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埋納遺構について 平成24年度定期講座の紹介|岡山市|学び・生涯学習|遺跡・埋蔵文化財

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Academic year: 2018

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平成 24 年度 岡山市埋蔵文化財センター講座第 2 回

 埋納遺構について

西田 和浩

【講座の概要】

1.はじめに

 意識的に器物を埋め納めた遺構を埋納遺構と呼ぶ。ただし、埋葬施設は除かれる。その機能は、 一時的な保管や奉納・供献などが想定されている。日本では島根県の神庭荒神谷遺跡や加茂岩倉 遺跡などが有名である。

 ヨーロッパの考古学では、「デポ(仏)」や「ホード(英)」等と呼ばれ、その種類や解釈をめぐっ て古くから注目されてきた。

2.旧石器・縄文時代の埋納遺構

 石器や石器の材料など、実用品を埋納する例が多く見られる。岡山県とその周辺では、石器の 材料であるサヌカイトを埋納する事例が報告されている。その他、全国に目を向けると石斧、特 に磨製石斧の埋納事例が多く見られる。

3.弥生時代の埋納遺構

 縄文時代に引き続き、石器など実用品の埋納遺構がみられる一方、青銅器の埋納遺構が出現す る。島根県の神庭荒神谷遺跡、加茂岩倉遺跡は著名であるが、岡山市では高塚遺跡で銅鐸埋納遺 構が確認されている。青銅器は九州を除く地域では副葬品として出土する例がほとんどないこと から、個人の所有物よりむしろムラなど集団の所有物と考えられる。銅鐸を埋納する場合、鰭を 垂直に立てる例が各地で確認され、埋納方法になんらかの約束事が合った可能性が指摘される。

4.古墳時代の埋納遺構

 古墳時代中期には、埋葬部とは離れた場所に多量の武具で構成される鉄器埋納施設が畿内を中 心に作られる。鉄器埋納施設は前方部やそれ専用の古墳に作られる。これらの存在から、当時畿 内の首長層による鉄器の大量保有が可能であったことが窺える。鉄器埋納施設から出土する鉄製 品には、実用品としては薄く小型であるものがみられる。

 岡山県南部では、鉄器埋納古墳は確認されていないものの、弥生時代末から古墳時代にかけて 集落内の井戸から、完形の土器がまとまって出土する例が確認されている。このような埋納例は 他地域では確認されておらず、当地の特徴的な埋納遺構の一種として注目される。

5.おわりに

 埋納遺構の解釈は , 出土状況からみた推論にとどまり、実際の機能を特定することは難しい。 しかし埋納される器物や発見場所を一覧すると、旧石器・縄文時代では、実用品の埋納遺構が認 められ、弥生時代以降、供献・奉納的な性格が強くなるようである。各時代の特徴を反映して、 その機能や設置場所が変化する点は興味深い。

参考文献】

島根県教育委員会 1997『古代出雲文化展』

(2)

図1 旧石器・縄文時代の埋納遺構

恩原1遺跡(後期旧石器時代)

津島岡大遺跡(縄文時代後期)

S = 1/4 S = 1/3 出土石核(水晶)

(3)

図 2 弥生時代の青銅器埋納遺構 神庭荒神谷遺跡(弥生時代中期末~後期 ?)

加茂岩倉遺跡(弥生時代中期末~後期?)

高塚遺跡(弥生時代後期)

銅鐸 銅剣 銅矛 神庭荒神谷遺跡 6 358 16

加茂岩倉遺跡 39 - -

神庭荒神谷遺跡・加茂岩倉遺跡の青銅器の出土点数

(4)

図 3 岡山南部における弥生~古墳時代の土器埋納井戸 川入中撫川遺跡 弥生時代後期末

(5)

図 4 古墳時代の鉄器埋納遺構

図出典 図1恩原1遺跡:恩原遺跡発掘調査団 2010『恩原1遺跡』,津島岡大遺跡:岡山大学埋蔵文化財調査研究セ

ンター 2004『津島岡大遺跡 14』,図2神庭荒神谷遺跡:島根県教育委員会 1996『出雲神庭荒神谷遺跡』,加茂岩倉遺跡:

島根県教育委員会・加茂町教育委員会 2002『加茂岩倉遺跡』,高塚遺跡:岡山県教育委員会 2000『高塚遺跡・三手遺跡 2』

図3川入・中撫川遺跡:岡山市教育委員会 2006『川入・中撫川遺跡』,百間川沢田遺跡:岡山県教育委員会 1993『百

間川沢田遺跡3』 図4豊島 2000 をもとに作成

1: 野中 2: アリ山 3: 今井1号 4: 恵解山

埋納施設の鉄器出土点数

図 4 古墳時代の鉄器埋納遺構 図出典  図1 恩原1遺跡:恩原遺跡発掘調査団 2010『恩原1遺跡』 ,津島岡大遺跡:岡山大学埋蔵文化財調査研究セ ンター 2004『津島岡大遺跡 14』 , 図2神庭 荒神谷遺跡 : 島根県教育委員会 1996『出雲神庭荒神谷遺跡』 , 加茂岩倉遺跡 : 島根県教育委員会 ・ 加茂町教育委員会 2002『加茂岩倉遺跡』 , 高塚遺跡 : 岡山県教育委員会 2000『高塚遺跡 ・ 三手遺跡 2』 図3 川入・中撫川遺跡:岡山市教育委員会 2006『川入・中撫川遺跡』 ,百間

参照

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