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大スパン建物における RC 造およ び p c造混合躯体構造の施工

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Academic year: 2021

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(1)

西松建設技報 VoL.23

大スパン建物における RC 造およ び p c造混合躯体構造の施工

中村 有成 * 二ロ 幸市坤

To mo s b i g eNa k a mu r a Ko u i c h i Fu t a k u c h i

川口 幸治* 及川 恒洋串

Ko u j i Ka wa g u c h i Ts u n e h i r oOi k a wa

1.はじめに

RC造 ,PC造の混合構造は,建物の用途上 ,柱のスパ ンを大 きく取 る必要がある建物 に採用 され ,設計 された ものである.つ まり,混合構造の躯体は柱部分が在来の RC造であり,梁およびスラブ部分が工場製作 したPC造 となっている.本工事 ,雑色ポ ンプ所における躯体構造

,在来RC構造 とRC・PC混合構造 との併用躯体であり, その うち ,混合構造の施工範囲は2階床面積の約42%, R階床面積の約82%を占める.

本報告は,東京都下水道局雑色ポンプ所建設その10工 事において,地上2階‑R階部分にRC ・PC混合躯体構造 の施工 を行った結果について ,取 りまとめたものである.

2.

施工概要

(1)工事概要

工事件名 :雑色ポンプ所建設その10工事 発 注 者 :東京都下水道局

工事場所 :東京都大田区南六郷3‑23

工 期 :平成10年12月7日〜平成13年3月2日 工事範囲 :建築工事 ,機械設備工事 ,電気設備工事 建築規模 :階数 地上2階,塔屋1階

構造種別 RC・PC混合構造 敷地面積 11,842.54m2

建築面積 4,493.46m2

延床面積 12,342.36m2

最大スパ ン 20.0m 軒高 10.5m 最高軒高 14.6m 最高階高 6.5m 建築用途 :雨水ポンプ所

(2)近隣および立地条件

本工事の敷地は東京都大田区南六郷の低地域で ,南側 は多摩川 に面 し,北 ,東 ,酉面の3方向は当敷地 を囲む ようにマンションや低層個人住宅が立ち並んでいる.こ のような住宅地 という立地条件のため ,近隣協定 として

*関東 (支)雑色 (也)

写真‑ 1 PC床版架設状況 (2階)

写真‑ 2 PC壁梁 (R階)

作業 日,作業時間および資機材搬出入の時間的制約があ った. さらに,PC梁およびPC床版の長尺物の搬入にお いては,道路交通法上 ,深夜のみの取 り込み となり,よ り一層 ,近隣への騒音に対す る配慮が必要 とされた.

3.

施工管理

(1)工程管理

本工事のRC・PC混合構造は,2階部分 とR階部分 とで 異なる構造形式 となっている.以下にそれぞれの施工順 序 を示す.

[2階〕主にPC梁でPC床版 を受ける構造で ,PC床版上に さらに現場打ち トッピングコンク リー トがある.

1

階柱のコンクリー トをPC梁下端 レベルまで打設.

1

階柱 にPC梁 を架設.

③PC梁 に取 り合 う (揺 す る)部分 のRC梁 の型 枠 , 鉄筋の組立.

④pC床版 を支持する支保工の設置.

⑤pC床版の架設 (写真‑ 1).

⑥PC梁上端筋およびPC床版上端筋の組立.

⑦パネル ゾーン,RC部 ,トッピングコンクリートの打設.

[R階]主にRC受梁でPC床版 を受ける構造

2

階柱 ,梁およびpC受梁の型枠 ,鉄筋の組立.

②2階柱 ,梁 およびPC受梁の コンク リー ト打設 (写

113

(2)

抄銀

真‑ 2).

③pC床版架設.

④RC部の型枠 ,鉄筋の組立.

⑤RC部コンクリー ト打設.

以上

,

階によって2通 りの施工方法 をとることになっ たが ,特 に2階部分は在来RC造 とRC ・PC混合構造 との 併用躯体で ,さらに部位 によってPC架設 を行 うレベル が各々違 うため ,連続 してPC架設 を行 うことが困難 な 構造 となっている. したがって ,工程管理上 ,効率 よく 各工種の施工 を行 う必要性があった.

当現場では

1

フロアーを

3

工区に分割 し

,2

階部分のPC 梁 およびpC床版 を架設す る柱 を最優先 させ施工 した.

PC架設部先行後 ,在来RC造の躯体 を追従 させ ,PC架設 後す ぐに取合部の作業 を可能にす るよう施工 した.

また ,PC床版端部 は足場支保工 にて受 け架台 を設置 す ることで ,PC梁 と同時にPC床版の架設 を可能 に し,

さらに,パネルゾーンコンクリー ト打設 と トソビングコ ンクリー ト打設 を同時施工 とす ることで工期の短縮 を図 った.

(2)品質管理

RC ・PC混合構造の品質管理のポイン トとして重要 と なるのが,PC梁およびPC床版が按する部分のRC造の柱 および床版 コンクリー ト面の仕上が り精度である.よっ て ,下記の項 目を最重要視 し,品質 を管理 した.

・RC造柱の柱筋の位置確認 (PC梁アンカー筋 とRC造柱 筋 とのクリアランスの確保)

・型枠精度の向上

・コンク リー トの仕上精度の向上 (特 に柱 およびPC受 梁 コンクリー ト天端 レベル ,RC梁の通 り)

(3)安全管理

RC・PC混合構造物の安全管理の重要ポイン トは,PC 架設時の大型揚重機械 による重機災害の防止 と,PC架 設前は床面全体が開口部 となるので ,床開口部か らの墜 落転落災害の防止である.

本工事の重機作業 は

,2

階床施工時は

,1 6 0 t ,5 0 0 t

の 移動式 クレーンで3回に分 けてPC材 を架設 し,R階床施 工時は

,1 6 0 t ,3 6 0 t

の移動式 クレーンで同 じく

3

回に分 けて架設 を行った.前述のとお り,実際の建方は各階 と も工程上連続 して施工することができなかったので ,局 荷荷重により

,1 6 0 t ,3 6 0 t ,5 0 0 t

クレーンの各1機 を配置 して施工 した.特に本敷地 は多摩川に面 した場所である ので ,河川か らの風 が強 く,重機の転倒防止 ,吊荷災害 の防止 ,墜落転落災害の防止などに重点 を置 き,事前対 策 を十分検討 して,安全管理 を行った.

4.

大スパンRC造 ・PC造混合躯体構造の問題点

PC造の長尺物 (最大

1 9 . 5 9 m)

の施工において ,プレ ス トレスによる部材のたわみの他 ,温度膨張によるたわ み (そ り)が発生 し,在来のRC造 との取合部 に段差 を

114

西松建設技報 voL23

図‑ 1 RC ・PC取合部

生 じるとい う問題があった.

このそりは本工事が夏場の施工であったため温度差が 大 きく,また両端部が固定 されているとい う施工条件 に 起因 しているものであり,プレス トレスによるたわみ と ともに ,未然 に防 げる もので はない. しか しなが ら, RC造 ・PC造の混合躯体が構造的にフリーであるとい う 条件 と,躯体天端にアスファル ト防水仕上げを施す とい う設計上の条件 を互いに満たすためには,この取合部 を 有効的に処理する必要があった.

検討の結果 ,本工事で採用 した対策 としては ,まず PC部材 と取 り合 う部分のRC造躯体天端 をモル タルで現 状 に合わせてPC部材 とす り付 けを行 った. これにより 一時的に段差 を解消 させ ,さらに取合部の上に防水増張 (ガムロン防水) を施 し,止水性 を確保 した.そ して , このような処置 を行った後 ,設計上のアスファル ト防水 を施工 した (図‑ 1).

以上により,上記の構造的条件および設計仕様 を維持 しつつ ,将来的な温度変化によるたわみにも柔軟的に対 処できる措置がとれたと思われる,

5.

まとめ

本工事の ようなRC ・PC混合構造の躯体 を築造す る上 で

,4.

で述べたような問題 ,あるいは工程 ,品質 ,安 全管理上およびコス ト的なもの も含めて,様々な検討事 項が発生すると思われるが,主要なものについては本工 事 と同様の状況が考 えられるので ,本報告が今後施工 さ れ る場合の参考になれば辛いである.

参照

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