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教 育 研 究 員 研 究 報 告 書

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Academic year: 2021

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全文

(1)

高等学校

成10年

教 育 研 究 員 研 究 報 告 書

芸 術(美 術)

東 京 都 教 育 委 員 会

(2)

研究主題

美 的 体 験 活 動 を通 して 、 自 己 表 現 力 を高 め る 授 業 の 工 夫

1 ∬ 皿

主題設定 の理由

1 9 自 0 0 4 = り

研 究構 想図

研 究事 例

自己表現 力 を高め る授業 の工夫 の視点

鋳 造 一 ア ル ミや ピ ュ ー タ ー 合 金 を 溶 か して の 作 品 づ く り ピ ン ホ ー ル カ メ ラ の 制 作 と撮 影

コ ラ グ ラ フ 最 初 の 授 業

社 会 に 目 を 向 け た 作 品 鑑 賞 と 制 作 美 術 の 授 業 の 導 入 と し て

自 己 を 見 つ め る一 ブ ッ ク カ バ ー デ ザ イ ン とポ ス タ ー 制 作 を 通 し て V研 究 の ま とめ

‑ ← 1 0 乙 3 0 0 9 α ρ 0 0 4 1 ⊥ 1 0 4 0 乙

平 成10年

教 育研究 員名簿 芸術(美 術)

第2学 都 立 新 宿 山 吹 高 等 学 校 木 村 英 憲

第5学 都 立 晴 海 総 合 高 等 学 校 大 高 利 之

第5学 都 立 足 立 新 田 高 等 学 校

第8学 都 立 羽 村 高 等 学 校 飯 田 昭 子

第10学 区 都 立 府 中 西 高 等 学 校 一 郎

担 当 教育庁指導 部高等学校教育指導課

(3)

1主 題 設 定 の 理 由

今 日 の 高 校 生 は 、 自 己 主 張 は 強 い が 自 己 を 豊 か に 表 現 す る 力 が 乏 し い と言 わ れ る こ とが あ る 。 さ ま ざ ま な 情 報 や こ れ ま で 得 た 知 識 を 自 らの 力 と して 活 用 で きず 、 固 定 的 な 観 念 で も の ご と を 見 、 判 断 す る こ と も多 い 。 美 術 の 学 習 に お い て も 、 自然 や 崇 高 な も の な ど に 接 し て 思 考 し 、 感

じ取 り、 創 意 工 夫 し な が ら表 現 し て い く行 為 が 希 薄 に な りが ち で あ る 。

美 術 の 学 習 は 、 美 術 の 諸 活 動 を 通 し て 、 一 人 一 人 が 自 己 を 見 つ め 、 そ れ を 表 現 して 確 か め 、 高 め る 、 主 体 的 な 美 的 体 験 活 動 で あ る と と も に 創 造 活 動 で あ る 。

本 研 究 で は 、 美 的 体 験 活 動 の 中 で も 、 「も の の 見 方 」 を 広 げ る こ と 、 さ ま ざ ま な 素 材 や 技 術 と 関 わ る こ と 、 自 己 と他 者 と の 関 わ り を 重 視 した 授 業 を 工 夫 す る こ とで 、 自 己 表 現 力 を 引 き 出 し、 さ ら に 新 た な 自 己 表 現 へ と発 展 で き る と 考 え た 。 ま た 、 各 学 校 の 生 徒 の 実 態 も踏 ま え て 研 究 を 進 め る こ とで 、 具 体 性 を 持 た せ 、 実 践 的 な研 究 に す る こ と を ね ら い と し た 。

ll研 究 構 想 図

回 一

わずかな経験 や知識 か らの

限 られ た 自

\/

美 的体験活動

\/

回:

新たな自己表現

(4)

自 己 表 現 力 を 高 め る 授 業 の 工 夫 の 視 点

具 体 的 な 美 的 体 験 活 動 工 夫 の 視 点

ピ ン ホ ー ル カ メ ラ ・生 活 の 中 の 映 像 の 理 解 と再 認 識

・映 像 の 原 理 の 理 解 と応 用

・写 真 を 使 っ た 構 成

○ 感 動 体 験

○ 技 術 ・技 法 の 理 解 と 応 用

○ 応 用 力

○ 自 己 表 現 力

・金 属 の 性 質(材 質 感)と 溶 解 の 体 験

・鋳 造 技 法 の 理 解 と 体 験

・金 属 の 特 性 を 生 か した 新 た な 形 体 の 追 求

○ 感 動 体 験

○ 技 術 ・技 法 の 理 解 と 体 験

○ 応 用 力

○ 自己 表 現 力

コ ラ グ ラ フ ・作 品 に こ め ら れ た 作 者 の 感 情 や メ ッ セ ー ジ の 理 解 と 表 現 へ の 広 が り

・ さ ま ざ ま な テ ク ス チ ャ ー を 生 か し た 触 覚 的 な 版 画(コ ラ グ ラ フ)の 体 験 と 応 用

・表 現 意 図 を 明 確 に す る た め の 画 面 構 成

○ 鑑 賞 力 、 心 に 感 じ る 力(感 性)

○ 技 法 の 理 解 と 応 用

○ 応 用 力 、 表 現 力

最 初の授 業 ・手 、 目 、 感 覚 、 記 憶 な ど の 働 き に つ い て の 理 解 の た め の 体 験 学 習 と 再 認 識

・描 く こ と 、 表 現 す る こ と に つ い て の 理 解 と 再 認 識

○ 感 動 体 験

○ もの の 見 方 を 深 め る

○ 自 己 表 現 力

自 己 を 見 つ め る ・自 己 の 観 察 、探 究

・発 想 ・構 想 で の 創 意 工 夫

・視 覚 伝 達 デ ザ イ ン の 表 現 方 法 の 理 解

・平 面 デ ザ イ ン技 法 の 基 礎 理 解 と 多 様 な 材 料 の 活 用

○ 表 現 意 図 の 明 確 化

○ 材 料 、 技 法 の 理 解 と 個 に 応 じ た 活 用

○ 自 己 理 解 、 他 者 理 解

○ 自 己 表 現 力

(5)

IV研 究 事 例

ピ ンホ ー ル カ メ ラの制 作 と撮 影

1題 材 設 定 の 理 由

本 校 は 総 合 学 科 で あ り 、 美 術 系 の 選 択 科 目 を 数 多 く設 置 し て い る 。 そ の 中 に 「映 像 」 が あ る が 、 年 間 計 画 は 次 の よ う な もの で あ る 。

容(年 画)

1 9 0 9 0 4 に U ρ 0

7

8

オ リ エ ン テ ー シ ョ ン ・ ・ ・ … 写 真 の 歴 史 に つ い て の 学 習 及 び 作 品 鑑 賞 ピ ン ホ ー ル カ メ ラ に つ い て(1)ピ ン ホ ー ル カ メ ラ 制 作

(2)ピ ン ホ ー ル カ メ ラ に よ る 撮 影 及 び 現 像 一 眼 レ フ カ メ ラ の 原 理 と構 造 及 び 操 作 方 法 に つ い て

一 眼 レ フ カ メ ラ を 使 っ て ・ …(1)撮 影 練 習

(2)被 写 界 深 度 の 学 習

(3)シ ャ ッ タ ー ス ピ ー ド に よ る 写 り 方 の 違 い (4)テ ー マ 写 真 … テ ー マ に そ っ た 撮 影 実 習 作 品 ア ル バ ム の 整 理 と 鑑 賞

写 真 現 像 の 体 験 ・ ・ ・ ・ ・ …(1)白 黒 フ ィ ル ム に よ る 撮 影

(2)現 像 に 使 う 薬 品 の 作 成 と フ ィ ル ム 現 像 技 術 演 習 (3)フ ィ ル ム の 現 像

(4)暗 室 実 習 及 び コ ン タ ク ト プ リ ン トの 作 成 (5)引 き 伸 ば し 機 の 操 作 実 習

(6)印 画 紙 へ の 焼 き つ け 及 び 現 像 コ ン ピ ュ ー タ に よ る 写 真 加 工 ・ ・(1)写 真 加 工 用 の ソ フ トの 操 作

(2)コ ン ピ ュ ー タ へ の 写 真 の 取 り 込 み (3)コ ン ピ ュ ー タ に よ る 写 真 の 加 工

「動 く 映 像 」 ・ ・ … ◆ …(1>動 く 映 像 の 歴 史 に つ い て の 理 解 と 作 品 鑑 賞 (2>ア ニ メ ー シ ョ ン の 制 作 体 験

(3)ア ニ メ ー シ ョ ン の コ マ 撮 り撮 影 (4)試 写 会 及 び 講 評 会

映 像 の 授 業 で は 、 興 味 ・関 心 は あ る の だ が 、 映 像 の 概 念 や 理 論 が 分 か ら ず に 、 意 欲 的 に 活 動 で き な い 生 徒 も少 な く な い 。 特 に 、 映 像 と は 見 た も の を そ の ま ま 写 し出 して し ま う と い う 既 成 概 念 が 生 徒 に と っ て は 強 い た め 、 自 己 表 現 力 を 高 め る 上 で の 障 壁 と な っ て い る 場 合 も 多 い 。

(6)

本 研 究 で は 、 空 き 箱 を 利 用 して ピ ン ホ ー ル カ メ ラ を制 作 す る 。 ピ ン ホ ー ル カ メ ラ は 、 だ れ で も簡 単 に作 れ る カ メ ラ で 原 始 的 な 構 造 で は あ る が 、 映 像 の 原 理 を 理 解 す る に は 最 適 の 教 材 と考 え る 。 そ して 、 つ く り方 次 第 で は 多 様 な 表 現 が 可 能 な た め 、 映 像 に つ い て 理 解 し 、 応 用 で き る 教 材 で あ る 。 こ の 題 材 を 通 して 、 映 像 が 生 徒 に と っ て 新 た な 自 己 表 現 の 手 段 に な る と考 え 主 題

を設 定 した 。

2.展 開 例

映 像 と は そ も そ も 物 を 直 接 見 る こ と で は な く 、 何 ら か の 媒 体 を 通 し て 二 次 的 に 見 え る 虚 像 の こ と を 言 う 。 紀 元 前4世 紀 頃 、 小 さ な 穴 か ら 入 る 光 に よ っ て 倒 立 像 が で き る 現 象 を ギ リ シ ャ の ア リ ス ト テ レ ス が 記 録 し て い る 。 ま さ に こ れ が 世 界 最 古 の 映 像 の 記 録 で あ り 、 映 像 の 原 点 で も あ る 。 そ し て 、 こ の 原 理 を 利 用 し た の が ピ ン ホ ー ル カ メ ラ で あ る 。 ピ ン ホ ー ル カ メ ラ の 構 造 は 現 在 の カ メ ラ と 基 本 的 に は 同 じ で あ る 。 小 さ な 穴 の 部 分 を レ ン ズ に 置 き 換 え た の が 現 在 の カ メ

ラ で あ る 。 ピ ン ホ ー ル カ メ ラ は 現 代 の カ メ ラ の 原 点 と 言 え る 。

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太陽光練 は物体 にあたると四方八方に反射するが、

ピンホールカメラの小 さな穴はある一方向の光線 のみを集めることにより倒立像 を形成する。

(1)本 体 の 製 作

ピ ン ホ ー ル カ メ ラ の 本 体 は 菓 子 の 空 き 箱 等 を 利 用 す る 。 こ の 時 、 光 の 透 け な い 材 質 の 箱 を 選 ば せ る の が 重 要 と な る 。 ど ん な 形 の 箱 で も よ い が 、 深 い 箱 ほ ど 望 遠 レ ン ズ の カ メ ラ に な り 、 浅 い 箱 ほ ど 広 角 レ ン ズ の カ メ ラ と な り 、 写 り 方 に 違 い が 表 れ る 。

こ の 箱 に 針 で 穴 を あ け る わ け だ が 、 穴 は レ ン ズ の 役 目 を す る の で 精 度 を 高 め る 必 要 が あ る 。 そ こ で あ ら か じ め 箱 に2〜3cm四 方 ほ ど の 大 き め の 穴 を 空 け 、 そ の 穴 に ア ル ミ ホ イ ル を 貼 り 、 そ こ に 針 で 穴 を 空 け る と い う 手 法 を 使 う 。 ア ル ミ ホ イ ル は 光 を 通 さ な い 上 と て も 薄 い の で 、 直 接 箱 に 空 け る よ り も 精 度 の 高 い 穴 が 空 け ら れ る 。 穴 の 大 き さ は 、 大 き い 穴 ほ ど ソ フ トフ ォ ー カ ス を か け た よ う な の よ う な ぼ や け た 作 品 と な り 、 小 さ な 穴 ほ ど シ ャ ー プ で ク リ ア ー な 作 品 と な る 。

(7)

盤 識 簾 撫 犠:函 黛

難 に な る た め 、 黒 い ビ ニ ー ル テ ー プ を 穴 に そ の 都 度 つ け た り は ず し た り す る と い う こ と で シ ャ ッ タ ー の 代 用 と し た 。

最 後 に フ ィ ル ム 代 わ り と な る 印 画 紙(参 考:フ ジ ブ ロWPFM2キ ャ ビ ネ サ イ ズ)

を 暗 室 内 で 箱 の 底 の 中 心 に 貼 り 付 け 、 蓋 を し っ か り 閉 め て 完 成 と な る 。

響 蝋 舞職

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瀞 襲、

ア ル ミ ホ イ ル に 針 で 慎 重 に 穴 を あ け る

黒 ビニ ー ル テ ー プ

針 穴、、

アル ミホイル/

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㍉ 印画紙

(2)撮

レ ン ズ を 持 た な い ピ ン ホ ー ル カ メ ラ は シ ャ ッ タ ー ス ピ ー ドが 非 常 に 長 く な る の で 、 撮 影 は な る べ く 明 る い 屋 外 で 行 わ せ た 。 そ れ で も 晴 天 時 の シ ャ ッ タ ー ス ピ ー ド は 以 下 の よ う に 長 い 時 間 と な る 。 ま た 焦 点 距 離 の 長 い(底 の 深 い 箱 で 作 っ た)ピ ン ホ ー ル カ メ ラ ほ ど シ ャ ッ タ ー ス ピ ー ド は さ ら に 長 く な る 。 穴 の 大 き さ に も左 右 さ れ 、 小 さ な 穴 の カ メ ラ ほ ど シ ャ ッ タ ー ス ピ ー ド は 長 く な り 、 ま た 大 き い 穴 ほ ど 短 く な る 。

※引用:「 母 と子の針穴写真」 田所美恵子著

ピ ンホ ー ル カ メ ラ 図 解

カ メ ラ の 奥 行 き 38mm 54mm 77mm 108mm 154mm

晴 天 時 の シ ャ ッ タ ー ス ピ ー ド 16秒 32秒 1分 2分 4分

生 徒 に は 時 計 を 見 な が ら 、 ビ ニ ー ル テ ー プ の シ ャ ッ タ ー を は ず し た 時 か ら 再 び 穴 に 貼 り 付 け る ま で の 時 間 を は か ら せ 、 適 正 な シ ャ ッ タ ー ス ピ ー ド に な る よ う 指 示 し た 。 撮 影 中 は 少 し で も カ メ ラ を 動 か す と プ レ た 作 品 に な っ て し ま う の で 、 カ メ ラ を し っ か り 固 定 で き る 安 定 し た 場 所 で の 撮 影 を 勧 め た 。

(8)

(3)ネ ガ の 現 像

撮 影 の 終 わ っ た ピ ン ホ ー ル カ メ ラ は た だ ち に 暗 室 に 持 ち 込 ん で 中 の 印 画 紙 を 取 り 出 し 、 現 像 を 開 始 す る 。 手 順 は 現 像 液(90秒)→ 停 止 液(60秒)→ 定 着 液(5分)→ 水 洗(10分)の 順 に 印 画 紙 を 浸 し 、 最 後 は 自 然 乾 燥 さ せ る 。

授 業 風 景(印 画 紙 の 現 像)

現 像液 停 止液 定着液1

完 成 す る と 光 の 当 た っ た 明 る い 部 分 が 黒 く 変 色 し 、 当 た ら な か っ た 暗 い 部 分 は 白 く 残 る 。 こ れ が い わ ゆ る ネ ガ と な り 、 普 通 の 写 真 で い う と こ ろ の フ ィ ル ム と な る 。

(4)反 転 く ポ ジ の 作 成 〉

ネ ガ

新 しい印 画紙

、ガ ラ ス

ポ ジ(完 成)

こ の 作 業 も引 き続 き暗 室 で 行 う 。

図 の よ う に 新 しい 印 画 紙 の 上 に 現 像 した ネ ガ を 重 ね 、 そ の 上 に ガ ラ ス を 乗 せ て 密 着 さ せ 、 真 上 か ら 光 を 数 秒 間 当 て る 。 光 源 は 何 で も構 わ な い が 、 今 回 は 本 校 の 暗 室 に 設 置 して あ る 引 き 伸 ば し機 の 光 源 を 利 用 した 。

こ の 後 ネ ガ の 現 像 の 時 と同 じ手 順 で 現 像 を 行 う とポ ジ像 が 完 成 し、 一 連 の 作 業 が 終 了 す る 。

(9)

(生 徒 の 作 品)

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3考

作 品 を 見 る と 分 か る よ う に 、 ピ ン ホ ー ル カ メ ラ は 現 代 の カ メ ラ と は ひ と 味 違 っ た 、 柔 ら か な 風 合 い の 独 特 な 写 り 方 を す る 。 穴 の 空 け 方 や 箱 の 大 き さ の 違 い に よ っ て も 、 写 り 方 は 微 妙 に 変 化 す る 。 映 像 と は 、 必 ず し も 見 た ま ま で は な い と い う こ と が 発 見 で き る は ず で あ る 。 そ し て 、 生 徒 に と っ て 、 こ の 授 業 が 映 像 の 学 習 の 入 り 口 と な り 、 新 た な 自 己 表 現 の 世 界 を 可 能 に す る と

考 え る 。

今 後 の 課 題 と し て 、 施 設 と 選 択 人 数 に つ い て 触 れ て お く 。 「映 像 」 の 選 択 希 望 は 、 本 校 に お い て50名 弱 で あ り 、2ク ラ ス に 分 け て 授 業 を 行 っ て い る 。20名 を 越 え る 人 数 が い る の に 対 し 、 現 像 す る 暗 室 に6〜7名 収 容 す る の が 限 界 で 、 現 像 セ ッ ト も 一 つ し か 置 く ス ペ ー ス が な い 。 し

か も 、 水 ま わ り の 施 設 も な い 。 生 徒 の ニ ー ズ に 合 っ た 暗 室 が 必 要 で あ る 。

時 代 の 流 れ を 考 え る と 、 こ れ か ら は ま す ま す 「映 像 」 を 設 置 す る 学 校 が 増 え る こ と が 予 想 さ れ る 。 こ の 科 目 は 、 施 設 面 で の 充 実 が 不 可 欠 で あ る こ と を 本 研 究 の 成 果 の 一 つ と し て 上 げ て お く 。

(10)

ア ル ミ や ピ ュ ー タ ー 合 金 を 溶 か し て の 作 品 づ く り

1題 材 設 定 の 理 由

本 題 材 の 研 究 校 で は 、 無 気 力 感 か ら授 業 に 積 極 的 に 参 加 し な い 生 徒 が ク ラ ス に 数 名 見 ら れ 、 他 の 生 徒 に も影 響 を 与 え て 活 気 の な い 授 業 に な る こ と も 多 い 。 こ の 改 善 に は 、 授 業 へ 参 加 す る

よ う な 教 材 、 題 材 の 選 択 が 特 に 必 要 で あ る 。

本 研 究 は 、 ま ず 体 験 活 動 か ら 生 徒 の 興 味 ・関 心 ・意 欲 を 引 出 そ う と考 え た も の で あ る 。 金 属 の 溶 解 は 生 徒 に 「美 し さ 」 や 「神 秘 さ」 を 実 感 させ る こ と が で き る 。 ま た 、 高 熱 で 溶 解 し た 金 属 を 装 飾 品 や 造 形 作 品 と して 完 成 さ せ る 工 程 に も 、 意 欲 を 持 続 させ ら れ る 。 さ ら に 、 装 身 具 と

して 飾 れ た り 、 生 活 に 生 か せ る 点 か ら も 成 就 感 ・満 足 感 が 得 ら れ る 。

授 業 全 体 を 通 し て 、生 徒 が 満 足 感 を持 つ こ と で 、 迄 形 の 楽 し さ を 知 り 、 新 た に 追 求 す る 気 持 ち を 引 き 出 し 、 自 己 表 現 力 を 高 め る こ と が で き る と考 え 題 材 設 定 の 理 由 と した 。

2研 究 の 経 過

試 作 を繰 り返 し 、 次 の2課 題 で 授 業 研 究 を 進 め る こ と と し た が 、 そ れ ぞ れ の 特 徴 を ま と め て み る 。

作 品 形 状 題 材 の ポ イ ン ト

A 発 泡 ス チ ロ ー ル ア ル ミ レ リ ー フ 身 近 な 素 材 の 活 用

B ロ ス ト ワ ッ ク ス ピ ュ ー タ ー 合 金 完 成 度 、 扱 い 易 さ

(1)課 題Aの 制 作 の 手 順 と 材 料 ・用 具

① 原 形 を つ く る ・ … 発 泡 ス チ ー ル 、 カ ッ タ ー 、 紙 や す り 、 発 泡 チ ロ ー ル 用 接 着 剤

② 形 状 を 工 夫 す る … 材 料 の 特 性 か ら レ リ ー フ 状 の 作 品 を 制 作

③ 石 膏 型 を つ く る … ス ー パ ー マ ー ケ ッ ト等 の 透 明 容 器 に 鋳 造 用 石 膏 を 入 れ 、 そ の 中 に 原 型 を 入 れ 、 雌 型 を つ く る 。

④ 石 膏 型 の 乾 燥 ・ … ○ 自 然 乾 燥(2〜3日 置 い て お く)

○ ガ ス コ ン ロ の 上 で 弱 火 で1時 間 ぐ ら い 焼 く 。(水 分 を 無 く す)

※ 発 泡 ス チ ロ ー ル は こ の 時 抜 け る 。

原形(発泡スチロール) 石膏

スーパーの透明容器

〈石 膏 へ の 埋 没 断 面 図 〉

(11)

⑤ ア ル ミ の 溶 解 ・ ・ ・ … 黒 鉛 ル ツ ボ で ア ル ミ を 溶 解 す る 。 電 気 窯 を 使 用(700℃)

⑥ 石 膏 型 へ の 流 し 込 み … ヒ シ ャ ク で 流 し 込 む 。

⑦ 作 品 の 取 り 出 し ・ ・ … 石 膏 型 を 壊 し て 作 品 を 取 り 出 す 。

⑧ 仕 上 げ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … 耐 水 ペ ー パ ー 、 金 工 ヤ ス リ を 使 っ て 修 正

(発 泡 ス チ ロ ー ル 成 形 の よ う す)

顕 顯

既繋1一

(発 泡 ス チ ロ ー ル の 原 形)

(石 膏 型 を焼 い て い る) (2)課 題Bの 制 作 の 手 順 と材 料 ・用 具

宜 藩 〜 羊

阜轡

.

(ア ル ミ に よ る完 成 作 品)

① 原 形 を つ く る ・ … ロ ス ト ワ ッ ク ス を ア ル コ ー ル ラ ン プ で 温 め な が ら 成 形 す る 。

② 細 部 の 成 形 ・ ・ … 熱 し た 針 金 や 釘 を 使 っ て 成 形 。

③ 石 膏 型 を つ く る … ピ ュ ー タ ー 合 金 は 、 細 部 ま で 流 れ 込 む の で 、 立 体 作 品 に で き る 。 そ の 際 、 湯 道 と 湯 口 を つ く る 必 要 が あ る 。

④ 石 膏 型 の 乾 燥 ・ … ○ 自 然 乾 燥(2〜3日 置 い て お く)

○ 電 気 窯 で400℃ 位 で2時 間 ぐ ら い 焼 く 。

・ 湯遵

〈 ロ ス トワ ッ ク ス 原 形 と 湯 口 、 湯 道 〉

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〈 石 膏 へ の 埋 没 断 面 図 〉

牛瓢 ック

原形

(ロストワックス)

(12)

※ ロ ス ト ワ ッ ク ス は 、 溶 解 し て 揮 発 消 失 す る 。

⑤ ピ ュ ー タ ー の 溶 解 ・ ・コ ン ロ の 上 の 小 さ な 鍋 に て 、300℃ 位 で 溶 解 す る 。

⑥ 石 膏 型 へ の 流 し 込 み ・湯 口 よ り ピ ュ ー タ ー を 注 ぐ 。

⑦ 作 品 の 取 り 出 し … 石 膏 型 を 壊 し て 作 品 を 取 り 出 す 。

⑧ 仕 上 げ ・ ・ ・ ・ … 湯 道 と 湯 口 を 切 り 離 し 、 耐 水 ペ ー パ ー 、 金 工 ヤ ス リ を 使 っ て 修 正 。

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くロ ス ト ワ ッ ク ス 成 形 の よ う す)

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(原 形 に 湯 道 や 湯 ロ を つ け た と こ ろ)

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(電 気 窯 で 石 膏 型 を焼 い て い る)

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(湯 を 注 い で い る)

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(砂 場 の 中 で 石 膏 型 を こ わ し て い る)

(鋳 造 を 終 え た 作 品) 一 湯 道、 湯 口 が つ い て い る 一

(13)

【材 料 ・用 具 、 技 法 に つ い て 】

*石 膏 型 の 加 熱 乾 燥 … 型 に 水 分 が 残 っ て い る と 、 高 温 の 金 属 湯 を 注 い だ と き 、 水 蒸 気 爆 発 を お こ す の で 危 険 で あ る 。

*鋳 造 用 石 膏 … 耐 火 性 の 石 膏 で 、 普 通 の 型 ど り 用 焼 石 膏 と は 違 う 。(し か し 、 扱 い 方 は 同 じ)

*ロ ス ト ワ ッ ク ス … 蜜 ろ う 、 パ ラ フ ィ ン 、 松 脂 を 配 合 し た も の 。(水 を 含 ん だ 石 膏 皿 に 、 溶 か し た ロ ス ト ワ ッ ク ス を 流 し 、3〜5mm厚 の 板 状 に し て 使 用 し た 。)

*ピ ュ ー タ ー … 錫(す ず)を 主 成 分 と し た 少 量 の 銅 と ア ン チ モ ン を 加 え た 合 金 。

3考

ブ ロ ン ズ(青 銅)に さ れ た 作 品 に は 、 金 属 の も つ 堅 牢 性 、 重 量 感 な ど 色 々 な 魅 力 的 な 材 質 感 が あ り 、 屋 外 に も 置 く こ と が で き る 。 だ が 、 ブ ロ ン ズ は 、 技 術 的 な 問 題 や 材 料 費 の 問 題 で 学 校 で つ か う の は む ず か し い 。

そ こ で 、 ブ ロ ン ズ で は な く て も 、 何 か 金 属 に 作 品 を 置 き か え れ な い か と 思 っ て い た が 、 以 前 に ア ル ミ 鋳 造 と い う こ と を 聞 い て い た の で 、 身 近 に あ る ジ ュ ー ス の ア ル ミ 空 缶 を 利 用 し て 、 作 品 づ く り を 行 え な い か と 考 え た 。 試 み に 、 校 内 の ア ル ミ 空 缶 を100個 く ら い 集 め 、 つ ぶ し て 、 ル ツ ボ へ 少 し ず つ 入 れ て 、 電 気 窯 で 加 熱 す る と 、 ア ル ミ 缶 が 融 け て ル ツ ボ の 底 に 湯 が た ま っ て い た 。 し か し 、 融 け る ま で は 、 缶 に つ い て い る 塗 料 や 糖 分 が 燃 え て 、 す ご い 煙 と 悪 臭 が で た 。 こ の た め 、 授 業 で 使 う ア ル ミ は 、 市 販 の も の を 使 う こ と に し た 。

ア ル ミ で 生 徒 作 品 を 鋳 造 し て い る う ち に 、 ア ル ミ の 湯 が 細 部 ま で ま わ ら な い こ と に 気 づ き 、 教 材 用 の ピ ュ ー タ ー 合 金 を 用 い る よ う に 変 更 し た 。 ま た 、 ア ル ミ で は レ リ ー フ 状 の 作 品 だ っ た

も の を 、 ロ ス ト ワ ッ ク ス を 用 い て 立 体 作 品 を 制 作 す る よ う に し た 。 ピ ュ ー タ ー 合 金 は 、 ア ル ミ に 較 べ 、 鋳 造 性 に 優 れ て い て 、 細 部 ま で 原 形 の 復 元 が で き る こ と が わ か っ た 。

最 初 、 鋳 込 み は 、 床 に ベ ニ ヤ 板 を 敷 き レ ン ガ の 上 で 行 っ て い た が 、 湯 を こ ぼ し た り 、 ま た は 石 膏 型 に 穴 が あ い て 、 湯 が こ ぼ れ た り し た 。 そ こ で 、 砂 場 の 箱(キ ャ ス タ ー 付 き 、80×100 cm)を 作 っ て 、 そ の 中 で 行 う こ と に し た 。 砂 の 中 に 石 膏 型 を 埋 め ら れ る た め に 安 定 性 が よ く な

り 、 授 業 が や り や す く な っ た 。

鋳 造 の 授 業 は 、 生 徒 全 員 が 初 め て で あ り 、 興 味 ・関 心 を も っ て く れ た 。 設 備 や 安 全 面 を 考 慮 す る と 、 作 品 の 大 き さ が 少 な く な り 、 生 徒 各 個 人 の 独 特 な 形 体 追 求 ま で は 高 め ら れ な か っ た 。

し か し 、 発 砲 ス チ ロ ー ル 、 ロ ス ト ワ ッ ク ス 、 石 膏 、 な ど 多 く の 素 材 を あ つ か う 経 験 が で き た こ と は 、 も の づ く り と い う 点 で 新 た な 広 が り を 持 つ こ と に な り 、 今 後 の 制 作 に 意 欲 を 与 え る こ と が で き た 。

ロ ス ト ワ ッ ク ス に よ る 技 法 は 、 我 国 の 飛 鳥 、 白 鳳 時 代 の 小 品 の 金 銅 仏 の 制 作 技 法 と 同 じ も の で あ り 、 昔 の 人 の 高 度 な 技 術 の 理 解 に つ な が り 、 鑑 賞 に も 役 立 つ 。

土 間 の あ る よ う な 教 室 が あ る と 、 鋳 造 の 授 業 は も っ と や り や す か っ た し 、 他 の 教 材 開 発 が 可 能 に な る も の と 思 わ れ る 。 ア ル ミ 空 缶 と い う 身 近 な も の を リ サ イ ク ル し 、 牛 乳 パ ッ ク や ス ー パ ー の 透 明 容 器 等 を 利 用 し て 制 作 す る 授 業 を 行 え た こ と は 、 も の づ く り を 身 近 な も の と す る 上 で 良 か っ た 。 今 後 は さ ら に 工 夫 を し て 、 装 身 具 の 制 作 や 金 属 の 特 性 を 生 か し た 形 体 の 作 品 づ く

り を 行 っ て み た い 。

(14)

コ ラ グ ラ フ 社 会 に 目 を 向 け た 作 品 鑑 賞 と 制 作

1題 材 設 定 の 理 由

本 題 材 の 研 究 校 で は 、 自分 の 意 見 や 考 え を積 極 的 に 表 現 で き る 生 徒 が い る 反 面 、 さ ま ざ ま な 力 や 良 い 考 え を持 っ て い な が ら 、 自 信 の な さ か ら そ れ ら を 表 に う ま く出 せ な い 生 徒 も 多 い 。 美 術 の 授 業 の 中 で も 、 生 徒 の 考 え や 思 い を 引 き 出 す よ う な 題 材 の 工 夫 が 必 要 で あ る 。

本 題 材 で は 、 社 会 問 題 と 関 わ りの 深 い 作 品 を作 者 の 表 現 意 図 を 重 点 に鑑 賞 し、 自 分 の 思 い や メ ッ セ ー ジ を作 品 に表 現 し て い く。 生 徒 は テ レ ビ や 新 聞 、 社 会 科 の 授 業 な ど で 社 会 問 題 に つ い て の 知 識 を か な り得 て い て 世 界 の 紛 争 や 災 害 、 身 近 な 環 境 問 題 な ど に つ い て 高 い 関 心 を 持 っ て い る 。 こ う した 知 識 を生 か し 、 そ れ ら の 問 題 に 対 す る 自 分 の 思 い や 考 え を 視 覚 的 に 表 現 し て い く こ と が で き た ら 、 生 徒 は 自信 を 持 つ こ と が で き る と考 え る 。 ま た 、 鑑 賞 と 制 作 を 組 み 合 わ せ る こ と に よ っ て 、 芸 術 に 対 す る 見 方 を 広 げ 、 よ り豊 か な 自 己 表 現 力 を 引 き 出 す こ と が で き る と も考 え 、 本 題 材 を設 定 し た 。

2展

(1>コ ラ グ ラ フ に つ い て

厚 紙 や 板 、 金 属 板 な ど の 上 に ボ ン ド や 砂 、 布 、 糸 な ど を 用 い て コ ラ ー ジ ュ を 施 し 版 を 作 っ て い く技 法 。 深 い 線 や エ ン ボ ス を 持 ち 味 と す る 反 面 、 プ レ ス の 圧 力 に よ っ て 版 が 壊 れ や す く 枚 数 を た く さ ん 刷 る の に は 大 変 弱 い 版 画 で あ る 。 ボ ン ド だ け で 版 を 作 っ た り 、 さ ま ざ ま な 方 法 が あ る 。 今 回 は 厚 紙 の 上 に ジ ェ ッ ソ や モ デ リ ン グ ペ ー ス ト、 ボ ン ド、 布 、 糸 な ど を 貼

り 凹 版 と し て プ レ ス 機 で 刷 る 。

蕉焔

生 徒 作 品 「 戦

赴f

◆ コ ラ ー ジ ュ を 基 に し て 版 を 制 作 して い くの で 、 生 徒 に と っ て 容 易 に 取 り組 め る 。

さ ま ざ ま な テ ク ス チ ュ ア を 生 か した 刷 り上 が りの 効 果 が 表 現 へ の 手 助 け と な る 。

評 価 の 観 点

鑑賞 ・各 作 品 の 作 者 の 思 い や メ ッ セ ー ジ を 感 じ 取 る こ と が で き た か

・作 品 の 技 法 や 表 現 手 法 に つ い て も 理 解 で き た か

コ ラ グ ラ フ ・制 作 意 図 を 明 確 に す る こ と が で き た か。 ま た 、 十 分 に 考 え た か 。

・各 素 材 の テ ク ス チ ュ ア を 生 か し、 自 分 な り の 工 夫 を 行 っ て い る か 。

(15)

(3)材 料 ・用 具 コ ラ グ ラ フ

・厚 紙(白 ボ ー ル 紙

、 厚 い も の)・ エ ッ チ ン グ 用 イ ン ク ・ エ ッ チ ン グ プ レ ス 機

・版 画 用 紙(ブ レ ダ ン な ど)・ ・刷 毛

・ 新 聞 紙 ・布(イ ン ク 拭 き 取 り 用)・ ペ イ ン テ ィ ン グ ナ イ フ

・貼 る 素 材(ジ ェ ッ ソ、 モ デ リ ン グ ペ ー ス ト 、 ボ ン ド 、 シ ェ ル マ チ エ ー ル 、 ア ル ミ 箔 、

網 、 ガ ー ゼ 、 ひ も 、 糸 、 ス タ ッ フ 、 麻 布 、 ド ラ イ フ ラ ワ ー な ど)

・参 考 作 品(画 集 、 カ タ ロ グ 、 教 師 作 品) ・テ レ ビ 、 ビ デ オ ・教 師 作 成 プ リ ン ト

(4)指 導 の 実 際 制 作1…

鑑 賞

制 作2…

コ ラ グ ラ フ を 体 験 し技 法 を 理 解 す る 。

社 会 問 題 と関 係 の 深 い 作 品 を鑑 賞 し 、 芸 術 に 対 す る 見 方 を 広 げ 、 作 者 の 思 い や メ ッセ ー ジ を 感 じ取 る 。

社 会 問 題 に 対 す る 自 分 の 思 い や メ ッ セ ー ジ を 作 品 に 表 現 す る 。

コ ラ グ ラ フ 参 考 作 品(ク ラ ベ ・ア ン ト ニ 、 ア リ ソ ン ・ダ ン 、 教 師 作 品 を 見 せ 技 法 を 説 明 す る 。 「コ ラ グ ラ フ を 体 験 して み よ う 」 と声 を か け 試 作 品 を 作 ら せ る 。

版 制 作 と 乾 燥

ボ ン ド を 塗 る

刷 り

モ デ リ ン グ ペ ー ス ト や ジ ェ ッ ソ を 塗 り重 ね た り 、 さ ま ざ ま な 素 材 を 自 由 に 貼 っ て い く 。 引 っ か い た り し て も 面 白 い 。

乾 燥 後 、 画 面 の 保 護 と イ ン ク の 染 み 込 み を 防 ぐ た め 、 布 や ひ も な ど に ボ

ン ド を 塗 る 。

エ ッ チ ン グ イ ン ク を 詰 め 凸 部 の イ ン ク を 拭 き 取 る 。 拭 き 取 り 加 減 で 刷 り 上 が り が 変 わ っ て く る 。

(16)

ビ デ オ で 画 集 や カ タ ロ グ の 作 品 を テ レ ビ に 写 し 、 説 明 。 教 師 作 成 の 鑑 賞 用 の プ リ ン トで 問 い や 作 業 を 行 い 、 さ ら に 内 容 の 理 解 を 深 め て い く 。

/謬 磯'欝

蘇 蒸

》 、

ぞ ・煮1.

㌻ 麹

癖 灘

漕 藻騰

《杉 並 区 阿 佐 谷 南3丁 目23‑13̀・rvr普 賢 岳r地 一 開 」》

〈 鑑 賞 作 品 〉

作 品名 と作者 関連す る社会事 象 鑑 賞 の ポ イ ン ト

《杉 並 区 阿 佐 谷 南3丁 目23‑13 西 普 賢 岳 「地 一 開 」 》

大 浦 一 志

雲 仙 普 賢 岳 火 砕 流 1991年(作 者 は 一 つ の 新 聞 記 事 を 見 て 普 賢 岳 へ と 向 か っ た 。)

作 者 に と っ て 「見 る 行 為 」 と は ど う い う こ と か

「ゲ ル ニ カ 」 パ ブ ロ ・ピ カ ソ 作 ス ペ イ ン 内 戦1937年 作 者 の メ ッ セ ー ジ 、 構 図

「原 爆 の 図 」 丸 木 位 里 ・俊 広島原子爆弾投 下 作 者 の 思 い 、 表 現 様 式

「人 質 」 ジ ャ ン ・フ ォ ー ト リ エ 作 第2次 世 界 大 戦 作 者 の メ ッ セ ー ジ 、 フ ォ ル ム

◆ 鑑 賞 後 、 過 去 か ら現 代 に 至 る社 会 的 事 件 や 問 題 を 思 い つ く ま ま あ げ さ せ 、 特 に 気 に な る 事 柄 に つ い て 各 自 の 思 い や 考 え を ま とめ さ せ る 。

制 作21作 目 の 各 素 材 ご との テ ク ス チ ュ ア の 効 果 を 確 か め さ せ 、 用 意 した プ リ ン ト に そ っ て 表 現 意 図 を 明 確 に させ て い く 。 鑑 賞 用 プ リ ン トで 生 徒 か ら で て きた 社 会 問 題 等 を 紹 介 し 、 参 考 に さ せ る 。

1ど ん な 社 会 的 事 件 、 問 題 を扱 う の か1紛 争 、 経 済 不 況 、 い じめ 、 環 境 問

題 、 震 災 、 少 年 犯 罪 な ど

ど ん な メ ッ セ ー ジ や 感 情 を 作 品 に 込 め る の か

1イ メ ー ジ の 形 象 化1

本 制 倒

怒 り 、 悲 し み 、 反 戦 、 平 和 、 祈 リ な ど 具 体 的 に 考 え さ せ る 。

隠 喩 や ス ト レ ー トな 感 情 表 現 な ど 、 自 分 の 感 情 や メ ッ セ ー ジ を 版 に し て い く 方 法 を 参 考 作 品 な ど で 例 示

し 、 十 分 に 考 え さ せ る 。

効 果 的 な 画 面 構 成 を 検 討 させ る 。

(17)

(生 徒 の 作 品 か ら)

ψ

,職Z{6.

τ.

「あ ふ れ る 幸 せ 」

畠 」.

〉艇 ・

緯 ・'謎

鷹罵

「人 間 の ス ト レ ス 」

'嘱 ≠ ぬ 鵡 璽'・ 野.鋤 糠 鱈

̲..

「絶 望 と 拒 絶 」 長 崎 の 原 爆 に 対 し て 、 り ん ご 一 つ で さ え も … 」

3考

鑑 賞 は 少 し難 しい 内 容 で あ っ た が 、 生 徒 は 質 問 し な が ら プ リ ン トの 問 い を 真 剣 に 考 え 、 内 容 を 理 解 して い っ た 。 制 作 で は 、 版 制 作 に 各 自 さ ま ざ ま な 工 夫 を こ ら し、 刷 り上 が っ た 作 品 の 多 様 さ に 驚 か さ れ た 。 生 徒 は 自 分 の メ ッ セ ー ジ や 感 情 を い か に 表 現 して い くか 、 悩 み 考 え た 。 描 画 の 授 業 で は 自 分 の 考 え を う ま く表 現 す る こ と が で き な か っ た 生 徒 も 、 今 回 は 思 い 通 り に 表 現 で き た よ う だ 。

今 回 の 授 業 を通 して 、 生 徒 が 身 の 回 りや 世 界 で 起 こ っ て い る 事 柄 に つ い て よ り関 心 を 持 ち 、 そ れ ら に 対 す る 自 分 の 思 い や 考 え を 表 現 して い く一 つ の 方 法 を 会 得 で き た ら 良 い と 思 う 。

(18)

最初 の授 業 美 術 の 授 業 の 導 入 と して

1題 材 設 定 の 理 由

本 研 究 校 は 、 お と な し く真 面 目 な 生 徒 が 多 く、 自分 の 考 え を 積 極 的 に 表 現 す る 生 徒 は 少 数 で あ る 。 美 術 の 授 業 で も 、 思 い 切 っ た 自 己 表 現 を し よ う とす る 意 欲 の 見 ら れ る 生 徒 は 少 な い 。

本 題 材 で は 、 入 学 し て 最 初 の 授 業 で 今 ま で の も の の 見 方 に 揺 さ ぶ り を か け 「描 く こ と 」 「表 現 す る こ と」 に つ い て の 理 解 を 深 め る こ と を ね ら い と し た 。 造 形 的 な 遊 び の 要 素 を 加 え 、 楽 し み な が ら 「描 く こ と」 を 別 の 角 度 か ら も改 め て 体 験 し 、 今 ま で と違 っ た も の の 見 方 を 認 識 さ せ た い と 考 え た の で あ る 。 こ れ か らの 授 業 で 、 自 ら が 主 体 と な っ て 自 己 表 現 を して い く た め の 動 機 付 け と な る と 考 え た 。

2展 開 例

(1)指 導 の ポ イ ン ト 制 作 を 通 し て 次 の こ と に つ い て 考 え る こ と を 大 切 に し た 。 a手 の は た ら き

b目 の は た ら き

c脳 の は た ら き(記 憶 ・感 覚 ・思 考 ・感 情)

生 徒 の 興 味 を引 き 出 す た め の 作 業 と ク イ ズ を 組 み 合 わ せ て 流 れ を組 み 立 て て み た 。

(2)指 導 の 実 際

最 初 の 授 業 、 挨 拶 ・出 席 確 認 呼 名 の 時 に ひ と 言 の 言 葉 か け を 工 夫 す る 。(コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン)

今 日 の 授 業 に つ い て 説 明 。 『最 初 だ か ら 少 し遊 ん で み ま し ょ う 』 と い う 声 か け で 期 待 と 不 安 を 高 め る 。

③B4更 紙 配 布 。 用 紙 を 横 位 置 に し て3等 分 に 折 る よ う に 指 示 す る 。

用 紙 左 側 の ス ペ ー ス に 手 を 描 く よ う に 指 示 。 筆 記 用 具 ・ポ ー ズ は 自 由 。 約10分

用 紙 中 央 の ス ペ ー ス に 、 筆 記 用 具 を 持 ち 替 え て も う 一 方 の 手 を 描 く よ う に 指 示 。 約10分

用 紙 右 側 の ス ペ ー ス に 、 今 描 い た 手 の 形 を 思 い 浮 か べ て 目 を つ ぶ っ て 描 く よ う に 指 示 。 約5分

→a手 の は た ら き

→a手 の は た ら き

→b目 の は た ら き

〈 こ こ ま で の ま と め/指 導 の 工 夫 〉

実 際 に で き た 作 品 を 見 て み る。 と な り の 人 と 交 換 し て 見 る 。

ふ だ ん 何 気 な く 使 っ て い る 「手 」 と 「目 」 を 使 わ な い と ど れ だ け 描 き に く い か 確 認

た だ、 ど ち ら も ま っ た く描 け な い わ け で は な く 、 逆 の 手 で 描 い た も の や 、 目 を つ ぶ っ て 描 い た も の も 、 と な り の 人 と は 違 う 個 性 が 出 て い る と い う こ と を 示 唆 す る 。

(19)

/

シ 〆

4\

糠 \

\/諺

ぐ ㊥

〔障 害 の あ る 作 家 の 作 例 を 説 明 〕

肢 体 不 自 由 で 口 を 使 っ て 描 く画 家(星 野 富 弘)、 視 覚 障 害 の あ る 彫 刻 家(1904年 降 の ドガ)な ど 、 障 害 が あ り な が ら作 品 制 作 して い る 作 家 の 例 を 話 す 。

先 程 の 更 紙 を 裏 返 し に す る 。 そ こ に 『誰 で も 知 っ て い て 身 近 な も の 』 を 「記 憶 」 だ け で 描 い て も ら う こ と を 話 し 、 そ れ が 何 な の か 当 て さ せ る 。

『正 解 は1000円 札 で す 。』 と 告 げ る 。 表 側 と 裏 側 を 並 べ て 描 き 、 全 体 の 大 き さ 、 図 案 の 配 置 な ど を 正 確 に 思 い 出 し

て 描 く よ う に 指 示 す る 。 カ ン ニ ン グ し な い よ う に 注 意 。 約10分 間 。

途 中 で ヒ ン ト を 出 す 。 誰 の 顔 だ っ た か 、1000の 字 は い く つ あ る か … な ど 。

正 解(本 物 の1000円 札)を 見 る 。(誰 も 持 っ て い な い テ ー ブ ル が あ っ た ら 貸 す 。)

大 き さ 、 横 縦 比 、1000の 字 ・人 物 の 配 置 な ど 確 認 。

→c脳 の は た ら き (記 憶)

〈 こ こ ま で の ま と め/指 導 の 工 夫 〉

・1000円 札 の 特 徴 を と ら え て 描 く の が 難 し か っ た 理 由 を 問 い か け る 。

も の を 見 る 時、 な ん と な く見 て い る だ け で は あ い ま い な 記 憶 し か 残 ら な い 、 真 剣 に 見 て 心 に 焼 き 付 け な い と 描 く こ と は で き な い 、 と い う よ う な こ と を 示 唆 す る 。

(20)

生 徒 を 一 人 立 た せ る 。 他 の 生 徒 に 彼 の 身 長 を 当 て さ せ る 。 誰 か か ら 声 が 上 が っ た ら 、 そ の 数 字 を 中 心 に 『〜cmと

う 人?」 と 聞 い て 、 全 員 の 予 想 を 黒 板 に 集 計 す る 。

立 た せ た 生 徒 に 正 解 を 発 表 し て も ら う 。 正 解 者 が い た ら み ん な で 拍 手 。 誤 差5cm以 内(約3%)の 人 が 何 人 い た か 確 認 し て お く 。

次 に 先 程 の 紙 を 裏 返 し て 机 に 広 げ 、 そ こ に10cmの 直 線 を フ リ ー ハ ン ド で 描 か せ る 。

定 規 を 配 布 し 、 描 い た 直 線 の 長 さ を 測 る 。 ど の 辺 も 身 長 と 同 じ 誤 差3%(9.7〜10.3cm)の 範 囲 に 入 っ て い た ら 正 解 と し た 。

→c脳 の は た ら き (感 覚)

→c脳 の は た ら き (記 憶)

q,宅,,L

〈 こ こ ま で の ま と め/指 導 の 工 夫 〉

・身 長 は、 ほ と ん ど の 人 が 誤 差3%以 内 で 当 て る こ と が で き た の に 、 直 線 だ と 分 か ら な い の は 何 故 だ ろ う か 問 い か け る 。

・ 日 頃 か ら 興 味 を も っ て 見 比 べ た り 測 っ た り し て い る も の に 関 し て は 「感 覚 」 が 鋭 く な る が 興 味 の な い も の に 関 し て は 「感 覚 」 が 曖 昧 に な る 。 他 の 例 も 挙 げ て 説 明 す る 。

・美 術 の 授 業 で は 「感 覚 」 を 磨 く よ う な ト レ ー ニ ン グ が 必 要 で あ る 。

⑮2枚 の 紙(B4上 質 紙)を 配 布

「1枚 の 紙 に も う1枚 の 紙 を 描 い て み ま し ょ う 」 と 問 い 掛 け る 。 ど う や っ て 描 く か 考 え さ せ て か ら 説 明 す る 。

描 く の に こ ま っ て い る 生 徒 に 。 「切 る 」 「破 る 」 「折 る 」

「ま る め る 」 「広 げ る 」 「貼 る 」 な ど の 工 夫 を す る 。 工 夫 の 仕 方 一 つ で 、 紙 の 表 情 が 変 化 し 、 性 格 の あ る 生 き 物 の よ う に 見 え て く る 。 そ れ ら の こ と を 実 例 を 示 し な が

ら 説 明 す る 。

作 業 開 始(約30分)

紙 に し わ を 作 り 過 ぎ て 失 敗 す る 生 徒 が 多 い 。 や り 直 し を 何 度 か 試 み 発 想 を 高 め る 。 セ ロ テ ー プ 、 糊 な ど を 使 っ て 工 夫 す る'。

→c ,脳 の は た ら き (思 考 ・感 情)

(21)

〈 こ こ ま で の ま と め/指 導 の 工 夫 〉

ど ん な 作 品 が で き た か 席 を 自 由 に 移 動 し て み ん な で 見 る 。

席 に 着 い た 後、 特 に ユ ニ ー ク な 発 想 の も の を 紹 介 す る 。

一 つ の 簡 単 な 素 材 が、 受 け 止 め る 人 間 に よ っ て ま っ た く 違 う 作 品 に な る こ と を 確 認 し 、 作 品 を 制 作 す る 際 の 脳 の は た ら き に つ い て 考 え さ せ る 。

こ の 時 間 に や っ た 「手 」 「目 」 「脳 」 の は た ら き に つ い て ま と め 、 こ れ か ら の 授 業 で そ れ ら を は た ら か せ

て 自 分 な り の 「表 現 」 を し て い っ て ほ し い と い う ま と め の 話 を す る 。

次 週 か ら の 予 告 を し て 終 了

「/

紅\.

!

̲コ

勲 鋭

へ入"

/ .

\乙ミご欝 ジ ノ

3考

こ の 題 材 を 始 め て3年 目 に な っ た 。 最 初 の う ち 、 生 徒 の 反 応 は 不 安 で 恐 る 恐 る だ っ た が 、 明 る く語 りか け る こ と で 楽 し げ な 雰 囲 気 を つ くれ る よ う に な り生 徒 の 反 応 も積 極 的 に な っ て き た しか し 、 い くつ か 問 題 点 も あ る 。

「手 」 「目」 「脳 」 の は た ら き に つ い て 、 理 解 した か の確 認 が十 分 に は で きて い ない 点 。

「脳 」 の は た ら き に つ い て の ク イ ズ や 実 習 に つ い て は 、流 れ をス ム ー ズ に す る た め 毎 年 工 夫 し て い る が 、 今 後 も改 良 の 余 地 が あ る 。

「手 」 「目」 の は た ら きの 実 習 で は 、障 害 の あ る生 徒 へ の 配 慮 を検 討 す る必 要 が あ る 。

こ の 授 業 で 美 術 の 授 業 へ の 期 待 が 高 ま っ た 雰 囲 気 は あ る が、 次 の 授 業 へ の 展 開 が う ま く い か な い 。 「表 現 」 に 必 要 な 技 術 と い う こ とで デ ッサ ン に つ な げ て い る が 、 そ こ で 興 味 を 失 っ て し ま う 生 徒 が 出 て きて い る 。

美 術 の 教 員 は 授 業 の 中 で 「自 己 表 現 」 の 大 切 さ を指 導 して い る が 、 学 校 生 活 の 場 面 で は 、 教 師 と して 、 時 に 生 徒 の 自 己 主 張 や 自 己 表 現 を 規 制 す る こ と も多 い 。 ま た 当 の 教 員 自 身 も 、 教 育 者 と して の 「自 己 表 現 」 が で き な く な っ て き て い る 。 美 術 の 授 業 で 「自 己 表 現 」 の 必 要 性 を 説 い て も 、 こ の よ う な 状 況 の 中 で は 生 徒 も 教 員 も 空 し さ を 感 じて し ま う 。 「自 己 表 現 力 を 高 め る 授 業 の 工 夫 」乏 は 、 学 校 の あ り方 考 え る こ と で は な い か?本 研 究 を 通 じ 、 そ の よ う な こ と を 考 え さ せ ら れ た 。

(22)

「自 己 を見 つ め る 」 ブ ッ ク カ バ ー デ ザ イ ン と ポ ス タ ー 制 作 を 通 し て

1題 材 設 定 の 理 由

本 研 究 校 に は 、 中 途 退 学 や 不 登 校 の 経 験 の あ る 生 徒 が 多 く在 籍 して い る 。 そ れ らの 生 徒 の 中 に は 、 自 ら に 自信 が 持 て ず に 、 不 安 感 を 抱 き 日 々 生 活 し て い る 者 も少 な く な い 。

こ の た め 美 術 の 授 業 で は 、 情 操 の 酒 養 と 共 に 、 自 己 表 現 力 の 伸 長 を 重 要 視 して い る 。 本 研 究 で は 、 自分 を テ ー マ と し た 視 覚 伝 達 デ ザ イ ン の 制 作 を 通 し て 、 内 在 す る 自 己 を 見 つ め 、 各 自 の 思 い を 引 き 出 し、 表 現 す る こ と を ね ら い と した 。

視 覚 伝 達 デ ザ イ ン の 制 作 で は 、 何 を 伝 達 した い の か を 明 瞭 に し な け れ ば な ら な い 。 テ ー マ を

「自 分 」 と設 定 す る こ とで 、 自分 を ど の よ う に 捉 え 、 伝 達 す る の か 考 え る こ と が 必 要 と な る 。 生 徒 一 人 ひ と りが 自 己 に つ い て 考 え 、 表 わ す こ と に よ り、 各 自 の 価 値 観 を 形 成 す る 一 助 と な れ ば と考 え た 。

授 業 研 究 で は 、 ブ ッ ク カ バ ー デ ザ イ ン の 制 作 を 通 し て 自 己 に つ い て 振 り 返 り 、 ポ ス タ ー の 制 作 に よ っ て 、 こ れ か ら の 自 分 に つ い て 考 え る 足 が か り と す る こ と を 目 指 し た 。

2展 開 例 〈 課 題1>

(1)題 材 名;「 自 伝 の ブ ッ ク カ バ ー デ ザ イ ン」

(2)課 題 の 内 容;自 分 の 自伝 本 を 各 自 仮 に 考 え て 、 そ の 本 の 表 紙 カ バ ー を デ ザ イ ンす る 。 (自 伝 本 を 実 際 に 執 筆 す る わ け で は な い 。)

(3)課 題 の ね らい

生 徒 各 自 が こ れ ま で の 自 分 を 見 つ め 、 受 け 止 め 、 自 己 の 形 成 過 程 を 振 り返 る こ と を 意 図 した 。

(4)設 定 条 件

本 の 大 き さ はA5判 を 基 準 と し、 生 徒 持 参 の 既 製 の 本 に 完 成 した カ バ ー を装 丁 して 提 出 す る 。 題 名 、 出 版 社 名 、 著 者 名(生 徒 氏 名)の 文 字 を 画 面 内 に 入 れ る こ と と と した 。 制 作 材 料 や 描 画 材 は 各 生 徒 の 意 図 に 応 じて 工 夫 す る よ う 指 導 した 。

(5)対 象 生 徒 ・授 業 時 間;美 術II受 講 生 徒 、2講 座 計33名 を対 象 に14時 数 で 実 施 した 。 (6)指 導 の 実 際

欝 時

な'緯 習'澱

λ 1 課 題 内 容 の 充 分 な 理 解 を す る 。 ブ ッ ク カ バ ー の デ ザ イ ン作 品 を 鑑 賞 す る 。

a B5判 プ リ ン トに 自 伝 本 の 内 容 設 定 を 行 う 。 題 名 、 出 版 社 名 、 目 次 、 粗 筋 の 各 項 目 を 文 章 で 記 入 す る 。

3 各 自 内 容 設 定 を 基 に カ バ ー デ ザ イ ン の ア イ デ ア ス ケ ソ チ を 重 ね る 。

? 各 材 料 で 制 作 を 行 う 。 完 成 し た 作 品 に は 透 明 保 護 シ ー ル を貼 り付 け る 。

ま と め 1 講 評 会 で 、 自 分 の 作 品 の 紹 介 を 行 う と と も に 、 他 人 の 表 現 意 図 を 理 解 す る 。 課 題 を 振 り返 っ て 感 想 文 を 記 入 す る 。

参照

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