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調査レポート 〜韓国における学社連携の一事例〜

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6。 韓国視察報告

調査レポート

〜韓国における学社連携の一事例〜

阿部 耕也

‑229‑

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調査レポー ト

:韓

国における学社連携の一事例

静 岡大学生涯学習教育研究セ ンター 阿部耕也

平成

14年

9月 中旬、教育学部 。馬居政幸教授、外 山知徳教授および韓 国公州大学校師範大学 の李明熙先生 とともに、韓国にお ける社会教育および学社連携のあ り方の一端 を視察す る機会 を 得、担 当者 と意見交換 を行 うことがで きたので、そ の概要 を報告す る ことに したい。(この視察 は、平成

14年

度科学研究費補助金、科学研究費・ 基盤研究

Bに

よる研究 「韓 国にお ける 日本文 化開放 と韓 日相互理解教育 についての調査研究」(課題番号 14402001)の 調査研究 の一環である。)

今 回は釜 山市か ら韓 国 に入 り、初 日 9月 10日 に韓 国東義大学校 の関根英行助教授 と打 ち合わせ を し、翌

11日 に釜 山韓 日文化交流協会 を訪ね 、高松久理事長 か ら文化交流事業 につ いて うかが った。教科書 問題や サ ッカー ワール ドカ ップ共催 の影響な ど、韓 日で進ん で いる文化交流事業の経緯 と進捗状況 につ いて意見交 換 を行 った。

12日は、韓 国 中部 の都市・ 大 田広域 市 に移動 し、

本調査研 究 の韓 国側協 力者で ある宋在鴻 先 生の案 内で 勤 務地 で ある大 田智足 中学校 の視察 を した。施設見学 だ けでな く、授 業で は調査者 らも 日本 文化 につ いて の 即 席 の講 義 を し中学 生 との質疑応答 を行 うな ど交流 を 深めた。大 田市は研究学園都市 として発展 しつつあ り、

智 足 中学校 はなかで も非 常 に進 んだ設備 0カ リキ ュ ラ ム を持 ち、全教室 にイ ンター ネ ッ トにつなが ったパ ソ コンと大型ディスプレイが設置され、教科を問わず活用されている。かな りの広さ・蔵書をもつ 図書室、 100席ほどのキャパを持つ視聴覚ホール も地域住民に開放されているな ど、学校開放 にも積極的に見えた。施設見学、授業参加の後は、金重哉校長以下教職員の方々と意見交換を行 い、一緒 に給食 まで取 る機会 を得た。

午後か らは、大 田地域社会教育協議会 を訪ね 、 申兵 一会長 、金銀九副会長 、金美花事務局長お よび

5名

専門員 の方 々に対応 をいただ いた。 この地域社会教育 協議会 は 日本 に比較 して非 常 に特徴 的な役割 を持 って お り、学校教育 と深 く絡 み合 った活動 を展開 していた。

協議会 は現代 グルー プ会長が創設 した もので、30年

以上の歴史を持っている。専門員は母親であり、協議会で要請された伝統礼儀や学習問題の専門 講師である。目的は①父母の生涯学習 (韓国では「平生教育」という呼び方が一般的)②子ども

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の人性教育 (人間教育、道徳、健全育成

)と

いった事柄である。②では、CA(特別活動、趣味 を育てる活動

)に

力点が置かれ、(1)地域社会教育運動の実践、 12)地 域社会学校の活性化 (地 社会が発展するための学校づ くり)が目標 となるな ど、学校 (主に小学校区

)と

深 くかかわった 活動 を進めている。

日本 の場合 、学校側 (特に教師)が学校外か ら の干渉 を嫌が る傾 向が ある ことを伝 える と、韓 国 にお いて もあるか もしれな いが、そ うした開放 0 連携 を奨励す る官 (教育行政組織

)の

支持があ り、

これ を根拠 に校長が推 し進 める ことが多 く、そ の ため学校差 が ある。基本 的 には、学校経営 に差 し 支 えな けれ ば開放す るのが原則 で、校長 の運営権 の範 囲内で行 う (そのため校長 の方針 によ って左

右 され る

)と

の返答だった。活動の主体 となる主婦専門員 は、学校 0地 域で作法 を教える ことが 多 く、語学研修 を して学校で教師 を補助す る人 もいる。

これ は重要な点であるが、 この協議会 は教師 を再教育す る権限を持 っているので、学校 とのつ なが りが強 い。一年間で

5, 6回

講習が行われてお り、 レク リエー シ ョンや人間形成な どを指導 し、昇進 に必要な点数 を協議会か ら与える ことができるのである。教員 の再教育制度 を社会教育 団体が行 うとい うのは驚 きで、 日本ではない考 え られないと述べ る と、法改正 によ り韓 国には教 員 の昇進 の点数制がで きたので このよ うな仕組みが あ らわれたので はな いか との意見が 出 され た。

専門員 になるには大学等で開かれ る講習 を受 け、三年 ほ どの期間を必要 とす る。報酬 について であるが、活動す ることで活動先か ら報酬があるが、団体が受 け取 って本人に渡す形であ り、団 体 としては給料 を出 していない、ボ ランテ ィア的な位置づ けである との ことだった。

他の地域 の協議会相互の連携 はあるか とい う問いに対 しては、次のよ うな回答が寄せ られた。

昔は各市郡 に協議会が あったが、 1992年 の大統領選の ときに現代 グループの会長が立候補 し た ことで、政治的な要素があると非難 されたため、協議会が減 っていった。現在 は全国に26し

かない。ただ、地域間のかかわ りはあって、た とえば大 田で教師の再教育や学校運営委員会制度 を始めたが、それが全国に広が って いった。大 田か ら専門員 を他の地域 に派遣 をす る こともして いる との ことだった。

教員 の再教育 に地域社会教育協議会がかかわ るな ど、学校教育 と社会教育の連携が制度的に仕 組 まれている点は、 日本 とはまった く異なって いるが興味深 いものだった。 また、専門員 の活動 な どは、 日本の 「総合的な学習の時間」の展開の ヒン トになるとい う感触 を持 った。

13日はソウル に移動 し、韓国慶熙大学校ホテル観光大学 の夫伯先生の案 内で、韓国慶熙大学 校国際教育院、 日本のマ ンガを韓国で発行す る出版社な どで聞き取 り調査 を行 うな ど、バ ラエテ

ィに富んだ調査旅行 とな った。

今 回は社会教育・ 生涯学習の分野 に特化 した調査ではなか ったが、韓国の教育事情 を意見交換 を交 えなが ら知 る ことができ、多 くの示唆 を得 る ことができた。各訪問地で歓待 いただいた関係 者の方 々に紙面 をお借 りして深 く御礼 を申し上げる次第である。

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