• 検索結果がありません。

長崎市の市街地における音環境の分析と評価に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "長崎市の市街地における音環境の分析と評価に関する研究 "

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

長崎市の市街地における音環境の分析と評価に関する研究

長崎大学大学院生産科学研究科 木下 元洋

研究の背景と目的

今日、騒音が人に与える影響について、問題がまだ十分に解決されたとは言えない状 況である。その一方で、われわれの生活の場から、貴重な音が失われている。この、失 われた音は、一つの文化とともに存在したものである。

騒音の評価は、従来から騒音レベルのみによって行われてきた。しかし、これによっ て問題を解決することはできていない。これに対処するためには、サウンドスケープ・

デザインの考え方に基づいた考え方が必要となる。

筆者らは、本研究において、音をよりよく理解するための新しい方法として、音の構 成要素を把握する手法を提案した。

長崎市は歴史的にキリスト教と深いかかわりがあり、そのために、市内の各所にキリ スト教会がある。また、寺町地区を始めとして、多数の寺が点在している。これらの教 会や寺において撞き鳴らされる鐘の音は、長崎市の独特な音風景をかもし出している。

長崎市の地形は平坦市街地が比較的少なく、山の中腹にいたるまで住宅が建てられてい る。主要な交通は比較的平坦市街地に通じており、交通騒音の発生源が集中している。

また、一方では、山に囲まれているため、森や林に恵まれており、四季おりおりの野鳥 やセミなどの鳴き声が聞かれる。このような長崎市の多種多様な音について、総合的に 調査分析し、音環境を評価することは非常に重要であると考えられた。

研究の概要

1.音景観構成要素の分析手法

本研究は、新たに提案した音の構成要素の分析手法の有効性を示すため、以下に示す 調査・分析を行った。

(1) 現地調査によって、音景観に対し新しい手法を適用して、景観と音景観の関係性を 調査・分析し、その関係性を明らかにした。

(2) 現地において、次の測定・調査を行った。

① 等価騒音レベルの測定、

(2)

②特徴的な音に対するSD法を用いた評価 2.調査対象地区

本研究においては、調査対象地域として、

①カトリック神ノ島教会とその周辺地域、

②カトリック出津教会とその周辺地域、

③長崎市中通り周辺地域、

④長崎市中心市街地周辺地域

これらの地区は、いずれも明治時代以前からの歴史的、文化的なたたずまいが現在な お色濃く残っており、さらにまた、その地域の特徴的な音景観に恵まれていることから、

調査対象地区に適しているとして選定した。

3.景観と音景観の関係性の分析

われわれの提案した新しい手法の概要は次の通りである。

篠原は景観を工学的に分析する手法として、景観を構成する個々の要素に分類し、そ の関係性を分析する方法(景観把握モデル)を提案している。筆者らは、この手法を音 景観に拡張することにより、景観と音景観を総合的に分析する手法を提案した。この手 法を全ての調査対象地区の調査地点に適用し、それらの地点における景観と音景観の構 成要素を分析し、それらの関係性を把握した。

まとめ

2008年から2010年にかけて、長崎市内に4調査対象地区を設定し、その中に多数の調 査地点を設けて、音環境の測定・調査を行ってきた。今回実施した調査・分析の結果、

以下のことが明らかになった。

① 景観の構成と音景観の構成を分析し、構成要素を把握するとともに、両者の関係を 明確に示すことができた。これにより、新しく提案した手法は有効であるといえる。

② 教会の鐘、寺の鐘、セミ、ペーロン船の練習など、多くの長崎を特徴付けている音 について、SD法の評価による分析・評価を行った。総合的な評価はほぼ同じであって も、各形容詞対を比べるとかなり差があり、音による違いを明らかにすることができ た。

③ 長崎市内の等価騒音レベルは、交通騒音の影響を受けるところでは55(dB(A))を超え ている。また、調査地点によっては、夏にはセミの音の影響を受けて55(dB(A))を超え る場合がある。

以上のことから、本研究で提案した手法を用いることによって、地域の音環境を総合 的に分析・評価することが可能となった。

参照

関連したドキュメント

 調査の対象とした小学校は,金沢市の中心部 の1校と,金沢市から車で約60分の距離にある

運営、環境、経済、財務評価などの面から、途上国の

担い手に農地を集積するための土地利用調整に関する話し合いや農家の意

「地方債に関する調査研究委員会」報告書の概要(昭和54年度~平成20年度) NO.1 調査研究項目委員長名要

東京都環境影響評価審議会 会長 柳 憲一郎..

スポンジの穴のように都市に散在し、なお増加を続ける空き地、空き家等の

調査地点2(中央防波堤内側埋立地)における建設作業騒音の予測結果によると、評

これまで、実態が把握できていなかった都内市街地における BVOC の放出実態を成分別 に推計し、 人為起源 VOC に対する BVOC