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部分撥水型スラスト軸受での圧力発生の確認

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Academic year: 2021

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部分撥水型スラスト軸受での圧力発生の確認

メディカル・トライボロジー研究室 山地貴士 1. 緒言

本研究で用いられる撥水処理型軸受では,撥水処理を 施してスリップ流れを発生しやすくした部分と,スリッ プが生じ難い親水処理の部分をすべり方向に交互に配置 した軸受構造により,せん断流量の不連続性を生み,圧 力流れを発生させて荷重を支持している.

本軸受構造は,図1に示すような平坦で平滑な平行摺 動面をもつ軸受の製作を可能にする.その作動原理は従 来の軸受に近いものと考えられており,摩擦特性や膜厚 の観測から実際に軸受として十分に機能する可能性が高 いことが分かっている.しかしこれまで,実側による圧 力発生の確認は行われていなかった.そこでここでは,

微小圧力計を用いて圧力の測定を行った.

2. 実験装置および方法

実験装置は図

2

の概略図に示されるように,回転する 水槽に設置された回転試験片に,固定試験片を押しつけ る,平坦な端面接触型のスラスト軸受試験機である.軸 受材には,固体接触により損傷を発生し易いソーダガラ ス(外径

40mm,厚さ5mm

で,表面の粗さが

Ra=0.01

μm)を用い,軸受が流体潤滑領域で運転されることを 確認しながら実験を行った.固定片には,撥水部と親水 部の境界の

2

箇所にφ1.5mmの光ファイバ型超小型 圧力センサの挿入用の穴を設けた試験片を用いた.そし て,実験では,

RE=13.3mmでのすべり速度をV=0.15m/s

に設定し,荷重を

5~15Nまで,5

分ごとに増加させて圧 力の測定を行った.

3. 圧力の測定例

4

は撥水部から親水部への境界①と,親水部から撥 水部への境界②の計

2

箇所での圧力を測定した結果を 示してある.前者①での圧力は荷重を負荷させることに より増加しているが,このときの②の圧力はほとんど変 化せず,ほぼ大気圧のままである.この傾向は図

2

中に 示した①と②の位置での理論圧力分布と一致している.

同時に測定された摩擦係数と,圧力センサを取付てい ない試験片で測定した摩擦係数は,ほぼ一致しており,

圧力センサの取付による試験片の傾き等は発生してい ないと判断される.等価半径

RE

で測定された圧力を正 圧発生部での平均圧力として推定した軸受の支持荷重 と実際の負荷荷重との誤差は

20%程度であった.

4. 結言

部分撥水型スラスト軸受での発生圧力を,光ファイバ 超小型圧力センサを用いて測定した結果,撥水部から親 水部への境界で正圧が発生し,それは負荷荷重の増加に 伴って上昇するが,親水部から撥水部への境界での圧力 は,ほとんど大気圧のまま変化しない等の基礎特性が明 らかになった.

図 1 三扇撥水軸受

図 2 実験装置概略

図 3 センサ取付位置

図 4 圧力測定例

Non treatment section

Water-repellent section (a) Three section water-repellent test piece (3-W-R)

Non treatment section

Water-repellent section Non treatment section

Water-repellent section (a) Three section water-repellent test piece (3-W-R)

親水部

撥水部

接触角θ=110°

接触角

θ=10

°

W

ロードセル 固定試験片

回転試験片 バランス

ウェイト

プーリ 精製水

光ファイバー超小型圧力センサ アンプ

測定・解析用パソコン

実験条件 荷重:5~15(N) 速度:0.15(m/s) 計測時間:5分間

L

回転 固定

v pmax

圧力p

気泡性キャビテーション センサ

撥水部 親水部

v

撥水 親水

RE= 13.3mm

センサ

-5 0 5 10 15 20

発生圧力p[kPa]

V=0.15m/s

0 0.01 0.02

摩擦係数μ

5 10 15

0

時間t [min]

センサ①(撥水→親水)

センサ②(親水→撥水)

センサなし センサあり

5N 10N 15N

静止

参照

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