社。 (3)会計方針の表示方法は,次の通りである。  i 計算書類に関する注記とは別に明細書として表示      25  ii計算書類に関する注記の先頭項目に一括表示       14  iii計算書類に関する注記の該当項目に分散して表示       1        40社 (4)従属会社及び関連会社に対する投資の明細は,取締役の報告書の法定記載事項である  が.独立の明細書として表示している会社が多い。カッコ内は,明細書が監査対象とな  っている会社数である。  i従属会社,関連会社,その他の取引投資を一斗した明細書      23(7)  ii従属会社,関連会社(その他の取引投資を含む)の2明細書      10(4)  iii従属会社,関連会社,その他の取引投資の3明細書         3(2)  iv 取締役の報告書に簡単に表示       4(0)        40(13)社 (5)売上高,利益.使用された資産等の事業別・地域制分析明細書であり,うち1社はパ  ーセント表示の図表を示している。事業別・地域別分析明細書のない会社27社のうち,  25社は取締役の報告書(23社)又は取締役会会長説明書(2社)にて簡単に説明してい  る。全く表示のない会社はバス社およびエッソ石油の2社である。 (6)ブリティッシュ・スチール社は政府借入金明細書及び外債明細書の2明細書(監査対  象)を,また,ハンソン・トラスト社は通貨別資産負債明細書及びドル換算財務諸表項  目明細書を掲載している。 (7>現在原価計算書を掲載している会社27社の内訳は,ハイド・ガイドラインズによる会  社24社,ED18による会社2社,現在購買力による会社1社(シェル石油)である。現  在原価計算書が監査対象となっている会社のうち6社は,現在原価計算書のみに言及し  た監査報告書を掲載している。なお,27社のうち,CC営業利益26社,追加売上原価27  社,追加減価償却費25社(2社はすでにP/しに計上済),ギァーリング調整額18社,一  株当り基礎的利益11社,使用総資産6社が示されている。  第1表にて理解できるように,イギリスにおいては会社法のいう計算書類,すなわち, 貸借対照表および損益計算書(綜合計算書類を含む),同注記もしくは明細書のほかに, 会計職業団体の要件すなわち会計実務基準書証10号の要求する資金計算書,同意2号の要

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 80 求する会計方針明細書,同職16号の要求する現在原価計算書,さらには1964年の証券取引 所理事長の要請にもとつく歴史的財務要約表,会計基準制定委員会討議文書『会社報告 書』および商務省諮問文書『会社報告書の将来』の提案する付加価値計算書を掲載する年 次事業報告書が多くみられる。その他の雇用報告書.政府との貨幣取引明細書について は,大規模小売業マークス・アンド・スペンサー社にみられたが,上記調査対象会社40社 にはみられなかった。  計算書類の特徴  イギリス企業のデータを入手するためには,計算書類上のデータば かりではなく,年次事業報告書のすべての構成要素からデータを収集しなければならない のであるが,本章ではデータ・ベースを作成する観点から主として損益計算書および貸借 対照表上のデータの特徴をみておこう。結論的にいえば,イギリス企業の損益計算書およ び貸借対照表のデータは分配関係および投資関係の開示に重点をおいている。とくに損益 計算書は分配関係項目以外には,ほとんど重要な項目を開示していない。売上原価,販売 費・一般管理費の内訳項目は全くといっていいほどみられないのである。また,貸借対照 表および損益計算書はともに簡略型であって.その詳細を注記もしくは明細書にゆずって いるが,けっして統一的なデータではない。表示に大きいバラツキがある。さらに,重要 性原則の適用範囲も大きい。このような統一的なデータの欠如はEC第4号指令(1981年 会社法案)および第7号指令(案)の導入により大きく改善されるものと思われる。本章 では,データ・テープ作成の観点からイギリス企業の計算書類を検討して,データ・テー プ作成上の問題点を指摘するとともに資料篇にデータ・テープの雛型を示すものである。 豆 損益計算書上のデータ  分配関係の開示  イギリス企業の公表する損益計算書は営業利益,当期留保利益,準 備金の変動を明らかにする包括的な簡略型の損益計算書であって,40社の1979年度年次事 業報告書の調査によれば第3表の示すごとく,項目名および金額がともに示されている項 目数(見出し項目を含めて)は平均16項目にすぎない。損益計算書および同注記は分配関 係の開示に重点をおき,他は投資収益,関連会社利益の会社持分,異常項目の開示にすぎ ない。会社法および同付則等が開示を要求する分配項目には,つぎのものがある。  1.取締役の手当・年金・退職補償金の各総額(48会196),取締役会長の報酬,取締役   の最高報酬額および報酬額5, OOOポンドきざみ巾毎の取締役数(67会6,7)  2.監査報酬および費用(67付13)

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      〈研究ノート〉イギリス計算書類の特徴  81  3.国内使用人報酬総額および週平均使用人数(67会18,ただし,この要件は計算書類   でなく,取締役の報告書の記載事項である),1年につき2万ポンドをこえる使用人   (取締役を除く)の明細(67会8)  4.国内法人税.外国税,二重課税救済額(67付12工(c)),法人税費用計上基準(67付   !4皿)  5.銀行借入金,当座借越,当座借越および銀行借入金以外の償還期限5年以内の借入   金(分割払と分割払以外に区分),その他の種類の借入金の各利子額の区分表示(67   付12工(b))  6.配当支払額および配当提案額(67付12工(h))  7.従属会社少数株主に帰属する利益(SSAP!)  8.慈善的寄付および政治的寄付(67会19.ただし,この要件は計算書類ではなく,取   締役の報告書の記載事項である)  9.減価償却費計上額(67付121(a)),減価償却等の計上方法(67付121V,141D  10.留保利益  以上の項目からみても明らかなように,イギリス企業の損益計算書に対するニーズは, まさに分配関係にあり,ここに付加価値計算書導入の素地があるといえる。「売上高一外        1) 部購入原材料・用役使用高」と付加価値を定義し,かつ, (売上高一営業利益)+使用人 報酬+減価償却費と外部購入原材料・用役使用高を逆算すれば,損益計算書および同注記 に示されているデータを再編して付加価値計算書を容易に作成でぎるであろう。もちろ ん,会社法の要求する使用人報酬総額は国内使用人分(100人以上であること)に限られ るので,在外従属会社を有する企業の場合には,使用人報酬総額が入手できない。この点 を除けば,イギリス企業の損益計算書と付加価値計算書にそれほど大きい差異は認められ ないのである。  収益項目  以上のような付加価値の分配項目以外に損益計算書に表示される項目は, 売上高,投資収益,関連会社利益の会社持分,異常項目等の収益項目にすぎない。売上原 価,販売費・一般管理費の内訳項目は全くといっていいほど明らかにされていない。売上 高には,通常セールズないしはターンオーバー(40社調査では7社が使用)という用語を 用いて,当該年度に属する取引上の収益を計上しているが,企業によっては賃貸収益,手 1) Department of Trade, The Future of ComPany RePorts, A Consultative Document,  London, HMSO, Cmnd. 6888, 1977, p. 7.

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 82 数料収益,ロイヤルティ収益を含めているところがある。付加価値税等の売上諸税は通常 売上高から控除されているが,なかには含めているところもある。データ収集には売上高 に関する注記を参照して標準化が必要となろう。純賃貸収益は重要な場合には,その金額 が注記されている。売上高の開示は,1967年会社法付則第2によりはじめて求められては いるが,注記でもよいことになっている。また,支配会社または従属会社でない企業で. 売上高が100万ポンド以下の小規模企業は売上高を表示しなくともよい。  営業費用  イギリス企業の損益計算書は,会社法および付則第2の定める項目,減価 償却費,設備・機械賃借料,寄付金,取締役報酬,監査報酬以外には,ほとんど売上原 価.販売費・一般管理費の内訳項目を注記にも表示していない。  減価償却費については,通常損益計算書に注記される。しかしながら.1967年会社法付 則は,必ずしも減価償却を強制しているわけではない(第14条第2項)。また,標準的な 実務は,会計実務基準千里12号「減価償却に関する会計」に示されているが,減価償却会 計および表示にはバラツキが多い。たとえば,減価償却費は取得価額にもとづき実施され るが固定資産再評価が自由に行なわれるので,再評価額にもとつく減価償却費の場合もあ り,統一的ではない。また,自由保有建物もしくは長期賃借不動産(土地および建物)に ついては,減価償却しない伝統がいまも一部に残っている。自然災害(地震,台風大雨 等)のない地理的環境から建物を減価償却しない実務はそれなりに説得力をもつが,投資 計算といった財務的思考の欠如を示すものでもあろう。企業会計上の減価償却費と税法上 の減価償却費との大きい差異もバラツキの1つの原因でもある。つぎに,会計実務基準書 第12号に準拠していない企業に関するイングランド・ウェールズ勅許会計士協会の『1979 年度公表計算書類の調査』を示しておこう。 〔第2表〕 会計実務基準書第12号の遵守状況 会 社 数 1978−79 会計実務基準書第!2号を遵守している会社 会計実務基準書第12号を遵守していない会社  自由保有建物もしくは長期賃借不動産または両者の全部または    一部を減価償却していないため  再評価準備金について標準的な会計処理をしていないため 10 2 139 12 会計実務基準書第12号の適用される会社数 151 自由保有建物または長期賃借不動産を減価償却しない理由としては,(1)それらの固定

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       〈研究ノート〉イギリス計算書類の特徴  83 資産の市場価額が帳簿価額をこえている,②減価償却費の引当は重要ではない,㈲し ばしば再評価を行なっているという理由があげられている。 ICAEW, Survey of Published Aceounts 1979, London, ICAEW, 1980, pp. !!1−112 から許可をえて転載した。  また,技術収益とともに企業の技術水準を判断する重要なデータの1つである研究およ び開発費用については,研究費については支出年度の費用処理,開発費については支出 年度の費用処理または繰延処理を選択的に認めているが,麦出額を開示する企業は少な い。会社の採用した会計処理方法のみを会計方針明細書に示している企業がほとんどで ある。  他の営業費用項目,とくに販売費・一般管理費の内訳項目は全くみられないのである。  営業利益  調査対象会社40社のうち,83%の企業は,売上高につづく先頭項目として 営業利益,利子控除前利益または税引前利益のいずれかを表示している。営業利益は,投 資収益,賃貸収益等から区別される事業活動から稼得される利益であり,トレーディン グ・プpフィット,オパレーティング・プロフィット等非常にバラエティにとんだ名称で 示されている。またJ営業利益と表示のある場合にも,投資収益.関連会社利益の会社持 分をも含めている企業もある。注記を参照して営業利益から投資収益,関連会社利益の会 社持分を分離して,データの標準化をはかる必要がある。皮肉な意味でも,計算書類本体 と注記はまさに一体である。  税金  損益計算書上の租税費用計上額は,会社計算上の利益に税法上の絶対的否認項 目を加えた合計額に法人税率を乗じ,グループ・レリーフ(企業集団間の事業損失相殺), 二重課税救済等を修正した金額であって,支出額ではない。従来,大多数の企業は会計実 務基準書幅11号「繰延税金に関する会計」にしたがって,すべての重要な期間帰属差異に ついて税効果を計算していた。しかし,現在では,会計実務基準懸章!1号を改正した第15 号「繰延税金に関する会計」にしたがって部分引当のみを行なっている企業が多い。この 点については後に述べる。  平均的な損益計算書  さきに述べてきたように,イギリス企業の公表する損益計算書 は包括主義をとる簡略型であって,会社法等の要求する詳細はすべて注記ないしは明細書 にゆずっている。しかも,損益計算書の様式については何の規定もない。そこで,イギリ ス企業はそれぞれ独自性を発揮しているが,第3表に示すところがら,つぎのような平均 的な損益計算書の様式が得られるであろう。

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84 売  上  高 営 業 利 益  投 資 収 益  利     子  関連会社利益の会社持分

税引前利益

 税     金 遣 引 利 益  少数株主に帰属する利益 異常項目控除前利益  異 常 項 目 親会社株主に帰属する利益i

 普通株配当金

留 保 利 益  一株当り基礎的利益

綜合損益計算書

         注記

1980

百万ポンド  2, 342 295 36 (18) 13

1979

百万ポンド  2, 054 231 30 (1) 18 準備金当期期首有高 留 保 利 益 準備金繰入または取崩額 準備金当期期末残高 326 (168) 158  (3) 278 (144) 134  (3) 155 (10) 131  0 145 (24) !31 (19) 12! 112 28. 2p 24.Ip

準備金計算書

587 121  2 476 112 (1) 710 587  以上のように,イギリス企業の損益計算書は営業利益,当期留保利益,準備金の変動を 明らかにする包括主義の簡略型であって,売上高につづく先頭項目は営業利益,利子控除 前利益または税引前利益のいずれかである。しかも,たとえ営業利益と表示がある場合に も,投資収益,関連会社利益の会社持分を含めている会社もみられる。また,一般に純額 主義を採用し,支払利息と受取利息,税金と補助金が相殺して示されることが多い。準備 金の変動は損益計算書の下部に表示されるが,約30%の企業は貸借対照表上の準備金に関 する注記として表示している。そこで,データ・テープを作成するには,損益計算書上の 項目だけではなく,関連する注記を詳細に分析してデータを分解し,データの同一性を確 保しておく必要がある。この点について,EC第4号指令(1981年会社法案)は売上原

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      〈研究ノート〉イギリス計算書類の特徴  85 価,売上総利益,販売費,管理費,営業利益を表示する損益計算書雛型を指定し,また, 総額主義を採用しているので,1982年にはじまる計算書類においては,統一的な内訳デー タが入手されるものと思われる。最後に,損益計算書の表示について40社を調査したとこ ろを第3表に示しておこう。 〔第3表〕 名称及び金額表示のあるP/L項目 項 目 名 立

会 社 数

 売上 高

 売上原価,一一L般管理販売費項目 減価償却費控除前営業利益

営業利益

 投資収益

 関連会社利益に対する会社持分  その他収益項目  その他費用項目

 例外項目

利子控除前利益  利   子 税引前利益  税   金  補 助 金

税引利益

 少数株主に帰属する利益  優先株配当金 異常項目控除前利益

 異常項目

親会社株主に帰属する利益  普通株配当金

留保利益

 一株当り基礎的利益  一株当り完全稀薄化後利益  一株当り配当金

12345678901 2

         11  

1

3456︻’

ユー 1

11

38 P0

Q271322一一97323940233351323243829403444

最多項目数一最少項目数(単純平均項目数) 23−11 (16) (1)売上高表示のない2社のうち1社は売上高を注記で示している。他の!社は従属会社  利益に対する会社持分をP/しの先頭項目としている。また,売上高を表示している38  社のうち.5社は売上高を区分表示している。

(10)

86  i 国内売上高と海外売上高との区分表示      1  ii関係会社の売上高を表示      3  iii総収益と売上税・付加価値税を表示       1        5社 ② 売上原価,一般管理販売費項目を示す会社の内訳は,次の通りである。  i 売上原価・一般管理販売費総額       1  ii売上原価一般管理販売費,減価償却費の各総額      .1  iii売上原価,営業費用の各総額      1  iv 原材料・サービス費,付加価値,人件費の各総額       1  v 管理費・その他費用総額      1  vi減価償却費のみ      4  vii本部管理費のみ      1       !0社 (3)うち1社は投資収益及び受取利息を加算した金額である。 (4)営業利益に相当する原文は,次の通りである。27社のうち,8社は投資収益を加算し  た営業利益であり,1社は関連会社利益に対する会社持分を加算した営業利益である。 i (group) trading profit ii trading profit after depreciation iii operating profit iv operating income (loss) v balance on trading vi surplus on trading vii trading surplus before interest 投資収益 関連会社 合

  2

  1

  1

  2

  1

  1

1 十 きP

8222111

1 また,売上高につづく先頭項目は,次の通りである。 i 売上原価,一般管理販売費総額((2)のiからvまで) ii減価償却費控除前営業利益 iii営業利益(27社のうち) iv 利子控除前利益(投資収益関連会社利益をともに含む) v 税引前利益(利子控除後) 8 1 27社

︻Dワ臼QJ700

  2

40社 (5)投資収益の表示方法は,次の通りである。  1 独立項目として表示  ii営業利益に含めて表示

38

1

(11)

〈研究ノート〉イギリス計算書類の特徴  87  iii利子控除前利益に含めて表示      7  iv支払利子から控除して表示       4  v 税引前利益に含めて表示       4  vi減価償却費控除前営業利益に含めて表示       1  v11投資収益のない会社       3       40社 (6>関連会社利益に対する会社持分の表示方法は,次の通りである。  i 独立項目として表示      22  ii利子控除前利益に含めて表示      7  iii税引前利益に含めて表示      4  iv 営業利益に含めて表示       1  v 投資収益に含めて表示      1  vi純収益に含めて表示       1  vii不明      2 viii関連会社のない会社      2       40社 (7)独立項目として記載されたその他収益項目には,その他の収益,特許使用料収益があ  る。 (8)独立項目として記載されたその他費用項目には,暖簾i償却費,従業員利益参加ボーナ  Xがある。 (9>例外項目の表示方法は,次の通りである。

 i例外項目として一括表示      4

 ii内訳項目として表示(固定資産売却益,為替差損益,特別年金基金拠出額)   5        9社 ⑩ 利子控除前利益に相当する原文は,次の通りである。

 i trading profit 3

 ii trading profit before interest 2

 iii profit before interest & taxatien !

 iv trading profit before interest on convertible bond 1

       7社 (1!)利子は総額又は受取利息を控除した純額で表示される。

 i利子として一括表示       28

 ii利子から投資収益を控除した金額にて表示       4  iii無担保社債利子,社債利子又は転換社債利子のみ表示して,   他の短期借入金利子は利子控除前利益から直接控除       3  iv税引前利益に含めて表示      3

(12)

 88  v 内訳項目として表示       2       40社 囮 内訳項目として表示している会社2社,補助金を控除している会社1社がある。 ⑬ 35社のうち1社は異常項目と合算して,他の1社は優先株配当金と合算して表示して  いる。 (1di優先株配当金の表示方法は,次の通りである。  i 異常項目の前に少数株主に帰属する利益に合算して表示      1  ii異常項目の前に独立項目として表示       5  iii異常項目の後に独立項目として表示      8  iv 異常項目の後に普通株配当金と一括して表示       8  v 準備金(変動)計算書における独立項目として表示       1  vi優先株のない会社       17       40社 ⑮ 異常項目の表示方法は,次の通りである。  i 異常項目として一括表示      24  ii内訳項目として表示(従属会社株式売却益,工場閉鎖損失,   為替差損益固定資産売却益,その他)      5  iii少数株主に帰属する利益に合算して表示      1  iv 異常項目の褒示のない会社       10       40社 ⑯ 普通株配当金の表示方法は,次の通りである。  i 中間配当金と最終配当金に区別して表示       6  ii普通株配当金として一括表示(うち,異常項目の前に表示   している会社1社)       23  iii優先株も含めて配当金として一括表示       8  iv 無配会社       3       40社 ㈱ 一株当り基礎的利益をP/L上異常項目の前に表示している会社が1社ある。また,  一株当り完全稀薄化後利益を記載している会社は一株当り基礎的利益と併記している。 皿 貸借対照表上のデータ  イギリス企業の貸借対照表は,損益計算書と同様に簡略型であって,40社調査(第6表) では項目名および金額がともに示されている項目数は平均20項目にすぎず,その内訳詳細 は注記にゆずっている。なかには,内訳項目を全く記載せずに流動資産合計額および流動 負債合計額のみを貸借対照表に表示している企業が7社もみられるところである。流動資

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      〈研究ノート〉イギリス計算書類の特徴  89 産の細目についてみれば,棚卸資産では完成品とその他の棚卸資産の2項目が統一的に入 手できるにすぎず,また,売掛金と前払費用とを併わせ表示して区別のできない企業も多 い。固定資産についてみれば,投資を除く固定資産は「固定資産」として貸借対照表上一 括表示される。その内訳は注記されるが,これを形態別に表示する企業もあれば,機能別 に表示する企業もあるので,結局データ・テープを作成するには,土地・建物とその他の 固定資産という2分類ができるにすぎない。また,準備金についてみれば,準備金として 一括表示するか(60%),あるいは株式発行差金とその他とに区分表示(15%)しており, 資本準備金と利益準備金との区分表示は一般的ではない。しかしながら,このような内訳 項目の欠如と統一性の問題については,EC第4号指令を導入するための198!年会社法等 にて大幅に改善されるものと思われる。  全体的にみて,投資に関するデータは詳細である。50%をこえる株式を保有する従属会 社に対する投資および債権・債務は, 「従属会社に対する権利」 (親会社の個別貸借対照 表上)として表示される。20%以上50%以下の株式を保有する会社に対する投資は「関連 会社に対する投資」,20%未満は「取引投資」と称されることが多い。しかしながら,貸 借対照表上の投資勘定には貸付金,前払金Jその他の長期債権が含められており,注記を 参照してデータの分析が必要となるであろう。投資勘定については三章で述べる。  固定資産の評価  有形固定資産のすべての項目について,その評価基準が明示され る。通常,取得価額差引減価償却累計額で示されるが,1967年会社法付則第2は再評価を 認めている。そして,評価について,それぞれ評価を実施した年度および各評価額を記載 し,当該年度の評価については,資産を評価した者の氏名,その者の資格,用いた評価の 基準を明示しなければならないとある(第11条第6A項)。第4表に示すイングランド・ ウェールズ勅許会計士協会の『1979年度公表計算書類の調査』によれば,大多数の企業は 土地および建物からなるプロパティーズ(不動産)を再評価していることがわかる。税法 では,取得価額をこえる売却益は資本利得として課税の対象となる(実効税率30%)が, 再評価益は実際に売却されるまでは課税されない。  また,固定資産については賃借保有のものが多く,土地および建物は自由保有,長期賃 借および短期賃借(50年未満の賃借契約にもとつくもの)に区分表示しなければならない のはイギリス会計の特徴であろう。  暖簾項目については.通常,有償取得暖簾,連結暖簾および特許権等の無形固定資産が 含まれるが,償却額は明記されていない。準備金へ直接計上するか,損益計算書上の異常

(14)

90 〔第4表〕 固定資産の再評価の状況 大規模な再評価を示す最:も最近の計算書類:     当 年 度     過去4年間     過去5年から9年の間     10年以上前        会社数小計 大幅でないが,若干の固定資産を再評価額にて 計上 大規模な再評価を明示していない       会社数合計 再評価された資産の計上額が,そのカテゴリー の総帳簿価額に占める割合。但し,最近の再評 価額に限定しない:     76一一一1000/o     orl一一 75     26一一 50     25%以下 大規模な再評価を明示していない 会社数合計

不 動 産

1978−7911977−78 48社 74 38 12 172 54 74 34社 94 35 13 176 54 70 その他固定資産 1978−7911977−78 5社 4 1 10 43 247 4社 8 1 13 53 234 300 1 300 i 300 1 300

624864

192 28 220 80 つ0﹁02 8﹁D4占

−﹁DO  !

﹁120  1

iso 1 i6

5酬 46

230 70 62 238

QJ3

15

66 234

・Q・い・Q・・Qい・・

  ICAEW, op, cit., p.148から許可をえて転載した。 項目に含められることが多く,貸借対照表に計上されることは少ない。  繰莚税金  イギリスでは,会社計算上の利益に対応する租税費用額を計上するため, 期間帰属差異にもとつく実際納税額と租税費用計上額との差異を繰延税金勘定に計上して 税効果を調整する実務を採用している。イギリスで期間差異が生じる主要な原因は会社計 算上の減価償却費と税法上の減価償却費との差異,ストック・レリーフ(棚卸資産増加に 対する所得控除),控除可能な予納法人税等である。従来,ほとんどの会社は会計実務基 準書第11号「繰延税金に関する会計」にしたがって,すべての重要な期間帰属差異につい て税効果を調整していた。ところが会計実務基準書公開草案第19号「繰延税金に関する会

(15)

      〈研究ノート〉イギリス計算書類の特徴  91 計」およびその正式な基準書である会計実務基準書第15号「繰延税金に関する会計」で は,「期間帰属差異にもとつく税金軽減が予見可能な将来も継続すると見込まれる場合」 には引当計上を要しないとされている。また,会計実務基準書第11号では,期間帰属差異 が最初に生じた時点の実際の税率で引当計上する繰延法とその後の税率変更に応じて引当 額に修正を加える負債法の両者を認めていたのであるが,改正案である会計実務基準書公 開草案第19号では負債法を特定し,正式の基準書第15号ではまた一転して両者の自由選択 を認めるにいたっている。概念の枠組が奈辺にあるのか疑しいのであるが,1979年度年次 事業報告書では新しく引当計上しない企業,さらには過去の引当計上額を準備金に戻入れ する企業がみられるのである。『1979年度公表計算書類の調査』によれば,つぎの通りで ある。 〔第5表〕 繰延税金の引当範囲

会  社  数

1978−79 ii 1977−78  すべての繰延税金を全額引当計上 随ぎ将来支瞳・合理的に予見できる税金のみを引当計上

1部懲隷な。及び理。の、,載なし

74 210 !3  3 168 108 !9  5 会社数合計 300 300 ICAEW, op. cit., p.!85から許可をえて転載した。  いずれにしても.アメリカ会計原則審議会意見書第!1号「所得税に関する会計」にもと つく包括的引当とも異なるところである。  平均的な貸借対照表  貸借対照表の様式について,約57%の企業がまず「使用資産」, 「資本の使用」という大見出しの下に固定資産(固定性配列法をとる企業は67.・5%であ る),純流動資産(流動資産から流動負債を控除する)を表示し,つぎに「資本の調達」, 「使用資本」という大見出しの下に資本および長期負債を示している。残りの43%の企業 は,まず資本および長期負債から貸借対照表を配列している。  麦配会社の場合には,連結(または綜合)貸借対照表および支配会社の個別貸借対照表 の作成が義務づけられている。約半数の企業は企業集団と支配会社の数値を対応の形で示 す1つの貸借対照表にまとめている。いま,第6表の調査結果から平均的な貸借対照表を

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92 示せば,つぎの通りである。

使用資産

 固定資産

 従属会社に対する権利

 投    資

綜合貸借対照表

    企業集団

注記  1980 1979

   百万ポンド  百万ポンド 487 84 449 86

 会

1980

百万ポンド 30 512 35

 社

1979

百万ポンド 27 510 37

産産定金

資資勘資

動卸運座

流棚受当

571 589 526 648 535 548 480 492 577 57 101 369 574

 金

 入

 旧

債琴海金金

負彊勘税当

 越  配

動喘払毒煙

流当室未未

49 170 419 1, 763 1, 520 31 779 165 13 2! 705 130 10 527  1 415 18 13 638  1 577 23 10 988 866 447 611

純流動資産

使用資産合計

775 654 80 27 1, 346 1, 189 657 601

資本調達

 株式資本金

 準  備  金

 少数株主持分

!37 710 33 137 587 33 137 287 137 236

  計

債本合

負資鮮

延入用

  使

繰借

880167 299 757 130 302 424 10 223 373  4 224 1, 346 1, 189 657 601  表示の重要性原則  イギリス企業の貸借対照表項目の表示にバラツキの大きい理由の 1つに重要性原則をあげることができるであろう。1967年会社法付則第2第4条第!項但 書は,「(a)いかなる種類の1金額も重要ではないときは,他の種類の同じ見出しに含め

(17)

      〈研究ノート〉イギリス計算書類の特徴  93 ることができる。(b) 1種類の資産と他の種類の資産とを分離できないときは,同じ見出 しに含めることができる」と許容範囲の非常に大きい重要性を認めている。そこでは, 「受取勘定・前払費用」,「支払勘定・前受費用」等の表示がしばしばみられ,第6表にみ られるごとく貸借対照表項目の表示も損益計算書項目の表示と同機こバラツキが多いので ある。各企業間のデータの統一性をはかるためには,重要性原則の適用範囲を制限しなけ ればならないであろう。最後に,貸借対照表の表示について40社を調査したところを第6 表に示しておこう。 〔第6表〕 名称及び金額表示のあるB/S項目 項 目 名 六

会 社 数

 固定資産

 暖   簾  投   資  関連会社に対する投資  その他の項目 固定資産合計

 棚卸資産

 受取勘定

 市場性ある有価証券  現金及び短期預け金  その他の項目 流動資産合計  当座借越及び短期借入金

 支払勘定

 未払税金

 未払配当金  その他の項目 流動負債合計 純流動資産  株式資本金  株式発行差金  準 備 金 持分株主資金合計  優先株式資本金 総株主資金合計  少数株主持分

1234rO

678910!112131414151617181919201820

34 P3 R5 P8

黷S3229728[3330282929一323339122414112338

(18)

94 項 目 名 注

会 社 数

 長期借入金

 繰延税金

 政府補助金  その他の項目 固定負債合計

1222

23 33 Q5 P0

黷P

最多項目数一最少項目数(単純平均項目数) 32−9 (20) (!)投資を除く固定資産の表示方法は,次の通りである。  1 固定資産として一括表示   (うち,油田を保有する3社は,油田探鉱・開発費を含め,また,他の   1社は特許権及び同使用権を含めている)  ii不動産・設備・機械として一括表示  111固定資産の内訳項目と小計の表示   (うち,1社は暖簾を含める)  iv 固定資産を保有しない持株会社 30

4﹁Q

1        40社 ② 暖簾の表示方法は,次の通りである。  i 暖簾を独立項目として資産側に表示      11  ii暖簾を独立項目として株主資金からの控除として表示       2  iii暖簾その他無形固定資産として一括表示      1   (他に特許権その他無形固定資産と表示している2社には暖簾が計上されて   いない)        14社 ㈲ 投資に関する表示方法は,次の通りである。カッコ内は関連会社に対する投資を含め  ている会社数である。  i 投資として表示      21(12)  ii取引投資として表示       7(3)  iii投資及び貸付金,上場投資等として表示      7(3)  iv 関連会社及び取引投資として表示      2(2)  v 投資のない会社       3(0)        40(20)社 (4)関連会社に対する投資の表示方法は,次の通りである。  i 関連会社に対する投資を独立項目として表示      18  ii投資,取引投資等に含めて表示      20  iii関連会社に対する投資のない会社       2        40社

(19)

〈研究ノート〉イギリス計算書類の特徴  95 (5)4Q社のうち17社は,次の固定資産項目11項目のうち,少なくとも1項目を表示してい  る。繰延税金(4社),長期売掛金(3社),非連結会社に対する権利又は正味資産(3  社),受取手形(2社),開発及び販売用不動産(2社),長期貸付金,前払金,前払税  金,持株計画への貸付金,恒常在庫高,賃貸用テレビ(各!社)である。 (6>棚卸資産を表示していない会社は,流動資産内訳項目を全く表示しない会社7社,棚  卸資産のない会社!社の計8社である。 (7)受取勘定の表示方法は,次の通りである。  i 受取勘定として一括表示      28  ii売掛金と受取手形を各々独立項目として表示      1  iii受取勘定及び前払費用として一括表示       3  iv 流動資産内訳項目を全く表示しない会社       7  v 受取勘定のない会社       1        40社 (8)ほか1社は市場性ある有価証券及び短期貸付金として一括表示している。 (9)現金及び短期預け金の表示方法は,次の通りである。  i 現金及び短期預け金として一括表示      ’21  ii現金と短期預け金を各々独立項目として表示       6  iii現金のみを表示       ユ  iv 当座資金(4社)又は純当座資金に含めて表示      5  v 流動資産内訳項目を全く表示しない会社       7        40社 働 40社のうち6社は,次の流動資産項目7項目のうち,少なくとも1項目を蓑示してい  る。妹姉会社からの受取勘定(2社),補助金,未収配当金,繰延税金,取立中の手形,  予納法人税その他の受取手形(各1社)である。 ω 流動資産合計を表示していない会社は,流動資産内訳項目を示すことなく純流動資産  /項目を表示している会社5社,純流動資産の内訳項目として流動資産・負債項目を表  示している会社2社の計7社である。 働 当座借越及び短期借入金の表示方法は,次の通りである。 1 当座借越及び短期借入金として一一;:表示 ・iその他の短期借入金叉は!年以内に返済期限の到来する長期借入金部分を  各々独立項目として表示 ・115年以内に返済期限の到来する借入金に含めて表示 iv 純当座資金に含めて表示 v 当座借越及び短期借入金のない会社,流動負債内訳項昌を全く表示しない  会社(7社) 27

311

8 40社

(20)

96 ⑬ 支払勘定の表示方法は,次の通りである。  i 支払勘定として一括表示      26  ii買掛金と支払手形を各々独立項目として表示      2  111支払勘定及び未払費用として一括表示      4  w その他の流動負債に含めて表示       1  v 流動負債内訳項目を全く表示しない会社      7        40社 ㈹ 未払税金,未払配当金を独立項目として表示していない会社は,次の通りである。 i 流動負債内訳項目を全く表示しない会社 11税金又は配当金のない会社 iii支払勘定に含めて表示 iv その他の流動負債に含めて表示

金7211

税 配当金   7   3   0   1       11社   11社 (15)40社のうち10社は,諸引当金,未払利息,預り金,前受金,前受収益,その他の項目  12項目のうち少なくとも1項目を表示している。 ⑯ 流動負債合計を表示していない会社は,流動負債内訳項目を示すことなく純流動資産  !項目を表示している会社5社,純流動資産の内訳項目として流動資産・負債を表示し  ている会社2社,流動・固定負債を区別しない会社1社の計8社である。 ㈱ 純流動資産の表示方法は,次の通りである。 1 流動資産合計から流動負債合計を控除して純流動資産として表示 ii純流動資産と純非流動資産とを合計して純資産として表示 iii流動資産合計から流動負債合計を控除しているが,純流動資産として見出  しをつけていない会社 iv 総資産から総負債を控除して純資産として表示 v資産合計から負債を全く控除しない会社

21

3

rD11

       40社 ㈹ 資本金の表示方法は,次の通りである。カッコは優先株を発行していない会社数であ  る。  i 普通株のみを普通株式資本金18(7),株式資本金7(7),発行済資本金2(2)と  して表示。優先株を独立項目として表示している会社は差の!1社である。 11優先株を含めて株式資本金,発行済資本金,資本金として表示 1u 優先株を含めて株式資本金及び株式発行差金として一括表示 Iv 株主資金として一括表示 27(16) !1( O) 1( O) 1( !) 40(17)社 ⑲ 準備金の表示方法は,次の通りである。

(21)

       〈研究ノート〉イギリス計算書類の特徴 i 準備金として一括表示 ii 株式資本金及び株式発行差金とその他準備金の2本立 iii株式発行差金とその他準備金の2本立 iv 株式発行差金,資本準備金,留保利益等に区分 ▽ 連結準備金.関連会社準備金等に分類表示 vi株主資金として資本項目を一括表示

7 4!6621

Qゾ 2        40社 ⑳ 株主資金合計の表示方法は,次の通りである。カッコ内は優先株を発行していない会  社数である。  i 持分株主資金合計のみを表示       10(5)  1i総株主資金合計を表示      19(10)  iii持分株主資金合計と総株主資金合計の両者を表示      4(0)  iv いずれも表示しない会社       7(2)        40(17)社 ⑳ 長期借入金の表示方法は,次の通りである。  i 借入資本金(9社),借入金(7社)等として一括表示      33  ii転換社債等の内訳表示       6  iii借入金のない会社       1        40社 ⑳ 繰延税金の表示方法は,次の通りである。  i 繰延税金として一括表示       23  ii流動負債の未払税金に含めて表示      3  iii流動負債の支払勘定に含めて表示      2  iv 固定負債の繰延負債に含めて表示      3  v 資産側の独立項目として表示       2  vi繰延税金のない会社       7        40社 ㈱ 40社のうち15社は,次の4項目のうち,少なくとも1項目を表示している。   諸引当金(7社),繰延負債(5社),前受金(3社),未払法人税(1社) W その他の補助的計算書類上のデーータ  第1節にみたごとく,イギリス企業においては,会社法の定める計算書類のほかに会計 職業団体の要件・会計実務基準書窓10号の要求する資金計算書,同第2号の要求する会計 :方針明細書.同第!6号の要求する現在原価計算書,さらに証券取引所の要請にもとつく歴 史的財務要約表,『会社報告書』ないし『会社報告書の将来』の提案する付加価値計算書

(22)

 98

等を掲載する年次事業報告書が多くみられた。本節では,データ・テープ作成にあたっ て,これらの補助的計算書類からどのようなデータが入手できるかという観点から,検討 してみたい(ただし,現在原価計算書については別章に述べる)。  資金計算書  資金計算書は,主として会社の財務構造の変化を明らかにする計算書類 である。アメリカの実務は運転資本(純流動資産)の変化という観点を強調するのに対し       2) て,イギリスの実務は純当座資金の変化を強調している。イギリス企業の資金計算書上の データのうち,とくに税金項目に注意しなければならない。『!979年度公表計算書類の 調査』によれば,税引前利益ではなく税引利益からスタートして資金の源泉を示し,税金        3) 支払額を資金の使途に計上していない企業が約15%みられることである。うがった見方を すれば企業天国,個人地獄と称されている現実を表示することに抵抗があるのかもしれな い。年次事業報告書上の他の箇所から税金支払額を推計することはむずかしいので,使途 項目に税金を計上している多数説を修正してデータの統一性を確保する必要があろう。ま た,純当座資金の変化に重点をおく資金計算書と運転資本の変化に重点をおく資金計算書 から統一的なデータを入手する問題もある。資金計算書のデータについては,資料篇デー タ・テープ雛型の(VI)に示しておいたので,今後その現実的有効性を検証していかなけ ればならないであろう。  会計方針明細書  イギリス会社法は,1967年会社法付則第2において棚卸資産および 固定資産の評価方法,減価償却および取替以外の:方法による引当金計上方法,外国通貨換 算基準,法入税引当計上基準について貸借対照表ないし損益計算書に別段に表示するか, 注記または添付明細書に記載することを要求しているにすぎない。また,証券取引所上場 認可規程は,会計実務基準からの重要な逸脱の理由に関する取締役の意見を取締役の報告 書に記載することを求めているにすぎない。  重要な会計方針の開示を直接規定しているのは,会計実務基準書第2号「会計方針の開 示」である。この基準書は経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす会計方針の開示 を求めている。しかしながら,若干の例示項目を除いて,基本的には経営者の判断にゆだ ねているので,企業聞に開示の統一性はない。『1979年度公表計算書類の調査』によれば, 記載される頻度の多い項目(80%以上)には,減価償却,繰延資産,棚卸資産評価,連結       4) の方針,外国通貨の換算があるという。1967年会社法付則第2の要求項目に一致する。わ  2) Lee, T. A., The Funds Statement, Edinburgh, ICAS, 1974, p. 51. 3) ICAEW, Survey of Published Accounts 1979, London, ICAEW, 1980, p 211.  4) lbid,, p. 41.

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      〈研究ノート〉イギリス計算書類の特徴  99 れわれは.このような会計方針明細書から,データ・テープ雛型の(XIII)に示したデー タが統一的に入手できるであろう。  歴史的財務要約表  イギリス会社法は直前事業年度の対応額を示した貸借対照表およ び損益計算書の作成を要求しているが,重要な財務情報について過去数年間のデータを比 較可能な形式で要約した歴史的財務要約表は会社法にも証券取引所上場認可規程にもな い。1964年中証券取引所理事長の要請によるものにすぎない。40社の年次事業報告書を調 査したところによれば,××年間の財務の概況財務記録,財務統計値等々と称され,そ の期間については5年間が22社,10年間が15社,8年間または9年間が各1社であった。 また,歴史的財務要約表を掲載していない会社もユ社あった。図解を併用している会社は 5社である。一般的にみて,損益計算書項目については,売上高,税引前または税引利 益,1株当り利益,配当金等損益計算書項目をそのまま用い,貸借対照表項目については, 使用資本,固定資産,投資等の代表的な項目の表示にかぎっている。また,若干の分析値 (たとえば,平均使用資産利益率)を示している企業もある。このように歴史的財務要約 表は損益計算書および貸借対照表上のデータのうち重要なものをピックアップしたもので あって,データ的にはあまり意味はないが,会計処理方法の変更等による影響をどの程度 過去にさかのぼって修正しているのか,したがって,データ・テープにおいてもどの程度 修正したほうがよいのかを示すであろう。たとえば,資料篇に示したICI社は,繰延税 金の処理方法の変更については1977年までしか再計算していない。  付加価値計算書・雇用計算書  企業の社会性が強調されるなかで,付加価値の創造と 分配関係を示す付加価値計算書を掲載する企業が多くなっている。しかしながら.先に述 べたように,イギリス企業の損益計算書はすでに分配関係の開示に重点をおいているので データ的には重慶する。ただ,会社法により開示される人件費は国内使用人報酬総額であ るので,在外従属会社を有する企業の場合には,企業集団全体の使用人報酬総額は付加価 値計算書に求めなければならないであろう。  他方,『会社報告書』および『会社報告書の将来』に提案されている雇用報告書の掲載 は,全く少数である。『!979年度公表計算書類の調査』によれば,300社中!3社が採用し       5) ているにすぎないという。雇用報告書は,雇用従業員数の分析,報酬総額,教育訓練虚聞 および費用,労働組合,事故および身体障害者雇用数等に関する情報を記載しているが, 各企業からこのようなデータが統一的に入手できれば.従業員統計として興味深いデータ 5) ibid., p. 242.

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 100 になるであろう。  関係会社明細書  まず従属会社については,会社名,登記または設立国名,主たる営 業国名,発行済株式資本の種類,発行済株式資本の種類毎の所有割合の開示が1967年会社 法および証券取引所上場認可規程により要求されている。さらに会計実務基準書第14号 「綜合計算書類」により同一決算日を採用しない従属会社の決算日を開示しなければなら ない。  いずれかの種類の株式の!0%をこえて所有するか,会社の資産額の10%をこえて保有す る関連会社(上場認可規程では企業集団が20%以上の株式を保有する会社)については, 会社名,登記または設立国名,主たる営業国名,発行済株式資本の種類,借入資本の明 細,準備金の総額(企業集団持分が連結貸借対照表に計上されていない場合にかぎる), 発行済株式資本の種類毎の所有割合.会社の持分に帰属する借入資本の種類毎の割合の開 示が要求されている。主要な従属会社および関連会社1青報として興味深いデータである。 しかしながら,ここでも,会社数が多いため明細書が非常に長大となると取締役が判断す るときには,企業集団の損益または資産額に重要な影響を及ぼす事業を営む企業を除き省 略でぎることになっている。したがって.データとして収録できる企業数は非常に限定さ れてくるであろう。  以上のような補助的計算書類のほかに,セグメント明細書等がある。いずれも各企業に よってバラツキが多く利用価値が激減する。計算書類雛型の採用と重要性原則の制限を強 く求めなければならない。この点については,EC第4号指令および第7号指令案の導入 を待たなければならないであろう。環節では,すでに対応の定まりつつある1981年会社法 案における計算書類の雛型およびそのデータについてみよう。 V 1981年会社法案の計算書類  以上のように,イギリス企業の年次事業報告書とくに計算書類からは多くのデータを入 手でぎるのであるが,データ・テープ作成の観点からみれば,イギリス計算書類の最大の 欠陥は,その表示の多様性である。例を固定資産にとれば,取得価額または評価額と減価 償却累計額とを示す企業もあり,また,両老の差額のみを示す企業もある。固定資産の区 分においても「土地。建物」,「設備・機械」……と形態別に区分する企業もあれば,「× ×設備」,「××設備」と機能別に区分する企業もある。このような状況のもとでは,全企 業にわたって統一的に入手できるデータという観点からみれば,総固定資産帳簿価額1デ

(25)

      〈研究ノート〉イギリス計算書類の特徴  101 一タだけということになる。このような限界は計算書類の雛型を導入すれば解決する問題 である。  幸にして計算書類を統一するEC第4号指令が制定され,この指令を国内に導入するた めの商務省諮問文書『会社会計と開示』が1975年公表され,また,本年2月には1981年会 社法案が公表されている。以下,ここでは1981年会社法案に示された個別計算書類改正案 をみてみたい。ただし,綜合計算書類に関するEC第7号指令案は,まだ成案をみていな いのでここではとりあげない。また,1981年会社法案の特徴は別のところで要約されてい るので,ここでは,データ・テープ作成に対する改良点をみてみたい。  貸借対照表の様式  貸借対照表については,勘定式および報告書式の2様式が規定さ れている。その両様式に示される情報は実質的に同一である。イギリス企業の従来の貸借 対照表と比較すれば,各内訳項目が統一的に分類されているので,データの収集は非常に 容易になるであろう。まず,資産については払込請求高・未払込資本金,固定資産,流動 資産,前払費用および未収収益に区分されている。固定資産のうち無形固定資産について は,貸借対照表E「固定資産」に含められて一括表示されていたのであるが,開発費,鉱 業権等,暖簾,前払金に区分されて.それぞれ統一的なデータが入手できるようになって いる。有形固定資産については,土地および建物,工場および機械……と形態別に区分表 示され,それぞれ取得価額,期中変動額,償却累計額のデータが入手できる。投資に関し ては従来の区分とほとんど変化がない。企業集団構成会社,関連会社,固定資産としての 投資に区分し,また投資有価証券と貸付金とを区別している。ここで「関連会社」とは, 保有持分から生じる支配または影響を行使して自社の活動に寄与させることを目的とし て,会社が持分株式資本を長期的に保有する企業集団構成会社以外の他の法人である。  債権・債務についても,従来の分類に比較して非常に詳細になっている。債権について は,売掛債権,企業集団構成会社に対する債権,関連会社に対する債権,その他の債権, 前払費用および未収収益という区分表示である。債務については,従来借入資本として社 債その他の長期借入金が一括処理されていた実務が,まず1年以内に支払期限が到来する か否かにより流動負債および固定負債に区分される。ついで,流動負債,固定負債の内訳 項目として,社債,銀行借入金および当座借越,前受金,買掛債務,手形債務,企業集団 構成会社に対する債務.関連会社に対する債務その他の債務未払費用および前受収益 に区分されている。  準備金については,従来一括表示されていたものが,株式発行差金,再評価準備金,資

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 102 本償還準備金,自己株式準備金,定款にもとつく準備金,その他の準備金に区分表示され ることになっている。この準備金の区分は,1980年会社法第39条以下7力条により新しく 規定された利益および資産の分配制限規定,とくに「分配不能準備金」との関連で重:要な 区分である。いずれにしても,貸借対照表から入手できる統一的データ数は著しく増加す るものである。以下に,貸借対照表の雛型(報告式)をあげておこう。       貸 借 対 照 表 A 払込請求済未払込株式資本金

B 固定資産

 1 無形固定資産     開 発 費    鉱業権,特許権,ライセンス,商標権等    暖   簾    前 払 金

X×X×

×××× ×× E 有形固定資産   土地および建物   工場および機械   器具,備品,工具および設備   前払金および建設中の資産

×X××

×× 皿 投   資    グループ会社株式    グループ会社貸付金    関連会社株式    関連会社貸付金   貸付金以外のその他の投資    その他の貸付金

   自己株式

×××X×××

×× ××××

C 流動資産

 1 棚卸資産

   原材料および消耗品    仕 掛 品    製品および商品

×××

(27)

前 払 金 」 債   権

  売掛債権

   グループ会社に対する債権   関連会社に対する債権

  その他の債権

〈研究ノート〉イギリス計算書類の特徴  103 × ×× 払込請求済未払込株式資本金 前払費用および未収収益 皿 投   資    グループ会社株式

   自己株式

  その他の投資

 rv現金預金

D 前払費用および未収収益 E 債務 1年以内に麦払期限の到来する金額

   社   債

   銀行借入金および当座借越    前 受 金

   買掛債務

   為替手形債務    グルーープ会社に対する債務    関連会社に対する債務    税金および社会保障費を含むその他の債務    未払費用および前受収益

FGH

××××××

×× ×××⋮ 純流動資産(または負債) 流動負債控除後の資産合計 債務:1年をこえた後に支払期限の到来する金額   社   債   銀行借入金および当座借越   前 受 金

  買掛債務

×× ××

XX

××× (×) (×) (×) (×) (×) (×) (×) (×) (×) (× ×) ×××

︶︶︶︶

××××

︵︵︵︵

××××

(28)

104    為替手形債務     グループ会社に対する債務    関連会社に対する債務    税金および社会保障費を含むその他の債務    未払費用および前受収益 1 負債および費用引当金    年金およびこれに類する債務    税金,繰延税金を含む    その他の引当金 J 未払費用および前受収益

︶︶︶︶︶

×××××

︵︵︵︵︵

︶︶︶

×××

︵︵︵

L 資本金および準備金  1 払込請求済株式資本金  五 株式発行差金 巫 :再評価準備金 W その他の準備金     資本償還準備金     自己株式準備金     定款にもとつく準備金     その他の準備金  V 損益計算書

××××

(××××) (××××) (××××) ××××

×××

×× ××××  損益計算書の様式  損益計算書については,代替的な4様式(報告式,勘定式各2様 式)がある。イギリス企業の伝統的な損益計算書に比較すれば,営業費用および投資収益 の内訳項目において詳細になっている。営業費用についてみれば,その性質にしたがい原 材料および補助材料費,人件費(賃金および給料,社会保障三等),価値修正額,その他 の営業費用と区分するか,あるいは,営業費用を機能的に区分して売上原価,販売費,管 理費に区分しなけれぽならない。どちらの分類を採用するかは,全く企業の自由選択にゆ だねられているので,統一的データの入手はここでも達成されないようである。  投資収益の内訳については,企業集団構成会社株式からの収益,関連会社からの収益, その他の固定資産投資からの収益,その他の受取利息に区分表示されることになってい る。貸借対照表上のデータの詳細さに比較して,損益計算書上のデータの改善にはあまり 実効がないようである。以下に,損益計算書の雛型(報告式)を示しておこう,

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〈研究ノート〉イギリス計算書類の特徴  105

12345︶6

78910

      損 売 上 高

売上原価

売上総利益

販 売面

高 理費

その他の営業収益

 営業損益

グループ会社株式からの収益 関連会社株式からの収益 その他の固定資産投資からの収益 その他の受取利息およびこれに類する収益

益 計 算書

11投資評価損

12支払利息およびこれに類する費用    税引前利益 !3通常の事業活動の損益にかかる税金

14 税引利益

15 特男1]禾ij益

16特別損失

17特別損益

18 特別損益にかかる税金 /9上記項目以外のその他の税金

20年度損益

××× (×××) ××× (×××) (×××) ×××

××X×

××

××× ××× (×××) ××× (×××) × (×) ×× (×) (×) ××× ××× ××× VI データ・テープ作成上の問題点  以上のように,イギリス企業の情報を入手する重要な清報源は,企業の公表する年次事 業報告書上の計算書類である。しかしながら.現時点では年次事業報告書に記載されてい るデータは,わが国における年次事業報告書または有価証券報告書におけるような統一性 のあるデータではない。会社法.証券取引所上場認可規程,会計実務基準書等を最:小限の 基準として,それぞれの会社が個性を発揮した開示を行なっているのである。しかも,年 次事業報告書上の計算書類を規制する会社法は,その許容範囲が大きい。この問題につい てはEC第4号指令を導入する1981年会社法案が提案されているので,解決されるであろ う。しかしながら,この点を解決したとしても,データ・テープ作成には,つぎのような

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