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5.3 フランスにおける容器包装リサイクルシステム フランスにおける容器包装リサイクルシステムの内容 (1) フランスにおける容器包装リサイクルシステムの概要フランスでは 1975 年 7 月 15 日法律第 号に 自治体には家庭ごみ及びその類のごみに関する収集 処理に係る

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230 5.3 フランスにおける容器包装リサイクルシステム 5.3.1 フランスにおける容器包装リサイクルシステムの内容 (1) フランスにおける容器包装リサイクルシステムの概要 フランスでは、1975年7月15日法律第75-633号に、自治体には家庭ごみ及びその類の ごみに関する収集・処理に係る管理を行う責務があると明記されている。同法は2000年に 環境法典に統合されたが、廃棄物の収集・処理の責任が自治体である点は変わっておらず、 容器包装廃棄物の収集及び選別は自治体が実施している。 1992 年には、容器包装廃棄物令(家庭系容器包装廃棄物に関する政令)が制定され、生 産者等に対して、家庭からの容器包装廃棄物の収集及びリサイクルの責務が課され、これに ついて政府が認定するシステムへ加入する、もしくは独自の収集システムによる収集・リサ イクルを実施することが義務づけられている。なお、事業者が最終消費者として排出する容 器包装廃棄物の排出量が1,100リットル/週以下である場合、家庭用のシステムと同様に収 集することが認められている。 政府によって認定されているシステムは、生産者等の責任組織であるエコ・アンバラージ

ュ(Eco Emballages)、アデルフ(Adelphe:ワイン、蒸留酒の容器を対象としてボルドーの

ワインメーカーが設立し、近年はガラス瓶以外も収集している企業だが、現在はエコ・アン バラージュのグループ企業)及びCYCLAMED(薬の容器包装及び使用期限切れの薬の収集 を実施)だが、容器包装廃棄物のほとんどをエコ・アンバラージュが取り扱っている。容器 包装廃棄物の収集・処理は自治体が実施しているため、エコ・アンバラージュは、それに対 する支援金の支給や情報提供等の支援を実施している。 このため、フランスの容器包装リサイクルシステムの全体像は、市民からの資源ごみの収 集・リサイクル(リサイクル事業者への売却)は自治体が担い、エコ・アンバラージュは自 治体の費用(収集・選別費用から売却益を差し引いた分)を負担する形となっている。

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231 図 5-3 フランスにおける容器包装リサイクルシステム(エコ・アンバラージュ) (2) 関係主体の役割分担 1)生産者等 フランスの容器包装廃棄物令は、包装された製品の製造者又は輸入者に対して、容器包装 廃棄物の処理費用を負担するか、あるいは自ら処理を引き受けることを義務づけている。義 務の履行方法は、エコ・アンバラージュ等の政府が認定するシステムに参加するか、独自収 集のいずれかである。独自収集については、デポジット制度を設けるか、あるいは自ら容器 包装廃棄物の保管場所を設置することが求められ、容器包装のリサイクル率等を把握できる システムを構築し、環境大臣等から認可を受ける必要がある。実際には、多くの事業者はエ コ・アンバラージュのシステムへの加入を採用している。 2)生産者責任組織 容器包装廃棄物令第6条に基づき、容器包装廃棄物を生産者等から引き受ける生産者責任 組織は、環境大臣等からの認可を受けることとなっている。この認可の付帯規定書では、以 下の項目が記載される。 技術的、財政的能力の証明、及び付帯規定書の条項を満たすための条件 リサイクル目標 容器包装廃棄物の素材別の選別、無償又は有価でのリサイクルのために、生産者等に 請求する負担金の基準 容器包装廃棄物の選別により生じる超過費用を自治体に支払う基準 さらに、容器包装廃棄物令第8条に基づき、生産者責任組織は、活動報告書及び容器包装

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232 の収集・リサイクル実績を提出する義務がある。 現 在 政 府 に よ っ て 認 め ら れ て い る 生 産 者 責 任 組 織 は 、 エ コ ・ ア ン バ ラ ー ジ ュ (Eco Emballages)の他に2つあるが、生産者等はほとんどの場合においてエコ・アンバラージュ と契約している。 3)自治体 家庭系廃棄物の分別収集、熱収集・埋立て、住民啓発を行う役割を担っている。容器包装 廃棄物についても収集から、リサイクル事業者への引渡までを担っている。容器包装廃棄物 の分別収集費用とリサイクル事業者への売却金の差額のうちの、一定割合についてエコ・ア ンバラージュから支払いを受ける。 4)消費者 各自治体で定められている分別方法に従い、分別排出する。 (3) 分別収集の仕組み フランスでは、地方自治体が家庭ごみの収集・処理を実施している。そのため、分別収集方法は 自治体(あるいは自治体の集合体である広域事業組合)によって異なってくるが、1 軒ごとに、以下 の3種類のごみ箱(うち2種類にリサイクル可能な資源ごみを入れる)が配布され、それぞれのごみ を分別して入れ て、決められた日時に公道に出すと、自治体(あるいは自治体が委託した事業者 の)収集車が収集するという流れが多い。一般的な 3 種類のごみ箱の内訳は以下のとおりであり、 上の2つがリサイクル可能な資源ごみである。 鉄およびアルミニウムの容器(缶、缶詰、スプレー缶など) 紙製もしくは段ボール製の容器(シリアルやケーキの箱など) 紙パック(牛乳やスープなど) 全ての新聞紙と雑誌(プラスチックフィルムははがす) プラスチックボトル(水、洗剤、ボディソープ、シャンプーなど) ガラス(ボトル、ビン、ポット、その他の容器。皿、磁器、陶器はリサイクル不可。) 上記以外のごみ(生ごみ等) 容器包装廃棄物として、分別収集の対象となる素材は、以下のとおりであり、プラスチッ クについてフィルム類は収集対象にはなっていない。 ガラス 紙・段ボール 鉄 アルミニウム プラスチックボトル (4) 分別収集・リサイクル費用の負担の仕組み 容器包装廃棄物の分別収集は自治体が実施しており、自治体が自ら実施していることもあ

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233 れば、民間事業者に委託していることもある。また、収集時点では資源ごみはミックス収集 しているため、選別が必要であり、選別作業は自治体が民間事業者に委託して実施している。 選別された各容器包装廃棄物は、自治体がリサイクル事業者に引き渡しており、この引渡は テトラパックを除き全て有償(売却)である。テトラパックについては、無償引き取りの場 合があるが、逆有償となっているものはない。素材別に仕様書が定められており、自治体は 仕様書に従い、引渡しの段階で有償もしくは無償になるように選別する必要がある。例えば、 PETベールについては、リサイクルできるPETが98%以上含まれていなければならない。 このように、自治体が分別収集・選別の費用を負担し、リサイクル事業者への売却益も得 ることになるが、その差額の 80%分については、エコ・アンバラージュから支援金が支払 われる。80%という数値については、法律に定められているものであるが、以前は50%程度 の負担率であったため、自治体、生産者等、エコ・アンバラージュ等が交渉して設定したも のと推察される。自治体はできるだけ負担してもらいたいと望む一方で、全額を負担される と容器包装廃棄物の収集・処理に係る自らのコントロール機能を失うことになるため、50% と100%の中間値がとられたのではないかと考えられる 18 。なお、今でもこの支援金の比率 を100%未満の範囲内で引上げを要望する自治体と、収集や選別の方法・水準等の基準の詳 細化・遵守徹底を求める事業者との間で議論が交わされている。 支援金は、自治体ごとに算出するのではなく、全国平均で算出されている。ただし、全国 平均値で算出された支援金の配分は、各自治体の収集量に応じて決定することになっており、 収集量が多い自治体ほど多くの支援金が配分されることになる。配分の際に、自治体がリサ イクル事業者へ引き渡すものの品質については考慮されていない。しかしながら、より高い 品質にするとリサイクル事業者への売却益が高くなるため、引き渡すものの品質を向上させ ることは各自治体のメリットに繋がる。 なお、支援金で補填されていない費用については、住民から徴収した家庭系廃棄物収集税 または家庭系廃棄物収集手数料によって賄われている 19 。 エコ・アンバラージュから自治体への支援金は、生産者等からエコ・アンバラージュに支 払われたグリーン・ドットのライセンス料によって賄われている。グリーン・ドットが付さ れている場合、その容器包装は使用後に収集されてリサイクルされることを意味しており、 このマークのライセンス料を支払った生産者等だけが自社製品に表示できるようになって いる。エコ・アンバラージュに参加する生産者等は、市場に投入した容器包装の種類及び重 量を毎年申告することが義務づけられており、容器包装の種類及び重量に応じてライセンス 料が決定する。 (5) リサイクル手法 フランスでは、廃棄物一般について、2009 年に成立した環境グルネル法において、再使 用、ごみ分別、資源活用、リサイクルを優先し、その他の残留廃棄物処理においてはエネル ギー活用を優先することとしている。 容器包装については、現在収集されている容器包装は全てメカニカルリサイクルされてい る。プラスチック製容器包装のうち収集しているのはPETボトルとHDPEボトルのみであ 18 エコ・アンバラージュ ヒアリングより。 19

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234 るため、全てがメカニカルリサイクルされている。なお、プラスチックについてフィルム等 を収集対象に入れた場合、ケミカルリサイクルやサーマルリサイクルについても検討する必 要があると考えられている 20 。 5.3.2 リサイクル目標の設定内容及び設定根拠 (1) リカバリー・リサイクル目標 2009 年に成立した環境グルネル法において、廃棄物全般についてリサイクル量を増やす ことが目標として設定されており、家庭系容器包装廃棄物については、全素材合計で 75% をリサイクルすることが目標として設定されている。なお、素材別のリサイクル目標は設定 されていない。素材別の目標については、EC 指令(2004/12/EC)に定められている数値を 遵守する必要がある。 リサイクル率の算定方法は、生産者等がエコ・アンバラージュに申告した「市場に出され た容器包装量」を分母、収集・選別後に「ベールとなった量」を分子として算定している(な お、リサイクル目標の算定にあたってはリデュースの実績は特段、考慮されていない)。 (2) リサイクル実績 2003年~2010年にかけての、Eurostat(EU統計)におけるフランスの容器包装廃棄物量、収 集された容器包装廃棄物のマテリアル・リサイクル、エネルギー・リカバリー、その他のリ サイクル方法別のリサイクル量を 20 エコ・アンバラージュ ヒアリングより。

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235 表 5-8に示す。近年の容器包装廃棄物量は1,200万トン程度であり、マテリアル・リサイク ルの割合は徐々に増加し、2010年には6割以上に達している。その他のリサイクル方法での リサイクル量は2008年にかけて減少していたが、2009年以降増加している。エネルギー・リ カバリー量は年によって変動しているが、2010年は増加している。熱収集を行う焼却施設で の焼却量は減少傾向にある。

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236 表 5-8 フランスにおける容器包装廃棄物量とリサイクルされた量の推移 単位:トン 容器包装廃棄 物量 再生利用並びにエネルギーリカバリー及び熱収集を伴う焼却施設での焼却 マテリアル・リサ イクル量 その他のリサイ クル方法でのリ サイクル量 エネルギーリカバ リー量 熱収集を伴う焼 却施設での焼 却量 リカバリー総計 a b c d e=a+b+c+d 2003年 12,333,740 5,882,895 18,921 320,028 1,620,533 7,842,377 2004年 12,382,970 6,262,785 18,921 69,000 1,256,890 7,607,596 2005年 12,360,928 6,573,023 14,768 69,000 1,189,690 7,846,481 2006年 12,667,985 6,926,698 13,442 69,000 1,104,783 8,113,923 2007年 12,797,250 7,285,554 10,227 290,004 1,042,543 8,628,328 2008年 12,828,115 7,070,729 9,500 173,000 1,115,082 8,368,311 2009年 12,277,691 6,914,354 10,400 173,000 1,059,787 8,157,541 2010年 12,515,928 7,632,554 13,290 213,214 939,918 8,798,976 注1)プラスチック容器包装の場合、マテリアル・リサイクル量には、プラスチックにリサイクルされた全 ての材料を含む。 注2)その他のリサイクル量には、有機物リサイクルを含む全てのリサイクル形式で消費された量含む。(マ テリアル・リサイクルは除く)

出所)Eurostat: Generation and treatment of Packaging waste (domestic / imports / exports), by country, year, waste

category, and treatment type, in tonnes, kg per inhabitant and percent (%)

エコ・アンバラージュが公表している2011年のリサイクル実績は以下のとおりである。 なお、スチールについて100%超となっているのは、スチールについては、燃焼後のスチー ル缶が灰がついたまま軽量されるため、この灰の量が加算されているためである。 表 5-9 2011年のフランスにおけるリサイクル実績 種類 実績 スチール 117% アルミニウム 36% 紙/段ボール(ブロック状以外) 67% 紙/段ボール(ブロック状) 41% プラスチックボトル 46% その他のプラスチック容器 0% ガラス 84% 合計 67.1%

出所)2011 Rapport d’activité, Eco Embammages, Adelphet

2003年~2010年にかけての、Eurostat(EU統計)におけるフランスのプラスチック容器包装 廃棄物量、収集された容器包装廃棄物のマテリアル・リサイクル、エネルギーリカバリー、 その他のリサイクル方法別のリサイクル量を表 5-10に示す。容器包装廃棄物量は年度によ り増減があるが、マテリアル・リサイクルおよび熱収集される量は堅調に増えている。近年 のプラスチック容器包装廃棄物量は2000万トン程度であり、素材としてのリサイクルの割合 は2007年以降、2割以上に達している。熱収集を行う焼却施設での焼却量は概ね横ばいの傾

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237 向にある。 表 5-10 フランスにおけるプラスチック容器包装廃棄物量とリサイクルされた量の推移 単位:トン プラスチッ ク容器包装 廃棄物量 再生利用並びにエネルギーリカバリー及び熱収集を伴う焼却施設での焼 却 マテリアル・リ サイクル量 その他のリ サイクル方 法でのリサ イクル量 エネルギー リカバリー量 熱収集を伴 う焼却施設 での焼却量 リカバリー総 計 a b c d e=a+b+c+d 2003年 1,951,000 313,430 0 16,480 640,743 970,653 2004年 1,980,000 346,426 0 0 699,035 1,045,461 2005年 2,007,008 380,681 0 0 697,850 1,078,531 2006年 2,063,827 393,118 0 0 681,467 1,074,585 2007年 2,113,930 445,900 0 0 683,109 1,129,009 2008年 2,046,728 460,540 0 0 706,985 1,167,525 2009年 1,877,058 469,540 0 0 621,400 1,090,940 2010年 2,001,571 474,040 0 0 750,204 1,224,244 注1)プラスチック容器包装の場合、マテリアル・リサイクル量には、プラスチックにリサイクルされた全 ての材料を含む。

出所)Eurostat: Generation and treatment of Packaging waste (domestic / imports / exports), by country, year, waste

category, and treatment type, in tonnes, kg per inhabitant and percent (%)

フランスにおける再商品化製品は、再生原料を100%使う必要はなく、一部に再生資源を 使用したものでも、再商品化製品として認識されており、実際にリサイクルされた素材を利 用した製品には、下記のようなロゴが使用されている。製品のカテゴリーとしては、家具、 オフィス製品、道路、建築、容器、スポーツ・レジャー、農業・緑地、衣服、化学製品など 幅広く挙げられている。 図 5-4 再商品化製品を示すロゴの例 出所)エコ・アンバラージュ社のWEBサイト(2013年3月) 5.3.3 グリーン・ドット方式の詳細 (1) グリーン・ドットの管理団体 フランスにおけるグリーン・ドットの管理団体には、政府によって認められている生産者

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238 及びCYCLAMED(薬の容器包装及び使用期限切れの薬の収集を実施)の3組織がある。ア デルフはワイン、蒸留酒の容器を対象としてボルドーのワインメーカーが設立し、近年はガ ラス瓶以外も収集している企業だが、現在はエコ・アンバラージュのグループ企業でもある。 生産者等は上記のいずれかの生産者組織と契約することになるが、ほとんどの場合において エコ・アンバラージュと契約している。 (2) ライセンス料 21 生産者責任組織は複数あるが、ここではほとんどの生産者等と契約しているエコ・アンバ ラージュを例として取り上げる。 エコ・アンバラージュと契約している生産者等は、素材・サイズ・形状・中身・事業者規 模を問わず、全ての容器包装に対して、ライセンス料を支払う必要が生じる。ただし、袋や 包み紙で製品として販売されるもの、事業系製品の容器、製品に付けられた見本や試供品の 容器、テープやひも、製品を使用するために付属しているカップ等は対象外となる。 ライセンス料については、生産者等の申告に応じて決定するが、具体的な申請方法は、生 産規模に応じて以下の2種類ある。 詳細申告制度 市場に一定量以上の製品を投入している場合に適用される。容器包装の材料種類や重 量を申告し、それによってライセンス料が決定する。 宣言セクター制度 市場に一定量未満の製品を投入している場合に適用される。具体的な材料等の情報の 申告が不要であり、製品群毎に設定された数値によってライセンス料が決定する。 1)詳細申告制度 ライセンス料については、より実際のリサイクル費用が反映されるように、都度改定され ているが、2012年の改定では、基本的な料金の計算式は次のとおりとなった。 ライセンス料=(重量による料金+容器包装単位による料金)×ボーナスorペナルティー 上記の計算式における各項目の内容は以下のとおりである。 c. 重量による料金 重量による料金は、素材別に異なった料金が規定されている。また、複数の素材を使 う包装に対しては、重量比で80%以上使用されているものを基本とするが、2~3種 類の素材を使用し 80%を超えるものが無い場合は実際の素材比率を報告する必要が ある。リサイクルされた板紙を重量比で50%以上使用している場合は10%の割引が 適用される。なお、エコ・アンバラージュは、分別対象ではなく、リサイクルも実施 されない素材についても申告を求めており、それらの容器包装については、高い料金 を設定して、発生抑制に繋がるように工夫している。 21 Guide de le déclaration 2012

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239 表 5-11 2013年 容器包装廃棄物の重さによる料金 種 類 価格 (セントユーロ/kg) 鋼鉄 3.15 アルミニウム 9.28 紙/段ボール 板紙 16.33 ブロック状のもの 17.04 プラスチック クリアペットボトル 24.22 その他のボトルやフラスコ型容器(緑や 赤のペットボトルを含む) 24.47 その他のプラスチック容器 28.06 ガラス 1.21 その他の材料 23.29 出所)エコ・アンバラージュ WEBサイト (2013年3月) d. 容器包装単位による料金 容器包装単位に対する料金は、容器包装単位ごとの重量に応じて定められており、同一製 品に対する容器包装のユニット数を制限する事を目的として設定されている。容器包装単 位とは、消費者が製品を消費あるいは使用する際に、製品から分離出来る容器包装のコン ポーネントである。なお、キャップや蓋は容器包装全体として取り扱われる。 表 5-12 2013年 容器包装単位による料金 容器包装単位当りの等級 セントユーロ/容器包装単位 0g < 容器 ≤ 0.5g 0.010 0.5 < 容器(g) ≤ 1 0.040 1 < 容器(g) 0.077 出所)エコ・アンバラージュ WEBサイト (2013年3月) e. ボーナス/ペナルティ 生産者等による軽量化、消費者への啓発、リサイクルしやすい設計等を推進するため に導入されており、生産者等が指定された行動をとることで、ライセンス料について、 ボーナス(減額)あるいはペナルティ(増額)を受ける仕組みとなっている。 ボーナス:以下のケースでライセンス料が2%減額される。 資源削減ボーナス 同材質で同機能の包装の重量を減らす 同材質で同機能の包装のボリュームを減らす リフィルの導入 意識啓発ボーナス エコ・アンバラージュの基準を満たす分別行動を喚起するメッセージが添 付された製品 エコ・アンバラージュと連携して会員企業がメッセージを放送した場合

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240 ペナルティ(50%):以下のケースでライセンス料が50%増額(上乗せ)される。 磁気やセラミック製の栓付ガラス容器 液体食品向けの包装で 50%未満の繊維で構成されている板紙が原材料の大部分 であるもの。 パッケージを強化するためのフレームや構造を有する強固な板紙の包装 PET素材のボトルで、アルミニウム、PVC、またはシリコン(1より大きい密度) のいずれかを含むもの。 ペナルティ(100%):以下のケースでライセンス料が100%増額(上乗せ)される。 リサイクルが出来ないパッケージ(例:磁気、陶磁器、石器)もしくは指示に含 ま れ て い る も の の リサ イク ル プ ロ セ ス の 分 別方 法が な い も の ( 例 えば PET、 HDPE、PP以外のプラスチックボトル) 2)宣言セクター フランスの市場に毎年180,000UVC(消費包装単位)未満を投入する事業者は、製品群毎 に設定された数値を使用する事で、具体的な容器包装の材料情報を申告する必要がなく、簡 略化を図る事ができる。UVC とは、消費者が他のものとは別に購入出来る包装された製品 の単位をさす。報告には2つのタイプがある。 全ての製品種類の報告書(ワインおよび蒸留酒含む) ワイン及び蒸留酒の為の特別セクターの報告書(これはワイン、シャンパン、スパー クリングサイダーに特化している企業のために設計されたもの) 上記の 2 つの報告書では、製品群に基づいた消費単位(UC)での固定費用が設定されてい る。消費単位とは消費者が消費出来る最も小さな包装単位のことである。例えば、「4 つの 容器のヨーグルトのセット=1UVC=4UC」「1ロットが40本のボルト=1UVC=1UC」などで あり、各企業は市場に出ている全ての製品の消費包装単位(UVC)の数およびそれぞれの製品 群に対する詳細な消費単位(UC)を申告する必要がある。 5.3.4 容器包装リサイクルシステムに関する評価及び最近の動向 (1) 容器包装リサイクルシステムに関する評価 フランスでは、環境グルネル法において、家庭系容器包装廃棄物のリサイクル率の目標値 が75%と定められているが、2011年時点でのリサイクル率は67%である。実際のリサイク ル率は素材によって異なっており、アルミニウム及びプラスチックボトルのリサイクル率の 向上が課題となっている。エコ・アンバラージュはリサイクル率75%達成を目指すため、下記 の項目の改善を目指している 22 。 費用効率(コスト)の改善 都市部での分別の改善 家庭以外での容器包装分別の推進(フェスティバルやケータリング、交通機関など) プラスチックのリサイクルの推進(プラスチック容器の利用量は全体で 100万 t であるにもか 22

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241 かわらず、リサイクルされているのはプラスチックボトル23.5万tにとどまる。) リデュース活動の強化 (2) ボトル以外のプラスチックの収集・リサイクルについて フランスでは、プラスチックについて、現状ではボトルのみを分別収集対象とし、リサイ クルを実施しており、フィルム系については対象外としている。しかしながら、今後、EC 指令が改正され、プラスチックに係るリサイクル率の目標値について、現状の22.5%から引 き上げられた場合、ボトル以外の容器包装についてもリサイクルすることを検討する可能性 もある。また、ボトル以外の容器包装についてリサイクルを検討する場合には、現状のよう にメカニカルリサイクルだけでは対応できなくなると考えられ、ケミカルリサイクルやサー マルリカバリーの導入も検討が必要と考えられている。ただし、ボトル以外の容器包装を収 集・リサイクル対象とした場合には、収集物が逆有償となる可能性もあるため、逆有償とな ったものをどのように取り扱うべきか、費用がどの程度かかるか等の調査を実施している 23 。 (3) 自治体の費用開示について 自治体への支援金制度において、自治体が費用を開示すると支援金が受け取れるというよ うなインセンティブは組み込まれていない。しかしながら、そもそも自治体への支援金は、 収集重量と要した費用(分別収集費用と売却益の差額)に基づいて決定されるため、自治体 は要した費用も開示しなければならない。 ただし、フランスには約 36,000 の自治体があり、各自治体によって収集方法や立地条件 が異なっているため費用の平準化は困難である。このため、これらの自治体を約1,200のグ ループに分けて自治体が要した費用の全国推計を実施している。収集重量については、全て のグループから得ることが出来るため累積数値で算出できるが、費用に関しては必ずしも全 てのグループから徴収できていないため、得られた情報に基づいて、推計して全国平均値を 算出している。 23 エコアンバラージュ ヒアリングより。

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