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TABLE 1 第 1 章中国概況 1 中国の経済概況 (1) 中国の経済成長中国の国土面積は約 960 万平方キロメートルで世界第 3 位 ( 日本の約 25 倍 ) 人口は約 13 億 5,000 万人で世界第 1 位 ( 日本の約 10 倍 ) である GDPは2010 年に日本を抜き 世界第

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(1)

第 1 章   中 国 概 況

中国概況

[1]中国の経済概況

[2]中国貿易ビジネスのリスク

[3]貿易に関わる行政機関と政治

[4]地方行政区と主な都市

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中国の経済概況

(1)中国の経済成長

 中国の国土面積は約960万平方キロメートルで世界第3位(日本の約25倍)、人口 は約13億5,000万人で世界第1位(日本の約10倍)である。GDPは2010年に日本を 抜き、世界第2位である。  中国経済の改革開放が始まった1978年当時、中国の名目GDPはわずか3,645億 元にすぎなかったが、その後の約30年間で高度成長を成し遂げ、2012年の名目 GDPは、当時の約140倍の51兆9,322億元(約8兆2,500億ドル)にものぼっている。  ここのところ、実質経済成長率の伸びには鈍化傾向が見られ、2012年は、前年度 の9.2%増を下回り、7.8%増と13年ぶりに8%を割り込んだ。  しかし貿易面においては、1978年にはわずか約200億ドルだった貿易総額が、 2012年では約195倍の約3兆9千億ドルにまで拡大し、輸出額、輸入額ともに世界第 2位と、世界経済における中国のプレゼンスは順調に拡大している。

第1章

中国概況

TABLE

1

▶基礎データ

面積:960万平方km(日本の約25倍) 人口:約13億5,404万人(2012年) 首都:北京 民族:漢民族(総人口の92%)およびチワン族、  満州族、回族、チベット族など55の少数民族 宗教:仏教、イスラム教、キリスト教など 名目GDP:8兆2,500億ドル(51兆9,322億元、  2012年) 一人当たりGDP(名目):6,076 ドル(2012年) 実質経済成長率:7.8%(2012年) 輸出:2兆489億ドル(2012年)世界第2位 輸入:1兆8,178億ドル(2012年)世界第2位 通貨:元  為替レート(1米ドルにつき、人民元、2012年平  均):6.31233 面積:38万平方km 人口:1億2,750万人(2012年) GDP(名目):5兆9640億ドル(2012年) 一人当たりGDP(名目):46,736ドル (2012年) 実質GDP成長率:2.6%(2012年) 輸出総額:8,013億ドル(2012年) 輸入総額:8,886億ドル(2012年) 出典:外務省ウェブサイト、総務省ウェブサ イト、ジェトロウェブサイト(J-File)、 ジェトロ「2013年版 世界貿易投資報告」 ■中華人民共和国

 People's Republic of China

■日本国

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第 1 章   中 国 概 況 出典:経済産業省 「通商白書2012」 ■主要国GDPの推移

(2)中国の貿易状況

 ジェトロの「2013年版世界貿易投資報告」によると、2012年の中国の貿易総額 は、前年比6.2%増の3兆8,668億ドルと、過去最高を更新した。  総額ベースでの相手国・地域の上位5位は,1位EU27(5,460億ドル)、2位米国 (4,847億ドル)、3位ASEAN(4,001億ドル)、4位香港(3,415億ドル)、5位日本 (3,295億ドル)となり、前年4位であった日本は順位を下げている。  主な取引品目として、輸出入ともにシェアが大きいのは前年と同様、機械および 電気機械、ハイテク製品で、そのほか、輸入では資源・エネルギー、農産品などの一次 製品が主要取引品目となっているが、いずれも欧州債務危機の影響もあり伸び率は 低い傾向にある。  また前年に輸出の増加がみられた繊維・アパレル製品に関しては1.2%増の958 億ドルと前年の22.9%より大きく鈍化した。人件費の高騰などから低付加価値品の アジア諸国・地域への生産移管が進んだことが主因である。  中国経済の急成長は、外資系企業をメインプレーヤーとする加工貿易、特に輸出 が牽引し、中国の総輸出額に占める加工貿易のシェアは、一時は輸出で約6割、輸入 についても約5割程度を占め、総輸出入額に占める外資系企業のシェアも約6割に 達した。しかし、貿易全体における加工貿易のシェアは低下傾向にあり、同時に、貿 易に占める外資系企業のシェアも2006年をピークに、低下しつつある。  加工貿易のこうした傾向の背景としては、中国政府が、経済の高度化、省エネ・環 境保護社会を実現するため、労働集約型、エネルギー大量消費型、高汚染型、資源型 品目などについて、輸出増値税(中国の付加価値税)の還付の取り消しや加工貿易 の禁止・制限対象とし、輸出抑制を図っていることや、人件費の高騰などが挙げられ る。このように、中国の貿易は、拡大傾向は変わらないものの、その構造は変化して

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▶中国の貿易概況

■2012年の貿易総額:3兆8,668億ドル(前年比6.2%増)  輸出:2兆489億ドル(前年比7.9%増)世界第2位  輸入:1兆8,178億ドル(前年比4.3%増)世界第2位 ■2012年の貿易主要相手国・地域(上位5位/輸出入総額) 輸出入総額 金額 構成比 伸び率 EU27 546,043 14.1 ▲3.7 米国 484,683 12.5 8.5 ASEAN 400,093 10.3 10.2 香港 341,487 8.8 20.5 日本 329,451 8.5 ▲3.9 ■主要取引品目  輸出:機械及び電気製品、ハイテク製品、繊維・アパレル製品  輸入:機械及び電気製品、資源・エネルギー、農産品などの一次製品 ■貿易形態別内訳(2012年):  輸出:一般貿易 9,880億ドル(シェア48.2% 前年比7.7%増)     加工貿易 8,628億ドル(シェア42.1% 前年比3.3%増)      その他 1,981億ドル(シェア9.7% 前年比35.7%増)  輸入:一般貿易 1兆218億ドル(シェア56.2% 前年比1.4%増)     加工貿易 4,812億ドル(シェア26.5% 前年比26.5%増)      その他 3,148億ドル(シェア17.3% 前年比18.3%増)         ■対外貿易に占める外資系企業の割合(2012年):49.0%(輸出49.9%、輸入47.9%)        2006年の58.9%をピークに低下しており、        2011年よりも2.1ポイント縮小した。 出典:「2013年版 ジェトロ 世界貿易投資報告」 http://www.jetro.go.jp/world/gtir/

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第 1 章   中 国 概 況

(3)中国経済の改革開放の流れ

 中国は、政治的には共産党独裁による社会主義国家 でありながらも、1970年代末から経済の改革開放改革開放を 積極的に推進し、一気に経済発展を成し遂げた。  初期の中国の経済改革は、先富論先富論を唱えた鄧小平鄧小平氏 のリーダーシップのもと進められ、他地域に先駆けて 外資に開放された沿岸部沿岸部地域は、外資の取り込み外資の取り込みと労労 働集約型の加工貿易 働集約型の加工貿易による輸出の増大により、急速に経済が発展した。  さらに2000年代に入ると、2001年のWTO加盟WTO加盟を契機に、各種法制度の整備や FTAの推進、市場の開放など、経済の改革開放を加速させ、更なる対中投資を呼びこ んだ。また、APEC、北京オリンピック、上海万博など、経済成長をアピールするビッ グイベントも相次いで実施された。  2008年にリーマンショックが起こり、その後、先進国経済が低調にとどまる中に おいても、中国経済は、政府による大型景気対策などによりいち早く成長路線を回 復し、ついには2010年に日本を抜いて、GDP世界第2位GDP世界第2位となった。  一方、急激な経済発展は、深刻な経済格差深刻な経済格差や環境汚染環境汚染などの様々な社会問題を 引き起こした。このため、中国政府は、昨今、経済発展の量よりも質を重視する方針 を打ち出しており、地域間および都市・農村間の格差是正、環境保護や資源・エネル ギー利用効率の向上に取り組んでいる。また、これまでの輸出に依存する経済成長 モデルからの脱却を目指し、経済構造の高度化、内需の拡大を重点課題と位置づけ ている。

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 年 月 動き 1978 12 鄧小平氏が経済の改革開放路線を開始 (中国共産党第11期中央委員会第3回全体会議)  1978 4 IMF加盟 5 経済特別区の設置を決定(深圳、珠海、汕頭、厦門の4カ所) 1984 5 沿海部14都市を外資に開放し、経済技術開発区の建設を決定 (大連、青島、上海など14都市) 1986 7 GATT加盟(原加盟国としての地位回復)申請 1988 1 「沿海地区経済発展戦略」提起 (沿海地区を輸出型の労働集約、加工基地として発展促進を図る) 1989 6 天安門事件 1990 4 浦東開発計画を発表(上海の浦東地区を整備し外資誘致を図る) 1990 12 中国初の証券取引所、上海にて開業 1992 1 鄧小平氏、南巡講話において経済の改革開放及び経済成長加速政策を指示 1992 10 「社会主義市場経済」への移行を決定(第14回中国共産党全国代表大会) 1993 3 江沢民総書記、国家主席に就任(第8期全国人民代表大会) 1994 1 人民元レートの市場レートへの一本化(事実上の切り下げ) 工商統一税を廃止し、増値税を導入 7 対外貿易法施行 1996 4 関税率引き下げ(4,971品目を対象に平均で35%から23%へ) 1997 7 香港返還(「一国二制度」) タイを発端にアジア通貨危機発生 10 関税率引下げ(4874品目を対象に平均で23%から17%へ) 1998 3 朱鎔基副首相、首相に就任 1999 3 私営企業が公認される 初の日中韓国首脳会談(経済分野での協力を中心に協議) 12 マカオ返還(「一国二制度」) 2000 3 「西部大開発」国家プロジェクトとして正式決定 4 輸出加工区の設置(大連、天津、厦門、深圳等全国15カ所) 2001 10 上海にてAPEC開催 12 WTO加盟 2003 2 SARS流行拡大 3 胡錦濤総書記、国家主席に就任 温家宝副首相、首相に就任 8 CCC(中国強制製品認証)制度 実施 2004 1 中国大陸と香港の経済・貿易関係緊密化協定(CEPA)発効 中国大陸とマカオの経済・貿易関係緊密化協定(CEPA)発効 6 「外商投資商業分野管理弁法」施行(外資企業による小売・卸売等の流通業 の現地法人設立開放)

▶1970年代末からの中国経済と中国社会の動き

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第 1 章   中 国 概 況  年 月 動き 7 改正「対外貿易法」施行(貿易権の開放(「審査・許可制」から「届出・登録制」に) 2005 4 反日デモ発生 7 人民元改革(人民元の対ドルレートの切り上げと通貨バスケット制への移行) ASEAN・中国FTA(ACFTA)物品貿易協定発効 2006 3 第11次五カ年規画採択(経済発展の量より質を重視。省エネ・環境保全の推進) 10 中国・チリFTA発効 2007 7 中国・パキスタンFTA発効 2008 1 外資企業の優遇税制の撤廃(新企業所得税法) 5 四川大地震 8 北京オリンピック開催 9 リーマンショック 10 中国・ニュージーランドFTA発効 11 4兆元(56兆円)の大型景気刺激策発表 2009 1 中国・シンガポールFTA発効 1-2 10大産業調整振興計画承認 7 元建て貿易決済を一部解禁 2010 3 中国・ペルー FTA発効 5 上海万博開幕(~ 10月) 5-8 工場での労働者ストライキ多発 6 元建て貿易決済の規制緩和(国内対象地域の拡大、対象相手国を全世界に)  9 台湾との間で「海峡両岸経済協力枠組協定(ECFA)」発効 尖閣諸島沖中国漁船衝突事件 2010年の中国のGDPが日本を抜いて世界第2位に 2011 3 第12次5カ年規画採択(経済発展モデルの転換の加速。 8 元建て貿易決済の対象地域を国内全地域に(地域制限の撤廃) 中国・コスタリカFTA発効 10 外資企業による元建て対中直接投資解禁 2012 4 「対外貿易発展第12次5カ年規画」発布(輸出入商品構成の調整、新興国市場開 拓の推進) 8 貨物貿易の外貨管理制度の簡素化実施 9 尖閣諸島国有化による大規模反日デモ 11 第18回中国共産党全国代表大会にて習近平氏を総書記に選出 2013 3 習近平総書記、国家主席に就任 李克強副首相、首相に就任(第12期全国人民代表大会) ■ジェトロレポート「中国GDP世界第2位時代の日本企業の対日ビジネス戦略」 (http://www.jetro.go.jp/world/asia/reports/07000555)、 内閣ウェブサイト「世界経済の潮流」などを参考に作成

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(4)日本企業の対中国ビジネス

 日本企業の対中国ビジネスは、中国経済の動きに合わせて展開されてきた。ジェト ロの調査レポート「中国GDP世界第2位時代の対中ビジネス戦略」によると、日本企 業による対中投資の第一次ブームは、円高が進展した1980年代後半で、安価な労働力 を求めて、距離的にも近い大連市などに繊維、雑貨など軽工業を中心に進出した。  第二次ブームは91~ 95年頃で、鄧小平氏が進めた外資導入の本格化や市場経済 化の加速を受け、広東省などの華南地域を中心に、電気・電子、機械などの製造業の 進出が進んだ。  第三次ブームは、中国のWTO加盟が視野に入ってきた2000年から2005年頃で、 従来の生産拠点に加えて、中国市場参入を狙った販売拠点設置などを目的とした投 資が増加したのが特徴である。進出地域も広東省を中心とした珠江デルタ地域、上 海市を中心とした長江デルタ地域に加え、北京市や天津市を中心とした環渤海地域 にも拡大した。  そしてリーマンショック以降、第四次ブームの到来かとも言われるほど、対中投 資が再び活発化した。進出地域としては、堅調な成長が続き、伸びしろの大きい内陸 部への進出事例が急増した。また、業種別の傾向としては、非製造業の進出が相次 ぎ、卸・小売業、外食産業が富裕層・中間層の拡大を背景に、巨大な消費マーケットを 狙い、各地で進出や店舗展開を積極的に進めた。  製造業では、既に中国に拠点をもつ企業が、内陸部に拠点を新設するなど、生産能 力強化のために投資を行うケースが相次いでいた。  しかし、2012年9月の大規模な反日デモをきっかけにして、一部の日本企業が中 国への投資を取り止めたり、既存の事業を縮小する傾向にあるが、製造業の長中期 投資案件やサービス業への投資が牽引した事で、2013年の対中投資は引き続き前 年比2桁の伸びを記録している。

▶日本の対中

 直接投資の

 推移

1980年代後半 1990年代前半 1990年代後半 2000年代前半 2000年代後半 2010年代前半 投資 誘因 ①安くて優秀 な労働力が豊 富 ①に加え、 ②インフラの 充実、 ③市場経済化 ①~③に加え、 ④部品調達 ①~④に加え、⑤市場、 ⑥ W T O 加 盟 、 ⑦頭脳(R&D) ①~⑦ ①~⑦、第3国・地域 での事業展開 主な 進出先 大連 大連、珠江デル タ 珠江デルタ、長江デルタ 珠江デルタ、長江デルタ、環渤 海 珠江デルタ、長江 デルタ、環渤海 珠江デルタ、長江デルタ、環渤海、内陸部 主な 業種 繊維、雑貨、食品加工 繊維、雑貨、食品、電気・電子、 機械、バイク 繊維、雑貨、食 品、電気・電子、 機械、科学 自動車、食品、 電気、機械、化 学 、ソ フ ト 開 発、R&D センター 自動車、食品、電 気・電子、機械、化 学、省エネ・環境、 卸売・小売、金融・ 保険、ソフト開発 自動車、食品、電気・ 電子、機械、化学、省 エネ、環境、卸売・小 売、金融・保険、ソフ ト開発 出典:ジェトロレポート「中国GDP世界第2位時代の日本企業の対中ビジネス戦略」

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第 1 章   中 国 概 況

    

中国貿易ビジネスのリスク

 貿易ビジネスは異なる国との取引であるため、相手国に関わらず商習慣の違いや 通関トラブル、為替リスク、長距離輸送による貨物の損害リスクなど、国内取引と比 べ、ビジネスリスクは必然的に高まるが、中国との貿易ビジネスにおいては、こうし た一般的な海外取引のリスクに加え、以下のような中国特有のリスクも存在する。 したがって、これらのリスクについても理解を深め、対策が打てるものについては 然るべき対応を行い、リスクを最小化する努力が必要である。 1)法令の運用上のリスク  WTO加盟を契機に人治国家から法治国家へと大きく舵を切り、法整備も急ピッ チで進められているが、その一方で、法制度の変更が突然実施されたり、法律の運用 が現場の判断や裁量に委ねられているために、地域や行政担当者によって対応が異 なるなどの法令の運用上のリスク法令の運用上のリスクがある。  例えば、輸入規制対象品目や対応すべきルールが突然追加されたり、同じ商品で も通関地や税関の担当者によって、判断が異なったりする等のケースが多々報告さ れている。 2)政治リスク  日本とは異なる政治体制を持つ国であり、経済活動への中国政府の中立性が必ず しも明瞭でない。 3)代金回収のリスク  詐欺など悪質なケースの他にも、相手先が突然倒産してしまうケース、代金支払 いをできるだけ先延ばしにするという中国の商習慣などにより、代金の回収が滞る ケースが数多く報告されている。したがって、取引を始める前に相手先の信用調査信用調査※※ をしっかり行うことはもちろんのこと、取引開始後も相手先の業績のチェックや売 掛金の管理などの与信管理与信管理が重要である。 4)知的財産リスク  ニセモノや商標などの「知的財産」に関しても、多くの日本企業が中国で深刻なト ラブルや損害にあっている。このため、知的財産リスク知的財産リスクについても、法的予防策法的予防策など 然るべきリスク対応を行い、その影響を最小化する努力が欠かせない。

※【参考】 信用調査レポートサンプル http://www.cofaceservices.jp/icr_j.html

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▶中国貿易ビジネスにおける主なリスク

■法令の運用リスク 法制度の運用が統一されていない。突然変更される。情報 が伝わりにくい。 ■政治リスク 経済活動への中国政府の中立性が不明瞭。政治問題が通 関などに影響を及ぼすことがある。日中間の政治問題が 大規模な対日デモや不買運動を引き起こす。 ■代金回収リスク 取引詐欺や突然の倒産、支払いを先延ばしにする商習慣 などにより、代金回収が出来なくなる、もしくは時間がか かる。 ■知的財産リスク ニセモノの氾濫や商標権をめぐるトラブルの多発。 MEMO

(11)

第 1 章   中 国 概 況

▶貿易に関わる

 行政機関

    

貿易に関わる行政機関と政治

(1)貿易に関わる行政機関

 中国では日本の内閣にあたる国務院国務院が最高機関であり、国務院傘下の部門と直 属機講が、それぞれの管轄範囲の法的管理を行っている。国務院のトップが総理総理(首 相)である。

■商務部  通商産業政策・国際貿易取引全般 ■国家発展・改革委員会  食糧・綿花輸入関税割当等 ■環境保護部  環境規制(化学品・廃棄物管理) ■衛生部 ■工業・情報化部  工業、情報通信業における環境規制等 ■中国人民銀行  外為管理 ■その他(省略) 国家能源(エネルギー)局 省エネ規制等 国家食品薬品監督管理局 食品・医薬品・化粧品管理 ■海関(税関)総署  輸出入通関 ■国家質量監督検験検疫総局  商品検査・動植物検疫 ■国家工商行政管理総局  企業登録・商標登録 ■国家知識産権局  特許権(発明)・意匠権(デザイン)管理 ■国家安全生産監督管理総局  危険化学品管理 ■その他(省略) 国務院は、日本の内閣にあたる中国の最高行政機関であり、国務院弁公庁、27の部・ 委員会等、16の直属機構、その他直属事業体などで構成されている。 部・委員会機講 直属機講 国務院 【最高行政機関】 【参考】 【参考】中国における法体系概要 *このほか、省・自治区・直轄市、大都市の地方人民代表大会・常務委員会が制定する地方性法規、地方政府が制定する 法規別 制定機関 法規例 法律(国家主席令) 「~法」 全国人民代表大会・常務委員会 ・中華人民共和国対外貿易法・中華人民共和国輸出入商品検査法 ・中華人民共和国製品品質法  行政法規・条例(国務院令) 「~条例」が多い 国務院 ・貨物輸出入管理条例・輸出入商品検査法実施条例 ・危険化学品安全管理条例    部門規章 (~弁法、公告、規定、 細則など様々) 国務院の構成機構である 各部委員会 ・強制性製品認証管理規定(CCC)・機電製品輸入割当管理実施細則 ・電子情報製品汚染予防管理弁法(中国RoHS) 標準・規格 (GB~、GB/T~※) 標準化行政部門 ・保健(効能)食品ラベル標準 GB16740-1997 ・電子電気製品中使用制限物質の濃度制限値要求  GB/T26572-2011 ※GB:強制性国家標準 GB/T:推薦性国家標準  その他に業種標準(環境保護標準HJ~、自動車 業標準QC~など)や地方標準DB~などがある)

(12)

▶主な国家機構と中国共産党中央組織機講概略

【行政機関】 国務院総理 国務院 【国家最上位 行政機関】 国務院 常務会議 任命・指名 選出 【国家権力機関】 全国人民代表大会 (全人代) ・1級(省級)行政区と香港・マカ オの各特別行政区、および軍隊 が選出する代表によって構成。 ・毎年1回3月頃開催 【国家最高権力機関】 全人代 常務委員会 選出 総書記 国家主席 【中国共産党中央組織】 中国共産党全国代表大会 【党の最高指導機関】 5年毎に開催 党中央委員会 中央政治局常務委員会 (委員7名) 国家主席(総書記)、全人代常 務委員会委員長、国務院総理 (首相)など国家中枢機関の トップを占める。 中央政治局委員会 決定

(2)国家機関と中国共産党

 国務院が日本の内閣にあたる行政機関であるのに対し、全人代全人代は、日本の国会に あたる中国国家の最高権力機関かつ立法機関で、1級(省級)行政区と香港・マカオ の各特別行政区、および軍隊が選出する代表によって構成され、共産党員でない人 も含まれる。全人代は毎年1回3月ごろ、10日間程度開催されている。  中国の国の代表である国家主席国家主席は、全人代により選出されるが、その権限は、法律 権、人事権、外交権など、象徴的な役割が中心である。とはいえ、国家主席は中国共産 党の総書記総書記も兼任しており、実質的な政治的権力を持っていると言える。  中国共産党は全国に8,000万人以上の党員を抱えており、5年毎に開催される中中 国共産党全国代表大会 国共産党全国代表大会が党の最高指導機関である。そこで選出される中央委員会に よって、総書記総書記と中央政治局委員中央政治局委員が選出されるが、この中央政治局委員、特にそのう ちの常務委員常務委員は党内の最高指導部であり、かつ国家主席、全人代常務委員会委員長、 総理など国家中枢機講のトップを占める。したがって、中国の国家の運営は実質、中 国共産党の方針に基づき行われていると言える。  2012年11月の第18回中国共産党全国代表大会では、この党の最高指導部である 中央政治局常務委員の顔ぶれが10年ぶりに一新され、習近平習近平氏が総書記に選出さ れた。また、常務委員は、これまでの9名から7名に減員された。  そして、2012年3月の第12期全人代において、習近平氏は国家主席に、李克強氏 が首相に就任した。

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第 1 章   中 国 概 況

    

地方行政区と主な都市

 中央政府(国務院)の下には、4つのレベルの階層に区分された地方政府がある。  まず、省級の行政区は4直轄市、22省、5自治区の31の行政区から成る。なお、31 行政区には含まれないが、この他に特別行政区の香港、マカオがある。  一口に省級行政区とは言っても、その経済レベルには格差があり、一人当たりの GRPで比較すると、1位の天津市と31位の貴州省では約5倍もの開きがあり、同じ 行政区内でも都市部と農村部での経済格差も大きい。  次に省級行政区省級行政区の下には、市レベルの地級行政区地級行政区があり、そして、地級行政区の下 には県級行政区県級行政区、更にその下に郷鎮級行政区郷鎮級行政区があり、その各レベルに行政組織があ り、中央政府の指示は、上級行政組織から下級行政組織へと伝えられていく。  このような構造のため、中央政府で決めた法令が地方行政レベルに伝わり、浸透 するまでに時間がかかるほか、中央で制定した法令に基づき、地方政府が制定する 「施行細則」の内容が地域により異なる場合がある。

▶省級行政区と省都

中央政府 省級 地級 県級 出典: 『中国まるごと百科事典』 http://allchinainfo.com/ 指 示

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省級行政区 日本語読み方 英語表記 省都 日本語読み方 英語表記 北京市 ぺきん Beijing       天津市 てんしん Tianjin       河北省 かほく Hebei 石家荘 せきかそう Shijiazhuang 山西省 さんせい Shanxi 太原 たいげん Taiyuan 内モンゴル

自治区 うちもんごる MongoliaInner 呼和浩特 ふふほと Hohhot 遼寧省 りょうねい Liaoning 瀋陽 しんよう Shenyang 吉林省 きつりん Jilin 長春 ちょうしゅん Changchun 黒龍江省 こくりゅうこ Heilongjiang 哈爾浜 はるびん Harbin 上海市 しゃんはい Shanghai       江蘇省 こうそ Jiangsu 南京 なんきん Nanjing 浙江省 せっこう Zhejiang 杭州 こうしゅう Hangzhou 安徽省 あんき Anhui 合肥 ごうひ Hefei 福建省 ふっけん Fujian 福州 ふくしゅう Fuzhou 江西省 こうせい Jiangxi 南昌 なんしょう Nanchang 山東省 さんとう Shandong 済南 さいなん Jinan 河南省 かなん Henan 鄭州 ていしゅう Zhengzhou 湖北省 こほく Hubei 武漢 ぶかん Wuhan 湖南省 こなん Hunan 長沙 ちょうさ Changsha 広東省 かんとん Guangdong 広州 こうしゅう Guangdong 広西チワン族 自治区 こうせいちわんぞく Guangxi 南寧 なんねい Nanning 海南省 かいなん Hainan 海口 かいこう Haikou 重慶市 じゅうけい Chonping       四川省 しせん Sichuan 成都 せいと Chengdu 貴州省 きしゅう Guizhou 貴陽 きよう Guiyang 雲南省 うんなん Yunnan 昆明 こんめい Kunming チベット自治区 ちべっと Tibet 拉薩 らさ Lhasa 陜西省 せんせい Shaanxi 西安 せいあん Xian 甘粛省 かんしゅく Gansu 蘭州 らんしゅう Lanzhou 青海省 せいかい Qinghai 西寧 せいねい Xining 寧夏回族自治区 ねいかかいぞ Ningxia 銀川 ぎんせん Yinchuan 新疆ウイグル 自治区 しんきょうういぐる Xinjiang 烏魯木斉 うるむち Urumqi

▶省級行政区と省都の表記について

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第 1 章   中 国 概 況

▶省級行政区別経済概況(2012年)

省級行政区 GRP(名目)(億元) 一人当たり(名目)(元) 都市部家庭一人当たり可処分収 入(元) 農村部家庭一人 当たり純収入 (元) 北京市 17801.0 87091 36468.8 16475.7 天津市 12885.2 93110 29626.4 14025.5 河北省 26575.0 36584 20543.4 8081.4 山西省 12112.8 33628 20411.7 6356.6 内モンゴル自治区 15988.3 64319 23150.3 7611.3 遼寧省 24801.3 56547 23222.7 9383.7 吉林省 11937.8 43412 20208.0 8598.2 黒龍江省 13691.6 35711 17759.8 8603.8 上海市 20101.3 85033 40188.3 17803.7 江蘇省 54058.2 68347 29677.0 12202.0 浙江省 34606.3 63266 34550.3 14551.9 安徽省 17212.1 28792 21024.2 7160.5 福建省 19701.8 52763 28055.2 9967.2 江西省 12948.5 28799 19860.4 7829.4 山東省 50013.2 51768 25755.2 9446.5 河南省 29810.1 31723 20442.6 7524.9 湖北省 22250.2 38572 20839.6 7851.7 湖南省 22154.2 33480 21318.8 7440.2 広東省 57067.9 54095 30226.7 10542.8 広西チワン族 自治区 13031.0 27943 21242.8 6007.5 海南省 2855.3 32374 20917.7 7408.0 重慶市 11459.0 39083 22968.1 7383.3 四川省 23849.8 29579 20307.0 7001.4 貴州省 6802.2 19566 18700.5 4753.0 雲南省 10309.8 22195 21074.5 5416.5 チベット自治区 695.6 22757 18028.3 5719.4 陜西省 14451.2 38557 20733.9 5762.5 甘粛省 5650.2 21978 17156.9 4506.7 青海省 1884.5 33023 17566.3 5364.4 寧夏回族自治区 2326.6 36166 19831.4 6180.3 新疆ウイグル 自治区 7466.3 33621 17920.7 6393.7 出典:「2013中国統計摘要」 ※一人当たりのGRPで比較すると、1位の天津市と ※一人当たりのGRPで比較すると、1位の天津市と  31位の貴州省では約5倍もの開きがある。  31位の貴州省では約5倍もの開きがある。

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▶主な都市❶

■北京:Beijing 【特徴】  中国の首都である北京市は、政治、経済、教育、文化の中心地で、華北地区最大の都市であ り、面積は日本の四国に相当する。上海に次ぐ第2の経済都市であり、中国のシリコンバ レーと呼ばれる中関村にはインテル、サンマイクロシステム、オラクル、IBMなど世界トッ プのハイテク企業が集まっている。  また、国際的な観光都市としても名をはせており、万里の長城や故宮、頤和園といった歴 史遺産の宝庫でもある。  北京人は面子(メンツ)を何よりも大切にする人たちといわれ、買い物も太っ腹な買い方 をする人が多いという。  気候は大陸性気候に属し、一年を通して気温の差が激しく、降水量が少ない。夏は気温は それほど上がらないが日差しがかなり強く、冬はマイナス10℃以下になることもあり厳し い寒さである。 (出典:JETRO調査レポート「北京スタイル」)  面積:約16,411平方キロメートル   常住人口:2,069万人(2012年)  GRP:1兆7,801.0億元(2012年)  都市部住民一人あたり可処分所得:36,468.8,元(2012年)         (出所:「中国統計摘要2013」)  在留邦人:10,355人(出所:平成24年版海外在留邦人数調査統計) ● ●JETRO調査レポート 「北京スタイル」  http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/reports/07000594  ● ●JETROウェブサイト 国・地域別情報 中国エリア別情報 華北  http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/kahoku/ 成田→北京 4時間 北京→上海 2時間 北京→広州 3時間 ★ ★ ★ ★北京

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第 1 章   中 国 概 況 ■上海:Shanghai 【特徴】  アヘン戦争後に締結された南京条約により、対外貿易港として1843年に開港。1845年 に英国が租界を設置し、以後列強諸国がこれにならった(租界は1943年まで存続)。この租 界時代に建設された高層西洋建築が立ち並ぶ外灘は上海最大の観光スポットであり、現在、 これらの建築物には高級ショップやレストランなどが数多く入居する。  1990年に浦東地区の開発が国家プロジェクトとして開始されたことを契機に、世界でも 有数の巨大商業都市となり、2010年に開催された上海万博では、その発展した姿を世界中 にアピールした。  富裕層の多さとその購買力を背景に、他の都市の先陣を切ってライフスタイルの先進国 化が進んでおり、日本企業の進出事例でも、医療・介護関連サービスなど、多様なサービス産 業の進出が目立つ。  気候は亜熱帯海洋性気候に属し、夏は高温多湿、冬は寒さが厳しく乾燥する。  面積:約6,341平方キロメートル  常住人口:2,380万人(2012年)  GRP:2兆101.3億元(2012年)  都市部住民一人あたり可処分所得:40,188.3元(2012年)                   (出所:「中国統計摘要2013」)  在留邦人:56,481人(出所:平成24年版海外在留邦人数調査統計) ● ●JETROウェブサイト 国・地域別情報 中国エリア別情報 華東  http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/katoh/ ● ●JETROウェブサイト 上海市流通マップ  http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/reports/07001364 成田→上海 2時間50分 上海→北京 2時間30分 ★ ★上海 ★

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■広州:Guangzhou ★ ★ 成田→広州 5時間30分 ★広州 広州→上海 2時間

▶主な都市❷

【特徴】  広東省の省都であり、華南地区最大の都市である。中国最古の対外通商港として栄え、古 くから対外貿易の窓口として、全国の産品がこの地に集まり、そして世界中に散っていくと いう集散地機能をもっている。  現在においても、中国最大のトレードフェアである中国輸出入商品交易会が毎年春秋2 回、開催されており、開期中、毎回100以上の国と地域から16万人以上のビジネスマンが広 州を訪れる。  消費市場としても中国最大規模であり、「宵越しの金は持たない」という人々が、1200万 の規模で居住する中国国内で最も消費の旺盛な都市と言える。  気候は海洋性季節風気候に属し、雨が多く、一年の温度差が少なくて夏が長い。 (出典:JETRO調査レポート「広州スタイル」)    面積:約7,434平方キロメートル    常住人口:1,271万人(2010年)  GRP:1兆3,551.21億元 (2011年)  都市部住民一人あたり可処分所得:38,054元(2012年)          (出所:2012広州市国民経済社会発展統計公報)  在留邦人:6,183人(出所:平成24年版海外在留邦人数調査統計) ● ●JETRO調査レポート 「広州スタイル」  http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/reports/07000526  ● ●JETROウェブサイト 国・地域別情報 中国エリア別情報 華南  http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/kanan/

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第 1 章   中 国 概 況 ■天津:Tianjin ★天津 【特徴】  今でも日米欧各国の租界だった街並みが見られ、歴史情緒を感じさせる一面を持つ天津 であるが、ここ数年大きく変貌している。  従来、脚光をあまり浴びることがなかったが、2006年に策定された第11次5カ規画に よって、天津浜海新区の開発が、深圳経済特区や上海浦東新区の規模を上回る国家開発プロ ジェクトとなると、天津は中国第3の成長エンジンとして大きく注目を集めるようになっ た。その発展の牽引役となっている天津経済技術開発区(TEDA)には、トヨタ自動車、モト ローラ、サムスンなど世界的な企業が続々と進出した。  また、市街地にも、伊勢丹、ユニクロなど日系のほか、多くの外資系や地場系の小売店舗や 商業ビルが至るところで増えており、その街並みが大きく変貌している。  気候は温帯大陸性気候に属し、四季がはっきりとしていて、春秋が短く、夏の暑さ、冬の寒 さが厳しい。(出典:JETRO調査レポート「天津スタイル」)    面積:約11,760平方キロメートル  常住人口:1,413万人(2012年)  GRP:1兆2,855.2億元 (2012年)  都市部住民一人あたり可処分所得:29,626.4元(2012年)        (出所:中国統計摘要2013)  在留邦人:2,631人(出所:平成24年版海外在留邦人数調査統計) ● ●JETRO調査レポート 「天津スタイル」  http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/reports/07000587 ● ●JETROウェブサイト 国・地域別情報 中国エリア別情報 華北  http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/kahoku/ ★ 名古屋→天津 3時間10分 天津→上海 2時間 ★天津 ★

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■成都:Chengdu ★成都

▶主な都市❸

【特徴】  日本の国土の約1.3倍の面積を持ち、中国で5番目の規模を誇る四川省の省都である成都 は、四川省のみならず西部地域の政治・経済・文化・交通の中心的役割を担っている。  成都市の重点産業のうち、特に電子情報産業では北京、深圳と並んで国家の3大モデル基 地の一つに指定されるなど重要拠点となっており、成都ハイテク産業開発区には500社以 上の外資企業が進出している。  内陸随一の消費市場としても注目を集めており、世界の有名ブランドが成都市に相次い で進出し、百貨店や大型商業施設が多く立ち並ぶ中心部の繁華街には、省内のみならず近隣 各省からも買い物客が訪れる。  歴史的に災害が少なく、土地も肥沃であったことから、成都の人々は、楽天的で大らかで あり、旺盛な消費意欲を持つ人々である。  気候は亜熱帯湿潤季節風気候に属し、盆地に位置していることから曇りと霧が多く、年間 日照時間は837.8時間と少ない。(出典:JETRO調査レポート「成都スタイル」)    面積:約12,390平方キロメートル  常住人口:1,417.8万人(2012年)  GRP:8,138.9億元(2012年)  都市部住民一人あたり可処分所得:27,194元(2012年)          (出所:2012成都市国民経済社会発展統計公報)  在留邦人:394人(出所:平成24年版海外在留邦人数調査統計)     ● ●JETRO調査レポート 「成都スタイル」  http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/reports/07000618 ● ●JETROウェブサイト 国・地域別情報 中国エリア別情報 西部  http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/seibu/ ★成都 ★ ★ 成田→成都 5時間55分 成都→上海 2時間40分

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第 1 章   中 国 概 況 ■武漢:Wuhan ★武漢 【特徴】  湖北省の省都であり、中部地域最大の商工業都市である。水源が豊富で中国で最大の市内 湖「東湖」をはじめ、市内にある湖の総数は170を超え、また、長江と長江最大の支流である 漢江が交わる場所であり、早くから交通の要衝として発展するなど、水の恩恵にあずかって きた都市である。  早期に経済発展が進んだ沿海部の北京、上海、広州の三大都市に比べると、GRPや年収など あらゆる面で、まだ大きな開きがあるが、水路、高速道路、鉄道、空港などのインフラ整備が急 速に進んでおり、沿海部に既に進出している日系企業の新たな生産拠点としても注目される。  また、中部6省(湖北、湖南、河南、安徽、山西、江西)の省都のなかで最も人口が多く、社会 消費品小売総額ではトップとなっている。大学の密集地であり、20代の人口が戸籍人口の 2割強を占めることも、力強い消費を牽引する要因のひとつと考えられている。  気候は、亜熱帯湿潤モンスーン気候に属し、四季がはっきりと分かれていて、降雨量が多 い。夏場は夏日が年間135日と長く、南京、重慶とともに「三大かまど」(夏の暑さが火を焚い たように熱い場所)に数えられるほど暑い。(出典:JETRO調査レポート「武漢スタイル」)  面積:約8,494平方キロメートル  常住人口:1,012万人(2012年)  GRP:8,003.82億元(2012年)  都市部住民一人あたり可処分所得:27,061元(2012年)          (出所:2012武漢市国民経済社会発展統計公報)  在留邦人:518人(出所:平成23年版海外在留邦人数調査統計) ● ●JETRO調査レポート 「武漢スタイル」  http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/reports/07000879 ● ●JETROウェブサイト 国・地域別情報 中国エリア別情報 中部 ★武漢 ★ ★ 成田→武漢 4時間10分 (2013年7月現在 直行便運休中) 武漢→上海 1時間40分

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■重慶:Chongqin ★重慶

▶主な都市❹

【特徴】  2本の川(長江、嘉陵江)に挟まれ、周囲を山々に囲まれた美しい山の街である重慶市は、長 江上流の経済中心地であり、人口約3,000万人を抱える巨大都市である。  同市は、1997年に北京、天津、上海に次ぐ直轄市となり、東西経済格差是正のため、2000年 から開始された一大国家プロジェクトである西部大開発の牽引役を果たす。  産業面では、「ノートパソコン、自動車、クラウドコンピューティング」の内陸拠点として有 名であるが、2011年より、重慶と欧州を結ぶ「渝※新欧州鉄道」が運行を開始し、内陸の製造拠 点のみならず中央アジア、欧州向け貿易・物流拠点としての地位も確立した。  消費市場としては、社会消費品小売総額が、全国主要都市で北京、上海、広州、深圳に次ぐ第 5位(2012年)となっており、高級ブランドバックを提げてショッピングをする市民も多く 見かける。  気候は亜熱帯気候に属しており、冬は暖かく、夏は、時には40度を超えるほどの酷暑であ る。霧の日が多いことに特色がある。 (出典:JETRO調査レポート「重慶スタイル」 ※渝は重慶の略称)  面積:82,400平方キロメートル  常住人口:2,945万人(2012年)  GRP:11,459億元(2012年)  都市部住民一人あたり可処分所得:22,968.1元         (出所:中国統計摘用2013)   在留邦人:362人(出所:平成24年版海外在留邦人数調査統計)     ● ●JETRO調査レポート 「重慶スタイル」  http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/reports/07001296 ● ●JETROウェブサイト 国・地域別情報 中国エリア別情報 西部  http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/seibu/ ● ●重慶統計局  http://jtj.ca.gov.cn/ ★ ★ 重慶→北京 2時間30分 成田→重慶 7時間30分 重慶→上海 2時間30分 ★

(23)

第 1 章   中 国 概 況 ■青島 :Qingdao ★青島 【特徴】  山東省の東端、黄海に面した風光明媚な港湾都市で、ドイツと日本の統治時代を経て発展し たことから、旧市街地の各所には今なお多くの西洋建築が残され、夏には国内外から多くの旅 行者が訪れる観光地となっている。  青島港は、国内有数の国際貿易港であり、主要貿易相手国・地域はEU・日本・韓国・米国など となっている。繊維の産地であるため、輸出品目ではアパレルが多い。  消費市場の観点からは、同市の小売総額の省内シェアはそれほど高くないものの、山東省の 消費市場は、31省市の中で広東省に次いで2位(2011年実績)と大きいため、同市を始点とし て省内近隣他都市に拡大していく多店舗展開戦略を想定しやすいといえる。また、市民の購買 力も順調に増加しており、近年、北京・上海・広州等の次に市場参入を狙う都市または競争の激 しい大都市をあえて避けて最初に進出する場所として青島の消費市場に関心を持つ外資系企 業もある。  気候は温帯夏雨気候に属し、夏は涼しく冬は寒い。四季がはっきりしていて、日本人にとっ ては比較的過ごしやすいといえる。(出典:JETRO調査レポート「青島・済南スタイル」)  面積:11,282平方キロメートル  常住人口:766万人(2011年)  GRP:7,302.11億元(2012年)  都市部住民一人あたり可処分所得:32,145元(2012年)          (出所:2012青島市国民経済社会発展統計公報)  在留邦人:2,119人(出所:平成24年版海外在留邦人数調査統計) ● ●JETRO調査レポート 「青島・済南スタイル」  http://www.jetro.go.jp/world/asia/reports/07001245 ● ●JETROウェブサイト 国・地域別情報 中国エリア別情報 華北  http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/kahoku/ 青島→上海 1時間30分 成田→青島 3時間30分 ★ ★

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■大連:Dalian ★大連

▶主な都市❺

【特徴】  大連は歴史的に日本と関係が深い都市である。現在は経済的な交流も進んでお り、製造業に加えIT・ソフトウェア産業やBPOサービスなどを提供する日本企業が 多数進出している。  投資先としての大連の魅力のひとつに、豊富な日本語人材の供給力があり、日本 企業のバックオフィス業務のオフショアサービスやコールセンター、日本向けソフ トウェア開発の現場などで活用されている。  対外貿易、国際物流の面では、中国で2番目に批准された大連大窯湾保税港区を 中心に、北東アジアの国際航運センターの建設を進めるだけでなく、黒竜江省・吉林 省・遼寧省を貫く高速鉄道を2012年12月に開通させるなど、中国東北部の主要都 市のひとつとして、その存在感はますます大きくなっている。  面積:12,574平方キロメートル  常住人口:669万人(2010年)  GRP:7,002.8億元(2012年)  都市部住民一人あたり可処分所得:27,539元(2012年)        (出所:2012大連市国民経済社会発展統計公報)  長期滞在邦人数:6,175人(2012年現在)        (出所:平成24年度海外在留邦人数調査統計)      ● ●JETRO調査レポート 「大連概況」  http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/tohoku/pdf/overview_05_dalian_1212.pdf ● ●JETROウェブサイト 国・地域別情報 中国エリア別情報 東北  http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/tohoku/ ★ ★ 成田→大連 約3時間 大連→上海 1時間40分~ 2時間

参照

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