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1 3 次元のベクトルとその演算

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Academic year: 2021

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(1)

1 3 次元のベクトルとその演算

1.1

ベクトルとスカラー

¨ §

香中

p.2 ¥ ¦

始点 を O, 終点 を P とする矢印を, ベクトル −→

OP という. A = −→

OP などとかく.

この矢印のように, 大きさと方向の両方のある量を ベクトル という.

大きさだけのある量を, ベクトルに対して スカラー という.

大きさと向きが両方等しければ, (始点 が違っても) ベクトルは等しい. つまり, 平行移動 して重なるようなベクトル は等しい.

A = −→

OP = −→

QR.

ベクトルの例: 風 (風向きと風力). スカラーの例: 温度.

記号の使い方

ベクトルは rA のような傾いた太い字 (または ~r のように) で表わす.

スカラーは r のような傾いた細い字で表わす.

点の名前や単位は O,P,Q,R, m, kg のように立った細い字で表す.

1.2

ベクトルの演算

¨ §

香中

p.3 ¥ ¦

¨

§

¥

和達

p.21 ¦

ベクトルの和

一般に, ベクトル C = A + B とは, AB を 2 辺とす る平行四辺形の対角線のベクトル.

ベクトルとスカラーの積

ベクトル A と スカラー c の積 B = c × A は, ベクトル であり,

大きさは A|c| 倍.

向 き は, c > 0 なら同じ向き

c < 0 なら逆向き. c = 0 なら, あとで出て

くるゼロベクトルになる.

ベクトルのスカラー倍ともいう.

A

B A+B

- A A 2A

0

(2)

ベクトルの差

ベクトル A とベクトル B の差 C = A B とは, ベクトルであり,

C = A B = A + ((−1) × B) (2.1)

ゼロベクトル

A A や, 0 × A は, ゼロベクトル 0 である.

ゼロベクトルは, 大きさは 0 で, 向きはない.

0 × A = 0 × B = A A = B B = 0. (2.2)

ベクトル, スカラーについては, 普通の数であるかのように展開して計算してよい.

例: 2(3A B) = −2B + 6A.

1.3

ベクトルの座標表示

¨ §

香中

p.9 ¥ ¦

ベクトルを, やっぱり, 絵じゃなく数字で表わしたい!

図のように, 原点 O で垂直に交わる x-軸, y-軸を平面に描く. x-軸, y-軸には向きがあり, x-座

標, y-座標がある. x-軸, y-軸に垂線を下ろして x-座標, y-座標をよみとる.

この

A =

 2 3

 =

A x A y

x-成分 y-成分

(2.3)

を ベクトルの座標表示 または 成分表示 という. 2 を x 成分, 3 を y 成分という.

横に A = (2, 3) のように書くこともある.

x y

O

A = ( ) 2 3

+2

-2

-2 +2

P

(3)

成分で書いた ベクトルの和とスカラー倍

ベクトル

A =

A x A y

, B =

B x B y

 (3.4)

とスカラー c に対して,

A+B =

A x + B x A y + B y

c×A =

c × A x c × A y

 (3.5)

である.

x y

O A

B

A+B

-A

1.4 3

次元の座標系

¨ §

和達

p.22 ¥ ¦ ¨

§

¥

香中

p.13 ¦

互いに直交する x,y,z の 3 つの座標軸を使う.

3 次元のベクトル A の始点を原点に置いたとき, 終点の 座標を Ax, y, z 成分といい, A x , A y , A z と書く.

A =

 

  A x A y A z

 

 

x-成分 y-成分 z-成分

(3.6)

ふつうは, 右手を開いたときの親指方向を x, 人指し指方向を y, 中指方向を z 軸の正の方向に とる.

左手を使うと,

z

軸の向きが逆になる.

(4)

1.5

基本ベクトル

§

香中

p.14 ¦

単位ベクトル : 大きさが 1 のベクトル.

x,y,z 軸の正の向きの単位ベクトルを 基本ベクトル と

いい,

i =

 

  1 0 0

 

  , j =

 

  0 1 0

 

  , k =

 

  0 0 1

 

  (4.7)

と書く. これらを用いると,

A =

 

  A x A y

A z

 

  = A x i + A y j + A z k. (4.8)

x, y, z 軸を右親人中指にとるとき, ベクトルの 3 個組

hi, j , ki は 右手系 だという. hi, j, −ki は右手系じゃ ない.

1.6

内積

(スカラー積) ¨ §

香中

p.4 ¥ ¦

ベクトル A の大きさ (長さ, 絶対値) を |A| と書く (絶対 値と同じ記号). |A| はスカラー (実数).

2 つの 3 次元ベクトル A, B に対して, 次の式で計算され るスカラー A · B のことを 内積 という.

A · B = |A| × |B| × cos θ. (4.9)

ベクトル A, B, C, スカラー c に対して, 普通の数であるかのように, (2A + B) · A = 2A · A + A · B のように展開したりしてよい.

基本ベクトル i, j, k は互いに直交していて大きさ 1 なので,

i · i = j · j = k · k = 1. (4.10)

i · j = j · k = k · i = j · i = k · j = i · k = 0. (4.11)

(5)

内積 A · B の成分表示 §

香中

p.16 ¦

A · B =(A x i + A y j + A z k) · (B x i + B y j + B z k)

=(A x B x i · i + A x B y i · j + A x B z i · k) +(A y B x j · i + A y B y j · j + A y B z j · k) +(A z B x k · i + A z B y k · j + A z B z k · k)

= A x B x + A y B y + A z B z

(5.12)

仕事 (スカラー) は, 力 (ベクトル) と変位 (ベクトル) の内積.

ベクトルの大きさ (内積の使い道 1)

[b] 三平方の定理を 2 回使うと, ベクトル A の絶対値 |A|

|A| 2 =

³q

A 2 x + A 2 y

´ 2

+ A 2 z = A 2 x + A 2 y + A 2 z = A · A (5.13)

[t]

内積の使い道 2: ベクトル AB のなす角度 内積の定義の式 (4.9) を逆に使うと,

cos θ = A · B A · A ×

B · B (5.14)

で, ベクトル AB のなす角度 θ が計算できる.

(例題 1) A =

³ 1 1 0

´ , B =

³ 0 1 1

´

とする. A · B, |A|, および A,B のなす角 θ は?

(6)

1.7

外積

(

ベクトル積

) §

香中

p.6 ¦

2 つの 3 次元ベクトル A, B に対して, 次の式で表わされるベクトル C = A×B のことを 外積 という.

この記号 ‘×’ は新しい記号.

(実数のふつうの ‘かける’ とたまたま同じ文字だが意味は異なる).

C = A × B = |A| |B| (sin θ) ˆ C (6.15) ただし, ˆ C は, AB の両方に垂直な単位ベクトルで, hA, B, Ci ˆ が右手系をなすようなもの.

別の言い方:

C A, C B で, C の向きは, A から B に回る右ねじが進む向き.

大きさは |C| = |A||B| sin θ = A,B のはる平行四辺形の面積.

外積 (ベクトル積) と内積 (スカラー積) を混同しないよう注意

A × B : ベクトル , A · B : スカラー (6.16)

A × A = 0 , A · A = |A| 2 (6.17)

A × B = −B × A , A · B = B · A (6.18)

( ) をはずすときはふつうの数であるかのように展開してよい.

計算例 (A + B) × A = A × A + B × A = 0 A × B (6.19)

基本ベクトルの間の外積

i × i = 0, j × j = 0, k × k = 0. (6.20) i × j = +k, j × k = +i, k × i = +j, (6.21) j × i = −k, k × j = −i, i × k = −j . (6.22)

i, j , k が 循環的 (cyclic) に入れ替わってることに注意. i j k i.

(7)

外積 A × B の成分表示 §

香中

p.16 ¦

A × B

=(A x i + A y j + A z k) × (B x i + B y j + B z k)

=(A x B x i × i + A x B y i × j + A x B z i × k) + (A y B x j × i + A y B y j × j + A y B z j × k) + (A z B x k × i + A z B y k × j + A z B z k × k)

= (A y B z A z B y )i + (A z B x A x B z )j + (A x B y A y B x )k.

(7.23)

x, y, z が循環的に入れ替わってることに注意. x y z x.

覚え方

A × B = =

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

¯ ¯

¯ ¯

¯ ¯

A y A z B y B z

¯ ¯

¯ ¯

¯ ¯

¯ ¯

¯ ¯

¯ ¯

A z A x B z B x

¯ ¯

¯ ¯

¯ ¯

¯ ¯

¯ ¯

¯ ¯

A x A y B x B y

¯ ¯

¯ ¯

¯ ¯

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

=

 

 

A y B z A z B y

A z B x A x B z A x B y A y B x

 

 

(例題 2)

A =

 

  2 3 0

 

  , B =

 

 

−1

−4 +5

 

 

に対して, 外積 B × A を計算しよう.

フレミングの左手の法則やローレンツ力は, 外積で簡単に書ける:

F = I × B, F = q(E + v × B).

(8)

2 内積と力のバランス

内積の直観的な意味 射影 力はベクトル ¨ §

香中

p.3 ¥ ¦

F

F F=F +F

1

2 1 2

F F F

F F

n

1 3 2

4

力 は向きと大きさを持ち, ベクトルで表される. 大きさの単位はニュー トン N=kg · m/s 2 .

物体に, 2 つの力 F 1F 2 が同時にはたらいているのは, 1 つの力 ( 合力 ) F = F 1 + F 2 がはたらいているのと同じこと.

物体にはたらくすべての力の合力が

F = F 1 + F 2 + · · · F n = 0 (8.1)

のとき, 力は つりあっている , つりあいの状態にある という. このとき, 止まっていた 物体は止まったまま.

ベクトルの和と綱引き

図の場合, F 1 + F 2 = 0 のときつりあっている.

力の大きさ f 1 , f 2 (> 0) で書くと,

f 1 = f 2 つまり f 1 f 2 = 0 (8.2) がつりあいの条件.

f f

F F

1

1 2

2

x

f 1 と F 1 の関係

f 1 = |F 1 |(> 0), f 2 = (> 0), (8.3)

F 1 = , F 2 =

 

  +f 2

0 0

 

  . (8.4)

F 1 , F 2 はベクトル, 力の大きさ f 1 , f 2 はスカラー.

(9)

(例題 3)

マルチ綱引きの 4 チームが, F 1 , F 2 , F 3 , F 4 の力で引いたところ, つりあいの状態になって綱は 動かなかった.

F 1 =

 

  1 3 0

 

  , F 2 =

 

 

−2 2 0

 

  , F 3 =

 

  1

−4 0

 

  (9.1)

のとき, F 4 を求めよう. いちばん力の大きいチームはどれ?

【注意】:

図で, ベクトルは, 綱の長さとは関係ない. 引く力の大き さ (強さ) を表している.

F F F

F F

n

1 3 2

4

(10)

ベクトルの内積と列車の綱引き

線路上しか動けない列車に綱をつけて綱引き

F 1 を線路に平行なベクトル F 1k と垂直なベクトル F 1⊥

に分解して考える.

F 1 = F 1k + F 1⊥ (10.1) 列車の動きに関係あるのは線路に平行なベクトル F 1k だ け. 列車が動かないためには,

F 1k + F 2k = 0つまりF 1k = −F 2k (10.2) であればいい. 両辺の絶対値をとると,

|F 1 | cos θ = |F 2 | cos(π φ). (10.3) この条件は内積を使うともっと簡単に書ける!

u F

F

1

2 θ φ π−φ

A

線路に平行な (単位ベクトルと限らない) ベクトルを A とする.

ベクトル F の, ベクトル A の向きの成分は, F · u = |F | cos θ ただし, u = 1

| A | AA と同じ向きの単位ベクトル.

線路上しか動けない列車のつりあいの条件は

F · u = (F 1 + F 2 + · · · F n ) · u = 0 (10.4) つまり, 合力 F の, (線路に平行な) ベクトル A の向きの成分が 0 になること. 成分 F · u は, 合力が A の向きにどれだけはたらくかを表す量.

上の力 2 個の場合に, この条件は, |u| = 1 より,

0 = (F 1 + F 2 ) · u =F 1 · u + F 2 · u = |F 1 ||u| cos θ + |F 2 ||u| cos φ

=|F 1 | cos θ − |F 2 | cos(π φ).

(10.5)

たしかに同じ条件になっている!

(11)

(例題 4)

まっすぐな線路が, ベクトル A =

 

  1

−2 0

 

  に平行に走っている.

1. 線路に平行な単位ベクトル u を求めよう.

2. 列車に力 F 1 =

 

  2 0 0

 

  , F 2 =

 

 

−1 1 0

 

  が加わっている. 線路に平行な力 F 3 を加えて列

車を動かないようにするには, F 3 はどのようなベクトルであればいいか考えよう.

3. 力の大きさ |F 3 | を求めよう.

u = 1 5

 

  1

−2 0

 

  . (−1 倍も可) F 3 = F u とおくと, F = 5 5 よって, 力の大きさは

5 5 .

F 3 = 1 5

 

  1

−2 0

 

  .

ポイント 1: A の向きの単位ベクトルは u = 1

|A| A.

ポイント 2: f u の大きさは |f |.

(12)

力以外にも ‘何とか向きの成分’ は使える (例題 5)

北が y 軸の正の向き, 東が x 軸の正の向き, 上が z 軸の正の向きであるような右手系をとる。

1. 南向きの単位ベクトルを成分表示で書こう。

2. 北西向き (北と西の中間 45 の向き) の単位ベクトルを成分表示で書こう。

3. 北西向きに 3km 進んだ。 これは, 北向きにはどれだけ進んだことになる?

4. 北向きに 2km, 次に東向きに 1km 進んだ。これは, 北西向きにはどれだけ進んだことに なる?

(答)

1. s =

³

0 , −1 , 0

´

2.u = 1

2

³

1 , 1 , 0

´ 3. 3/

2 4.1/ 2

内積 A · B のイメージ AB の協力度みたいなもの

2 つのベクトルの向きが近いほど正で大きい. cos 0 = 1

2 つのベクトルの向きが反対だと負. cos π = −1

2 つのベクトルの向きが直交してると零. cos π 2 = −1. A · B = 0.

仕事 (スカラー) は, 力 (ベクトル) と変位 (ベクトル) の内積.

B · u = B · A

|A| は, BA 向き成分.

q

(

) (

)

q

i, u は単位ベクトル.

A · i: ベクトル Ax 成分 (i 向きの成分) (A · i) i: ベクトル Ax 軸への射影.

A · u: ベクトル A の (有向) 直線 L 成分 (u 向きの成分)

(A · u) u: ベクトル A の直線 L への射影.

(13)

3 回転のバランスと外積 , ベクトル 3 重積

やじろべえ

¨

§

¥

香中

p.5,7 ¦

右の図のような原点で支えられたやじろべえが回転しな

い (つりあいの状態にある) 条件は,

|F 1 | : |F 2 | = |r 2 | : |r 1 |. (13.1)

じゃあ, 斜めに引っ張る場合は? x

y z

F

F r 1 r

1 2

2

2

1

N N

F 1 を, r 1 に平行,

垂直に分解して得られるベクトルを

F 1k , F 1⊥ とする.

垂直なベクトル

F 1⊥ , F 2⊥ がやじろべえの動きに効く. つ りあいの条件は

|F 1⊥ | : |F 2⊥ | = |r 2 | : |r 1 |. (13.2)

つまり |F 1 | sin θ : |F 2 | sin φ = |r 2 | : |r 1 |. (13.3)

y x

z

F

F

r r

1 2

2

1 θ

φ

実は, これはベクトルの外積を使うと便利に書ける. ¨ §

香中

p.7 ¥ ¦

n 個の力がはたらいているとき,

N 1 = r 1 × F 1 , N 2 = r 2 × F 2 , · · · , N n = r n × F n (13.4) とおく. これらを, (原点のまわりの) 力のモーメント という. 単位はニュートンメートル N · m.

つりあいの条件は, 力のモーメントの和がゼロになること:

N = N 1 + N 2 + · · · N n = 0 (13.5) 上の n = 2 個の力の場合には,

N = r 1 × F 1 + r 2 × F 2 = 0.

ここで, 外積の定義を使う.

(14)

0 =|r 1 ||F 1 |(sin θ)(−i) + |r 2 ||F 2 |(sin φ)(+i)

=(−|r 1 ||F 1 | sin θ + |r 2 ||F 2 | sin φ)i よって, 同じ式

|F 1 | sin θ : |F 2 | sin φ = |r 2 | : |r 1 |. (14.6) が得られた.

やじろべえの回転する向き N =r 1 × F 1 + r 2 × F 2

=

 

  0 2 0

 

  ×

 

  0 0

−1

 

  +

 

  0

−1 0

 

  ×

 

  0 0

−3

 

 

=

 

  1 0 0

 

  6= 0

(14.7)

で, つりあっていないので回転する. でも, どっちに?

x

y z

F

F

r r

1 2

2

1

回転の向き

回転軸は N に平行.

回転の向き (図で, 時計回りまたは反時計回り) は, N 向きに進む 右ねじ の回る向き.

3 次元やじろべえと外積

x

y z

F F

r

1 2

3

r 1

r 3

F 2

立体的なやじろべえのときも同じ. N = 0 ならつりあってる.

N 6= 0 なら,

回転軸は N に平行.

回転の向き (図で, 時計回りまたは反時計回り) は, N 向きに

進む右ねじの回る向き. · · · 右ねじの向き

(15)

外積 A × B のイメージ AB のはった網みたいなもの

2 本の棒 A, B を使って網を張るような感じ.

網の正対する向きが C = A × B の向き. (表裏あり)

網の面積, つまり 平行 4 辺形の面積 が |C| = |A × B| . 2 本の棒が違う方向を向いて るほうがたくさん魚がとれる.

フレミングの左手の法則とか, これで簡単に書ける. F = I × B.

スカラー 3 重積 ¨ §

香中

p.7 ¥ ¦

B × C はベクトル. ということは, A · (B × C) はスカラーになる. これをスカラー 3 重積と いう.

下の図から, 絶対値 |A · (B × C)| は, A,B,C を 3 辺とする 平行 6 面体の体積 .

体 積 だ か ら, A, B, C を 循 環 的 に 変 え て も 等 し い.

A · (B × C) = B · (C × A) = C · (A × B) = −C · (B × A) . (15.1)

(16)

(例題 6-1)

ベクトル A = (0 , 0 , 1), B = (1 , 1 , 1), C = (1 , −1 , 1) とする.

1. B, C を 2 辺とする平行 4 辺形の面積を求めよう.

2. A, B, C を 3 辺とする平行 6 面体の体積を求めよう.

(答)

1. B × C = (2 , 0 , −2) なので,平行 4 辺形の面積は |B × C| = p

2 2 + (−2) 2 = 2 2 と なる。

2. スカラー 3 重積 A · (B × C) = −2 より平行 6 面体の体積は |A · (B × C)| = 2 となる。

(例題 6-2)

原点を中心に回転するやじろべえを考える。

r 1 = (0 , 2 , 1) の点に力 F 1 = (0 , 2 , −1) を,

r 2 = (0 , −1 , 0) の点に力 F 2 = (0 , −1 , −2) を加える。

右の図 (ベクトルは正確ではありません) のように x 軸の

正の向きから見たとき, やじろべえは時計回り, 反時計回 りどちらに回るか考えよう。

y x

z

F

F

r r

1 2

2

1 θ

φ

(答)

N 1 = r 1 × F 1 = (−4 , 0 , 0) , N 2 = r 2 × F 2 = (2 , 0 , 0) (16.1)

より,N 1 + N 2 = (−2 , 0 , 0) は x 軸の負の向きとなる。従ってやじろべえは時計回りに回る。

(17)

4 ベクトル , 直線 , 平面

ベクトルで直線と平面を表現できるようになろう ベクトルで表すいろいろな図形

・直線のパラメータ表示

r = At + C (t はパラメータ) (17.1) A = (A x , A y , A z ) , C = (C x , C y , C z ) として成分で

表すと

x = A x t + C x y = A y t + C y z = A z t + C z となる。

・(空間の中の) 平面のパラメータ表示

r = At + Bs + C (t, s はパラメータ) (17.2) この式は位置ベクトル C で表される点を含み,ベクトル AB で張られる平面を表す。

・ (空間の中の) 平面の方程式

n を平面と直交する単位ベクトル, つまり単位 法線ベクトル とする。n = A × B

|A × B| で求め られる。r 0 を平面上のある一つの点を表す位置ベクトル,r を平面上の任意の点を表す位置ベ クトルとすると r r 0 は平面内に含まれるベクトルなので n と直交する;

(r r 0 ) · n = 0 (17.3)

D = r 0 · n と書くと n に直交する平面の方程式は

r · n = D (D は定数) (17.4)

となる。n = (a , b , c) としてこの方程式を成分で書くと,

ax + by + cz = D . (17.5)

となる。

(18)

(例題 7)

単位法線ベクトルが n = 1

14

 

  3 1

−2

 

  であり, 点 r 0 =

 

  1 2 3

 

  を通る平面の方程式を求め

よう。

(答)

式 (17.3) を用いる。r r 0 = (x 1 , y 2 , z 3)) なので平面の方程式は

1 14

³

3(x 1) + y 2 2(z 3)

´

= 0 すなわち

3x + y 2z = −1 (18.1)

となる。

(19)

(例題 8)

原点を頂点とする, 無限に高い, 傾いた円錐を考えよう. v = (1 , 1 , 2) は円錐の中心軸に平行で, 頂点から底面に向かうベク トルである。(図は正確ではありません。) また, 円錐の軸と母 線のなす角は π/6 である。2 点 P 1 ,P 2 は, −−→

OP 1 = (1 , 1 , 5),

−−→ OP 2 = (−1 , +1 , −3) である。この 2 点はそれぞれ, 円錐の内部, 表面上, 外部のどこにあるか答えよう。

x

y z

O

π/6 v

(答)

ベクトル −→

OP と v のなす角が θ < π/6 なら点 P は円錐の内部にある。また θ = 0 のとき, θ < π/6 と cos θ >

3/2 は同値なので 1. −−→

OP 1p の間の角度を θ 1 とすると,

cos θ 1 = v · −−→

OP 1

|v|

¯ ¯

¯ −−→

OP 1

¯ ¯

¯

= 4

3 2 >

3/2 (19.1)

従って,点 P 1 は円錐の内部にある。

2. −−→

OP 2p の間の角度を θ 2 とすると,

cos θ 1 = v · −−→

OP 2

|v|

¯ ¯

¯ −−→

OP 2

¯ ¯

¯ = 6

66 <

3/2 (19.2)

従って,点 P 2 は円錐の外部にある。

(20)

5 運動のベクトルによる表現

¨

§

¥

香中

1

章と

2

章の間

¦

位置ベクトル

3 次元空間に物体 P があって運動している. 例:飛行機, ボール, 蚊, . . . 座標系 xyz と原点 O は固定する。

ある瞬間の物体 P の位置は, 始点 を O, 終点 を P とするベクトル −→

OP で指定される。

これを P の 位置ベクトル という.

空間を物体 P が時間 t とともに, 移動していくとき P の 位置ベクトルは時間の関数なので, r(t) のように書く. た とえば

−→ OP = r(t) =

 

  x(t) y(t) z(t)

 

  =

 

 

3t + 2 sin t

3

 

  . (20.1)

x

y

z P

O r(t) r(1) r(0)

r(4)

(

(20.1)

に対する図ではありません。

)

相対位置ベクトル

物体 P の位置ベクトルを r P 物体 Q の位置ベクトルを r Q とする.

物体 Q に対する 物体 P の 相対位置ベクトル とは, Q か ら P に向かう矢印で表わされるベクトル r 1 である. いわば,

Q からみた P の位置ベクトル . O

Q P r

r r Q

P 1

このとき,

r Q + r 1 = r P . つまり r 1 = r P r Q . (20.2)

2点間の距離

r P (t) =

 

  x P (t) y P (t) z P (t)

 

  , r Q (t) =

 

  x Q (t) y Q (t) z Q (t)

 

  とする。時刻 t の P と Q の間の 距離 は

|r 1 (t)| = |r P (t) r Q (t)|

=

·³

x P (t) x Q (t)

´ 2 +

³

y P (t) y Q (t)

´ 2 +

³

z P (t) z Q (t)

´ 2 ¸ 1/2 .

(20.3)

(21)

時刻 t に P と Q が 衝突 する (21.1)

⇐⇒ 時刻 t−→

OP = −→

OQ (21.2)

⇐⇒ x P (t) = x Q (t), y P (t) = y Q (t), z P (t) = z Q (t) (21.3)

⇐⇒ 時刻 t に距離が 0 . (21.4)

(例題 9)

時間帯 0 < t < 3 4 π で, 位置ベクトルが r(t) =

³

cos(t) , sin(t) , 0

´

(21.5)

にしたがって運動する物体がある。

(1) 点 A (0 , 1/2 , 0) に最も近づく時刻 t を求めよう。

(2) 点 B (−1 0 , 0) を, 物体が通過するならその時刻 t を求めよう。

(答)

(1) 物体は時刻 t = π/2 に点 A に最も近づく。その時の距離は 1/2 となる。

(2) 物体は時刻 t = π に点 B を通過する。

運動の軌跡

xyz 空間内で, 物体が通過した点をつないでできる曲線を 軌跡 という。

たとえば空間を運動している物体 P の位置ベクトルが r(t) =

³

t 4 , 4t 2 , 0

´

の場合,物体の軌 跡は下の表より, 下右図のようになる。

t −3 −2 −1 0 +1 +2 +3 x +81 +16 +1 0 +1 +16 +81 y +36 +16 +4 0 +4 +16 +36

0 5 10 15 20

0 5 10 15 20

0

–1

–2

(

(

)

(

))

(22)

t-x, t-y, t-z グラフ

時間 対, x, y, z 座標のグラフを描くとわかりやすいこともある.

0 5 10 15 20

-10 -5 0 5 10

( )

4

0 5 10 15 20

-10 -5 0 5 10

2

( )

4

パラメータ表示と軌跡

一般に, t のような ‘余計な’ 変数を使って

r(t) =

 

  t 4 4t 2

0

 

  あるいは x(t) = t 4 , y(t) = 4t 2 , z(t) = 0

のように軌跡を表現する方法を パラメータ表示 という。

パラメータ表示から, 軌跡の方程式を導くことができる。

時刻 t を パラメータ (助変数) とする パラメータ表示 では運動の様子がすべてわ かるが, 物体の通過した道は見にくい。

軌跡の方程式 では, 物体の通過した道がどのような形になっていたかわかるが, 通過 した速さなどはわからない。

軌跡の方程式を求めるときには, 範囲がどうなっているか注意。

(23)

直線のパラメータ表示と方程式

2 点 A,B を通る直線のパラメータ表示.

a = −→

OA , b = −→

OB , c = b a

とすると, r (t) = (1 t)a + tb = a + ct . (23.1)

xy 平面内にあるとき a =

³

a 1 , a 2 , 0

´

, c =

³

c 1 , c 2 , 0

´

とすると

x =a 1 + c 1 t (23.2)

y =a 2 + c 2 t (23.3)

z =0. (23.4)

t を消去すると,

x a 1

c 1 = y a 2

c 2 (= t), z = 0. (23.5)

整理すると

平面の直線の方程式 y = c 2

c 1 (x a 1 ) + a 2 , z = 0. (23.6) xyz 空間内の直線

a = ³

a 1 , a 2 , a 3 ´

, c = ³

c 1 , c 2 , c 3 ´ とすると

x =a 1 + c 1 t (23.7)

y =a 2 + c 2 t (23.8)

z =a 3 + c 3 t (23.9)

t を消去すると,

空間の直線の方程式 x a 1

c 1 = y a 2

c 2 = z a 3

c 3 (= t). (23.10)

(24)

6 速度ベクトルと加速度ベクトル

1 次元の運動

x-軸の式は y = z = 0 だから, x-軸の上だけを運動する物体の位置ベクトルは,

r(t) =

 

  x(t)

0 0

 

  (24.1)

となり, ただ 1 つの関数 x(t) だけで表わせる。このように, 位置ベクトルの 1 成分だけで表わ せる運動を 1 次元の運動という。以下, しばらく 1 次元の運動を考える。

t x

a

b x

y

a b

z

1 次元の運動の t-x グラフと軌跡の関係

1 次元の運動の速度 ¨ §

香中

p.26 ¥ ¦

時刻 t 1 に 座標 x(t 1 ) にあった物体が, 時刻 t 1 + ∆t には 座標 x(t 1 + ∆t) ま で移動していたとする。座標の差 ( 変位 ともいう) は

∆x = x(t 1 + ∆t) x(t 1 ). (24.2)

【注】∆tは

× t

ではない。∆t

(デルタティー)

は短い時間を表わす変数。

O

t+∆t 1

∆x>0

∆x<0 x

x

x(t+∆t) 1

t 1 x(t) 1 x(t) 1

x(t+∆t) 1

関係

(距離) = (速さ) × (時間) (24.3)

から,

(時刻 t 1 から t 1 + ∆t までの平均速度) = x(t 1 + ∆t) x(t 1 )

(t 1 + ∆t) t 1 = ∆x

∆t . (24.4) 瞬間の速度を求めるには, ∆t 0 の極限を考えればよい。

速度 v(t 1 ) = dx

dt (t 1 ) = lim

∆t→0

∆x

∆t . (24.5)

要するに, 座標 x(t)t についての微分 (導関数) v(t) = dx dt (t) を時刻 t における物体の 速度

という。

(25)

【注】本や人によっては,

dx dt (t)

を,

x 0 (t), x(t) ˙

などと書いてあることもある。

速度と言ったときには正負に意味がある. 速さは速度の絶対値。

バックしてるときは 速度は 負 。

x

t

x

O 0

x(t ) x(t +∆t)

x(t +∆t) x(t ) t +∆t

t +∆t t

t

1 1

2 2

1 1

2 2

v(t )>0

v(t )<0

1

2

v t-x グラフ 物体の運動

v > 0 右上がり 上に向かう

v < 0 右下がり 下に向かう

v = 0 水平 (一瞬) 静止

速度 v(t 1 ) は, t = t 1 における x(t) の接線の傾き.

1 次元の加速度

¨

§

¥

香中

p.27 ¦

時刻 t 1 に 速度 v(t 1 ) だった物体が, 時刻 t 1 + ∆t には速度 v(t 1 + ∆t) に変化していたとする。

速度の変化分は

∆v = v (t 1 + ∆t) v(t 1 ). (25.6)

関係 (変化率) = (変化分) (時間) から,

(時刻 t 1 から t 1 + ∆t までの速度の平均変化率)

= v(t 1 + ∆t) v(t 1 ) (t 1 + ∆t) t 1 = ∆v

∆t .

(25.7)

瞬間の変化率を求めるには, ∆t 0 の極限を考えればよい。速度の瞬間の変化率のことを 加速度 a(t 1 ) = dv

dt (t 1 ) = d dt

µ dx dt

(t 1 ) = d 2 x

dt 2 (t 1 ) (25.8) という。要するに, 加速度 は速度の 1 階微分, 座標の 2 階微分のこと。

【注】本や人によっては,

a(t) = d dt 2 2 x (t)

を,

x 00 (t), x(t) ¨

などと書いてあることもある。

(26)

a tv tx 物体の運動

a > 0 右上がり 下に凸 速度増加

a < 0 右下がり 上に凸 速度減少

a = 0 水平 変曲点 速度一定

バックで加速してるときは 加速度は 負 (速度は減少中) 。

-25 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 25

-1 0 1 2 3 4 5 6

a

t a(t)

-10 -5 0 5 10 15 20 25 30 35 40

-1 0 1 2 3 4 5 6

v

t v(t)

-10 -5 0 5 10 15 20 25 30 35 40

-1 0 1 2 3 4 5 6

x

t x ( t )

再び, 3 次元を運動する物体の位置ベクトル r(t) =

 

  x(t) y(t) z(t)

 

  = x(t)i + y(t)j + z(t)k を考え

よう。

速度ベクトル ¨ §

香中

p.30 ¥ ¦

時刻 t 1 に 位置ベクトル r (t 1 ) にあった物体が, 時刻 t 1 + ∆t には 位置ベクトル r(t 1 + ∆t) ま で移動していたとする。

∆t 秒間の変位ベクトル ∆r =r(t 1 + ∆t) r(t 1 ) (26.9)

=(∆x)i + (∆y)j + (∆z)k (26.10)

∆t 秒間の平均速度ベクトル ∆r

∆t = r(t 1 + ∆t) r(t 1 )

∆t . (26.11)

= ∆x

∆t i + ∆y

∆t j + ∆z

∆t k (26.12)

(27)

時刻 t 1 における (瞬間) 速度ベクトル v(t 1 ) を求めるに は, ∆t 0 の極限を考えればよい.

v(t 1 ) = lim

∆t→0

r(t 1 + ∆t) r(t 1 )

∆t

= lim

∆t→0

µ ∆x

∆t i + ∆y

∆t j + ∆z

∆t k

= dx

dt (t 1 )i + dy

dt (t 1 )j + dz dt (t 1 )k

=

 

 

dx dt (t 1 )

dy dt (t 1 )

dz dt (t 1 )

 

  .

(26.13)

要するに成分ごとに微分すればよい。

x y

z x(t ) y(t )

y(t +∆t)

x(t +∆t) r(t +∆t) r (t )

v(t )

O 1 1

1

1 1 1

1

∆r

∆x

∆y

一般に, 時間の関数であるベクトル (ベクトル関数) A(t) があったとき,

∆t→0 lim

A(t 1 + ∆t) A(t 1 )

∆t =

 

 

dA 1

dt (t 1 )

dA 2

dt (t 1 )

dA 3

dt (t 1 )

 

  (27.14)

A(t)t = t 1 における微分といい, dA

dt (t 1 ) と書く。つまり, いまは v(t) = dr dt (t) 。 (例)

時刻 t = t 0 に位置 r 0 を通り,速度 v 0 を持つ物体の運動を表す位置ベクトルは

r(t) = r 0 + (t t 0 ) v 0 (27.15) となる。

速さ

時刻 t 1 における速さ =

¯ ¯

¯ ¯ dr dt (t 1 )

¯ ¯

¯ ¯ . (27.16)

速度 はベクトル. 大きさと向きがある.

速さ はスカラー. 速度の絶対値. 大きさだけ。

(28)

速度ベクトルの性質

速度ベクトルの向きは 軌跡の接線方向 . (瞬間の向き)

速度ベクトルの大きさは, 速さに比例. (瞬間の速さ)

物体が静止 速度ベクトルが 零ベクトル 速さが零.

加速度ベクトル ¨ §

香中

p.30 ¥ ¦

時刻 t 1 における加速度ベクトル a(t 1 ) = dv dt (t 1 )

= d dt

µ dx

dt (t 1 )i + dy

dt (t 1 )j + dz dt (t 1 )k

= d 2 x

dt 2 (t 1 )i + d 2 y

dt 2 (t 1 )j + d 2 z

dt 2 (t 1 )k =

 

 

d 2 x dt 2 (t 1 )

d 2 y dt 2 (t 1 )

d 2 z dt 2 (t 1 )

 

  .

(28.1)

やはり成分ごとに微分すればよい。

このベクトルを, a(t 1 ) = d 2 r

dt 2 (t 1 ) と書く。

(例)

一定の加速度 a 0 で運動する物体が時刻 t = t 0 に位置 r 0 を通り,速度が v 0 であった。この物 体の運動を表す位置ベクトルは

r(t) = r 0 + (t t 0 ) v 0 + (t t 0 ) 2

2 a 0 (28.2)

となる。

(29)

(例) 物体が, r (t) = t + sin t , 2t + 2 sin t ,

5 cos t で運動している。

1. 速度ベクトル, 加速度ベクトルを求めなさい。

2. 物体が静止する時刻を求めなさい。

3. 速さが最大となる時刻を求めなさい。

(答)

1. v(t) =

³

1 + cos t , 2 + 2 cos t , 5 sin t

´

, a(t) =

³

sin t , −2 sin t , 5 cos t

´ .

2. 静止するのは, v(t) = 0 となるときで, t = (2n + 1)π

3. 速さの 2 乗は, f(t) = |v(t)| 2 = (1+cos t) 2 +(2+2 cos t) 2 +(−

5 sin t) 2 = 10(1+cos(t)).

最大最小となるのは df (t)/dt = −10 sin t = 0 のときのはずで, t = nπ. 最大となる のは, t = 2nπ でそのとき |v(2nπ)| =

20. このことからも, 静止 v(t) = 0 となるの は t = (2n + 1)π であることがわかる.

(例) x 軸上を運動する物体の時刻 tx 座標が x(t) = exp

³ 1 + t 2

´

と表される。このとき時刻 t での物体の速度の x 成分 v(t) を求めなさい。

(答) v(t) = dx(t)/dt なので関数 exp

³ 1 + t 2

´

t で微分すればよい。多少,複雑な関数の微 分には合成関数の微分の式を何回か用いる:

v(t) = d dt exp

³ 1 + t 2

´

= d exp(u) du

¯ ¯

¯ ¯

u= 1+t 2

d dt

1 + t 2

= exp

³ 1 + t 2

´ d dt

1 + t 2 = exp

³ 1 + t 2

´ dv 1/2 dv

¯ ¯

¯ ¯

v=1+t 2

d

dt (1 + t 2 )

= exp

³ 1 + t 2

´ 1 2 v −1/2

¯ ¯

¯ ¯

v=1+t 2

2t = t

1 + t 2 exp

³ 1 + t 2

´

(29.1)

【注】合成関数 y = f (g(x))

の導関数

df(g(x))

dx = df (u) du

¯ ¯

¯ ¯

u=g(x)

dg(x)

dx (29.2)

(30)

7 位置・速度・加速度ベクトルと積分

¨

§

¥

香中

3

¦

位置 r(t)

微分

速度 v(t) = d r

dt (t)

微分

加速度 a(t) = d 2 r

dt 2 (t)

∆t→0 lim

A

∆t = dt d A(t) =

³ dA 1

dt (t) , dA dt 2 (t) , dA dt 3 (t)

´

(30.1)

積分は微分の逆

変数 t の関数 f (t), F (t) が,

dF

dt (t) = f(t) (30.2)

を満たすとする (例えば, 位置 x(t) = F (t), 速度 v(t) = f(t)). このとき, Z

f (t)dt = F (t) + C. (30.3)

f (t) は F (t) の (1 階) 微分, (1 階) 導関数

F (t)+C は 被積分関数 f(t) の (不定) 積分, C は積分定数, F (t) は f (t) の 原始関数 という。

基本的な関数の不定積分

dx α+1

dx = (α + 1)x α より Z

x α dx = x α+1

α + 1 + C , ただし α は定数で α 6= −1 (30.4) d log |x|

dx = 1

x より

Z 1

x dx = log |x| + C (30.5)

de αx

dx = αe αx より Z

e αx dx = e αx

α + C , ただし α は定数 (30.6)

d sin(ωx)

dx = ω cos(ωx) より Z

cos(ωx) dx = sin(ωx)

ω + C , ただし ω は定数

(30.7)

d cos(ωx)

dx = −ω sin(ωx) より Z

sin(ωx) dx = cos(ωx)

ω + C , ただし ω は定数

(30.8)

(31)

速度の積分は位置

位置 r(t) =

 

  x(t)

0 0

 

  , 速度 v(t) =

 

  v 1 (t)

0 0

 

  に対して,

dx

dt (t) = v 1 (t) だから x(t) = Z

v 1 (t)dt + C = Z dx

dt (t)dt + C (31.1) 位置

x(t)

微分

積分

速度

v 1 (t) = dx dt (t) (例)

1. 物体の速度が v 1 (t) = t 2 sin(2t) である. また, x(0) = 2 である. x(2π) を求めよう.

2. 物体の速度が v 1 (t) = 1 t cos(πt) である. 最初 t = 1 から 最後 t = 2 までの座標の変位

∆x = x(2) x(1) を求めよう.

x(0) = 2 のような条件を, 初期条件 という. 積分定数は, これを用いて決めることができる.

(答) 1.

x(t) = Z

v 1 (t)dt + C = 1 3 t 3 + 1 2 cos(2t) + C.

初期条件 x(0) = 2 より C = 3 2 . よって,

x(2π) = 8 3 π 3 + 1 2 + 3 2 = 2 + 8 3 π 3 .

2.

x(t) = Z

( 1

t cos(πt))dt + C = log |t| − 1

π sin(πt) + C.

x(2) x(1) =

³

log |2| − 0 + C

´

³

log |1| + 0 + C

´

= log 2 .

あるいは, x(2) x(1) = [x(t)] 2 1 = Z 2

1

v 1 (t)dt

参照

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