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軽度麻痺患者用短下肢装具の使用状況調査

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Academic year: 2021

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軽度麻痺患者用短下肢装具の使用状況調査

~Usability 主軸の装具開発を目指して~

新潟医療福祉大学大学院 義肢装具自立支援学分野・

大井和子,阿部薫

【背景】

脳血管障害や脳挫傷などの脳損傷によって惹起される片麻 痺症状において,下肢の典型的障害としての内反尖足は立位 や歩行に支障を来すため,ADL の向上を目的として下肢装具 が処方される.しかし軽度の麻痺に対する下肢装具の処方は 統一されていないのが現状である.軽度の麻痺であっても長 期的な予後を勘案すれば,足関節の変形予防や日常生活上の 安全性の観点から下肢装具の使用が推奨される.しかし片麻 痺者本人も本来的には下肢装具の使用は回避したいところで あるため,従来型のプラスチック製や金属製の下肢装具など の「かさばる」タイプを使用しない傾向にある.

これらの対象者に処方される代表的な短下肢装具 3 種,す なわちシューホーンブレース(以下,シューホーン),オルト ップブレース(以下,オルトップ),サポーター型(以下,サポ ーター)の使用者に対し,装具の使用状況や使用感,要望事項 等についてアンケートを行い,現状を把握することによって Usability 主軸の装具開発を目指す研究の第一段階とした.

【方法】

1. 対象者:大井製作所で短下肢装具(シューホーン,オルトッ プ,サポーター)を作製した患者 50 名.

2. アンケート方法:研究目的や内容等を説明した研究協力依 頼書とアンケート用紙を郵便で送付した.原則的に装具使用 者本人に記入してもらうが,記入が困難な場合は家族に記入 してもらうこととした.

3. アンケート内容:現在使用している装具のタイプ,装具の 使用場所,屋内外兼用の装具を希望するか,装具を自分で装 着できるか,装具の外観は気になるか,装具のデザインの満 足度,装具使用に関する要望等について質問した.

【結果】

アンケートを 50 通発送し,有効回収数は 25 であった.ア ンケート集計は,単一回答項目を表 1 にパーセンテージを,

複数回答項目は表 2 に実数を示して集計した.

表 1 では,使用している装具のタイプによってアンケート の回答結果が異なるため,シューホーン 16 名,オルトップ 6 名,サポーター3 名の 3 群に分類して集計した.使用場所は 3 タイプとも屋内外兼用が多かった.屋内外兼用の装具を希望 が多く,特にサポーター使用者は 100%であった.使用時間に ついては外出時のみに使用している場合が多かった.装具を 自分で装着できる使用者が多かった.装具の外観に関しては 気にならない人が多く,装具デザインについては気にしてい

ない人が最も多かった.

表 1. 短下肢装具の使用状況や使用感等(単一回答)

シューホーン オルトッ プ サポーター

16名 6名 3名

使用場所 屋外 31.3 16.7 33.3

屋内 6.3 0.0 0.0

屋内外 62.5 66.7 66.7

(未回答) ― 16.7 ―

屋内外兼用 希望する 56.3 50.0 100.0

希望しない 18.8 33.3 0.0

(未回答) 25.0 16.7 ―

使用時間 ほとんど使用せず 0.0 16.7 0.0

一日中使用 43.8 33.3 33.3

外出時のみ 50.0 33.3 66.7

リハビリのみ 6.3 0.0 0.0

(未回答) ― 16.7 ―

自己装着 可能 68.8 66.7 66.7

不能 12.5 16.7 33.3

要介助 18.8 0.0 0.0

(未回答) ― 16.7 ―

外観 気になる 25.0 50.0 33.3

気にならない 62.5 33.3 66.7

(未回答) 12.5 16.7 ―

デザイン 満足 12.5 16.7 0.0

不満 0.0 16.7 0.0

気にしない 87.5 66.7 100.0

(%) 短下肢装具使用に関する要望等(表 2)については,装具使 用時に靴が履きづらい,気に入った靴が履けない,大きいサ イズの靴が必要など,靴使用の不便さに関するものが上位を 占めた.その次は足が蒸れる,足が窮屈など足部と装具の適 合性に関する事項が占めていた.

表 2. 短下肢装具使用に関する要望等(複数回答)

シューホーン オルトップ サポーター

16名 6名 3名

1 靴が履きづらい 11 4 1 16

2 気に入った靴が履けない 7 4 3 14

3 大きいサイズの靴が必要 8 2 2 12

4 足が蒸れる 3 3 2 8

5 足が窮屈 1 1 3 5

5 洗えない 5 0 0 5

7 価格が高い 3 0 0 3

8 ベルトが留めにくい 2 0 0 2

9 デザインに不満がある 0 0 1 1

【考察】

軽度の麻痺に対して処方される短下肢装具に共通する使用 状況は,屋内外兼用であるが主に外出時に使用され,自己装 着可能であることが判明した.また装具装着を気にせず,デ ザインよりも機能性を重視していることも浮き彫りとなった.

さらに短下肢装具使用に関する要望等に関しては,装具を装 着することにより,健足よりも「大きな足部」になったこと で左右同寸法の既成靴の使用が困難であることに不便さを感 じていることが明らかになった.

【結論】

要求される短下肢装具に求められる機能として,屋内外兼 用可能で適合性が良く,自己装着可能な構造で,靴が履きや すいように「かさばらない」大きさと素材によって構成され るものと示唆された.

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プロセスシアン

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