421 必 須 知 識 420 これまでは、クレジットカード納付に対応している税目は地方税のみであ り、その地方税であっても自治体により納付できる税目が異なっていました。 しかし、平成28年度税制改正により、平成29年1月4日から国税の納付に ついてもクレジットカードによる納付手続きが可能となっています(e-Tax (国税電子申告・納税システム)経由の場合は、平成29年6月12日から利用 が開始されています)。クレジットカードで支払手続きが行える専用サイト で必要事項を入力し、指定納付受託者たるクレジットカード会社が納税者に 代わり立替払いをすることにより、納付手続きが完了します。 延滞税、利子税等の規定については、納税者による納付手続きの委託をク レジットカード会社が受けた日に国税の納付があったものとみなして適用し ます。
クレジットカード納付制度
税金の計算に関する端数の取扱い
所得や税金の計算にあたっては、わが 国の流通貨幣の単位にしたがい、1円単 位で行うのが原則です。しかし、実際に は納税者の負担や国の計算事務を軽減す るため、計算方法を簡便にする端数処理 のルールが設けられています。◆課税標準の端数処理
課 税 標 準 の 計 算 で は、 原 則 と し て 1,000円未満の端数は切り捨てます。ま た、その全額が1,000円未満の場合は、 全部をないものとして扱います。◆税額の端数処理
税額の計算では、原則として100円未 満の端数は切り捨てます。また、その全 額が100円未満の場合は、全部をないも のとして扱います。 所得税の申告納付の際は、復興特別所 得税を合わせた上で100円未満の端数を 切り捨てます。◆所得税の源泉徴収の特例
課税標準や税額の端数処理は、所得税 の源泉徴収には適用されません。これに ついては、課税標準、税額の計算とも復 興特別所得税の源泉徴収分を合算した上 で、1円未満の端数がある場合に、その 端数を切り捨てることになっています。◆附帯税の特例
利子税、延滞税、加算税などを附帯税 と呼びます。附帯税の計算の基礎となる 税額に10,000円未満の端数があるとき、 またはその全額が10,000円未満である ときは、その端数または全額を切り捨て ます。 附帯税に100円未満の端数があると き、またはその全額が1,000円未満(加 算税は5,000円未満)であるときは、そ の端数または全額を切り捨てます。 近年、税務署は国民の資産に関する情 報収集を強めています。背景には、高齢 化に伴う相続件数の増加や国外転出者の 増加などが考えられます。 まず、国外財産に係る所得税や相続税 などの適切な税務執行に資するため、平 成26年12月31日分から国外財産調書制度 が設けられました。さらに、平成27年12 月31日分からはこれに加え、従来あった 財産債務明細書の制度を改め、財産債務 調書制度が設けられました。 また、平成27年7月1日以後、国外転 出を行う場合、有価証券等の譲渡をおこ なったものとみなして所得税を課す制度 が導入されました。 近年、国外財産に係る所得の申告漏れ や相続財産の申告漏れが増加傾向にある ことから、内国税の適正な課税及び徴収 に資するため、一定額を超える国外財産 を保有する個人に対し、国外財産調書の 提出が義務付けられました。◆国外財産とは
国外財産に該当するか否かは、相続税 法上の規定により判断されます。社債・ 株式・出資などについては、原則として これらの発行法人の本店または主たる事 務所の所在地により国内外を判定しま す。ただし、国外の有価証券であっても 国内の金融機関に預け入れられているも のは対象外となり、国内の有価証券であ っても外国の金融機関に預け入れられて いるものは対象となります。◆国外財産調書の提出義務者
その年の12月31日時点において価額の 合計額が5,000万円を超える国外財産を 有する居住者は、国外財産調書を、翌年 3月15日までに、税務署長に提出する義 務があります。国外財産調書には、国外 財産の種類、数量および価額その他必要 な事項を記載します。◆国外財産の価額と円換算
国外財産の「価額」はその年の12月31 日時点の「時価」または時価に準ずるも のとして「見積価額」によるものとされ ています。 「時価」とは、12月31日における財産の 現況に応じ、不特定多数の当事者間で自 由な取引が行われる場合に通常成立する と認められる価額をいい、その価額は、 専門家による鑑定評価額、金融商品取引 所等の公表する12月31日(12月31日の最 終価格がない場合には、12月31日以前の 直近の日)の最終価格などをいいます。 未決済の信用取引やデリバティブは、 12月31日の最終価格に基づき決済したと みなして算出した利益又は損失額などに よります。 円換算は、その年の12月31日(12月31 日の最終価格がない場合は12月31日以前税務署への財産債務の申告と
国外転出時みなし譲渡益課税
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国外財産調書制度
422 423 必 須 知 識
◆提出義務者
財産債務調書の提出義務があるのは、 その年の所得要件と、その年の12月31日 時点で資産要件のいずれにも該当し、所 得税の確定申告義務がある人です。この 条件を満たす人は、翌年の3月15日(所 得税の確定申告期限の日)までに税務署 に財産債務調書を提出しなければなりま せん。 所得要件は、総所得金額および山林所 得金額の合計額が年2,000万円を超える ことです。総所得金額等4 ( 121ペー ジ参照)とは異なり、退職所得金額は含 まれません。したがって、総所得金額が 1,000万円、退職所得金額が2,000万円 である人は、所得要件に該当しません。 資産要件は、財産の価額が時価で3億 円以上あるか、または「有価証券等およ び未決済デリバティブ等」が時価で1億 円以上あるか、いずれかに該当すること です。 ここでいう財産には、預貯金、有価証 券、不動産、自動車、家財、書画骨とう など、あらゆる財産が含まれます。国外 において保有する財産も含まれます(国 外財産の価額と円換算の方法は、国外財 産調書と同様です。 421ページ参照)。 財産の価額が3億円以上というのは、 純資産が3億円以上という意味ではな く、債務を控除する前の金額で3億円以 上ということを意味します。したがって、 例えば財産が4億円あり、債務が2億円 ある人も、資産要件に該当します。 有価証券等および未決済デリバティブ 等とは、国外転出時のみなし譲渡益課税 ( 428ページ)の対象となる財産のこ とで、具体的には 次ページの⑥〜⑨ に該当する財産のことをいいます。 「時価」の考え方は、国外財産調書と 同様です( 421ページ参照)。◆財産債務明細書との関係
平成26年分所得の確定申告までは、 財産債務明細書制度が設けられていまし た。財産債務明細書は、その年の総所得 金額および山林所得金額の合計額が 2,000万円を超え、所得税の確定申告書 の提出義務がある人について、所得税の 確定申告書の提出の際、財産債務明細書 の提出を義務付けるものでした。財産債 務明細書はその年の12月31日における財 産および債務の金額等を記載するもので すが、資産要件はなく、所得要件に該当 する人はその財産の金額にかかわらず対 象になっていました。 財産債務明細書制度は平成26年分所 得に係るものをもって廃止され、財産債 務調書制度に引き継がれました。したが って、所得は2,000万円超ですが資産要 件に該当しない人については、財産・債 務に係る明細を税務署に提出しなくてよ くなりました。 なお、従来の財産債務明細書制度と比 べ、財産債務調書制度においては、調書 (明細書)に記載すべき内容が増えてい る他、税務署に質問検査権が認められる こと、調書の提出・不提出による過少申 告加算税・無申告加算税の加減算措置が 追加されていることなど、内容が強化さ れていますので注意してください。 の直近の日)における最終の為替相場(対 顧客直物電信買相場、TTB)またはこ れに準ずる相場を用います。◆国外財産調書の記載事項
国外財産調書には、提出者の氏名、住 所、国外財産の種類、数量、価額、所在 等について記載します。 記載すべき内容は、後述する財産債務 調書と同様です。 また、財産の区分別に国外財産の金額 を合計した国外財産調書合計表も作成 し、国外財産調書とともに税務署に提出 する必要があります。◆調書の提出・不提出による過少申
告加算税・無申告加算税の加減算
国外財産調書の提出を促進する施策と して、過少申告加算税・無申告加算税の 加減算措置があります。 国外財産に係る所得税の申告漏れまた は無申告(以下、申告漏れ等)を税務署 から指摘された際、当該申告漏れ等とな った所得に係る資産について、期限内に 提出された国外財産調書に記載があった ときは、過少申告加算税・無申告加算税 について当該所得税額の5%が減算され ます。他方、当該所得に係る資産につい て国外財産調書に記載すべきものだった にもかかわらず国外財産調書に記載がな かったときは当該所得税額の5%が加算 されます。 国外財産に係る相続税について申告漏 れ等を税務署から指摘された際、当該申 告漏れ等となった資産について、被相続 人または相続人の国外財産調書に記載が あるときは、過少申告加算税・無申告加 算税について当該相続税額の5%が減算 されます。◆罰則
国外財産調書の不提出・虚偽記載につ いては1年以下の懲役または50万円以 下の罰金(またはその併科)が科されま す。ただし、情状により罰則が免除され る規定もあります。財産債務調書制度
●調書の提出・不提出による過少申告加算税・無申告加算税の加減算 申告漏れ等となった所得(に係る資産) について、国外財産調書に記載がある とき 申告漏れ等となった所得(に係る資産) について、国外財産調書に記載がない とき 所得税の場合 当該所得税額の5%減算 当該所得税額の5%加算 相続税の場合 当該相続税額の5%減算 —424 425 必 須 知 識
◆罰則
財産債務調書の不提出・虚偽記載につ いては、現在のところ、国外財産調書の ような特別な罰則規定( 422ページ) は設けられていません。 もっとも、税務署には財産債務調書に 係る質問審査権が認められています。財 産債務調書を提出すべきなのに故意に提 出しなかったり、保有する財産の一部し か財産債務調書に記載しなかったりする などの不誠実な対応をした場合、本格的 な税務調査が行われる可能性も考えられ ますので、財産債務調書はしっかりと記 載して期限内に提出しましょう。◆記載事項
財産債務調書には、提出者の氏名、住 所、財産および債務の明細等を記載しま す。平成28年12月31日分からは、個人番 号(マイナンバー)も記載します。上の 表の①〜⑱の財産および債務の区分別 に、それぞれ次の事項を記載する必要が あります。用途別とは、一般用および事 業用に記載するという意味です。 国外財産調書の提出要件に該当する場 合、国外財産調書を提出するとともに、 同調書に記載した国外財産については、 財産債務調書にはその旨とその総額を記 載すれば足ります。 なお、①〜⑱の区分別に財産・債務の 金額を合計した合計表も記載して財産債 務調書と併せて税務署に提出する必要が あります。◆調書の提出・不提出による過少申
告加算税・無申告加算税の加減算
財産債務調書の提出を促進する施策と して、過少申告加算税・無申告加算税の 加減算措置があります。 財産債務調書に記載した財産または債 務に係る所得税の申告漏れまたは無申告 (以下、申告漏れ等)を税務署から指摘 された際、当該申告漏れ等につき期限内 に提出された財産債務調書に記載があっ たときには、過少申告加算税・無申告加 算税について、当該所得税額の5%が減 算されます。 他方、当該所得に係る資産について財 産債務調書に記載すべきものだったにも かかわらず財産債務調書に記載がなかっ たときには、過少申告加算税・無申告加 算税について、当該所得税額の5%が加 算されます。 相続税の申告漏れ等を税務署から指摘 された際、当該申告漏れとなった財産に ついて被相続人または相続人が期限内に 提出した財産債務調書に記載があるとき には、過少申告加算税・無申告加算税に ついて、当該相続税額の5%が減算され ます。 なお、国外財産調書に記載された財産 についても同様の規定があります( 422ページ参照)。 ●調書の提出・不提出による過少申告加算税・無申告加算税の加減算 申告漏れ等となった所得(に係る財 産・債務)について、財産債務調書に 記載があるとき 申告漏れ等となった所得(に係る財 産・債務)について、財産債務調書に 記載がないとき 所得税の場合 当該所得税額の5%減算 当該所得税額の5%加算 相続税の場合 当該相続税額の5%減算 − ●財産債務調書の記載事項 区分 区分の中の小分類 記載内容 備考 種 類 別 用途別※1所在別 価額 取得価額 その他 ① 財 産 土地 − ○ ○ ○ − 地所数、面積 庭園その他土地に附設したものを含む ② 建物 − ○ ○ ○ − 戸数、床面積 附属設備を含む ③ 山林 − ○ ○ ○ − 面積 林地は、土地に含ませる ④ 現金 − ○ ○ ○ − − − ⑤ 財 産 預貯金 当座預金、普通預金、定期預金等の別 ○ ○ ○ − − − ⑥ 有価証券※2 株式、公社債、投資信託、特定受益証券発行信託、貸付信 託等の別および銘柄別 ○ ○ ○ ○ 数量 − ⑦ 匿名組合契約の出資の持分 匿名組合の別 ○ ○ ○ ○ 数量 − ⑧ 未決済信用取引等に係る権利 信用取引および発行日取引の別ならびに銘柄別 ○ ○ ○ ○ 数量 − ⑨ 未決済デリバティブ取引に係る権利 先物取引、オプション取引、スワップ取引等の別および銘 柄別 ○ ○ ○ ○ 数量 − ⑩ 貸付金 − ○ ○ ○ − − − ⑪ 未収入金(受取手形を含む) − ○ ○ ○ − − − ⑫ 書画骨とうおよび美術工芸品 書画、骨とうおよび美術工芸品の別 ○ ○ ○ − 数量 一点10万円未満のものを除く ⑬ 貴金属類 金、白金、ダイヤモンド等の別 ○ ○ ○ − 数量 − ⑭ ④・⑫・⑬以外の動産 適宜設けた区分の別 ○ ○ ○ − 数量 一個または一組の価額が10万円未満のもの を除く ⑮ その他の財産 預託金、保険の契約に関する権利等の適宜設けた区分の別 ○ ○ ○ − 数量 − ⑯ 債 務 借入金 − ○ ○ ○ − − − ⑰ 未払金(支払手形を含む) − ○ ○ ○ − − − ⑱ その他の債務 前受金、預り金等の適宜設けた区分の別 ○ ○ ○ − 数量 − ※1 用途とは、「事業用」と「一般用」の別をいいます。 ※2 有価証券のうち、ストックオプションに該当し、行使したときの所得の全部または一部が国内源泉所得となるも の(特定有価証券)の場合、種類別、用途別および所在別の価額と数量を記載します。426 427 必 須 知 識
非居住者の金融口座情報の自動的交換
外国の金融機関の預金口座を利用した 脱税等に対処するため、各国の税務当局 が相手国の居住者・法人の口座情報を互 いに交換し合う制度が整備されていま す。OECD(経済協力開発機構)が、 各国税務当局が共通で使用する様式を策 定 し た こ と か ら CRS(Common Reporting Standard)と呼ばれます。 CRSには平成29年末までに50カ国・地 域が参加し、平成30年末までにわが国や 香港、シンガポールを含め50カ国・地域 が参加する予定です。 わが国ではCRSを実施するため、金 融機関に報告を求める制度が平成29年1 月1日から開始されています。本制度で は、口座開設者が非居住者・外国法人 (CRSに参加している国の居住者・法 人)の場合、金融機関が口座情報を国税 庁に報告することが求められます(初回 の報告は平成30年)。国税庁は、その情 報をその非居住者等の自国税務当局に年 1回まとめて提供します。 本制度において、平成29年1月1日以 後、個人や法人(上場会社・政府系機関・ 国際機関などは除きます)が、わが国の 銀行などの金融機関(「報告金融機関」) と預金の預入など、新たに取引(「特定 取引」)を行う際には、当該報告金融機 関に、氏名・名称、住所・本店所在地、 生年月日、居住地国、居住地国での納税 者番号(居住地国が外国の場合に限られ、 わが国のマイナンバーは含まれません) などの口座情報を記載した届出書を提出 することが義務付けられています(法人 の場合は、25%超の議決権保有者などの 実質的支配者に関する情報も含まれま す)。この届出書により、報告金融機関 は新規契約者の居住地国がどこかを特定 します。一方、平成28年末以前の既存契 約者については、報告金融機関が保有し ている書類・データベースや、契約者が 任意で提出する届出書によって、その居 住地国を特定します。報告金融機関は契 約者の居住地国の特定を、原則として平 成29年末までに行わなければなりませ ん。ただし、法人や資産額(平成28年末 時点)が1億円以下の個人については、 特定期限が平成30年末です。 なお、上記の「報告金融機関」には、 銀行などの預金取扱機関のほか、保険会 社、証券会社、信託会社や投資事業体(投 資法人・組合など)などが含まれます。 また、上記の「特定取引」には、預貯金 の預入、保険契約、株式等の振替口座の 開設、金銭・有価証券の預託などが含ま れます。 契約者の居住地国の特定後、契約者が CRS参加国の居住者・法人である場合 や、実質的支配者の居住地国がCRS参 加国である法人である場合、報告金融機 関は上記の口座情報と関連する財産の金 額や運用・保有・譲渡による収入金額そ の他の情報を翌年4月30日までに税務署 に提供します。 上記の制度は、わが国の非居住者の情 報をその居住地国の税務当局に提供する ものです。しかし、日本人・日本法人が 外国の金融機関に口座を開設している場 合でも、その国がCRSに参加していれ ば、その口座情報がわが国の税務当局に 提供されることになります。なお、米国 はCRSに参加しておらず、FATCA(外 国口座税務コンプライアンス法)により、 米国人の海外口座情報を収集していま 平成 XX 年 12 月 31 日分 財産債務調書 「財産債務調書」の記載例(「国外財産調書」を提出する場合) 財 産 債 務 を 有 す る 者 財産債務 の 区 分 電話 番号 種 類 用 途 所 在 数 量 備 考 住 所 氏 名 又 は 事 業 所、 事務所、居所など 東京都千代田区霞が関3-1-1 国税 太郎 個 人 番 号 ○○○○ ○○○○ ○○○○ (自宅・勤務先・携帯)XX-XXXX-XXXX 建物 建物 預貯金 一般用 事業用 事業用 110,000,000 89,000,000 (199,000,000) 土地を 含む 6,500,000 6,450,000 100,000,000 140,000,000 6,000,000 3,000,000 10,000,000 20,000,000 89,000,000 780,717,299 3,000,000 38,961,915 1 500 ㎡ 5,000 株 100 口 20 個 3 個 1 95 ㎡ 東京都港区○○ 3ー3ー3 土地 事業用 (上段は有価証券等の取得価額) 財産の価額又は債務の金額 250,000,000 1 250 ㎡ 東京都千代田区○○ 1ー1ー1 東京都品川区○○ 5ー5ー5ー2501 東京都品川区○○ 5ー5ー5ー2501 建物計 東京都港区○○ 1ー1ー1 株式会社 B 東京都品川区○○ 5ー1ー1 ××証券××支店 東京都品川区○○ 5ー5ー5ー2501 事業用 一般用 一般用 一般用 一般用 事業用 普通預金 C匿名組合 現金 一般用 1,805,384 東京都目黒区○○ 2ー1ー1 ○○ △△ 事業用 貸付金 貴金属類 その他の財産 委託証拠金 家庭用動産 ダイヤモンド 借入金 1,500,000 東京都港区○○ 7ー8ー9 株式会社 D 事業用 未払金 2,000,000 東京都台東区○○ 2ー3ー4 株式会社 E 事業用 保証金 その他の債務 その他の動産 匿名組合出資 30,000,000 29,000,000 100 口 一般用 未決済のデリパティブ 取引に係る権利 一般用 一般用 上場株式(B社) 先物取引(○○) 有価証券 財産の価額の合計額 国 外 財 産 調 書 に 記 載 し た 国 外 財 産 の 価 額 の 合 計 額 ( う ち 国 外 転 出 特 例 対 象 財 産 の 価 額 の 合 計 額 (34,000,000)円 ) 「国外財産調書に記載した国外財産の価額の合計額」 及び 「うち国外転出特例対象財産の価額 の合計額」 を記載する。 23,500,000 債務の金額の合計額 (摘要) 東京都千代田区霞が関 3ー1ー1 東京都千代田区○ 2ー2ー2 ○○銀行△△支店 東京都港区○○ 3ー1ー1 △△証券△△支店 3,000,000 600 個 ストックオプション (○○株式会社) 特定有価証券 東京都港区△△ 1ー2ー1 1,500,000 東京都豊島区○○ 2ー1ー1 株式会社 C 東京都品川区○○ 5ー1ー1 ××証券××支店 東京都千代田区○ 2ー2ー2 ○○銀行△△支店 事業用 未収入金 (注)発行会社の本店所在地ではなく、保管等の委託をしている金融機関の所在地を記載します。428 429 必 須 知 識
◆国外転出時の課税と納税管理人
通常、所得税は1月1日から12月31日 までの1年を単位として課税し、翌年の 2月16日から3月15日までの間に確定申 告書を提出し、納税します。 一方、国外転出をする人は、原則とし て出国のときまでに確定申告書を提出 し、納税しなければなりません。 非居住者となった後であっても、国内 源泉所得を得た場合は、日本において確 定申告を行い納税する義務が生じます。 非居住者が毎年日本で確定申告や納税を 行うことは困難ですので、当該非居住者 は日本国内に居住する親族や税理士など を指定し納税管理人として税務署に届け 出て、納税管理人が当該非居住者を代理 してこのような手続きを行います。国外 転出前に納税管理人の届出を行った場 合、出国のときまでに確定申告書を提出 し納税する義務はなく、納税管理人によ り、出国した年の1月1日から12月31日 までの1年間の所得を出国した年の翌年 の2月16日から3月15日までの間に確定 申告書を提出し、納税します。 納税管理人の届出の有無により、国外 転出時みなし譲渡益課税の課税方法が異 なります。◆納税管理人の届出を行わない場合
国外転出前に納税管理人の届出を行わ ない場合、国外転出時みなし譲渡益課税 の対象者は、当該国外転出の予定日の3 ヵ月前の日の価額で有価証券等を譲渡 し、未決済デリバティブ等の差金等決済 を行ったものとみなします。NISA・ジ■
納税管理人と申告の方法
ュニアNISAの非課税口座で保有する上 場株式等を含みます(出国により口座を 廃止する場合)。 その上で、その年の1月1日から出国 日までの株式等の譲渡所得等や先物取引 に係る雑所得等などを計算し、他の所得 と合わせて、出国日までに所得税の確定 申告書を作成し、所得税を納税します。 なお、当該資産等の取得価額は国外転 出時(みなし譲渡時)の時価に洗い替え されます。もっとも、国外転出の年分の 所得税について確定申告を行っていない 場合には、当該資産等の取得価額は国外 転出時の時価に洗い替えされません。
◆納税管理人の届出を行う場合
国外転出前に納税管理人の届出を行う 場合、国外転出時みなし譲渡益課税の対 象者は、国外転出を行った日の価額で有 価証券等を譲渡し、未決済デリバティブ 等の差金等決済を行ったものとみなしま す。その上で、その年の1月1日から12 月31日までの株式等の譲渡所得等や先物 取引に係る雑所得等などを計算し、他の 所得と合わせて、翌年の3月15日(確定 申告の期限)までに所得税の確定申告書 を作成し、所得税を納税します( 55 ページ参照)。 なお、当該資産の取得価額はみなし譲 渡時の時価に洗い替えされます。■
納税猶予制度
国外転出前に納税管理人の届出を行っ た場合、確定申告期限までに確定申告書 の提出をする際に、国外転出時みなし譲 渡益課税に係る所得税および利子税の額 について納税の猶予を受けることができ ます。 納税の猶予を受けるには、猶予を受け るべき税額に相当する担保を提供する必 要があり、猶予を受けられる期間は、国 外転出から5年4ヵ月間です。猶予を受 けている間は、毎年、3月15日までに継 続届出書を提出する必要があります。 なお、5年4ヵ月以内に国内に帰国し ない場合、国外転出日から5年4ヵ月以 内に届出書を提出することにより猶予を 受けられる期間を10年4ヵ月間に延長す ることができます。
◆対象資産を譲渡した場合
納税猶予の適用を受けた後、帰国する 前に当該資産を譲渡した場合、その譲渡 した資産に係る所得税額および利子税の 額について納税猶予が終了し、当該譲渡 した日の4ヵ月後までに税額を納付しな ければなりません。 この場合において、譲渡した資産の価 額が国外転出時より下落しているとき は、当該譲渡した日の4ヵ月後までに更 正の請求を行うことにより、みなし譲渡 による譲渡収入を実際の譲渡収入に計算 し直し、納めるべき税額を減額すること ができます。 なお、当該財産の譲渡につき外国にお いて所得税を納付することとなるとき は、当該外国所得税を納付することとな る日から4ヵ月後までに、更正の請求を することにより、当該外国所得税額は、 その人が国外転出した日の属する年にお いて納付することとなるものとみなし て、外国税額控除を適用することができ ます(ただし、当該外国所得税に関する 法令において、当該外国所得税の額の計 算に当たって本特例の適用を受けたこと を考慮しないものとされている場合に限 ります)。国外転出時みなし譲渡益課税の特例
通常、有価証券等の含み益は、当該有 価証券を譲渡するときまで課税されず、 未決済デリバティブの含み益は、差金等 決済を行うときまで課税されません。一 般的には、いずれかの時点で当該有価証 券を譲渡したり、未決済デリバティブの 差金等決済を行ったりした際には譲渡益 が課税対象となりますが、国外に転出し 非居住者となった後に当該譲渡や差金等 決済を行った場合、日本の所得税の課税 対象となりません。 このため、平成27年度税制改正により、 国外転出時みなし譲渡益課税の特例が設 けられました。 平成27年7月1日以後、時価1億円以 上の有価証券等(ストック・オプション は含まれません)および未決済デリバテ ィブ等を保有する居住者が国外転出をす る場合、国外転出時にそれらの有価証券 等を譲渡し、未決済デリバティブ等の決 済を行ったものとみなし、譲渡益が所得 税の課税対象となっています(個人住民 税はかかりません)。 ここでいう居住者とは、原則として、 国外転出の日前10年以内に、国内に住所 または居所を有していた期間の合計が5 年超である人のことをいい、日本国籍を 有する人に限られません。 す。同制度では、日本人の口座情報を米 国の金融機関が日本の国税庁に提供する ことは想定していません。430 431 必 須 知 識 また、贈与等の日から5年以内に相続 人の全員が帰国した場合は、上記の場合 に該当した結果、相続人に非居住者が含 まれないこととなった場合は、みなし譲 渡益課税が行われなかったものとするこ とができます。 なお、相続・贈与時のみなし譲渡益課 税にも納税猶予の制度があり、受贈者等 が帰国した(居住者となった)場合には 課税取り消しの制度があります。