ラット嗅覚障害モデルでの嗅上皮における
Na[+],K[+]‑ATPase,Na[+]‑H[+]exchanger,グルココ ルチコイドレセプターの発現に関する研究
著者 寺西 重和
著者別名 Teranishi, Shigekazu
雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査
結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科
巻 平成13年7月
発行年 2001‑07‑01
URL http://hdl.handle.net/2297/15617
医博甲第1446号 平成12年12月31日 寺西重和
ラット嗅覚障害モデルでの嗅上皮におけるNa+,K+‐ATPase,Na十一H+exchanger,グル
ココルチコイドレセプターの発現に関する研究学位授与番号 学位授与年月日
氏名
学位論文題目古川 東田 中西
似博夫教授
教授 教授 主査
副査 論文審査委員
陽功
内容の要旨及び審査の結果の要旨
嗅覚障害は従来その重要性が認識されにくい面があったが,生活の質を求める現代において徐々に重 要視されてきている.臨床的に,鼻汁分泌過多とともに嗅覚が低下することはしばしば経験され,嗅上皮 を覆う粘液(嗅粘液)の量的な変化とともに粘液の性状の変化による嗅覚障害(嗅粘液性嗅覚障害)の存 在の可能性が推察される.嗅粘液の維持や調整の機構については,従来ほとんど報告されていない.本研 究ではその嗅粘液の電解質濃度の維持や調整の機構について検討をした.
ラット嗅上皮において,ナトリウム・カリウムアデノシントリフォスファターゼ(sodium,
potassiuln-adenosinetliphospl1atase,Na+,Kナ罠A【IPase)を免疫組織化学的染色法により,またナト リウム・プロトン交換輸送体(sodium/pmtonexchanger,NIE)を定量的PCR法により検索した.
さらに唾液腺や腎臓においては唾液や尿の電解質調節にNa+,K+宮ATPaseが重要な役割を果たしてお り,ステロイFがその活性を制御していると見られていること,また臨床的にもステロイF投与は嗅覚障 害に対する重要な治療法であることから,グルココルチコイFレセプターの発現を免疫組織化学的染色法 により検索をした.さらに硫酸亜鉛を点鼻した嗅覚障害モデルでも同様に検討した.得られた結果は次 のように要約される
正常ラットでは,Na+,K+宮A(IPaseはBowlnan腺の腺管で最も強く発現が見られた.またNIEの発 現ではNIE-1が,嗅上皮でその生理的役害Iが期待できる量のmRNAの発現が確認された.また,グル ココルチコイFレセプターは支持細胞の鼻腔側の細胞質で最も強く見られたJ嗅覚障害モデルでは,嗅上 皮の回復過程において嗅上皮の再生とともにNa+,K+苣AIPaseやグルココルチコイFレセプターも再生 することが観察されこれは行動学的な観点でも嗅刺激性行動観察法により嗅覚障害の改善が確認された.
これらのの結果から,嗅粘液の電解質の維持や調節にM+,K+罠AmPaseやNIE-1が関与し,さらにグ ルココルチコイFレセプターの制御を受けている可能i生がララヨ凌された.
以上本論文は嗅覚障害において、嗅粘液性嗅覚障害の存在する可能性を初めて実験的に明らかにした ものであり、鼻科学に貢献する価値ある論文と評価された○
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