ア ンケー ト調査 よ りみたエ コ商店街 の現状
谷村 賢治 ・佐藤 尚子
Ⅰ 序
環境問題 は我 々の ライフス タイル と非常 に密接 に 関連 している。 そのため環境保全活動 は生活 の様 々 な局面で行 われることが重要であ り,その中心 とな るのは, 日々の生活の場 そ して消費 の場 としての, 多様性 を持 ったそれぞれの地域 である。 今後地域 に おいて一人 ひ と りが 自らの ライフス タイルの中で実 践 的 な環境保全活動 を行 っていける ような社会的 ・ 教育的体制 を整備 してい くことが重要であ り,それ
を通 しての地域活性 も大切 な課題 である。 そのため には画一的 な環境保全活動 のや り方 をつ きとおすの ではな く,地域 や実践現場 の 自主性 ,主体性が尊重 される必要がある。
最近環境 とい うテーマの下 に地域全体が一致団結 しようとす る動 きが現れて きているが,そ うした動 きの 中で,商店街 も自 らの生 き残 りも懸 けて, 「環 境 に配慮 した商店街づ くり」 を目指す環境共生型商
店街 としての 「エ コ商店街」が全 国的 に現 れて きて いる。 そ こでは地域活性 ・環境保全 を目指 して商店 街が様 々な活動 を繰 り広 げてお り, これか らの地域 における環境保全活動 を考 えてい く上 で,興味深 い 題材 であ る といえる。
ではなぜ今商店街 での環境保全活動が活発化 しつ つあるのか。その背景 と して見 えて くるのは,非常 に苦 しい状況 に置かれている商店街 の姿 である。 商 店街 は現在 ,長期化す るデ フレ不況 に加 えて,表面 化す る雇用不安や金融不安 ,派生す る消費需要の落 ち込み な どの影響 , また大駐車場 を備 えた郊外大型 店 の進 出な どによる市場競争 の激化 と同時 に地域経 済社会の衰退 な ど多 くの問題 に直面 している。 また 商店主の高齢化や後継者不足 な ど商店街 の抱 える課 題 は大 きい。そ うした状況の中で商店街 の取 り組み の中に 「エ コ」とい う切 口を持 ち込 み,魅力 ある街 づ くりを目指 した商店街 が登場 して きている。 商店
受領年 月 日 2002(平成14)年12月20日 受理年 月 日 2003(平成15)年4月15日
‑ 1‑
総合環境研 究 第5巻 第2号
谷村 賢治 ・佐藤 街が ,環境保全活動 を商店街の活性化,コ ミュニテ ィ
の活性化 の核 に位 置 づ けて始 め てい るのであ る。
しか しなが らこれ まで,個 別 の商店街 の活動 を紹 介 され た研 究 はあ る ものの,環境保 全活動 に取 り組 んで い る商店街 に対 す る全 国規模 で の観 察 は され て こなか った。 そ こで今 回,現在 エ コ商店街 と して活 動 してい る商店街 の実態 が全 国的 に どの よ うな傾 向 にあ るのか を把握 す るため に, 日本全 国48商店街 に 対 して,その現状 につ いての ア ンケー ト調査 を行 っ た。結 果 は以 下 で見 る通 り,34ヶ所 , その位 置 を図 1に示 した。Jij/ド, その ア ンケー ト結 果 に よ り現 在 のエ コ商 店街 を分析 してい きたい。
Ⅱ ア ンケ ー ト結果 に よる現在 の エ コ商店街 の分析 1 ア ンケ ー トの概 要
(∋調 査対 象
日本 全 国の48商店街 (い くつか の商店街 を また い でエ コ商店街 が形成 され てい る場合 もあ るため商工 会や 商 店街 協 同組 合 な ど も含 め て い る)。 環境 に配 慮 した商店街 と して 自 らを標樗 してい る商店街 を文 献 (1)か ら, また 「エ コ商店街 ・環境 配慮 型 商店街」
な どの キー ワー ドに よ りwebか ら検 索 し, そ れ らの 検 索 結 果 か ら48商店街 を選択 した。実施 時期 ,調 査 方法 は以 下 の通 りで あ る。 回収率 は7割 に達 した。
なお 回答者 は,それ ぞれの商店街 のエ コ商店街 活動 の担 当者 ない しは代 表者 にお願 い した。
② 実 施 時期
2002年9月‑10月
③ 調査 方法
郵 送 に よる回答 選択 式 (一部記 述 も含 む)。 なお 回収 も郵送 に よ り行 った。
④ ア ンケ ー トの 回収状 況
配 布 数 :48商店街 回答 数 :34商店街 回収率 :70.8%
2 ア ンケ ー ト調査結 果 の分析
(1) これか らの商 店街 に とって環境保 全 活動 は重 要 で あ る と思 われ ます か :図2。
505mtHHuMH1ll
白 1.非常に思う 因21思う
ロ3,あまり思わな
い
田4,思わない 臨無回答
ー 2‑
尚子
エ コ商店街活動 に取 り組 んでい る商店街 は, 今後 の商店街 に とって環境保 全活動 を どの よう に捉 えてい るの だ ろ うか。 「非常 に思 う」(17商 店 街 ,50%),「思 う」(15商 店 街 ,44.1%) と な ってお り,重 要 であ る とい う評 価 が全体 の9 割 を超 えてい る。 これ は実 際 に 自分達 の商店街 が環境保全 活動 を行 ってい る こ と もあ るが ,今 後商店経営 において 「環境」の視点が重要 になっ て くる とい う認識 が商店街 関係 者 の 中 に浸 透 し
? つ あ る こ とが考 え られ る。
しか し一方 で, 「思 わ ない」「無 回答」の商店 街 もそれぞ れ1商 店街 づ つ あ った。
(2)エ コ商店街活動 はいつ頃か ら始め られましたか。
商 店 街がいつ 頃 か ら環境 に配慮 した活動 を始 め るようになって きたのか,その ことはエ コ商店 街 の全 体像 を考 える上で重 要 なポイン トとなる。
そ こで今 回の ア ンケ ー ト結 果 を もとに,エ コ 商店街 活動 開始年表 を作 成 した :表 1。 これ に よる と,一番早 くか ら活動 を開始 したの は,餐 媛 県 の新居 浜商店街 で,1988年8月で あ った。
この新居 浜商店街 は,その他 の商店街 よ りも突 出 して早 く,その他 の商店街 は1990年代 後半 以 降 の開始 となってい る。90年代 は 「失 われ た10 年」とも呼 ばれ, どの商店街 も大 変不 況 で苦 し い時期 であ り,何 とか して商店街 を活性化 しよ う と躍起 になってい た頃であ った。 その よ うな 状 況 の 中で, 自 らの商店街 を再生 ・活性 化す る ため に rエ コ」に注 目 した商店街 が登場 して き た と考 え られ る。 また90年代 は環境 問題 が 一般 の人 々の 中 に浸 透 し始 め た時期 で もあ る。
しか し全 国的 な広 が りを見せ始 め たの は, ほ ぼ この最近2‑ 3年 にか けての こ とで あ る。 こ の最近 の商店街 の環境保全 へ の取 り組 み の広 が りには,大 きな時代 背景 が考 え られ る。2000年 には 『循 環型社 会 形成推進基本 法』が成立 し, 2001年 か ら施行 された。 この よ うに環境 関連 の 法 整備 が な され,社会全体 と して循 環型社会 シ ステムへ の移行 が始 まってい る。 国民全体 の問 題 と して, ゴ ミの減量 や リサ イ クル,地球 温暖 化対 策 と してのC0 2の削減 な ど,環境 保 全活動 の一層 の向上が切 実 な問題 になって きた。 その ため全 ての生活者 が避 けて は通 れ ない環境 の問 題 に対 して,地域 の コ ミュニ テ ィー を担 う商店 街 に も果 たすべ き役 割 が あ り, またその こ とを 考 える こ とが一過性 で はない持続 的 な商店街 の 活性化 につ なが るの だ とい う認識 が商店街 関係
表1 エ コ商店街活動開始年表 商店街名
1988年8月
1996年6月
1998年3月 9月
1999年 1月 2月 7月 10月 2000年
4月
6月 7月
10月
2001年2月
4月
6月 7月
8月 9月 10月 11月 12月 2002年4月 8月
居浜商店街 (愛媛)
稲田商店会 (東京)
俣旭町商店街 (熊本) 見町通 り商店街(熊本 市)
川 商店街 (広 島市) 門商店街 (愛知) 岳商店街 (長崎)
分市府 内5番街 商店街 (大分) 久市京町商店街 (佐賀)
日田駅前通 り商店街 (大分)
し戸 中心商業街 区活性化 協議会 (青森 ) 和 ・二条通 り商店街(神 奈川)
川駅前通商店街(愛知) さつ き通 り商店街 (埼 玉)
津商店街 協同組合連合 会 (新潟) 氏園町銀天街 協同組合 (宮崎)
勢佐木町商店街 (神奈川 ) 大月商店街 (山梨)
り府 市亀川 商店街(大分)
野町商店街(長野県)
部町商工会(山梨)・中込商店街 (長野) 之阪 中央 商店街(大阪)
の木戸商店街 (新鞠) 原町商工会女性部 (熊本) 士本町商店街(静岡) ヒ水 商店街 (佐賀)
崎 市商工会 (山梨) 里大通 り商店街 (沖縄 )
生商工会(福井)・白根 町商工会 (山梨) 取木通商店街(鳥取)
6月第1回 リサイクルサ ミッ ト 11月第2回 リサイクルサ ミッ ト
8月第3回 リサイクルサ ミッ ト
総合環境研究 第5巻 第2号
‑ 3‑
谷村 賢 治 ・佐藤 者 の人 々の 中 に浸 透 しやす い環境 が生 まれ, ま
た一般 の人 々 ・消費者 も環境 ‑ の意識 が高 ま り
「エ コ商 店 街」を標梼 す る こ とに よる効 果 が期 待 で きる よ うにな った。 それ に よ り全 国 にエ コ 商店街 が急 速 に登場 して きて い るの で はない か
と推 測 され る。
また, もう一 つ全 国的 な広 が りの要 因 とな っ てい る ものが考 え られ る。 そ れ は東京都 早稲 田 商店街 な どが主催 して開かれ てい る 「リサ イ ク ル商店街 サ ミッ ト」の存在 で あ る。 リサ イクル 商店街 サ ミッ トで は,早稲 田商店街 よ り発 案 さ れ た 「エ コス テー シ ョン」'2)の導 入 を全 国の商 店街 に呼 びか け た り,エ コス テー シ ョンを導 入 した商店街 同士 の情報交換 ・運営協力 な どを行 っ てい る。エ コ商 店街 活動 開始年 表 を参照 して も らうとよ く分 か るの だが , リサ イ クル商店街 サ ミッ ト以後 ,急 速 にエ コ商店街 が増 えてい って い る こ とが 見て取 れ る。 エ コ商店街 の全 国的 な 広 が りに リサ イ クル商店街 サ ミッ トの影響 は大
きい と思 われ る。
(3)エ コ商店街 を始 め よう と思 った きっか け は何 です か (複 数可 ) :図3。
30 25 20 15 10 5 0
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章 i
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疏 1,商店街を活 性化させるため
国王,行政からの 緒等あるいは 情報の捷俵に よって
ロ3,先行するエコ 商店街からの人 や情報 の支援に よって
ロ4,その他
図3
商店街 は どの ようなきっかけでエ コ商店街 を始 め ようと思 ったのか, その きっかけについて質 問 した。最 も多か った ものは 「商 店街 を活性化 させ るため」(26商店街,76.4%)で全体 の4分の3で, や は り何 とか 自分 達 の商 店 街 を活 性 化 したい と いった商店街側 の心情が感 じられる結 果 となった。
「行 政 か らの指導 あ るい は情 報 の提供 に よっ て」 (8商店街,23.5%)もお お よそ2割 あ り, 行 政指導型 のエ コ商店街 の形態 とい う ものが窺 え る。「先 行 す るエ コ商店 街 か らの 人 や情 報 の 支援 に よって」 (9商 店街 ,26.5%)につ い て
‑ 4‑
尚子
は,先 に述べ た 「リサ イ クル商店街 サ ミッ ト」
が きっか け にな った もの と思 われ る。 また 「そ の他」 (7商店 街,20.6%)につ い て, その具 体 的 な きっか けの 内容 と して は, 「市 長 か らの 提 案」 (新 潟 ・‑ の木戸 商店街 ), 「県 認 定 の ラ イブ タウ ン運動 を実施 し,環境7台 に も取 り組 んでいたが商人 も消費者 もの りがい まいちであっ た ため, さらなる発展 を願 ってエ コス テー シ ョ ンを始 めた」 (さい た ま ・さつ き通 り商店街),
「イベ ン ト,夏枯 れ対策」(東京 ・早稲 田商店街),
「NPOとの共同の勉強会か ら」 (神奈川 ・大和 ・ 二 条通 り商店街 ), [住 んでい る町が給麓 であ る た め に」 (長 崎 ・森 岳 商店街 ), 「街 づ く りは道 づ く りと商 店街 で 目標 を持 ち,そ の 中 で各 地 の 視 察 を行 い リサ イ クル を知 った」 (熊 本 ・水俣 旭 町商店街 ),「自発 的。 町の再生 が 目的。」 (熊 本 ・城 見 町通 り商 店街 ) で あ った。
(4‑ 1) どの ような内容 の環境保全 活動 に取 り組 まれ てい ます か :図4。 (複 数可 )
25 20
15 10 5 0
田 1.ゴミ処理・リサイクル活動 由2.リサイクル拠点の投想 E33.マイバッグの制作・配布 田4,地域通貨としてのエココ
インの発行
磨5.エコフェスタなどの啓発 イベント
昏6.環境ホ‑ムページの駿 足
斡7.環境教育の奥滝 田8.自然保健藩馳 閤9.エコシ‑ルなどのポイン
ト制活tb 泣10.その他
図4
実 際 にエ コ商店街 と して どの よ うな内容 の活 動 に取 り組 んで い るの だ ろ うか。 エ コ商店街 を 考 える上 で その取 り組 み内容 を知 る こ とは重 要 こ とで あ る。 なぜ な ら,商店街側 に とって どの よ うな内容 の活動 を取 り組 む こ とに よって, 自 らの商店街 を 「エ コ商店街」 とみ な してい るの か につ いて窺 い知 れ るか らだ。商店街 がエ コ商 店街 と して一番多 く取 り組 んでい た もの は 「リ サ イ クル拠 点 の設 置」 (23商店 街 ,67.6%)で あ った。 また次 い で多 いの は 「ゴ ミ処理 ・リサ イ クル活 動」 (22商 店 街,64.7%) とな って い る。 この結 果 は,今 回 ア ンケー トを配布 した商 店街 に早稲 田商店街 よ り発案 され た 「エ コステー シ ョン」 の導 入 してい る商店街 が多 い こ と (34 商店街 の うち28商 店街 が 「エ コス テー シ ョン」
を導入 している), また商店街 として環境保全 活動 に取 り組 む際 にゴミ問題 ・リサ イクルが取 り組みやすいのではないか とい ったことが関係 していると思 われる。
3番 目は 「その他」(10商店街,29.1%)で, こちら側が挙 げた項 目にはない商店街独 自の内 容の活動 を展 開 している。 その内容 を具体的に 見 てい くと,「リサ イクル 自転車事業」 (新潟 ・
‑の木戸商店街) (新潟 ・新津商店街協 同組合 連合)や 「商店街事業 としての ダンボ‑ルの回 収」 (神奈川 ・大和 ・二条通 り商店街),「環境 ポスター展 ・環境 に関するシンポジウムの開催」
(神奈川 ・伊勢佐木町商店街), 「地域 の環境基 準KSO14001シ リーズ を生み出す」 (熊本 ・城 見 町通 り商店街),「EM‑1」 (熊本 ・宮原 町 商工会女性部),「ワインビンの リサイクル とし て,商店街 の鋪 道 をガラス瓶 の舗 道 に した」
(熊本 ・水俣旭町商店街)な どであった。
その他 の活動 内容 は,「エ コフェス タな どの 啓発 イベ ン ト」 (8商店街,23.5%),「マイバ ッ クの制作 ・配布」 (6商店街, 17.6%), 「環境 ホ ームペ ージの設置」 (4商店街 ,ll.8%),
「環境教育の実施」 (4商店街,ll.8%),「エ コ シールなどのポイント制活動」(4商店街,ll.8%) とい う結果 になってお り,それぞれ全体の1‑
2割程度 しか取 り組 まれていない。 「地域通貨 としてのエ ココイ ンの発行」に至 っては,愛知 県の大門商店街のみで取 り組 まれていた。 また
「自然保護運動」 に取 り組 んでい る商店街 は一 つ もなかった。
今 回の結果か ら,環境保全活動の内容 によ り ゴ ミ処理 ・リサイクル活動 な どの商店街で取 り 組みやすい もの とそ うではない ものがあるのか
もしれない と考 え られる。 また一方で,それぞ れの商店街のエ コ商店街の取 り組みへの情熱の 違い もあるようだ。
(4‑ 2)環境配慮活動の種類の多寡 :図5。
1234‑ヽ)87idロロ■0■
‑ 5‑
そ こで (4‑ 1)のエ コ商店街 として どの よ うな内容の環境保全活動 に取 り組 んでいるのか とい うことに関連 して,商店街がエ コ商店街 と して何種類の活動 を行 っているのか についてグ ラフに してみた。 このグラフか ら見 て取れるこ とは,活動の種類の数が増 えるにつれて,商店 街の数は減 っていっているとい うことである。
お よそ7割の商店街 は,1‑2種類 の環境配慮 活動 しかお こなっていない。つ ま りはその1‑
2種類の活動 を持 って して 自らをエ コ商店街 と みな しているとい うことになる。 多種類 の活動 に取 り組 んでいる商店街 は全体 的に見 て非常 に 少 ない。一番活動の種類が多いのは,神奈川県 の大和 ・二条通 り商店街で7種類の活動 に取 り 組 んでいる。
(5‑ 1)エ コ商店街活動 を行 う上で,協力 ・連携 を図 っているところがあ りますか :図6。
050LE}0211
包 1 , あ る
団2.ない
図6
商店街がエ コ商店街活動 を展 開す る上で,他 の主体 と協力 ・連携 を図っている とい う質問 に 対 しては,「ある」 (29商店街85.2%),「ない」
(5商店街, 14.7%)とい う結果 になった。大 半 の商店街 はエ コ商店街活動 を行 う上で,何 ら かの主体 と連携 を図 っていることが わか った。
(5‑ 2)エ コ商店街活動 を行 う上で,協力 ・連携 を図 っている ところ :図7。 (複数可)
そ こで (5‑ 1)で 「ある」と回答 した商店 街 について,実際 に どの ような主体 と協力 ・連 携 を図っているのか を聞いた。「行政」 (19商店 街,65.5%)と回答が もっとも多 く,全体 の半 分以上であった。エ コ商店街の うち2商店街の うちに1商店街 は,行政 と何 らかの協力 ・連携 を図っているとい う現状 にある。 この結果 より, エ コ商店街 を考 える上で行政 との係 わ り合いは 重要 な視点 になる と思 われる。
2番 目には 「学校」(13商店街,44.8%)が 挙 げ られた。 この結果は,予想 していた よ りも
総合環境研究 第5巻 第2号
谷村 賢治 ・佐藤 尚子
20 18 16 14 12 10
8
6 4 2 0
国1,行政 ロ2.学校
□3.地 元住 民
□4,町 内会 ・自 治会
薗5,青 年団 も婦 人金
口6.消費青 田 体 薗7,環境NPOA
環 境保 全 団体 団8,他 の商 店街 歯9.他 のエコ商
店街 8 10,その他 図7
多い ものであ り,エ コ商店街 と学校 との係 わ り 合いは思 った以上 に進んでいたことがわかった。
この結果か らも,エ コ商店街が地域 の学校 と連 携することで,今後地域における環境保全活動 ・ 環境教育 を根付かせてい く上で重要 な役割 を担
うこ とが十分期待 される。 3番 目は, 「地元住 民」(10商店街 ,34.5%)であ った。 エ コ商店 街 としては, まず地元住民の生活 と一一体化 した 商店街 の活動が求め られる。
その他 は 「環境NPO・環境保全 団体」(8
商店街,27.6%),「他のエコ商店街」(8商店街 , 27.6%),「町内会 ・自治会」(7商店街,24.1%),
「他の商店街」 (5商店街,17.2%)という結果で あった。「その他」 として,早稲 田商店街の 「企 業」と水俣旭 町商店街の 「エ コタウン内のガラ スリユース会社」 という回答があった。「青年団 ・ 婦人会」 と回答 したのは 1商店街のみであった。
(6‑ 1)取 り組み を持続 させ るための経済的な取 り組みは何 か されてい ますか :図8。
田1,している 昏2.していない E)無回答
‑ 6‑
現在,商店 と商店街 の資金力 ・組織力が低下 してお り,いかに活性化 に向けて動 き出 してい くのかは商店街 に とって大 きな課題 となってい る。 そのため商店街 にとってエ コ商店街 に取 り 組 んでい く上で,資金 は非常 に重要 なポイ ン ト となる。 エ コ商店街の取 り組み を持続 させ るた め に経済的な取 り組み を 「している」 (18商店 街,52.9%)商店街は全体のおお よそ半分であっ た。経済的な取 り組み を していない商店街 (15 商店街 ,44.1% )と大体半 々 ぐらい となって いる。
(6‑ 2)取 り組み を持続 させ るための経済的な取 り組みの具体的な内容。 (記述式)
そこで (6‑ 1)で経済的な取 り組みを行 っ ている と回答 した商店街 について,その具体的 な内容 を見てい くと,エ コ商店街‑の取 り組み を行 うことによる 「行政か らの補助金」 とい う 外部か らの支援 を受 ける といった回答や,エ コ 商店街 に賛同 した商店へ経済的 な負担 を求める
「参加店‑ の会費制」 とい う回答 を得 た。 また エ コ商店街の取 り組み 自体 に経済的な取 り組み を組み込 んだ 「視察‑修学旅行受 け入れ」 (東 京 ・早稲 田商店街)「エ ココイ ンの流通」 (名古 屋 ・大門商店街) など各商店街独 自の工夫が見
られる。
(7‑ 1)商店街内でエ コ商店街の予算項 目はあ り ますか :図9。
25 20 15 10 5 0
田1.ある 因2,ない
図9
商店街内にエ コ商店街の予算項 目が設定 され ているか どうか を聞いた。「ある」 (21商店街, 61.8%)と回答 した商店街 は全体 のお よそ6割 で あ った。 また現在予算項 目はないけれ ど,
「初年度のみ補助金 を受けた」 (静岡 ・富士本町 商店街) と回答 した商店街 もあ った。一方,予 算項 目が 「ない」 (13商店街,38.2%)商店街 もお よそ4割 にのぼ り,予算 をつけてエ コ商店 街 を行 うことは全体的な流れになっていない。
(7‑ 2)商店街内でのエ コ商店街の予算項 目の内 容 :図10。 (複数可)
4208QE}420L‑JllJlHHU
i
7 蔓
瀞;pIp;‑:.:7蔓
瀞;pIp;‑:.:
虚1.商店街 内に 独 自にある 昏 2,行政からの
補 助金を受け ている
E33,その他の機 関から受けて いる
図10
そこで (7‑ 1)で予算項 目が設け られてい る と回答 した商店街 に,その予算項 目の具体的 な内容 について聞いた。 「商店街 内 に独 自にあ る」(14商店街,66.7%)と回答 した商店街が 最 も多かった。 また 「行政か らの補助金 を受け てい る」 (8商店街,23.5%)も2割 ほ どあ っ た。 「その他 の機 関か ら受 けてい る」 として,
「商工会議所」(神奈川 ・大和 ・二条通 り商店街),
「大阪商業振興セ ンター」 (大阪 ・宮之阪中央商 店街) と2商店街か らの回答があった。
(8‑ 1)エ コ商店街活動 を進めるにあたって障害 となることはあ りますか :図11 。
0505032211
団1,ある 圏2,ない 臼3,無回答
図11
エ コ商店街活動 を進めるにあたっての障害 に ついて聞いた。 「ある」 (28商店街,82.4%),
「ない」 (5商店街,14.7%),「無 回答」 (1商 店街,2.9%)とい う結果 にな り, ほ とん どの 商店街 はエ コ商店街活動 を進めるにあたって何
らかの障害 を感 じている事が分か った。
(8‑ 2)エ コ商店街活動 を進めるにあたって障害 となることの内容 :図12。 (複数可)
そこで (8‑ 1)で障害が 「ある」 と回答 し た商店街 に,エ コ商店街 を進めるにあたって障 害 となる具体的な内容 について聞いた。商店街 内部 に起因する もの として 「商店街内のマ ンパ
‑ 7‑
圭
耗続鷲
L IB ' 'I.sl. 栄:a
昏1,商 店街内の
マンパワーが 量的に不足し ている 噴2,環境 の専 門
知鼓 を有する 人材が少ない
ロ3,予算が不十 分である
田4.商店街 内で の活動に対す
るコンセンサス がとりにくい 歯5,消費者 の活
動に対する関 心が低い 田8.具体的な進
め方が分から ない
■7.その他
図12
ワ‑が量 的 に不足 している」 (17商店街,60.7
%)「予算が不十分である」 (17商店街,60.7%)
「商店街 内の活動 に対す るコンセ ンサスが取 り に くい」(17商店街,60.7%),「環境 の専 門知 識 を有す る人材が少 ない」 (9商店街,32.1%)
と人材,予算不足,商店街内体制 について指摘 す る ものが多かった。エ コ商店街へ の取 り組み を進めてい く上で,いかに商店主のエ コ商店街 への意識 を高め,活動資金 を確保 し,商店街内 の コンセ ンサスをうま くまとめてい くのかが今 後の大 きな課題であ る。 また 「具体 的な進め方 が分か らない」 (3商店街,10.7%)という商店 街 も少数なが らあ り,エコ商店街 を行 っている商 店街 自身が どの ように してエ コ商店街 を展 開 し ていけばいいのか戸惑 っている姿 も垣 間見れた。
外部 に起 因す る もの として,「消費者 の活動 に村す る関心が低 い」 (11商店街 ,39.4%)が 4割の商店街で挙 げ られている。 商店街がエ コ 商店街 に取 り組 もうとして も,受 け入れ側 の消 費者の関心が低 ければ,なかなか うま く取 り組 みが なされていない ようである。 今後いかに し て,消費者の関心 を高めてい くのか も大切 な課 題 となる。
「その他」 (2商店街 ,7.1%) として,「空
総合環境研究 第5巻 第2号
谷村 賢治 ・佐藤 尚子 き缶回収機の景品内容で意識的な変化が大 きい」
「商店街 内で も協力者 と非協 力者が あ り,や り に くい面がある」と商店街内におけるエ コ活動 に対す る意識 の温度差が見受 け られた。
(9)エ コ商店街活動 をす る上で環境部 な どの環境 に関連する組織があ りますか :図13。
25 20 15 10 5 0
図13
エ コ商店街活動 をする上で環境部 な どの環境 に関連す る組織の有無 について聞いた。「ある」
26.5%, 「ない」73.5%とい う結果 で,全体 の お よそ4分の 3の商店街では環境 に開通する組 織 を設けていなかった。現在 のエ コ商店街 にお いて,具体的 に組織 を作 って対応 しようとす る 商店街の姿勢 は乏 しい。
(10)エ コ商店街活動 に対す る消費者の反応 は どう ですか :図14。
囚 1.非常 に関心 ある
厨2,関心がある ロ3,あまり関心
がない 田4,関心がない
図14
(8‑ 2)で も述べたとお り,商店街側 にとっ てはエ コ商店街 に取 り組 む上で消費者の関心 と い うのは重要 になって くる。 その消費者のエ コ 商店街への関心の度合いをエ コ商店街 に取 り組 んでいる商店街 は どの ようにみているのだろ う か。「非常 に関心がある」2.9%,「関心がある」 55.9%,「あ ま り関心が ない」38.3%,「関心が ない」2.9%となっている。 関心が ある とい う 回答の方がい くぶん多いが, まだエ コ商店街 に 消費者の関心が集 まっている といった現状 には ない ようである。
‑ 8‑
(ll‑ 1)エ コ商店街活動の取 り組みは何 らかの成 果 をもた らしま したか :図15。
0505032211
r㈱ 仙叫仰1叫uM p仙仙 w J仙「
盲i
窃1,もたらした
ロ2.もたらして
いない
ロ無回答
図15
エ コ商店街活動の取 り組みが何 らかの成果 を もた らしたかについて聞いた。 「もた らした」
76.5%,「もた らしていない」17.6%,「無回答」
5.9%とい う回答 であ った。大半 の商店街 はエ コ商店街 を行 うことに何 らかの手 ごたえを感 じ ている結果 となった。他方,何 ももた らしてい ない と感 じている商店街が2割弱存在すること に も注 目 したい。
(ll‑ 2)エ コ商店街活動の取 り組みが もた らした 成果の具体 的な内容。 (記述式)
具体的な成果の内容 としては,大 きくハー ド な面 とソフ トな面 に分 け られるようである。
㊥ハー ド面の成果 としては,
・商店街 か ら排 出 される資源物 の リサ イクルが 若干進展 した。
・町並みが美 しくなった。昔のアーケー ドを撤 去 ・新街灯 を設置。
・回収機の設置で周辺の空 き缶 ・ペ ッ トボ トル の散乱 は減 った。
・空 き缶の回収 と小売店‑のお客獲得が狙いで あるが,空 き缶の回収 は予想外 に成果 を上げ ている ものの,他方 には工夫すべ き点が数多
く残 っている。
・子 どもたちの関心が強 く,空 き缶の清掃 に役 立 っている。
・我 々の商店街のや っていることはエ コステー シ ョン (空 き缶 とペ ッ トボ トル)の回収機で すのでそ こそ こ効果 は出ていると思い ます。
・空 き缶 ・ペ ッ トボ トルの回収 をゲーム機で行 うことによ り,街 中に捨 て られていたペ ッ ト ボ トル ・空 き缶がな くな り環境美化にも役立っ ている。
・宮原町は下水道99%なので下水排水 ・洗濯 ・ 台所 ・トイ レな どにEM発 酵 液 を使 用す る
ことで, 川や海 を きれい に し,一人 わず か な努力 で, 汚 れ は減 り,美 しい 自然 が よみ が える。
以上の ように商店街のみならず地域の リサ イ クルや環境美化 に役立 っている とい う意見が 目 立 った。
◆ ソフ ト面の成果 としては,
・マス コミ報道。
・商店の地位 向上。
・商店街のイメージア ップ。
・取 り組んでいる私達の よい環境 を作 ってい こ うとい う意識改革 をもた らした。
・地域住民,小学校等か らの協力があった。又, 昨年12月に京都市民 (NPO)が視察 に訪れ, 当商店街のステータスは上が った と思 う。
・消費者の関心 と消費者 との コミュニケーシ ョ ンが とれた。
"商店街''とい う枠 を越 えた地域 間の連携体 勢がで きた。
・地域の環境意識向上。全国各地,様々な団体 ・ 個人 との連携 による活性化。
・地域,消費者 に商店街のイメージア ップがで きたが,街の活性化 の面では,地域団体,多 くの企業,大学棟 の連携 を強めてい く努力 と 消費者 に魅力 ある商店街づ くりが ます ます必 要 と認識 しています。
・エ コ自転車事業では,少 しづつですが,C02 に対する関心 を持 って くれる人が多 くなった。
・商店街が行政 を くどき,行政 も商店街 も一緒 に勉強,情報のや り取 りがで きるようになっ た。
以上の ようにエ コ商店街 に取 り組 むことで, マス コミや行政 にも注 目され,市民 も関心 を高 めるとい う大 きな運動や PR効果 を生 んでいる ことがわかる。 商店街が環境問題 に取 り組んで いるとい うPR効果 は大 きい といえよう。 また エ コ商店街 に取 り組むことによって,消費者や 地域住民,行政 との コミュニケーシ ョンを図る ことがで きるようになった と商店街側が認識 し ていることが注 目される。
また 「経済効果がある」と回答 した商店街が 一つあった。
(12)エ コ商店街活動 を実施 して きて何か感 じたこ とがあれば教 えて くだ さい。
エ コ商店街活動 を実施 して きて感 じたことの 意見 としては,エ コ商店街の活動 に対 して積極
‑ 9‑
的な意見 と慎重 な意見 ・課題的意見の二通 りが 見 られた。
◆積極的な意見 としては,
・地域の人たちのエ コの関心が高 まった。今 ま で付 き合いのなか った他地域の商店街の人々 の付 き合いの中で よその商店街 のパ ワーのす ごさを感 じた。
・街 の中に目標が生 まれ,町に住 む人,働 く人 が生 き生 きとして きた。そ して町 も活 き活 き
として きた。
・エ コに関す る関心が大人 も強 くなって きてい る。
・まちを構成す る人々の考 え方, 目指 している 方向が同 じ。登 山道 は違 っていて も目指す頂 上 は同 じと感 じている。
・エ ココイン ・エ コバ ックによる消費者 との対 話 コ ミュニケーシ ョン。
・ゴ ミとか環境 に対す る見方が変 わ りつつある かな と思います。
・で きることをで きる形で進めてい くことで拡 が ってい く。
・飽 きず に, 無理 の ない事業 を行 な う。 エ コ 活動 にコス トがかか っては継続す るのが難 し
い。
・す ぐに効果 を期待 しないこと。 気長 に活動 を 続 ける必要性。
・イメージア ップにつなが った。
・不景気 な現状の中で じっと手 をこまねいてい て はい けない とい うこ とで, や る気 のあ る 店主 は前向 きで活性化 について努力すればそ れな りに結果 は徐 々に出て きている と思い ま す。
・リサイクルを考 えた時, ビンをカ レッ トに し て,舗道 を造 ることを考 えたのは,商店街で あったが,ガラスの舗道は当時,九州内では
‑ カ所 もな く,行政の反対 にあって,なかな か出来ず行政 を くどくのに2年かかった。現 在約1kmに渡 って出来ているが最高 によい。
以上の ようなエ コ商店街への取 り組みへ期待 を寄せている前向 きな声が寄せ られている。 エ コ商店街活動 を行 うことで商店街お よび地域の 環境保全活動 に貢献す ることの意義や商店街が 活性化 してい こうとする姿が伝 わって くる。
◆慎重 な意見 としては,
・ボランテ ィアだけでは限界がある。 資本が必 要。
総合環境研究 第 5巻 第 2号
谷村 賢治 ・佐藤 尚子
・行政の 自主的援助 を望 む。援助 な しでは継続 で きない。
・エ コ活動 を商店街 の事業 と して進め るに当 た り,その費用 の負担 をどうす るのか,商店街 の活性化 とどう結 びつけてい くか を組合員 に 理解 を得 て参加者 を増や してい くことが難 し
い。
・エ コに対す る意識 を地域住民 は もちろん,商 店街 の中で も根付 かせ るこ とに力 を入れなけ ればな らない。
・エ コに関す る取 り組みは直接販売 に結 びつか ない ため, 各商店 の協 力 を得 る こ とが難 し
い 。
・エ コ活動 と販 売促 進 を結 びつ け るの は難 し
い。
・消費者 の関心が薄い。
・取 り組 む我 々 に もまた消費者 の側 に も意識 の 高い低 いがあ り徐 々に進 んでいる ようにあ る が まだ一部 の人の活動 に限定 されている。
・商店街が 中心 になる とサ ー ビス ・景 品等 の期 待が大 き くて,小 さなサー ビス負荷 では不満 の声が出やす い。
・当地で は, ラ ッキーチケ ッ ト回収機 を導入 し て, 「エ コタウ ン白根 商店街等活性化事業」
で小売店 と消費者が環境保全 意識 を共有 で き る商店街づ くりを目指 しているが,現状 は ま だ, ラ ッキ‑チケ ッ トの発行 によるお客効果 に とどまっている。
一方 , ここで もや は りエ コ商店街 に取 り組 む 中で,人材 ・資金の問題が浮かび上が って くる。
これか らエ コ商店街活動 を継続 してい く上で, 行政か らの経済 的支援 を求め る声 も挙が ってい る。 また商店街 関係者のエ コ活動 に対す る意識 の向上 ・消費者 のエ コ商店街 に対 す る関心 の向 上 をいかに して行 ってい くのかが今後の課題 と なるようであ る。
Ⅲ 小 指
今 回のア ンケー ト結果 に よ り現在エ コ商店街 とし て活動 している商店街 の実態 を全 国的 に一瞥 した。
そ こで小括 として,今後エ コ商店街 を考 える上で重 要 になる と思 われ るポイ ン トに注 目 し,現在のエ コ 商店街の現状 について簡単 にまとめ終 わ りに したい
と思 う。
商店街 によるエ コ商店街‑の取 り組みは, ここ数 年 にかけて着実 に全 国的 に広が りつつある。 そ こに
は,エ コ商店街 に取 り組 むことで何 とか商店街 の活 性化 を目指 そ うとす る商店街 関係者の熱意や, これ か らの商店経営 に とっては 「環境」 とい う視点が重 要 になって くる とい う認識が商店街関係者 の中に芽 生 えつつあるこ とがその背景 として見 えて きた。
けれ ども現実のエ コ商店街への取 り組み状況 をみ てみる と,エ コ商店街 に取 り組んでいるといって も, 大半 の商店街 は リサ イクル拠点の設置 や ゴ ミ処理 ・ リサ イクル活動 といった1‑2種類 の環境配慮活動 に取 り組 んでいるに留 まっている。 果 た して この状 況 をもって して本当に 「エ コ商店街」 とい えるのか といった疑問 も残 る。 もちろん,現段 階では各商店 街 はエ コ商店街 に取 り組 んでいる過程 であるため, 今後 の商店街 関係者 の努力 によ り更 なる発展が期待
される ところである。
また今 回のア ンケー ト結果か ら,エ コ商店街‑ の 取 り組み を進めるにあたって浮上 して くる様 々な障 壁 も見 えて きた。商店街内のマ ンパ ワーの不足や環 境 に関す る専 門知識 を有す る人材が少 ないな どの人 に関わる問題 , また予算が不十分であ る とい う資金 に関す る問題 ,商店街 内の活動 に対す るコンセ ンサ ス をとるこ との難 しい といった商店街 内の体制 に関 わる問題 ,そ して消費者がエ コ商店街活動 に対す る 関心が低 い といった消費者 との関係性 が とわれる問 題 な ど,今後商店街がエ コ商店街 に取 り組みその活 動 を持続 してい く上で乗 り越 えなければな らない課 題 は多い。
しか しなが ら今回の ア ンケー ト結果 か ら感 じられ ることとして,商店街がエ コ商店街 に取 り組 む こと で商店街 の中に新 しい風が吹 き始めた こともまた事 実であ ろ う。 エ コ商店街 に取 り組 む こ とで,商店街 を中心 として地域住民 ・消費者 ・学校 ・行政 な ど, これ までの商店街の枠 を越 えた地域 間の連携体制が 生 まれ ようとしてい る。 そ して地域 における循環型 社会‑ の役割 を商店街が担 い始 めてい る。
現在 の商店街が置かれている厳 しい状況 にただ事 を扶 くのではな く,た とえ乗 り越 えなければな らな い課題 は大 きい として も,商店街がエ コ商店街 に取 り組 む ことを通 して真剣 に自分達の商店街 の在 り方 を見つめ直 し,商店街 の活性化,地域 とのつなが り, 商店街 による環境保全活動 を模索 しようとす る姿勢 は大変意義の大 きい ものである と感 じる。
ご多忙 にも関わらずアンケー トに快 くご協力 くださっ た各商店街等 の皆様 に心 か ら謝意 を表 します。
ー 10‑
注
(1)藤崎理恵 「商店組合 による自主的な環境管理 活動 の評価 とその指標 ‑エ コステーシ ョンシス テムを事例 に‑」な どがある。
(2) 「エ コステー シ ョン」とは,東京都新宿 区の 早稲 田商店街か ら始 まった もので,商店街 の空 き店舗等 のスペ ースに,空 き缶 回収機やペ ッ ト ボ トル回収機 ,生 ゴ ミ処理機 ,発砲スチ ロール 処理機 な どリサ イクル機器 を置 いて,商店街が 中心 となって作 る地域の リサ イクル拠点の こと である。 リサ イクル回収機 を設置す るほか, リ サ イクルシ ョップが併設 されるな ど地域 のふれ あいプラザ となっている。 エ コステーシ ョンに は,「ラッキーチケ ッ ト回収機」 とい うゲーム付
きの空 き缶 回収機 やペ ッ トボ トル回収機が設置 されてお り, 「当た り」 が 出 る と商 店街 内の参 加協 力店 で使 えるサ ー ビスチケ ッ トが発行 され る。 全 国でお よそ50の商店街 に設置 されている。
詳 しくはhttp://www.ecoship21.jp/ecostation/
ecoichiran.htmlを参照 されたい。
引用文献
市橋 貴 (新和風 文化研 究所 ) 「まち ・む ら71号 : 商店街 はまちの リサ イクルステーシ ョン 名古屋市 中村 区 ・大 門エ コ商店街」「72号 :モ ノ と心 を乗せ る リサイクルネ ッ トワー ク 熊本市 ・城見 町通 り商 店街」財 団法人あ したの 日本 を創 る協 会,2000.12
総合環境研究 第5巻 第2号 L iflニ