奈良教育大学学術リポジトリNEAR
小学生における宿題の分析
著者 杉村 健, 多喜 裕美
雑誌名 奈良教育大学教育研究所紀要
巻 27
ページ 79‑91
発行年 1991‑03‑01
その他のタイトル Analyses of Children's Home Work in an Elementary School.
URL http://hdl.handle.net/10105/6759
小学生における宿題の分析
杉 村 健・多 喜 裕 美
(心理学教室)
要旨:2、4、6年生の国語と算数の宿題について組織的に調査を行なった。
学年が進むにつれて、宿題に要する時間、宿題をいっもしている者、学習塾に 通っている者は増加するが、宿題が好きな者、宿題が成績の向上や授業の理解
に役立っと考えている者、復習や予習をする者は減少する。男女差は国語の方 が大きい。成績と宿題との関係は2年生よりも4、6年生で強い。成績の良い 者は良くない者と比べて、宿題をいっも、自分から進んでしており、2年生で は親に見てもらう者が少なく、国語の予習をし、算数の宿題が役に立っと考え ている。
キーワード:学年差、男女差、宿題の効用、宿題と成績
子供たちの家庭学習の様子をみると、ほとんどの場合、宿題があればまず宿題をし、それから 宿題以外の復習や予習をし、そのあとで、ゆとりがあれば自主的な学習をする。このように、少
なくとも小学校の問は、家庭学習の中心は宿題であるといえる。ときには、子供の自主的な家庭 学習を妨げるので、宿題は不必要であると主張する人もいるが、宿題をする習慣が身についてい
ない子供が、自主的に家庭学習を行なっているとは考えられない。しかし、子供たちが宿題を進 んでするかしないかは、宿題の内容、分量、出し方などに依存していることに注意しなくてはな らない。杉村(1988)は、望ましい宿題として次の点を指摘している。
①宿題を出す前に、宿題のねらい、宿題の仕方、宿題の効果などについて、具体的に説明する ことが大切である。
②宿題の内容は、その日の授業と直接関係がある復習的宿題か発展的宿題、あるいは次の日の 授業と直接関係がある予習的宿題でなくてはならない。
③授業の中で当然教えなくてはならない重要事項を宿題にしてはいけない。授業時間が不足し たために、 残りは宿題 といったような宿題を出してはいけない。
④何分間勉強しなさいといった時間ぎめではなく、これだけ勉強しなさいといった分量ぎめの 方がよい。但し、低学年ではせいぜい30分以内、高学年でも40〜50分以内に完成できる分量が望 ましい。
⑤ドリル的宿題ばかり続けると、宿題に対して いやだ 退屈だ といった否定的な気持ち
Analyses of Children s Home Workin an Elementary School.
Takeshi SUGIMURA and Hiromi TAKI
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だけが先行してしまい、宿題嫌いになる。
⑥宿題を出したら、何らかの方法で必ず点検しなくてはならない。点検することにより、望ま しい宿題であったか否かがチェックできるし、子供に宿題をしなくてはならないという気持ちを 起こさせる。
ある小学校で行なった宿題に関する調査(杉村・井上・豊田,1986)によれば、宿題をいつも 忘れずにしている者は、2年生86%、4年生65%、6年生70%であり、全く宿題をしていない者 は、同じ順に3%、4%、5%であった。また、成績上位群の4年生と6年生では85%の者が宿 題をいっも忘れずにやっており、成績下位群の4年生では40%、6年生では55%の者であった。
この結果から、宿題をする習慣と学業成績との間には有意な関係があることが明らかである。し かし、この研究では単に宿題をしているかどうかを尋ねただけであって、それ以上の情報が得ら れていない。そこで本研究では、日常的に宿題が出されていると考えられる国語と算数について、
宿題の頻度と量、宿題への取り組、宿題への親の関与、宿題の効用、家庭学習、宿題の内容の好 き嫌いの実態を明らかにするために調査を行なった。最近、Chen and Stevenson(1989)は、宿 題の量、宿題に対する子供の考え方、親の援助などについて、アメリカ(シカゴとミネアポリス)、
中国(北京と台北)および日本(仙台)の比較を行い、興味ある結果を得ている。本研究の調査項目 を作成するにあたり、この研究で用いられている項目も参考にした。
方 法 諷査対象
表1に示したように、本研究の調査対象は小学校2年生、4年生、6年生それぞれ3学級ずつ で、男女合計308名であった。
調査内容
(1)宿題−表2は、国語の宿題に関する調査項目を示したものである。(1)〜(3)は宿題 の頻度と量に関する項目、(4)〜(6)は宿題への取り組みに関する項目、(7)と(8)は宿題への 親の関与に関する項目、(9)〜(11)は宿題の効用に関する項目、(12)〜(14)は学習塾を含めた家 庭学習に関する項目、(15)と(16)は宿題の内容の好き嫌いに関する項目である。算数の項目は、
各項目の国語の部分を算数に替えたものである。
表1 調査対象の内訳(人数)
学 年
2 4 6
合計
男児 44 42 63 159 女児 47 47 55 149
合計 91 89 118 308
表2 宿題に関する調査項目(国語)
(0)国語の授業は好きですか。
1 はい 2 いいえ 3 どちらでもない 宿題の頻度と量
(1)一週間にどのくらい国語の宿題がありますか。
1 毎日 2 ときどき 3 なし
(2)国語の宿題をするのに、どのくらいかかりますか。
だいたい 分くらい
(3)国語の宿題は多いと思いますか、少ないと思いますか。
1 少ない 2 ちょうどよい 3 多い 宿題への取り組み
(4)国語の宿題はいつもしていますか。
1 はい いつも 2 ときどき 3 いいえ
(5)国語の宿題は自分から進んでしていますか。
1 はい いつも 2 ときどき 3 いいえ
(6)国語の宿題をするのは好きですか。
1 すき 2 きらい 3 どちらでもない 宿題への親の関与
(7)国語の宿題をするとき、親にみてもらいますか。
1 はい いつも 2 ときどき 3 いいえ
(8)国語の宿題がすんだあとで、親にみてもらいますか。
1 はい いつも 2 ときどき 3 いいえ 宿題の効用
(9)国語の宿題をすれば、勉強がわかるようになると思いますか 1 はい 2 いいえ 3 わからない
(10)国語の宿題をすれば、よく覚えられると思いますか。
1 はい 2 いいえ 3 わからない
(11)国語の宿題をすれば、成続が良くなると息いますか。
1 はい 2 いいえ 3 わからない 家庭学習
(12)宿題のほかに、国語の復習をしていますか。
1 はい いつも 2 ときどき 3 いいえ
(13)宿題のほかに、国語の予習をしていますか。
1 はい いつも 2 ときどき 3 いいえ
(14)学習塾で国語の勉強をしていますか。
1 はい 2 いいえ 宿題の内容の好き嫌い
(15)国語の宿題の中で、一番すきなものはなんですか。
すきなもの
(16)国語の宿題の中で、一番きらいなものはなんですか。
きちいなもの
(2)学業成績一一1学期末の国語、算数、社会、理科の成績(素点)を調査校から提供して もらった。教科ごとの素点の幅が狭いので、学業成績の測度としては4教科の合計点を用いた。
調査手続き
著者と心理学専攻の学生によって午前中に各教室で実施した。 これから学校の宿題(学習塾の 宿題は除く)について尋ねます。成績に関係しないから、思ったとおりに答えてください と教 示して、最初に国語について尋ねた。質問項目(2)については1週間平均して大体何分くらいか を記入させ、質問項目(15)と(16)については、それぞれ好きなもの、嫌いなものを1つずつ記入
させた。特にないときは記入しなくてもよいことにした。以上の3項目以外については、1、2、
3(あるいは1、2)のいずれか1つに○印を付けさせた。国語に続いて算数の宿題について尋ね た。
結果と考察
国語の宿題
(1)全員の結果−表3は、学年別、男女別の回答の割合(%)と、学年ごとに男女差をみる ためのズ2検定および回答1(項目3のみ回答3)の割合について角変換値による分散分析の結果 を示したものである。但し、宿題に要する平均時間は通常の分散分析の結果である。
国語の授業丁一一一 国語の授業が好き と答えた者は2年生は60%であるが、4年生と6年生で は僅かに15%である。3学年を通じて 好き と答えた者は女児の方が多く、特に4年生の男 児では70%以上の者が きらい と答えており、6年生の男児では60%に近い者が どちらで もない と答えている点が注目される。国語の教材や授業の方法なども関係していると考えら れるが、高学年になると、なぜ国語が嫌われるようになるのか、特に男児においてその傾向が強 いのはなぜかを詳細に検討する必要がある。
宿題の頻度と量− 一週間に毎日宿題がある と答えた者は、18%から36%に増加しており、
なし と答えた者は全くいない。学年が進むにつれて、宿題の頻度が増加するのは事実であろ うが、同じように教師が宿題を出しているのに、毎日と恩っている者もあれば、ときどきと思っ ている者もあるというように、子供によって受け取り方が異なることは興味深い。
宿題に要する平均時間は2年生から順に21分、31分、38分であり、学年とともに増加している。
しかし標準偏差をみると、2年生から順に19分、20分、19分であり、個人差がかなり大きい。同 じ宿題を与えられても、ある子供はせいぜい10分くらいでできるのに、ある子供は1時間以上も かかるのである。この事実に対して、教師はどのように対処すればよいであろうか。
宿題が多い と答えた者は2年生は12%であるのに、4年生と6年生では50%前後に達し ている。これは、国語の授業が嫌いな者の増加および宿題に要する時間の増加と対応している。
2年生と4年生では男女差があり、 ちょうどよい と答えた者は女児の方が多く、 多い と 答えた者は男児の方が多い。これは、 国語の授業が好き (項目0)、 宿題をいっもしている
(項目4)、 宿題をいっも進んでしている (項目5)と答えた者が男児よりも女児で多く、 宿題 をするのが嫌い と答えた者が男児に多いことと対応している。
宿題への取り組み− 宿題をいっもしている と答えた者は36%から72%に増加しており、
表3 学年別、男女別の回答の割合(%)−国語−
項 目
l 学 年 l 回 答 1 の
学 年 × 性 の 分 散 分 析 学 年 男 女 交 互 作 用
2 年 4 年 6 年
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頻 度 と 量 (2 )
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宿題を全くしていない者は極めて少なく、学年が進むにつれて宿題をする習慣がつくことを示唆 している。しかし、 宿題をいっも進んでしている と答えた者は50%前後で学年とともに増加 せず、また、 宿題をするのが好き と答えた者は2年生では50%を越えているものの、4年生 と6年生では10%強であることからみて、宿題はいつもしていても、好んで積極的にしているわ けではないといえる。項目4と5では男女差が有意であり、どの学年も男児よりも女児の方がい つも、そして進んで宿題をしており、宿題に対して意欲的に取り組んでいる。宿題が好きな者は 学年とともに減少し、4年生と6年生の男児ではほんの僅かしかいないが、宿題が嫌いな者は増 加し、4年生と6年生では50%前後に達する。宿題への取り組みについて男女の差が非常に顕著 であり、その原因を調べるとともに、学習指導などで十分に配慮する必要がある。
宿題への親の関与−親の関与に関する2つの項目の結果はよく似ている。2年生では40%前 後の者が宿題をするときいっも観に見てもらっており、すんだあともいっも親に見てもらってい る。一万、4年生では10%以下、そして6年生では皆無であり、見てもらわない者が80%を越え ている。これは、親に干渉されたくないという子供の気持ちの現れかもしれないし、親が教科内 容を理解できなくなったことによるのかもしれない。また、学習塾に頼るようになったのかもし れない。
宿題の効用 「 3項目とも学年差のみ有意であり、ほぼ同じ傾向を示している。2年生では80
%前後の者が宿題をすれば 勉強がわかるようになり よく覚えられるようになり 成績が 良くなる と思っている。これに対して、4年生で 勉強がわかるようになる と答えた者は5 5%いるが、 成績が良くなる と答えた者は37%しかなく、6年生では3項目とも45%前後で ある。このように、2年生では多くの者が宿題の効用を認め、宿題をすることによって授業が理 解できるようになったり、よく覚えられたり、成績が良くなると信じているが、4年生と6年生 では宿題の効用を認めている者は40〜50%にすぎない。宿題をいっもしている者が4年生では60
%、6年生では72%もいるのに、宿題が授業や成績に反映されると考えている者はそれほど多く ない。このことが、宿題や国語の授業を嫌いにしているのかもしれない。いずれにしても、宿題 をすれば勉強がわかるようになり、成績が良くなると子供たちが思うような内容の宿題を出すこ
とが大切である。
峯庭草翠−宿題のほかに国語の復習と予習をしている者は2年生では30%〜40%いるが、4 年生と6年生では10%以下であり、復習と予習を全くしない者は女児よりも男児の方が著しく 多い。復習と予習をしている者が学年とともに減少することは、先の研究(杉村ら,1986)で も示されている。高学年になると宿題で精一杯なのかもしれないし、宿題だけすればよいと 恩っているのかもしれない。あるいは、6年生では学習塾の勉強に時間がかかるのかもしれな い。学習塾に通っている者の割合は2年生と4年生ではあまり違わないが、6年生では約6割で ある。
(2)成績上位群と下位群の分析−学業成績と宿題の関係を調べるために、国語、社会、算 数、理科の学期末成績の素点の合計点を算出し、男女を込みにして上位と卜位からそれぞれ約30
%ずつの者を選んだ。2年生と4年生は上位群と下位群それぞれ27名ずつであり、6年生は35名
表4 学年別、成績別の回答の割合(%)一国語−
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ずつであった。なお、国語の宿題の場合は国語の成績、算数の宿題の場合は算数の成績というよ うに、教科ごとに群分けをする予定であったが、特に低学年の成績の得点分布が狭かったので、
4教科の合計点で群分けを行なった。表4は、学年別、成績別に回答の割合を示したものであり、
これについて表3と同様な検定を行なった。以下では、成績の主効果と交互作用およびェ2検定 が有意であった項目についてのみ考察する。
宿題に要する平均時間は2年生と4年生の下位群は上位群よりも10分多くかかっており、6年 生ではあまり違いがない。 宿題が多い と答えた者は2年生では両群とも少ないが、4年生と
6年生の下位群では65%前後もあり、上位群との間に大きな違いが見られる。
宿題をいっもしている と答えた者は、どの学年も上位群の方が明らかに多く、特に4年 生では上位群が74%であるのに、下位群は僅かに33%にすぎない。この結果は先の研究(杉村ら,
1986)と一致する。 宿題をいっも自分から進んでしている と答えた者は、2年生では成績に よってあまり違わないが、4年生と6年生では上位群の方が有意に多い。特に4年生で差が大き く、上位群は85%であるのに、下位群では僅か33%にすぎない。このように4年生と6年生では、
国語の宿題をいっも、そして進んでするか否かが4教科の成績と明らかに関係している。
親の関与については、2年生のみで有意差があり、下位群の52%の者が宿題をいっも親に見て もらっているのに対して、上位群でいっも見てもらっている者は26%である。このように、成績 が良くない子供の場合には、親が子供の勉強についていける問は、宿題をいつも見てやることが 多い。
家庭学習については、6年生の上位群では50%近い者が復習を全くしていないのに対して、下 位群では全員がいっもあるいはときどき復習をしていると答えている。成績下位群の者は、その 日に習ったことを覚えたり、理解しようと努力しているにちがいない。予習については逆の結果 であり、6年生の上位群では40%の者がいっもあるいはときどき予習をしているが、下位群では 83%の者が全く予習をしていない。4年生でも上位群では51%の者がいつもあるいはときどき予 習をしているが、下位群では78%の者が予習を全くしていない。このような結果は先の研究(杉 村ら,1986)と一致するものであり、4年生と6年生で学業成績と関係があるのは、復習よりも
むしろ予習であるといえる。
学習塾に通っている者は、4年生では上位群がやや多いが、2年生と6年生では上位群と下位 群が全く同じである。一般に、学習塾に通っている者の方が成績が良いとされているが、通塾の 動機によって成績が異なることが、先の研究(杉村,1982)で明らかにされている。 自分から進 んで 学習塾に通っている者は、通っていない者よりも成績が良いが、 親に言われて、友達に 誘われて 学習塾に通っている者は、通っていない者よりも成績が悪かった。
算数の宿題および国語との比較
(1)全員の結果−表5は、学年別、男女別に回答の割合(%)と検定の結果を示したもので ある。
算数の授業− 算数の授業が好き と答えた者は、2年生から順に64%、55%、39%であり
表5 学年別、男女別の回答の割合(%)−算数一
学年×性の分散分析 学年 男女 交互作用
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1/ 1
3 6 1
7 2
り ム A 1 4
°
D
l
1 27 3 2 30 14 19 17 5 7 6 l l l
(12 )2 − 4 8 5 5 5 2 26 伯 38 暮 40 6 2 5 1 * 3
家 庭 1
25 13 18 6 0 3 2 45 5 5 3 1 4 3
36 2 1 2 9 10 15 13 2 2 2 象*
(13 )2 25 6 4 45 * 29 47 39 3 8 6 0 4 9 学 習 3
(1 4 )1
39 15 2 6 8 1 3 8 19 6 0 3 8 4 9
1 30 4 0 1 3 5 6 2 45 53 6 0 64 8 2 l l 2 70 6 0 8 5 3 8 55 47 4 0 3 6 3 8
*p<.05 **p<.01
*p<,5 **p<.1
学年とともに減少する。しかし、国語で4年生と6年生がともに15%であったことと比べれば、
算数の方がかなり高い。この違いは特に男児で顕著であり、男児で国語の授業が好きな者は僅か に5%にすぎない。2年生では国語の授業も算数の授業も60%以上の者が好きであるのに、4年 生と6年生ではなぜこのような違いが生じるのであろうか。教科や授業に対する子供の好き嫌い は、子供を取り巻く教育環境によって作られるという前提に立てば、国語と算数の教材性の相違、
授業の方法や教師の授業への取り組みの相違などに原因を求めることができる。このことは、宿 題の好き嫌い(項目6)についても言えることである。
宿題の頻度と量− 1週間に毎日宿題がある と答えた者は4年生が34%で最も多く、2年 生と6年生は10%に満たない。国語の宿題と比較してみると、実際の頻度は別として、2年生と
6年生では国語の宿題が多く、4年生では算数の宿題が多いと受け取っている。
宿題に要する平均時間(標準偏差)は2年生から順に24(24)分、28(22)分、36(21)分であり、個 人差が大きく学年とともに増加する。この結果は国語の宿題とよく似ている。同じ日に国語と算 数の宿題がある場合には、両方の時間を機械的に合計すると、2年生から順に45分、59分、74分 を宿題に費やすことになる。
宿題が多い と答えた者は、2年生から順に18%、27%、30%であり、学年とともに増加 する。国語の場合は同じ順に12%、45%、52%であり、4年生と6年生で教科間に著しい違いが ある。実際に算数の宿題の方が少ないかもしれないが、国語よりも算数の授業が好きな者の方が 多いので、そのような授業の好き嫌いを反映しているのかもしれない。
宿題への取り組み一一 宿題をいっもしている と答えた者は44%から75%に増加するが、
宿題をいっも進んでしている と答えた者は、55%〜60%であって有意な学年差がない。これ ら2項目の割合は国語よりも算数の方がやや多いが、国語とよく似た結果である。 宿題をする のが好き と答えた者は2年生では60%であるのに、学年が進むにつれて減少し、6年生では 15%になっている。男女差も有意で男児の方が女児よりも多い。宿題をするのが好きな者(項目 6)と宿題をいっもしている者(項目4)を比較してみると、学年が進むにつれて項目6は減少す るが、項目4は増加し、また、2年生では項目6の方が多いが4年生と6年生では項目4の方が 多く、特に6年生で両項目の差が著しく大きい。このように、4年生と6年生では、算数の宿題 をするのは好きではないが、いっもしなくてはならないのである。3学年ともに、国語の宿題が 好きな者は算数の宿題が好きな者よりも少なく、特に、4年生では国語(13%)が算数(46%)より もかなり少ない。同様に、国語の授業が好きな者(15%)も算数(55%)と比べて著しく低い。これ らの結果から、特に、4年生の国語の授業の内容や方法、宿題の出し方などについて検討する必 要がある。
宿題への親の関与−項目7と8の結果はよく似ており、2年生ではいつも親に見てもらって いる者が40%前後であるが、4年生と6年生では極めて少ない。項目8では、2年生のェ2倍が 有意であり、宿題がすんだあとで親に見てもらわない者は男児の方が多い。他の項目では国語と 算数の違いが見られるが、この2項目では2つの教科の結果がよく似ている。
宿題の効用−3項目ともに学年が進むにつれて減少するが、6年生でも50%以上の者が宿題