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古典論理の計算的解釈におけるコンテクスト概念 角田

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Academic year: 2021

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古典論理の計算的解釈におけるコンテクスト概念

角田 健太郎(Kentaro Tsunoda)

東京都立大学

コンテクストの概念が古典論理の計算的解釈のなかにどのように現れるかを考察する。

すでに知られている通り、単純型付きラムダ計算とは純粋なラムダ計算に基底型、関数型、

組型、バリアント型、⊥型を扱う種々の道具立てが導入された言語体系であり、そしてこの 体系で導出可能な型付きラムダ式は、直観主義自然演繹の証明図をコーディングしたもの だと見なすことができる。しかし一方で、この単純型付きラムダ計算の道具立てだけでは古 典自然演繹の証明図を表現するには不足であることも知られている。そのためには、新たに コンテクストの概念とその操作を行う演算子が導入されなければならないことが 1990 代以降に明らかとなった。

ここでのコンテクストとは、ラムダ式 M からその部分式 N を取り除いて得られる表現 (例えば x( )や(λy.y)((λx.x)( ))のような表現)のことである。すなわち M 中でN を囲む、

穴の開いた表現のことである。(なおこのコンテクストが計算において表現しているところ のものは、与えられた計算の中のある部分計算にとっての「残りのすべての計算」であり、

継続(continuation)と呼ばれる。例えば、「整数 1 に整数 2 を加えて、その結果に整数 3 を加え、さらにその結果に整数 4 を加える」という計算が与えられたとき、その中の部分 計算「整数 1 に整数 2 を加える」という部分計算にとっての継続は、「(整数 1 に整数 2 を加えて得られる結果に)整数 3 を加え、さらにその結果に整数 4 を加える」という計算 である。)

このコンテクストが構文的対象として導入された上で、さらにこれをリダクション中に 補足して特定のラムダ変数への代入が起こるような仕組みが導入されると、古典自然演繹 の証明図を表現する言語体系が得られる。例えばそうした言語体系のひとつとして、

Felleisen のΛCがある。この体系では、コンテクストの補足をする演算子 Cによって、例

えば M1C(λx.M2(xN))→…→M1N というリダクションが実現できる。(このリダクション

は、C(λx.M2(xN))にとっての継続 M1( )が x に代入され、かつ N にとっての継続の一部

を構成していた M2 が破棄された、という形である。)なおこの演算子 C の型は二重否定 除去((A⊃⊥) ⊃⊥)⊃A の形をしている。

さて以上よりわかるのは、古典論理を自然演繹の証明図簡約の観点から解釈する際には、

ラムダ計算のコンテクストに対応する自然演繹上の表現、すなわち帰納的に定義された証 明図からその部分証明図を取り除いて得られる図式

Γ

A⊃⊥

――――――――⊃-E

(2)

が証明論的対象となるという事実である。

本発表ではこの事実を踏まえ、Parigot のλμ計算(後件複数の古典自然演繹と対応する 言語体系)と Wadler の双対計算(古典シーケント計算 LK と対応する言語体系)の定義で 導入される covariable と呼ばれる変数について、これを自然演繹の証明図上の不飽和な表 現を代表するものとして解釈するとしたらそれはどのような図式であるかを検討し、後件 複数の古典自然演繹や LK が自然演繹の証明図上の図式の操作系としてどのように理解で きるかを考察する。

参考文献

[1] Felleisen,M. and Hieb,R. (1992) The Revised Report on the Syntactic Theories of Sequential Control and State. Theoretical Computer Science, Vol.103, No.2, pp.235-271.

[2] Parigot,M. (1992) λμ-calculus: An Algorithmic Interpretation of Classical Natural Deduction. In A.Voronkov, editor, Logic Programming and Automated Reasoning (LNCS 624), pp.190-201.

[3] Wadler,P. (2003) Call-by-value is dual to call-by-name. Proceedings of the eighth ACM SIGPLAN International Conference on Functional Programming(ICFP’03), pp.189-201.

[4] Wadler,P. (2005) Call-by-value is dual to call-by-name, Reloaded. In J.Giesl, editor, Term Rewriting and Applications (LNCS 3467), pp.185-203.

参照

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