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演題9.下顎歯肉頬移行部に発生した脂肪腫の1例

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Academic year: 2021

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岩医大歯誌 24巻1号 1999

67

演題9.下顎歯肉頬移行部に発生した脂肪腫の1例

○村田 尚子,渡邊 聡子,星  秀樹  杉山 芳樹,関山 三郎,佐藤 泰生*

 佐藤 方信*

岩手医科大学歯学部口腔外科学第二講座 同口腔病理学講座*

 脂肪腫は,全身における良性腫瘍のうち発現頻度は 高いものの,口腔領域ではその頻度は低い。今回我々 は,下顎前歯部歯肉頬移行部に発生した脂肪腫の1例 を経験したので,その概要を報告した。症例は68歳,

男性であった。初診は平成10年9月28日。主訴は,羽

歯肉頬移行部の腫脹であった。家族歴に特記すべき事

項はなかった。既往歴は約1年前より高血圧症にて加

療中である。現病歴は,同年9月上旬歯科治療で通院

中の某歯科医院にて32歯肉頬移行部の腫瘤指摘された

が,痙痛が無いため放置していたが,症状に改善がみ

られないため,同医院より本学第2補綴科を経て,当

科を紹介受診した。現症は体格中等度,栄養状態は良

好であった。口腔外所見は,顔色は正常,顔貌は左右

非対称で,右側オトガイ部に腫脹を認めた。同部には

発赤,圧痛および熱感はなかった。口腔内所見は,5司

歯肉頬移行部に比較的境界明瞭な栂指頭大の腫脹を認

め,波動を触知した。被覆粘膜は健康粘膜色で平滑で

あった。初診時臨床診断は右下唇腫瘍。処置及び経過

は,腫脹部に波動を触知したので試験穿刺を行った

が,内容物は吸引されなかった。同年11月30日局所麻

酔下に摘出術を施行した。摘出物は,薄い被膜で覆わ

れ,類円形で黄色を呈していた。病理組織所見は,大

小不同の異型に乏しい脂肪細胞の分葉状の増生から

なっており,病理診断は脂肪腫であった。術後3か月

現在,再発の徴候はなく経過良好であるが,再発や悪

性化の報告例もあるので長期の経過観察が必要と思わ

れた。

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