修 士 論文
ラ マ ヌ ジ ャ ン グラ フ の 構成に つ い て の 考察
三重 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 教 科 教 育 専 攻 数 学 教 育 専 修 2 0 6 M O 1 6
藤田 友 美
2 0 0 8 年2 月1 2 日
別紙様 式第3
論 文 目 録
三重 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科
別紙様式第4
論 文 要
三重大 学大 学 院教育 学研究科
教科顔肴 専 攻 教学教肩 章 .喜 巌 hY9 ゑ 泉
この論 文はラマヌ ジャ ング ラフ の構 成について考察した結果であ る. 1 章ではD a Nidoff, Sa r n ak ,
V alette によ る 具体的な ラマヌ ジャ ング ラフ の構成につ いてま と め た. 有限で連 結なk‑r egula r グ ラフ X の, 全ての非自明 な 固有 値p が 糾 ≦2 肺 7 を満たすと き, X を ラマヌ ジャ ン グ ラフと
いう. G を群と す る. S を 空でない G の部分集 合とし, S = S 1 が成り 立っと す る. 演,点の集 合
V ‑ a , 辺の集合 E ‑ ((x,y) : x,y ∈ G で y = x s と な る s ∈S が存在す る) で でき る グ ラフ
Q(a ,S) を ケ ‑ リ ー グ ラフという. 以 下のグ ラフ を考え る. た だし, ここでSP,り ま 1.3 節で定義 す
る集 合であ る.
(雷) ‑ 1 の羊きの, Sp,q に関す る P S L2(q) のケ ‑ リ ー グ ラフ
X P'q ‑ g(PSL2(q),Sp,q)
と, (苦) ‑:1 のと きの, ち,q に 関 す るP G L2'q' のケ ‑ リ ー グ ラフ
X P'q ‑ Q(P GL2(q),Sp,q)
t
は, 抄+ 1)‑r egula r のグ ラフ であ り, p
8 < q のと き につ いては, どの2 頂 点 も 何本かの辺 に よっ て
つ な がっ て いる連 結グ ラフであ ること が 示 さ れている. ま た, ラマヌジャ ング ラフであ り,
のと き, 大 き なgi rth と 大 き な彩 色数を 持つ 良いグ ラフ であ ること が 示 さ れている.
= 1
2 章ではこれの頂 点の群を位 数4 の部 分群で左から割っ た ものにつ いて考察し て いる, つま りこ こ からは, 鳳 長の集 合v を群に限 ら ず集 合とし, 鳳 長の集合V には右から 群G が作用 し て いる と す る.
(雷) ‑ 1 のと き, ZP,q をSp,q に関する 町P S L2(q) のケ ‑ リ ー グ ラフと す る・
ZP'q ‑ Q(H\P S L2(q),Sp,q)I
(雷) ニ ー1 のと き, ZP,q をSp,q に関 す る 町P G L2(q) のケ ‑ リ ー グ ラフと す る一
ZP'q ‑ Q(H\P G L2(q),Sp,q)・
こ のグ ラフは 頂 点推移 的で はないが, 也+ 1)‑reg ul a r であ ること には変わ り は な く, X P,q の連 結 性 がp8 < q のと き に 示せたのに 対し て, Z P,9 ではp > 5, p7 < q のと き, た だし, p7 < q ≦p8 に
ついては3,5, l l, 1 7,2 9,4 1 以 外のと きに, 連 結であ ること を 示 すこと ができ た. ま た, ル ー プ が ない ZP,りこ対し て, p > 5, p8 < q を満たす奇 素数p,q で, ラマ ヌ ジャ ング ラフ であ り, 良いグ ラ
フ であ る ということ を示 すこと ができ た.
目 次
序 文
1 グラフ X P,q
l.1 グ ラフ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ . . ‥ 1.2 四 元数 . ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ . ‥
‥
‥
‥ . ‥ ‥
1.3 グ ラフ X P,q と YP,q 2 グラフ Z P,q
2.1 グラフ Z P,q と D P,q
2.2 グラフ Z P,q の連 結 性と大き なgi rt h . ‥ . . . . . .
3 頂 点 推 移 的でないラマヌジャ ングラフ
3.1 頂 点 推 移 的でないfa mily of e xp a nde r s と良い グ ラフ 3.2 頂 点 推 移 的でな いラマ ヌ ジャン グ ラフ .
A p pe n dix
●●●
1 1 1
1 1 3 5
8 8 19 2 3 2 3 31 3 6
序 文
この論文 は ラマ ヌジャン グ ラフ の構 成につ いて考 察し た結 果であ る・ 1 章では D a vidoff, S a r n ak , Valette[1】に よ る具
体 的 なラ マヌ ジャ ン グ ラフ の構 成につ い てま と め た. こ こ で いうグ ラフと は, 右の よう な頂 点と, 辺 か ら な るもの であ る. グ ラフ X の全ての頂 点から 同じ k 本 ずつ 辺 が出てい る と き,
グラフ X は k ‑r eg ula r であ る という. 右の例は2 ‑r eg ula r の グ ラフで あ る.
定 義 o .o .1 . 有 限で連 結 なk‑r egula r グラフ X の, 全て の非 自 明 な 固 有 値p がIp[ ≦2 杯 7 を満たすとき, X を ラマ ヌ ジャ ン グ ラフとい う.
[
∵
…G を群とする. S を空でない G の部 分集合と し, S = S ‑l が
成り 立 つ とする. 頂 点の集 合v ‑ G , 辺 の集 合E ‑ ((I,y) ‥ x,y ∈ G で y ‑ x s となるs ∈
s が存 在 する) でできる グ ラフQ(G ,S) を ケ ‑ リ ー グ ラフという・ 以下の グ ラフを考え る・
た だ し, こ こ で Sp
,q は1 ・3 節で定 義 する集 合であ る・
(i)p ‑ 1 の ときの, Sp,q に関 する PSL2(q) の ケ ‑ リ ー グ ラフ
X P,q ‑ Q(PSL2(q), Sp,q)
と, (冒) ‑ 1 1 の と きの, Sp,q に関 する P G L2(q) のケ ‑ リ ー グラフ
X P,q ‑ Q(PG L2(q), Sp,q)
は, (p + 1) ‑r eg ula r の グラフ であ り, p ≧5,p8 < q のと き に つ い ては, どの 2 頂 点 も 何 本か の辺 に よ っ て つ なが っ てい る連 結 グラフ で あること が 示されてい る. ま た, 全ての v i, Vj ∈ V で α(v i) ‑ Vj となる グ ラフ X の自己同型写像α が存 在 する とき, 頂 点 推 移 的で あ る というが, こ の グラフは頂 点推 移 的 なグ ラフ であ る. そ して, X P,q の, あ る頂 点か ら 同じ頂 点 ‑ と つなが る道の数につ い て, 以 下の公式が作ら れ た.
定 理 0 .0 .2 ( トレ ー ス公式). k ‑r egula r で連 結 なル ー プ が ない 単 純 グラフを X とする・ そ
の頂 点の集 合を V とする. 全て の m ∈ N U(0) で
∑ ∑ fm ‑2,,x ‑ (k ‑ 1)
x ∈V O≦r≦写
た だ し, U m は m 次のチ ェ ビ シ ェ フ多 項 式, す なわち, m ∈ N U (0) で U m(c o sO) ‑
sin( m + 1)0/ sin O を満たす 式である. こ の公式に対して, ラマヌ ジャ ン予想を使 うこと に
よ り, p ≧5,p8 < q を満たす 奇 素 数p,q で q が十 分 大きい とき, グ ラフ X P,q は, ラマ ヌ ジャ ン グラフで あ ること が 示 され た. そ して これ が D a vido圧, Sa r n ak, Valette[1] に よ る
具 体 的 なラ マヌ ジャ ング ラフ の例であ る. ま た, こ こ で仮 定になっ て い るp8 < q は X P,q
の連 結 性と単 純 性を 示す もの であり, 連 結で単 純 な グラフ であ ればこの範 囲でな くとも 成 り 立 つ. ま た, あ る頂 点から同 じ頂 点に戻る, いくつ かの辺 で でき た道をサ ー キッ ト とい
うが, その 中で最小 のもの をg irtb と呼ぶ. さら に, 隣 接し た2 点が同じ色に な らない よ うに塗り分 ける ときに 必要 な 色の数の最小値を彩 色 数とい う. 当 然, 辺 が増え れば彩 色 数 は大き くなる が, g irth は大きく ならない. む し ろ 小さ く なっ て し まうこともあ る.
以 下 の グラフ は X 3,5, x 3,l l, x 5,1 1 の グ ラフ であ る. ど れ も連 結グ ラフ で あ り, ラマ ヌ ジャ ングラフ でもあ る.
x 3,5 のグラフ : gi rt h は 6
X 3,1 1 の グラフ : girth は9
x 5,1 1 のグラフ : g irth は 6
近 年, 情 報 化 社 会の発 展に よ り, よ り良い通信 網が望ま れ てい る. 通 信の途 絶え にく さ だけを考え れば, どの 2 地 点 もつ ながっ ていれば 一 番 良いといえ る. これ は, グラフ で い
えば, 任 意の 2 頂 点が隣 接して い る完 全 グラフ ということ で あ る. 同じ頂 点 数であ れば,
こ の状 態が 一 番 彩 色 数が大 きい. し か し, 現 実に考え る と, これ では経 済 面で の負 担が大 き く なる. 逆に経 済 面だ けを 求め, ひ と つ の経 路です べて の地 点を カバ ー し ようとする と,
一 本の線でな ければ, 最 初の例の よう な形になる. こ の グラフは サ イ クル グラフ で, 同じ 頂 点 数であれば, こ の状 態が 一 番girt h が大 きい . し か しこれでは経 路が 少な す ぎ, どこ か で ト ラ ブルが起これば, そ の先の通 信が途絶えて し まう可能 性が高い . 良い通 信 網は,
こ の 2 つ の相 反 する面を最 大 限に持 ち 合わ せ る通 信 網である と いうこと で あ る. これ は,
つ ま り, 大きなgirth と大きな 彩 色 数を あ わ せ持 つ グラフを作ること と同 意であ る. 1 9 5 9 年に Erd6s に よ り, こ の よう なグ ラフが存 在 すること は 示されてい る. この よう なグ ラフ を良い グラフと呼ぶ. グラフ X P,q は, p,q がp8 < q, p ≧5 を満たす 奇 素 数で,(壁)q I‑ iJ
のとき, 大きなgi rt h を持ち, 大きな彩 色 数を持つ. つ ま り, こ の条 件の グラフ X P,q は良
い グラフ であ る. 2 章からは別の 良いグラフ で あ り, ラマヌ ジャ ング ラフ であ るグラフを 構 成 すること に つ い て考 察を行っ た.
2 章で新た に作っ たグラフ Z P,q の頂 点は X P,q の頂 点 PSL 2(q), PG L2(q) を2 .1 節で定 義
する位 数4 の部 分 群 H で左 か ら割っ たもの で あ る. この章か ら次の よう な グラフ を ケ ‑ リ ー グラフと いうこと にする. G を群とする. S を空でない G の部 分集合と し, S = S ‑1 が成り 立 っ とする. 頂 点の集合 V に は G が右から 作 用 して い る とする. 頂 点の集 合 V と 辺 の集 合 E ‑ ((I, y) : I,y ∈ V で y ‑ x s となる s ∈ S が存 在 する) で できる グ ラ
フ Q(V,S) を ケ ‑ リ ー グラフということ にする・ (冒) ‑ 1 の と き, ZP,q k Sp,q に関 する
H\P SL2(q) のケ ‑ リ ー グラフ とする・
Z P'q ‑ Q(H\PSL2(q),Sp,q) ・
(冨) ニ ー1 のとき, Z P,q を Sp,q に関 する 町P G L2(q) のケ ‑ リ ー グ ラフとする・
ZP,q ‑ Q(H \PG L2(q), Sp,q)・
つ ま り, 頂 点の集合は H\PS L2(q), H\P G L2(q) であ り, これ は どちらも 群ではない・ ま
た, この グ ラフは頂 点 推 移 的では ない. その た め に, X P,q では頂 点 の集 合に対 応 する群
の単 位元 に つ い てのみ考え れば 良か っ た ところ が, そ れ だ けではすまず, 様々 なケ ー ス に
つ い て考え る 必要ができ た・ し か し, (p + 1) ‑r egula r であ ること に は変わ り はなく, 定理
2.2.6 では, X P,q の連 結 性がp8 < q のと き に 示 せ たのに対して, Z P,q ではp ≧5, p
7 < q のとき, た だ し, p7 < q ≦p8 につ いてはp が 3, 5, l l, 17, 2 9, 4 1 以外のときに, 連 結であ ること を 示すこと ができ た. ま た, ル ー プ がない ZP,q に対して, X P,q 同様に, あ る頂 点か ら同じ頂 点 ‑ とつなが る道の数につ い て以 下の 公式が できた・ た だ し, sQl(p m), SQ2(pm)
は 1 .3 節, 3.1 節で定 義 する数であ る.
定理 0.0.3 (ZP,q の トレ ー ス公式). ル ー プ がない Z P,q で卜打\Vl ‑ n と お き, p,q をp ≧ 5, p8 < q を満たす 奇 素 数とする.
q + 1 2(q ‑ 1)
2(q + I)
と おく・ 全て の m ∈ N U(0) に対し
x∈ H\V O≦r≦m/2
̲P q 里
q P̲
q P̲
q
‑ 1 か つ p ≡1 ( m od 4) の と き)
‑ 1 か つ p ≡3 ( m od 4) の と き)
ニ ー 1 か つ p ≡1 (m od 4) の と き)
‑ ‑ 1 か つ p ≡ 3 (m od 4) の と き)
n 3
2: ∑ f‑ ‑2r,I ‑芸sQl(pm) '言c v sQ2(p m) ・