線形代数学Ⅲ 2021年度前期
工学部・未来科学部2年 情報メディア学科 他(金曜5限 / 2号館 2803教室) 担当: 原 隆(津田塾大学学芸学部数学科)
今年度は ハイブリッド講義 (ハイフレックス方式)で講義を実施いたしますので、例年からの変 更点が幾つかあります。ご留意ください。
1 講義内容
(シラバスより抜粋)「行列の標準形」の理論とは、ベクトル空間の基底を巧く取り替えて行列(線形変換) をなるべく簡 潔な形で表す理論であり、理論上も実用上も非常に重要な理論である。本講義では内積空間及び行列 の標準形の理論について解説する。最初に数ベクトル空間の基礎事項について、1年次開講の『線形 代数学Ⅱ』の講義では時間的制約のため扱わなかった内容 (線形変換の行列表示、基底の変換行列な ど) を中心に学ぶ。続いて数ベクトルの内積と正規直交基底の概念を導入した上で、行列の標準形の 理論 (特に対称行列の直交行列による対角化) について解説する。応用として2次形式の理論や2次 曲線・2次曲面の分類、ジョルダン標準形などを取り上げる予定である。
2 講義の進め方
基本的にシラバス(UNIPA 参照) に沿って講義を行います。
本 講 義 で は 、1 年 次 後 期 の『 線 形 代 数 学 Ⅱ 』に 引 き 続 き 数ベクトル空間の線形変換 お よ び 行列の標準形(対角化)について学びます。特に ベクトル空間の 内積構造 を用いると 行列が対角 化出来るための簡単な条件が求められることをきちんと理解することが最大の目標です。また、対角 化出来ない行列に対する標準形(ジョルダン標準形) についても簡単に扱います。
3 評価について
毎週実施する小レポートの点数と学期末考査の点数に基づいて評価します。より具体的には
小レポートの成績(最大30点) + (学期末考査の点数)×0.7と
学期末考査の点数100%
のうち得点の高い方を本講義の評点とします(小レポートについては後述します)。
⋆ 出席点は基本的に 一切考慮しません。
講義に出席する際には一応カードリーダーへのタッチをすることが推奨されていますが、タッ チのし忘れや認証ミスがあったとしてもあまり神経質になる必要はありません。また、Zoom の接続履歴を参照するつもりも一切ありません(超絶めんどいし)。。
⋆ 本講義で扱う内容に完全に即した教科書があまり見当たらないため、本講義では 参考資料 の プリントを配布し、講義の際に補助的に用います。プリントは各自がオンラインでダウンロー ドすることとし、紙媒体では配布しません。なお、後程詳しく説明する 小レポートの問題は プリントの演習問題の類題 が出題 されると考えていただいて差し支えありません。また、プ リントの演習問題の内容も 学期末考査の範囲に含めます。
4 教科書及び参考書
教科書: 特に指定しません
本講義の内容にぴたりと当て嵌まる教科書がなかなか見当らないため、本講義では教科書は指定し ません。代わりに参考資料のプリントを配布し、補助教材として用います。
参考書: 本当に様々なものが出版されていますので、色々と見比べてみましょう。自分に合った参考 書を使うのが一番です。無理に購入する必要もありませんが、線形代数学をしっかり学ぶ折角の チャンスですから、「いざというときに参照出来る本」を手元に一冊置いておくのも良いと思いま す。以下の書籍の候補にはかなり主観が入っており、万人受けするものではないかもしれません。
⋆ 加藤文元著 『大学教養 線形代数』 数研出版
最近出版された、線形代数の新定番になるかもしれない(と個人的に思っている)教科書。「高校の 数学の教科書やチャート式のようなスタイルの教科書を是非とも大学数学にも!」というコンセプ トで書かれた1冊で(本当にチャート式を出版している数研出版から刊行されています!!)、大学受 験のときに高校の教科書やチャート式で勉強した人にとってはお馴染みのレイアウトで読み易いか もしれません。加藤文元さんは非常に沢山の数学の本を執筆されていますが、どれも読み易さを考 慮した上で、数学の内容は本格的かつ堅実であると定評があり、お薦め出来る1冊です (まぁ私は チャート式は肌に合わなかったんですけどね(^^;)。ジョルダン標準形は第8章,第9章で扱われ ています(割とあっさりとした記述です)。
⋆ 平岡和幸・堀玄共著 『プログラミングのための線形代数』 オーム社
タイトルの通りプログラミング (特に画像処理等) への応用を想定して執筆された線形代数の教科 書。そのため図も豊富で、線形代数で扱われる1つ1つの操作が何を表しているのかを丁寧に解説 してある印象です。また、学生が躓き易いポイントを Q & A 形式で取り上げているのも特徴的。
ジョルダン標準形まで扱っていることもあって、非常に分厚い本となっていますが、将来画像処理 等で線形代数を使いこなしていきたいのであれば、困ったときに何時でも参照出来る辞書的な本と して手元に置いておくのは悪くない選択だと思います。
⋆ 中村郁著 『線形代数学』 数学書房
線形代数の理論的な部分を丁寧に解説しているばかりでなく、身近な問題 (例えば「今日のランチ を和食にするか? 洋食にするか?」とか) を対象とした確率論や物理学への応用の話題も豊富な本。
数ある線形代数の教科書の中でもかなり独特な本だと思います。少し難しい箇所もあるけれど、頑 張って読み進めたい一冊。
⋆ 三宅敏恒著『線形代数学 —初歩からジョルダン標準形へ』 培風館
簡潔かつ過不足無い説明ですっきりと線形代数を解説している定番の教科書。ただ、説明がすっき りまとまり過ぎていてイメージが湧きにくいこともあるかもしれません。それでもこの分量でジョ ルダン標準形までまとめあげているのは流石。
⋆ 佐武一郎著 『線型代数学』 裳華房
「線形代数学の教科書を一冊だけ挙げよ」と言われたら、恐らく多くの大学教員がこの本を挙げる であろう古典的名著。とにかくこの一冊をしっかり勉強して使いこなせるようになれば、大学数学 で必要とされるレベルの線形代数学の知識には困らないでしょう (本学のカリキュラムでは扱われ
ない内容も結構含まれています)。レイアウトやフォントが若干古くて読みづらいのが難点でした が、最近新装版が出てぐっと読み易くなりました。じっくり堪能したい一冊。意欲のある人向け。
⋆ 長谷川浩司著 『線型代数』 日本評論社
こちらも線形代数学についてかなり網羅的に書かれた本で、「しっかり書かれている」と定評のあ る本。本学の『線形代数学Ⅰ』と同様に、2×2行列や平面ベクトルの線形変換を導入としている 分、取っ掛かり易いのではないかと思います。佐武さんの本とはまた異なる話題も取り扱っていま すので、見比べてみるのも一興。ぶ厚いけれど、その分中身も充実しているので、慌てず地に足を つけて読み進めていきたい一冊。上級者・意欲のある人向け。
⋆ 斎藤毅著『線形代数の世界—抽象数学の入口』 東京大学出版会
「行列は線形変換である」という立場を極限まで突き詰めた本。そのため非常に抽象的で、よほど 抽象論に慣れ親しんでいないとこの本で独習するのは困難。ただ、このようなスタイルで書かれた 本はほぼ皆無なので、より理論的な数学、物理学に触れる際には重宝します。かなりの上級者向け (余程の自信がない限り、下手に手を出さない方が無難です)。
⋆ 新井啓介 他共著,『ベクトルと行列 —基礎から始める線形代数—』 培風館
言 わ ず と し れ た 本 学 の『 線 形 代 数 学 Ⅰ, Ⅱ 』の 教 科 書 。本 講 義 を 理 解 す る た め に は 、特 に 数ベクトル空間に関する諸概念 (線形独立性、基底など) をきちんと理解していることが必要 不可欠ですので、不安のある人は 特に 第5章 を良く復習しておきましょう!!
また、東京電機大学数学系列ウェブページ内 「ベクトルと行列」サポートページ*1 の第5章、第 6章に関する補足・進んだ内容に於いて、本講義で扱われる内容が紹介されています。ただ、教科 書の本編と比べると例や問題が格段に少なく、必要最低限のことしか書いていないので、サポート ページの資料のみで本講義を乗り超えるのは難しいかと思います。
5 小レポートについて
本講義は週1コマの講義であり、講義時間内に問題演習の時間をあまりとれません。線形代数学を 使いこなせるようになるためには問題演習による基礎訓練を積む ことが不可欠であり、出来れば講 義の内容に合った問題演習を毎週自主的に行っていただきたいところですが、自発的に毎週の講義内 容を復習するだけのモチヴェーションを保ち続けるのは実際には非常に困難かと思います。
以上の状況を鑑みて、本講義では 毎週小レポートを実施する ことにします。
⋆ 小レポートは 授業前頃に WebClass で公開し、WebClass で (オンラインで) 提出してい ただきます。
⋆ 1回の小レポートは (大体) 7点満点とし、上位5回分の得点の合計点 を小レポートの点数と します (最大30点 / 30点以上は切り捨て)。
⋆ 小テストの略解は、講義用 Webページ にて公開し(下記参照)、翌週の冒頭で講評を加えま す。提出された小レポートは、次週の講義までに採点してWebClass上で返却する予定です。
*1https://www.cck.dendai.ac.jp/math/support/latb.html
6 学期末考査について
現時点では試験・補講実施期間中に 筆記試験を実施 する 予定ですが、新型コロナウィルス感染 症の流行具合により レポートに変更となる場合があります。時期が近づきましたら別途お知らせい たします。
なお、筆記試験を実施する場合でも、オンラインでの履修者用の対策は講じる予定です。
7 受講に関する注意
⋆ 必ず UNIPA 上で指定期間内に履修登録して下さい(履修登録しなかった場合、学期末の学 力考査を受験出来ない場合があります)。小テストの採点・集計の都合上なるべく早めに登録 していただけると助かります。
⋆「板書が速くて追いつかない」との意見がしばしば出ますので、板書の記録用にデジタルカメ ラ、写メ等を用いることは許可しています。但し シャッター音を切るなど、周囲の受講者の 迷惑にならないよう十分に配慮すること。また、老婆心ながら忠告しておくと、写メを撮りっ ぱなしにして、後程自分でノートに纏めるなどしなければほぼ 100% 記憶から抜け落ちます。
IT社会の現今、「文明の利器」を積極的に利用していただくに越したことはないですが、それ を「使いこなせるか」どうかは自分次第であることを肝に命じましょう。
⋆ わざわざ銘記するまでもないですが、他の受講者の迷惑となる行為(私語、携帯電話、徘徊 etc……)は厳に慎んでください。大学生ともなれば (ましてや大学2年ともなれば) 社会的に は立派な「大人」です。周囲の利益にも配慮しつつ、自らの行動には自ら責任を取れる様に心 掛けましょう。
8 オンライン関係の注意事項
⋆ ハイブリッド授業ではありますが、指定日に大学に来ることを義務付ける意図はありません。
特に金曜5限の授業なので、感染予防のため帰宅ラッシュを避けたい、夜の北千住は治安が心 配、などの理由でオンラインの受講を希望される方は 特に断りなくオンラインで受講されて 構いません。(どうせ出席も取っていませんし)
⋆ レポートは基本的に「読める形」で提出してくだされば形式は何でも良い……と言いたいとこ ろなのですが、年々履修人数が増えており、レポートの整理だけで死にそうな状況となってい るため、ちょっとだけ制限をつけさせてください。推奨ファイル形式、禁止事項については次 のページにまとめてあります。なお、WebClass のファイルアップロード上限は 10Mb な ので、ご注意ください (なんちゅう仕様や)。
⋆ WebClass では 複数ファイルを同時提出出来ない ので (なんちゅう仕様やその2)、レポート の写真を撮って提出する場合はファイルを結合して 提出してください。以下に、ファイル結 合が無料で出来るサイトを挙げておきます (怪しげなフィッシングサイト等へのリンクが貼っ てあるサイトもめずらしくないので、無料のサイト、アプリを利用する場合はお気をつけて)。
⋆ iPadやデジタルペーパーで作成した(手書き)レポートの提出はもちろん可です。ファイル形 式にだけ気をつけて提出してください。
⋆ ネット環境の不具合により授業時間に接続出来なかった、などのトラブルの防止のため、
Zoom でのオンライン講義は録画し、WebClass で閲覧出来るようにします。予めご了承く ださい。
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レポート提出時の注意事項: まとめ
◎ 推奨形式: pdf, jpeg, png (△ docx; 詳細は下記参照)
◎ iPad,デジタルペーパーなどでの作成、文書作成ソフトでの作成も可
◎ Wordで作成した答案はそのまま(docx 形式で) 提出して構いません
◎ 禁止事項
1. HEIC 形式 (iPhone の写真のデフォルトファイル形式/ iPhone ユーザーの方 は、必要なら写真のファイル形式を変更してください)
2. Word に写真を貼り付けて提出 (そんなことするなら写真ファイルをそのまま 提出してください!!)
3. 複数ファイルを入れたフォルダを Zip 形式で提出 (これマジめんどいんで、お 願いだからやめてください!!)
◎ ファイル結合を無料で出来るサイト
◆ PNG to PDF https://png2pdf.com/ja/
◆ Hipdf https://www.hipdf.com/jp/png-to-pdf
◆ LightPDF https://lightpdf.com/jp/png-to-pdf
◎ 写真からレポートを手軽に作成出来るおすすめアプリ
◆ Adobe Scan https://app-liv.jp/4444824/
◆ CamScanner https://app-liv.jp/6612/
◆ Office Lens https://app-liv.jp/2171677/
9 質問の受付、講義情報
Web: https://edu.tsuda.ac.jp/~t-hara/Lectures/2021/linear algebra3.html
※UNIPAのシラバスにリンクを貼っておきますが UNIPA のページではありません!!
メールアドレス: [email protected]
※ 識別しやすくするため、タイトルの冒頭に [TDU: 線形代数学Ⅲ] と記入してください。
Webページには講義メモ及び配布物のファイルをおく予定です。動画や資料の共有、レポートの 出題提出のためにWebClass も併用します。
メールを出す際は、タイトルに用件を銘記した上で、学科、学籍番号、名前等の送信者の情報が分 かるようにして出す様にして下さい。相手が分からないメールには返信しません。また、単位につい ての嘆願等(「単位下さい」「試験日間違えたんでどうにかして!!」etc...) には 一切応じません。