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情報工学教室玉木明和 On the Effect, of Transform Function System

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(1)

九州工業大学研究報告(工学)No.43 1981年9月       107

相関変換における変換関数系の特徴抽出に

         およぼす影響について

      (昭和56年5月30日 原稿受付)

情報工学教室玉木明和

On the Effect, of Transform Function System  on the Feature Extraction in Correlation

       Transform

Akikazu TAMAKI

       Ab8tmct

  In pattern recognition, the study of feature extraction is important as much as the theory of

recognition. The transforms by the orthogonal function system(such as Fourier transform)are

familliar as the feature extraction methods. These transforms extract all bf the information of the pattern, even though it be useless. Therefore the recognition mechanism is more complicated owing to the useless information.

  The author has proposed the transform whose transform function system is related to the

pattern to be recognized.1 The transform is called Correlation Transform. He describes on the effect of transform function system on the feature extraction in Correlation Transform in this report. To study about the effect of transform functioりsystem on the feature extraction, he made

an examination that the simple patterns are recognized by using transform function systems.

This examination shows that the function system, which is close−related to the patterns to be recognized,js better for the transform function system in Correlation Transform.

       本報告では以下のことについて述べる。変換関数系に  1・はじめに      よる特徴抽出への影響を調べるために,非常に簡単なパ

 パターン認識において,認識理論の重要性に劣らず・   ターンに対して,種々の変換関数系によるシミュレー 特徴抽出に関する研究が必要である,Fourier変換など   ションを行なった。シミュレーションは,ある変換関数 の直交関数系による変換が,特徴抽出法としてよく知ら   系に対して,トレーニングパターンセットを与え学習を れている。シュヴァルツの超函数によるこれらの変換は・  行い,そして,トレーニングパターンセットと同じパター 変換関数系に直交関数系を用いることによって,すべて   ンセットを未知パターンセットとして認識を行うもので の情報を変換し,特徴抽出を行う。しかし,処理に不要   ある。シミュレーションに用いたパターンの数が少ない な情報も変換し,特徴として抽出することになり,後の   が,予想された通り,認識対象となるパターンと相関の 認識過程において,不要な情報があるために処理が複雑   あるものを変換関数系として用いた方が良い認識結果が

になる。      得られた。また,未知パターンのクラスごとに異なる相

 そこで,著者は直交でない関数系,特に,処理の対象   関をもっものを変換関数系として選べば良いことがシ

となるパターンと相関をもつ関数系による変換を提案し   ミュレーションによって立証できた。

たと唖数が線形であるのに対して・この変換は・非線形 2.モデルの概略

に拡張でき,また,Fourier変換などの一般の線形変換と

同様に,特徴抽出法として有効であることを示した6)     認識モデルは,図一1に示すように・入力パターンから

(2)

特徴を抽出する特徴抽出機構と,抽出された特徴からパ     σ (μ,の:クラスゴに属するパターンの特徴空間上 ターンの認識を行う認識機構から構成される。シミュ         の点(μ,のにおける分散。i=1,2 レーションに用いたモデルは以下に示す特徴抽出機構お

よび認識機構をもつ。      未知パターンんの特徴関数∫に対してつぎの計算を行        う。

      結果   1ω覗∫⑭∫1⑭4鋤

      あ(∫)=∬㌶(・,の地〃吻4〃

力 ∫ 結果

パターン関数

特徴抽出

@ 構 特徴関数 認識機構

      未知パターンの認識はつぎの規則による。

       図一1 パターン認識モデル

       1(∫)〉 2(!)ならば

 特徴抽出機構       未知パターンカはクラス1に属する。

 パターン,特に,視覚パターンはR2で定義された実数

       1(∫)< 2(∫)ならば

値関数と考えてよい・(今後・パターンをパターン関数と  未知パターンぬはクラス2蠣する。

呼ぶこともある。)変換関数系Gの要素gは1〜2×1〜2上

で定義された実数値関数である。ρ(κ,y;μ,のと表わし,    上で述べたことは,離散系システムに適用できる。シ ぽ,y)を変数と考える時には(μ,のはある値に固定された   ミュレーションにおいては,パターン関数ん,変換関数

パラメータとみなす。変換関数系Gを集合の表現で表わ   系Gの要素9,特徴関数∫はすべてマトリックスで表現

せば,       されている。

     G={g(・,・;μ,の:(μ,のεX2}      3.変換関数系の影響

       X2⊂1〜2

となる・パターン関数◎は変換関数系Gによってに灘:鷲熟:離諜ご燥

特徴関数∫に変換される。

       ターンセットあるいは変換関数系Gの影響を受ける。ト

    ∫・⑭=∬1蜘・蜘;防のw  レーニングパターンセ・トの影響}ま考えずに,変換関数

       X、⊂1〜2       系の影響について述べる。未知パターンが クラス1と        クラス2に分割できるとする。クラス1のパターン関数

Xlはパターン関数⑭)と・・κ,・;・,〃)の定義域で ん1とクラス2のん、に対して,すべての9,Gにつ、、て

㌫墓竺関輌ぱ⊂Rで定義された実く鋤注・と鯛力・ほとんど同じ値をもつと蹴

       変換関数系Gによって,拓と疏が特徴空間上へ変換さ  認識機構

の標準特徴関数∫1とクラス2の万を得る。

       シミュレーションでは積分を総和で行うので,特徴関

  ∫1(・・〃・一{剛・)一祝…,〃・}α12+ i。, 、 数∫注2)}ま

輌一{ の一一誌・防の となる∴蟻『(1;㌶1二_音『

ここで・       注1)パラメータ(回鯛定されだも疏し,ここでは省略し,

  α11,α12,α21,α22:正の定数・       …ん・・∬、・⑭◎W

  物(μ,o):クラス に属するパターンの特徴空間上      を意味する。

       の点(μ,川における平均。 =1,2     注2)実際にはマトリックスであるが関数と呼ぶ。

(3)

109

分集合をSで表わす。       4.テストパターン

   5={( ,元)εX1:ぬ1( ,ノ)=ぬ2( ・元)}⊂X1      図.2に示すa〜hまでの基本パターンに,白と黒の出

 もし,       現確率に正の相関をもつ乱数によるランダムな修正を行

      四;肋){;1::;::1性、,  ㌶㌻㌶元芸甥㌶▲墓:;二竺

       ルファベットを使って表わす。すなわち,基本パターン

 であれば・       aから作成された8個のパターンの集合をAで表わす。

五(4勿)三羅xξ・(ゴ,∫)9ほ・∫;琢・幼)

    ::慧㍑驚櫟輌綱贋囲盟臨囲

 と      a     b      c      d       し

     万(4勿)=(、黒、吻・(i・ノ)9(ゴ,〃,〃2)

は異なる値をもつ。また,逆に、

・・ち元;4卿) m1{;:遮

であれば,∫1(4〃z)と∫2( ,〃2)は同じ値をもつ。   e      f       g      h っぎに,       図一2 基本パターン

 g( ,元;!0,〃21)として拓@,∫),

 ,、 ,∫; 。,初、)として乃、(2,∫),    各パターン}・おいて黒が1を白が0を表わす・また・一  をとる。すなわち,変換関数系Gの要素としてパター   0・5のバイアスを付け 黒が0・5を白が一〇・5を表わすも ン関数そのものをとれば,パターン関鋤の特徴関数∫ の}・ついては を付けて表わす・(たとえば・aWなど・)

は,        これら16種類のパターンセットについての相関を求め        た結果を表一1に示す。各パターンセットごとに平均パ     ∫(1o,勿1)=( 擦認(ゴ 元泌1(らノ)       ターンを求め,それらの各平均パターンセット間の相関     ∫(∠・,〃22)=ΣMゴ,ノ)カ2( ,∫)        を計算したものである。基本パターンから考えれば,相          くちカど ユ

となる。パタ_ン関数ぬ、の特徴関数∫、の(εo,沈1),  関が0になるべきものが0でない。これは・基本パター    (〃。,〃22)要素の値は      ンにランダムな修正を加えて作成したためである。

        ノ1(ψo,〃21)=Σ川(ゴ,∫)      5.実験

      (ゴ,」)εx1

        ∫1(ψ゜ 22)=(ら忍κク1¢ノ)カ2( 力         変換関数系Gに使用するテストパターンセットを選

    となり,パターン関数ぬ、の特徴関数∫2は         ぶ。認識を行いたいテストパターンセットをトレーニン

        ゐ(ん勿1)一、蕊励・緬)   ㌶:ご::〉㍍璽:きζ翼慧三

        万(τo,吻2)=,、裏・卿)   と同じテストパターンセ。トを未知パターンセ。トとし

    となる。よって,対象とする未知パターンを変換関数   て,認識を行わせる。すなわち,トレーニングパターン

  系Gに加えることによってパターン関数拓と妬の差異を   セットから算出したクラス1とクラス2の標準特徴関数

   特徴関数に抽出することができる。       力,万 と未知パターンの特徴関数∫によって,τ1(つと     パターン関数と変換関数系Gの要素との相関の有無に   九ωの計算を行い,その値の評価を行う。標準特劉関一数

   よる特徴抽出の変化を,τ1(∫)および 2(∫)の評価を行う   を計算する時に使用するパラメータα11,α12,α21,α22

   ことによって調べることができる。      はすべて1とした。

   注3)日,力ξ5はば,力εS∩X1を意味する。

(4)

A

A

B

B

C

C

D

D

E

E

F

F

G

G

H

H

AA BB CC DD EE FF GG HH

23.84

8.84  9.84            \ 4.95 −9.61  23,02

−10.05 −8.61  8.45  9.89 13,14 −1.36  13.78  −0.72  22.22

−1.86 −0.36  −0.78   0.72   7.72   9。22

13.56 −0.88  13,58  −0.86   5.22  −9.22  21.86

−1.44  0.13  −0.98   0.58  −9.28  −7.72   7.42   8.98

17.45  4.08  7.08  −6.30  16,91  3.53  6.84  −6.53  20.81 2.45  5.08 −7.48 −4.86  2.41  5.03 −7.59 −4.97  7.44 10.06 7.80 −5.20  16.58   3.58   6,28  −6.72  17,92  4.92  3.31  −9.69  19.59

−7.20 −4.20  2.02  5.02 −8.22 −5.22  3.48  6.48−10.06  −7.06  6.59  9.59 5.38 −6.75  16.06   3.94  16.70   4.58   6.00  −6.13   9.78  −2.34   8.94  −3.19  18.78

−9.63 −5.75   1.50   5.38   2.20   6.08  −8.44  −4.56  −3.59   0.28  −4、06  −0.19   6.66  10.53

16.11  5.17   4.81  −6.13   5.53  −5.41  13,86   2.92   9.41  −1.53   9.08  −1.86   1.75  −9.19  15.92

1.11  6.17 −9.75  −4.69  −8.97 −3.91 −0.58  4.48  −3.97  1.09  −3.92  1.14 −10.37  −5.31  4.98  10.05

表一1 テストパターンの相関

つぎの条件を定める。

条件A

すべての未知パターンに対して,

  パターン関数力がクラス1に属するならば

r1(∫)>0 かつ   2(∫)<0

パターン関数乃がクラス2に属するならば

      1(∫)<0  カxつ    2(∫)>0

条件B

すべての未知パターンに対して

  パターン関数乃がクラス1に属するならば

        1(∫)〉 2(∫)

パターン関数〃がクラス2に属するならば

     rl(∫)<r2(∫)

 上の二つの条件は,条件Bよりも条件Aの方が厳しい。

 r16りを横軸にちむりを縦軸にとり,ち一》1平面上に,未

知パターンの分布をグラフに書くことができる。

 上で述べた条件Aおよび条件Bは,未知パターンセッ

トの診1一ちの平面上の分布の形を示すものである。条件

Aを満足すれば・ 一 2平面の第2象限にクラス2に属      表一2 シミュレーション結果 するパターンが,第4象限にクラス1に属するパターン

が分布する。条件Bを満足すれば・ 1=ちの直線より上に    テストパターンセット注4)についてのシミュレーション結

クラス2のパターンが,下にクラス1のパターンが分布   果を表一2に示す。テストパターンセットの変換関数系

する。      Gと未知パターンセット(トレーニングパターンセット

緬、 パターン

J系Gセット

1 r II II III IIr

w

w

1 ×

1 × ×

II × △ △

Ir

III △ △ × ×

III × ×

IV ×

IV

V

V

VI

VI

(5)

111

↑      ..       t21

       

■蔦       t1

図_3.1未知パターンセット:1   図一3・2 未知パターンセット:1  図一3・3未知パターンセット:II

       (目盛:100)      (目盛:100)      (目盛:1)

e1

、.・

亀2

ヒ1

・.

図一3.4未知パターンセット:II   図一3.5 未知パターンセット:III  図一3.6 未知パターンセット:Ilr

       (目盛:1)       (目盛:100)      (目盛:100)

       ト

      ㌔}       ㌔

㌦   1       ・.

t1 1      ピ・

図一3.7未知パターセット:IV    図一3.8 未知パターンセット:IV       (目盛:100)      (目盛:100)

図一3 変換関数系に1を用いた場合

(6)

       一てr

      

図一4.1未知パターンセット:1  図一4.2 未知パターンセット:r   図一4.3未知パターンセット:II        (目盛:100)      (目盛:100)       (目盛:1)

       ヒ↓      一

      、

図一4・4 未知パターンセット:II   図一4.5 未知パターンセット:m   図一4.6 未知パターンセット:IIr

       (目盛:1)      (目盛:100)       (目盛:100)

       t2

 t1

図一4・7未知パターンセット:IV   図一4.8未知パターンセット:IV       (目盛:100)       (目盛:100)

       図一4 変換関数系に1 を用いた場合

(7)

113

と同じ)の組合せについて,条件Bを満足しないものに   告では述べなかったが 認識対象とするパターンと無相

は,×印を,条件Aは満足しないが,条件Bを満足する   関な関数だけから成る変換関数系Gでは・認識がほとん

ものには△印を付けた。条件Aを満足するものは空欄の   ど不可能であることが知られている。一方・対象とする

ままとした。表一2から,認識率の悪いはずの組合せ(1   パターンと相関のある関数を変換関数系Gとして選べ

とII 、, IIとr, II と1, II と1 , IV!とIII, IV とIII )   ば,よい特徴抽出を行うことが,シミュレーションによっ

に対して,正して認識した結果を得た。これは,テスト   て確認できた。今回,用いたテストパターンの数が少な パターンをランダムに発生したことが原因であると思わ   いかったが,数を増加すれば,認識率は下がると思われ れる。       る。また,今後の課題として,相関変換の理論的研究,

 変換関数系Gとして,テストパターンセット1を使用   非線形変換に対する研究,さらに,特徴抽出機構の学習 した結果を図一3に,テストパターンセットゴを使用し   能力の開発などがある。

た結果を図一4に示す。未知パターンセット(トレーニン    最後に,日頃,御指導いただく加藤清史教授に感謝す グパターンセットに同じ)にテストパターンセットII を   る。

使用した結果 (図一3.4)に正しく認識しているが,グ

ラフの目盛が1と小さく,1,1 とII, II の組合せ以外       参考文 献

のもの(目盛が100)に較べて,誤認識を起す可能性が強    1)玉木「相関に基づく特徴抽出について」九州工業大学研究報告

い・ タ際・テストパターンの数が増力日すれば誤認識を起 ,)(熟慧,翼罐;,ac,i。n M。d,lb,C。rrel、,、。叫,、E こすと思われる。      Int. Conf, pattern Recognition, Dec.,1g80.

      3)L.シュワルツ著,吉田他訳「物理数学の方法」岩波書店.

 6.あとがき

 相関による特徴抽出機構をもつ認識モデルの変換関数 系Gの特徴抽出におよぼす影響について報告した。本報

注4)テストパターンセットはパターンセットからつぎのように 構成されている。

  1={A,B}, 1 ={A , B }, II={C, D}, II ={C , D }

  m={E,F}, III ={E ,F }, W={G,H}, IV ={G , H }

参照

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