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有価証券の評価と問題点

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(1)

有価証券の評価と問題点

33

有価証券の評価と問題点

龍家勇一郎

目    次 1.序    一三i

2.有価証券の資産としての特殊性と表示上の問題点 3.企業会計原則及び商法、税法の有価証券評価規定 4.投資有価証券の評価

5.株式配当を受けた場合の株式の評価 6.結    語

4

i

l

最近有価証券(特に株式)の経済∠榊こおける取引活動は,活漑なものがあ

I

る。証券取引所の立会い停止という非常事態を生んだ昭和47年11月1ケ月間 の東証売買高は,第2郡を合くみ56億7,600万株,売買代金にして2兆7,998 億円で,11月1ケ月で贅本1億円以上の株式会社(7,845社)が,46年度1 年間にあげた税引き後利益,1兆8,000億円の約1.5倍に当る巨朗の売貰代 金が,いわゆる株式市場に流れこんだわけである。この2兆7,998億という カネのエネルギーは,どのようなものか。47年11月の25日間(日曜日や立会 い停止目をのぞいた)株式市場(東証)はいくつかの記録を更新した。

(詳1)

◎1[]の出来高………10億6,600万株(11月14日)

◎時価の総額………42兆円(11月30日)

㊥東証225銘柄の平均利廻り ………1.69%(同)

◎株価収益率(1株当りの年間利益に対して株価が何倍に買われている かを倍率であらわしたもの)…………27倍

以上の数字はいずれも47年11月に株式市場でつくりだした新記録の一部であ

(2)

3 4  

経 営 と 経 済

る 註

2)

和光証券では,京証上場会社 1 , 326社 ω うち,年 1 回決 f~419社と決算期変 児などで, 比佼不能な

4

社を除く

903

社(1$

1

626

2

277

社 ) に つ いて,

47

年 上 期

( 4 7

4

月期

" ‑ " 9

月 期 ) 末 現 在 の 株 式 の 所 有 調 査 を 発 表 し て い る 註

3) 

これによると,

( 1 )京 証 第 1

626

社 の 所 有 株 式 は 話 相 ベ ー ス で46年 度 下 期 末に比べ,

8

519

佑82百万円の増加l

46

年度下期

ω

[J

i

,5

793

億26百 万 円を上廻る百 JJdN~ の NI びを示し, 期 末 残 高 は

6

兆2

782

18

百万円と

6

円台に乗せたこと叫

(ω2)  1:明j分 を

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3

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ωほとんどが金融,

{保呆険なので,

この j期田は金

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(ω3) 株 数 の11

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1

除当りの平均(佃価品凶i

j

46

年 度 下 期 の

209

円29銭から

277

円2

1

銭へと大きく 上昇,期末総 jjr有株式の 1 株当り平均簿価も 46年度ドJ~Jω122 円 43銭から 131 円55銭へ上昇した。

( 4 )  

業 種 別 に み て

1

社 平 均 の 所 有 株 式 簿 価

ω

増加額が大きかったのは,

金融,保険,前'!{;;、海 J~ , li\~û送用機器,金属鉱山など。また 1 千億円以上の 株 式 を 所 有 し て い る の は , 日 士 銀 , 住 友 銀 , 第 一 勧 銀 な ど14社 だ っ た 。 な お

2

部277社 の 所 有 株 式 簿 価 は

46

年 度 下 期 末 に 比 べ77億77百万円増加し,

7 5 1

15

i)j円となっている。とO つ ぎ に 社 別 の 状 況 を 説 明 し て い る 所 を み ると,待相日ベースの株式所有上位100社 は , 立

3

の辺りで,

100

社 の う ち 銀 行 が24社,商社が

10n

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め て い る 。 簿 価 で

1

千 億 円 以 上 の 株 式 を 所 有 し て い るのは,

( 1 )  

",~Ç 士銀(1 82 , 903 白-万円)

( 2 )住友銀(1 75

201

百万円)

( 3 )第 一

勧銀(1

74

447

百万円)(4)興銀(1

73

169

百万円)

( 5 )大 和 銀 ( 1 56

423ET

:

1

J) 

( 6 )三井二物出(1 56

1 7 1

百 万

I I J ) ( 7 )

主 夫 銀

(152

235

百万円)

( 8 )

丸 机 (1

52

131

百万円)

( 9 )三和銀(1 48

745

百万円)

( 1 0 )三 菱 自 (123

399

百万円)

( 1 1 )新日鉄(1 20

778

百万円)(12) 長銀(1

1 5

549

百万円)(13)伊 藤 忠 ( 111,

471

百万円)(14)三 夫

m

工(1

02

220

百万円

)ω14

社 , ま た 銀 行 を 除 く ベ ス ト ・ テ

(3)

有価証券の評価と問題点

3 5  

ンは (1)三井物産 (2)丸紅 (3)三菱商 (4)新日鉄 (5)伊藤忠 (6)三菱京工 (7)目立 (8)日産自動車 (9)松下 (1日鋼管となっている

o

また株式数の記載のあるものについて,所有株式数の上位50社をみると,

3

の通りで

5

億株以上の株式を所有しているのは(カッコ内は株数,百 万株)

( 1 )新日鉄(1, 210) ( 2 )三井物 ( 9 2 0 ) ( 3 )丸紅 ( 8 9 7 ) ( 4 )伊政忠 ( 7 5 2 ) ( 5 )三菱商 ( 7 2 9 ) ( 6 )

目立

( 7 1 6 )

(7)束芝

( 5 6 7 )

(8)日産自

( 5 5 9 ) ( 9 )

トヨタ

( 5 0 5 )

9

社であった。 このように,法人の株式投資が行われた開山とし て,飯田氏はつぎの三つを挙げられている

o

(

4) 

(1)  金融緩和で,株式会社が余裕資金の運用を株買いに向けたこと臼 (2)  巨大企業が系列関係を強め,あるいは外資に対する相互│山!討を強める

ために株式の持合し)を強化する投資政策を活発化させたことq (3)  いわゆる商閤(経済傾城)拡大のための戦時投資を活発化させたこ

このような理由づけを背景にして,現代の株式会社は,その本米fI'~機能=生 産要采の再生産を :~fJ;1Jlして,不Ijil司を迫求する機能 l こ加えて,相場町lî そこのけ の運用益,投機益追求に

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立をあげることになったと指摘されているD そし てさらに,和光抗券の

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いをもとに, Il

R

47

3

月末から

9

月 末 の 半 年 間 に,巨大企業がどれだけ株式をふくめた有価証券類の保有をふやしたかを示 す表を発表しているu (

5) 

丸紅の

5 9 4 1

立5千万円を?

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32

位ω山下汽船でも

26

位3千4百万

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~:11 ~/I の所有明加がみられるのである

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1

7

8

百億円を投資部門別にみると,

。 関 係 会 計 : 限 式 … … …

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600

万円の

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。投資有価 ~lE ;J.会………

2

521

500

万円の Wt})11

。流動資産助定手

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証券………1,

7 4 8 1

、3

600

万円の封切1

1

というかたちになっているO これぞ473月期では

@ 関 係 会 社 株 式 の

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}JU矧 … … …

459

佑8

600

万円

⑤ 投 資 有 価 証 券......

3

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万円

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………

2

2 6 5 {

臼,

400

万円

(4)

3 6  

経 営 と 経 済

であった。したがって,

4 7

3

月末にくらべると,関係会社株式の所有が増 加し,投資有価証券と流動資産勘定の有価証券の増加額がかなり減っている ことが明らかになるQ とし,関係会社株式の所有増加はいうまでもなく,系 列強化戦略の具体的な現われで、あり,後者の増加額減少は,取得所有した株 式を売却し,売却益,運用益を出した企業が多かったことを立証している。

と。(註

6) 

このような空前の株式ブームを,企業会計の立場から見るとき,有価証券 勘定(特に投資有価証券勘定)が, r~ll 定資産や G~Jí[iJ資産と同総に,従前に比

して,資産助定全体に占めるウエイトが増して来たことを志味している。

企業会計原則では,貸借対照表にぷ

l J

売する資産の価額は,原則として当該 資産の取得原価を基礎として計

t

しなけーればならないことになっている。回 定資産,側主

J I

資産など

ω

収得価額にづいては,企業会計原則注鮮や,辿続詰:

見書などにおいて,詳細に定められているが,有価証券勘定については,細 部にわたって定めがない。例えば,時価発行の場合の第三者割当

ω

ときの価 額,株式配当によって収得した場合の価額,さらに投資有価証券が無償交付 で,株式を取得した場合などいろいろあるO 以下株式の特殊性を述べ,これ

らの問題点を検討したいのが本稿の主旨であるO

(1) ~株 11Ui異常高 Iß~ の t!F-t~!)λwrnm.悦郎稿中央公論(昭和 48.)]号)

(註

2) 

同卜.論説

(3) ~証券投資 Xo.228ゃf;!J )l:~Jl.:t} ,D,'d 査部先行(l!!1 FI148.3.1 発 fj')

(註 4)  Ili氏 同 上 論 文 (1'89) 

(註

5) 

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論文

(

6) 

向 上 論 文

(5)

f何訂券の評市ffi!lli} 37 

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3)表 1

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(6)

経~~.と;陀 iA

• 2 部 上 場 株 式 所 有 上 位 5 0 社

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3 8  

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(註)年 l回決算会社と株数の記哉のない金融・保険を除く。

(単位

1 0 0

万円)

第 1 表 有 価 証 券 増 加 額 の 社 別 上 位 3 2 社

(

5

)の表

3

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所有有価証みは流助資庄の干'f1LUi証券,投資有仙証券,関係会社株式の合計獄。

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1 J

光証券資料による) (飯田氏論文より引用)

(7)

有価証券の評伺と問問点

3 9  

2 .   有価証券の資産としての特殊

J

陀と表示上の問題点

企業会計原則では,有価証券の表示を,投資J~l 問に分類祝点をおき,流動 性を基準として,流動資産に属する有価証券(一時所有の

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ある有価自

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会)と,同定資産!と目する投資有価証券及び,関係会社株式に分類して表示 することにしているコこのことは,有価証券(特に株式)の利潤訂ぷ会と物的 託券の二面的性絡を物語るものである二従米から株式投資行動を決定ずける 目標とされていたのは,銀行J資金とくらべて,株式の配当が,定

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廻り計算であった。それがインフレーションの加述が 早くなり,大都rJiへの人r1集中,発民とに呼応して,

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であると喧伝したづデノミネーションや,資産再評価が 11~~ にのぼると,この

、合み資産グ株は,さらにもてはやされるようになった。このことは,有利ii 証券(株式)が不

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券として,また物的証券として社会的承認を得ている

ことを立味しているつ

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近の有価証券の投資について,見逃せない別象は,

企業の系列化, m~ /j( ~t )J見メーカー来の活発な到きがあることを

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日],雑誌 などで報ぜられている。(註

7) 

ドノレ・ショック以後立金融緩和の傾向が強まる

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し,外資の流入が現実化した υ 金制緩和のニ|!?去には,過剰生産 1l~調の強まり は,そのま L 資本の再生陀(手Ilm~ 迫求)条件の恐化である。悪化する条件を 改普‑しようとして,資本配置の組織

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えのため,多くの企業が新分野への進 出を計

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聞することが一般化したことである勺これが析しい分野で,すでに実 績をもっている合業と組むために,相手方の株式

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(会計上で、は関係会社 株式の取得)が時んとなったのであろ

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山,株式,九伴などを対象として,投資活動を行ったの である。このことが,従来からの投資問念例えば, 引;当りの純資 j!,(~, !j1jL 水準,利益金といったものが,づ三郎

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ほどの大引の株式ぅ

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つぎに有価証券の

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資本の迎用形態として規定 し,企業資本の迎用形態に即して分類すると,つぎの辺りである。

計産

(a 

Ifl]収され,投下待機の状態1

にある迎用形態

1.貨幣↑

' 1

資産,,‑0')

-';,)KL: nJ)I/:~

}支払目的資産

lb 

同収の氾程にある運用形態j

(a 

~J二本来の経常目的のナめ j イ,販売目的資産

2 州問問~ ~ に 投 下 さ れ た 活 用 問 ー

l f : 問問主主

、 b

仙の企業[と対して投下された ;Æm 形態-一→外 f~i)投1f^f.T1陀

企業資本の運用過程は

G ‑ ‑ ‑ . . W ‑ ‑ ‑ . . G '

という増殖過程を反復的にくりかえしな がら循環する。この一連の経営活動の過程にあっては,資産は投下形態にあ る 資 産 (

G ‑ ‑ ‑ . . W

の過程)と回収形態にある資産

(W‑ ‑ ‑ . . G '  )の過程とに分類

される。前者は非貨幣性資産,後者は貨幣性資産と呼ばれる

o

~l::貨幣性資産 は,さらに資本投下の目的によって,

a)内部投資形態 b)外部投資形態に

分類されるD 前者は企業が白己資本の収益活動である経営目的のために投下 している企業資金の具体的存在形態である資産であり,後者は他の企業を支 配するとか,他の企業との取引関係、を維持する目的で,または,月i.

Md

こ利殖 の目的で,企業資金を他の合業lて投下している状態を示す資産項目である口

貨幣性資産は,現金及び即時又は短期間に現金に転化することのできる資 産から構成されており,即時的又は短期間内に支払手段として利用し得る点 に共通点を認めることができる口しかもそれらは,支払手段として利用され ることによって,その伺別的価航ニ支払目的利用価値を発拝することによっ て,企業の収拾活動に役立てられる資産であるD しかし支払目的に利用し得 る資産としては,共通性をもっとしても,企業資金の循環過程に視点をおく 場合,それらの性質を一律に規定することはできない。すなわち

a)現金,

預金,売掛金,受取手形のような企業資金の経営循環過程において,回収過 程にある存在形態にあるのに対して,

b)

貸付金や短期所有の有価証券は,

むしろ経営循環過程の外にある企業資金の投下形態であるD 企業資金の経営 内部循環過程の一部である回収過科にある貨幣資産が厳密な意味での支払目 的資産であり,外部投

F

のー形態である貨幣性資産の例別的価値は,企業資

(9)

有価証券の評価と問題点

4 1  

金の現状表示という点からは,支払利用可能資産として区別する必要があ る。この場合短期保有の有価証券は,貨幣性資産なのか,非貨幣性資産なの かという二つの考え方がでてくるD

その一つは,有価証券は短期保有の有価証券であっても,

f

也の企業に対す る資本の投下形態であるのに,かかわりなし、から,外部投資形態,すなわち 非貨幣性資産として位置づける考え方である。他の一つは,迩用資本として の余裕資金の一時的運用形態であるところから,そ支払手段としての利用性 を重視して,投下待機形態の貨幣性資産であるとして位置づける考え方であ る。この点が短期所有の市場性ある有価証券の評価の決定において重要な意 味をもつこととなるO したがって,短期保有の市場性ある有価証券は,支払 手段としての利用性は認めうる資産であるが,回収の過程にある迎用形態と は必ずしも考えられず,資本の運用形態に即して,外部投資形態として,と らえることが理論的と考えられる。つまり,一応外部投資形態=非貨性資産 としてとらえた上で,支払手段としての特殊性=貨幣性資産でもあるという 二重性を考えるのが迎当であるO

乙〉で問題となるのは,投資有価証券助定との関連である。わが国企業会 計原則では,この投資有価証券勘定は同定資産の部に記載するととになって いるD 商法では,有価証券自体の性質に分類視点を置き,所有目的の如何に か〉わらず,市場性を基準にして「取引所の相場ある株式」と

r

取引所の 相場なき株式」に分類して評価規定をめているD しかし,企業会計原則にお いて,短期所有と,長期所有の区別により,流動資産の部と,回定資産の部 に区分することは,企業の恐;立性により決定できるので,客観性に乏しく,

有価証券(特に株式)の特殊性からみて,外部投資であると同時に,支払手 段として利用されるところから,共通の某準とする方がょいと思われる。長 期所有の投資有価証券といえども,市場性ある有価証券は,流動性が強いの であるから,流動資産の部に長期所有,短期所有を区別せず,有価証券勘定 一本として記放する方が泊当と思う。これは前述した昭和473月期と,昭 47年 9月期の投資有価託券助定と,短期所有の有価証券勘定の増減表から 見ても,実際経済界では,この両者を同ーに取扱っていることを示すものだ

(10)

4 2  

経 告 ? と 経 済

といえるからである

O

したがって,貸借対照表資産の部の表示に当つては,

投資有価証券勘定は,固定資産の部の投資勘定ではなく,流動資産の部の有 価証券勘定に表示すべきであるO

(

7)

前 向 飯 田 氏 論 文

P93

(

8) 

向上論文

3 .  

企 業 会 計 原 則 , 商 法 及 び 税 法 の 有 価 証 券 評 価 規 定 。

商法では,会社の資本をもって,発行済額面株の株金額及び発行済無額面 株の発行対価の総額からなるとしているが,これはあくまでも原則であっ て,企業が株式を取得する場合は,つぎの如きものが考えられるO

(1)  発行済額面株の受入れのときO

( 2 )  

発行済無額面j株の発行対価を受入れたときO

(3)  株式配当による株式を取得したときO

(4)  転換社債の株式を取得したとき。

(5)  準備金を資本組入による株式を取得した場合。

(6)  再評価積立金の資本組入による株式を取得したj見合。

(7)  減資,増資,合併により,株式を取得する場合。

(8)  時価発行のとき,第三者割当てにより株式を取得する場合。

(9)  その他受贈,交換,代物弁済などにより株式を取得する場合。

企業会計原則では,貸借対照表原則

J 5  B

において,市場性ある有価証券で一 時所有のものは,、原則として取得原価で記載するとしている。但し有価証券 の市場価格が若しく下落し,回復可能の見込みがないと認められるときは,

時価まで価額を引下げなければならない。

c

注解

1 8 )

では,

T r i

場性ある有価 証券とは,株式については,取引所の相場あるものをいうとなっている。

投資有価証券については,貸借対照表原則

5F

で,投資は原則として取得 原価で記載するとし,

c

注解

1 7 )

3

項で,投資有価証券は,原則として取 得原価によって記載するが,投資株式については,当該会社の財政状態を反 映する株式の実価が,その取得原価より著しく低下した場合には,相当の減 額をしなければならない。としているD いま, これを企業会計原則に沿っ

(11)

有価証券の評価と問題点

4 3  

て,分類すると,つぎの通りである。

¥ ノ 百 八

4

=

J

f t

︑ 平

a4f

) ) ( ( ( ' '

f l l t

目 守 一 目 マ

f

HM P

1

g

A

rBEEstJIlt‑zt'EEEJ

︑ ︐

E 目 ︑

ω

↓ 

¥ } ' ) ) (

B

(

5

F

5

(

R 叫

(

商法では. 1"株式に付ては,その取得価額を附することを要す。

J

(商法

2 8 5

条の

6

)といっている。さらに,その第

2

項で,商法第

2 8 5

条の

2

1

項但書及第 2項の規定は,収引所の相場ある株式に之を準用す。とあり,第

3

項では,取引所の相場なき株式については,その発行会社の資産状態が著 しく悪化したときは,相当の減額をなすことを要すとなっているO したがっ て,株式取得の中心をなす株式の原始取得の場合の払込価額や株式の

1 1 1 3

入し た場合の価額については,企業会計原則と,商法とは,その評価規定は全く 一致していると解してよいと思う。

しかし,法人税法施行令

3 8

条で、は,有価証券の評価額の計算の基礎となる 有価証券の取得価矧は,月

I J

段の定めがあるものを除き,つぎのように定めら れている。

(1)  払込により取得した有価証券については,その払込んだ金額。

(2)  発行法人から新株のリ│受権その他,これに準ずるものを与えられた場 合(株主又は社

f l

として与えられた場合を除く)における当該新株引受椛に 基づく払込みにより取得した有価証券については,その株式の払込期日にお ける価額。

(3)  購入した有価証券については,その防入の代金と ml~入手数料その他,

その株式の腕入のために要した資用。

(4)  合併又は現物出資により受け入れた株式については,その受入価額 (その有価託券の受入れのために要した白用がある場合には,その~'1用の額 を加算した金箱とし,当該受入価額または,加算後の全額が,その受入時の

(12)

4 4  

I r ¥ .

と 経 済

時価をこえたときは,時価とする。)

(5)  (1)から(4)までの方法以外の方法によって,取得した株式については,

その取得の時におけるその株式の取得のために辺常~する価額。

これらの規定のうちは)及び(3)については,企業会計五日HIJ及び向法の定めとは 全く一致しているので問題はない。 (4)の場合についても,企業会計原則では

「同定資産の取得が株式の発行によって行なわれた場合には,当該有価証券 の発行価額をもって取得原価とする

o J

としているO 修正案では,この点を もっと明確にし「現物出資として受け入れた固定資産については,出資者l 対して交付された株式の発行価額をもって取得原価とする

o J

としている。

したがって

( 4 )

の税法の規定も表現は多少異なっているが,企業会計原則と は,さして問題はない。

問題となるのは(2)の規定に悲づく,第三者割当により取得した株式の取得 価額が,その株式の払込

j D J

日における価額([時価)となっている乙とであ D

乙の点に関し,企業会計原則では何もふれていないし,いかに取り奴うべ きか明らかでない。

時価発行は今までの額而発行,ほ主割当による増資と具なり,公募第三者剖 り当ての形をとる。額面発行のj訪合は,資本金

10

億円の株式会社が半紅i:l的資 のときは,これを株主に

l

0.5

の比率で割り当て,

51

立円の資金調達(額

50

円で

1

千万株を発行)が可能であった。しかし時価発行の場合は,かり

に,この会社の株価が

500

円台とすれば

1

株が 500 円で 100万株出せば~ f.i

<   l

円の資金が調達できるのであるO しかも

1

500

円といっても,資本金に 組み入れられるのは,額面の

50

円だけで,後の

450

円はプレシアムとして資 本準備金に組み入れられるのである。このように時価発行というものは,企 業にとっては,無利子,無配当の資金が流入するので,歓迎されるものであ

O 通常その発行価額は, n~j:ÚEi の 1096""'

1596

下問るのがJ慣行といわれてl

故に税法では,一括の低成な該受けと解釈して,そ

ω

有価証券(株式)の当 該払込みに係る

1

Jt

J

日における価額,即ち時価によって評価するとしたものと

(13)

有価証券の評価と問題点

4 5  

忠われるO この点,わが国の企業会計原則の貸借対照表原則

S D

の第

2

項に

「贈与によって固定資産を取得した場合には,公正な評価額による口」とい う規定をそのま〉有価証券にも適用すれば,時価発行による第三者割り当て は,いわば一種の贈与と解せられるので,その割引いた価額を正常に戻すと いう意味で,その株式の払込期日の価額,即ち時価が適当ということにな

o

しかし,有価証券の評価が,短期保有によると,長j担保有によるとに拘 らず,取得原価を原則としていることを考慮すると,第三者割り当てによ り,株式を収得する場合も,取得原価で評価してもよいという芯見も出るこ とと思われるG 企業会計原則は,その註解においてでも,この点明確にする 必要があるコ企業会計原則修正案では,上むの受贈回定資産については,公 正な評価額による旨の脱定を削除しているので,受

l f

白有価証券については,

いかに]反り倣うべきか不明であるので,明確にする必要性が出

J

ぶされる

o

つぎに問題となるのは,税法の規定の(5)の場合であるが,この場合lこ該当 すると考えられるのは,受!日,交換,代物の弁済等による場合であるQ 乙の ように払込,第三者',I;:IJり当,間入,合併,現物出資以外の方法で取得した株 式は,その取得の

n

与における,その有日

i l

託 券 の 取 得 の た め に 辺 治 安 す る 価 額,同]ち時価によることを明らかにしている

c

これらの問題に対して,企業会計j点目

l

も,修正案においても,商法にも,

何の定めもない"f比?とにおいては,干lfrl日征券 ω 取1~J三価額については,一応明 確にしているので,企業会計上からも,これらに関する規定を参考として,

早急な解答を出すべきである。

4 .   投資行価証券の評価について

現行企業会計原Hlj,貸借対照表白fHIJ5 Fによれば,投資は原則として,取 得!京 1rUî で ';2 ,1設する O とし,さらに〔汁:f~'í~17) 第 3

r

(1で,投資有価証券は,原 則として取得!日付rl日によって liL~)1売するが,投資株式については,当該会社の j吋 政状態を反映する株よ

ω

)J.{llliが,そ

ω

取得

J J ; [ f d l i

よりいちじるしく低下した場 合には,相当

ω

州知をしなければならないO としている。

!日j 述せし ~II く, j史資

J j i 8 1

) 1 :   f ' : n 1

1 1 : 1

資!主であるから,その価額は文出初

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