• 検索結果がありません。

複素関数・同演習 第 4 回

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "複素関数・同演習 第 4 回"

Copied!
46
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

4

n乗根〜

かつらだ

桂田 祐史ま さ し

2020

9

30

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 1 / 19

(2)

目次

1 本日の内容・連絡事項

2 複素数の定義と基本的な性質 n乗根

定義と極形式表示

±1n乗根

よくあるよくない解答

余談1: 定木とコンパスによる正n角形の作図(円周の等分) 余談2: sin 1, cos 1を求めて

遊び(脱線)の時間: Mathematicazn=c を解く

3 参考文献

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 2 / 19

(3)

連絡事項

宿題1,問題に誤植があって、かなりの迷惑になってしまって、とても申し訳なく思 います。しかしz2= 12i でなくてz2= 12ii= 3だと、z2は実数になってし まって、簡単になり過ぎて、複素数の計算が正しくできるかのチェックにならな いので、z2= 12i で計算してみて下さい。

ちなみに類題を期末試験に出すと、得点率は60%台です。意外に低い。最初はサー ビス問題のつもりだったのだけど。多くの人が間違える、ということです(間違え ても気付きにくいからかな)。こういう問題を軽視しないで下さい。

現在までのアンケート回答を見る限り、オフィスアワーは昼休みにしても大丈夫の ようです。他の科目でも同じことを尋ねていて、その結果も見て決めます。今週中 に曜日時間を連絡します(シラバスの「授業補足」に書き、次回の授業で通知し ます)

本日の講義内容

本日は、講義ノート[1]1.10の内容「n乗根」を講義する。n乗根はあちこちに 出て来るので、正確に処理できることが重要。

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 3 / 19

(4)

1.11 n 乗根 1.11.1 定義と極形式表示

平方根ほど簡単ではないけれど…一応存在は確かめられる。

定義

4.1 (n

乗根)

n∈N, n≥2,c∈Cとするとき、

(1) zn=c

を満たすzcn 乗根(ann-th root ofc)と呼ぶ。

n= 2のとき平方根(square root)、n= 3のとき立方根(cube root)と呼ぶ。 c= 0 のとき、c のn乗根は 0のみである。

一応注意しておく 複素数の平方根は、必ず実数の √

で表せた。しかし複素 数のn乗根は、nが2の冪であるときは例外として、それが出来ることは期待

できない(この問題には深入りしない)。

その他 べきこん冪 根,

るいじょうこん

累 乗 根という言葉もあるが、ここでは使わない(nを指定し ないとあまり意味が無いので)。

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 4 / 19

(5)

1.11 n 乗根 1.11.1 定義と極形式表示

平方根ほど簡単ではないけれど…一応存在は確かめられる。

定義

4.1 (n

乗根)

n∈N, n≥2,c∈Cとするとき、

(1) zn=c

を満たすzcn 乗根(ann-th root ofc)と呼ぶ。

c= 0 のとき、c のn乗根は 0のみである。

一応注意しておく 複素数の平方根は、必ず実数の √

で表せた。しかし複素 数のn乗根は、nが2の冪であるときは例外として、それが出来ることは期待

できない(この問題には深入りしない)。

その他 べきこん冪 根,

るいじょうこん

累 乗 根という言葉もあるが、ここでは使わない(nを指定し ないとあまり意味が無いので)。

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 4 / 19

(6)

1.11 n 乗根 1.11.1 定義と極形式表示

平方根ほど簡単ではないけれど…一応存在は確かめられる。

定義

4.1 (n

乗根)

n∈N, n≥2,c∈Cとするとき、

(1) zn=c

を満たすzcn 乗根(ann-th root ofc)と呼ぶ。

n= 2のとき平方根(square root)、n= 3のとき立方根(cube root)と呼ぶ。

c= 0 のとき、c のn乗根は 0のみである。

一応注意しておく 複素数の平方根は、必ず実数の √

で表せた。しかし複素 数のn乗根は、nが2の冪であるときは例外として、それが出来ることは期待

できない(この問題には深入りしない)。

その他 べきこん冪 根,

るいじょうこん

累 乗 根という言葉もあるが、ここでは使わない(nを指定し ないとあまり意味が無いので)。

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 4 / 19

(7)

1.11 n 乗根 1.11.1 定義と極形式表示

平方根ほど簡単ではないけれど…一応存在は確かめられる。

定義

4.1 (n

乗根)

n∈N, n≥2,c∈Cとするとき、

(1) zn=c

を満たすzcn 乗根(ann-th root ofc)と呼ぶ。

n= 2のとき平方根(square root)、n= 3のとき立方根(cube root)と呼ぶ。

c= 0 のとき、c のn乗根は0 のみである。

一応注意しておく 複素数の平方根は、必ず実数の で表せた。しかし複素 数のn乗根は、nが2の冪であるときは例外として、それが出来ることは期待

できない(この問題には深入りしない)。

その他 べきこん冪 根,

るいじょうこん

累 乗 根という言葉もあるが、ここでは使わない(nを指定し ないとあまり意味が無いので)。

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 4 / 19

(8)

1.11 n 乗根 1.11.1 定義と極形式表示

平方根ほど簡単ではないけれど…一応存在は確かめられる。

定義

4.1 (n

乗根)

n∈N, n≥2,c∈Cとするとき、

(1) zn=c

を満たすzcn 乗根(ann-th root ofc)と呼ぶ。

n= 2のとき平方根(square root)、n= 3のとき立方根(cube root)と呼ぶ。

c= 0 のとき、c のn乗根は0 のみである。

一応注意しておく 複素数の平方根は、必ず実数の √

で表せた。しかし複素 数のn乗根は、nが2の冪であるときは例外として、それが出来ることは期待

できない(この問題には深入りしない)。

その他 べきこん冪 根,

るいじょうこん

累 乗 根という言葉もあるが、ここでは使わない(nを指定し ないとあまり意味が無いので)。

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 4 / 19

(9)

1.11 n 1.11.1

平方根ほど簡単ではないけれど…一応存在は確かめられる。

定義

4.1 (n

乗根)

n∈N, n≥2,c∈Cとするとき、

(1) zn=c

を満たすzcn 乗根(ann-th root ofc)と呼ぶ。

n= 2のとき平方根(square root)、n= 3のとき立方根(cube root)と呼ぶ。

c= 0 のとき、c のn乗根は0 のみである。

一応注意しておく 複素数の平方根は、必ず実数の √

で表せた。しかし複素 数のn乗根は、nが2の冪であるときは例外として、それが出来ることは期待

できない(この問題には深入りしない)。

その他 べきこん冪 根,

るいじょうこん

累 乗 根という言葉もあるが、ここでは使わない(nを指定し ないとあまり意味が無いので)。

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 4 / 19

(10)

1.11.1 定義と極形式表示

極形式を用いると n 乗根は容易に求まる。次の定理はマスターすること。

定理

4.2 (

複素数の

n

乗根

)

n N,n≥

2,

c C,c ̸= 0 とする。

(2)

c

=

ρe

(ρ > 0,

ϕ∈R

)

とおくとき、c の相異なるn 乗根はn個存在し、それらは

(3)

n

ρei

(

ϕn+nk

) (k = 0, 1,

· · ·,n−

1)

である。これらは複素平面上で、原点中心、半径 n

ρ の円周のn等分点

である。

(

求め方を示すだけでなく、存在することを証明してあるのが重要。

)

この定理は、公式を暗記するだけでなく、自力で導出できるようにして おくのが望ましい。

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 5 / 19

(11)

1.11.1

極形式を用いると n 乗根は容易に求まる。次の定理はマスターすること。

定理

4.2 (

複素数の

n

乗根

)

n N,n≥

2,

c C,c ̸= 0 とする。

(2)

c

=

ρe

(ρ > 0,

ϕ∈R

)

とおくとき、c の相異なるn 乗根はn個存在し、それらは

(3)

n

ρei

(

ϕn+nk

) (k = 0, 1,

· · ·,n−

1)

である。これらは複素平面上で、原点中心、半径 n

ρ の円周のn等分点

である。

(

求め方を示すだけでなく、存在することを証明してあるのが重要。

)

この定理は、公式を暗記するだけでなく、自力で導出できるようにして おくのが望ましい。

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 5 / 19

(12)

1.11.1 定義と極形式表示

証明 z =re (r >0,θ∈R)とおくと zn=c⇔rneinθ=ρe(

rn=ρ∧einθ=e) .

(注 rneinθ=ρeの両辺の絶対値を取ってrn=ρを得るのがのポイント。)

rn=ρ⇔r =nρはすぐ分かる。もう一方から einθ=e⇔nθ≡ϕ (mod 2π)

(∃k Z) nθ−ϕ=

(∃k Z) θ= ϕ n +k

n であるから

zn=c⇔ (

r =n

ρ∧(∃k∈Z)θ=ϕ n+k

n )

(∃k Z)z =nρei(ϕn+kn ).

(一見無限個の解があるように思うかもしれないが)kn増えると元に戻る

(周期n)ので、k = 0,1,· · ·,n−1だけで重複なく、漏れもない。

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 6 / 19

(13)

1.11.1

証明 z =re (r >0,θ∈R)とおくと zn=c⇔rneinθ=ρe(

rn=ρ∧einθ=e) .

(注 rneinθ=ρeの両辺の絶対値を取ってrn=ρを得るのがのポイント。) rn=ρ⇔r =nρはすぐ分かる。もう一方から

einθ=e⇔nθ≡ϕ (mod 2π)

(∃k Z) nθ−ϕ=

(∃k Z) θ= ϕ n +k

n であるから

zn=c⇔ (

r =n

ρ∧(∃k∈Z)θ=ϕ n+k

n )

(∃k Z)z =nρei(ϕn+kn ).

(一見無限個の解があるように思うかもしれないが)kn増えると元に戻る

(周期n)ので、k = 0,1,· · ·,n−1だけで重複なく、漏れもない。

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 6 / 19

(14)

1.11.1 定義と極形式表示

4.3 (1

n

乗根)

n∈N, n≥2 とする。1 のn乗根は

eikn (k= 0,1,· · · ,n−1)

n個である。これらは、ω:=ein とおくと次のように表せる。

ωk (k = 0,1,· · ·,n−1).

これは単位円周のn等分点である。

これから

zn1 = (z1)(z−ω)· · ·(z−ωn1). また定理4.2の z は次のように表せる。

z =n

ρeiϕnωk (k = 0,1,· · ·,n−1).

また1のn乗根は、eiπnωk (k = 0,1,· · ·,n−1)と表せる。ω は便利である。

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 7 / 19

(15)

1.11.1

4.3 (1

n

乗根)

n∈N, n≥2 とする。1 のn乗根は

eikn (k= 0,1,· · · ,n−1)

n個である。これらは、ω:=ein とおくと次のように表せる。

ωk (k = 0,1,· · ·,n−1).

これは単位円周のn等分点である。

これから

zn1 = (z1)(z−ω)· · ·(z−ωn1).

また定理4.2の z は次のように表せる。

z =n

ρeiϕnωk (k = 0,1,· · ·,n−1).

また1のn乗根は、eiπnωk (k = 0,1,· · ·,n−1)と表せる。ω は便利である。

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 7 / 19

(16)

1.11.2 ± 1 の n 乗根 (1)

良い計算練習になるので、nが小さいとき、1と1の n乗根を求めてみよう。

zn=1と zn=1を解く、ということでもある。(以下で説明するが、後で自 分でやってみることを勧める)

1= 1·ei·0だから、zn=1の解はz=n

1ei(0n+kn) =eik2πn (k= 0,· · ·,n−1).

1= 1·eだから、zn=1の解はz=n

1ei(πn+kn) =ei(2k+1)πn (k= 0,· · ·,n−1).

実数の根号√n

で表せるときはそうして見よう。

(1) n= 2のとき。

z2= 1の解はei·k2 =eikπ (k= 0,1) であるからe0= 1,e =1. これは

z21 = (z+ 1)(z1) と因数分解できることからも分かる。

z2=1 の解はei(π2+k2) =ei(2k+1)π2 (k = 0,1)であるから、eiπ2 =i, ei2 =−i.

これは

z2+ 1 = (z+i)(z−i) と因数分解できることからも分かる。

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 8 / 19

(17)

1.11.2 ± 1 の n 乗根 (1)

良い計算練習になるので、nが小さいとき、1と1の n乗根を求めてみよう。

zn=1と zn=1を解く、ということでもある。(以下で説明するが、後で自 分でやってみることを勧める)

1= 1·ei·0だから、zn=1の解はz=n

1ei(0n+kn) =eik2πn (k= 0,· · ·,n−1).

1= 1·eだから、zn=1の解はz=n

1ei(πn+kn) =ei(2k+1)πn (k= 0,· · ·,n−1).

実数の根号√n

で表せるときはそうして見よう。

(1) n= 2のとき。

z2= 1の解はei·k2 =eikπ (k= 0,1)であるからe0= 1, e=1.

z21 = (z+ 1)(z1) と因数分解できることからも分かる。

z2=1 の解はei(π2+k2) =ei(2k+1)π2 (k = 0,1)であるから、eiπ2 =i, ei2 =−i.

これは

z2+ 1 = (z+i)(z−i) と因数分解できることからも分かる。

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 8 / 19

(18)

1.11.2 ± 1 の n 乗根 (1)

良い計算練習になるので、nが小さいとき、1と1の n乗根を求めてみよう。

zn=1と zn=1を解く、ということでもある。(以下で説明するが、後で自 分でやってみることを勧める)

1= 1·ei·0だから、zn=1の解はz=n

1ei(0n+kn) =eik2πn (k= 0,· · ·,n−1).

1= 1·eだから、zn=1の解はz=n

1ei(πn+kn) =ei(2k+1)πn (k= 0,· · ·,n−1).

実数の根号√n

で表せるときはそうして見よう。

(1) n= 2のとき。

z2= 1の解はei·k2 =eikπ (k= 0,1)であるからe0= 1, e=1.

これは

z21 = (z+ 1)(z 1) と因数分解できることからも分かる。

z2=1 の解はei(π2+k2) =ei(2k+1)π2 (k = 0,1)であるから、eiπ2 =i, ei2 =−i.

これは

z2+ 1 = (z+i)(z−i) と因数分解できることからも分かる。

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 8 / 19

(19)

1.11.2 ± 1 の n 乗根 (1)

良い計算練習になるので、nが小さいとき、1と1の n乗根を求めてみよう。

zn=1と zn=1を解く、ということでもある。(以下で説明するが、後で自 分でやってみることを勧める)

1= 1·ei·0だから、zn=1の解はz=n

1ei(0n+kn) =eik2πn (k= 0,· · ·,n−1).

1= 1·eだから、zn=1の解はz=n

1ei(πn+kn) =ei(2k+1)πn (k= 0,· · ·,n−1).

実数の根号√n

で表せるときはそうして見よう。

(1) n= 2のとき。

z2= 1の解はei·k2 =eikπ (k= 0,1)であるからe0= 1, e=1.

これは

z21 = (z+ 1)(z 1) と因数分解できることからも分かる。

z2=1 の解はei(π2+k2) =ei(2k+1)π2 (k = 0,1)であるから、eiπ2 =i, ei2 =−i.

z2+ 1 = (z+i)(z−i) と因数分解できることからも分かる。

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 8 / 19

(20)

1.11.2 ± 1 の n 乗根 (1)

良い計算練習になるので、nが小さいとき、1と1の n乗根を求めてみよう。

zn=1と zn=1を解く、ということでもある。(以下で説明するが、後で自 分でやってみることを勧める)

1= 1·ei·0だから、zn=1の解はz=n

1ei(0n+kn) =eik2πn (k= 0,· · ·,n−1).

1= 1·eだから、zn=1の解はz=n

1ei(πn+kn) =ei(2k+1)πn (k= 0,· · ·,n−1).

実数の根号√n

で表せるときはそうして見よう。

(1) n= 2のとき。

z2= 1の解はei·k2 =eikπ (k= 0,1)であるからe0= 1, e=1.

これは

z21 = (z+ 1)(z 1) と因数分解できることからも分かる。

z2=1 の解はei(π2+k2) =ei(2k+1)π2 (k = 0,1)であるから、eiπ2 =i, ei2 =−i.

これは

z2+ 1 = (z+i)(z −i) と因数分解できることからも分かる。

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 8 / 19

(21)

1.11.2 ± 1 の n 乗根 (2)

2 n= 3のとき。

z3= 1 の解はz =ei·k3 (k = 0,1,2)であるから、e0= 1,ei3 = 1+i23, ei3 = 12i3.

z31 = (z1)(z2+z + 1)

という因数分解で、右辺の第2因数の根は(2次方程式の解として) 1±3i と求まるから) 2

z31 = (z1) (

z−−1 +i√ 3 2

) (

z−−1−i√ 3 2

) .

z3=1の解はz =ei(π3+k3) =ei(2k+1)π3 (k = 0,1,2)であるから、 eiπ3 = 1+i23,ei3 =1,ei3 =1i23.

また因数分解も上と同様に

z3+ 1 = (z+ 1)(z2−z+ 1) = (z+ 1) (

z−1 +i√ 3 2

) (

z−1−i√ 3 2

) .

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 9 / 19

(22)

1.11.2 ± 1 の n 乗根 (2)

2 n= 3のとき。

z3= 1 の解はz =ei·k3 (k = 0,1,2)であるから、e0= 1,ei3 = 1+i23, ei3 = 12i3.

一方、

z31 = (z1)(z2+z+ 1)

という因数分解で、右辺の第2因数の根は(2次方程式の解として) 1±3i と求まるから) 2

z31 = (z1) (

z−−1 +i√ 3 2

) (

z−−1−i√ 3 2

) .

z3=1の解はz =ei(π3+k3) =ei(2k+1)π3 (k = 0,1,2)であるから、 eiπ3 = 1+i23,ei3 =1,ei3 =1i23.

また因数分解も上と同様に

z3+ 1 = (z+ 1)(z2−z+ 1) = (z+ 1) (

z−1 +i√ 3 2

) (

z−1−i√ 3 2

) .

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 9 / 19

(23)

1.11.2 ± 1 の n 乗根 (2)

2 n= 3のとき。

z3= 1 の解はz =ei·k3 (k = 0,1,2)であるから、e0= 1,ei3 = 1+i23, ei3 = 12i3.

一方、

z31 = (z1)(z2+z+ 1)

という因数分解で、右辺の第2因数の根は(2次方程式の解として) 1±3i と求まるから) 2

z31 = (z1) (

z−−1 +i√ 3 2

) (

z−−1−i√ 3 2

) .

z3=1の解はz =ei(π3+k3) =ei(2k+1)π3 (k = 0,1,2)であるから、

eiπ3 = 1+i23,ei3 =1,ei3 =12i3.

z3+ 1 = (z+ 1)(z2−z+ 1) = (z+ 1) (

z−1 +i√ 3 2

) (

z−1−i√ 3 2

) .

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 9 / 19

(24)

1.11.2 ± 1 の n 乗根 (2)

2 n= 3のとき。

z3= 1 の解はz =ei·k3 (k = 0,1,2)であるから、e0= 1,ei3 = 1+i23, ei3 = 12i3.

一方、

z31 = (z1)(z2+z+ 1)

という因数分解で、右辺の第2因数の根は(2次方程式の解として) 1±3i と求まるから) 2

z31 = (z1) (

z−−1 +i√ 3 2

) (

z−−1−i√ 3 2

) .

z3=1の解はz =ei(π3+k3) =ei(2k+1)π3 (k = 0,1,2)であるから、

eiπ3 = 1+i23,ei3 =1,ei3 =12i3. また因数分解も上と同様に

z3+ 1 = (z + 1)(z2−z+ 1) = (z+ 1) (

z−1 +i√ 3 2

) (

z−1−i√ 3 2

) .

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 9 / 19

(25)

1.11.2 ± 1 の n 乗根 (3)

n= 4のとき。

z4= 1の解はz=eik˙4 =eikπ2 (k= 0,1,2,3)であるから、e0= 1,eiπ2 =i, e=1,ei4 =−i.

z41 = (z2+ 1)(z21) = (z+i)(z−i)(z+ 1)(z1). z4=1の解はz=ei(π4+k4) =ei(2k+1)π4 (k= 0,1,2,3)であるから、

eiπ4 =1 +i

2 , ei4 = 1 +i

2 , ei4 = 1−i

2 , ei4 =1−i

2 . 一方、

z4+ 1 = (z2+i)(z2−i).

と因数分解して、z2=−i,z2=i を解けなくもないが(平方根の計算は出来るは )、そうするよりも

z4+ 1 =z4+ 2z2+ 12z2= (

z2+ 1 )2

( 2z

)2

= (

z2+ 2z+ 1

) ( z2−√

2z+ 1 )

と因数分解すれば、2つの2次方程式の根として簡単に求まる。

z= −√ 2±i√

2

2 ,

2±i√ 2

2 .

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 10 / 19

(26)

1.11.2 ± 1 の n 乗根 (3)

n= 4のとき。

z4= 1の解はz=eik˙4 =eikπ2 (k= 0,1,2,3)であるから、e0= 1,eiπ2 =i, e=1,ei4 =−i. 因数分解からも分かる。実際

z41 = (z2+ 1)(z21) = (z+i)(z−i)(z+ 1)(z1).

z4=1の解はz=ei(π4+k4) =ei(2k+1)π4 (k= 0,1,2,3)であるから、 eiπ4 =1 +i

2 , ei4 = 1 +i

2 , ei4 = 1−i

2 , ei4 =1−i

2 . 一方、

z4+ 1 = (z2+i)(z2−i).

と因数分解して、z2=−i,z2=i を解けなくもないが(平方根の計算は出来るは )、そうするよりも

z4+ 1 =z4+ 2z2+ 12z2= (

z2+ 1 )2

( 2z

)2

= (

z2+ 2z+ 1

) ( z2−√

2z+ 1 )

と因数分解すれば、2つの2次方程式の根として簡単に求まる。

z= −√ 2±i√

2

2 ,

2±i√ 2

2 .

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 10 / 19

(27)

1.11.2 ± 1 の n 乗根 (3)

n= 4のとき。

z4= 1の解はz=eik˙4 =eikπ2 (k= 0,1,2,3)であるから、e0= 1,eiπ2 =i, e=1,ei4 =−i. 因数分解からも分かる。実際

z41 = (z2+ 1)(z21) = (z+i)(z−i)(z+ 1)(z1).

z4=1の解はz=ei(π4+k4) =ei(2k+1)π4 (k= 0,1,2,3)であるから、

eiπ4 =1 +i

2 , ei4 = 1 +i

2 , ei4 = 1−i

2 , ei4 =1−i

2 .

z4+ 1 = (z2+i)(z2−i).

と因数分解して、z2=−i,z2=i を解けなくもないが(平方根の計算は出来るは )、そうするよりも

z4+ 1 =z4+ 2z2+ 12z2= (

z2+ 1 )2

( 2z

)2

= (

z2+ 2z+ 1

) ( z2−√

2z+ 1 )

と因数分解すれば、2つの2次方程式の根として簡単に求まる。

z= −√ 2±i√

2

2 ,

2±i√ 2

2 .

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 10 / 19

(28)

1.11.2 ± 1 の n 乗根 (3)

n= 4のとき。

z4= 1の解はz=eik˙4 =eikπ2 (k= 0,1,2,3)であるから、e0= 1,eiπ2 =i, e=1,ei4 =−i. 因数分解からも分かる。実際

z41 = (z2+ 1)(z21) = (z+i)(z−i)(z+ 1)(z1).

z4=1の解はz=ei(π4+k4) =ei(2k+1)π4 (k= 0,1,2,3)であるから、

eiπ4 =1 +i

2 , ei4 = 1 +i

2 , ei4 = 1−i

2 , ei4 =1−i

2 . 一方、

z4+ 1 = (z2+i)(z2−i).

と因数分解して、z2=−i,z2=i を解けなくもないが(平方根の計算は出来るは )、そうするよりも

z4+ 1 =z4+ 2z2+ 12z2= (

z2+ 1 )2

( 2z

)2

= (

z2+ 2z+ 1

) ( z2−√

2z+ 1 )

と因数分解すれば、2つの2次方程式の根として簡単に求まる。

z= −√ 2±i√

2

2 ,

2±i√ 2

2 .

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 10 / 19

(29)

1.11.2 ± 1 の n 乗根 (4)

(3) n= 5 のとき。

z5= 1の解はz=eik5 (k= 0,1,· · ·,4)であるから、e0= 1,ei5 ,ei5 ,ei5 , ei5 . これらは

を使って表現可能である。(以下の計算に注目) z51 = (z1)(z4+z3+z2+z+ 1) であるが、

z4+z3+z2+z+ 1 = 0⇔z2+z+ 1 +1 z + 1

z2 = 0

(

z+1 z

)2

+z+1

z 1 = 0.

X =z+1z とおくと、X2+X−1 = 0で、この解はX =1±√ 5

2 .

z+1

z =−1 +√ 5

2 z+1

z =−1−√ 5 2

2z2+ (1−√

5)z+ 2 = 0 2z2+ (1 +

5)z+ 2 = 0.

ゆえに

z= 1,−(1−√ 5)±i

10 + 2 5

4 ,−(1 +√ 5)±i

102 5

4 .

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 11 / 19

(30)

1.11.2 ± 1 の n 乗根 (5)

一方、z5=−1の解はz=ei(π5+k5) =ei(2k+1)π5 (k= 0,1,· · ·,4)であるから、eiπ5, ei5,ei5 =−1,ei5,ei5 . これらは

を使って表現可能である。

z5+ 1 = (z+ 1)(z4−z3+z2−z+ 1) であるが、

z4−z3+z2−z+ 1 = 0⇔z2−z+ 11 z + 1

z2 = 0

(

z+1 z

)2

(

z+1 z )

1 = 0.

X =z+1z とおくと、X2−X−1 = 0で、この解はX =1±

5 2 . z+1

z =1 + 5

2 z+1

z =1−√ 5 2

2z2(1 +

5)z+ 2 = 0 2z2(1−√

5)z+ 2 = 0.

ゆえに

z=1,(1 + 5)±i

10 + 2 5

4 ,(1−√

5)±i√ 102

5

4 .

(n= 5を振り返り: 代数的に解くことで π

5 cos, sinが求まるのは注目に値する。)

かつらだ 桂 田 まさし

祐 史 () 複素関数・同演習 第4 2020930 12 / 19

参照

関連したドキュメント

「そうした相互関 係の一つ の例 が CMSP と CZMA 、 特にその連邦政府の政策との統一性( Federal Consistency )である。本来 、 複 数の省庁がどの

12月 米SolarWinds社のIT管理ソフトウェア(orion platform)の

ある周波数帯域を時間軸方向で複数に分割し,各時分割された周波数帯域をタイムスロット

 当図書室は、専門図書館として数学、応用数学、計算機科学、理論物理学の分野の文

Photo Library キャンパスの夏 ひと 人 ひと 私たちの先生 文学部  米山直樹ゼミ SKY SEMINAR 文学部総合心理科学科教授・博士(心理学). 中島定彦

第9図 非正社員を活用している理由

・味の素ナショナルトレーニングセンタ ーや国立スポーツ科学センター、味の