『海上武力紛争に適用される国際法サンレモ・マニ ュアル解説書』(三) : 人道法国際研究所が招集 した国際法学者と海軍専門家のグループによる起草
その他のタイトル San Remo Manual on International Law applicable to Armed Conflicts at Sea (3)
著者 竹本 正幸, 安保 公人, 岩本 誠吾, 真山 全
雑誌名 關西大學法學論集
巻 46
号 1
ページ 157‑186
発行年 1996‑04‑25
URL http://hdl.handle.net/10112/00024568
︹ 資 料 ︺
パラグラフ
1 4 ー
2 2 )
パラグラフ
2 3 ー
3 3 )
ー人道法国際研究所が招集した国際法学者と海軍専門家のグループによる起草ー•—
序 説
略語表
第 一 部 総 則 第 一 節 法 の 適 用 範 囲 第二節武力紛争と自衛に関する法 第三節安全保障理事会が行動をとった武力紛争 第 四 節 海 戦 の 区 域 第 五 節 定 義 第 二 部 作 戦 海 域 第一節内水︑領海およぴ群島水域 第二節国際海峡と群島航路帯通航
︵パラグラフーー
2 )
︵ パ ラ グ ラ フ
3 1
6 )
︵ パ ラ グ ラ フ 7 ー
9 )
︵ パ ラ グ ラ フ
1 0 1 1
2 )
︵ パ ラ グ ラ フ
1 3 )
﹃海上武力紛争に適用される国際法サンレモ・マニュアル解説書﹄︵三︶
真 岩 安 竹
一 五
七 山 本 保 本
︵ 一
五 七
︶ 誠 公 正
﹃海上武力紛争に適用される国際法サンレモ・
全 吾 人 幸
マ ニ ュ ア ル 解 説 書
﹂ ︵
三 ︶
関 法 第 四 六 巻 第 一 号
︵ パ
ラ グ
ラ フ
3 4
1 3
5 )
︵ パ
ラ グ
ラ フ
3 6
1 3
7 )
︹ 以 上 ︑ 第 四 五 巻 五 号 ︺
︵ パ
ラ グ
ラ フ
3 8 1 4
5 )
︵ パ
ラ グ
ラ フ
4 6 )
︵ パ
ラ グ
ラ フ
4 7
1 5
8 )
︵ パ
ラ グ
ラ フ
5 9 1 6
6 )
︵ パ
ラ グ
ラ フ
6 7
1 7
1 )
︵ パ
ラ グ
ラ
7 7
2 1
7 7
)
︹ 以 上 ︑ 第 四 五 巻 六 号 ︺
︵ パ
ラ グ
ラ フ
1 5 9 1
1 6 0 )
︵ パ
ラ グ
ラ フ
1 6 1 1
1 6 8 )
︵ パ
ラ グ
ラ フ
1 6 9 1
1 7 3 )
︵ パ
ラ グ
ラ フ
1 7 4 1
1 8 3 )
第三節排他的経済水域と大陸棚
第四節公海と国家管轄を越える海底
第三部基本的規則と攻院目標の区分
第 一 節 基 本 的 規 則
第二節攻繋に際しての予防措置
第三節攻撃を免除される敵国の船舶と航空機
第四節その他の敵国の船舶と航空機
第五節中立国の商船と民間航空機
第六節民間航空機に関する予防措附
第四部海上における戦闘の方法と手段
第 一 節 戦 闘 の 手 段
︵ パ ラ グ ラ フ
7 8
1 9
2 )
第 二 節 戦 闘 の 方 法
︵ パ ラ グ ラ フ
9 3 1 1
0 8 )
第 三 節 欺 眺
︑ 奇 計 お よ び 背 信 行 為
︵ パ ラ グ ラ フ
9 1 1 0
l l l )
︹ 以
上 ︑
本 号
︺
第五部攻繋に至らない措骰︵インターセプション︑臨検︑捜索︑針路変更および拿捕︶
第 一 節 船 舶 と 航 空 機 の 敵 性 決 定
︵ パ ラ グ ラ フ
1 1 2 1
1 1 7 )
第 二 節 商 船 の 臨 検 と 捜 索
︵ パ ラ グ ラ フ
1 1 8 1
1 2 4 )
第三節民間航空機のインターセプション︑臨検および捜索︵パラグラフ
1 2 5 1
1 3 4 )
第 四 節 敵 国 の 商 船 と そ の 貨 物 の 拿 捕
︵ パ ラ グ ラ フ
1 3 5 1
1 4 0 )
第 五 節 敵 国 の 民 間 航 空 機 と そ の 貨 物 の 拿 捕
︵ パ ラ グ ラ フ
1 4 1 1
1 4 5 )
第 六 節 中 立 国 の 商 船 と そ の 貨 物 の 拿 捕
︵ パ ラ グ ラ フ
1 4 6 1
1 5 2 )
第 七 節 中 立 国 の 民 間 航 空 機 と そ の 貨 物 の 拿 捕
︵ パ ラ グ ラ フ
1 5 3 1
1 5 8 )
第六部被保護者︑衛生輸送手段および衛生航空機
一 般 規 則
第 一 節 被 保 護 者 第 二 節 衛 生 輸 送 手 段 第 三 節 衛 生 航 空 機
一五八
︵ 一
五 八
︶
.2 8 7 .1 8 7 注解 れ ば な ら な い ︒
戦 闘 の 手 段
一 五
九
.ミサイルその他の投射物︵超水平線能力を持つものを含む︒︶は︑パラグラフ 7 8
3 8
ー
4 6 に定める目標区別原則に従って使用しなけ
本パラグラフの作成に際し︑超水平線
( O T H )
能力と視程外
( B V R )
能力を持つ兵器について特別規則を発展させる
べきであると考える者と︑海戦に適用できる一般原則︑特に攻撃の際の予防措置に関する既存の規定に照らして︑そのような特別
規則は不必要と考える者との間に︑激しい議論が生じた︒議論の焦点は︑特に技術上の目標捕捉システムと自己破壊装置に関する
義務を設けることによって︑ミサイルと他の投射物の使用を本文書の枠組内で特別に制限すべきか否か︑という問題であった︒そ
うした兵器システムを使用する際の技術面について︑また︑ 一般的で詳細な目標区別規則に従う義務を定める適切な方式が見つか
るかについて︑長い討議が行なわれた︒使用技術の観点から︑軍事目標と攻撃を免除される物とを完ぺきに隔離すれば︑後者の保
護を効果的に確保することになろう︑と主張された︒しかし︑この問題は︑後のパラグラフ
1 0 5 │
1 0 8
で 扱
わ れ
る ︒
ミサイルの強制的な自己破壊装置に関するパラグラフ︑または︑撃ち放し兵器と通常特徴づけられる手段を禁止するパラ
グラフを設けなかったのは︑そうした兵器を一旦発射すると︑その飛翔速度からして指揮官が判断を再考する余裕はないであろう
と参加者が考えたからである︒また︑狙った目標を外れたミサイルは︑自立して︑その区域内の必ずしも軍事目標ではない他の船
﹃海上武力紛争に適用される国際法サンレモ・マニュアル解説書﹄︵三︶ ミサイルその他の投射物
第一節
第四部海上における戦闘の方法と手段
︵ 一
五 九
︶
注解 7 9
.航走を終えた際に沈まないか︑その他の方法で無害とならない魚雷は︑使用を禁止する︒
魚 雷
めて明瞭にしている︒ .4 8 7 テムを持つか否かとは関係がない︒ .3 8 7 舶を指向することがあるという事実について︑憂慮が表明された︒そのため︑参加者は︑区別原則と攻撃の際の予防措置に関する 義務について︑完全に明確に記述することが非常に重要であると考えた︒また︑この種の兵器のほとんどは︑海面に衝撃すると爆 発するかそれとも衝撃後に沈むかのいずれかであり︑したがって航走を終えた魚雷と同じように無害になる︑と述べられた︒
( 1 3 1 )
OTH や BVR の能力を持つ兵器についてアメリカの指揮官ハンドプックが用いた記述をこのテキストに含めるのが適当
かどうかの問題について長い討議が行なわれた︒その記述は︑ミサイルと投射物の合法性をそれらが OTH か BVR の誘導システ
ムに依存しているか否かに基づかせているように思われる︒参加者は︑ OTH や BVR がいかなるものかの認定は攻撃時の多くの
要素によるので︑目標区別原則と結び付いた広い基準の方がより適切であると考えた︒その合法性の基準は︑すべてのミサイルと
投射物に適用されるべきであって︑センサーを装備しているか︑または外部からの目標情報と連接した OTH や BVR の誘導シス
( 1 3 4 )
﹁超水平線または視程外の誘導システムに依存するミサイルと投射物は︑目標の区別を確保するために十分なセンサーを
持ち︑または外部からの目標データ・ソースと結合して使用される場合は︑合法である︒﹂アメリカの指揮官ハンドプック︑
p a r a
9 .
. 7
選択されたこの解決法は︑指揮官が OTH や BVR の能力を持つものを含めてミサイルや投射物の発射を決定する際︑付
随的な損害に対する考慮に重きを置くことを含めて目標区別の基本的原則と攻撃に際しての予防措置を︑特に重視すべきことを極
関 法 第 四 六 巻 第 一 号
一 六
〇
︵ 一
六 0
)
前置きの説明 機
雷 7 . 9
2 1 3 5
一 六
︵ 一
六
( 1 3 1 )
一 九
0 七年のハーグ第八条約の魚雷に関する規定を再録したものに過ぎない︒自動的に海底に沈むのが
この義務を果す普通の方法となっているが︑この規則が今日でも有効であることを今後魚雷の開発にかかわる者に想起させるため
に︑それを再述することに異論はなく︑また︑有益であるとみなされた︒
第 一 条 三 項 ︒
この特別の規定が設けられたのは︑この要件がなければ魚雷は航走を終えるや否や水上に停止し︑浮遊機雷とまさに同様
になると推定されるからである︒そうした魚雷は︑攻撃を免除される船舶に対して直ちに危険なものとなるであろう︒このため︑
それを本文書で再確認するのは時宜を得たものであり非常に価値があることは︑ハーグ第八条約の条項と同じように明らかである︒
機雷戦については︑﹁自動海底触発水雷ノ敷設二関スルハーグ第八条約﹂で規定されている︒同条約の起草の際︑機雷を全面的
に禁止する合意ができなかったことが遣憾とされた︒第一次湾岸戦争の交戦国による実行は︑同条約の規定が現代の海戦において
も引き続き効力を有していることを明らかにしたけれども︑同条約で規定された制限事項が特別な︱つのカテゴリーの機雷︵自動
触発機雷︶のみに適用されることになっているのは︑大きな欠点であると一般に考えられている︒したがって︑参加者は︑慣習法
と︑地雷の使用禁止と制限に関する一九八 0 年の通常兵器条約第二議定書とを基礎として作成すれば︑既存規則を大きく改善する
ことが可能であろうと考えた︒規則改善の必要性は︑区別原則と攻屹の際の予防措置に関する一般的規則の適用性との一層の発展
を参加者が重要視したことからも︑論理的に導かれた︒戦闘の手段と方法に関する報告者は︑主として海戦の軍事目標に関してす
でに合意された規則の導入︑海洋国の実行および規則との密接な関連︑ならびに︑国際連合に提出された機雷に関する議定書のス
( 1 3 6 )
ウェーデン提案に依拠することを提案した︒しかしラウンド・テープルは︑それとは異なるアプローチを採用すべきであると考え
﹃海上武力紛争に適用される国際法サンレモ・マニュアル解説書﹄︵三︶
7 9
. 1
本パラグラフは︑
8 . 0 2
別的な機雷敷設の違法性を明確に規定するために︑特に機雷の敷設に関連してこの規則を再確認することが有用であるとみなした︒
パラグラフ
8 7 は︑本パラグラフの意味を明瞭に示す例である︒
区域デナイアル
( a r e
a
d e n i
a l )
のために機雷を使用する合法性について明示的な言及を含めることは︑有益と思われた︒
機雷は︑敵が一定区域を使用するのを拒否するために好んで用いられる手段である︒そうしたデナイアルは︑様々な方法で達成す
ることができ︑それには︑その区域に機雷を敷設していないときに機雷を敷設したと敵国に偽の情報を知らせること︑もしくは実
8 . 0 1
注解 ﹁機雷とは︑船舶に損害を与えもしくは沈める意図をもって︑または︑ある海域に船舶が進入するのを阻止する意図をもって︑
この定義は︑潜水工作員︵フロッグマン︶が船舶および海岸施設に取り付ける爆発装置を除外している︒また︑参加者は︑カプ
セルに装着された魚雷
( C A P T O R )
のような装置で︑専門的には機雷と呼ばれるものは︑その使用法のいかんによってパラグ
ラ フ
7 8 と
7 9 に掲げた要件にも服することを指摘した︒
( 1 3 6 )
この報告書は︑もともと一九八 0 年五月八日に提出されたワーキング・ペーパー
( U
D N
o c
.
A
I
<
りZ.lo141) を参考にし
たものであった︒専門家の間でさらに討議がなされた後︑スウェーデンは︑一九九一年︱一月四日に︑国連総会第一委員会
に改定版を提出した
( U
D N
o c
.
A / C .
1 / 4 6 / 1 5 0
f6
N o
v e
m b
e r
1
9 9 1 ) ︒
8 0 .機雷は︑正当な軍事目的︵敵国に対する海洋区域デナイアルを含む︒︶のためにのみ使用することができる︒
機雷を正当な軍事目的に限って使用する義務は︑国際人道法の規則から論理的に導かれる︒参加者は︑公海で行なう無差 海中︑海底またはその地下に敷設される爆発装慨である︒﹂ 本文書のために︑次の機雷の定義が用いられる︒ た︒簡潔で明瞭な規則の発展が望ましいとされた︒それらの規則は︑本文書のパラグラフ
8 0 1 9
2 に 示 さ れ て い る ︒
関 法 第 四 六 巻 第 一 号
一 六
︵ 一
六
その表現形式は 注解 .4 ゜ 8 に作られていないからである︒ 攻勢的敷設二敵国が支配する水域または敵国の海上交通線に不可欠な錨地への敷設︒
一 六
︵ 一
六
守勢的敷設る機雷は︑敵が交戦国の領域︵沿岸水域︑海岸︑錨地その他︶に近接するのを阻止するために通常使用される︒
防護的敷設る機雷は︑船舶の交通路を防護するために通常使用される︒それによって︑特に敵国潜水艦または水上艦が交戦
本パラグラフのいう要件は︑無差別的な敷設の違法性を強調したものに過ぎない︒それは︑伝統的な軍事理論と一致している︒
.3 ゜ 8 敵国による海域使用を拒否するための敷設は︑パラグラフ
8 1
│ 9
2 が遵守されれば違法とはならない︒それらのパラグラフ
は︑目標区別のための基準を定めている︒というのは︑たいていの機雷は︑合法な軍事目標のみが捕捉されることを保証するよう
8 1 .パラグラフ
8 2 に定める規則を害することなく︑紛争当事国は︑機雷が取り付けを離れるか︑または︑別の状況で機雷に対する
管理が失われるとき︑有効な無力化が生じない限り︑機雷を敷設してはならない︒
•1
ー 8 本パラグラフは︑交戦国間の関係を取り扱っている︒交戦国と中立国の関係は︑パラグラフ
8 8 で 取 り 扱 わ れ る ︒
本パラグラフの表現形式は︑自動触発機雷に関するハーグ第八条約第一条二項で用いられた文言の影響を受けている︒参
加者は︑禁止範囲をすべての種類の機雷に拡げることを難しいとは考えなかった︒提案された制度は︑地雷戦に関する特定通常兵
器条約第二議定書に現在含まれている規制制度より一層厳格なことに注意すべきである︒原案のパラグラフは︑そのパラグラフに
挙げられた条件が満たされる場合に無害となることを確保するために︑各機雷に有効な無力化装置を装着するよう要求していた︒
一 九
八
0 年の通常兵器条約の再検討会議の準備のための政府専門家グループに対し一九九四年五月一六日にス
﹃海上武力紛争に適用される国際法サンレモ・マニュアル解説書﹄︵三︶ 国沿岸水域の外側にある一定の水域を使用することを阻止する︒ 際の機雷原の存在を通告することも含まれる︒軍事理論は︑ 一般に次のように使用法を区別している︒
グラフの表現形式は︑﹁別の状況で﹂という用語を用いることによって︑同条約第一ー一条で表明された監視の観念をも吸収している︒
監視のためには実際にその場に居ることが必要であるとみる考えは︑
最終会期では︑本パラグラフで用いられた﹁管理﹂という用語の正確な意味について広く討議された︒交戦者は常に機雷
を物理的に管理しなければならないという意味に解釈した参加者もおり︑また︑適切と思われる制限に合致させるためには機雷の
位置と状態を知っていれば十分である︑と考えた者もいた︒
げられた︒それは︑航海の安全に必ずしも脅威を与えないが︑同時に︑海流の影響により敷設された場所から移動してしまうこと
もあろう︒そうした機雷に課される制限を明確化することは︑平和的な航海の保護に焦点を当てたアプローチをそのパラグラフに
導入することによってもたらされうるであろう︒それゆえ修正提案は︑機雷の危険がもはや有効にコントロールされ得なくなった
場合には直ちにその機雷が無害となることを要求した︒しかし︑参加者達は︑テキストはすでに前述の了解を反映していると考え︑
僅差の多数でそのテキストをそのまま維持することを決めた︒ .4 ー 8 格な規制のために︑時代遅れになったと考えられた︒ .3 ー 8
8 1 . 2 1 3 7
一方で技術発展と︑他方で航海に危険な機雷に対するより厳 ( 1 3 1
)
ウェーデンが提出した︑機雷に関する議定書草案第五条に含まれる提案と同じであった︒しかしながら参加者は︑機雷が不活性化
する場合には本パラグラフの要件が満たされると考えた︒そのため︑﹁有効な無力化﹂という表現が選ばれた︒
D o
c u
m e
n t
CCW
/ C
O N
F .
/ 1
G E
/ C
R P
.
4 o f 16
M a
y
1 9 9 4 .
海底とその地下に敷設する機雷は必ずしも係維の必要がないので︑そうした機雷も本パラグラフでカバーするために︑
﹁取り付けを離れる﹂という用語が用いられている︒当初︑管理機雷は他の機雷と区別して取り扱うべきではないか︑という疑問
が提起された︒その考え方は採用されなかった︒その主な理由は︑管理を行なう技術的手段が︑紛争中に攻撃を免除される船舶︑
または平和的な航海一般に対して︑機雷が危険を構成しないことを効果的に保証できるかどうか不確実であるためであった︒
本パラグラフにいう管理の喪失は︑ハーグ第八条約ですでに規定されていた管理に関する規則をカバーしている︒本パラ 関
法 第 四 六 巻 第 一 号
一例として︑長期にわたって監視されずに放置された海底の機雷が挙
一 六
四
︵ 一
六 四
︶
8 . 3 1
注解 雷を軍事目標に対してのみ使用する義務を含めることとした︒
8 . 2
1
8 . 2
2
一 六
五
︵ 一
六 五
このパラグラフは︑ハーゲ第八条約第一条一項を発展させたものである︒﹁浮遊
( f r e e ' f l o a t i n g
) ﹂という用語が使用され
ているのは︑ラウンド・テープルが本パラグラフでカバーすべき機雷を表現する他のいかなる適切な表現も見い出せないと考えた
からである︒﹁独立した
( i n d e p e n d e n t
) ﹂という用語は︑この語に活動性の意味を言外に与えるので︑外された︒﹁浮流
( d r i f t i n
g ) ﹂
︵ 訳
注
1 1
機雷が係維を離れて流れること︶という用語が使用されなかったのは︑すべてのカテゴリーの機雷が含められるべきであ ると主張されたからである︒本パラグラフの﹁管理を失う﹂という語句は︑機雷が投下された瞬間を意味する︒
いく人かの参加者は︑このカテゴリーの機雷もすべて禁止するように望んだ︒彼らは︑これらの機雷は攻繋を免除される 船舶に対しきわめて危険であると主張した︒しかし︑多数の者は︑軍事的必要が依然これらの機雷の使用を必要としている︑と考 えた︒例えば︑敵部隊が間近に追跡してくる場合である︒機雷の使用が一般原則に従うべきことを明確化するために︑これらの機
8 3 .爆発し得る状態の機雷
( a r m e d m i n e s ) を敷設し︑または前もって敷設された機雷を爆発し得る状態にする
( a r m i n g )
場合
は︑その機雷を軍事目標である船舶のみに対して爆発させ得る場合を除くほか︑その旨通告しなければならない︒
平和的な航海に対し危険を知らせるという原則は︑平時には義務的である︒この義務を武力紛争にも拡大することは︑い くつかの制限があるとはいえ︑自動触発機雷に関するハーグ第八条約の第三条と第四条ですでに規定されている︒本パラグラフの
﹃海上武力紛争に適用される国際法サンレモ・マニュアル解説書﹄(‑︱‑︶ 注解
( b
)
それに対する管理が失われた後
1 時間以内に無害となる︒
( a )
機雷が軍事目標に対して指向され︑かつ
8 2 .浮遊機雷の使用は︑次の場合を除くほか︑禁止する︒
残すことは︑敵対行為の影響をできるだけ限定することを交戦国に課す一般的な要求に照らして正当化できない︑と考えた︒
する義務からの論理的帰結であり︑また︑他方では︑機雷が適切な監視の下に置かれ︑また必要ならば︑敵対行為の終了時に除去
し得ることを確保するためである︵パラグラフ
9 0 と
9 1 を
参 照
せ よ
︶ ︒
本パラグラフは︑機雷の形式を区別していないし︑または︑機雷が爆発し得る状態にあるかどうかにも言及していない︒
機雷の存在が︑攻撃を免除される船舶または他の平和的な航海に危険を及ぽさない場合には︑記録を公表する必要はない︒
8 5 .交戦国の内水︑領海または群島水域における機雷敷設では︑最初の敷設が開始されるとき︑中立国の船舶に対し︑自由に通過
できる出口を与えるものとする︒ 8 4
.
2
8 4
. 1
機雷が敷設された位置を記録する義務は︑ 注解 8 4
.交戦国は︑敷設した機雷の位置を記録しなければならない︒ 8
3 . 3
参 加
者 は
︑
表現は︑通知の要求をすべての型式の機雷に広げたいという参加者の一般的希望を反映している︒同時に︑技術が発達した結果︑
航海に対してすべての機雷が常に危険ではなくなったという事実を考慮に入れている︒それゆえに︑通告の要求は︑爆発し得る状
態の機雷の敷設と︑前もって敷設された機雷を爆発する状態にする場合に限定されている︒
本パラグラフの適用上︑通告義務は︑国際的な船舶輸送のために設けられた通常の経路で通知することにより満たされる
であろう︒すなわち︑﹁水路通報﹂による公表と︑国際海事機関に対する伝達である︒これらの公表の方式は︑必要な情報を伝達
する現代の効果的な手段とみなされる︒ある状況では︑外交経路によってすべての国に対して行なう通告が︑適切かもしれない︒
•2
3 8
一 九
0 七年のハーグ第八条約第三条の︑通知は軍事の必要上差支えない限りにおいてなされるべき旨の規定を
関 法 第 四 六 巻 第 一 号
一方では︑国際的な船舶輸送に対し︑爆発し得る状態にある機雷の敷設を通知
一 六
六
︵ 一
六 六
︶
を持つものであってはならないことを示唆している︒ 一九七二年のハイフォン港に対する機雷敷設に関するアメリカの通知を参照︒ 封鎖に関して対応する規則は︑一九 0 九年のロンドン宣言第九条三項に見られる︒
港湾のみならず︑領海と群島水域に対してこの義務を拡張したことは︑交戦国が尊重しなければならない攻撃に際しての
中立国水域に対し敵対行為の︱つである機雷敷設を行なうことは︑﹁海戦ノ場合二於ケル中立国ノ権利義務二関スルハー
グ第一三条約﹂第二条の下で︑すでに禁止されている︒敵対行為を中立国に対して行なってはならないのであるから︑この特別の
禁止は︑国際関係において武力を行使してはならないとした国際連合憲章第二条四項の一般的な義務によって︑とって代わられて
中立国水域は︑パラグラフ
1 4 で定義されている︒本パラグラフの何ものも︑ハーグ第一三条約第四条に従って中立国が自
国水域に機雷を敷設する権利を害する意図をまったく有しない︒しかし︑海洋法条約の第二五条三項は︑そうした機雷敷設が︑他
の中立諸国による無害通航に対し︑または交戦国が公平義務を尊重して行なう無害通航に対し︑当該水域を永久的に閉鎖する効果
﹃海上武力紛争に適用される国際法サンレモ・マニュアル解説書﹄︵三︶ .2 6 8 き
た ︒ 8 . 6
1
注解 8 6
.交戦国が中立国水域に機雷を敷設することは︑禁止する︒ 予防措置からの論理的帰結であると思われる︒
•2
5 8
︵ 潤
i
( 1 3 9
J
とは時宜を得たものと考えた︒
一 六
七
︵ 一
六 七
本パラグラフは︑機雷敷設の関係では新しいものである︒しかし︑それは︑すでに慣習法上の義務へと発展してきている
( 1 3 8 )
︵