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熊大教育実践研究第17号。7-14.2000

中学校技術・家庭科における「家庭の機能」の指導内容 に関する-考察

八幡 谷口 彩子・ 坂本 貴久子”

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な諸状況をふまえ,「家庭の機能について理解を深 め,課題をもって生活をよりよくしようとする能力 と態度を育てる」ことを中学校技術・家庭科(家庭 分野)の目標として打ち出した.一方実際の中学生 は,自立心が高まい周りから干渉されることを避 け,家族への関心が薄くなる傾向にある.しかし,

子ども達が健やかに成長し,心身ともに健康な生活 を送るためには,家族の果たす役割や「家庭の機 能」はとても大きいものであると考える.

これまで「家庭の機能」に関す愚領域は,おもに 高等学校家庭科〔家庭一般等)において取り扱われ てきた.こうした内容が新学習指導要領では中学校 でも扱われるよう腱なるが.「家庭の機能」に関す 研究の目的

少子。高齢

近年,核家族化,少子。高齢化,情報化等さまざ まな社会の変化に伴って,私たちの家庭生活は多様 化し,家族の役割や家庭の機能も変化しつつある.

このような中で,これまで「物②豊か苔」を追い求 めてきた社会が忘れかけていた「心の豊かさ」に気 づき,1人1人が今「自分にとって家族とは何か」

について考えることが求められている.平成10年 12月に公布された新学習指導要領では,このよう

・家政教育学科 噸.熊本市立湖東中学校

-7-

(2)

八1iii(谷口)彩子・坂本賛久子

る指導内容の検討を行う上で,中学生の生活実態,

レディネスとの関連を考えることは不可欠の課題で あると考える.ざらに中学生の生活実態やレディネ スを把握するためには,中学生が実際に家庭生活の 中でどのような仕事を分担しているのか,あわせて 中学生への影響が最も大きいとみられる保護者の家 庭観に関する把握も必要になると思われる.そこで,

本研究では,中学校技術・家庭科における「家庭の 機能」の指導内容を検討するに先立ち,中学生と保 護者を対象とした「家族の役割分担と家庭の機能」

に関する調査を実施することによって$次のことを 検討してみたい。

①本研究では,これまでの家庭領域で扱われてき た食物,被服,・住居,家庭経営,保育などの諸領 域の中核として「家庭の機能」に関する指導内容 を位置づける.本調査では「家庭の機能」と各家 庭で実際に行われている衣食住や保育等の仕事の 役割分担の実態把握を行うことによって,家庭科 における諸領域と「家庭の機能」の内容領域との 関係を明らかにする.

②本研究では,家庭科で育成したい「生きる力」

の一つとして「家庭の機能の円滑な遂行ができる 力」を考えた.本調査を通して。この「家庭の機 能」をどのようにとらえ,何を重視し、どのよう に指導したらよいのかについて検討する.

③中学生が認識している「家庭の機能」と保護者 が認識している「家庭の機能」に関する認識の違 いを分析し,中学生の「家庭の.機能」に関す愚認 識を高めるためにはどのように指導すればよいの か,またどのような「家庭の機能」を重視すべき なのかについて考察する。

の中学生の「家庭の機能」に関する認識の違いに 影響を及ぼす諸要因として,本調査では,生活経 験(とくに中学生が家庭での仕事をどの程度行っ ているか)を中心項目ととらえる。この生活経験 が中学生の「家庭の機能」に関する認識にどのよ うに関連しているのかについて検証を行う。

以上①~④の検討をふまえ,中学校技術・家庭 科における「家庭の機能」の指導内容開発の条件 について考察する.実際「家庭の機能」に関する 指導内容は,体験的学習に結びつけにくく,抽象 的な授業展開になりやすい。本調査に基づき,中 学校の技術。家庭科で子ども達の生活能力の育成 やよりよい家族関係の構築のためにどのような学 習内容を組み立てていけばよいのかに関す患実践 研究へとつなげたい。なお本報では,③④に関す

る分析結果を中心に報告する.

研究方法

調査対象熊本市内の中学校7校に通学する中学 生ならびにその保護者を対象とした.調査対象者の 男女比は,中学生男子49.3%,女子50.7%,保護者 男性5.0%,女性93.9%で,中学生の学年は’1年生 354名,2年生228名,3年生327名,保護者の平均 年齢は41.63歳であった。

調査方法中学生は自記式集合調査,保護者は自 記式によ愚質問紙留置調査とし,調査期間は平成 11年6月22日から7月19日までとした.

回収状況中学生は配布総数909部のうち回収数 880部(回収率96.8%),保護者は配布総数480部の

うち回収数377部(回収率78.5%)であった.

研究結果及び考察

中学生とその保護者における「家庭の機能」に関す る認識⑲比較

「家庭の機能」に関する認識には,発達段階や年 齢による違いがみられる。また,同じ家庭で生活し ていながら,中学生とその保護者では,「家庭の機 能」と認識する内容にも違いがあると考える.そこ で,中学生の発達段階における家庭の機能に関する 認識の実態を把握すると同時に,その中学生の保護 者との「家庭の機能」の認識の違いを把握するため 腱,両者の比較検討を行った.本調査では「家庭の 機能」として]4項目をあげ,各項目について「家 庭の機能」として「と冠もあてはまる」「まあまああ てはまる」「あまりあてはまらない」「全くあてはま らない」のうちいずれか1つを選択回答してもらっ た.なお「とてもあてはまる」と「まあまああては まる」の合計を「あてはまる」,「あまりあてはまら ない」と「全くあてはまらない」の合計を「あては まらない」として分析した.

図1に示すとおり,本調査の全項目において「あ てはまる」と答えた割合は,保誰者より中学生の比 率が少なく,中学生における「家庭の機能」に関す る認識の現状が伺われる.とくに「家庭の機能」に 関する両者の差が大きかった項目は,「家族の悩み などをみんなで考え解決していく場」「家族の.伝統的 な生活を守り,伝える場」「環境問題を解決するため の行動をする場」であるその中でも「家族の悩み などをみんなで考え解決していく場」は「なくなり つつあ患家庭の機能」と答えた中学生の割合が保誕 者に比べて顕著であった.その理由として,中学生

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(3)

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(4)

八幡(谷口)形子。坂本質久子

響を及ぼす要因として,ここでは,1)性別と2)

中学生の家庭の仕事への参加の有無の2点を取り上 げ,それぞれの影響関係について分析した.

性別による分析図2に示すとおり,大半の項目 で男女差がみられた。特に「健康を考えた生活をす る場」「夫婦や親子の愛情。きずなを深める場」「休 息ややすらぎを得る場」「互いに助け合い.支えあう 場」「子どもを生み育てる教育の場」「老人や病人な どの世話をする場」「お金を家族の生活に役立てる 場」「家族の伝統的な生活を守り,伝え急場」の8項 目で,女子の認識が男子よりはるかに高く,1%水 準の有意差がみられた.その他の項目に関しても女 子の認識が男子より高く,図2に示す項目で5%水 準の有意差がみられた。このことから中学生の「家 庭の機能」に関する認識の違いに男女差が影響を及 ぼしていることがわかった.特に女子の場合「きず なを深める」「助け合う,支えあう」「育て烏」「世 話をする」など家族の連帯意識(家族関係)や情緒 面に関する認識の高まりがみられる。

家庭の仕事への参加の有無による分析図3に示 すとおり,「衣服を調達。管理する場」「食物の調達。

管理する場」「健康を考えた生活をす鳥場」「夫婦や 親子の愛情・きずなを深める場」「老人や病人などの 世話をする場」「お金を家族の生活に役立てる場」「環 境問題を解決するための行動をする場」の7項目で,

「家庭の仕事をする」と答えた中学生の認識が「し ない」と答えた中学生より高く,1%水準の有意差 がみられた.それ以外の項目でも「家庭の仕事をす る」と答えた中学生の認識の方が高く,図3に示す 項目で5%水準の有意差がみられた.このことから,

「家庭の仕事への参加の有無」は「家庭の機能」に 関する認識の違いに影響を及ぼす要因の一つと考え

られる.

次に,家庭の仕事を通した生活体験が,「家庭の 機能」の認識に直接どの程度影響を及ぼしているの かについて,仕事の内容別に分析した.ここでは特 に,生活体験と関連があると思われる「衣服を調 達・管理する場」「食物の調達。管理する場」「快適 な.住まい方を考え,管理する場」の3項目について 分析を行った.その結果$洗濯や洗濯物の整理整と ん$ほころび直し・ボタンつけやアイロンかけ葱ど 衣生活に関する5つの仕事それぞれにおいて「仕事 をする」という中学生の衣生活に関する「家庭の機 能」の認識が高く,図4に示す項目で有意差がみら れた.とくに「ほころび直しやボタン付け」「アイロ ンかけ」葱どの仕事をしている中学生の認識が最も がこの時期に悩みを相談する場が家庭だけではなく,

友人同士で相談していることが考えられる。

次に,それぞれの「家庭の機能」に関して比較し てみると,両者共「家庭の機能」として「あてはま る」と思う割合が高いものに「疲労を回復する場」

「健康を考えた生活をする場」「夫婦や親子の愛情・

きずなを深める場」「休息ややすらぎを得る場」「互 いに助耐合い支えあう場」がある。これは両者が

「-番大切な家庭の機能」としてあげた比率が高 かった上位5項目とも一致しており,家族の心のつ ながり(家族関係)を大切にしてい急ことが伺われ た.

また,本来「家庭の機能」の中心ととらえられて きた「衣服を調達・管理する場」「食物の調達。管 理をする場」「快適な住まい方を考え,管理する場」

という「衣。食。住」に関する項目では,中学生。

保護者共に「あてはまる」と答えた割合が,家族関 係に関する機能の認識より低かった.これは衣食住 の調達。管理に関する「家庭の機能」とくに家事労 働の社会化を反映する結果と思われる。これに対し て,両者共「あてはまる」と思う比率が低いものに

「老人や病人などの世話をする場」「環境問題を解決 するための行動をする場」をあげている.これは

「なくなりつつある家庭の機能」としてあげた比率 が高い項目と一致しており,高齢者問題と環境問題 が家庭の問題というよりむしろ社会問題ととらえら れる現代社会の実状が反畷されていると考える.し かし,これらはいずれも家庭生活と密接薮関係があ ることは言うまでもない.とくに「老人や病人など の世話をする場」は,保謹者の方が「なくなりつつ ある」と答えた比率が高かった。これは,保護者が 高齢社会の介護問題を深刻にとらえ,保護者の老人 扶養に対する考えと,保護者自らが年老いた時,そ の扶養を子どもに求めるかどうかという両方の考え 方を比較し,反映された結果と考える.またゴミ問 題,生活排水による河川の汚染など環境問題の原因 と家庭生活は密接な関係があり,地球の環境を守る ためには家庭生活の中での実践がとても重要となる そのためにもまず,環境問題と自分達の家庭生活と の関係を調べさせ,環境問題を解決す急場が家庭生 活にあるということに気付かせることが必要である

と思われる.

「家庭の機能」に関する認識の違いに影響を及ぼす 諸要因

中学生の「家庭の機能」に関する認識の違いに影

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(5)

中学校技術・家庭科における「家庭の機能」の指導内容にIHIする-考察

図2中学生の「家庭の機能」に関する認識(男女別)

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衣服を調達・管理する場(男子)

衣服を調連・管理する場(女子)

食物の調達・管理する場(男子)

食物の調達・管理する場(女子)

快適な住まい方を考え、管理する場(男子)

快適な住まい方を考え、管理する場(女子)

疲労を回復する場(男子)

疲労を回復する場(女子)

健康を考えた生活をする場(男子)

健康を考えた生活をする場(女子)

夫婦や親子の愛情・きずなを深める場(男子)

夫婦や親子の愛情・きずなを深める場(女子)

休息ややすらぎを得る場(男子)

休息ややすらぎを得る場(女子)

互いに助けあい、支え合う場(男子)

互いに助けあい、支え合う場(女子)

子どもを生み育てる教育の場(男子)

子どもを生み育てる教育の場(女子)

老人や病人などの世話をする場(男子)

老人や病人などの世話をする場(女子)

お金を家族の生活に役立てる場(男子)

お金を家族の生活に役立てる場(女子)

家族の伝統的な生活を守り、伝える場(男子)

家族の伝統的な生活を守り、伝える場(女子)

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家族の悩みなどをみんなで考え解決していく場(男子)

家族の悩みなどをみんなで考え解決していく場(女子)

環境問題を解決するための行動をする場(男子)

環境問題を解決するための行動をする場(女子)

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(6)

八幡(谷口)彩子・坂本Pt久子

図3中学生の「家庭の機能」に関する認識(家庭の仕事への参加別)

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衣服を調達・管理する場(しない)

食物の調達・管理する場(する)

食物の調達・管理する場(しない)

快適な住まい方を考え、管理する場(する)

快適な住まい方を考え、管理する場(しない)

疲労を回復する場(する)

疲労を回復する場(しない)

健康を考えた生活をする場(する)

健康を考えた生活をする場(しない)

夫婦や親子の愛情・きずなを深める場(する)

夫婦や親子の愛情・きずなを深める場(しない)

休息ややすらぎを得る場(する)

休息ややすらぎを得る場(しない)

互いに助けあい、支え合う場(する)

互いに助けあい、支え合う場(しない)

子どもを生み育てる教育の場(する)

子どもを生み育てる教育の場(しない)

老人や病人などの世話をする場(する)

老人や病人などの世話をする場(しない)

お金を家族の生活に役立てる場(する)

お金を家族の生活に役立てる場(しない)

家族の伝統的な生活を守り、伝える場(する)

家族の伝統的な生活を守り、伝える場(しない)

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家族の悩みなどをみんなで考え解決していく場(する)

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(7)

中学校技術・家庭科における「家庭の機能」の指導内容に関する-考察

図4衣服を調達・管理する場(中学生)

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全体 男子 女子 洗泄をする 洗泄をしない 洗濯物をたたむ 洗泗物をたたまない 洗泗物をダンスに入れる 洗湿物をダンスに入れない アイロンかけをする アイロンかけをしない

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図61央適な住まい方を考え、管理する場(中学生)

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全体 男子 女子 自分の部屋の掃除をする 自分の部屋の掃除をしない 家族共同部屋の掃除をする 家族共同部屋の掃除をしない 玄関の掃除をする 玄関の掃除をしない 風呂掃除をする 風呂掃除をしない ゴミ捨てをする ゴミ捨てをしない

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高かった.逆に「洗濯物をたたむ」「洗濯物をダンス に入れる」などの自分の身の回りの簡単な仕事をし ていない中学生ほど「家庭の機能」に関する認識が 低かった(図4).つぎに「食事の準備」「食器洗い」

など食生活に関する5つの仕事それぞれにおいても,

それらの仕事を「する」と答えた中学生の方が「食 物の調達・管理をする場」という「家庭の機能」に 関する認識が高く,1%水準の有意差がみられた.

逆に「食卓の後片付」「食卓の準備」などの仕事をし ない中学生ほど「家庭の機能」に関する認識が低 かった(図5).さらに住生活に関しては,全体的 に家庭の仕事への参加有無での認識差は大きくな

かつたが,「家族共同部屋の掃除」を「する」と答 えた中学生の方が「快適な住まい方を考え,管理す る場」という「家庭の機能」に関する認識が高 く,5%水準の有意差がみられた.それ以外の仕事 においてもそれらの仕事を「する」と答えた中学生 の方が「家庭の機能」に関する認識が高かった.逆 に,衣・食生活同様「自分の部屋の掃除」などの自 分の身の回りの仕事,簡単に実践できる仕事をしな い中学生の「家庭の機能」に関する認識が低かった (図6).

以上の結果から,「家庭の仕事をする」という生 活体験が「家庭の機能」,特に「衣・食・住」に関す

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(8)

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る「家庭の機能」の認識に影難を及ぼしていること がわかった.このことから,簡単な家庭の仕事の晋 ,慣化・役割分担は「家庭の機能」に関する認識を高 める上で重要で,「家庭の機能」に関する指導内容 を開発していく上で,こうした点に留意しておく必 要があると考える.

研究のまとめ

中学生と保謹者を対象とした「家族の役割分担と 家庭の機能」に関する調査を行い,両者の「家庭の 機能」に関する認識とその認識に影響を及ぼす諸要 因について分析を行った.その結果をもとに,中学 校技術・家庭科における「家庭の機能」に関する指 導内容の開発を行う上で考慮すべき観点をまとめる と次のようになる。

(1)中学生と保談者の「家庭の機能」に関する認識 には差がみられ,全体的に中学生の認識は低かっ た.このことは,中学校技術。家庭科における

「家庭の機能」に関する学習効果の余地を残すも のといえよう.一方,共通して,家族関係に関す る「家庭の機能」の認識が高く,「衣・食・住」に 関する「家庭の機能」の認識は低いことから。家 事労働の社会化現象が意識面にも反映きれている とみられる.家族。家庭生活を重視する新学習指 導要領の趣旨もそうした実状に合致したものと考 える.そこで,中学生の発達段階を踏まえて,自 分にとって家族とは何なのかを考えさせ,「家庭 の機能」についての理解を深める指導内容の開発 が重要である.

(2)中学生。保誰者共「家庭の機能」として老人問 題や環境問題を認識する割合が低かった。しかし これらの問題は決して家庭生活には関わりがない のではない.これらの問題を解決するため腱実際 に行動がとられる場が家庭であることに気づかせ,

どのように実践・行動していったらよいのかを考 えさせる指導内容が必要である.

(3)中学生・保護者共「なくなりつつある家庭の機 能」として「家族の伝統的な生活を守り,伝える 場」をあげた.この結果から,伝統的な生活様式 にとらわれず,新しい生活様式を求める傾向が伺 われた.したがって,これから自分達にあったラ イフスタイルを主体的に選択し,どのように創造 していくのかに関する学習内容が重要になってく ると思われる.

(4)中学生の「家庭の機能」に関する認識の違いに$

男女差が影響を及ぼしていた.これは日本の伝統 的役割分業が残っていることも一因と考えられる。

このことから,性に関する固定観念や男女の役割 について考えきせ,男女がどのように協力して

「家庭の機能の円滑な遂行lを実現するのかにつ いて考えきせることが必要と思われる.そのこと がよりよい家庭生活の実現につながることを気づ かせたい.

(5)中学生の「家庭の機能」に関する認識の違いに,

家庭の仕事への参加の有無が影騨を及ぼしていた.

特に「衣・食・住」に関する機能については影響 が顕著であった.これらの認識は自然に高まるの ではなく⑪家庭の中でどれだけそうした仕事(家 事労働)を体験するかということが直接関係する ことから,家庭の中での役割分担や家庭科の授業 の中で仕事の能力を高めるような体験学習とくに 従来の調理や被服に関す愚実習指導の積み重ねが 重要であり,それが「生きる力」を育てることに つながると考えた.この点に,家庭科の総合的。

体験的教科としての特色があると考える.

本研究で得られた以上の嬢点をふまえ,今後,新 学習指導要領に対応した教材開発を行っていきたい,

調査にあたり,ご協力いただきました熊本市立東 野中学校,同東町中学校,同錦ケ丘中学校,同西原 中学校,同城南中学校,同竜南中学校,同湖東中学 校の先生方,中学生・保護者の皆様に厚く御礼を申

し上げます.

参考文献

有池亭編箸(1989):「現代家族の機能障害とその対応」。ミ ネルヴァ播房,京都

勉高京子【1969):現代における家庭の機能についてその L東京家政学院大学紀要,9,口p・”-39

1n高京子(1970);現代における家庭の機能についてその 2・東京家政学院大学紀要‘10.ppl-ll

旭高京子・仙波千代(1981);「家政学原論」,光生館,東京 福祉士養成識座編難委員会編(1997)「三訂介護福祉蕊成講座

③家政学概論」中央法規出版

堀内教代(1999):生徒がいきいきと取り組む授業を目指し て。全日本中学校技術・家庭科斫究会編「中学校技術・家 庭科理論と実践1,37,pp79-82

宮原純雄編(1992):「家庭科におけ愚家族の教育』(月刊「家 庭科教育」11月増刊号,66(14〕)家政教育社,東京 文部省(]998);中学校学習指導要領,第8節技術・家庭

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