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温熱環境に対する仰臥姿勢の 人体の生理心理反応に関する研究

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 糸 井 川 高 穂

学 位 論 文 題 名

温熱環境に対する仰臥姿勢の 人体の生理心理反応に関する研究

学位論文内容の要旨

  快適誼温熱環境を得るために,人体は自律性の体温調節と行動性の体温調節を行っている.す誼わ ち,人体は自律性体温調節により,暑いときには手足款ど体の末梢の血流を増やすことで放射や対流 による体からの放熱を促進し,発汗により蒸発による放熱を増加させる.また,立位姿勢や椅座姿勢 の人は,衣服を脱いだり空調機器の設定温度を変更したりするをどの行動性の体温調節により,体か らの放熱量を増加させて涼しさを得る.しかし誼がら,病院で人工透析をしている患者教どは,覚醒 状態にあり教がら衣服の着脱や空調機器の設定温度の変更が難しく,与えられた温熱環境を受け入 れざるを得顔いことがある,また,人体が睡眠状態である場合も,無意識顔人体が十分教行動性の体 温調節を行うことは難しい.さらに,睡眠がREM期である場合,自律性体温調節機能も弱く,体温は 周辺の温熱環境の影響を受けやすくをる.

  しかし教がら,覚醒時の温熱環境に関する既往の研究は,調査の対象が立位姿勢や椅座姿勢の場 合が多く,仰臥姿勢の人体を対象とした研究は少教い,また,睡眠時の温熱環境に関する既往の研究 は,室温,湿度,気流に着目する場合が多く,冷房方式そのものに着目した研究は少額い.さらに,実 験や調査の条件が異顔るため,既往の研究成果を単純に比較することはでき教い.そこで,本研究で は,対流式冷房と天井放射冷房について,冷房方式の違いによる覚醒時と睡眠時の生理心理反応を一 連の実験を基に比較することを目的とする.

  本論文は,以下の第1章から第6章で構成されている.

  第1章「序論」では,冷房環境が人体に及ばす影響を生理的・心理的に評価し,冷房方式の違いに よる覚醒時と睡眠時の生理心理反応を比較する本研究の目的および意義を述べている.また,冷房環 境を評価・検討した既往の研究を文献調査し,仰臥姿勢の人体を対象とした研究が僅少であること を 明 ら か に し て い る . こ れ ら を 前 提 と し て , 本 研 究 の 方 法 と 範 囲を 明 ら か にし て い る .   第2章「 暑熱環境 に関する生理学・心理学・評価指標」では,人体と周辺の温熱環境との間で行 われる熱収支を提示し,各放熱経路の熱交換量を算出するための理論を示している.さらに,温熱環 境 に 対 す る人 体 の 生 理心 理 反 応 およ び 温 熱 環境 の評価 指標に ついて その概 要を示 してい る,

  第3章「実験概要」では,実験方法や測定項目,実験室の概要教どを示し,実験の概要を明確にし ている,また,実験で被験者が暴露される温熱環境が本研究で想定した実験条件を満足したことを明 らかにしている.

  第4章「 温熱環境 に対する覚醒時の仰臥姿勢の人体の生理心理反応」では,対流式冷房と天井放 射冷房について,冷房方式の違いによる覚醒時の生理心理反応を比較することを目的とし,皮膚温や 放熱量、体動や自律神経系教どの生理反応に加え,全身温冷感顔どの心理反応を,一連の実験により

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検討している.その結果,全身温冷感が熱的中立とをる室温は,いずれの冷房方式を用いた場合でも およそ28.3〜28.5℃と教 ることを明らかにしている .その一方で,入室時の全身温冷感と長時間滞 在時の全身温冷感とでは ,少教くとも熱的中立と教 る室温から上下に2℃の範囲内では,長時間滞 在時に入室時の全身温冷 感より寒い側の感覚と顔る ことを明らかにしている.皮膚は発汗や血流量 調節緩どにより周辺環境 に対する放熱量を制御する 機構は備わっているが,周辺環境から熱を取り 入れる機構が備わってい顔い.すをわち,皮膚は,放熱が過多と教ることを過少と誼ることより強く 防 ぐ た めに ,長 時間 滞在 時 には より 寒い 側 の感 覚を 生じ させ て いる と考 える こと が でき る.

  第5章「温熱環境に対 する睡眠時の仰臥姿勢の人体 の生理心理反応」では,冷房方式の違いによ る睡眠時の生理心理反応を比較することを目的とし,皮膚温や放熱量,体動や自律神経系をどの生理 反応に加え,起床時の睡眠感として主観的睡眠感を,ー連の実験により検討している,その結果,天 井放射冷房を用いた室内 での睡眠時には,室温がお よそ27.1℃〜28.0℃で主観的睡眠感の標準化得 点が高く,対流式冷房を 用いた室内での睡眠時には ,室温がおよそ25.8℃〜27.0℃とするときに標 準化得点が高いことを明らかにしている,その一方で,各部位からの放熱のうち。大腿や下腿といっ た脚部からの放熱が少顔 いほど体動が多く発生し, 逆に腹の放熱が多いぼど体動が多く発生するこ とを明らかにしている.す誼わち,脚部からの放熱が少額い場合には,寝床内の換気や自ら背面の温 度で温めた位置からの移動を目的とした体動が生じ,腹からの放熱が多い場合には,放熱面積を小さ くするために体を丸める 際に体動が生じることを明 らかにしている,

  第6章「結諭」では, 各章で述べてきた結果を総括して結諭とし,今後の研究に関する課題と将来 への展望について述べて いる.

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学位論文審査の要旨 主査    教授    羽 山広文 副査   教授   横山眞太郎 副査    教授    長 野克則

学 位 論 文 題 名

温熱環境に対する仰臥姿勢の 人体の生理心理反応に関する研究

  快適顔温熱環境を得るために,人体は自律性の体温調節と行動性の体温調節を行っている.す顔わ ち,人体は自律性体温調節により,暑いときには手足歡ど体の末梢の血流を増やすことで放射や対流 による体からの放熱を促進し,発汗により蒸発による放熱を増加させる.また,立位姿勢や椅座姿勢 の人は,衣服を脱いだり空調機器の設定温度を変更したりする教どの行動性の体温調節により,体か らの放熱量を増加させて涼しさを得る,しかし汝がら,病院で人工透析をしている患者教どは,覚醒 状態にあ り教がら衣服の着脱や空調 機器の設定温度の変更が難しく,与えられた温熱環境を受け入 れざるを得誼いことがある,また,人体が睡眠状態である場合も,無意識放人体が十分橡行動性の体 温調節を 行うことは難しい.さらに,睡眠がREM期である場合,自律性体温調節機能も弱く,体温は 周辺の温 熱環境の影響を受けやすく をる.

  本研究では,対流式冷房と天井放射冷房について,冷房方式の違いによる覚醒時と睡眠時の生理心 理反応を 一連の実験を基に比較する ことを目的とした,

  本論文 は,以下の第1章から第6章 で構成されている.

  第1章 「序論」では,冷房環境が人体に及ばす影響を生理的・心理的に評価し,冷房方式の違いに よる覚醒時と睡眠時の生理心理反応を比較する本研究の目的および意義を述べている,また,冷房環 境を評価 ・検討した既往の研究を文 献調査し,仰臥姿勢の人体を対象とした研究が僅少であること を 明 ら か に し て い る , こ れ ら を 前 提 と し て , 本 研 究 の 方 法 と 範 囲 を 明 ら か に し て い る .   第2章 「暑熱環境に関する生理学・ 心理学・評価指標」では, 人体と周辺の温熱環境との間で行 われる熱収支を提示し,各放熱経路の熱交換量を算出するための理論を示している.さらに,温熱環 境 に 対 する 人 体の 生理 心理 反応 お よび 温熱 環境 の 評価 指標 につ いて そ の概 要を 示し てい る ,   第3章 「実験概要」では,実験方法や測定項目,実験室の概要誼どを示し,実験の概要を明確にし ている.また,実験で被験者が暴露される温熱環境が本研究で想定した実験条件を満足したことを明 らかにし ている.

  第4章 「温熱環境に対する覚醒時の 仰臥姿勢の人体の生理心理 反応」では,対流式冷房と天井放 射冷房について,冷房方式の違いによる覚醒時の生理心理反応を比較することを目的とし,皮膚温や 放熱量,体動や自律神経系をどの生理反応に加え,全身温冷感をどの心理反応を,一連の実験により

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検討している.その結果,全身温冷感が熱的中立と詮る室温は,いずれの冷房方式を用いた場合でも およそ28.3〜28.5℃と顔る ことを明らかにしている. その一方で,入室時の全身温冷感と長時間滞 在時の全身温冷感とでは, 少叔くとも熱的中立とをる 室温から上下に2℃の範囲内では,長時間滞 在時に入室時の全身温冷感 より寒い側の感覚と顔るて とを明らかにしている.皮膚は発汗や血流量 調節毅どにより周辺環境に 対する放熱量を制御する機 構は備わっているが,周辺環境から熱を取り 入れる機構が備わってい叔い.すをわち,皮膚は,放熱が過多とをることを過少と教ることより強く 防 ぐ た め に、 長時 間滞 在時 に はよ り寒 い側 の感 覚 を生 じさ せて い ると 考え るこ とが で きる .   第5章「温熱環境に対す る睡眠時の仰臥姿勢の人体の 生理心理反応」では,冷房方式の違いによ る睡眠時の生理心理反応を比較することを目的とし,皮膚温や放熱量,体動や自律神経系をどの生理 反応に加え,起床時の睡眠感として主観的睡眠感を,一連の実験により検討している,その結果,天 井放射冷房を用いた室内で の睡眠時には,室温がおよ そ27.1℃〜28.0℃で主観的睡眠感の標準化得 点が高く,対流式冷房を用 いた室内での睡眠時には,室温がおよそ25.8℃〜27.0℃とするときに標 準化得点が高いてとを明らかにしている.その一方で,各部位からの放熱のうち,大腿や下腿とぃっ た脚部からの放熱が少趣い ほど体動が多く発生し,逆 に腹の放熱が多いほど体動が多く発生するこ とを明らかにしている.す教わち,脚部からの放熱が少改い場合には,寝床内の換気や自ら背面の温 度で温めた位置からの移動を目的とした体動が生じ,腹からの放熱が多い場合には,放熱面積を小さ くするために体を丸める際 に体動が生じることを明ら かにしている.

  第6章「結諭」では。各 章で述べてきた結果を総括して結諭とし,今後の研究に関する課題と将来 への展望について述べてい る.

  これを要するに;本論文は,覚醒状態と睡眠状態にある仰臥姿勢の人体について,複数の冷房方式 に暴露されることに対する 生理的心理的社温熱環境の 評価の違いを基に,人体の覚醒状態ごとの至 適温熱環境を提案するものである.本研究の成果は,空気調和システム設計への適用が可能顔知見で あ る と と も に っ 建 築 環 境 学 , 建 築 設 備 学 の 発 展 に 大 き く 寄 与 す る も の で あ る .   よ っ て 著 者 は , 北 海 道 大 学 博 士 ( 工 学 ) の 学 位 を 授 与 さ れ る 資 格 あ る も の と 認 め る .

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参照

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