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《副査)山本睡夢

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Academic year: 2021

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(1)

氏 名(本籍)

学位の種類 学位記番号 学位授与年月日 学位授与の要件 学位論文題名

論文審査委員

大仲賢二(神奈川県)

博士(学衛)

乙第19号

平成21年2月12日 学位規則第3条第3項該当

海水,海泥,カキ及び海産魚類から濫用した協加σvu屈龍σs並びにヒト 臨床例由来の猛γu加龍ロεの疫学的検討

(主査)福 山 正 文

(副査)松 田 基 夫

《副査)山本睡夢

       論 文 内 容 の 要 旨

 鷲厘。鰍肋爺α∫叙鰍〜η墨引s)は、海水や汽水を主な生息域とする低濃度好塩性のグラム陰性桿菌 である。丸運のヒトへの感染例は、1970年にRo!andがヒトの下肢餓傷部の皮膚滲出液から本菌分営に ついて報告したのが最初であるIRo㎞δ, R P.:New EngL J。 Med.,282:1306,1970)。本菌は、健康なヒ

トには感染しないが、肝疾患患者や免疫力の低下したヒトに感染して重篤な感染症を引き起こすこと から、近年注目されている。本塁感染症は、臨床症状の違いによって、経口感染璽、創傷感染型及び 胃腸型の3タイプに分類されている。とくに経口感染型では、発症すると高い理合で敗血症を起し、

重篤化して死亡率も高い。本菌の疫学曲調査に窟清学的手法や分子生物学曲手法が用いられているが、

詳細な報告はみられない。それ故に、無菌の感染源や感染経路については不明な点が多いのが実状で ある。また、薬剤感受性については、臨床治療に用いられている各種抗蕾剤に対する系続駒な検討は 行われておらず、その耐性度も明らかにされてないのが実状である。

 そこで著二者は、本菌の基礎蝕研究の一環として、自然環境下における本丁の分有状況と汚染丁丁の 調査を行い、本菌が海水、駿豆、カキ及び海産魚類の5.4〜5峯.8%に分奄していることを開らかにした

(大偉ら:感染症誌、7欲528、20Q2;OG曲8緬たJpn.」. Fbod Mic沁bi6L.25、89、2◎OS》。

 本研究の概要は:次のとおりである⑪

 最初に、海水、海泥、カキ及び海産魚類から分離した株《環境由来株)とヒト葭床由来株について

㎞daらの方法翻匠ma(蝕㎡αたJp鉱」. Med.騒BioL、37.241,1984》に準拠して盈清璽劉を行い、

薬剤感受性を検討した⑪次に、本菌の感染源や感染経路を明らかにする目酌で、パルスフィールド・

ゲル電気泳動lp蝋6d ge盤d舳phoresis:PFGE)法で解析を行った。

(2)

1.環境由来及びヒト臨床由来のMyμ η励σμs分離株の血清型別と薬剤感受性

 本研究には、環境由来の917株及び病院から分与されたヒト臨床由来の62株のレ:捌」 哲6%∫、合計 979株を用いた。前者の917株は、千葉県、東京都、徳島県の海水、海泥、カキ(1998年10月〜2000 年11月に採取、分離した)及び全国9カ所の海産魚類(2003年5月〜2004年9月に採取、分離した)、

後者のヒト臨床由来株は、全国11カ所及び海外で分離された株を用いた。Shimadaらの作成した 〃伽弱6螂の血清型(01〜018:017、018は欠番)を用いて血清型別を行ったところ、587株

(60.0%)が13血清型に直別されたが、残りの392株(40.0%)については型別不能であった。その戸 別不能株について、新たに019〜023の5つの血清型を追加作成して血清型別を行ったところ、122株 がこれらの血清型に型回することができた。そして、その結果語別不能株は最終的に270株(27.6%)

に減少した。

 環境由来の917株では655株(71.4%)が18血清型に型別され、それらの申では07が371株

(40.5%)と最も多く、続いて04が58株(6.3%)、022ぷ45株(4.9%)、019が37株(4,0%)であ った。しかし、残り262株(28.6%)は語別不能であった。一方、ヒト臨床由来の62株では54株

(87.1%)が8血清型に型別され、それらの中では04が27株(43.5%)と最も多く、続いて07が8株

(12.9%)、06が7株(11.3%)、01が5株(8.1%)で、残り8株(12.9%)は型別不能であった。こ の様に、血清型別に関する解析の結果、両方の由来株には共通して07と04が多く認められることか

ら、両血清型と譜面性との間には関連性があることが示唆される。

 次に採取した地域と血清型の異なる環境由来の191株とヒ」ト臨床由来の57株の計248株について、

20薬剤を用いて薬剤感受性試験を行い、各種薬剤に対するMinimum Inhibitory Concentration(MIC)go を検討した。環境由来株のMICgoは、 Meropenem(MEPM)とCiprofloxacin(CPFX)が各0.05μg/m1と最 も抗菌力が高く、次にDoxycycHne(DOXY)とMinocycHne(MINO)が各0.2μg/m1、 TetracycHne(TC)が 0.39μg/m1、 Chloramphenicol(CP)とNalidixic acid(NA)が各0.78μg/ml、 Cefotaxime(CTX)及び Erythromycin(EM)が各3.13μg/m1、 Gent㎜icin(GM)が6.25μg/ml、 Ampicillin(ABPC)、 Cefaloridine

(CER)、 Cefalotin(CET)及びCefoperazone(CPZ)が各12.5μg/m1、 Piperacillin(PIPC)、 Cefmetazole

(CMZ)、 Latamoxef(LMOX)及びAmikacin(A帝K)が各25μg/ml、 Kanamycin(KM)が50μg/m1、

Lincomycin(LCM)が100<μg/mlであった。環境由来株では、リンコマイシン系のLCMに対して耐性 株が認められた。一方、ヒト臨床由来株のMICgoはCPFXが0.05μg/mlと最も抗菌力が高く、続いて MINOが0.1μg/ml、 DOXYが0.39μg/m1、 TCとNAが各0.78μg/m1、 EMが3.13μg/ml、 GMが 12.5μg/ml、 CER、 CET、 KM及びAMKがいずれも50μg/mlであり、ABPC、 PIPC、 CPZ、 CTX、

CMZ、 LMOX、 MEPM及びLCMのいずれもが100くμg/mlであった。ヒト臨床由来株ではがラクタム 系やリンコマイシン系に対して耐性株が多く認められた。

 以上の様に、ヒト臨床由来株は環境由来株に比べて洛ラクタム系やアミノグリコシド系の薬剤に耐 性傾向が高いことが明らかになった。       

(3)

皿.環境由来株及びヒト臨床由来株の分子疫学的検討

 分子疫学的検討は環境由来の355株とヒト臨床由来の65株の計420株について、卵1と1>∂dを用い た無傷ゲノムDNA切断後のPFGEパターンで行った。その結果、!>b 1では312株(743%)で、溺1 では411株(97.9%)でそれぞれPFGEパターンが得られ、顕1の方がこれら7微」顧ごκs株の株間識 別能において優れていることが明らかになった。また、DNAの切断パターンで、〈b 1では約20〜600 1dlo base pah (kbp)の間に15本から22本のバンドが、卵1では20〜500 kbpの問に15本から22本のバ

ンドがそれぞれ確認された。次に、切断が高い割合で認められた制限酵素卵1で切断された411株

(環境由来の349株、ヒト臨床由来の62株)のPFGE像の類似度が89%以上の場合を同一群として Unweighted Pai卜Group Method with ArithmaUc mean(UPGMA)法によるクラスター解析を行った。そ の結果、同一群に属する環境由来株とヒト臨床由来株は少なく、18組のみが同一群に位置することが 明らかになった。また、一致した18組の中で4組(22.2%)は同一血清型であったが、他の14組

(77.8%)は異なる血清型であった。さらに、π捌1κ耽πεの採取場所別に解析したところ、採取場所が 同一地点であった18組中10組(55.6%)で同一血清型が認められたが、他の8組(44.4%)では異な っていた。なお、同一血清型が認められた10組中1組(10.0%)の7捌」π哲。駕sは東日本地域の海水と 西日本地域のカキからそれぞれ分離されたものであった。由来別では18組中15組(83.3%)が環境由 来株、2組(11.1%)がヒト臨床由来株、1組(5.6%)が環境由来株とヒト臨床由来株の両方の由来で

あった。

 以上の様に、y:捌励励πsの血清型別に関する解析で、既知の血清型に新たに筆者が追加作成した血 清型を加えて検討したところ、環境由来株では71.4%が、ヒト臨床由来株では87.1%がそれぞれ血清 型別されることが明らかになった。また、両由来株は共通して07や04に型別される菌株が多く認め

られ、両血清型と起病性との間に関連性があることが示唆された。

 薬剤感受性試験で、ヒト臨床由来株はAラクタム系やアミノグリコシド系の薬剤に対して耐性傾向 にあることが明らかになった。

 分子疫学的検討では、!>∂ 1では76.9%、翫1では97.9%の切断率がそれぞれ示され、本菌のゲノム DNAの切断には舗1が優れていることが明らかになった。さらに、溺1によってDNA切断した菌株の PFGEの泳動像をUPGMA法でクラスター解析を行ったころ、 PFGE法が本丸の分子疫学的解析に応用 可能であることが示唆された。

      論文審査の結果の要旨

 温温捌Zπ哲6鋸(γ膨」π旗%∫)は、海水や汽水を主な生息域とする低濃度好湿性のグラム陰性桿菌 である。本字のヒトへの感染例は、1970年にRolandがヒトの下肢創傷部の皮膚滲出液から本瓦を分離

したのが最初である(Roland, F. P.:New EngL J。 Med.,282:1306,1970)。本菌は、健康なヒトには感染

(4)

注目されている。本菌感染症は臨床症状の違いによって、経ロ感染型、創傷感染型及び胃腸型の3タ イプに分類されている。とくに経口感染型では、発症すると高い割合で敗血症を惹起し、重篤化して 死亡率も高い。本菌の疫学的調査に血清学的手法や分子遺伝学的手法が用いられているが、いずれに おいても詳細な報告は少なく、本菌の感染源や感染経路については不明な点が多い。また、臨床治療 に用いている各種抗菌剤に対する系統的な薬剤感受性については検討されておらず、その耐性度の実 態は明らかにされてないのが実状である。       ・

 そこで著者は、本菌の基礎的研究の一環として、自然環境下における本菌の分布状況と汚染菌量の 調査を行い、本菌が海水、海泥、カキ及び海産魚類の5.4〜54.8%に分布していることを明らかにした

(大仲ら:感染症誌、76:528、2002;Oonakaθ α .:Jpn. J. Food Microbiol.,25:89、2008)。

 本研究の概要は以下のとおりである。

 本研究では、海水、海泥、カキ及び海産魚類から分離した株(環境由来株)とヒト臨床由来株につ

いてShimadaらの方法(Shimada 6 α乙:Jpn, J. Med. Sci. BioL37:241,1984)に準拠して血清型別を行い、

薬剤感受性を検討した。次に、本館の感染源や感染経路を明らかにする目的で、パルスフィールド・

ゲル電気泳動(pulsed一五eld gel electrophoresis:PFGE)法で解析を行った。

工.環境由来及びヒト臨床由来の1乙γσ η ガ。ロs分離株の血清型別

 血清型別には、環境から分離した917株及び病院から分与されたヒト臨床由来の62株の合計979株 を用いた。前者の917株は、千葉県、東京都及び徳島県の海水、海泥、カキ(1998年10月〜2000年11 月に採取、分離した)並びに全国9カ所の海産魚類(2003年5月〜2004年9月に採取、分離した)か ら、後者のヒト臨床由来株は、全国11カ所及び海外で分離された株をそれぞれ用いた。Shimadaらの 作成したy:協肋哲。〃sの血清型(01〜018:017、018は欠番)を用いて血清型別を行い、587株

(60.0%)が13血清型に型別されたが、残りの392株(40.0%)については型別不能であった。その型 別不能株について、新たに019〜023の5つの血清型を追加作成して血清型別を行ったところ、122株 がこれらの血清型に型別された。その結果、型別不能株は最終的に270株(27.6%γに減少したことを 明らかにした。

 環境由来の917株では655株(71.4%)が18血清型に型別され、それらの中では07が371株

(40.5%)と最も多く、続いて04が58株(6.3%)、022が45株(4.9%)、019が37株(4.0%)であ ったが、残り262株(28.6%)は型別不能であった。一方、ヒト臨床由来の62株では54株(87.1%)

が8血清型に型別され、それらの中では04が27株(43.5%)と最も多く、続いて07が8株(12.9%)、

06が7株(11.3%)、01が5株(8.1%)であったが、残り8株(12.9%)は型別不能であった。この 様に、血清型別に関する解析の結果、両方の由来株には共通して07と04が多く認められ、両血清型

と起病性との間には関連性があることが示唆された。

(5)

皿.環境由来及びヒト臨床由来のMvμ1η 〃。σs分離株の薬剤感受性

 分離した地域と血清型の異なる環境由来の191株とヒト臨床由来の57株の計248株について、20薬 剤を用いて薬剤感受性試験を行い、各種薬剤に対するM㎞mum Inhibitory Concentration(MIC)を検討 した。環境由来株のMICg。は、 Meropenem(MEPM)とCipronoxacin(CPFX)が各0.05μg/m1と最も高い 抗菌力を示し、続いてDoxycychne(DOXY)とMinocycHne(MINO)が各0.2μg/mL Tetracycline(TC)が 0.39μg/ml、 Chloramphenicol(CP)とNalidixic acid(NA)が各0.78μg/ml、 Cefotaxime(CTX)、

Latamoxef(LMOX)及びErythromycin(EM)が各3.13μg/m1、 Gentamicin(GM)が6.25mg/ml、

Ampicillin(ABPC)、 Cefaloridine(CER)、 Cefalotin(CET)及びCefoperazone(CPZ)が各12.5μg/m1、

PiperaciUin(PIPC)、 Cefmetazole(CMZ)、 Latamoxef(LMOX)及びAmikacin(AMK)が各25μg/ml、

Kanamycin(KM)が50μg/ml、 Lincomycin(LCM)が100<μg/mlであった。環境由来株では、リンコマ

イシン系のLCMに対して耐性株が認められた。他方、ヒト臨床由来株のMICgoは、 CPFXが

0.05μg/mlと最も高い抗菌力を示し、続いてMINOが0.1μg/m1、 DOXYが0.39μg/m1、 TCとNAが各 0.78μg/ml、 EMが3.13μg/ml、 GMが12.5μg/ml、 CER、 CET、 KM及びAMKがいずれも50丁目/mlで あり、ABPC、 PIPC、 CPZ、 CTX、 CMZ、 LMOX、 MEPM及びLCMのいずれもが100<μg/m1であっ た。ヒト臨床由来株ではβ一ラクタム系やリンコマイシン系に対して耐性株が多いことを確認した。

 以上の様に、ヒト臨床由来株は環境由来株に比べてβ一ラクタム系やアミノグリコシド系の薬剤に耐 性傾向が高いことを明らかにした。

皿.環境由来株及びヒト臨床由来株の分子疫学的検討

 分子疫学的検討は環境由来の355株とヒト臨床由来の65株の計420株について、溺1と1% 1を用い た無傷ゲノムDNA切断後のPFGEパターンで行った。その結果、εβ1では411株(979%)で、 N∂ 1 では312株(74.3%)でそれぞれPFGEパターンが得られ、溺1の方がこれら7 π1%醇。螂株の株間識 別能において優れていることを明らかにした。また、DNAの切断パターンにおいて、八b♂1では約20

〜600kilo base pair(kbp)の間に15本から22本のバンドを、卵1では20〜500 kbpの間に15本から22 本のバンドをそれぞれ確認した。次に、切断が高い割合で認められた制限酵素舗1で切断された411 株(環境由来の349株、ヒト臨床由来の62株)のPFGE像の類似度が89%以上の場合を同一群として Unweighted Pair−Group Method with Arithma廿。 mean(UPGMA)法によるクラスター解析を行った。そ の結果、同一群に属する環境由来株とヒト臨床由来株は少なく、18組のみが同一群に位置することを 明らかにした。また、一致した18組の中で4組(¢2.2%)は同一血清型であったが、他の14組

(77.8%)は異なる血清型であった。さらに、y: 痂爺。κsの分離場所別に解析したところ、分離場所が 同一地点であった18組中10組(55.6%)で同一血清型を認めたが、他の8組(44.4%)では血清型が 異なっていた。なお、同一血清型を認めた10組中1カ日10.0%)の殉%1〃哲 π∫は東日本地域の海水と 西日本地域のカキからそれぞれ分離されたものであった。由来別では18組中15組(83.3%)が環境由

(6)

あった。

 以上の様に、7鱗1麗勧πsの血清型別に関する解析において、既知の血清型に新たに著者が追加作成 した血清型を加えて検討した結果、環境由来株では71.4%が、ヒト臨床由来株では87.1%がそれぞれ 血清型別されることを明らかにした。また、両由来株は共通して07や04に型別される菌株が多く認 められ、両血清型と起病性との問に関連性があることが示唆された。 ,

 薬剤感受性試験では、ヒト臨床由来株はβ一ラクタム系やアミノグリコシド系の薬剤に対して耐性傾 向にあることを明らかにした。

 分子疫学的検討では、溺197.9%、1% 176.9%にそれぞれPFGEパターンを認め、本菌のゲノム DNAの切断には溺1が優れていることを明らかにした。さらに、溺1によってDNA切断した菌株の PFGEの泳動像をUPGMA法でクラスター解析を行い、 PFGE法が本菌の分子疫学的解析に応用可能で あることを示唆する結果を得た。

 以上のように、本研究は7微」〃哲6螂の疫学的研究を行ったものであり、細菌学、公衆衛生学及び臨 床検査学の進展に寄与するところ大であり、博:士(学術)の学位授与に値する研究成果であると審査 員一同が認めた。       ・

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