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停滞傾 向持続下 の景気拡大

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停滞傾 向持続下 の景気拡大

花 田 功 一

は じめに

現在 ( 1 996 年 8 月現在), 日本経済は極 めて困難な状況 に直面 している。輸 出は全体 としても, また,その中心である電気機械 においても大 きく低迷 して いるし,その結果 として,電子機券の生産 もパ ソコンや携帯電話 などご く一部 の商品を除いて極めて停滞 している。その うえ,財政 も国債発行残高が今年度 末 には2 40 兆円を越 えようとしていることに象徴 されるように,ほ とん ど破綻 寸前の状況に陥っている。

このように, 日本経済は,今,順調な拡大のための基本条件 を喪失 している のであるが, この危横の本質 と深刻 さを正確 に理解することは,今後の 日本経 済のあ り方を考えていこうとする場合避けることので きないことである 。

ところで,現在 日本経済が直面 している危機 は決 して今 に始 まったわけでは ない。すでに財政危機は 7 0 年代後半には決定的 とな り ,8 0 年代 に入 ると思 うよ うに財政支出を拡大することは不可能になっていた し ,85 年か ら急激に円高が 進み,それ以来輸出は全体 として も,また,電気機械 においても低迷を続 け, それ とともにまた,それまで経済の拡大 を主導 して きた電気機械工業の生産 も バブルによる消費拡大があったにもかかわ らずそれ以前に比べると伸び悩みの 状態が続いたのである 。

こういうわけで,現在の危機は 8 0 年代半ばにはすでにその全貌 を現わ してい たのである。その後,バブル景気 によってこの危機は一時的に表面か ら消 えて

〔 73〕

(2)

7 4 商 学 討 究 第 47 巻 第 2・3 号

いたが,輸出の低迷 はバ ブル景気の中で も続 いていたか ら,バ ブルが崩壊 しさ えす れば,電気機械工業 の深刻 な低迷 ははっ き りその姿 を現 わ さざるをえな かった し, また,バ ブル景気の問,国債発行額 は減少傾向を示 していたが,国 債の発行その ものは続いてお り, したが って,国債の発行残高は増大 し続 けて いたか ら,バ ブル崩壊 による深い長期の不況の もとでは,財政危機 のさらに一 層の急激 な激化 は避 けることので きない ことであったのである

こうして,現在 日本経済が直面 している深刻 な危機 は80年代半 ばにはすでに その全貌 を現 わ し,バブル景気の中で もその進行 をやめなかった危機がバ ブル 崩壊 とともに極めてはっ きりと顕在化 して きた ものなのである。 したが って, 現在の危機の本質 と深刻 さを正確 に理解す るためには80年代半ばに遡 って,そ の時点ですでにその全貌 を現わ していた危機 を正確 に把握す ることか ら始める 必要があるのであるが,財政危機 はすでに70 年代後半 には決定的 となっていた し,輸 出や電気機械工業の低迷 は7 5 年以降の電子技術 の発展やそれにもとづ 〈 電子機械 ( 電子部品 と電子機器)の生産 と輸出の拡大 を主 な要因 として生 じた のであるか ら,結局,現在 の危機 の真の理解のためには1 9 75 年 まで遡 って現在 の危機 に関連す る諸問題 に即 してそこか ら首尾一貫 した議論 を組み立ててい く ことが必要なのである

以上のような見地か ら,本稿及び続稿 では,現在 日本経済が直面 している深 刻 な危機の真 の理解 を目指 しなが ら,それに関連す る諸問題 に絞 って1 9 75 年以

降の 日本経済 を理路整然 と解説 してい くことを試みることに したい。

さしあた り,本稿 では1 9 7 5 年か ら 86 年 までの 日本経済 について高度成長が終 わ り,停滞圧力が根 強 く作用するなかで先進国の中では最 も順調な拡大 を遂げ ることがで きた要因について明 らかに してみることに したい。

第 1 章 1 9 7 5 年 以 降の 日本経 済 にお け る根 強 い停 滞傾 向 1 9 75 年以降の 日本経済には強力 な停滞圧力が働いていた。

高度成長時代 における旺盛 な設備投資 と生産の拡大 を支 えてきた最 も重要な

(3)

停滞傾向持続下の景気拡大 7 5 要 因であった耐久消費財 の生産 はその主 な ものが ほ とん ど普及 し尽 くして し

まったことによって停滞 を運命づけ らていた し, また,高度成長 を支 えた もう 一つの主要な要因であった輸 出 も世界経済の低迷や円高の進行 によってそれま でのような拡大 はとて も不可能であった。設備投資や生産の拡大は, これ らの ことか らまず,強い圧迫 を受けていたのである。

しか も,高度成長時代の投資が投 資を呼ぶ とい う形で展開 された旺盛 な設備 投資の拡大 は生産手投生産部門の生産能力の消費手段生産部門の生産能力 に比 べ ての急速な拡大 をもた らしたが, こうして形成 された生産手段生産部門の消 費手段 の生産 に とっては余分 な生産能力の累積 は生産手段生産部門の設備投資 の拡大,ひいては設備投資全体の拡大 を大 きく抑制す るように作用 したのであ り, これが また,耐久消費財生産や輸出の低迷か らくる設備投 資や生産の拡大 に対す る圧迫 をさらに一層強化す ることになったのである 。

これ らの停滞圧力はすでに 7 0 年代初頭か ら作用 してお り, 7 5 年以降は耐久消 費財の さらに一層の普及や円高の一層の進行や世界経済の低迷の本格化 によっ て一層強力 に作用するようになっていたのである

しか し, 1 9 7 5 年の時点の 日本経済 はこの言わば構造的な停滞要因に加 えてさ らに一層深刻 な循環的な停滞要因を抱 えていた。それはもちろん 7 3 年末か ら 7 5

年初めにかけて発生 した戦後最大の不況の結果 としての膨大 な生産設備 と商品 在庫の過剰である。 日本経済 は何 をおいて もまず この膨大 な設備 と商品の過剰 をかたづ けなければな らなかったのである。 しか も, この過剰 を解消す る役割 を担 うべ き国家財政は景気の低迷 による歳入の大幅な減少 によって 7 5 年の段 階 ですでに相当な危機 に陥っていたのである

こうして , 1 9 7 5 年以降の 日本経済は構造的な停滞圧力が背後に作用 してお り,

国家財政が危機 に陥っているとい う状況の もとで,膨大 な生産設備 と商品在庫

の過剰 をかたづ けなければな らない とい う困難 と,それが済んだ後,そこで初

めて前面 に登場 して くることになる構造的は停滞圧力 と今度 は本格的に戦わな

ければな らない とい う困難の 2 段階の連続的な極 めて大 きな困難に直面 してい

たのである

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7 6 商 学 討 究 第 47 巻 第 2・3 号

これか ら見てい くように, 日本経済は75 年か ら 86 年にかけて 3 回の景気拡大 を達成することによって,第 1 段階の困難 をなん とか克服するとともに,第 2 段階の困難 もある程度 まではねのけることがで きたのであ り,それによって 日 本経済は75 年か ら 86 年にかけて先進国の中では最 も順調 な経過 を辿ることがで

きたのであるが, 2 段階にわたる強力 な停滞圧力が作用 した結果, 日本経済は 高度成長時代 に比べれば全体 として大 きな低迷 を余儀 な くされたのである。

このことは 75 年以降の設備投資や生産の伸 びを高度成長時代のそれ と比較 し てみれば一 目瞭然である 。 製造業の設備投資 ( 実質)は高度成長の時代 に1 955 年か ら 70 年 にかけて6, 780 億 7, 70 0 万円か ら 1 3 兆9, 0 40 億 8, 000 万円へ20. 5 倍 とい

う大 きな増大 を記録 したが,この 70 年の高度成長時代のピークか ら 85 年 ( 1 9 兆 2, 51 5 億 4, 20 0 万 円) にかけてはわずか1. 4 倍の増大 にとどまったのである 1) 0 また, 鉱工業生産は59 年か ら 71 年 までの1 2 年間に1 965 年 を10 0 とした指数で 46. 3 か ら 2 26. 6 まで4. 9 倍 となったが,73 年か ら 85 年 までの1 2 年間では19 80 年 を1 00

とした指数で84. 6 か ら 1 21. 9 へわずか1. 4 倍に しかな らなかったのである2 ) 。

第 2 章 停 滞傾 向持続下 の景気拡大

前章で述べたように,1 975 年以降の 日本経済には強力な停滞圧力が働いてい たが,その中で も日本経済は1 986 年 までの間に3 回の景気拡大 を達成 し,その 3 回の景気拡大 を主な要因 として 日本経済はこの間先進国の中で最 も順調な経 過 を辿 ることがで きたのである 。

その 3 回の景気拡大は経済企画庁の「 景気の基準 日付」によると,第 8 循環 ( 戟 後第 8 番 目の景気循環の意味で1 975 年 4 月か ら 77 年1 0 月まで)における景気拡 大 ( 75 年 4 月‑77 年 1 月) と第9 循環 ( 1 977 年 1 1月‑83 年 2 月) における景気 拡大 ( 77 年 1 1 月‑80 年 2 月) と第1 0 循環 ( 1 9 83 年 3 月‑86 年11 月) における景

1 )経済企画庁編 『 季刊 国民経済計算 』 No . 9 4,1 8 8‑1 8 9 p ,No . 9 2,2 0 5 p 参照。

2) 昭和 4 0 年基準,及び,昭和5 5 年基準の通産省編 『 鉱工業指数総覧』 , 『 鉱工業指数年報』

を参照。

(5)

停滞傾向持続下の景気拡大 77 気拡大 ( 83 年 3 月‑85 年 6 月)である。

そこで,以下,強力な停滞圧力が働 く中で 日本経済はいかにしてこれ らの景 気拡大 を達成 してい くことがで きたかについて順 に検討 してみることに した

い 。

第 1 節 第 8 循環 における景気拡大

1 .概観

景気拡大の要因について検討 する前 に第 8 循環全体 を概観 し てお くと,生産は 7 4 年第 Ⅰ四半 期か ら 5 期 にわたってマイナス が続いていたが,75 年第 Ⅱ四半 期 になってようや くプラスに転 じ,77 年第 Ⅰ四半期 まで 8 期 に わたって拡大が続いた。

しか し,この景気拡大では生 産 も設備投資 もともに前の ピー

クを回復 しないで終 った。資本 主義的生産における景気拡大で は,通常,生産 も設備投資 もま ず前の ピークにまで達 し,そこ か らさらにそれを越 えて拡大 し てい くのであるが,この第 8 循

第 1‑ 1 表 四半期毎 の鉱 工業生産指数 ( 季節調整億, 1 9 80 年 ‑ 1 00) と その伸び率 ( 前期比)

指数 伸び率( %) 指数 伸び率( %) 7 3 Ⅰ 年 8 2. 3 ‑ 7 6 I 年 7 7. 1 4. 9

Ⅱ 8 4. 0 2. 1 Ⅱ 7 9. 9 3. 6

Ⅲ 8 5. 1 1. 3 Ⅲ 81. 6 2. 1

7 4 Ⅳ Ⅰ 年 8 8 6. 6. 9 8 ‑ 2. 0. 1 1 7 7 Ⅳ Ⅰ 年 8 8 3. 2. 5 5 1. 1. 1 2

Ⅱ 8 3. 0 ‑ 4 . 4 Ⅱ 8 3 . 4 ‑ 0. 1

Ⅲ 7 9. 7 ‑ 4. 0 Ⅲ 8 3. 3 ‑0. 1

( 出所)通産省編 『 昭和 5 5 年基準 鉱工業指数稔 覧』,同 『 鉱工業指数年報』より作成.

環における景気拡大では生産 も設備投資 も前の ピークに達 しない うちに下降線 を辿 って しまったのである その意味でこの景気拡大は決 して本来の意味での 景気拡大ではなかったのであ り, 単に景気回復の過程にす ぎなかったのである 。

まず,生産の方か ら見 てみる と,1980 年 を1 00 とした指数では73 年第Ⅳ四半

(6)

7 8 商 学 討 究 第 47 巻 第 2・3 号 期 の 86. 9が 前 の ピ ー ク で あ る

が , この景 気 拡 大 で は 8 3. 5 ( 77 年 第 Ⅰ四半 期 ) まで しか達 しな か った。 年 毎 で は前 の ピ ークは 73年 の84. 6 であ るが , この景気 拡 大 で は83. 7 ( 77年) まで しか 達 しなか った ( 以上 ,第 1‑ 1 秦 ,第 1‑ 2表)0

次に,設備投資について 見 て み ると, この循環では設備投資 は全然盛 り上が らなかった。四 半期毎 で は74年 第 Ⅳ四半期 か ら 76年 第 Ⅲ四 半 期 まで 8期 に わ た ってマ イナスが続 いた後 ,第

Ⅳ四半期 か らようや くプ ラス に なったが, 1 ケ タの伸 びが 4 期

続 いた だけで終 って しまった。

設備投 資 の前 の ピークは7 4年 第

Ⅲ四半 期 の 2兆 7 51 億 円 で あ る が, この循 環 中 に は 1兆 6, 863 億 円 ( 77年 第 Ⅲ四半期) まで し

か達 しなか った。年毎 で は前 の ピ ークは74年 の7兆 6, 303億 円 で

あ る が , こ の 循 環 中 は 75年 , 76 年 と マ イ ナ ス が 続 い た 後 , 77年

に よ う や く プ ラ ス に な っ た が , ま で し か 達 し な か っ た ( 以 上 ,

第 1 ‑ 2表 年毎 の鉱 工 業 生 産 指 数 ( 1980 年 ‑1 00) とそ の 伸 び 率

午 指数 伸び率( %) 年 指数 伸び率( %) 7 3 8 4. 6 1 4. 9 8 0 1 00. 0 4. 7 7 4 81. 2 ‑ 4. 0 81 1 01. 0 1. 0 7 5 7 2. 3 ‑l l. 0 82 1 01. 3 0. 3 7 6 80 . 4 l l. 2 83 1 0 4. 9 3. 6 7 7 83. 7 4. 1 8 4 1 1 6. 5 l l. 1 7 8 89. 0 6. 3 85 1 21. 9 4. 6 7 9 95. 5 7. 3 86 1 21. 4 ‑0 . 4

( 出所)第 1‑1表に同 じ.

第 1‑ 3 表 四半期毎の製造業の設備投資 額 とその伸び率 ( 前年同期比) ( 単位 億 円,%) 投資額 伸 び率 投資額 伸 び率

73 Ⅰ 年 1 3, 8 55 1 8. 0 7 6 Ⅰ 年 1 5, 9 0 5 ‑3. 9

‑Ⅱ 1 3, 3 5 2 1 9. 7 Ⅱ 1 3, 6 8 2 ‑9. 0

Ⅲ 1 6, 9 65 37. 6 Ⅲ 1 5, 77 7 ‑2. 2

7 4 Ⅳ Ⅰ 年 1 1 9, 8, 0 8 81 5 37 36. 4. 0 1 7 7 Ⅳ Ⅰ 年 1 1 6, 5, 9 7 81 8 0 9. 5. 7 5

Ⅱ 1 8, 2 36 36. 6 Ⅱ 1 4, 08 6 3. 0

Ⅲ 2 0, 7 51 2 2. 3 Ⅲ 1 6, 86 3 6. 9

7 5 Ⅳ Ⅰ 年 1 1 8, 6, 477 5 5 8 ‑3. ‑1 2. 2 1 Ⅳ 1 4, 26 0 ‑1 0 . . 8

Ⅱ 1 5, 0 41 ‑1 7. 5

Ⅲ 1 6, 1 25 ‑2 2. 3

Ⅳ 1 4, 5 72 ‑2 2. 1

( 出 所)大蔵省編 『 法人企業統計季報』より作成.

わ ず か 1. 1 % の伸 び に とどま り, 6兆 1, 9 89 億 円

第 1 ‑ 3表,第 1‑ 4表)0

こ う い う わ け で , こ の 景 気 拡 大 は 本 来 の意味 での景気拡大 で はな く単 なる景

(7)

停滞傾向持続下の景気拡大 気 回復の過程で しかなかったの

であるが, とにか く,生産 は 75 年第 Ⅰ四半期 を底 としてその後

しだいに拡大 していったのであ るか ら,その原 因について考 え てみることに しよう。

2. 景気拡大の要因

( 1 ) 75 年 にお ける消費財生産

7 9 第 1‑4 表 年毎の製造業の設備投資額 と

その伸び率

( 単位 億 円, %)

午 投資額 伸 び率 午 投資額 伸 び率 7 3 6 3, 25 3 32. 9 8 0 9 0, 9 8 2 27 . 4 7 4 7 6, 30 3 20. 6 81 9 8, 9 7 2 8. 8 75 6 2, 295 ‑1 8. 4 8 2 1 01, 3 43 2 . 4 76 61, 3 4 4 ‑ 1. 5 8 3 9 8, 96 2 ‑2. 3 7 7 61, 9 89 1. 1 8 4 1 1 8, 7 0 2 1 9. 9 7 8 5 8, 629 ‑5 . 4 ̲85 1 3 4, 1 7 5 1 3. 0 ( 出所)第 1‑3 表に同じ.

の拡大による微弱な景気拡大

前項で見 た ように,鉱工業生産 は 75 年第 Ⅱ四半期か ら拡大 を開始 したが ,75 年 いっぱい は拡大 は極 めてゆ るやか な もの に とどまった 。75 年 第 Ⅱ四半期 は 1. 6% と低 い伸 びに とどまった し,第 Ⅲ四半期 は 1. 9% とやや伸 びを高めた もの の,第Ⅳ四半期 は 0 . 4% とほ とん ど横 ばいに終 った ( 第 1‑1 表参照)。

鉱工業生産指数の療殊分類 で 75 年第 Ⅱ四半期か ら第Ⅳ四半期 にか けての各項 目の生産 の動 きを見 てみ る と ( 第 1‑ 5 表), まず,資本財 は 75 年いっぱいマ イナス を続 けている 。 建設財 は第 Ⅱ四半期 に 1 期 だけ 4. 2% と大 きく伸 びたが, 続 く 2 期 は 0% 台で横 ばいに とどまってい る

消費財の うち非耐久消費財 は第

Ⅳ四半期 にはマ イナス に転 じて しまったが,第 Ⅱ四半期 ,第 Ⅲ四半期 は 4% 近 第 1‑5 表 鉱工業生産特殊分類の各項 目の 7 5 年の各四半期の伸び率 ( 1 9 8 0

年 ‑1 0 0 の季節調整億の前期比)

( 単位 %)

7 5 年 資本財 建設財 生産財 消費財 ( 非耐久消費財) ( 耐久消費財)

Ⅰ ‑7. 1 ‑5. 7 ‑7. 5 ‑5. 5 ‑ 3. 5 ‑1 0. 2

Ⅱ ‑ 4. 1 4. 2 2. 6 3. 9 ̲ 3. 9 4 . 4

Ⅲ ‑2. 9 0. 7 3 . 4 4. 3 3. 8 5 . 4

( 出所)前 出 『 昭和55 年基準 鉱工業指数総覧』 よ り作成.

(8)

80 商 学 討 究 第 47 巻 第 2・3 号

第 1‑6 表 耐久財,半耐久財,非耐久財の消費額 ( 実質) とその伸び率 ( 単位 1 0 億 円, %)

午 耐 久 財 半 耐 久 財 非 耐 久 財

7 0 3, 1 81. 2 ‑ 1 4, 6 09. 1 ‑ 38, 2 0 3. 8 ‑ 71 3, 49 7. 3 9∴ 9 1 5, 6 65. 9 7. 2 39, 311. 3 2. 9 7 2 4, 29 3. 2 2 2. 8 1 7, 39 7. 1 l l. 1 42, 4 62. 5 8. 0 7 3 5, 1 81. 9 2 0. 7 1 9, 0 9 8. 1 9. 8 45, 4 32. 5 7. 0 7 4 4, 5 45. 2 ‑1 2. 3 1 8, 1 00 . 4 ‑5. 2 45, 6 46. 0 0. 5 7 5 4, 9 8 4. 6 9. 7 1 8, 1 8 4. 5 0. 5 47, 7 42. 7 4. 6 7 6 5, 4 42. 2 9. 2 1 9, 65 2. 1 8. 1 48, 9 82. 0 2. 6 7 7 6, 05 ̲ 6 . 4 l l. 3 1 9, 5 46. 0 ‑0. 5 5 0, 5 51. 9 3. 2 ( 出所)経済企画庁編 『 平成 2 年基準改訂 国民経済計算報告』 ,2 9 0 ‑ 291 p よ り作成.

くのかな り高い伸 びを続けている

耐久消費財は第 Ⅱ四半期か ら第Ⅳ四半期 に かけて 4. 40 / 0, 5. 40 / 0, 3. 10 / Oと他の どの項 目にも勝 る高い伸 びを一貫 して持続 している

また,生産財 もこの間耐久消費財の伸 びよ り 1. 5 ‑ 2 %程度低い安 定 した伸 びを続けている。 しか し,生産財の拡大は大体他の項 目の生産拡大の 結果であると考 えられるか ら, 75 年春か らの生産拡大は主に消費財,特 に,耐 久消費財の生産拡大によるものと考 えて よいであろう

ところで,この耐久消費財生産をは じめ とする消費財生産の拡大の要因であ るが,これについては狂乱物価の中で押 えつけ られていた消費が物価の鎮静化 とともに再び回復 して きたことがその基本的要因であるとするのが 自然な見方 であろう。

第 1‑6 表の ように,狂乱物価の中で耐久財 と半耐久財の消費が大 きく落ち 込んだ し,非耐久財の消費 も落ち込みは しなかったが,横ばいにとどまった。

これ らの うち,半耐久財消費 は 75 年 になって もほ とん ど落ち込み を回復 しな かったが,耐久財消費の方は 75 年に相当准度落ち込みを回復 した。 また,停滞

していた非耐久財消費は 75 年 には 4. 6 % と順調 な伸びに復帰 している

こうい うわけで, 75 年第 Ⅱ四半期か ら第Ⅳ四半期 にかけての生産拡大の主因

は狂乱物価 のなかで押 さえつけられていた耐久消費財消費をは じめ とする消費

が物価の鎮静化 とともにかな り急速 に回復 ・拡大 してきたことにあると考え ら

(9)

停滞傾 向持続下の景気拡大 81 れる

ところで,第 1‑ 7 表 に見 られるように, 75 年第 Ⅱ四半期か ら第Ⅳ四半期 に かけては世界的な不況のため輸出は減少 を続 けた。

また,政府 は 75 年 2 月か ら同年 9 月にかけて 4 回にわたって景気対策を策定 したが,財政事情の悪化か ら十分な対策をたてることがで きなかった3 ) 。

景気の大幅な低迷 と物価の鎮静化 により国債 を除いた 75 年度の歳入は前年度 に比べ 11. 1% の大幅マイナス とな り, 5 兆 2, 805 億 円 とい う前年度の 2 倍 を越 える大量の国債 を発行 して もなお歳入の伸 びは 5. 4% にとどまった 4) 。 このた め,歳出の伸 び も前年度の 29. 2% か ら 75 年度には一挙 に 9. 2% へ と大幅 に圧縮 第 1‑ 7 表 輸 出 数 量 指 数 第 1‑ 8 表 歳 出総 額,公共事業関係

( 1 9 7 5 年 ‑1 0 0 ) の

伸び率 ( 前年同期比) ( 単位 %)

( 出所) 日本 関税協 会 『 外 国貿易概 況』 よ り作成.

費,財政投融資,公的固定資 本形成 ( 名 目)の伸び率

( 単位 %) 年度 歳 出総額 公共卓業 財 政 公 的固定

関 係 費 投 融 資 資本形成 7 4 29. 2 20. 0 21. 9 21. 5 75 9. 2 1 3. 5 1 6. 9 9. 0 7 6 1 7. 3 1 2. 1 6. 2 5. 7 77 1 8. 8 2 6. 7 1 9. 6 1 9. 6 7 8 1 7. 3 1 7. 1 4. 5 1 7. 9 79 1 3. 8 1 0. 5 1 5. 4 6. 0 81 8. 1 2. 8 7. 2 2. 6 82 0. 7 2. 3 6. 1 ‑0. 1 83 7. 2 ‑0. 3 0. 5 ‑2. 7 8 4 1. 7 ‑2 . 4 ‑5. 3 ‑ 1. 9 85 3. 0 ‑2. 3 4. 5 ‑6. 2 ( 出所)大蔵省編 『 財政統計』,経済企画庁編

『 国民経済計算年報』 よ り作成.

3) この景気対策の具体的内容 については,大蔵省編 『 財政金融統計月報 』1 9 7 6 年 1 月 号 を参照。

4)大蔵省編 『 財政統計』参照。

(10)

8 2 商 学 討 究 第 4 7 巻 第 2・3 号

され た し, この うちの公共事業 関係 費 も前 年度 の 20. 0 % に対 して 75 年度 は 1 3. 5 % と伸 びを大 きく押 さえられた。 また,財政投融資 も前年度の 21. 9 % か ら 1 6. 9 % ‑伸 びを落 とされた。 こうした事情 を反映 して,中央だけでな く地方や 公団などによるもの も含めた国の公共事業全体 を表わす国民経済計算 における 公的固定資本形成 も 7 4 年度の 21. 5 % か ら 75 年度には一挙 に 9. 0% ‑ と 1 ケタに伸 びを落 として しまった ( 以上,第 1‑8 表)0

こういうわけで,世界的不況のため輸出は減少 を続 けた し,政府 も財政事情 の悪化か ら十分な景気対策を打 ち出す ことがで きなかったのであ り,これが, 消費の回復 にもとづ く消費財生産の拡大 によって景気が拡大を始めたにもかか わ らず, 75 年中は極めてゆるやかなものにとどまらざるをえなかった基本的原 因であると考 えられる

( 2 )7 6 年における輸出の拡大 による景気拡大の加速

以上のようなわけで, 75 年における景気拡大は極めて微弱なものにとどまっ たが ,7 6 年 に入ると拡大は大 きく加速 した。鉱工業生産は 76 年第 Ⅰ四半期 と第

Ⅱ四半期 にそれぞれ 4. 9 %,3. 6 % とかな り大 きな伸 びを記録 した 。76 年後半か らは伸 びは落ちていったが,前半の大 きな伸 びのおかげで年平均では 11. 2% と かな り大 きな伸び とな り ,7 5 年の1 1 . 0 % とい う大 きなマイナスをほとん ど埋め 合せ,ほぼ 7 4 年の生産水準 を回復 した ( 第 1‑1 表,第 1‑2 表参照)。

この 7 6 年 における景気拡大の加速の要因について考 えてみるために,まず , 7 6

年度の財政支出や公共事業の状況について見 てみると ( 第 1‑8 表参照),歳

出総額 は 1 7. 3% と前年度に比べてだいぶ伸びを高めたが,そのうちの公共事業

関係費は 1 2. 1 % と前年度 より低い伸びにとどまっている。 また,財政投融資 も

前年度はまだ 1 6. 9 % と比較的高い伸 び となっていたが, 7 6 年度 は 6. 2 % と伸 び

を大 きく落 としている

そ して, こうしたことを反映 して,国の公共事業全体

を表わす国民経済計算 における公的固定資本形成 も前年度の 9. 0 % よ りさらに

低い 5. 7 % の伸 びにとどまっている

こうした状況であるか ら, 7 6 年における

(11)

停滞傾向持続下の景気拡大 景気拡大の加速の要因を政府の景気対策

に求めることはで きない。

そこで, 輸出に方に日を移 してみると, 先に見たように, 7 5 年は世界的な不況の ため輸出は春か らマイナスが続いていた が ,7 6 年に入 ると先進国で景気が回復 し たことか ら輸出は大 きく拡大 していった

83 第 1‑ 9 表 年毎 の輸 出教皇指数

( 1 9 7 5 年 ‑1 0 0) の伸び率 ( 単位 %)

午 午

7 0 1 4. 7 7 4 1 8. 0

7 1 1 9. 5 7 5 0. 3 7 2 6. 8 7 6 2 2. 0

( 出所)第 1‑7 表に同じ.

( 第 1‑7 表参照) 0 7 6 年第 Ⅰ四半期はまだ 1 0 % 台の伸 びにとどまっていたが, 続 く第 Ⅱ,第 Ⅲ四半期 は 2 0 % 台後半の極めて高い伸び となった。その後伸 びは 落ちていったが, 7 7 年第 Ⅰ四半期 までは 1 0 % を越 える伸びを維持 した。年毎で 見 ると ( 第 1‑9 表) ,7 5 年は 0. 3 % と横 ばいに終わったが, 7 6 年は 2 2. 0 % と極

めて高い伸 び となっている

こういうわけで, 7 6 年は公共事業が低 い伸びにとどまる一方で輸出が大 きく 伸 びているのである 。 このことか ら見て, 7 6 年 における景気拡大の加速の要因

はもっぱらこの輸出の大 きな拡大にあると考えて間違いないであろう

そこで,以下, 7 6 年における輸出の地域 ( 国)別,商品別動向についてやや 詳 しく見てみることにしよう ( 第 1‑l o衷,第 1‑1 1 表)0

輸出稔額は 7 6 年に ドル建てで 2 0. 6 % 増大 しているが,先進地域は 3 4. 9 % とこ れを大 きく越 える極めて高い伸び となっている

これに対 して,発展途上地域 は 1 1. 9 % と平均の半分近 くの伸びにとどまっているし,共産圏は ‑ 0. 1 % とわず かではあるが減少 している。

先進地域の中ではアメリカが 4 0. 7 % と平均の倍近 くの 目ざましい伸びを記録 している

また,西欧 もアメリカには及ばなかったが ,3 4. 6 % と先進地域の平 均 と同程度の極めて高い伸 びとなっている 。 「 他 の先進地域」 はこれ らに比べ るとだいぶ低い伸びにとどまったが,それで も 2 0. 0 % と平均程度の伸 びには達

している 。

発展途上地域では中近東 と「 他の発展途上地域」が平均前後の比較的高い伸 び

となっているが, その他の地域 は平均 を大 きく下回る低い伸 びにとどまっている

(12)

84 47 2・3 第 1‑1 0 表 地域 ( 国)別輸出額とその伸び率

( 単位 1 0 0 万 ドル, %)

午 総 額 先進地域 ( アメリカ) ( 西 欧) ( 他 の先進地域) 7 5 5 5, 75 2 0 . 4 2 3, 43 4 ‑ll. 3 l l, 1 48 ‑1 2. 9 8, 1 3 0 ‑5 . 4 4, 1 5 3 ‑1 7. 4 7 6 6 7, 22 5 20. 6 31, 6 2 0 3 4. 9 1 5, 6 89 40. 7 1 0, 9 45 3 4. 6 4, 9 8 4 2 0. 0 77 80, 49 4 1 9. 7 38, 00 2 20. 2 1 9, 71 6 25. 7 1 3, 0 4 4 1 9. 2 5, 2 40 5. 1 午 発展途上地域 ( ラテンアメリが ( 東南 アジア) ( 中近兼) ( アフ リカ) 7 5 27, 6 3 2 9. 7 4, 7 6 4 ‑5. 9 1 2, 5 43 ‑ 1. 2 6, 07 4 6 5. 1 4, 08 6 1 5. 5 7 6 30, 9 2 6 l l. 9 5, 01 2 5. 2 1 4, 0 47 1 2. 0 7, 275 1 9. 8 4, 3 8 8 7 . 4 7 7 37, 5 81 21. 5 6, 291 25, 5 1 7, 1 25 21. 9 8, 883 2 2. 1 5, 02 6 1 4. 5 午 ( 他の発展途上地域) 共 産 圏

( 注) 「 他 の先進地域」 はカナ ダ,南 アフ リカ, オース トラリア,ニュー ジー ラン ド の合計.

( 出所)第 1‑ 7 表に同じ.

第 1‑1 1 表 商品別輸 出額 とその伸び率

( 単位 1 0 0 万 ドル, %)

午 総 額 食 料 品 繊維及び同製品 化 学 製 品 非金属鉱物製品 7 5 55, 75 2 0 . 4 7 6 0 ‑1 0. 2 3, 71 8̲ ‑8. 5 3, 88 8 ‑ 4. 2 7 29 5. 8 7 6 6 7, 22 5 2 0, 6 8 86 1 6. 6 4, 21 6 1 3 . 4 3, 7 4 6 ‑ 3. 7 9 21 26. 3 7 7 80, 49 4 1 9. 7 8 69 ‑ 1. 9 4, 6 99 ll. 5 4, 29 9 1 4. 8 1, 1 45 2 4. 3 午 金属及び同製品 ( 鉄 鋼) ( 非 鉄 金属) ( 金属 製 品) 機械機器 7 5 1 2, 51 7 ‑8. 6 1 0, 1 7 6 ‑5 . 4 5 39 ‑5 2. 8 1, 801 0. 7 30, 00 3 7. 6 7 6 1 3, 1 69 5. 2 1 0, 48 4 3. 0 6 53 21. 2 2, 031 1 2. 8 39, 62 6 32. 1 77 1 4, 0 8 4 6. 9 1 0, 51 8 0. 3 865 32. 5 2, 7 0 0 3 2. 9 49, 7 4 4 25. 5 午 ( 一般機械) ( 電気機械) ( 輸送機械) ( 精密機械) そ の 他 7 5 6, 7 4 4 1 3 . 4 6, 8 8 0 2. 4 1 4, 5 06 7. 7 1, 82 5 4. 1 4, 1 3 4 ‑畠. 7 7 6 7, 73 8 1 4. 7 1 0, 82 7 5 7 . 4 1 8, 5 5 0 2 7. 9 2, 51 0 3 7. 5 4, 6 5 8 1 2. 7 ( 出所)前 出 『 外 国貿易概況』,通産省編 『 通商 自書 各論』 よ り作成.

以上のことの中に 76 年 における輸出の拡大が主 に先進国の景気 回復 によって

アメ リカや西欧に対する輸出が大 きく伸 びた ことによる ものであることが明瞭

に示 されていると言って よいであろう。

(13)

停滞傾 向持続下の景気拡大 そ して, この こ とか らの当然 の

帰結 して,商品別輸 出で は機械機 器 の伸 びだけが 目立つ こ とになっ て い る。 機 械 機 器 は全 体 と して 32. 1 % と平均 を大 き く越 える極 め て高 い伸 び となっている

なかで も電気機械 は 57 . 4% と機械機器 の 平均 を遥か に越 える 目ざま しい伸 びを記録 している

これ に続 くの は精密機械 で 37. 5% とこれ もまた 機械機器 の平均 を越 える極 めて高 い伸 び となってい る。輸送機械 は 27. 9% で全体 の平均 は越 えたが, 機 械 機 器 の平 均 に は及 ば なか っ た。 また,一般機械 は 1 4. 70 / Oと全 体 の平均 も下 回わ る低 い伸 びに と

どまった。

機械機器以外 の項 目で は金額が あ ま り大 き くない非金属鉱物製 品 と非 鉄 金 属 が 平 均 を越 え て い る が,その他 はすべ て平均 を下 回 っ てい る

そ こで,機械機器 に関 して さ ら にやや詳 し く見 てみ る と, まず , 電気 機械 で は ( 第 1 ‑1 2 表),電気 機械 の半分以上の比率 を占める通 信機器 ( 71. 4%) が電気機械 の平 均 を大 き く越 え,一番高 い伸 び と

85 第 1‑1 2 表 電気横械 の 1 9 7 6 年 の抽 出額

とその伸び率

( 単位 1, 00 0 ドル, %)

輸出額 伸び率 電気機械 1 0, 8 27, 55 9 5 7. 4 通信機器 5, 6 87, 1 3 0 71. 4 テレビ受像機 1, 3 7 4, 23 7 7 5. 6 カラーテレビ 1, 0 46, 0 45 85. 3 白黒テレビ 3 28, 1 9 2 5 0. 4 ラジオ受信機 2, 09 6, 91 2 5 8 . 4 有線通信機琴 2 79, 6 0 0 1 4. 7 無線通信機器 2 65, 67 0 2 2. 5 通信機器の部品. 付属品 8 26, 75 0 6 8. 0 市民バンド用トランシーバー 81 5, 1 4 4 2 47. 6 無線探知機等 2 8, 81 7 3 2. 7 録音機及び再生機 1, 1 9 6, 5 71‑ ‑

レコー ドプレーヤー 1 42, 42 9 ‑ テープレコーダー 9 01, 1 4 8 4 2 . 4

テープレコーダー 7 96, 6 31 ‑ ビデオテープレコーダー 1 0 4, 51 7 ‑ 熱電子管及び半導体素子類 71 0, 1 5 9 ‑ 熱電子管 2 88, 7 2 0 6 4. 1 半導体素子 1 95, 39 0 3 9. 1 家庭用電気機器 47 0, 05 4 51. 6 重電機器 6 25, 1 9 5 4 3. 6 電気回路用品 5 61, 6 8 9 47. 5 ( 荏)伸 び率を入れていない項 目は 7 5 年の数 字が載っていない項 目である。 また, こ のように 75 年の数字が載っていない項 目 がい くつかあることにより 「 その他」 に 関する 7 5 年の比較可能な数字が得 られな いため, これについて も伸 び率 を入れて いない。

( 出所)前 出 『 通商自書 各論』昭和 5 3 年版,

昭和 5 4 年版 より作成。

(14)

86 商 学 討 究 47 巻 ■第 2・3 なっている 。 その中で も特 に,市民

バ ン ド用 トラ ンシ ーバ ー ( 247. 6%) や カラ ーテ レビ ( 85. 3%) が 目ざま

しい伸 び となってお り,通信機器 の 部 品 ・付属 品 ( 6 8. 0 %) や ラジオ受 信機 ( 5 8. 4%) や 白黒 テ レビ ( 5 0 . 4%)

も極 め て高 い伸 び となってい る ま た,無線探知機等 ( 3 2. 7 %) も機械 機器 の平均 を越 える非常 に高 い伸 び となってい る

通信 機器以外 で は電 気機械 の平均 を越 えたの は熱電子管 ( 6 4. 1 %) だ けであ るが,他 の どの 項 目も 40 % 近 くか ら 5 0% を越 える極 めて高 い伸 び となってい る

精 密 機械 で は ( 第 1 ‑1 3 表),静 電 複 写機 ( 83. 0 %) が 日ざま しい伸 び を記録 してい る。また,時計 ( 42. 70 / a ) も機械 機器 の平均 を大 き く越 える極 めて高 い伸 び となってい る

写真機

第 1‑1 3 表 精 密機械 の 1 9 7 6 年 の輸 出額 とその伸 び率

( 単位 1, 0 0 0 ドル, %) 輸 出 額 伸 び率 精密横桟 2, 5 1 0, 0 4 9 3 7. 5 静電複写機 3 0 6, 8 4 0 8 3. 0 写真機 ( 部品を含む) 4 5 4, 9 7 3 3 0. 9 時計 ( 部品を含む) 6 5 3, 9 1 1 4 2. 7 ( 出所)前出 『 通商自書 各論』昭和 5 2 年版,

昭和 5 4 年版 より作成.

第 1‑1 4 表 輸送機械 の 1 9 7 6 年 の抽 出額 とその伸 び率

( 単位 1, 0 0 0 ドル, %) 輸 出 額 伸 び率 輸送横械 1 8, 550, 202 2 7. 9 乗用自動車 ( シャシを含む) 6, 0 5 5, 8 5 5 5 0. 5 バス.下ラック( シャシを含む) 2, 605, 800 3 3. 2 二輪自動車 ( 部品を含む) 1, 3 0 3, 2 2 1 2. 1 自動車部品 7 8 3, 8 6 7 2 2. 9 船舶 7, 048, 558 1 7. 5

( 出所)前出 『 通商自書 各論』昭和 5 2 年版, 昭和 5 3 年版,昭和 5 4 年版 より作成.

( 30. 9 %) や 「その他 」 ( 2 8. 4%) は

これ らに比べ る と伸 び悩 んだが, それで も機械機器 の平均 に近 い伸 びには達 し てい る

輸送機械 ( 第 1 ‑1 4 表) は全体 と しては機械機器 の平均以下 に とどまったが, 乗 用車 ( 5 0. 5 %) は 5 0% を越 える極 めて高 い伸 び となってい る し,バ ス ・トラ ッ

ク ( 33. 2%) も機械 機器 の平均 を越 える非常 に高い伸 び となってい る。

一般機械 ( 第 1 ‑1 5 表) は全体 と しては総額 の伸 び に も及 ばず伸 び悩 んだが,

ミシ ン ( 3 7. 9 %) や加 熱 ・冷却用機器 ( 3 5. 6 %) や金属加工機械 ( 3 3. 6 %) や

事務用機械 ( 30. 3%) は機械 機器 の平均 近 く乃至 それ以上 の非常 に高 い伸 び と

(15)

停滞傾 向持続下の景気拡大

なっている

これ らの中では,金 銭 登録 機 ( 15 1 . 3%) が 目ざ ま し い伸 び となってお り, タイプライ タ ー( 57. 5%) やエア コンデ ィシ ョ ナ ー ( 5 1. 4%) や 自動 デ ータ処理 機 ( コ ンピュ ータ ー) ( 42. 7%) や鋳造及 び鍛庄機械等 ( 42. 6%) も極 めて高い伸 び となってい る。

3. 生産 と設備投資の動向 以上,第 8 循環 における景気拡 大 の要 因 につ い て考 察 して きた が,最後 に, 76 年 を中心 に して第 8 循環 における生産 と設備投 資の 動 向を簡単 に見 てお くことに した

い 。

鉱工業生産 ( 第 ト1 6 表) は 76 年 には全体 で 11. 2% の伸 び とな り, どの部門 もプラス となったが,電 気機械 と精密機械が群 を抜 いてお り,それぞれ 28. 3%,28. 1 % と極 めて大 きな伸 びを記録 してい る

β7

第 1‑1 5 表 一般横域の 1 976 年の輸 出額 と その伸び率

( 単位 1, 00 0 ドル, %)

輸 出 額 伸び率 一般機械 7, 7 3 8, 71 9 1 4. 7 原動機 87 3, 6 37‑ 2 3. 6 事務用機械 1, 01 1, 6 1 3 3 0. 3 タイプライター 8 2, 0 7 0 5 7. 5 電子式計算機 5 21, 8 21 1 6. 2 自動データ処理機p 1 3 3, 0 27 42. 7 金銭登録機 1 1 7, 5 05 1 51. 3 金属加工機械 6 0 3, 6 43 3 3. 6 工作機械 25 6, 4 25 23. 5 鋳造及び鍛庄機械等 33 8, 1 7 8 42. 6 ミシン 3 4 0, 4 66 37. 9 加熱 .冷却用機器 6 2 5, 0 9 3 35. 6 エアコンディショナー 8 8, 8 32 51. 4 農業用機械 43 9, 2 47 ‑1 7. 9 繊維機械 45 9, 9 9 7 ‑1 3. 9 建設 .鉱山用機械 5 45, 4 87 ‑3. 1 荷役機械 5 3 8, 0 43 1 4. 3 ( 荏)原動機 は 7 5 年 と比較す るため,「 ボイ ラー及びその設備」 , 「 内燃機関」 , 「ウオー タータービン等」の 3 つの項 目を加 えた ものだけに限定 している.

( 出所) 第 1‑1 4 表に同じ.

これは 76 年 には主 にこれ らの部門の輸 出拡大 に よって景気拡大が加速 した ことか らして当然の ことであろ う。 これ らの部 門 では 76 年 におけるこの大 きな伸 びによって,生産 はこの年すで に 73 年乃至 74 年 の前の ピークを越 えた 。77 年 になると電気機械 は大 き く伸 び率 を落 としたが, 精密機械 の方 は輸 出の高い伸 びが競 いたため伸 び率 をさらに大 きくした。

輸送機械 の生産 は全体では 76 年か ら 77 年 にかけて低 い伸 びに とどまったが,

74 年 はマ イナス にな らなか った し ,75 年の落 ち込み も小 さか ったため, 77 年 に

(16)

ββ 第47 2・3

第 1 ‑̲ 1 6 表 鉱工業主要部門の生産指数 ( 1 9 8 0 年 ‑1 0 0) とその伸び率 ( %) 午 鉱 工 業 鉄 p . 鍋 非鉄金属 金属製品 一般機械 7 3 8 4. 6 1 4. 9 9 4. 9 2 0. 3 91. 4 1 8. 5 9 8. 0 2 0. 2 81. 4 25. 6 7 4‑ g 1」 2 ‑ 4. 0 9 3 . 4 ‑ 1. 6 8 0. 1 ‑1 2. 4 9 0. 3 ‑7. 9 8 0. 0 ‑ 1. 7 75, 7 2. 3 ‑l l. 0 7 9. 9 ‑1 4. 5 71. 1 ‑ll. 2 7 3. 4 ‑1 8. 7 6 3. 4 ‑2 0. 8 76 80 . 4 l l. 2 87. 6 9. 6 8 4. 8 1 9. 3 8 5. 8 1 6. 9 6 9. 6 9. 8

‑ 7 7 83. ̲ 7 4. 1 86 . 4 ‑ 1. 4 88. 9 4. 8 91. 8 7. 0 7 4. 0 6. 3 年 電気機械 輸送機械 ( 除,船舶 . 鉄道車両) ( ・トラック) 乗用車. バス 精密機械 7 3、 60. 1 21. 2 79. 5 1 5. 1 61. 1 l l. 3 57. 6 ‑ 35. 9 1 4. 0 7 4 声 8. 1 ‑3. 3 80. 4 1. 1 5 8. 8 ‑3. 8 5 4. 2 ‑5. 9 3 9. 6 1 0. 3 一7 5 49. 2 ‑1 5. 3 7 6. 9 ‑ 4. 4 5 9. 2 0. 7 57. 9 . 6. 8 3 6. 6 ‑7. 6 7 6 6 3. 1 2 8. 3 7 8. 6 2. 2 66. 6 1 2. 5 65. 6 1 3. 3 46. 9 2 8. 1 7 7 67. 2 6. 5 81. 7 3. 9 7 3 . 4 1 0. 2 72 . 4 ・1 0 . 4 6 0. 7 29. 4 年 窯業. 土石製品 化 学 ( 除,医薬品) 石油. 石炭製品 パルプ .戟 . 紙加工品 7 3 9 5. 5 1 5. 5 7 7. 3 1 3. 3 9 3. 2 9. 9 1 05. 2 1 6. 5 8 8. 9 l l. 8 7 4 88 . 4 ‑7 . 4 7 7. 1 ‑0. 3 89. 0 ‑ 4. 5 1 03. 1 ‑2. 0 8 4. 7 ‑4. 7 75 75. 5 ‑1 4. 6 7 0. 1 ‑ 9. 1 7 8. 5 ‑l l. 8 9 8. 7 ‑ 4. 3 7 4. 5 ‑1 2. 0 76 83. 3 1 0. 3 7 8. 2 l l. 6 85. 7 9. 2 1 01. 4 2. 7 8 4. 4 1 3. 3

( 出所)第 1‑1 表に同 じ.

前のピークを越 えた。 しか し,船舶 と鉄道車両 を除いた指数では, 7 4 年はマイ ナスになったが,その幅は小 さく, 75 年 は横 ばいにとどまったが,マイナスに はな らず, 76 年 には平均程度の比較的高い伸 び となったため,すでに 76 年の時 点で前の ピークを越 えている。また,乗用車 ・バス ・トラックの指数 を見 ると, 74 年のマイナスがあま り大 きくなかった し, 75 年にはこのマイナスの幅 を越 え

るプラス となったため,早 くも 75 年 には前のピークを越 えている。

このほか,化学 も 76 年の伸 びは平均程度にとどまったが, 7 4 年か ら 75 年 にか

けての落ち込みがあ ま り大 きくなかったため, この年すでに前の ピークを越 え

ている。ただ, これは医薬品の伸 びが大 きかったことによるのであ り,それを

除いた指数では 77 年 になって もまだ前の ピークを越 えていない。

(17)

停滞傾 向持続下の景気拡大 89 その他の部門では,非鉄金属や金属製品は 76 年 には 15% を越 える高い伸 びを 記録 した し,鉄鋼,一般機械,窯業 ・土石製品,パ ルプ ・紙 ・耗加工品 も 10%

前後の比較的高い伸 びを記録 したが ,74 年か ら 75 年 にかけての落ち込みが大 き かったため, これ らの どの部門 もこの循環中に前の ピークを越 えることはで き なかった。また, 石油 ・石炭製品は 74 年か ら 75 年 にかけての落ち込みは小 さかっ たが, 76 年か ら 77 年 にかけての伸 びも小 さかったため,やは り前の ピークを越 えるには至 らなかった。

次 に,製造業主要部門の設備投資 について見 てみる と ( 第 1 ‑1 7 表),前年 に 引 き続 き 76 年 ( 年度) もマイナス となっている部門が多いが,乗用車の生産が

第 1‑1 7 表 製造業主要部門の設備投資額 とその伸び率

( 単位 億 円,%)

午 製 造 業 鉄 鋼 非鉄金属 金属製品

73 6 3, 25 3 3 2. 9 8, 31 9 2. 9 1, 95 9 ?0. 6 3, 1 0 4 69. 2 7 4 7 6, 3 03 2 0. 6 1 2, 2 30 47. 0 . 2, 89 3 47. 7 3, 2 45 4. 5.

75 6 2, 29 5 ‑1 8. 4 1 2, 979 6. 1 1, 9 7 4 ‑ 31. 8 2, 1 03 ‑ 35. 2 7 6 61, 3 44 ‑ 1. 5 1 3, 5 09 4. 1 1, 5 0 2 ‑23. 9 2. , 9 86 42. 0 77 6 1, 9 89 1. 1 1 0, 62 4 ‑ 21. 4 1, 72 0 1 4. 5 2, 569 ‑1 4. 0

午 一般機械 電気機械 輸送用機械 精密機械

7 3 3, 37 2 49. 2 5, 5 8 8 82. 0 ‑ ‑ ‑ ‑ 7 4 3, 97 4 1 7. 9 5, 821 4. 2 ‑ ‑ ‑ ‑ 75 2, 91 5 ‑ 26. 6 3, 326 ‑ 42. 9 3, 71 4 ‑ 61 6 ‑ 7 6 2, 9 01 ‑ら. 5 5, 267 5 8 . 4 5, 6 86 5 3. 1 '9 63 5 6. 3 77 2, 9 47 1. 6 6 , 47 4 22. 9 7, 9 39 3 9. 6 1, 1 38 1 8. 2 午 窯業 .土石製品 化 学 石油 .石炭製品 パルプ .戟 . 紙加工品 7 3 ‑ ‑ 7, 42 8 1 9. 8 ‑ ‑ 2, 9 0 8 44. 9 7 4 ‑ ‑ 1 2, 5 6 0 69. 1 ‑ ‑ 3, 429 1 7. 9 75 2, 83 4 ‑ 1 0, 911 ‑1 3. 1 4, 43 4 ‑ 3, 35 3 ‑2. 2 76 2, 45 4 ‑1 3. 4 8, 87 8 ‑1 8. 6 2, 836 ・ ‑ 36. 0 2, 3 7 4

.

‑29. 2

( 荏)輸送機械,精密機械,窯業 ・土石製品,石油 ・石炭製品は年度.

( 出所)第 1‑3 表に同 じ.

(18)

90 商 学 討 究 第 47 巻 第 2・3 号

前年か ら順調 に拡大 していた輸送機械や この年生産が極めて高い伸 び とな り前 のピークを越 えた電気機械や精密機械ではいずれ も 50% を越 える極 めて高い伸 びを記録 している。 これ らの部門では伸 び率 は落ちているが 77 年 ( 年度) も 引

き続 き拡大 を維持 してお り,電気機械ではこの年, 74 年 につけた前の ピークを 越 えた し,精密機械や輸送機械 で も前のピークを越 えた もの と推察 され る 5) 0 これ らのほか,金属製品で も 76 年 に 42. 0% とかな り高い伸 び となっているが, 前の ピークを回復 しない うちに 77 年 にはまたマイナスに逆戻 りして しまってい る また,鉄鋼 は 75 年か ら 76 年 にかけて もわずかではあるが増大 を続 けたが, その反動で 77 年 には一番大 きなマイナス となって しまっている。

76 年 ( 年度)も引 き続 きマイナス となっていた部門の うち一般機械, 非鉄金属, 化学,窯業 ・土石製品の各部門が 77 年 ( 年度) にはプラス となったが,その幅 はあま り大 きくな く,いずれ も前のピークを越 えるには至 らなかった。 また, 石油 ・石炭製品 とパ ルプ ・紙 ・紙加工品では 77 年 ( 年度) も引 き続 きマイナス

となっている

第 2節 第 9循環 における景気拡大

1 .概観

前節で述べたように, 76 年に入 ると輸出が大 きく拡大 し,それによってそれ まで微弱 にとどまっていた景気拡大が大 きく加速 されたのであるが,輸出の伸 びは 76 年第 Ⅲ四半期 を頂点 にしだいに低下 してい き ,77 年第 Ⅱ四半期か らは 1 ケタに落ちて しまった。 こうした輸出の伸 びの低下にともなって生産の伸 びも 低下 してい き ,77 年第 Ⅱ四半期か らはマイナスになって しまい,景気 は後退局 面に入 っていった。

5 )念のため,自動車部門の設備投資を通産省の統計で見ておくと ,7 4 年度 ( 7 3 社,実績)

4, 7 6 2 億 7, 2 0 0 万円 ,7 5 年度 ( 81 社,同) 3, 3 6 6 億 3, 8 0 0 万円 ,7 6 年度 ( 7 7 社,同) 4, 5 7 0

億 6, 8 0 0 万円, 7 7 年度 ( 7 8 社,同) 6, 21 4 億 4, 8 0 0 万円となってお り, 7 7 年度には 7 4

年度につけた前のピークを越えている ( 通産省編 『 主要産業の設備投資計画』昭和 5 7

年版 ,49 6‑49 7 p 参照) 。

(19)

停滞傾向持続下 の景気拡大 輸出 は 1ケタの伸 び を 4期 に

わたって続 けた後, 7 8 年第 Ⅱ四 半期 か らはマイナス と なって し まい全 く低迷 して し ま ったので あ る が, 生 産 は 2期 に わ たってマ イナス を続 け た後 ,7 7

年第Ⅳ四半期 には早 く もプラス

に転 じ,あ ま り高い 伸 びは とな らなかったがその後 も 堅実な増 大 を続 け た。 前節で 述 べた よう

に, 前の循環中には 生 産は 7 3年

第 Ⅳ四半期 につ けた 前 の ピー ク を越 えることがで き な かったの で あ るが, この循 環 で は この ピークを7 8年 第 Ⅱ四 半 期 に越 え て さらに増大 を続 け た ( 以上 ,

91 第 2‑ 1 表 四半期 毎 の鉱 工 業 生産 指数

( 季 節 調 整 値 ,1 9 8 0 年 ‑1 0 0) とその伸び率 ( 前期比)

指数 申ぴ率 ( . %) 指数 申ぴ率 ( %) 7 8 Ⅰ 年 86. 5 2 . 4 81 Ⅰ 年 9 9. 5 0. 5

Ⅱ 87. 9 1. 6 Ⅱ 9 9. 4 ‑0. 1

Ⅲ 89. 9 2. 3 Ⅲ 1 01. 7 2. 3

7 9 Ⅰ 年 91. 9 2. 3 5 1. 0. 8 9 82 Ⅳ Ⅰ 年 1 1 0 0 3. 2. 2 3 ‑0. 1. 5 9

Ⅱ 9 4. 6 2. 5 Ⅱ 1 01. 1 ‑ 1. 2

Ⅲ 9 6. 5 2. 0 Ⅲ 1 01. 6 0. 5

( 出所)第 1‑1 表 に同 じ.

第 1 ‑ 7表, 第 1‑ 1 表, 第 2

‑ 1表参照)。

製造業 の設備投 資 は 77年 第 Ⅳ 四半 期 か ら 4 期 にわたってマ イナス を続 けた が,78年 第 Ⅳ四半期 に はプラスに転 じ,続 く7 9 年 第 Ⅰ 四半期か ら は 2ケ タの伸 び となっ た。 設備投 資 も前の循環では 7 4年 第 Ⅲ四半期 につけた前の ピークを越 えることがで き ず, この 循環で もそれを 越 までにだいぶ時間がか か っ たが, 80年 第 Ⅱ四半期 にな っ てようや くその ピークを越 えた ( 以上, 第 1 ‑ 3表,第

2‑ 2表参照)。

こうして, この循 環 では生産 も設備投 資 も前の ピークを越 えて拡大 したので

あるが,通常 は設備 投 資が前 の ピークを越 えるのは景気が拡大過程 にある時で

あるのに, この循環 で は設備投資が前の ピークを越 えた時 にはすで に景気 は後

退局面 に入 って しま っ ていたのであ り,その意味では, この循環 はまだ本来の

(20)

9 2 商 学 討 究 第 47 巻 第 2・3 号 姿 を取 り戻 してはい ない 6) 。

しか し, ともあれ ,79 年 に入 る とそれ まで停滞 してい た設備 投 資が 2 ケ タの伸 び とな り,坐 産 が 一 応 本 格 的 な拡 大 過 程 に 入 った と考 えるこ とがで きるか ら, この循 環 の拡 大局面 を,77 年第 Ⅳ四半期 か ら78 年第 Ⅳ四半 期 まで を景気 回復 過程 と し,79 年第 Ⅰ四半期 か ら 80 年 第 Ⅰ四半 期 まで を本格 的 な景気拡大過程 として, 2 つ に分 けて考察 して い くこ とに したい。

2. 景気 回復 の要因

( 1 )景気 回復 の実体 的基礎

第 2‑ 2 表 四半期毎 の製造 業 の設備投 資 額 とその伸 び率 ( 前年 同期比 ) ( 単位 億 円, %)

投資額 伸 び率 投資額 伸 び率 7 8 Ⅰ 年 1 4, 6 0 9 ‑1 2. 9 81 Ⅰ 年 2 3, 9 01 20. 9

Ⅱ 1 3, 42 5 ‑ 4. 7 Ⅱ 2 3, 0 29 1 0. 5

Ⅲ 1 5, 6 3 2 ‑7. 3 Ⅲ 2 6, 45 6 5. 0

7 9 Ⅰ 年 1 1 4, 6, 96 66 3 9 1 4. 4. 9 1 82 Ⅳ Ⅰ 年 2 2 5, 5, 759 5 86 7. 1. 8 7

Ⅱ 1 5, 9 9 7 1 9. 2 Ⅱ 2 3, 87 4 3, 7

Ⅲ 1 9, 49 7 2 4. 7 Ⅲ 2 7, 2 38 3. 0

8 0 Ⅳ Ⅳ Ⅲ Ⅱ Ⅰ 年 2 25, 25, 1 1 0, 9, 9, 27 76 85 20 1 6 0 8 5 4 0 3 29. 2 1 3 0. 0. 8. 8. . . 8 3 2 6 6 Ⅳ 2 4 , 47 2 ‑ 4 . 4 ( 出所) 第 1‑3 表に同 じ.

す ぐ後 で見 る よ うに,77 年末 か ら 78 年 にか けての景気 回復 で は政府 の景気対 策 の効果 も大 きか ったのであ るが, しか し, それ だ けで は景気 回復 は建 設財部 門 を中心 とす る一部 の部 門にか た よった もの になったであ ろ う し,景気 回復 が 本格 的 な景気拡大 につ なが ってい くの はむず か しか ったで あろ うが,実 際 には 景気 回復 は広範 な部 門にわた った し,設備投 資の拡大 を ともな う本格 的 な景気

6)資本主義的生産における景気拡大においては,生産と設備投資が前のピークを越え

て拡大するだけでな く,生産手段の生産が消費手段の生産 より急速に拡大するとい

うのがその本来の姿であるが,この循環ではまだ生産手段の生産の消費手段の生産

に対する急速な拡大は起 こっていないのであ り,その意味でもこの循環はまだ本来

の姿を取 り戻 してはいない。なお,この点については,さしあた り,拙稿 「 スタグ

フレーションについて」第 2 節 ( 『 商学討究』,第 4 3 巻第 3・4 合併号 ,1 9 9 3 年) を

参照。

(21)

停滞傾向持続下の景気拡大 93 拡大 につ なが っていったのであ るか ら,政府 の景気対策 について見 る前 に, ま ず, こうした順調 な景気 回復 を可能 に した実体 的基礎 につ いて検討 してお く必 要があ るであろ う 。

この場合 ,当然注 目しなければな らないの は当時 の コンピュ ーター技術 の急 速 な発展 に ともな う電子部品やそれ を組 み込 んだ電子機器 の生産 の急速 な拡大 であ ろ う

これ らの生産 は当時景気 にはあ ま り関係 な く拡大 していたのである0

その主要 な もの につ いて見 てみ る と ( 第 2‑ 3 表), まず,電子部品 の代 表 第 2‑ 3 表 主 な電子部晶 と電子横器 の生産動向

午 半導体集積回路 電子計算機及び 関連装置 ビデオテープ レコ ー ダ ∵ 間接式静電複写機 7 5 30 2

‑ 1. 0 5 41 ‑ 8. 1 1 1 8 ‑ 1 30 ‑ 7 6 6 2 4 1 06. 6 61 8 1 4. 2 2 87 1 43. 2 2 48 9 0. 8 7 7 7 5 8 21. 5 71 9 1 6. 3 7 6 2 1 65. 5 439 7 7. 0 7 8 1, 1 2 0 47. 8 9 1 0 26. 6 1, 47 0 9 2. 9 5 21 1 8. 7 7 9 1, 69 4 51. 3 1, 1 2 4 23. 5 2, 1 9 9 49. 6 6 86 31. 7 8 0 2, 5 42 5 0. 1 1, 2 9 2 1 4. 9 4 , 4 41 1 02. 0 9 46 3 7. 9 81 3, 3 3 4 31. 2 1, 46 8 1 3. 6 9, 49 7 11 3. 8 1, 2 9 3 3 6. 7 8 2 4, 1 62 2 4. 8 1, 7 32 1 8. 0 1 3, 1 3 4 3 8. 3 1, 3 51 4. 5 午 カルプレンシャッタ式) 3 5 mm カメラ ( フォー ( レンズシャッタ式) 3 5 mm カメラ 電池式腕時計 数値制御工作機械 7 5 2, 6 09 ‑5. 1 1, 5 75 ‑26 . 4 3, 3 37 ‑ 2, 1 88 ‑2 8. 0 7 6 3, 205 2 2. 8 1, 89 0 2 0. 0 7, 51 7 1 25. 3 3, 31 2 51. 4 77 4, 1 49 29. 5 2, 31 4 2 2 . 4 1 2, 6 39 6 8. 1 5, 4 36 6 4. 1 7 8 5, 03 4 21. 3 2, 6 85 1 6. 0 1 9, 6 41 55 . 4 7, 3 42 35. 1 7 9 6 . , 1 39 22. 0 3, 7 43 39 . 4̲3 4, 3 8 4 75. 1 1 4, 31 7 9 5. 0 8 0 7, 5 47 22. 9 3, 9 33 5. 1 5 3, 9 45 5 6. 9 2 2, 0 5 2 5 4. 0 81 7, 408 ‑ 1. 8 5, 47 6 39. 2 6 7, 3 06 2 4. 8 2 5, 9 26 1 7. 6 8 2 6, 3 45 ‑1 4. 3 6, 51 4 1 9. 0 6 9, 3 8 4 3. 1 2 4, 1 3 8 ‑6. 9 ( 注)単位は集積回路が 1 00 万個,電算機及び関連装置が 1 0 0 万円,ビデオ,複写機,

カメラ,時計が 1, 0 0 0 台 ( 個),工作機械が台.なお,各品 目の右の欄 は伸 び率 で単位は%.

( 出所)通産大臣官房調査統計部編 『 機械統計年報』 より作成.

(22)

94 商 学 討 究 第 4 7 巻ー第 2・3 号

である半導体 集積 回路 の生産個数 は 76 年 に 1 0 6. 6% と前年 に比べ 2 倍以上 と なった後, 77 年にはだいぶ伸 び率 を落 としたが,それで も 2 0% 以上の伸びは確 保 しているし ,7 8 年 には 5 0% 近 くに盛 り返 している 。

電子計算機及 び関連装置の生産額 は 7 6 年 の 1 4. 2% か らしだいに伸 び率 を高 め, 7 8 年には 2 0 % 台後半の高い伸 びとなっている。

民生用電子機械の生産は 7 6 年に大 きく伸びた後は概 して低迷 していたが,ど デオテープレコーダーだけは驚異的な伸 びを続 けている 。7 6 年 に前年の 2. 4 倍 に増大 したのに続 き ,77 年にはさらにそれ以上の増大 ( 2. 7 倍)を記録 している 。

7 8 年にはやや伸 び率が落 ちたが,それで もまだ 1 0 0% に近い極 めて高い伸 びを 維持 している

事務用機械の主力商品である間接式静電複写機の生産台数は 7 6 年 ,77 年にそ れぞれ 90. 8%,7 7. 0% と極めて高い伸びを記録 している 。7 8 年にはだいぶ伸び 率が落ちたが,それで もまだ 20 % 近 くの高い伸 びを維持 している

精密機械の うちカメラではその主力商品であるフォーカルプレンシャッタ式 35 mm カメラの生産台数 は 7 6 年 の 22. 8% か ら 77 年の 29. 5 % ‑伸 び率 を高めた 後 ,7 8 年には伸び率 を落 としたが ,20 % 台の伸 びは維持 している。レンズシャッ タ式の方 も 76 年, 77 年に 2 0 % 台の伸 びを続けた後 ,7 8 年にはやは り伸び率 を落 としたが, 1 5 % を越 える伸 びは維持 している

時計ではこのころ主力商品 となった電池式腕時計の生産が極めて高い伸 びを 続 けている 。7 6 年の生産個数は前年の倍以上 とな り, 7 7 年, 7 8 年 も 5 0% を越 え

る極めて高い伸 びとなっている

また,金属工作機械のうちの数値制御工作機械の生産 も高い伸 びを続けてい る 。76 年か ら 77 年にかけては 5 0 % 以上の極めて高い伸 びとなっているし, 7 8 年 も 3 0% を越 える高い伸 びとなっている

以上の例か ら明 らかなように ,70 年代後半はコンピューター技術が急速に発

展 し,半導体集積回路の生産が急拡大するとともに,それを親み込んだ電子機

器の生産拡大が ビデオテープレコーダーや間接式静電複写機や電池式腕時計 と

いった商品を中心 に不況の中で も根強 く持続 していたのであ り, これが順調な

(23)

停滞傾向持続下の景気拡大

景気回復 を可能に した実体 的要因 となった と考 えられるのである。

( 2 ) 政府の景気対策

95

以上の ようなわけで,70 年代後半 にはコンピューター技術が急速 に発展 し, それ に ともなって電子部 品や電子機器の生産拡大が根 強 く持続 したのである が, しか し, これ らの生産 も全体 か ら見ればご く一部 にす ぎず,これ ら一部商 品の生産拡大だけでは景気 を全体 として回復 させ るにはとて も力不足 だったの であ り,政府 が実施 した77 年か ら 78 年 にか けてのか な り大規模 な景気対策 に よって初 めて実際に景気回復が可能 となったのである。

当時の政府 の景気対策 を結果的な数字で見 てい くと ( 第 1‑8 表参照),歳 出総額 の伸 びは76 年度 に1 7. 3% とすで にか な り高 くなっていたが,77 年度 は 1 8. 8% とこれ をさらに上回る高い伸 びになっている

続 く 7 8 年度 も前年度 より はやや落 ちたが7 6 年度 と同 じ高い水準の伸 びを維持 している

歳出の うちの公共事業関係費は7 6 年度 は1 2. 1 % の伸 びにとどまっていたが, 77 年度 にはいっきに26. 7 % にまで高め られた。続 く 78 年度はやや伸 びが落ちた が,それで も1 7. 1 % とまだかな り高い伸 びを維持 している

財政投融資 も 7 7 年度 は1 9. 6% とかな り高い伸 びになっている

ただ,78 年度 は 77 年度 における大規模 な不況対策の結果,景気が順調 に回復 して きたことを 反映 して 4. 5% と伸 びは大幅に押 さえ られた 7) 0

こうした政府 の積極的な姿勢 を反映 して地方 自治体や公的企業による公共事 業 も含 めた国全体の公共事業 を表わす国民経済計算 における公的固定資本形成 も 77 年度 は1 9. 6%, 7 8 年度 は1 7. 9% と 20% に近いかな り高い伸 びが続いている。

こうい うわけで,77 年か ら 7 8 年 にかけて政府 はかな り大規模 な景気対策 を実 施 したのであ り, これが,電子部品や電子機器の根強い生産拡大 とい う景気回 7 )念のため,歳出総額,公共事業関係費,財政投融資の当初予算の伸びを見てみると,

歳出総額は 7 7 年度は 1 7 . 4 % ,7 8 年度は 2 0. 3 %,公共事業関係費はそれぞれ 2 1. 4 %,

2 7. 3 %,財政投融資はそれぞれ1 8. 1 %,1 8. 7 %で,いずれにおいても 7 8 年度の伸び

の方が 7 7 年度の伸びより高くなっている ( 前出 『 財政統計』参照) 。

(24)

96 商 学 討 究 第 4 7 巻 第 2・3 号

復の実体的要因をバ ックアップ し,実際に景気 回復 を可能に したのである

しか し,他方では, この77 年か ら 7 8 年 にかけての政府の大親模 な景気対策は これ以前か らすでに極めて厳 しい状況にあった財政事情 をさらに一層厳 しい状 況に陥れることになった。

詳細 は続稿 に譲ることに して基本的な点だけ述べておけば,75 年度の普通国 債発行額 はまだ 5 兆円程度であったが,年々増加 を余儀 な くされ,7 8 年度には ついに 1 0 兆円を越 えた。 こうした毎年の国債発行額の増大 にともなって国債発 行残高 も年々累増 し 75 年度未にはまだ1 5 兆円程度であった ものが,7 8 年度末に は 4 2 兆円を越 える額 となった。他方,この国債発行の増大 にともなっていわゆ る国債依存度 ( 国債発行額/歳出額) も年々上昇 し,77 年度 にはついに 30 % を 越 え,歳出の 3 割以上 を国債 に依存す るとい う異常 な事態 となった8 ) o

こうした危機的状況はこれ以降 もさらに激化 し,その結果,80年代 に入 ると もはや思 うように歳出を増やす ことは不可能 とな り,有効な景気対策 を実施す ることは困難 となっていったのである 。

3. 設備投資の拡大による景気の本格的拡大

以上の ように,78 年 には電子部品や電子機器の生産拡大 とい う基礎 の上 に, 政府の景気対策が加わって景気が回復 したが,79 年に入 ると設備投資 も 2 ケタ の伸びを示す ようにな り,景気 は本格的な拡大局面 に入った。後 に見 るように,

この本格的な景気拡大局面は長 くは続かず,80 年春 には後退局面に移行 して し まうのであるが,設備投資は81 年前半 まで 2 ケタの伸びを続けた ( 第 2‑ 2 表 参照)。そこで, この79 年初めか ら 81 年前半 にかけての設備投資拡大の要因に ついて考 えてみることにしよう

第 2‑4 表にあげた製造業の主要部門の うち,まず,電気機械 と精密機械 の 設備投資について見てみると,電気機械では 76 年か ら 77 年にかけての拡大です で に前の ピークを越 えていたが,79 年か ら 81 年 にかけて もそれぞれ2 8 . 4%, 8) 以上 の数字 につ いては,前 出 『 財政統計』,同 『 財政金融統計月報』( 各年度予算特集)

を参照。

(25)

停滞傾 向持続下 の景気拡大

第 2‑ 4 表 製造業主要部門の設備投資頼 とその伸び率

97

( 単位 億 円, %)

午 製 造 業 鉄 鋼 非鉄金属 金属製品

7 8̲ 5 8, 6 2 9 ‑5 . 4 7, 05 8 ‑33. 6 1 . , 69 0 ‑ 1. 7 2, 6 0 8 1. 5 79 71, 43 8 21. 8 7, 99 9 1 3. 3 1, 9 0 4 1 2. 7 3, 79 9 45. 7 8 0 9 0, 9 8 2 27 . 4 8, 0 0 9 0. 1 2, 821 48. 2 4, 9 46 3 0. 2 81 9 8, 97 2 8. 8 9, 7 43 21. 7 3, 22 9 1 4二 5 4, 3 21 ‑1 2. 6 8 ̲ 2 1 01, 3 4 3 2 . 4 1 2, 62 9 29. 6 3, 43 8 6. 5 4, 1 61 ‑3. . 7

年 一般機械 電気機械 輸送用機械 精密機械

7 8 3, 31 0 1 2. 3 6, 61 0 2. 1 8, 5 4 0 1 3 . 4 1, 09 2 2. 2 7 9 3, 8 4 8 1 6. 3 8, 48 7 2 8 . 4 8, 9 6 7 5. 0 1, 46 5 3 4. 2 80 5, 6 89 47. 8 1 2, 1 46 43. 1 1 3, 51 5 5 0. 7 2, 27 8 55. 5 81 6, 86 9 2 0. 7 1 5, 89 3 30. 8 1 4, 91 9 1 0. . 4 2, 61 0 1 4. 6 82 6, 8 45 ‑0. 3 1 5, 2 6 6 ‑3. 9 1 4, 5 2 2 ‑2. 7 2, 47 7 ‑5. 1 年 窯業 .土石製 品 化 学 石油 .石炭製品 パ ルプ .舵 . 紙加工 品 7 8 2, 89 2 1 0. 8 7, 071 ‑25. 7 2, 3 7 0 ‑3. 3 2, 23 3 ‑5. 9 79 ‑3, 88 3 3 4. 3 8, 82 3 2 4. 8 2, 65 2 l l. 9 3, 23 0 44. 6 80 4, 82 9 2 4. 4 ll, 02 7 25. 0 2, 82 0 6. 3 3, 8 43 1 9. 0 81 5, 0 6 6 4. 9 ll, 33 6 2. 8 3, 1 0 4 1 0. 1 2, 6 8 0 ‑3 0. 3 82 4, 5 4 4 ‑1 0. 3 1 2, 06 6 6 . 4 2, 47 1 ‑2 0. 4 2, 87 8 7. 4

( 出所)第 1‑3 表に同 じ.

43. 1% , 30. 8% と順調 な拡大が続いている。精密機械で も 79 年か ら 80 年にかけ てそれぞれ 34. 2%,55. 5% とかな り大 きな拡大が続いている。 この部門では 81 年 にはだいぶ伸 び率 は落ちたが,それで も 1 4. 6% とまだ 2 ケ タの伸 びは維持 し ている 。

これ ら 2 つの部門の設備投資拡大の要因は明 らかであろう 前項 で見た よう に,これ らの部門では電子部品や電子機器の生産が景気の局面 にはあま り関係 な く順調 に拡大 を続 けていた。 したがって, これ らの部門では景気が回復 し, 電子部品や電子機器 にたいす る一層順調 な需要拡大の見通 しが出て くれば生産 拡大のための設備投資が大 きく盛 り上がって くるのは当然であったのである 。

80 年 に入 って生産 は全体 としては低迷 したが, これ らの部門では後 に見 るよ

(26)

98 商 学 討 究 第 47 巻 第 2・3 号

うに輸 出が大 きく拡大 したため 9) ,電気機械 で は 81 年末 まで,精密機械 で は 81 年初 め まで順調 な生産の拡大が続 いた。 そのため, これ らの部 門では設備投 資

も 80 年 には 79 年 よ りさらに大 き く伸 びた し, 81 年 になって も,精密機械 で は伸 びはだいぶ落 ちたが, まだ 2 ケ タの伸 び を維持 した し,電気機械 で は 30. 8% と い うか な り高 い伸 びを持続 した。

輸送機械 で は 76 年 か ら 77 年 にか けて設備投 資 が大 き く拡大 した こ との反動 で,また ,77 年以降生産の伸 びが しだい に落 ちて きた こともあ って ( 第 1‑16 表 , 第 2‑5 表 の 「 除,船舶 ・鉄道車両」 を参照), 79 年 の設備投 資 は 1 ケ タの伸

第 2 ‑5 表 鉱工業主要部門の生産指数 ( 1 980 年 ‑1 00) とその伸び率 ( %) 年 鉱 工 業 鉄 鋼 非鉄金属 金属製品 「般機械 7 8 89. 0 6. 3 88. 8 2. 8 9 5. 5 7. 4 9 9. 5 8. 4 81. 3 9. 9 79 9 5. 5 7. 3 9 8 . 4 1 0. 8 1 0 0. 1 4. 8 1 02. 1 2. 6 91. 7 1 2. 8 80 1 0 0. 0 4. 7 1 0 0. 0 1. 6 1 0 0. 0 ‑0. 1 1 0 0. 0 ‑2. 1 1 0 0. 0 9. 1 81 1 01. 0 1. 0 9 3. 6 ‑6 . 4 ‑ 9 5. 8 ‑ 4. 2 9 6 . 4 ‑3. 6 1 0 2. 2 2. 2 8 2 1 01. 3 0. 3 91. 4 ‑ 2 . 4 9 2. 6 ‑ 3. 3 9 9. 0 2. 7 1 0 0. 6 ‑ 1. 6 午 電気機械 輸送機械 鉄道車両) ( 除,船舶 . ( ・トラ ック) 乗用車 二バス 精密機械 7 8 7 6. 3 1 3. 5 80 . 4 ‑ 1. 6 79. 9 8. 9 80 . 4 l l. 0 6 8. 7 1 3. 2 79 8 6. 8 1 3. 8 83. 7 4. 1 86. 1 7. 8 87. 7 9. 1 8 0. 4 1 7. 0 80 1 0 0. 0 1 5. 2 1 0 0. 0 1 9. 5 1 00. 0 1 6. 1 1 00. 0 1 4. 0 1 0 0. 0 2 4 . 4 81 11 3. 9 1 3. 9 1 05. 8 5. 8 1 02. 7 2. 7 1 01. 7 1. 7 1 0 9 . 4 9 . 4 82 1 25. 2 9. 9 99. 1 ‑6. 3 9 6. 3 ‑6. 2 97. 3 ‑ 4. 3 1 0 3. 5 ‑5 . 4 年 窯業. 土石製品 化 学 ( 除,医薬品) 石油. 石炭製品 パルプ .戟 . 紙加工品 7 8 9 2. 0 5. 7 9 2. 3 1 2. 3 9 6. 9 9. 6 1 03. 8 0. 5 91. 8 6. 9 79 9 7. 7 6. 2 1 00. 5 8. 9 1 06. 1 9. 5 1 05. 9 2. 0 9 9. 5 8 . 4 80 1 0 0. 0 2. 4 1 0 0. 0 ‑ 0. 5 1 00. 0 ‑5. 7 1 0 0. 0 I ‑5. 6 1 0 0. 0 0. 5 81 9 4. 1 ‑5. 9 9 9. 8 ‑ 0. 2 9 5. 9 ‑ 4. 1 9 3. 8 ‑6. 2 9 4. 4 ‑5. 6

( 出所) 第 1‑1 表に同じ.

9 )後の第 2‑1 4 表,第 2‑1 7 表に見られるように,精密機械の輸出はそれほど高い伸

びにはなってないが,当時精密機械の生産を牽引 していた時計の輸出は 8 0 年には

3 4. 8 % と大 きく伸びているし ,81 年にも 1 6. 2 % とまだ比較的高い伸びが続いている。

(27)

停滞傾 向持続下 の景気拡大 99 びにとどまっていたが,後 に見 るように 80 年 になると輸出が大 きく伸 びたため 生産 も 1 6. 1 % と大 き く拡大 し,その結果,設備投 資 も 5 0. 7 % と極 めて高い伸 び となった 。81 年 には輸 出の伸 びが落ちて きたため,生産の伸 びも落ちて しま い,その結果, 設備投資の伸 び も落ちたが,かろうじて 2 ケタの伸 びは維持 した。

その他の部門の うち一般機械 を除 く部門について見てみると, これ らの部門 では 7 8 年か ら 79 年 にかけて ようや く生産が前 のピークを回復 したが ( 化学工業 では全体 としてはすでに 7 6 年 に前の ピークを回復 していたが,医薬品を除 く指 数では回復 は 7 8 年である),輸出や公共事業 の低迷のため,生産のその後の伸 びはご くわずかにとどまった。 したが って, これ らの部門における 79 年以降の 設備投資の拡大 はコンピュー ター技術 の導入 などによる合理化 ・省力化, さら には省エネなど生産能力増強にはあ ま り結 びつかない ものを目的 とした ものが 中心だった と考 えられ る ( 以上,生産 については第 1‑1 6 表,第 2‑5 表参照)0

このことを確かめるため,生産や設備投資のこの循環 における前の ピークか 第 2‑6 表 鉱工業主要部門の生産の前の ピークから第 9 循環の ピークまで

の増大率

前のピーク 第 9 循環のピーク 増大率 ( %) 鉱工業 8 4. 6( 7 3 ) 1 0 1. 3( 8 2 ) 1 9. 7 鉄鋼 9 4. 9( 7 3 ) 1 0 0. 0( 8 0 ) 5. 4 非鉄金属 9 1. 4( 7 3 ) 1 0 0. 1( 7 9 ) 9. 5 金属製品 9 8. 0( 7 3 ) 1 0 2. 1( 7 9 ) 4. 2

一般機械 8 1. 4( 7 3 ) 1 0 2. 2( 81 ) 2 5. 6

電気機械 6 7. 2( 7 7 ) 1 2 5. 2( 8 2 ) 8 6. 3

輸送機械 8 1. 7( 7 7 ) 1 0 5. 8( 81 ) 2 9. 5 ( 除,船舶 .鉄道車両) 7 3 . 4( 7 7 ) 1 0 2. 7( 8 1 ) 3 9. 9 ( 乗用車 .バス .トラック) 7 2. 4( 7 7 ) 1 0 1. 7( 8 1 ) 4 0. 5

精密機械 6 0. 7( 7 7 ) 1 0 9. 4( 81 ) 8 0. 2 窯業. 土石製品 9 5. 5( 7 3 ) 1 0 0. 0( 8 0 ) 4. 7

化学 8 2. 2( 7 7 ) 1 0 2. 5( 8 2 ) 2 4. 7 ( 除,医薬品) 9 3. 2( 7 3 ) 1 0 6. 1( 7 9 ) 1 3. 8 石油 .石炭製品 1 0 5. 2( 7 3 ) 1 0 5. 9( 7 9 ) 0. 7 ( 荏)カッコ内はそれぞれのピークをつけた年,

( 出所)第 1‑1 6 表及び第 2 ‑ 5 表から作成.

参照

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