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Microsoft Word - 平成24年度 我が国情報経済社会における基盤整備.doc

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基礎調査報告書 平成24年度我が国情報経済社会における基盤整備 (我が国関連企業のASEAN における事業展開と IT人材育成課題に関する基礎調査) 報告書 平成25年3月29日 財団法人 国際情報化協力センター

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はじめに 本報告書は、財団法人国際情報化協力センターが経済産業省からの委託を受けて実施した平 成 24年度「我が国情報経済社会における基盤整備(我が国関連企業の ASEANにおける事業展 開と IT人材育成課題に関する基礎調査)」の結果を纏めたものです。 日本と ASEAN(東南アジア諸国連合)の交流は 1973年に始まりました。今年 2013年は日・ ASEAN友好協力 40周年を迎えます。両者はアジア地域の平和と安定、発展と繁栄のために協力 関係を築くと共に、パートナーとしても緊密な関係を築いてきました。2011年の日・ASEANの 貿易総額は 19.8兆円に上り、また、日本企業の主要な直接投資先ともなっています。 ASEANは我が国の企業にとって主要な生産拠点であると共に、近年は魅力ある市場としても 脚光を浴びています。これらの企業の活動を円滑に行うためには、今や、ITの利活用は必要不 可欠になっています。ITを十分に使いこなすためには、現地の優れた IT人材を確保し、育成 することが求められます。日本国内では、企業の IT人材のスキル評価の手段として情報処理技 術者試験(ITEE)が広く使われています。また、ITEEの幾つかの区分に相当する試験が InformationTechnologyProfessionalExaminationCouncil(ITPEC)試験として、既に ASEAN の 5ヵ国で実施されています。 一方、ASEANにおいてもIT人材の域内流動性を高めるために、MutualRecognitionArrangement (MRA)に基づいて、自国のITスキル標準と域内他国の標準とを相互参照できる統一的な基準を作 ろうとする計画があり、ASEANICTSkillStandardDefinitionsandCertifications(ISSDaC) プロジェクトでその検討が進められています。 これが実現するとASEANのいずれの国でも、同じ基準に基づくITスキルの評価が可能となり、 IT人材の域内流動性が高まるものと期待されています。しかしながら、このASEANが進めるITス キル標準が我が国のそれと大きく異なるものになると、我が国関連企業にとって、現地で雇用す るIT人材能力の評価基準が日本国内と現地で変わることになり、能力の評価を正確に行うことが 難しくなることが考えられます。 以上の様な背景を踏まえて、本調査では、これらに関連する情報を収集すると共に、ASEAN 各国関係機関及び我が国関連企業に対して訪問調査或いはアンケート調査を行いました。これ により、現状の把握と分析を行うと共に、今後の我が国の対応の在り方を提言しています。本 調査結果が、我が国の IT政策や企業活動の基礎情報として広く活用されることを期待致します。 なお、本事業の実施に際して、内外の関係機関や関係者の皆様から多大なご支援、ご協力及 び貴重なご示唆を頂きました。ここに心から感謝致しますと共に、厚くお礼申し上げます。 平成 25年 3月 財団法人 国際情報化協力センター 理事長 間塚 道義

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目次 第1章 事業の概要 ... 4 1.1 事業の背景と目的 ... 4 1.2 事業内容 ... 5 1.3 実施体制 ... 6 1.4 調査対象機関 ... 8 1.5 用語の定義... 9 第 2章 国内外の IT人材育成動向等調査 ... 11 2.1 調査の目的と要領 ...11 2.2 調査内容 ...11 2.2.1 ASEAN加盟国概要及び市場規模 ...11 2.2.2 ASEAN市場統合に向けた動き ... 21 2.2.3 ASEANでの我が国関連企業の進出動向概要 ... 27 2.2.4 我が国と ASEANとの IT関連交易状況概要 ... 30 2.2.5 我が国関連企業の IT人材活用事例 ... 34 2.2.6 我が国関連企業の現地 IT人材採用動向 ... 35 2.2.7 アジア ITスキル標準化イニシアティブの概要 ... 36 2.2.8 アジアにおける共通統一情報処理技術者試験の展開 ... 38 2.2.9 ASEANにおける ICTスキル標準制定の状況 ... 43 2.2.10 ITスキル標準及び IT技術者認証等の世界各地域における動向と ISO/IECにおけ る国際標準化動向 ... 46 2.3 ISSDaCプロジェクトのワークショップ報告 ... 52 第 3章 我が国企業の国内外の関係者意向調査 ... 57 3.1 調査の目的と要領 ... 57 3.2 調査内容 ... 57 3.2.1 各社の IT人材採用の取り組み ... 57 3.2.2 ITスキル標準、IT技術者試験(ITEE)の有用性調査 ... 60 3.3 調査結果の分析とまとめ ... 64 第 4章 ASEANの ICTスキル標準策定に関するキーパーソンへの意向調査 ... 67 4.1 調査の目的と要領 ... 67 4.2 調査内容 ... 67 4.2.1 ASEAN各国意向調査結果 ... 67 4.2.2 ITPEC加盟国キーパーソンへの意向調査結果 ... 68 4.2.3 ITPEC非加盟国キーパーソンへの意向調査結果 ... 74 4.3 調査結果の分析とまとめ ... 79 第 5章 まとめと提言 ... 82

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5.1 まとめ ... 82 5.2 調査のまとめ ... 83 5.3 提言及び提案 ... 85 5.3.1 ASEANでの IT人材育成に対する我が国の対応の基本的なあり方等の提言 ... 85 5.3.2 ISSDaCプロジェクトへの当面の我が国からの提案 ... 86 5.3.3 ASEANITスキル標準構築支援工程 ... 87 付録 1.参考資料一覧 ... 89 付 1.1 現地入手資料 ... 89 付 1.2 委員会資料 ... 90 付 1.3 一般参考資料 ... 90 付 1.4 参考 Webページ ... 90 付録 2.アンケート調査票 ... 91

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第1章 事業の概要 1.1 事業の背景と目的 (1)背景 我が国の企業がIT投資で解決したい中期的な経営課題として「迅速な業績把握、情報把握(リ アルタイム経営)」と共に「グローバル化への対応」が上位に挙げられており、年々増加傾向に ある1。これは、我が国企業の海外展開が加速していることを裏付けているものであり、中でも図 表1-1に見るように、2008年のリ ーマンショックによる落ち込み があったものの、日本からASEAN (東南アジア諸国連合)への対 外投資が急速に伸びている。 ASEANは主要な生産拠点である と共に、市場としても重要度が 増している。 こうしたIT投資のグローバル 化を推進するにあたって、現地 での正確・迅速な情報処理や企 業活動を円滑に行うためには、 ITの専門知識やスキルを持つ優 れた現地のIT人材の確保と育成 が求められる。 我が国ではIT人材の専門知識 やスキルを評価する基準として、 情報処理技術者試験2(ITEE)が実施されており、広く社会に受入られている。 アジアにおいても、日本のITEE合格者と同等の知識・スキルを認めるIT技術者の試験として、 アジア共通統一試験(ITPEC試験3)が実施されている。ASEAN域内ではフィリピン、ミャンマー、 マレーシア、タイ、ベトナムの5ヵ国が参加しており、ITパスポート試験(IP)、基本情報技術 者試験(FE)及び応用情報技術者試験(AP)の3つの区分で実施されている。また、シンガポー ルと日本との間でプロジェクトマネジャ試験(PM)の相互認証が行われている。それ以外のASEAN 1「グローバル化への考え方とグローバル IT人材育成への取組」(一般社団法人 日本情報システム・ユーザ 協会 2012年 5月 31日) 2独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が実施している国家試験として。平成 24年 12月現在、延べ受験者 数は 1,100万人を超えている。(IPAウェブページより) 3ITPEC:InformationTechnologyProfessionalsExaminationCouncilの略。 図表 1-1日本から ASEANと中国への直接投資額 兆円 ASEAN 中国 兆円 ASEAN ASEAN 中国 中国 出典:「日本の国・地域別対外直接投資」(JETRO)

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3ヵ国では、未だITに関する国家試験がない(ブルネイ、カンボジア、ラオス)、あるいは、試 験がある場合でも、それと日本のITEEと整合を図る動きはない(インドネシア)。 一方、ASEANにおいてもICT人材の域内流動性を高めるために、MutualRecognitionArrangement (MRA)に基づいて域内各国が自国のITスキル標準と域内他国の標準とを相互参照できる統一的 な基準を作ろうとする計画があり、ASEANICTSkillStandardDefinitionsandCertifications (ISSDaC)プロジェクト4で、その策定が進められている。 これが実現するとASEANのいずれの国でも、同じ基準に基づくITスキルの評価が可能となり、 IT人材の域内流動性が高まるものと期待される。我が国関連企業が、このIT人材の流動性の向上 を有効活用することによって、同地域における活動を更に円滑化するためにも、我が国とASEAN でのITスキル標準体系の整合は重要である。 (2)目的 ASEAN域内の動向を把握し、我が国が取るべき戦略を検討するために基礎調査を行い、その結 果等を踏まえて、我が国の対応について提言を行うことを目的とする。 具体的な調査として、文献やインターネットを通じて関連情報の収集を行う一方、ASEAN各国 の関係機関に対してはIT人材育成及びIT人材スキル標準への取組み等について、また、我が国関 連企業5に対してはASEANにおける事業展開の動向とIT人材育成課題等について、それぞれ関係者 にヒアリングやメールによる調査を行う。そして、その調査結果ならびに委員会での論議等を踏 まえて、ASEANでのIT人材育成に対する我が国の対応の基本的なあり方等を提言する。 1.2 事業内容 (1) 委員会の運営 委員会では、以下の内容を討議し、それをまとめる。 ア)ASEANでのIT人材育成に対する我が国の対応の基本的なあり方の提言 イ)ISSDaCプロジェクトへの当面の我が国からの提案 ウ)ASEANICTスキル標準構築支援工程(案)についての提言 (2) 国内外のIT人材育成動向等調査 国内外のIT人材育成動向等の基礎的情報について、国内外の文献・ウェブサイトや、財 団法人 国際情報化協力センター(CICC)の持つ情報等により調査を行う。 4 ISSDaCプロジェクト:タイ情報通信省が主導しているプロジェクト。これは、2010年 10月に ASEAN首脳会 議で採択された「2015年の経済統合の実現に向けて地域的、国家的、物理的、制度的及び人的な連結性の強 化を図る」ことを目的とした ASEAN連結性マスタープラン(MPAC)と、2011年 1月に ASEAN情報通信大臣 級会合(TELMIN)で策定された「ASEAN域内の ICT利活用の活性化」を目的とした ASEANICTマスタープラ ン 2015(AIM2015)の両方で重要なプロジェクトとなっている。 5ここで言う我が国関連企業とは、ASEANで事業展開をしている日本に本社のある企業で、国内及び ASEANに拠

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(3) 我が国関連企業の国内外の関係者意向調査 ASEANで国際展開している企業のIT人材に関する課題等を国内外の関係者に対して意 向調査を行う。 (4) ASEANのICTスキル標準策定に関するキーパーソンへのe-mail等調査 ASEAN関係機関の課題認識等調査のため、ITPEC加盟国の政府機関等関係者からASEANで のICTスキル標準策定方針等に関してe-mail等により調査を行う。 (5) ASEANのITスキル標準策定に関するキーパーソンへの現地ヒアリング調査 ASEAN関係機関の課題認識等を調査するため、ASEANのICTスキル標準策定に関与する各 国(ITPEC加盟国を除く)の政府機関等関係者からASEANでのITスキル標準策定方針等に 関し現地でヒアリング調査を行う。 1.3 実施体制 本調査は経済産業省からの委託を受けて、財団法人国際情報化協力センター(CICC)国際情 報化研究所が実施した。また、CICC内に「アセアン IT人材育成課題調査委員会」を設置した。 更に、IT人材育成、ITスキル標準に関して、独立行政法人 情報処理推進機構 IT人材育成 本部の協力を得た。 (1)実施体制 図表 1-2 実施体制 (委 員 会) アセアン IT人材育成課題調査 委員会 (協 力) 独立行政法人 情報処理推進機構 IT人材育成本部 (実 施 組 織) 財団法人 国際情報化協力センター 国際情報化研究所

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(2)委員会 アセアン IT人材育成課題調査委員会 委員・オブザーバは以下の通りである。 (敬称略・順不同) 1. 委員長 石崎 俊 慶應義塾大学 2. 委員 田辺 孝二 東京工業大学大学院 3. 委員 八木 智裕 NECラーニング株式会社 4. 委員 江崎 宏 株式会社東京信華 5. 委員 勝元 均 株式会社日立製作所 6. 委員 田ヶ原 恭子 富士通株式会社 7. 委員 小林 義幸 株式会社NTTデータ 8. 委員 竹原 司 株式会社デザイン・クリエィション 9. 委員 今川 克巳 横河電機株式会社 10.委員 依田 賢治 本田技研工業株式会社 11.委員 三宅 繁輝 独立行政法人 国際協力機構 12.委員 若松 勇 独立行政法人 日本貿易振興機構 13.委員 小川 和久 財団法人 海外産業人材育成協会 14.オブザーバ 益満 尚 総務省 15.オブザーバ 中澤 佑香 総務省 16.オブザーバ 小池 明 経済産業省 17.オブザーバ 梅田 英幸 経済産業省 18.オブザーバ 船渡 優太 経済産業省 19.オブザーバ 小川 健司 独立行政法人 情報処理推進機構 20.オブザーバ 宮澤 利成 独立行政法人 情報処理推進機構 21.オブザーバ 坂口 伸 独立行政法人 情報処理推進機構 22.オブザーバ 伊藤 実夏 独立行政法人 情報処理推進機構 23.オブザーバ 金 修 一般社団法人 日本情報システム・ユーザ協会 24.オブザーバ 角田 千晴 一般社団法人 日本情報システム・ユーザ協会 25.オブザーバ 堀川 雅紀 株式会社NTTデータ 26.オブザーバ 山本 英己 一般社団法人 情報サービス産業協会 27.事務局 橋爪 邦隆 財団法人 国際情報化協力センター 28.事務局 永谷 光行 財団法人 国際情報化協力センター 29.事務局 池田 裕 財団法人 国際情報化協力センター 30.事務局 白倉 裕子 財団法人 国際情報化協力センター

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1.4 調査対象機関 本調査では、以下の各国関係機関に訪問ヒアリング又はメールによる問合せ調査を実施した。 また、我が国を代表する幾つかの企業及びそのASEAN域内の現地法人に対しても訪問ヒアリング 又はメールによる問合せ調査を実施した。 訪問及びメールによる調査を行った各国関係機関は以下の通りである。メールによる調査を行 った国はITPEC試験の実施国である。また、タイを除く訪問国はアジア共通統一試験(ITPEC試験) を実施していない国である。シンガポールはITPEC加盟国ではないが、日本の情報処理技術者試 験のプロジェクトマネジャ試験と相互認証を行っている。 図表1-3 ASEAN各国の調査対象機関 国 調査対象機関 注1) 調査方法 注2) ブルネイ ・通信省(MINCOM) ・情報通信技術業管轄当局(AITI)ICT産業開発部門 ・ブルネイ大学(UBD) 訪問 カンボジア ・郵政・電気通信省(MPTC)通信監督規制局(TRC) ・国家ICT開発庁(NiDA) ・労働職業訓練省(MOLVT)国家能力標準局 ・王立プノンペン大学(RUPP)ITセンター ・JETROカンボジア事務所 訪問 インドネシア ・通信情報技術省(Kominfo)情報技術応用局 ・情報通信専門家認定機関(LSPTelematika) ・ASEAN日本政府代表部 ・JETROジャカルタ事務所 訪問 ラオス ・郵便通信省(MPT)IT局 ・国立ラオス大学(NUOL)ラオス日本センター・ ビジネス人材育成プロジェクト 訪問 マレーシア ・マレーシア行政近代化管理計画局(MAMPU) ・MultimediaTechnologyEnhancementOperationsSdnBhd(METEOR) ・マレーシアICT産業協会(PIKOM) メール ミャンマー ・通信郵便電信省(MCPT) ・科学技術省(MOST)ヤンゴンコンピュータ大学 注3) ・ミャンマーコンピュータ連盟(MCF) メール フィリピン ・科学技術省(DOST)ICT事務局 ・国家コンピュータセンター(NCC) ・フィリピン情報技術標準財団(PhilNITS) メール

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シンガポール ・情報通信開発庁(IDA)情報通信人材開発局 ・シンガポールコンピュータ協会(SCS) 訪問 タイ ・情報通信省(MICT) ・タイ国科学技術開発庁・アカデミー(NSTDAAcademy) ・ソフトウェア産業発展局(SIPA) ・ソフトウェアパーク・タイランド(SWParkThailand) ・タイソフトウェア産業協会(ATSI) ・チュラロンコン大学サシン経営大学院(Sasin) ・タイ専門家認定資格研究所(TPQI) ・ISSDaCプロジェクトのワークショップ 注4) 訪問 ベトナム ・情報通信省(MIC) ・VietnamTrainingandExaminationCenter(VITEC) ・ベトナムソフトウェア・ITサービス協会(VINASA) メール 注1)訪問国にある一部の調査対象機関は他の機関と合同でヒアリングを実施している。 注2)訪問調査は財団法人 国際情報化協力センター(CICC)が実施したが、独立行政法人 情 報処理推進機構(IPA)・IT人材育成本部の関係者も同行訪問を行った。 注3)ミャンマーでは同国の各地にあるコンピュータ大学は科学技術省の傘下にある。 注4)調査訪問ではないが、2013年 1月 31日実施された ASEANICTSkillStandardDefinitions andCertifications(ISSDaC)プロジェクトのワークショップ(第 1日目)に IPA及び CICC関係者が招待を受けた。 1.5 用語の定義 なお、この資料内で使っている用語の定義は以下のとおりである。 ① ITスキル標準:我が国では、IT関連サービス分野における職種と必要とされる技能(ス キル)を体系化したものとして「ITスキル標準」が用語として定着しており、我が国関 連の体系に関してはこの用語を用いる。後述の ITSSのほか、ユーザ企業の技術者等を対 象とした UISS(UsersInformationSystemSkillstandards)、組み込みシステム技術者 等を対象とした ETSS(EmbeddedTechnologySkillStandards)が策定されている。これら の 3種類の ITスキル標準を相互に参照するために共通キャリア・スキルフレームワーク (CCSF:CommonCareerSkillFramework、各 ITスキル標準の対象とする領域や構造の差 異も踏まえつつ、共通化できる知識項目や職種毎のレベル間について、整合化を進める ためのメタモデル)が提供されている。CCSFには、エントリレベルからスーパーハイレ ベルまで7段階あるが、ITEEではレベル 1からレベル4までの試験を行っている。 ② ICTスキル標準:ISSDaCプロジェクトでは ICTSkillStandardと表記されており、ASEAN

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各国のスキル標準はこれを直訳して用いる。用語の意としては、我が国の ITスキル標準 よりは主に ITベンダ技術者を対象とした ITSSに近い ③ ITEE:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が実施している情報処理技術者試験。こ こでは、主に ITパスポート試験(IP)、基本情報技術者試験(FE)、応用情報技術者試験 (AP)、及び高度試験の内シンガポールと相互認証をおこなっているプロジェクトマネジ ャ試験(PM)を指す。 ④ ITPEC試験:ASEAN5ヵ国(マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム)及 びモンゴルの ITPEC加盟国で実施されている IP、FE、APを指す。 ⑤ ITSS:ITSkillStandards。IPAが提供している主に ITベンダ技術者を対象とした IT スキル標準。各種 IT関連サービスの提供に必要とされる能力を明確化・体系化した指標。 産学における ITサービス・プロフェッショナルの教育・訓練等に有用な「ものさし」(共 通枠組)を提供しようとするもの。 ⑥ ICTProfessionalSkillStandardinASEAN:ASEAN連結性マスタープラン(MPAC:Master PlanonASEANConnectivity)及び ASEANICTマスタープラン 2015(AIM2015:ASEANICT Masterplan2015)に従い、2015年末までに策定を目指している ASEANの ICTスキル標 準。この策定のために ASEANICTSkillStandardDefinitionsandCertification(ISSDaC) プロジェクトが活動している。 ⑦ ISSDaCプロジェクト:ASEANICTSkillStandardDefinitionsandCertificationsの 略。ASEANICTスキル標準及び認証制度の策定を目指すプロジェクトのこと。タイ情報通 信省が中心となって活動しており、ASEAN域内の①ICT認定の基準とスキル向上プログラ ムの開発及び②スキル認定の相互認証協定(MRA:MutualRecognitionArrangement)の 確立を目指している。 ⑧ ASEAN:AssociationofSouth-EastAsianNations。東南アジア諸国連合。本報告書で は基本的に「ASEAN」の表記を用い、国内の固有名詞である場合(例:アセアンセンター) や様式の記載事項(例:付録2.アンケート調査票の記載事項及び様式名称)では「ア セアン」も用いている。

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第 2章 国内外の IT人材育成動向等調査 2.1 調査の目的と要領 この章では、日本国内及び海外の IT人材育成に係わる状況、動向など調査全体に係わる基 礎的な情報をまとめることを目的としている。 これらの情報を収集するにあたっては、主に国内外の文献・ウェブサイト、当財団を含む関係 機関の持つ情報及び関係者へのヒアリング等により入手した情報等を参照した。 2.2 調査内容 ASEANでは2015年の市場統合に向けたさまざまな活動が行われているが、ここでは、ASEANのIT 人材育成、ICTスキル標準及び域内各国の持つICTスキル標準との相互認証に関する調査を実施し た。また、ISOなど国際的な活動の中で進められているIT人材育成やASEANのITスキル標準と相互 認証構築のワークショップに参加したので、その情報も含めて報告する。 2.2.1 ASEAN加盟国概要及び市場規模6 (1) ブルネイ ブルネイ・ダルサラーム国(以下ブルネイ)は国土面積約 57 平方キロメートル(三重県とほぼ同じ)、人口約 425,000人7の国で はあるが、石油・天然ガスが主要産業となっており、1人当り GDP は 36,583米ドル8と、アジアでは経済的に豊かな国である。 現在、第 9次国家開発計画 2007-2012(9thNDP9:The9thNational DevelopmentPlan2007-2012)が進んでいる。9thNDP計画の全体 予算は 95億ブルネイドルとなっており、IT分野には 12%に相当す る 11.2億ブルネイドルが割当てられている。この予算をもとに、 電子政府イニシアティブなどが実行されている。また、通信分野 に 1億 1,500万ブルネイドルが割当てられている。 IT分野の主な監督官庁は通信省であるが、ITの推進役として、2000年に BruneiInformation TechnologyCouncil(BIT、ブルネイ IT評議会)が設けられた。2001年には、通信と情報産業を 管理する独立行政組織の AuthorityforInformationCommunicationTechnologyIndustry(AITI、 情報通信技術業管轄当局)が設けられた。また、IT関連の具体的な活動を行う組織として、 6 主に「アジア情報化レポート 2012アジアの IT動向比較」(CICC 2012年版)を基に記述。また、旗の図の 下に記述している貿易総額は「目で見る ASEAN-ASEAN経済統計資料-」(外務省 平成 24年 11月)より 72011年末の推定人口(同上) 8IMF(WorldEconomicOutlookDatabaseApril2012) (2011Estimate) 9但し、現実には 9thNDPが 2007年 2月に発表され、その 1年後の 2008年 1月に WawasanBrunei2035(Vision

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e-GovernmentLeadershipForum(EGLF)、e-BusinessLeadershipForum(EBLF)がある。さらに 2010年インフラなどに係わる IT開発をサポートする新たな組織として e-SocietyLeadership Forum(ESLF)が設立された。ESLF、EGLF及び ESLFと併せて、IT開発の 3本柱と位置づけされて いる。 こうした取り組みが功を奏し、WorldEconomicForumの NetworkedReadinessIndex(2012.4) 10では、142ヵ国中、54位となり、2008年に同 indexに対象国として参加して以来、約 10ポイ ント順位を上げた。その他にも、電子政府における ICT活用度で 37位、家庭におけるインター ネット接続度 25位、家庭におけるパソコン設置度でも 19位と高い順位であった。 ブルネイ経済開発庁(BEDA:theBruneiEconomicDevelopmentBoard)によると、更なる ICT インフラ強化と東南アジア諸国間とのネットワーク接続強化のため、新海底ケーブルが敷設さ れるとのことであり、その接続サービスは 2013年に開始される予定である11 また、ブルネイ保健省は、iSOFT社と共同で「1患者 1カルテ」システムをすべての国立医療 機関に導入する。これは Bru-HIMS(BruneiDarussalamHealthcareInformationandManagement System)と呼ばれ、まずは主要国立医療 4機関に導入され、2013年に全面稼動する予定である12 (2)カンボジア カンボジアは、IT政策策定・実施、IT関連プロジェクトの監 視・監督を実施する政府機関として、2000年 8月に、内閣府のも とに首相を長官とする National Information Communications TechnologyDevelopmentAuthority(NiDA、国家 ICT開発庁)が設 立された。2004年に NationalICTPolicyCambodiaの草稿が作 成され、各省庁、民間セクタのパブリックコメントの反映、修正 のための省庁間会合の開催などが進められたが、成立に至ってい ない。 NiDAは、行政事務の効率化のため、2001年から 2004年の 3年 間 に 韓 国 か ら 22 億 円 相 当 の 借 款 を 受 け 、 電 子 政 府 プ ロ ジ ェ ク ト GAIS(Government AdministrativeInformationSystem)を実施して、プノンペンにおける 27省庁、7地区役所、 76町村役場にネットワークを構築し、住民・土地・車両の登録システムサービスを稼動させた。 2006年からは、さらに韓国から 36億円相当の借款を受け、GAISを光ファイバ網で全国 24ヵ所 の州、市へ展開するため、PAIS/NII(ProvincialAdministrativeInformationSystem/National InformationInfrastructure)プロジェクトを推進している。 一方、組織体制の整備、人材育成に課題を持つ NiDAに対し、独立行政法人国際協力機構(JICA) は、ICT管理能力向上プロジェクト(2008年 2月-2010年 1月)を実施した。本プロジェクト 10http://www3.weforum.org/docs/GITR/2012/GITR_OverallRankings_2012.pdf 11ThePotsdameGovernmentcompetenceCenter 2012/05/20 12THEBRUNEITIMES 2011/08/18

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の一環として、30省庁の行政の電子化のニーズを調査、分析し、その結果に基づき、2009年 NiDAは電子政府ガイドライン及び政府の情報セキュリティガイドラインを発表した13 通信インフラの整備については、GAIS、PAIS/NIIの他に、日本政府の円借款によるメコン地 域通信機関ネットワーク事業14や中国政府の借款による大メコン圏(GMS)情報スーパ構想が進 められ、民間では TelecomCambodia社、ベトナムVittel社、中国 CFOCN社(CambodianFiberOptic CommunicationNetworkCompany)が主要都市間に光ファイバケーブルの敷設を進め、全国規模 のネットワークを整備しつつある。 通信インフラ整備のプロジェクトが進む中で、カンボジアにおける携帯電話の利用者数は急 増しており、MinistryofPostsandTelecommunications(MPTC)の統計によると、2011年 6月 で 1,087万人となり、2008年から 3年間での増加は約 3倍である。インターネットの普及につ いては、2011年 12月の利用者数は約 49万人で普及率は 3.1%であり、過去 2年間で約 7倍に増 加したが、ASEAN諸国の中では未だ低い数値となっている15 (3)インドネシア インドネシアは 30年続いたスハルト体制が 1998年に崩壊して以 降、2004年までの 6年間に大統領が 3人代わり、その都度、大統領 令や省令として新しい IT政策が打ち出されていたが、ほとんど履行 されることがなかった。さらに 1997年にはじまる経済危機では ASEANおよび韓国の中でインドネシアは最大の経済的打撃を受け、 1998年に経済成長率はマイナス 13%と落ち込み、経済の建て直しが 優先された。 この間、ASEAN諸国は政府主導で積極的に情報化を進めたため、 インドネシアは情報化に関して周辺国と大きく差をつけられる結果 を招いてしまった。しかしながら、汚職撲滅政策、治安維持、経済対策を掲げるユドヨノ政権 が 2004年発足し、その後 2009年再選したことから政治の安定と経済成長が見られるようにな った。 経済成長率は 2005年から 2008年まで 5%後半~6%台の成長を達成し、2009年は金融危機の影 響を受けて 4.5%に落ち込んだものの、2010年には堅調な民間消費に加えて過去最高を更新した 輸出と投資を原動力として従来の成長ペースを回復し 6.1%を記録した。これを反映し、世界経 済フォーラムが 2011年 4月に発表した「世界の IT競争力ランキング 2011」では健全なマクロ 経済環境が評価され、138ケ国中、53位(前年度比 14ランクアップ)となった。経済成長に加 えて、同国は 2億 4千万人で世界第 4位の人口大国であること、また天然資源が豊富なことを 背景に、最近新興国の中でも注目を集めている。 13ThePhnomPenhPost2009/08/25 14http://www.jica.go.jp/press/archives/jbic/autocontents/japanese/news/2005/000033/reference.html

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2011年における同国 IT市場は、ハードウェアが 73.4兆ルピア、ソフトウェアサービスが 8.6 兆ルピアで計 82.0兆ルピアの見込みである。中でも PCは堅調な成長を続けており、2012年の PC売上台数は前年比約 40%増の 690万台と堅調な成長が見込まれている。製品別には、ノート ブック及びタブレット端末の成長が目覚しい。 又、インドネシアは 1万 8千もの島からなる世界最大の島嶼国家であるため、情報化の推進 にあたり通信インフラ整備を推進中であり、2010年の固定電話普及率は 18.3%、2011年のイン ターネット普及率は 22.4%である。政府は通信インフラの未整備を是正し、都市と地方間のデ ジタルデバイドを解消すべく、2008年から光ファイバ海底ケーブルの敷設を行なうパラパ・リ ングプログラムを実行中で、2012年の完成を目指している。 一方、ITUの統計によると携帯電話加入者数は、2011年 6月時点で約 2億 2531万人となり、 普及率は 93%を超えている。このうち、約 1500万人が携帯電話を通じてインターネットにアク セスしており、数年後にはその数は、1億 2000万人程度になると言われている。16 また携帯電話やネットカフェ増加に伴うFacebookやTwitter等ソーシャルネットワークの利用 者の急増が特長として挙げられる。2012年 3月現在 Facebookアクセス者数は、米国、インド に次ぐ世界第三位の約 4,400万人である。 (4)ラオス ラオスは 2020年までに後発開発途上国(LDC,Least Developed Countries)からの脱却を目指す東南アジアの内陸国17である。大メ コン圏(GMS)経済協力に参加しており、また、南北経済回廊、東西経 済回廊において重要な位置を占め、「LandLocked」(内陸)国から 「LandLinked」(他国と結ばれた)国への移行を遂げつつあり、今 後の経済発展、社会開発が期待される。2012年 3月、日ラオス首脳 会談において、経済面での中国依存から脱却を模索するラオスと日 本政府は 7年ぶりとなる円借款供与の再開を合意した。 2011年 6月、第 7期(2011-2015年)第 1回国民議会が開催され、 科学技術省(MOST:MinistryofScienceandTechnology)、郵政・通信省(MPT:Ministryof PostandTelecommunications)などの新設が可決されるとともに、大統領、首相、内閣人事が 可決された。新設の MST、MPTは、これまでの IT担当官庁であった NationalAuthorityofScience andTechnology(NAST、科学技術庁)と NationalPostandTelecomAuthority(NPTA、郵便電 気通信庁)が省として昇格したものである。また、同年 9月には、元 NASTの所管であった e-GovernmentProject、InternetAdministrationCenter、LaoSatelliteProjectが MOSTよ り MPTへ移管された。 タイやベトナム等の周辺国が ITの利活用により発展の加速化を図る中、ラオスの情報化は遅 16http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120419/231157/から一部引用 17 ベトナム・中国・ミャンマー・タイ・カンボジアと国境を接している

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れ気味である。IT市場規模は、2011年が約 1.1億米ドル、2012年は約 1.5億米ドルが見込ま れているが、IT産業は未だ脆弱である。2010年時点で、ICT分野での企業数は約 200社であり、 合計約 4,000名の IT専門家を擁しコンピュータハードウェア、ソフトウェアの販売、研修、コ ンサルテーション、通信やインターネットのサービス提供に従事している。 国としての情報化は、政策立案からインフラ整備まで、国際機関や諸外国からの資金的・技 術的支援を受けて実施されるケースが殆どである。電子政府プロジェクトについては 2006年よ り中国輸出入銀行の借款を受けて実施されているが、2012年 4月にようやく首都を中心とした 第一フェーズ(3500万米ドル)が完成した。今後、地方に向けた第二フェーズ(5800万米ドル) が予定されている。日本は、国際協力機構(JICA)による「ITサービス産業人材育成プロジェ クト(2008年 12月-2013年 11月、3.8億円)」の実施を通じて、実践的 ITのスキル向上に 貢献している。 インターネットインフラ整備については、ラオス全土に光ファイバのバックボーン回線 (4,469km)の整備が進んでいるものの、エンドユーザが利用できるアクセス回線の整備は充分 ではない。2011年末でのインターネット利用者数は約 52万人となり、その普及率は 8.1%であ る。一方、携帯電話の利用は急速に伸びており、2012年 3月時点の加入者は 500万人(推定) で、過去 3年で 2倍以上の伸びを示し、その普及率は 75%となった。3Gについてはタイ等の周 辺国に先駆けてすでに全国的なサービス提供がはじまっている。 (5)マレーシア マレーシアの IT政策は、1991年に当時首相であった Dr.Mahathir Mohamadが発表した「2020年までに先進国入りを目指す『ビジョン 2020』(Vision2020、またはマレーシア語で Wawasan2020)」に 基づいて、労働集約型経済から知識集約型経済への転換を図り、先 進国入りすることを目標とした産業構造の改革の中で進められてき た。これを実現するべく、同首相は 1996年 8月にマルチメディア技 術を駆使した新たな IT産業を中心とするサービス・知識基盤型産業 を育成するイニシアティブ「MultimediaSuperCorridor(MSC)」(現 MSCMalaysia)18構想を発表した。 2010年 3月にナジブ・ラザク首相は、「Vision2020」を促進し、マレーシアを持続可能で高 所得の経済に変革するための「新経済モデル(NEM:NewEconomicModel)」を発表した。同首 相は、「NEMにより、マレーシアを地域的にも、国際的にも競争力を持つ国にする。また、一 人当り国民所得を現在の US$7,000から 10年後には US$15,000にする。19」と述べた。この NEM 18当初は MSCであったが、現在は MSCMalaysiaが使われている。同構想の推進企業である MDeC社ウェブペー ジには「MSCMalaysia(formerlyknownasMultimediaSuperCorridor)」と記載されている。 19「ICTStrategicReview2010/11(マレーシアコンピュータ・マルチメディア産業協会(PIKOM、2010年 7 月)。ここでは、「現在 1万 7,747リンギットの GDPを 2020年までに 5万 8,413リンギットにする」との記述

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とあわせて国家中期計画である「第 10次マレーシア計画(10MP、2011‐2015年)」が 2010年 6 月に発表された。10MPでは幾つかの具体的な ITの利活用が挙げられており、高齢者雇用促進 のためのデータベース開発、主要都市の高速ブロードバンド化と農村地区の無線インフラ整備 によるブロードバンド化の推進、2015年までにブロードバンド利用率を 75%にする、ブロード バンドの利用促進のために各 Mukim(Sub-district:幾つかの村が集まった行政区)に少なく とも1ヵ所のテレセンタを開設する、などがある。 また、ナジブ・ラザク首相は 2011年 10月、MSC他、一連の国家改革アジェンダを補完、最 新化しその締め括りとするべく、デジタル分野の改革を進める IT政策「デジタル・マレーシア」 を発表した。 ▽経済▽社会▽統治▽技術▽環境の 5つの面で革新と創造性、生産性を重視し、マレーシア をデジタル経済に変革させることが目標で、これにより 2020年までに国民総所得(GNI)にも たらす貢献額の目標を“750億リンギット”としている。 国家改革アジェンダには▽経済改革プログラム(ETP)▽政府改革プログラム(GTP)▽政治 改革プログラム(PTP)▽地方改革プログラム(RTP)がある。 マルチメディア開発公社(MDeC)が中心となり、電子商取引やオンラインビジネスの分野で の新規立ち上げ企業、起業家を支援する。“大学などの高等教育機関による知的財産の商業化 を推進し、創造性、考える力を育成する教育を行う”。 (6)ミャンマー 2010年 11月、20年ぶりの総選挙が実施された結果、22年以上続 いた軍事政権に終止符が打たれ、2011年 3月、テインセイン新政権 が発足した。同国の民主化の流れを受けて、欧米諸国が制裁の解除 や緩和に乗り出しており、日本も投資協定の締結交渉や円借款の再 開を表明している。 一方で中国、タイ、インドネシア、ベトナム等のアジア各国は、 港湾建設・鉄道建設・水路整備・工業団地建設・不動産ホテル開発・ 農業開発などへの大型インフラ開発プロジェクトの実現に向け積極 的に乗り出している。 情報化政策に関しては、2004年に ICT(InformationCommunicationTechnology)マスタープ ランとして、2006年~2010年までの次の 8分野の行動計画が取りまとめられた。①ICTインフ ラ、②ICT産業、③ICT人材開発、④電子政府、⑤電子商取引、⑥e教育、⑦ICT標準化、⑧ICT 法的枠組み

さらに 2011-2015年までのマスタープラン(2011-2015)が、韓国政府の協力の下、2011年 7 月、正式に発表された。

ミャンマー情報化の実質的な牽引役は、1998年に設立された MyanmarComputerFederation (MCF、ミャンマーコンピュータ連盟)である。ミャンマーには伝統的に勉強熱心な風土があり、

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IT技術者は新しい技術の習得や資格の取得に意欲的である。又、日本への親近感、信頼が高く、 日本語への順応性も高い。IT技術者の賃金も中国やベトナムに比べて安価のため20、ソフト開 発委託やアウトソーシング候補としても有力視されている。 一方、社会インフラ全般(電力、通信、物流等)及びロジステイック(道路、港湾、鉄道、 航空等)の未整備等、課題が山積しているが、今後、国際機関や海外からの援助及び投資等に より、急速に改善される可能性がある。 2011年 12月時点でインターネット利用者数は 11万人で普及率は 0.2%21であり、アジア諸国 の中でも大幅に後れを取っているが、これからの発展が大いに期待されている。 (7)フィリピン フィリピンは、英語が公用語の一つであることにより、欧米に 対して比較的安価な労働力を提供できた 1970年代に米大手半導 体メーカが進出し、その結果、半導体後工程及びコンピュータ周 辺機器産業が発展した。近年では、欧米企業による ITグローバル アウトソーシングの重要拠点となっている。ソフトウェアの輸出 においても、57%が米国向け、25%が英国向けとなっており22、欧 米市場の停滞の影響を受けやすい構造となっている。 2010年のフィリピンIT-BPO(ITBusinessProcessOutsourcing) 産業の売上は、90億米ドルとなり、GDP全体の 5%を占めた。同産 業には約 50万人が従事しており、全産業の中でも、多くの雇用を創出している。さらに同産業 の年平均成長率は 20%前後となっており、2011年には 110億米ドルの売上が見込まれている。23 また、情報通信技術委員会(CICT:CommissiononITC)は 2011年 6月に新しい情報化 5ヵ年 計画「ThePhilippines DigitalStrategy (PDS) 2011-2016」(以下 PDS)を発表した。PDS には、(1)行政の透明性、効率的なサービス提供、(2)全国民へインターネットサービス、(3) 全国民への投資:デジタルリテラシー、(4)ICT産業ビジネス革新の 4つの骨子がある。同時期 に、フィリピン政府24は情報化担当部署の改革を行い、CICTを科学技術省傘下の ICT局 (ICTO:Information and Communication Technology Office)と し て 再 編 し 、 Chairman と Commissionerの役職は廃止された。旧 CICT管轄下の協会や NCC25等は、科学技術省と大統領府 に再配置した26。ただし、この措置に対する民間 IT企業からの評価は必ずしも高くないようで 202012/6時点の情報によると大卒 IT人材の初任給は 100~200米ドル程度と中国の約 1/5、ベトナムの約 1/3 の水準である。http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20120627/405735/参照。 21http://internetworldstats.com/stats3.htm 22フィリピンソフトウェア産業協会 2011/10/25 23ComputerworldPhilippines 2011/11/25 24アキノ大統領(2010年 6月 30日就任) 25NCN:NationalComputerCenter 266月の各メディア発表の後も CICT発表の IT関連統計数字が出てきてはいるが、Webサイトの更新は 6月以

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ある27 情報通信の活用の面においては、フィリピンは SNS大国であり、数値は調査会社により若干 異なるが、SNSへの登録者数は、おおよそ国民の 83%28、オンラインユーザの 93%29と発表されて いる。また、Blogリーディング世界 2位、Twitterのユーザ数世界 8位であり普及率は 16%で ある30 また、IT関連消費の動向についても、2010年のフィリピンの平均所得は 2,000米ドルとなり購 買力が上がってきた中で、IT通信関連(携帯電話、ネットワーク通信料等)の消費額は 2009 年より 7%上昇した 45億米ドルとなった。これは世界 22位の数値であり、IT関連消費額は 2011 から-2015の間に年平均で 9%伸びると予測されている31 (8)シンガポール 今日のシンガポールは世界有数の情報化社会となっており、その 優れたビジネス環境は同国の国際競争力の向上に大きく貢献してい る。2011年 4月に世界経済フォーラムが発表した ITランキング32で、 シンガポールは 2010年に引き続き第 2位となった。過去 5年間で常 に世界 5位以内、アジアでは 1位の位置を確保している。 情報通信産業は、同国 GDPの約1割に貢献しており、ITは産業面 においても重要な位置を占めている。 情報化の第一の特色は、情 報通信開発庁(IDA:InfocommDevelopmentAuthority)の主導によ る電子政府など官主導のプロジェクトにある。中でも、行政分野の 電子化プロジェクトは常に中心的な位置を占め、取り組みの成果は行政の効率化と質の向上に 大きく貢献している。第二の特色は、ITの「実験場」、「ショールーム」としての世界への発 信である。第三の特色は、ITを徹底的に道具として使いこなす姿勢である。例えば、ERP(電 子式道路料金徴収システム)は、世界で初めてシンガポールに導入された。 IDAは、2010年、「RealisingtheiN2015Vision33」において、クラウドコンピューティン グ、GreenICT、ビジネス分析(Business Analytics)及び新電子政府マスタープラン(Next e-GovernmentMasterplan)の4つを新しい開発課題として推進することを表明した。まず、ク ラウドコンピューティングは、グリッドコンピューティングを 2009年に新しいパラダイムとし て再定義し、政府、研究機関、民間企業が一体となって、研究開発と利活用を進めている。二 27Newsbytes 2011/06/03 28TheManilaTimes2011/10/11 29ComScore社 ComputerworldPhilippines 2011/12/01 30TheManilaTimes2011/10/11 31Techbytes,21July 32世界経済フォーラム(WEF:World Economic Forum)が INSEADと共同で138ヵ国を対象に実施した「Networked Readiness Index2010-2011」。 33冊子のダウンロードは以下の URLから可能 www.ida.gov.sg/images/content/About%20us/About_Us_level1/_iN2015/pdf/realisingthevisionin2015.pdf

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番目の GreenICTは、エネルギー効率の高い IT機器の政府調達やデータセンタのグリーン化で ある。また、三番目のビジネス分析では、さまざまな関連部署と連携して活用することにより、 競争力を高めようとするものである。最後の新電子政府マスタープランは、新技術の利活用に よるサービス提供の強化と政府、企業、市民のコラボレーションにより新ビジネスモデルを構 築する計画である。 現在、シンガポールでは、主要なデータセンタ関連事業者の拠点設置が相次いでおり、アジ アの一大データセンタ集積拠点となりつつある。また、クラウド・サービスの本格普及の動き も、データセンタ設置の加速を促進している。シンガポール政府は、積極的にデータセンタ集 積拠点の環境整備を進めており、専門団地である「データセンタ・パーク(DCP)」を 2014年 半ばの稼働開始をめどに準備中である。 (9)タイ タイの情報化は、世界的にみて中位に位置づけられる。世界経済フ ォーラム(World Economic Forum)による“The Networked Readiness Index2012”では、全 142ヵ国・地域中 77位である。PC普及率は人 口 100人当り 30.9%、インターネット利用者数は同 22.4%である 34。”ThailandICTMarket2011andOutlook2012によれば、2011 年の ICT市場規模は 5,319億バーツであり、2011年 7月から年末にか けて発生した大洪水の影響で、前年度比 6.3%の伸びに留まった。規模 の内訳をセクタ別に見ると、ハードウェアが 17.6%(936億バーツ)、 通信が 76.9%(4,088億バーツ)、ソフトウェア及びソフトウェアサー ビスが 5.5%(294億バーツ)であった。また、2012年の予想 ICT市場規模は 5,916億バーツで 2011年の 11.2%増と予測されている。 情報化政策の推進体制については、2002年に省庁再編が行われ、MinistryofInformationand CommunicationTechnology(MICT、情報通信技術省)が政策を担当することになった。また、 MinistryofScienceand Technology(MOST、科学技術省)傘下の研究機関である National ElectronicsandComputerTechnologyCenter(NECTEC、国家電子・コンピュータ技術センタ ー)が政策や法案の起草を行うことになり、国家 ICT政策の推進体制が整備された。 近年の情報化政策における大きな出来事は、2009年の「ICTマスタープラン II(2009-2013)」 の成立であった。同マスタープランは、MOSTの管轄下 NECTECが中心となって策定された。こ のマスタープランのテーマは「SmartThailand」であり、2013年に向けたゴールとして次の 3 つが挙げられた。1)国民の 50%が ICTに親しみ、仕事や生活の中で使いこなせるようにするこ と、2)NetworkedReadinessIndexランキングで世界の上位国 25%の中に名を連ねること、3)ICT 産業の GDPへの貢献度を 15%にまで引き上げることである。この実現のため 6つの国家戦略を 34NationalStatisticOffice(タイ国統計局)"InformationandCommunicationTechnologySurvey(Household)

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挙げている。 「IT2010」に続く次期国家 ICT政策フレームワークである「ICT2020」は、2011-2020年の 10 カ年を対象とした IT開発、振興政策の基本枠組みであるが、タイの knowledge-basedsociety を構築する役割を担うものである。 2011年 7月の下院総選挙では,タクシン元首相の妹 YinrakShinawatra氏が党首を務めるプ アタイ党が過半数を取り政権を取った。新情報通信技術省大臣が就任し、ICTサービスを全国 民に普及させるための高速ブロードバンド網の構築、OneTabletPCperChild政策の推進、 ソフトウェア産業向けの支援等、ICT振興政策を打ち出している。 (10)ベトナム ベトナムの IT産業・市場は成長過程にあり、2010年のベトナム の IT産業規模は前年比 23.7%増の総額約 76.3億米ドル(ソフトウ ェア産業約 11.6億米ドル、デジタルコンテンツ産業約 9.3億米ドル、 ハードウェア産業約 56.3億米ドル)となった35 社会のあらゆる部分で IT利活用を進めているシンガポール、マレ ーシア等の国と比較すると、その進展の度合いはまだ総合的に低い。 世界経済フォーラムの「NetworkedReadinessIndexランキング」 においては、世界 138ヵ国・地域中 55位にランクづけされている。 他方、ベトナムは世界の中でも ITの普及スピードが速く、特にイ ンターネットと移動通信の普及の早さには目を見張るものがある。 2011年末時点のインターネットユーザ数は約 3,051万人(普及率 33.7%)であり、携帯電話に ついては、2011年末の携帯電話加入者数は約 1億 1,760万人(普及率約 131.7%)で、中国やイ ンドよりも高い普及率となっている。2009年 4月に 3G携帯電話事業者免許が地場 4企業に対 し発給され、2010年 9月には 1年後の周波数帯の割当を前提とした第 4世代携帯電話ネットワ ーク WiMAX・LTEのテスト運用が 5社に認められた。これを契機にベトナムの携帯電話市場やモ バイルコンテンツ市場は、今後益々活況を呈している。 2007年 1月、ベトナムは WTOに加盟した。この動きとあいまって、ビジネス環境整備が徐々 に進められていく中、外資系企業による輸出目的のコンピュータ・周辺機器の組み立て加工拠 点の設置や、ソフトウェア開発委託、携帯電話通話サービスの提供等が加速している。 世界的に ITに関連する様々な業務のオフショア・アウトソーシング(海外への委託)が拡大を 続ける中、日本企業ではコスト面の観点から優位性のあるベトナムに業務委託を行う動きが活 発になっている。ベトナム IT企業最大手の FPTグループをはじめ、企業の一部はソフトウェア 開発ビジネスにおいて日本市場を重要視する姿勢を鮮明に打ち出している。 35VietnamInformationandCommunicationTechnologyWhiteBook2010

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2.2.2 ASEAN市場統合に向けた動き ASEANは、2003年 10月バリで開催された首脳会議で ASEAN第二協和宣言を採択し、2020年 までに政治安全保障・経済・社会の協力を進める「ASEAN共同体」を創設することに合意した。 政治安全保障では、「ASEAN政治・安全保障共同体(APSC)」、経済の面では、「ASEAN経済共同 体(AEC)」、社会では、「ASEAN社会・文化共同体(ASCC)」を目指すこととした。そのうち、 「ASEAN経済共同体」では、物品、サービス貿易、投資、熟練労働者、資本のより自由な移動 を実現し、安定・繁栄・競争力のある ASEAN経済地域の創造を目指している。 2007年 1月の ASEAN首脳会合において、「セブ宣言」が署名され、2015年までに ASEAN共同 体を設立の加速することとした。また、2007年 11月シンガポールでの ASEAN首脳会合で署名 された「ASEAN憲章」が発効し、地域協力機構としての法人格が付与され、域内統合が進めら れている。2009年には、それぞれの共同体設立に向けた中長期的な取り組みを示す「ASEAN共 同体ロードマップ(2009~2015)」が示され、上記の共同体形成に向けた取り組みを加速した。 また、2010年ベトナムで開催された第 17回 ASEANSummitでは「ASEANConnectivityの マ スタープラン36」が承認され、このマスタープランの実現推進のため、ASEANConnecting CoordinatingCommittee(ACCC)設立された。なお、「ASEANConnectivityの マスタープラン」 には、2015年までに ASEAN統一の ICTスキル標準の策定とスキル認定に係る相互認証(MRA: MutualRecognitionArrangement)が含まれている。 「ASEAN経済共同体ブループリント」は、ASEAN経済共同体の創設に向けた 4つの柱の実施計 画を制定したもので、17のコア・エレメントが定義され、全 62の措置の取り組みが推進され ています。このうち、「単一市場・単一生産基地」では、7つのコア・エレメントが定義され、 全措置の約半分となる 32の措置の実施が計画されており、ASEANが注力する分野である。 (1) 単一市場と単一生産基地 (2) 競争力ある経済地域 (3) 公平な経済発展 (4) グローバル経済への統合

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図表 2-1 ASEAN経済共同体工程表37 ASEAN経済共同体(AEC) 1)単一市場と生産基地 →①物品貿易、②サービス品質、③投資、④資本移動、⑤人の移動、⑥優先統合分野、⑦食糧・農業・林業 ※優先12分野:木製品、自動車、ゴム製品、繊維、農産物加工、水産業、エレクトロニクス、e-ASIAN、ヘルスケア、航空、 観光、物流 2)競争力ある経済地域 →①競争政策、②消費者保護、③知的所有権、④インフラ開発、⑤税制、⑥電子商取引 3)公平な経済発展 →①中小企業、②ASEAN統合イニシアティブ 4)グローバル経済への統合 →①対外経済関係、②グローバルサブネットワークへの参加 ASEANブループリント(工程表) 「ASEAN経済共同体」を推進するため、各担当大臣会合が組織され、情報通信分野では、2011 年1月にマレーシア、クアラルンプールで開催された、第10回アセアン情報通信大臣会合 (TELMIN:ASEANMinisterialMeetingofTelecommunicationsandInformationIndustry)に おいて、ICTがASEAN成長のエンジンであるとの認識で一致し、「ASEAN域内のICTの発展と、包括 的で活発な統合されたASEANの構築におけるICTの利活用を計画する」ことを目的とした、「ASEAN ICTMasterplan2015(AIM)」が策定された。このAIMでは、ビジョン、6つの戦略的推進力、4つ の主要目標が定められ(図表2-2参照)、 2015年までの実現計画(図表2-3参照)が定められた。 (1) ASEANICTMasterplan2015(AIM) ① Masterplanのビジョン: ・ICTを活性化し変革することにより、より包括的で活力のある、統合されたASEANを創 出する ② 戦略的推進力: 3つの土台とそれを基盤とした3本柱からなる6つの戦略的推進力が制定された ・3つの土台 基盤整備:次世代基盤の提供及び、政策、法律の制定の支援 人材開発:熟練ICT技術者と知識コミュニティの開発 デジタルデバイトのブリッジ:ICTの力によるASEAN各国間及び国民間格差の是正 ・3つの推進力 経済変革力:ICT産業における貿易、投資、起業を促進するビジネス環境の整備と、 ICTをエンジンとしたその他産業の変革推進力 37http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/east_asia/activity/asean.html#part02

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生活向上力:公平に入手可能なICTによる生活水準の向上力 革新力:ICT産業の創造、革新、環境に配慮した成熟を促す力 ③ 実現目標 ・ICTをASEANの主要産業として成育させるとともに、他産業の競争力向上のエンジンと する ・高品質のICT基盤、熟練した技術者、革新的技術により、ASEANをグローバルハブとす る ・ICTの活用により、ASEANの人々の従事の方法、繋がり方、知識を得る手段を向上する ・ICTにより、ASEANのビジネス及び人々の地域協力を加速化し、ASEAN統合へ貢献する

図表2-2 ASEANICTMasterplan

Vision

Towards an Empowering and Transformational ICT: Creating an Inclusive, Vibrant and Integrated ASEAN

Pillars

1.Economic Transformation

-To promote trades, investment and entrepreneurship in the ICT sector, and build an ICT engine for sectional transformation

2. People Empowerment & Engagement

-To enhance quality of life through affordable and equitable ICT

3. Innovation

-To nature a creative, innovative and green ICT sector

Foundations

4. Infrastructure Development

-To provide the next generation infrastructure backbone and enabling policies and legislation

5. Human Capital Development

-To develop a skillful ICT workforce and knowledgeable community

6. Bridging The Digital Divide

-To elevatyecountries and people through ICT capabilities

Key Outcome • ICT as an Engine of growth for ASEAN countries • Recognition for ASEAN as a global ICT hub • Enhanced quality of life for peoples of ASEAN • Contribution towards ASEAN integration 出典:ASEANICTMasterplan2015,theASEANSecretariat2010

図表 2 - 1  A S E A N経済共同体工程表 37 ASEAN経済共同体(AEC) 1)単一市場と生産基地 →①物品貿易、②サービス品質、③投資、④資本移動、⑤人の移動、⑥優先統合分野、⑦食糧・農業・林業 ※優先12分野:木製品、自動車、ゴム製品、繊維、農産物加工、水産業、エレクトロニクス、e-ASIAN、ヘルスケア、航空、 観光、物流 2)競争力ある経済地域 →①競争政策、②消費者保護、③知的所有権、④インフラ開発、⑤税制、⑥電子商取引 3)公平な経済発展 →①中小企業、②ASEAN統合イニシア
図表 2 - 7  日系企業の A S E A N 1 0ヵ国への進出状況の推移                         (単位:社)     2 0 0 8 2 0 0 9 2 0 1 0 2 0 1 1 ブルネイ  1 0 8 8 8 カンボジア  3 9 5 0 6 3 7 4 インドネシア  1 , 2 9 6 1 , 2 8 7 1 , 2 7 8 1 , 3 0 8 ラオス  5 0 5 8 6 5 6 8 マレーシア  1 , 1 8 3 1 , 1 2 1 1 , 1 8 4 1 ,
図表 2 - 8 A S E A N名目 G D Pの推移( 2 0 0 2 - 2 0 1 1 ) 図表 2 - 9  A S E A Nと欧米日中韓との貿易高推移( 2 0 0 2 - 2 0 1 1 ) 出典:T h e  A S E A N  S e c r e t a r i a t発行の、「A S E A N  S T A T I S T I C A L  Y E A R  B O O K  2 0 1 0」、「A S E A N C o m m u n i t y  i n  F i g u
図表 2 - 1 6  日本と相互認証を行っている 1 1の国・地域  日本  韓国  IPA  HRD  台湾  III/CSF  フィリピン  PhilNITS ミャンマー MCF インド NIELITベトナム VITEC  タイ  NSTDA Academy シンガポール  SCS  マレーシア METEOR モンゴル NITP   中国 CEIAEC   ( 出典:I P A )2.2.7 アジア ITスキル標準化イニシアティブの概要 アジア ITスキル標準化イニシアティブとは、2000年 10月に
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