電気回路学Ⅱ
通信工学コース
5 セメ
山田 博仁
特異な信号のフーリエ変
単位インパルス ( ディラックのデルタ関数
換
)t0 → 0 t0 t
−t0 1
2 �0 面積 =1
方形パルス
t
単位インパルス 0
u0(t) ∞
面積 =1 or δ(t)
単位インパルス ( デルタ関数 ) u0(t) の特徴 1
単位インパルスの性質
∫−∞
+∞
�0(�−�) � (�)��=� (�)
∫
−∞
+∞
�0(�) � (�+�)��=� (�)
� 0(�)=
{
∞0��≠=00 のときのとき つまり、面積 =1�0(�)∗ � (� )=� (�)∗ �0(�)=∫
−∞
+∞
�0(�−�) � (� )� �=� (� )
特異な信号のフーリエ変 換
� 0(�−�0)↔�− � � �0
より、遅延の公式から、
フーリエ変換
ω U0(jω)
0 1
単位インパルスのフーリエ変換は、
�0( � �)=lim
�0→0 ∫
−�0
�0
1 2�0 �
−� � �
��=lim
�0→0
sin � �0
� �0 =1
即ち、 u0(t) ↔ 1
� ( � �)=∫
−∞
+∞
�−� � ��0(� )��=1
と求めることも可能
t
単位インパルス 0
u0(t) ∞
面積 =1 or δ(t)
である。
或いは、単位インパルスの性質 を利用し、∫
−∞
+∞
� (�)�0(�)=� (0)
特異な信号のフーリエ変
単一正弦波
換
フーリエ変換が 2πu0(ω−ω0) で表される信号 f(t) を求める。
� (�)=ℱ−1[2 � �0(�−�0)]=21� ∫
−∞
+∞
2� �0(�−�0)�� � � � �=�� �0�
ℱ [�� �0�]=2� �0(�−�0)
ω0 = 0 即ち直流の場合には、1 ↔ 2πu0(ω)
t f(t)
0 1
直流 f(t) とそのスペクトル F(jω) フーリエ逆変換により、
即ち、
ω F(jω)
0
面積 =2π
ω F(jω)
0
面積 =2π ω0
1 -1
-j
j ω0t
特異な信号のフーリエ変
単一正弦波
換
正弦波信号 sinω0t については、
sin�0�= 1
2 � (�� �0�−�− ��0�)
sin �0�↔ � � {−�0(�−�0)+�0(�+�0)}
0 ω
π
ω0
−ω0
−π
�(� �) �
0 ω
π
ω0
−ω0
F(jω) π cos�0�=1
2 (�� �0�+�− � �0�)
cos �0�↔� {�0(�+�0)+�0(�−�0)} より
より 余弦波信号 cosω0t については、
ℱ [�� �0�]=2� �0(�−�0) であるから、
従って、スペクトルは右の図のようになる。 ℱ [sin �0�]
ℱ [cos�0�]
従って、スペクトルは右の図のようになる。
周期波のフーリエ級数展開のスペクトルと同様、線スペクトルとなる。
1 -1
-j
j ω0t
-ω0t
特異な信号のフーリエ変
単位ステップ
換
t u−1(t)
0
�−1(�)=
{
10,,��<>00に対 して に 対して
1
�−1(�)=1 2+1
2 sign�
sign�=
{
−011�=��><000のときのときのとき
∫0
∞ sin � �
� � �=
{
−�2�2,,��><0 0
�−1(�) =1 2+ 1
� ∫
0
∞ sin� �
� � �
単位ステップは書き直すと、
ここで符号関数 sign t とは、 の性質がある。
また、定積分の公式より、
となる。
であるから、
と表せる。
特異な信号のフーリエ変 換
�−1(�) =1 2+ 1
� ∫
0
∞ sin� �
� � �
の右辺第 1 項については、ℱ [1]=2� �0(�) より、
ℱ
[
12]
=� �0(�)で、直流成分の線スペクトルである。一方、第 2 項については、sin� �= 1
2 � (��� �−�−� � �)
を代入して変形すれば、
1
� ∫
0
∞ sin � �
� � �= 1
�
{
∫0∞ �� � �
2 � � � �−∫
0
∞ �− � � �
2 � � � �
}
右辺第 2 項の ω を、 u = −ω として u に置き換えると、 dω → −du となり、
となり、
1
� � のフーリエ逆変換であり、交流成分を与える。
これは
特異な信号のフーリエ変 換
�−1(�) =1 2+ 1
� ∫
0
∞ sin� �
� � �
従って、 の第 2 項のフーリエ変換は である。1
��
ℱ[�−1(�)]=� �0(�)+ 1 � �
かくして、単位ステップのフーリエ変換は、
となる。
ω
U−1(jω) or U−1(jω)/j
0
面積 =π また、スペクトルは右の図のようになる。
一般的に、 f(t) の変化の激しい信号ほど、スペ クトルの裾が広がる。 ( つまり、高い周波数成 分を有する )
変化の激しい信号としては単位インパルスが、
逆に変化に乏しい信号としては直流 ( 或いは単 一周波数の正弦波 ) がその例である。
また逆に、変化の激しいスペクトルをもつ波形 ほど、時間波形 f(t) の裾は広がる。
特異な信号のフーリエ変
例 4.3.1
換
� −1(�)cos�0�のフーリエ変換は、
0 t
1
� −1(�)cos�0�
−1 cos �0�=1
2 (�� �0�+�−� �0�)
の因数
�−1(�) =1 2+ 1
� ∫
0
∞ sin� �
� � �
より、
と を遅延演算子と考えると、
従って、
となる。
特異な信号のフーリエ変
例 4.3.1
換
� −1(�)sin �0�のフーリエ変換は、
0 t
1
� −1(�)sin �0�
−1
sin�0�= 1
2 � (�� �0�−�− ��0�)
の因数
�−1(�) =1 2+ 1
� ∫
0
∞ sin� �
� � �
より、
と を遅延演算子と考えると、
従って、
となる。
特異な信号のフーリエ変
換
フーリエ変換とラプラス変換との
関係
フーリエ変換ラプラス変換
応用 初期値を含む常微分方程式の解法 偏微分方程式の解法 定義
表記
f(t) のフーリエ変換 ( ただし、
f(t) は区分的に滑らかで絶対可 積分)
フーリエ逆変換
� ( � �)=ℱ[ � (�)]
或いは、
f(t) のラプラス変換 ( ただし、 f(t) は区分的に滑らかで、 t < 0 におい て f(t)=0)
ラプラス逆変換
f(t) F(s) 変換可能な
f(t) の条件 単位インパ ルスの変換
( 絶対可積分) f(t)=0 (t < 0)
σ > 0
単位ステッ プの変換
ℱ [�0(�)]=1
ℒ [�0(�)]=1
� (�)=ℒ[ � (�)]
或いは、
ℒ [�−1(�)]=1� ℱ[�−1(�)]=� �0(�)+ 1 � �
パルス信号入力に対する線形不変回路の応
線形不変回路とは ?
答
R, L, C 等の線形回路素子のみからなる回路で、それら回路素子の値や回
路が時間と共に変化しない回路 ( これまで習ってきた通常の電気回路は これに相当 )
V(jω) を パルス信号 v(t) のフーリエ変換とし、以下の様にフーリエ逆変
換として表わすと、 v(t) は部分振動成分 ω の関数として表現できる。
上式は、 ω と ω + dω の間に入る部分振動成分の複素振幅 ( 振幅と位相の分 布 ) が V(jω)dω で与えられることを意味する。
�(�)= 1 2� ∫
−∞
∞
� ( � �)�� � �� �
一方、角周波数 ω0 の単一正弦波の励振 に対する線形不変回路の応答は、
その回路の伝達関数 H(jω) を用いて によって与えられるから、応答を で 表せば、
� ( � �0)�� �0�=� ( � �)�( � �0)�� �0�
H(jω)
線形不変回路
� ( � �0)�� �0� � ( � �0)�� �0�
励振 応答
伝達関数 である。
従って、� ( � �0)=�( � �)�( � �0)
パルス信号入力に対する線形不変回路の応
従って応答波形 i(t) は (§3.4 でも扱ったように
答
) 、励振 v(t) の全ての部分 振動成分 ω0 に対する応答を ω について重ね合わせたものである。 ( 線形 回路においては、このような重ね合わせが成り立つ )�(�)= 1 2� ∫
− ∞
∞
�( � �)�� � �� �= 1 2� ∫
− ∞
∞
�( � �)� ( � �)�� � �� �
上式は、 I(jω) のフーリエ逆変換に他ならない。
つまり、励振 v(t) のフーリエ変換 V(jω) と 伝達関数 H(jω) との積をフー リエ逆変換すれば、応答波形 i(t) が求まる。
� (�)=ℱ−1[�( � �)]=ℱ−1[�( � �)� ( � �)]
パルス信号入力に対する線形不変回路の応
別の解釈として、 H(jω) がある関数
答
h(t) の周波数スペクトルになるような関 数 h(t) を考える。 V(jω) が v(t) の周波数スペクトルであることを考えれ ば、�( � �0)=�( � �)�( � �0)
より
� ( � �0)=
[
−∞∫∞ h(�)�− � � �� �][
∫−∞∞ �(�)�− � � �� �]
右辺第 2 因数は τ に無関係であることから、第 1 因数の被積分関数に乗じて、
ここで、 u = t − τ と置いて、 t と τ の積分の順序を交換すると、 du = dt より、
従って i(t) は、�(�) =∫
−∞
∞
h(�)�(� −�)� �
或いは、 �(�) =∫
−∞
∞
�(� )h(�−�)� �
畳み込み積分
パルス信号入力に対する線形不変回路の応 答
インパルス応答
単位インパルス u0(t) のスペクトルは、 U0(jω) = 1 であるから、伝達関数 が H(jω) の線形不変回路に単位インパルス励振 u0(t) を印加した時の応答 は、 � ( � �)=�( � �) により、
�(�) = 1 2� ∫
− ∞
∞
�( � �)�� � � � �=h(�)
である。
従って、伝達関数 H(jω) のフーリエ逆変換 h(t) を、インパルス応答と呼ぶ。
練習問題
1. この波形をフーリエ級数で表せ。
f(t)
0 1
−1
T t
−T −T/2 T/2
�0=2� �
�0= 1
� ∫
−�/2
�/2
� (�)��=0
直流成分は無し
� (�)=�0+∑
�=1
∞
(��cos���+��sin���)
を基本角周波数として、
のようにフーリエ級数に展開すると
図に示すような周期 T で無限に繰り返す方形波を考える。
(n =1, 2, 3, …)
図の波形は奇関数のた め、偶関数 (cosωnt) の係 数は 0
練習問題
��= 2
� � {1−(−1)�}=
{
� �04��が 偶数が 奇数のときのとき
2. この方形波 f(t) を理想的な低域通過フィルタを通して周期 T の基本 波のみを取り出したとする。そのフィルタを通した波形を振幅を明示 して図示せよ。
基本波は n = 1 に対応するから、その振幅は�4 (n =1, 2, 3, …)
練習問題
3. この理想低域通過フィルタで取り出した基本波の平均電力は、元の方 形波の平均電力の何 % になるか ?
基本波の電力は、
一方、元の方形波の電力は、
1 であるから、 � �1= �82 ≅0.81 約 81%
練習問題
4. 全ての調波電力の和が、元の方形波の電力と等しいことを確かめよ。
まず、第二高調波の電力を求めてみると、第二高調波は n = 2 に対応す るからその振幅は 0 であり、第二高調波の電力はゼロである。4
3 �
次に、第三高調波の電力を求めてみると、その振幅は であるから、電力は
第四高調波は n = 4 に対応するからその振幅は 0 であり、電力はゼロである。
従って、全ての調波電力の和は、
=1
n は奇数
ゼータ関数より �
2
8
成績評価につい て
1. 成績は、レポートへの取り組み内容 100% で評価する。
2. レポート課題は、教科書の第 2 章と第 6 章の演習問題の全問が対象。た だし、重複している問題はどちらか一方を解けば良い。解答方法は、微 分方程式かラプラス変換のいずれを用いてもよい。また、教科書のラプ ラス変換表 ( 表 5.2) を用いて解いても良い。その場合は、用いた変換の 番号を示すこと。教科書に解答が示されているが、間違いもあるので要 注意。解答だけ写して提出しても全く評価しない。解答の過程が詳しく 丁寧に示されている場合のみ評価する。
3. 自筆の文書を提出のこと。提出先および提出期限は以下のいずれかとす る。 〆切を過ぎたレポートは受け付けない。
1) 1 号館玄関ロビーにある私のメールボックスに投函 ( 提出期限 :
8/2( 月 )17:00)
2) 2 号館 2 階にある私の研究室に持参 ( 提出期限 : 8/2( 月 ) 終日 )
3) 郵送 ( 〒 980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉 6-6-05 東北大学 山田
博仁 )
7/31 までの消印有効