女房詞の研究 ─ 『御湯殿上日記』 を中心として ─ 北 澤 綾 那
はじめに
人 に 性 別 が あ る よ う に、 言 葉 に も「 男 こ と ば 」 と「 女 こ と ば 」 が あ る。 そ の 様 々 な 言 葉 の 中 か ら、 「 女 房 詞 」 に 視 点 を 置 い て、 研 究 を 進 め た い と 感 じ た。 「 女 性 」 な ら で は の 特 徴 が、 「 女 房 詞 」 に、 見 る こ と が で き る で あ ろ う。 女 房 た ち の 宮 中 の 生 活 や 日 常、 時代の移り変わりが、女房詞にどう反映しはどう変化しているの かについて記述する。
分析資料高級女房たちによる仮名日記、 『御湯殿上日記』 である。
筆 者 は、 主 に 典 侍 な ど、 高 級 女 房 た ち で あ る。 詰 め 所 は、 議 定 所 と 常 御 殿 に 隣 接 さ れ た 天 皇 の 風 呂 場( 湯 殿 ) の 近 く に あ り、 『 御 湯 殿 上 日 記 』 の 名 前 の 由 来 と さ れ て い る。 執 筆 者 は 複 数 に 及 び、天皇が執筆をした記事(元亀三年一月三日)もある。宮中の 儀式や天皇の動静など、その他多くの出来事を長年に亘り、書き 留めた日記で、言語の多くが、女房詞で構成されている。 その歴史は、室町時代中期から江戸時代後期までの約三五〇年 間に亘る。
分析方法『御湯殿上日記
主要語彙索引』 (小高 恭 編 岩田書院 一九九 七 年 一 月 ) も 参 照 し、 『 御 湯 殿 上 日 記 』 か ら 採 録 し た 女 房 詞 を、 一二項目に分類する。
①食 ②道具 ③人体 ④人事 ⑤衣類 ⑥動作 ⑦住居 ⑧自然 ⑨年中行事 ⑩人物 ⑪文化 ⑫その他
女房詞の構成を明らかにするため、国田百合子氏の『女房詞の 研 究 』( 風 間 書 房 一 九 六 四 年 八 月 三 〇 日
注1) も 参 照 し、 七 項 目 に 分類する。
①異名 ②省略 ③御+ ④もじことば ⑤ものことば
⑥御+異名 ⑦御+省略 一、 女房詞の構成 1、もじことば
「女房詞」の代表的な婉曲表現が、
「○○もじ」という「もじこ とば」である。 「もじ」という接尾語を使用する理由については、 不明だが、 「もじ」という言葉の響きに愛嬌を感じた女房たちが、 言葉遊びの要領であらゆる言語につけたという説があ る
注2。
最 も 単 純 な 造 語 法 で、 同 音 異 義 語 も 多 く 見 る こ と が 出 来 る。 『 御 湯 殿 上 日 記 』 の 同 音 異 義 語 は、 四 九 例 中 八 例( 全 体 の 約 二 割) 。 ①いもし 【伊予、岩千代】 ②おもし 【帯、折る】 ③かもし 【梶 井 殿、 髪 】 ④ く も し 【 酒( 九 献 ) 茎 漬、 首 級、 栗 】 ⑤ こ も し 【鯉、紅梅(の衣) 】 ⑥なもし 【女房(内侍?)海鼠】 ⑦ほもし 【乾飯、保安寺】 ⑧みもし 【民部卿、南(の御所) 】
現 代 に は 消 え っ て し ま っ た も の が 大 部 分 で、 『 御 湯 殿 上 日 記 』 か ら は 現 存 す る「 も じ こ と ば 」 の 採 録 は 出 来 な か っ た。 し か し、 現 代 の 生 活 に お い て「 し ゃ も じ 」 は 固 定 化 さ れ て い る 言 葉 で あ る。 ①御の字 → 御+文字 ○君がここに来てくれるなら御の字だ。 ②しゃもじ → 杓子+文字
○しゃもじでご飯をよそってください。 ③ほのじ → 惚れる+文字
○友人は彼女に惚の字である。
2
、異名女 房 詞 の 異 名 の 構 成 は、 主 に 六 つ の 法 則 の 基 に 成 り 立 っ て い る。 ①色や形状から生まれた異名 ─色や形状により名付けられたと思 われる異名。 「食」 「道具」に関するものが多い。 【 例: あ か き 御 う り( 西 瓜 )、 大 き な 御 ま な( 鯨 )、 い し( 団 子) 、かかみ(海老) 、うすやう(紙) 等】 ②特性から生まれた異名 ─動きや様子などの特性により名付けら れたと思われる異名。 「自然」 「人事」に関するものが多い。 【 例: 御 所 つ つ み、 つ つ み 事( 月 蝕・ 日 蝕 )、 大 あ か 事( 火 事) 、動(地震) 、御むし(味噌) 等】 ③名称を省略し、繰り返した異名 ─名称の何れかを省略し、繰り 返すことで造語された異名。 【 例: 御 も う も う( 病 気 ) く り く り( 屈 輪 )、 御 い ち や い ち や (伊茶々) 等】
④ 通 称 や 渾 名 ─ 主 に「 人 物 」 や「 文 化 」 に 関 す る も の で あ る。 「文化」の場合は、演目や登場人物と関わりがあるものが多い。 【例:ゑつたう(僧) 、あか(女房) 、さかき(源氏物語) 】 ⑤忌詞の回避 ─名称に「不吉」を連想させる言葉が入っていた場 合、 「吉」を連想させる言葉に変化させる。 【例:ありのみ(梨) 、うちまき(米) 等】 ⑥漢字から生まれた異名 ─漢字で表された名称である場合、漢字 の一部を省略したと思われる異名。 【例:ゆき(鱈) 、やまぶき(鮒) 等】
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、接頭語「御」女房詞の構成には、 「御+」という表現が存在する。齊木氏は、 「 宮 中 で は、 目 上・ 同 輩・ 目 下 に よ っ て 言 葉 を 使 い 分 け る こ と は 基 本 で あ る と 同 時 に、 「 身 分 差 」 に 非 常 に 厳 し い 世 界 で あ っ た よ う だ 」 と 論 じ て い る
注3。『 御 湯 殿 上 日 記 』 の 作 者 は、 高 級 女 房 た ち で、 天 皇 等、 目 上 の 者 と の 接 触 が 多 く、 「 御 」 が 頻 繁 に 使 用 さ れ た と、 私 は 考 え る。 つ ま り、 当 時 の「 御 」 の 役 割 は、 「 最 上 級 敬 語」のひとつである。
現 代 に 名 残 を 見 せ る「 御 」 に 対 し て、 高 橋 氏 は、 「 上 品 」 と 「 優 し さ 」 を 兼 ね 備 え た、 女 性 の 心 情 を 表 す も の と し て い る
注4。 現 代「御」を使用する場面は多いが、主に、 「①接客 」 「②幼児に対 する言葉」 の二項目に分類することが出来る。特に後者が、 「御」 が 登 場 す る 場 面 が 多 い。 幼 児 に 対 し、 手 を「 お 手 手 」、 目 を「 お 目 目 」、 単 語 に「 御 」 を 付 け る こ と が 多 い。 こ れ は、 当 時、 「 食 」 に関わる言葉から、 「道具」や「住居」等、あらゆる言葉に「御」 を付けた、女房達と同様なのではないか。子を生すことが出来る 女 性 は、 男 性 と 比 較 し て、 古 来 よ り、 「 幼 児 」 と 言 う 存 在 に 深 く 関 わ っ て き た。 「 幼 児 に 対 す る 言 葉 」 に、 そ の 名 残 を 見 る こ と が 出 来 る こ と は、 不 思 議 で は な い。 以 上 の 理 由 か ら、 私 は、 「 御 」 という接頭語そのものが、女房詞が残した最大の名残ではないか と考える。
二、 時代で辿る女房詞 1、文明時代【一四七八─一四八七】
文明時代(室町後期)の女房詞。全六二九例。 分野 ① 食 一 一 九 例(
18 ・
( 洗 米 )、 あ り の み( 梨 )、 あ わ( 鮑 )、 い ほ( 魚 )、 い し( 団 子 )、 ま つ ら( 甘 葛 ) 、 あ ま の( 天 野 酒 )、 御 あ ゆ( 鮎 )、 御 あ ら ひ よ ね あ さ く こ( 朝 ご 飯 )、 あ し や り( 浅 蜊 貝 )、 あ つ 物( 饂 飩 )、 御 あ ( 菜 )、 あ か き 御 う り( 西 瓜 )、 あ か 物( 鮭 )、 あ か 御 ま な( 鮭 )、 9 %) ─ あ を の も し( 青 海 苔 )、 あ を 物
御 い し い し( 団 子 )、 御 い た( 蒲 鉾 )、 御 い ち こ( 苺 )、 い と ひ き ( 筋 子 )、 い と( 納 豆 )、 御 い た( 塩 )、 い な か 御 た る( 田 舎 酒 )、 ゑ い( 魚 )、 い な か く こ ん( 田 舎 酒 )、 御 い も( 芋 )、 う す も の (お吸い物) 、御うり(瓜) 、人たう(温糟粥) 、御うちまき(米) 、 大 き な 御 ま な( 鯨 )、 お ほ ね( 大 根 )、 を け( 酒 )、 御 つ け( 味 噌 汁 )、 を り の 物( 酒 肴 )、 を り 御 た る( 濁 酒 )、 あ ふ み( 近 江 瓜 )、 か い の あ は( 鮑 )、 か う の 物( 漬 物 )、 ゆ き( 鱈 )、 か ち ん( 餅 )、 か へ( 豆 腐 )、 御 か し 葉( 柏 )、 御 か ゆ( 粥 )、 か ら き 物( 大 根 )、 か き の か ち ん( 柿 餅 )、 く 御( 飯 )、 く 御 の 御 中( 昼 食 )、 く く ( 茎 )、 く こ ん( 酒 )、 御 く ま( 供 米 )、 く も( 蜘 蛛 蛸 )、 く も し ( 酒 )、 く も し( 茎 漬 )、 御 く り( 栗 )、 く ろ 御 い た( 岩 塩 )、 く こ ん( 酒 )、 御 こ う こ( 漬 物 )、 こ う は い( 海 鼠 腸 )、 御 せ ん( 膳 )、 御 こ つ け( 小 漬 け )、 こ の こ( 海 鼠 子 )、 こ ひ ら( 小 鯛 )、 御 こ ふ ( 昆 布 )、 こ も し( 鯉 )、 御 こ わ く こ( 飯 )、 こ ん の 物( 酒 肴 )、 さ か(酒浸り) 、御さかな(魚) 、さく(柘榴) 、ささい(栄螺) 、し た た め( 飲 食 )、 し ろ 御 う り( 白 瓜 )、 し ろ さ さ( 白 酒 )、 し ろ ね ( 葱 )、 し ろ 物( 塩 )、 御 す す き( 鱸 )、 す も し( 鮨 )、 た け( 筍 )、 御 た の む( 田 の 実 )、 た も し( 鯛 )、 た ん は( 丹 波 瓜 )、 御 と を し ( 通 し )、 ち と り( 鶏 )、 御 ち や( 茶 )、 御 つ つ( 飲 食 )、 御 て ん し む( 点 心 )、 御 と り( 鳥 )、 と り の こ( 卵 )、 な つ め( 果 実 )、 な ら(奈良酒) 、にやく(蒟蒻) 、のもし(海苔) 、はゐ(貝) 、はつ ゆ き( 初 鱈 )、 は な た( 海 鼠 )、 は ま( 蛤 )、 ふ も し( 鮒 )、 御 ひ ら(鯛) 、御ひは(枇杷) 、ほもし(乾飯) 、まき(粽) 、まつ(松 茸) 、御まな(真魚) 、まん(饅頭) 、みか(蜜柑) 、御みそう(味 噌 )、 み る( 海 松 貝 )、 三 御 さ か な( 三 肴 )、 め( 海 藻 )、 む し た け(蒸筍) 、やな木(酒) 、山と(大和瓜) 、やまふき(鮒) 、御ゆ ( 湯 )、 御 ゆ つ け( 湯 漬 )、 わ ら( 蕨 )、 く さ 御 つ け( 葱 味 噌 汁 )、 きぬかつきのまも(里芋) ②道具 八一例(
12 ・
( 鉦 鼓 )、 御 神 く( 神 供 )、 す き は ら( 紙 )、 御 す す り( 硯 )、 御 す ま( 島 台 )、 御 し き ろ う( 食 籠 )、 御 し や う( 笙 )、 御 し や う こ 籠) 、御こゆみ(小弓) 、御さいもく(材木) 、御さか月(盃) 、し か 月( 小 盃 )、 御 こ し や う( 小 笙 )、 御 こ と( 琴 )、 御 こ も り( 参 ゑ( 小 絵 )、 御 こ か た な( 小 刀 )、 御 こ き い た( 胡 鬼 板 )、 御 こ さ 御 こ う は い( 香 灰 )、 御 か う ふ り( 冠 )、 御 か う ふ り( 髻 )、 御 こ く る ま( 車 )、 御 け ん( 剣 )、 御 か う( 香 )、 御 か う や く( 膏 薬 )、 や く( 丸 薬 )、 御 き ん( 琴 )、 御 く し( 櫛 )、 御 く す り( 薬 )、 御 かちやう(蚊帳) 、御くわひん(花瓶) 、 御かみ(紙) 、御くわん う(紙) 、御ゑ(絵) 、御あふき(扇) 、御をさえ物(押え物) 、御 い た こ し( 板 輿 )、 御 い は ゐ( 位 牌 )、 い と ま き( 太 刀 )、 う す や 9 %)─あつ事(灸) 、いくち(猪口) 、御
こ ろ く( 双 六 )、 御 す た れ( 簾 )、 御 た き き( 薪 )、 御 た ゐ( 台 )、 御 た ち( 太 刀 )、 御 た る( 樽 )、 御 た ん 所( 壇 所 )、 御 ち や つ ほ ( 茶 壷 )、 御 ち や わ ん( 茶 碗 )、 御 て う し( 銚 子 )、 御 て う つ( 手 水 )、 御 つ つ ら( 葛 籠 )、 御 て き 物( 出 来 物 )、 御 て ほ ん( 手 本 )、 御 と う ろ( 灯 篭 )、 と り の こ( 紙 )、 御 な て 物( 撫 物 )、 御 人 き や う( 人 形 )、 御 は ゐ せ ん( 配 膳 )、 御 は な た て( 花 器 )、 ひ け こ ( 鬚 籠 )、 御 ひ つ( 櫃 )、 ひ の 物( 凍 っ た 物 )、 御 ふ く( 仏 具 )、 御 ふう(封) 、御ふた(蓋) 、御ふみ(文) 、御舟(船) 、御ほうもつ ( 捧 物 )、 御 ほ と け( 仏 )、 御 ほ ん そ む( 本 尊 )、 御 ま く ら( 枕 )、 御 ま ほ り( 護 符 )、 御 ま り( 毬 )、 御 み や け( 土 産 )、 御 や い と う (灸) 、御やくわん(薬鑵) 、御ゆみ(弓) 、御ようきやく(要脚) 、 御れうし(料紙) 、御きちやう(毬杖) ③ 人 体 三 一 例(
4 ・
( 耳 )、 御 み や く( 脈 )、 む さ き( 穢 れ )、 御 む し( 疾 病 )、 御 む し ( 熱 病 )、 御 は な ち( 鼻 血 )、 御 は う( 腹 ) 御 ふ く( 不 具 )、 御 み み ふう(頭風) 、御ち(血) 、御つま(爪) 、御とう(頭) 、御ぬるけ 利) 、しん(人力) 、御しんきけ(辛気気) 、御すかた(姿) 、御つ くし(髪) 、御け(気) 、けこ(人) 、御こし(腰) 、御しやり(舎 御 か ふ れ( 気 触 れ )、 き や う に( 人 力 )、 き や も し に( 華 奢 )、 御 物 )、 御 う し ろ( 身 体 )、 御 う し ろ の 物( 疾 病 )、 御 お こ り( 瘧 )、 9 %) ─ 御 あ し( 足 )、 御 あ し の 物( 腫 ④ 人 事 七 七 例( け(熱病) 、御もうもう(病気) 、御もうき(病気)
12 ・
や り 事( 恐 怖 )、 御 ひ は し( 火 柱 )、 御 ふ せ( 布 施 )、 御 仏 事( 仏 御 は ら ゑ( 祓 い )、 御 は ん し ゆ( 番 衆 )、 御 ひ け い( 秘 計 )、 御 ひ に う く わ ん( 入 棺 )、 御 に う ち( 入 寺 )、 御 は な ひ ら( 懺 法 講 )、 と う り う( 逗 留 )、 御 き や う と う( 行 道 )、 と り あ い( 合 戦 )、 御 大 こ ん( 大 九 献 事 )、 御 ち や( 茶 嗅 ぎ )、 御 つ う や( 夜 通 し )、 御 御 た ん き( 談 義 )、 御 た ん し や う( 誕 生 )、 御 た ん こ う( 談 合 )、 ( 勝 負 )、 御 ち き む( 直 務 )、 御 た き 火( 焚 火 )、 御 た ち( 蹴 鞠 )、 ほ う( 懴 法 )、 せ う か う( 焼 香 )、 御 せ う そ く( 消 息 )、 御 せ う ふ ら い( 修 礼 )、 し ゆ さ う す( 元 修 )、 御 し ゆ つ け( 出 家 )、 御 せ ん ( 十 度 飲 み )、 御 し ゆ か い( 受 戒 )、 御 し ゆ か い( 酒 毎 )、 御 し ゆ 迎 え )、 御 さ し あ ひ( 差 合 い )、 御 さ し む か ゐ( 差 迎 い )、 十 と 去 )、 御 せ よ う( 施 与 )、 御 さ い ら く( 在 洛 )、 御 さ か む か へ( 坂 ち く わ ん( 結 願 )、 御 か う み や う( 高 名 )、 御 こ( 碁 )、 こ と( 死 け い こ( 稽 古 )、 御 け き や う( 加 行 )、 御 下 き や う( 下 行 )、 御 け 修) 、御はい(拝む) 、御くやう(供養) 、くもしなる(還御) 、御 御 く わ ん ち や う( 潅 頂 )、 御 き ね ん( 祈 念 )、 御 き や く し ゆ( 逆 お ろ し た る 事( 堕 胎 )、 御 く わ ん( 願 )、 御 く わ ん れ ゐ( 還 礼 )、 教 活 動 )、 御 い と ま( 暇 )、 御 い ま( 今 参 り )、 う き う き( 一 揆 )、 3 %) ─ あ か 事( 火 事 )、 御 い た た き( 宗
事 )、 御 ほ う し( 法 事 )、 御 ほ う な と( 奉 納 )、 御 ほ ね お り( 骨 折 り )、 御 む そ う( 無 双 )、 御 も う ゆ い( 元 結 )、 御 物 い み( 物 忌 )、 御 物 か た り( 談 話 )、 御 物 こ も り( 参 籠 )、 御 ゆ い し( 猶 子 )、 ゆ み や( 合 戦 )、 御 ゆ う ら ん( 遊 覧 )、 御 夢( 夢 )、 御 や う し や う (養生) 、御るす事(留守事) 、御わんれゐ(還礼) 、きうのほうへ い( 祈 雨 )、 御 ち し や う( 治 定 )、 御 む そ う( 夢 想 )、 御 き や う す い(行水) ⑤ 衣 類 二 五 例(
3 ・ ⑥ 動 作 七 六 例( (忌服) 、御ふくのき(服喪) 、御も(裳) 、御らいふく(礼服) 姿 )、 御 水 か ん( 水 干 )、 御 な か( 服 飾 )、 御 ふ く( 服 )、 御 ふ く し ま か み( 縞 上 下 )、 御 し や う そ く( 装 束 )、 御 し も す か た( 下 ゐ( 服 飾 )、 御 こ そ て( 小 袖 )、 こ も し( 紅 梅 の 衣 )、 さ い( 布 )、 む( 金 襴 )、 御 け ん ふ く( 元 服 )、 御 こ う て う( 後 朝 )、 御 こ う は ぬ( 衣 )、 御 き ぬ か つ き( 服 飾 )、 御 き や う ふ く( 軽 服 )、 き ん し 姿) 、御うちしき(打敷) 、御をしき(打敷) 、御をひ(帯) 、御き 9 %) ─ 御 あ や( 綾 )、 御 う へ す か た( 上
も つ ふ し( 驚 愕 )、 御 き ろ く( 記 録 )、 御 く は り( 配 り )、 御 け ゐ い( 煩 い )、 御 け つ り( 梳 り )、 御 し の ひ( 忍 び )、 御 し た て( 仕 み) 、おもし(折る) 、御きしん(寄進) 、御きたう(祈祷) 、御き ち )、 御 ゆ す る( 譲 る )、 御 れ ゐ( 礼 ) 御 る す( 留 守 )、 御 わ つ ら た ね( 転 寝 )、 御 う つ り( 移 り )、 御 ゑ い( 酔 い )、 御 を か み( 拝 やわたり(家渡り) 、御ゆかけ(湯をかける) 、御ゆきうち(雪打 (棟上げ) 、御もしかき(文字書き) 、御もてなし(持て成し) 、御 御 あ り き( 歩 き )、 御 い の り( 祈 り )、 御 い わ ゐ( 祝 い )、 御 う た 12 %) ─ 御 あ つ け( 預 け )、 御 あ そ ひ( 遊 び )、 (振る舞い) 、御まいり(参上する) 、御まけ(負け) 、御むねあけ き 直 す )、 御 ひ ろ う( 披 露 す る )、 御 ふ み( 踏 み )、 御 ふ る ま ゐ とまり(止まり) 、御とりみたし(取り乱し) 、御ひきなをし(引 や う( 聴 聞 す る )、 御 と ふ ら ひ( 弔 い )、 御 と ふ ら い( 訪 い )、 御 御 た く せ ん( 託 宣 )、 御 た ち( 出 立 す る )、 御 ち ん( 沈 む )、 御 ち 御 し よ さ( 所 作 )、 御 し ん し や く( 斟 酌 )、 御 た い め ん( 対 面 )、 御 て ん し ゆ( 伝 授 )、 御 な く さ め( 慰 め )、 な け し( 長 く 押 す )、 ん し ゆ( 断 酒 す る )、 御 つ つ し み( 慎 み )、 御 て ん か う( 点 合 )、 ま り )、 御 こ と は し め( 事 始 め )、 御 さ う さ く( 造 作 す る )、 御 た る )、 御 し や う し ん( 精 進 )、 御 つ か ひ( 使 い )、 御 し つ ま り( 鎮 み )、 御 そ い( 添 い )、 御 さ う ち( 掃 除 す る )、 御 し た く め( 認 め ( 修 理 )、 御 ち ひ き( 地 引 )、 御 し や く( 酌 す る )、 御 す す み( 進 り( 入 る )、 御 こ と つ け( 言 付 け )、 御 し あ ん( 思 案 )、 御 し ゆ り 御 さ は り( 障 り )、 御 さ ん( 産 む )、 御 さ ん た ゐ( 参 内 )、 御 は い 物 )、 御 こ ゑ( 越 え )、 御 こ し や う( 故 障 )、 御 さ い ほ つ( 再 発 )、 こ( 警 護 )、 御 け さ ん( 見 参 )、 御 け む( 減 る )、 御 け ん ふ つ( 見
立て) ⑦ 住 居 四 八 例(
7 ・ ⑧ 自 然 一 二 例( 四あし(四足の門) 、御れん(簾) 、御むろ(室) 院) 、御屋(屋) 、御やと(宿) 、山(延暦寺) 、御つとの(湯殿) 、 め う 御 所( 妙 法 院 御 所 )、 め う し ん( 妙 心 寺 )、 も ん せ き( 青 蓮 (神社) 、ほうきやう寺(法経寺殿) 、御むしろ(筵) 、御す(簾) 、 御 ひ や う ふ( 屏 風 )、 御 ふ ろ( 風 呂 )、 ふ し 殿( 伏 見 宮 )、 二 所 軒 )、 日 野 の や( 日 野 政 資 亭 )、 ひ ら 野( 神 社 )、 御 ひ さ し( 庇 )、 居 )、 殿( 政 家 )、 と も し( 徳 政 )、 御 庭( 庭 )、 は ん せ う( 万 松 御 つ ま と( 妻 戸 )、 つ も し( 通 玄 寺 )、 御 て ら( 寺 )、 と さ ま( 住 御しつそう(ちつそう院殿) 、御たたみ(畳) 、御たん所(壇所) 、 ( 小 庭 )、 御 さ い 所( 在 所 )、 御 さ し き( 座 敷 )、 御 さ と( 実 家 )、 所) 、御きう所(休所) 、きわ(場所) 、御かうろ(香炉) 、御こ庭 か す か( 春 日 大 社 )、 御 き く わ ん 所( 祈 願 所 )、 き ち や う( 議 定 あん殿(安禅寺殿) 、入ゑ殿(三時知恩院) 、をか殿(大慈院殿) 、 ( 御 室 御 所 )、 お も し 御 所( 岡 御 所 )、 の も し 御 所( 安 禅 寺 御 所 )、 7 %) ─ 御 お ま な 御 所( 幼 御 所 )、 御 む ろ
1 ・
水(洪水) 、山(築山) 、らゐ(雷) 中 )、 し よ く( 月 蝕・ 日 蝕 )、 な へ( 地 震 )、 ひ か り 物( 流 れ 星 )、 ゑ い そ う( 詠 草 )、 き は( 月 蝕 )、 き ん き ん( 花 弁 )、 け う ち( 夏 9 %) ─ 御 い け( 池 )、 御 い し( 石 )、 御 ⑨ 年 中 行 事 八 例(
1 ・
⑩ 人 物 五 二 例( 御ほん(盆) たま(端午) 、御まいりきり(亥の子) 、よつき(世継ぎの草子) 、 (亥の子) 、御うし(丑の日) 、かつうの物(嘉祥の御祝) 、御くす 3 %) ─ あ ふ ひ( 賀 茂 祭 )、 御 ゐ の こ
8 ・
うきはし(源氏) 、御めてた事(生御霊) 、御うしかゐ(牛飼い) 、 た ゐ の 御 方( 日 野 富 子 )、 み も し( 民 部 卿 )、 も り( 盛 富 )、 夢 の ( 人 名 )、 御 百 し や う( 百 姓 )、 ふ け( 将 軍 )、 前 殿( 前 関 白 )、 御 中 内( 中 内 侍 )、 に し の て い( 重 治 )、 二 も し( 二 宮 )、 野 す も し し( 導 師 )、 と さ ま( 男 達 )、 な い な い( 男 達 )、 な も し( 女 房 )、 み )、 御 ち こ( 稚 児 )、 御 つ ほ ね( 局 )、 と う く う( 僧 )、 御 た う 御 大 く( 大 工 )、 大 こ く( 声 聞 帥 )、 大 す( 大 典 侍 )、 御 巧 み( 巧 たいけん(大元帥) 、御代くわん(代官参) 、御代くわん(代官) 、 内( 新 内 侍 )、 す は う( 医 師 )、 す け 殿( 大 典 侍 )、 せ い( 軍 勢 )、 御 し は ん( 師 範 )、 新 す も し( 新 典 侍 )、 新 大 す( 新 大 典 侍 )、 新 こん(権典侍) 、権すもし(権のすけ) 、御三木ちやう(左義長) 、 ゆ( 勝 衆 )、 く 御( 天 皇 )、 け う く う( 僧 )、 け ん 大( 源 大 納 言 )、 殿 )、 き た の 御 か た( 北 小 路 皇 居 )、 か ち 殿( 梶 井 殿 )、 御 か ち し う た い( 皇 帝 )、 御 か た( 宮 の 方 )、 御 し( 師 )、 き く て い( 菊 亭 中 將( 綾 小 路 中 將 )、 右 大( 右 大 弁 宰 相 )、 大 す も し( 大 輔 )、 わ 3 %) ─ 御 あ ち や あ ち や( 阿 茶 々) 、 あ や
けこ(人) ⑪ 文 化 等 六 四 例(
10 ・
( 謡 )、 り ん し( 臨 時 の 神 楽 )、 御 れ ん か( 連 歌 )、 御 れ ん く( 連 ま つ 一 た ゆ ふ( 曲 舞 )、 も り 山( 猿 楽 )、 御 厄( 厄 )、 と 一 ら う 仏 )、 御 へ ん か( 返 歌 )、 御 ほ う ら く( 法 楽 )、 御 ほ つ く( 発 句 )、 け( 八 卦 )、 御 ひ つ し( 未 ) 御 百 し ゆ( 百 人 一 首 )、 百 万 反( 念 五 ね ん( 二 五 念 忌 )、 御 ね ん き( 年 忌 )、 御 ね ん 仏( 念 仏 )、 御 八 日) 、なかにし(読経) 、なら松(曲舞) 、なんたい(和歌題) 、廿 取 り )、 御 と き や う( 読 経 )、 御 と く き ん( 独 吟 )、 御 と く 日( 徳 や く た う( 到 着 の 歌 )、 御 ち よ く た ゐ( 勅 題 )、 御 と き と り( 時 歌) 、つけ物(楽) 、てならひ(源氏物語) 、御たうさ(当座) 、ち う し( 草 子 )、 た ゆ ふ( 猿 楽 )、 御 た ゐ( 題 )、 御 つ き う た( 継 ぎ 御 神 く( 神 供 )、 御 神 事( 神 事 )、 御 せ か き の 物( 施 餓 鬼 )、 御 さ 開 き )、 し ほ せ( 猿 楽 )、 御 し ゆ う く( 秀 句 )、 御 十 ね ん( 十 念 )、 数 )、 け ん し( 源 氏 物 語 )、 御 こ う し ん( 庚 申 )、 御 さ ひ ら き( 座 ん( 狂 言 )、 御 き よ く( 曲 )、 き ん よ う( 金 葉 集 )、 御 句 か す( 句 (清手水) 、きくの御さか月(重陽) 、御きやう(経) 、御きやうけ (巻数) 、御くわんらく(歓楽) 、かなみつ(謡) 、きよい御てうつ ( 謡 )、 か め た ゆ う( 猿 楽 )、 御 か ん き ん( 観 経 )、 御 く わ ん し ゆ 氏物語) 、御うた(歌) 、御ゑい(詠) 、おもに(猿楽) 、あふあみ ⑫ そ の 他 三 六 例( 2 %) ─ 御 一 さ( 一 座 )、 う き ふ ね( 源 やう(心経) 句) 、御わゐん(和韻) 、御わかん(和歌) 、わき(連歌) 、御くき
5 ・ ①異名 一一七例( 構成 い(三例) 、しよ(楽) 代(薬代) 、御やう(様) 、御わ(輪) 、くもし(九献) 、御さんれ 重) 、御ふう(封) 、めんたう(馬道) 、申あけ(神仏へ) 、御やく は ん( 番 )、 御 ひ し( 菱 形 )、 御 日 つ ゐ て( 日 次 )、 御 ひ と へ( 一 り )、 御 と く と( 得 度 )、 御 と な り( 隣 )、 御 ね ん す( 年 中 )、 御 御 月 な み( 月 次 )、 御 て ん( 点 )、 御 と き( 斎 )、 御 と を り( 通 御千と(千度) 、御さうたち(連輝・万松) 、御ちうけん(中間) 、 御 さ い ま つ( 歳 末 )、 御 す い さ う( 瑞 相 )、 し ろ 御 と り( 白 鳥 )、 鳥) 、九こん(献数) 、こん(献) 、御れゐ(恒例) 、御せゐ(製) 、 ( 跡 )、 御 ゑ ん( 円 )、 御 あ い( 阿 愛 )、 を し( 鴛 鴦 )、 く く い( 白 7 %) ─ 御 い き う( 一 級 )、 御 あ と
18 ・
きのかちん かちん かなみつ かへ かめたゆう きうのほう け お ろ し た る 事 わ う た い お ほ ね を か 殿 か い の あ は か うすやう うきうき うきふね 人たう あふあみ おもに を ひ き い と ま き い な か 御 た る ゑ い い な か く こ ん 入 ゑ 殿 あ さ く こ あ つ 事 あ り の み い ほ い く ち い し い と い と 6 %)─あふひ あかき御うり あか事
へい きちやう きぬかつきのまも きやもしに きやうに き は き わ き ん き ん き ん し む く く く く い く 御( 天 皇 ) く 御 くこん 九こん くもしなる けうち けこ けうくう こ うはい こと このこ こひら こん さい ささい したため しゆさうす しよ しろささ すきはら すけ殿 すはう 大こ く た ゆ ふ ち と り て な ら ひ と う く う と さ ま( 男 達 ) と さ ま( 住 居 ) 殿 と り あ い と り の こ( 紙 ) と り の こ( 卵 ) な へ ないない なかにし なけし しほせ なつめ なら松 な んたい にしのてい はゐ はつゆき はなた はんせう ひこ 四らう 日野のや 百万反 ひら野 ふけ ふし殿 二所 前 殿 まつ一たゆふ 御たゐの御方 むさき め めんたう もり やま もんせき 申あけ やいとう やな木 山 やまふき ゆ き ゆみや 夢のうきはし と一らう 四あし らゐ わき 【例】 ・ ありのみ 梨 異名 (九・九・一五) ○ ありのみ まいる。 ②省略 五八例(
9 ・
せい 大こん たいけん 大す たけ たんは ちやくたう と し ま し ま か み 十 と し よ く し ろ ね し ん 新 大 す 新 内 く て い き ん よ う く も け ん 大 け ん し こ ん さ く さ か わ あん殿 右大 あふみ 御むろ をし かち殿 かすか き 2 %)─あしやり あまの あや中將 あ 【例】 ・わら 蕨 省略 (一三・三・二二) みる むしたけ もり 山 山と よつき りんし わら 寺 ま き ま つ ま ん み か 御 す 水 め う 御 所 め う し ん り 中内 なら にやく 廿五ねん はま ひけこ ほうきやう
○三ほう院よりとし〳〵の わ ら まいる。 ③ 御 + 三 四 一 例(
54 ・
御くすり 御くはり 御くやう 御くり 御くるま 御け 御け う 御 き よ く 御 せ ゐ 御 き ろ く 御 き ん 御 句 か す 御 く し 御きう所 御きやう 御きやうけん 御きやうすい 御きやうた ん 御 き ち や う 御 き た う 御 き ぬ 御 き ね ん 御 き や く し ゆ わひん 御かふれ 御かちしゆ 御はい 御きくわん所 御きし わんちやう 御くわんしゆ 御くわんらく 御くわんやく 御く き 御かし葉 御かみ 御かゆ 御くわん 御くわんれゐ 御く を か み 御 お こ り 御 を さ へ 物 御 お ま な 御 所 御 し 御 を し い( 酔 ) 御 ゑ い そ う 御 ゑ ん 御 あ い 御 あ ふ き 御 か た 御 ね 御 う ち し き 御 う つ り 御 う り 御 ゑ 御 ゑ い( 詠 ) 御 ゑ いはい 御いも 御うへすかた 御うしかゐ 御うた 御うたた 一さ 御いきう 御いわゐ 御いとま 御ゐのこ 御いのり 御 ひよね 御ありき 御いけ 御いし 御いたこし 御いちこ 御 御あや 御あつけ 御あそひ 御あちやあちや 御あゆ 御あら 2 %) ─ 御 あ し 御 あ ま つ ら 御 あ と
ゐ こ 御 け い こ 御 け き や う 御 下 き や う 御 け さ ん 御 け つ り 御けちくわん 御けん 御けんふく 御けんふつ 御こ 御 かう 御こうこ 御こうしん 御こうてう 御こうはい 御かう ふり 御かうふり 御かうみやう 御かうやく 御れゐ 御かう ろ 御こゑ(小絵) 御こゑ(越える) 御こかたな 御こきいた 御こさか月 御こし 御こしやう 御こしやう 御せん 御こそ て 御こつけ 御こと 御ことつけ 御ことはしめ 御こ庭 御 こゆみ 御さい所 御さいまつ 御さいほつ 御さいもく 御さ いらく 御さか月 御さかな 御さかむかへ 御さしき 御さし むかゐ 御さひらき 御さはり 御さん 御さんたゐ 御さんれ い 御しあん しほせ 御しきろう 御ちきむ 御ちしやう 御 しつまり 御したくめ 御したて 御しつそう 御しのひ 御し はん 御ちひき 御しもすかた 御しやく 御しやり 御しゆう く 御十ねん 御しゆかい(受戒) 御しゆかい(酒毎) 御しゆ つけ 御しゆらい 御しゆり 御しやう 御しやうこ 御せうか う 御しやうしん 御せうそく 御しやうそく 御せうふ 御し よさ しろ御うり 御しんきけ 御神く 御神事 御しんしやく 御水かん 御すいさう 御すかた 御すころく 御すすき 御す すみ 御すすり 御すたれ 御つふう 御せかきの物 御せつく 御せよう 御千と 御せんほう 御そい 御さうさく 御さうし 御 さ う ち 御 た ゐ( 題 ) 御 た ゐ( 台 ) 御 代 く わ ん 御 大 く 御 たいめん 御たきき 御たき火 御たくせん 御たくみ 御たた み 御たち 御たのむ 御たる 御たんき 御たんかう 御た んしゆ 御たん所 御たんしやう 御ち 御ちこ 御ちや 御ち やつほ 御ちやわん 御ちうけん 御てうし 御ちよくたゐ 御 つかひ 御つきうた 御月なみ 御つつ 御つつしみ 御つつら 御つほね 御つま 御つまと 御てき物 御てほん 御てら 御 てん 御てんかう 御てんしゆ 御てんしむ 御とう 御たうさ 御たうし 御とうりう 御とをし 御とをり 御ときとり 御と きやう 御とくきん 御とくと 御となり 御とふらひ 御とふ らい 御とまり 御とり 御とりみたし 御なくさめ 御なて物 御にうくわん 御にうち 御庭 御人きやう 御ねんき 御ねん 仏 御はゐせん 御はいり 御八け 御はなち 御はう 御はら ゑ 御 は ん 御 は ん し ゆ 御 ひ き な を し 御 ひ け い 御 ひ さ し 御ひつ 御日つゐて 御ひつし 御ひとへ 御百しやう 御ひや うふ 御ひろう 御ひは 御ふう 御ふく(服) 御ふく(仏具) 御 ふ せ 御 ふ た 御 仏 事 御 舟 御 ふ み( 文 ) 御 ふ み( 踏 む ) 御ふるまゐ 御ふろ 御へんか 御ほうし 御ほうもつ 御ほう ら く 御 ほ つ く 御 ほ と け 御 ほ ね お り 御 ほ ん 御 ほ ん そ む 御 ま い り 御 ま い り き り 御 ま く ら 御 ま け 御 ま な 御 ま り
御みそう 三御さかな 御みみ 御みやく 御みやけ 御むしろ 御 む そ う 御 む ね あ け 御 む ろ 御 も 御 も し か き 御 も て な し 御もうゆい 御物いみ 御屋 御やつくわん 御厄 御やく 代 御やと 御やわたり 御ゆ 御ゆいし 御ゆうらん 御ゆか け 御ゆきうち 御ゆする 御ゆつけ 御つとの 御ゆみ 御夢 御やう 御ようきやく 御やうしやう 御らいふく 御れゐ 御 れうし 御るす 御るす事 御れん 御れんか 御れんく 御わ 御わゐん 御わかん 御わつらひ 【例】
・御さはり 障り 御+ (一四・五・四) ○なにの 御 さは り もあるましきよし申さるゝ。 ④ も じ こ と ば 二 二 例(
3 ・
もし ほもし みもし たもし つもし ともし なもし 二もし のもし 野すもしふ こもし(紅梅の衣) こもし(鯉) 権すもし 新すもし すもし お も し お も し 御 大 す も し く も し( 九 献 ) く こ ん( 茎 漬 ) 4 %) ─ あ お の も し の も し 御 所
【例】
・あおのもし 青海苔 もじことば
(一八・四・一〇)
○あんせん寺殿より あ をのも し まいる。 ⑤ も の こ と ば 一 四 例(
2 ・
うの物 こんの物 しろ物 つけ物 ひの物 ひかり物 うすもの 御うしろの物 をりの物 からき物 かうの物 かつ 2 %) ─ あ を 物 あ か 物 あ つ 物
【例】
・あか物 鮭 ものことば
(九・一〇・二五)
○かものさた人 あ か 物 まいらする。 ⑥御+異名 六一例(
9 ・ 御わんれゐ 御 め て た 事 御 も う き 御 も う も う 御 物 か た り 御 物 こ も り き 御 ほ う な と 御 ま い り き り 御 ま ほ り 御 む し 御 む し け るけ 御はなたて 御はなひら 御ひら 御ひやり事 御ふくの うや 御しうちやく 御とう 御とき 御とく日 御なか 御ぬ きやう しろ御とり 御ちん 御たち 御てうつ 御つつ 御つ わくこ 御そうたち 御さと 御さしあひ 御三木ちやう 御く 御くすたま くろ御いた 御けむ 御こうはゐ 御こもり 御こ 御きぬかつき きたの御かた く御の御中 くさ御つけ 御くし きくの御さか月 きよい御てうつ 御きやうふく 御きもつふし 大 き な 御 ま な を り 御 た る 御 つ け 御 か ん き ん 御 か ち や う いた 御いたたき 御いた 御いしいし 御うちまき 御うしろ 6 %)─あか御まな 御あしの物 御
【例】
・御いしいし 団子 御+異名 (一〇・一・二) ○御こわく御 御 いしい し 昨日におなし。 ⑦御+省略 一八例(
2 ・
御代くわん 御とうろ 御ねんす 御ひし 御ひはし 御百しゆ かた 御くま 御こふ 御しつそう 御たち 御ちやう 御ちや 8 %)─御いま 御うし 御をひ 御
御ふく(忌服) 御ふく 【例】
・御とうろ 燈籠 御+省略 (九・七・一四) ○ 御 とう ろ ともはう〳〵よりまいる。 考察
「 食 」 に 関 す る 詞 が、 他 例 を 圧 倒 し て い る。 多 く の 研 究 者 の 見 解の「女房詞の発生は、食物の異名からである」の証となる。
のではないか。 塩は不吉を追い払うとされる風習があり、その意識から生まれた ル ー ツ は、 小 林 氏 は「 お 悼 み 」 の 略 称 で あ る と い う。 古 来 よ り、 「 御 い た 」 は、 「 塩 」 と「 蒲 鉾 」 の 両 方 の 意 味 が あ る。 「 塩 」 の
忌詞を回避する目的で生み出された「ありのみ(梨) 」「うちま き( 米 )」 を 採 録 す る こ と が 出 来 た。 「 あ り の み 」 は、 「 無 し 」 と い う 忌 語 を 回 避 す る こ と か ら 来 て い る。 「 米 」 と 言 う 言 葉 も 避 け ら れ て お り、 「 籠 る 」 と い う 言 葉 を 連 想 さ せ る か ら で あ る と、 堀 井 氏 は 述 べ て い る
注5。「 う ち ま き 」 の 由 来 は、 神 社 に て 米 を 撒 く こ とを「内撒き」と呼ぶことからくるようだ。
2
、長享時代【一四八七─一四八九】長享時代(室町後期)の女房詞。全六一例。 分野 ① 食 一 〇 例(
16 ・
4 %) ─ あ か き く こ( 赤 飯 )、 御 あ か 物 ② 道 具 八 例( 噌) 、御ゆ(湯) し( 菓 子 )、 御 て ん( 田 楽 )、 御 は つ け( 葉 漬 け )、 御 む し( 味 ( 鮭 )、 あ ま 御 ひ ら( 甘 鯛 )、 あ も し( 鯇 )、 御 か す( 菜 )、 御 く わ
13 ・
③人体 六例( くりくり(屈輪) 、御はし(箸) 、御物て(物具) ( 願 文 )、 御 か か み( 鏡 )、 御 き や う た ゐ( 鏡 台 )、 御 く す( 薬 )、 2 %) ─ 御 い か も も( 厳 物 )、 御 く わ ん も ん
9 ・
④ 人 事 五 例( ちひやう(持病) 、御ちうふ(中風) 、御つめ(爪) 、御て(手) 8 %)─御大くち(大口) 、御風(風邪) 、御
8 ・
⑤ 衣 類 五 例( 御たたり(祟り) 、御大き(大儀) 、御わろひれ(悪びれ) 2 %) ─ く こ ん こ と( 酒 宴 )、 御 ち ん( 陣 )、
8 ・
⑥ 動 作 九 例( 御かたひら(帷子) 、御こしまき(腰巻) 、すすし(生絹) 2 %) ─ 御 あ こ め( 袙 )、 御 う ら( 服 の 裏 )、
14 ・
⑦ 住 居 三 例( り) 、御ゆきけし(雪消し) さ う( 引 き 分 け )、 御 ち や う た い( 頂 戴 )、 御 て か わ り( 手 替 わ ( 書 く )、 御 か ち( 勝 ち )、 御 き き( 聴 聞 )、 御 せ ん か む( 折 檻 )、 7 %) ─ 御 色 な を し( 化 粧 直 し )、 御 か く
4 ・
⑧自然 一例( (東大寺) 、女ゐん(女院御所) 9 %) ─ 御 さ ん さ う( 山 荘 )、 御 と う た ゐ
1 ・ ⑨年中行事 一例( 6 %)─御所つつみ(月食)
1 ・
6 %)─いぬ(戌の時)
⑩ 人 物 七 例(
11 ・
⑪文化 二例( 主) 、めめす(目々典侍) か ん せ い( 僧 )、 ち う あ み( 碁 打 ち )、 御 ぬ し( 主 )、 宮 し( 宮 5 %) ─ い も し( 岩 千 代 )、 い も し( 伊 予 )、
3 ・
⑫ そ の 他 四 例( 3 %)─御ふきん(譜経) 、御たいや(逮夜)
6 ・
① 異 名 九 例( 構成 (効験) 、御名こり(名残) 、めてたき(一般) = 6 %) ─ 一 こ ん( 献 数 詞 )、 御 し る し
14 ・
かんせい くりくり ちうあみ すすし さう めてたき 7 %) ─ あ か き く こ 一 こ ん く こ ん こ と
【例】
・あかきくこ 赤飯 異名 (二・五・二五) ○すゑより御ちやわんのはちに あ かきく こ まいる。 ②省略 四例(
6 ・
6 %)─いぬ 女ゐん 宮し めめす
【例】
・いぬ 戌の時 省略 (二・五・一五) ○御とくとり い ぬ なり。 ③御+ 三一例(
50 ・ し 御はし 御はつけ 御ゆ 御ゆきけし 御わろびれ ふ 御ちやうたい 御つめ 御て 御てかわり 御名こり 御ぬ う 御ちん 御せんかむ 御大き 御たいや 御たたり 御ちう わ ん も ん 御 き や う た ゐ 御 こ し ま き 御 さ ん さ う 御 ち ひ や 御かかみ 御かく 御くわし 御風 御かたひら 御かち 御く 8 %)─御あこめ 御いかもも 御大くち
【例】
・御あこめ 袙 御+ (二・一二・二八) ○ 御 あこ め 。御ひとへはりやくせらるゝ。 ④ も じ こ と ば 三 例(
4 ・
いもし(伊予) 9 %) ─ あ も し い も し( 岩 千 代 )
【例】
・あもし 鯇 もじことば(二・二・二九) ○みん部卿 あもし 一おりまいる。 ⑥御+異名 一〇例(
16 ・
むし 御物て なをし 御かす 御きき 御所つつみ 御しるし 御ふきん 御 4 %)─御あか物 あま御ひら 御色
【例】
・御あか物 鮭 御+異名
(三・四・二五)
○まつ 御 あか 物 まいりて。 ⑦御+省略 四例(
6 ・
うたゐ 6 %)─御うら 御くす 御てん 御と
【例】
・御くす 薬 御+省略
(二・七・一三)
○ 御 く す はまいらする。 考察
漢語表現を好まない女流日記の特性が現れている。 「 も じ こ と ば 」 は、 漢 語 を 和 語 に 言 い 換 え た も の が 殆 ど で あ る。 の よ う に、 漢 語 表 現 を 仮 名 表 記 に し た 物 と は 違 い、 「 異 名 」 や 「 御 + 」 等 の「 御 ち う ふ( 中 風 )」 や「 御 ち や う た い( 頂 戴 )」
過程や様子から構成された女房詞、 「御むし(味噌) 」と「御所 つ つ み( 月 蝕 )」 で あ る。 味 噌 は 大 豆 を 蒸 し て 作 ら れ る が、 そ の 過程の味噌を表現する「御むし」という言葉が作られたと堀井氏 は論じてい る
注6。月蝕を表す「御所つつみ」は、太陽が月を包んで いく様を表したことから生まれた言葉と、私は考える。
3
、延徳時代【一四八九─一四九二】延徳時代(室町後期)の女房詞。全五七例。 分野 ① 食 六 例(
10 ・
② 道 具 七 例( (麩) 榴 )、 御 こ ち や( 粉 茶 )、 御 た き 物( 薫 物 )、 は も し( 鱧 )、 御 ふ 5 %) ─ あ こ た( 阿 古 多 瓜 )、 あ ま さ く( 甘 石
12 ・
③ 人 体 八 例( (仏像) 、御ゆゐもつ(遺物) 御 つ つ み( 包 み )、 ほ う ら ゐ( 笙 )、 御 ほ ん( 本 )、 御 め ん さ う 3 %) ─ 御 け ん て う( 玄 猪 )、 そ か う( 薬 )、
④人事 四例( 御にほひ(香り) 、御むね(胸) 、御りとう(痢) 御 さ し あ ひ( 月 経 )、 御 て さ き( 手 先 )、 御 て の こ う( 手 の 甲 )、 14 %) ─ 御 か け( 脚 気 )、 御 こ と か へ る( 疾 病 )、
⑤衣類 一例( (不慮) 、御ほしやく(星厄) 7 %)─御うら(占い) 、さう(葬儀) 、御ふりよ
1 ・
8 %)─御けさ(袈裟) ⑥ 動 作 九 例(
15 ・
⑦ 住 居 四 例( 御てんしやく(天酌) 御さいきやう(在京) 、御すすき(濯ぎ) 、御そうくわん(贈官) 、 し き )、 う と( 独 活 )、 御 き す ゐ( 帰 瑞 )、 御 く た ひ れ( 草 臥 れ )、 8 %) ─ 御 あ わ せ( 調 合 )、 御 う れ し き( 嬉
⑧自然 二例( 所) 、もや(母屋) 、御やしろ(社) 7 %) ─ 御 さ し き( 桟 敷 )、 ほ も し 御 所( 保 安 御
3 ・ ⑨年中行事 一例( 5 %)─つつみ事(日蝕) 、御はた(畑)
1 ・
⑩人物 五例( 8 %)─御としこし(年越し)
8 ・
⑪ 文 化 六 例( まん(僧) 、とん花との(雲華院殿) 、ぬもし(主) 8 %)─あか(女房) 、いわ(岩太夫) 、てん
10 ・
⑫ そ の 他 四 例( (猿楽) 日) 、せんほく(謡) 、御なう(能) 、八らう(曲舞) 、まゐたゆふ 5 %) ─ お つ る 歌( 類 句 )、 御 す い 日( 衰
①異名 一一例( 構成 (近々に) 、御ねんころの(懇ろの) 、御ひろひろと(広々と) 7 %) ─ 左 も し( 左 頭 馬 )、 御 ち か ち か に
19 ・
まゐたゆふ そ か う つ つ み 事 て ん ま ん と ん 花 と の 八 ら う ほ う ら ゐ 3 %)─あか うと おつる歌 せんほく
【例】
・せんほく 謡 異名 (二・一一・一二)
○ せ んほ く まいりてうはふ。 ②省略 五例(
8 ・
や 8 %)─あこた あまさく いわ 源中 も
【例】
・いわ 岩太夫 省略 (三・七・四) ○ い わ めしてうたはせらるゝ。 ③御+ 二九例(
50 ・
き 御ちかちかに 御ねんころの 御ひろひろと 御ほしやく 御ほん 御むね 御やしろ 御ゆゐもつ 御うれし 御てのこう 御てんしやく 御にほひ 御なう 御ふ 御ふりよ い日 御すすき 御そうくわん 御たき物 御つつみ 御てさき くたひれ 御けさ 御けんてう 御さいきやう 御さしき 御す 8 %)─御こちや 御かけ 御きすゐ 御
【例】
・御うれしき 嬉しき 御+ (三・一二・五) ○おほしめし入て 御 うれし き 御申あり。 ④もじことば 四例(
御所 7 %)─左もし ぬもし はもし ほもし
【例】
・ぬもし 主 もじことば(三・二・七) ○いま上らふ ぬ も し に御あひあるよしきこしめして。 ⑥ 御 + 異 名 五 例(
8 ・
しあひ 御めんさう 御りとう 8 %) ─ 御 あ わ せ 御 こ と か へ る 御 さ
【例】
・御あわせ 調合 御+異名
(二・一〇・一八)
○神しゆくわん 御 あわ せ あり。 ⑦御+省略 三例(
5 ・
3 %)─御うら 御さう 御はた
【例】
・御はた 畑 御+省略
(三・八・二二)
○にしきの 御 は た の事申さるゝ。 考察
現象とし た 。「おろしたる事(堕胎 ) 」も同様だと考える。
注7注8は、当時「出産」という現象は「産穢」とされ、月経は忌むべき 「 御 さ し あ ひ( 月 経 )」 が 採 録 出 来 た。 御 湯 殿 上 日 記 研 究 会 で
止させてしまうほどの禁忌であった」とあ る 記 研 究 会 に は、 「 日 蝕・ 月 蝕 は、 宮 廷 の 活 動 や、 宮 中 の 生 活 を 停 などの現象は、当時天変と捉えられ、異様とされた。御湯殿上日 「 御 所 つ つ み 」 に 似 る「 つ つ み 事 」 を 採 録 出 来 た。 日 蝕 や 月 蝕
注9注注
注