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がん看護専門看護師の卓越性 -役割機能の獲得プロセス-

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Academic year: 2021

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第13回 新潟医療福祉学会学術集会

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がん看護専門看護師の卓越性

-役割機能の獲得プロセス-

新潟医療福祉大学看護学科・塚本康子,金谷光子 元新潟医療福祉大学看護学科・新谷恵子

【背景】

わが国では平成 8 年に専門看護師資格認定制度が始まり,

平成 25 年 8 月現在で登録者数は 1044 名に至っている.本学 大学院でも養成しているがん看護専門看護師は最も多く,全 国で 432 名登録されている.専門看護師の役割である実践�

教育����調�・研究�倫理調�という活動への期待は大きく,

実績も評価されつつある.しかし「平成 18 年がん看護に携わ る専門看護師の活動状況調査報告」では,専門看護師として のやりがいを 75%の人が感じている一方で,23%の人がやり がいを感じないと答えている.その要因として,専門看護師 への役割期待とやりがいの間の葛藤が指摘されており,専門 看護師自身が組織の中で役割を開発していくことが課題,と されている.このことについて,Hamric らによる役割開発過 程によると,わが国の専門看護師は役割開発の初期の過程で あり,自分の役割を明確にしながら統合の段階に向かってい る段階,と説明されている.専門看護師に期待される活動を 明確にしつつ,臨床の実情に合わせた役割の開発が必要であ るが,役割機能そのものに注目している研究はまだ少ない.

そこで,本研究では,専門看護師の卓越性に焦点を当て,

がん看護専門看護師が求められる役割機能をどのように獲得 していくのかを明らかにする.

【方法】

対象者は,研究の主旨を理解し協力が得られたがん看護専 門看護師 2 名とがん看護専門看護師課程の修了者 1 名,看護 学を専門とする教員 4 名で、方法はフォーカスミーティング とした.がん看護専門看護師の役割,卓越性について語って もらい,許可を得てテープに録音した.逐語録に起こし,内 容分析し,カテゴリー化した.倫理的配慮として,新潟医療 福祉大学倫理委員会の承認のもとに行い,同意を得られた者 を対象とした.プライバシーの保護とデータ管理に留意した.

【結果】

分析の結果として,「大学院入学前に身につけている準備」

「大学院での学習」「大学院修了後の実践活動」に分類した.

「大学院入学前に身につけている準備」としては,社会人 としてもっている基本的態度,何かに秀でていること,全般 的な調�能力,�かな人間性,患者���への��な対�,疑 問を解いていく主体的な学習態度,といったジェネラリスト としての卓越性が身についていること,があげられた.

「大学院での学習」としては,理論を実践に生かす,理論 と実践を融合させる,経験知を裏付ける,病状を理解する,

人の苦痛を理解する,患者を信じて待つ,正しい判断,総合 的な判断能力,他職種に対する理解と連携,教育力,志の高 さ,があげられた。特に実習での学びについては,「すべての 武器を全部取られた中で丸裸にされる」という状況で,つら いと感じつつも,ゆっくり時間をかけて,自分の�み�強みを 知った,という.その結果が,患者さんと向き合う姿勢に繋 がっていた.

「大学院修了後の実践活動」では,高いアセスメント能力,

患者を全人的に理解する,成功体験によってスタッフに認め られる,卓越性を周りが認める,実践しながら研究する,疑 問を検証する,があげられた.

【考察】

大学院を修了した看護師がすべて専門看護師として登録さ れるわけではなく,わが国では資格認定制度である.申請し,

能力を認められた看護師のみが専門看護師として登録される.

大学院はすべての看護師に門戸は開かれているが,6 つの役 割機能を果たしていくためには,まず看護師としての能力が 基盤となっていることが明らかにされた.入学試験での選抜 における一つの指針として示唆された.

大学院では、専門看護師として必要な教育課程が組まれ、

単位が取得できれば修了する.しかし、認定を受けるために は、課題を自らで達成していく主体的な学習姿勢や、志の強 さ、自ら専門看護師として役割を獲得していくパイオニア精 神が求められる.大学院は専門看護師としての資質を問われ る場でもあるといえる.

専門看護師は、臨床看護研究を実施していくのが困難で、

「文献検索と入手」「資金不足」「時間がとれない」など研究 体制の問題があがっている1).今回は明らかにはならなかっ たが、看護研究への知識やスキルの教育ニーズが高いことか ら、さらに研究への教育を強化していく必要があると考えた.

【結論】

1 がん専門看護師は,大学院入学前にジェネラリストとし ての卓越性をすでに身につけていた.

2 大学院で学ぶ中で,専門看護師としての専門性や卓越性 を理解し,実習をとおして自己を知り,患者と向き合う 姿勢を身につけていた.

3 大学院修了後は,高いアセスメント能力�患者を全人的 に理解�実践の中で研究�疑問を検証といった役割機能 を獲得し,実践しながら周囲にも認められていた.

本研究は,平成 23 年度新潟医療福祉大学研究奨励金学長裁 量研究費の助成を受けて行った.

【文献】

1) 河野あゆみ,萱間真美,グレッグ美鈴:専門看護師,認定 看護師,教育担当看護師における臨床看護研究の教育ニー ズの実態.日本看護学教育学会誌 2007;17(2):31-40.

P-44

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